最近ずっと太陽で少し疲れてきたので、たまには夜もと思い、少しメンテナンスも兼ねて電視観望関連のテストをしました。
先月末の飛騨コスモス天文台での電視観望は散々な結果に終わりました。やはり普段から触っていないと、いざというときに使い物になりません。今回はちょっと反省して、きちんとメンテナンスすることにしました。
現在電視観望用としては3台のPCを運用しています。Windows SURFACEの7と8、M1 MacのVMware上で動くArm Windowsです。その中でメインはSURFACE 7で、予備がM1 Macだったりします。理由は仮想上でない普通のWindowsの方がなんだかんだ言って安定していることと、予備も含めてWindows PCを2台も持っていきたくないことです。SURFACE 7はSWAgTiなど撮影用にも使っていて環境を壊したくないので、いまだにWindows 10で、電視観望に用の環境も整っています。SURFACE 8はWindows 11で、太陽用に使っていたりでそこまで電視観望用の整備をしてませんでした。
今回いい機会なので、3台とも関連ソフトをアップデートをすることにします。想定ハードウェアはFMA135+Uranus-C+トラバースと、50mmレンズ+ASI294MC+自由雲台の広角電視観望の2種類です。そのための関連ソフトは最新のバージョン番号も書いておくと
最新版にするにあたり設定も少し見直しました。特に以下の4点は、おまじないかもしれませんが、SharpCapとSynScan Proとの接続の不安定性の解決に効く可能性があります。
広角電視観望ではできるだけ大きいセンサー面積が欲しいので、ASI294MCを使っています。手軽さ優先なので冷却は無しです。問題はM1 MacのArm版 Windowsです。カメラドライバーだけはArm版専用のものを必要とします。逆にカメラドライバー以外では今のところ大丈夫で、ASCOM用ドライバーなどカメラ以外の全てのドライバー、その他全てのアプリはArm用ではなく普通のWindowsのものがそのまま使えます。これは結構驚きでした。
カメラドライバーのインストールは以前かなり苦労しました。
その苦労もあり、PlayerOneのドライバーは安定して動いています。
問題はZWOカメラで、ドライバーをインストールはできて一応動くのですが、Windowsを再起動するたびに署名を無効にしなくてはならずに、そのためだけにWindowsをさらに2回再起動する必要があるなどかなり面倒です。しかもその署名無効方法があまり直感的でなく、覚えきるのが大変で、手順を間違えると深刻なことになる可能性もあり、毎回手順を確認しながら実行するようにしています。そのためやる気が大きく削がれてしまい、観望会においてM1 MacでASI294MCを稼働することはかなり稀な状況になってしまっています。
今回約1年以上たって状況が改善されていることも期待したのですが、調べた限りは状況は全く変わっていないようで、相駆らわず今も署名オフが必要なようです。これは結構残念でした。VMwarewを落とさないか、レジューム機能でWindowsを停止状態にしておけば復帰後もカメラドライバーが生きているので、観望会前は事前に一度認識させておくのがいいのかもしれません。
M1 Macで電視観望を控えるもう一つの理由が、SynScan Appのプレートソルブ「SynMatrix AutoAlign」でUranus-Cが認識されないことでした。SURFACE 7ではきちんと認識されているのに、なぜかM1 MacのArm Windowsでは認識されていないのです。この問題、SynMatrixが必要になるときは結局SURFACE 7を使ってしまって、M1 Macのほうでは長らく解決せずという状態が続いていました。
今回は少し気合を入れて調べてみます。まず、SynMatrixでPlayerOneカメラを認識しているのがSURFACE 7のみ、しかもよく見てみるとZWOカメラもSURFACE 7のみでしか認識されていません。M1 Macだけでなく、今回SynScan ProをアップデートしてSynMatrixが使えるようになったSURFACE 8の方もカメラを全く認識していません。どうやらArm Windowsだからという問題ではないようで、Armが悪いというのは単なる思い込みだったようです。
結局この問題はかなり単純で、少し調べると、SynMatrixがリリースされた時のどこかのコメントに、カメラ用のASCOMドライバーが必要だという記述がありました。まずSURFACE 8に、ZWOカメラ用のASCMOMドライバーと、PlayerOne用のASCMOドライバーをインストールしたら、無事に両カメラとも認識され実際に画像を取り込むことができました。特に、PlayerOneの方はASCOM platformの6.5を必要とすると書いてあったので心配でしたが、7.0.2でも普通に動くようです。
さて問題のM1 Mac上のArm Windowsですが、こちらもZWOとPlayerOneの ASCMOドライバーをインストールしてみました。すると何の問題もなくSynMatrixで両カメラとも認識され、(ZWOの方は署名をオフにしてから)無事に画像を取得することができました。
これで3台ともSynScan Proでのプレートソルブ、SharpCapでのプレートソルブ、安定なSharpCapとSynScan Proの接続が実現され、今後の観望会での電視観望運用に目処をつけることができました。
広角電視観望で、カメラレンズとZWOカメラを接続するアダプターをAmazonで見つけた安物にしたところ、飛騨コスモス天文台の観望会でピントが出なかったという致命的な欠点がありました。その時は時間がなかったので結局諦めたのですが、あらためて見直してみました。
まず一番の原因が、QBPが入っていて、それが薄型のT2と1.25インチフィルターをつけるアダプターでカメラにねじ込んで取り付けてあったので、接続アダプターのねじ込みが足りなかったことが問題でした。薄型といっても厚さが数mmはあるので、影響があるみたいです。
まず、フィルターをねじ込みアダプターごと外して、接続アダプターを一番奥までねじ込んで試してみると、ギリギリですがなんとかピントが出ます。このテスト自宅でやっていたのですが、ここでちょっと驚きました。この状態で見る天の川があまりにはっきりしているのです。これまで天の川電視観望は何度もやってきましたが、いずれもCBPやQBPを入れた状態で試していました。これは同時に主に赤い星雲を見るためなのですが、天の川自身の見え方はかなり犠牲にしていたようです。
ただし、当然ですが星雲の見え方はかなり犠牲になります。上の画像は天の川の一番濃いところらへんで、M8干潟星雲などが映り込んでいるのですが、どこにあるかわかりますでしょうか?
この写りだと星雲を見てもらうにはちょっと厳しいので、試しに何とか元々使っていたQBPを入れてなんとかピントが出ないか試してみることにしました。結局、カメラ側に取り付けるのではなく、接続アダプターとレンズの間の隙間に、ねじ込むことをせずにポンと置くだけのような形で入れ込みました。
揺らすとちょっとカタカタ鳴りますが、T2アダプターが防波堤になってレンズを傷つけるとかもなさそうなので、実用上は問題ないでしょう。
QBPを通して見た天の川ですが、上と同じような画角で見るとこうなります。
今度はM8、M20、M17、M16など星雲がはっきりとわかりますが、逆に天の川が随分と淡くなります。
見栄えがかなり違うので比較してみるのが面白いかと思います。なので、できるならフィルターの取り外しがすぐにできるといいのですが、これは今後の課題としたいと思います。
SharpCapのアップデートに伴い、ライブスタックで恒星の色合わせを実現する機能が追加されていました。調べたら6月30日のバージョン4.1.13447.0で搭載されたようなので、まだ出来立てホヤホヤみたいです。どの星の色かを特定するために、プレートソルブと合わせて働く機能のようです。
それに合わせて、背景を自動で調整する機能も搭載されたようです。
各色の上にある白いマーカーの左側をずらすことで、マニュアルでどれだけ引くか調整することもできるようです。
これまでも色バランスと輝度のストレッチなどを駆使して恒星の色を調整するとかはできることはできたのですが、今回はPixInsightのPCCみたいに、より客観的に、安定して色をそろえることができるようになったということかと思います。
以上久しぶりの電視観望ネタでしたが、先月あったトラブルはメンテナンスでかなり状況は改善されたと思います。3台体制で、どれも機能に差がなく、同様の動作が期待できます。
今週末にまた飛騨コスモス天文台で観望会があることと、夏休みで8月にも何度か観望会の予定があるのでこれでちょっと安心です。さらに、今回試したノーフィルター天の川も含めて来てくれたお客さんに披露できればと思います。
メンテナンス
先月末の飛騨コスモス天文台での電視観望は散々な結果に終わりました。やはり普段から触っていないと、いざというときに使い物になりません。今回はちょっと反省して、きちんとメンテナンスすることにしました。
現在電視観望用としては3台のPCを運用しています。Windows SURFACEの7と8、M1 MacのVMware上で動くArm Windowsです。その中でメインはSURFACE 7で、予備がM1 Macだったりします。理由は仮想上でない普通のWindowsの方がなんだかんだ言って安定していることと、予備も含めてWindows PCを2台も持っていきたくないことです。SURFACE 7はSWAgTiなど撮影用にも使っていて環境を壊したくないので、いまだにWindows 10で、電視観望に用の環境も整っています。SURFACE 8はWindows 11で、太陽用に使っていたりでそこまで電視観望用の整備をしてませんでした。
今回いい機会なので、3台とも関連ソフトをアップデートをすることにします。想定ハードウェアはFMA135+Uranus-C+トラバースと、50mmレンズ+ASI294MC+自由雲台の広角電視観望の2種類です。そのための関連ソフトは最新のバージョン番号も書いておくと
- SharpCap 4.1.13484.0
- SynScan Pro 2.5.18
- ASCOM driver for SynScan App 1.5.1
- ASCOM platfome 7.0.2
最新版にするにあたり設定も少し見直しました。特に以下の4点は、おまじないかもしれませんが、SharpCapとSynScan Proとの接続の不安定性の解決に効く可能性があります。
- SynScan Proの「設定」「接続の設定」の「リードアウトタイム」をデフォルトの200msから1000msにしました。これで最初に接続に失敗することが少なくなります。
- ファイヤーウォールでパブリックでの接続を許可しました。これは効果があるか不明ですが、プライベートだけだとダメだったことがあります。
- SynScan Proの「設定」「観測値」の緯度、経度情報を自動ではなく手入力すること。
- SharpCapのプレートソルブ設定の所の鏡筒の焦点距離をきちんと入力すること。
ZWOカメラのArm Windows対応状況は1年たっても進展なし
広角電視観望ではできるだけ大きいセンサー面積が欲しいので、ASI294MCを使っています。手軽さ優先なので冷却は無しです。問題はM1 MacのArm版 Windowsです。カメラドライバーだけはArm版専用のものを必要とします。逆にカメラドライバー以外では今のところ大丈夫で、ASCOM用ドライバーなどカメラ以外の全てのドライバー、その他全てのアプリはArm用ではなく普通のWindowsのものがそのまま使えます。これは結構驚きでした。
カメラドライバーのインストールは以前かなり苦労しました。
その苦労もあり、PlayerOneのドライバーは安定して動いています。
問題はZWOカメラで、ドライバーをインストールはできて一応動くのですが、Windowsを再起動するたびに署名を無効にしなくてはならずに、そのためだけにWindowsをさらに2回再起動する必要があるなどかなり面倒です。しかもその署名無効方法があまり直感的でなく、覚えきるのが大変で、手順を間違えると深刻なことになる可能性もあり、毎回手順を確認しながら実行するようにしています。そのためやる気が大きく削がれてしまい、観望会においてM1 MacでASI294MCを稼働することはかなり稀な状況になってしまっています。
今回約1年以上たって状況が改善されていることも期待したのですが、調べた限りは状況は全く変わっていないようで、相駆らわず今も署名オフが必要なようです。これは結構残念でした。VMwarewを落とさないか、レジューム機能でWindowsを停止状態にしておけば復帰後もカメラドライバーが生きているので、観望会前は事前に一度認識させておくのがいいのかもしれません。
SynMatrixでのカメラの認識
M1 Macで電視観望を控えるもう一つの理由が、SynScan Appのプレートソルブ「SynMatrix AutoAlign」でUranus-Cが認識されないことでした。SURFACE 7ではきちんと認識されているのに、なぜかM1 MacのArm Windowsでは認識されていないのです。この問題、SynMatrixが必要になるときは結局SURFACE 7を使ってしまって、M1 Macのほうでは長らく解決せずという状態が続いていました。
今回は少し気合を入れて調べてみます。まず、SynMatrixでPlayerOneカメラを認識しているのがSURFACE 7のみ、しかもよく見てみるとZWOカメラもSURFACE 7のみでしか認識されていません。M1 Macだけでなく、今回SynScan ProをアップデートしてSynMatrixが使えるようになったSURFACE 8の方もカメラを全く認識していません。どうやらArm Windowsだからという問題ではないようで、Armが悪いというのは単なる思い込みだったようです。
結局この問題はかなり単純で、少し調べると、SynMatrixがリリースされた時のどこかのコメントに、カメラ用のASCOMドライバーが必要だという記述がありました。まずSURFACE 8に、ZWOカメラ用のASCMOMドライバーと、PlayerOne用のASCMOドライバーをインストールしたら、無事に両カメラとも認識され実際に画像を取り込むことができました。特に、PlayerOneの方はASCOM platformの6.5を必要とすると書いてあったので心配でしたが、7.0.2でも普通に動くようです。
さて問題のM1 Mac上のArm Windowsですが、こちらもZWOとPlayerOneの ASCMOドライバーをインストールしてみました。すると何の問題もなくSynMatrixで両カメラとも認識され、(ZWOの方は署名をオフにしてから)無事に画像を取得することができました。
これで3台ともSynScan Proでのプレートソルブ、SharpCapでのプレートソルブ、安定なSharpCapとSynScan Proの接続が実現され、今後の観望会での電視観望運用に目処をつけることができました。
フィルターなしの広角電視観望で見る天の川
広角電視観望で、カメラレンズとZWOカメラを接続するアダプターをAmazonで見つけた安物にしたところ、飛騨コスモス天文台の観望会でピントが出なかったという致命的な欠点がありました。その時は時間がなかったので結局諦めたのですが、あらためて見直してみました。
まず一番の原因が、QBPが入っていて、それが薄型のT2と1.25インチフィルターをつけるアダプターでカメラにねじ込んで取り付けてあったので、接続アダプターのねじ込みが足りなかったことが問題でした。薄型といっても厚さが数mmはあるので、影響があるみたいです。
まず、フィルターをねじ込みアダプターごと外して、接続アダプターを一番奥までねじ込んで試してみると、ギリギリですがなんとかピントが出ます。このテスト自宅でやっていたのですが、ここでちょっと驚きました。この状態で見る天の川があまりにはっきりしているのです。これまで天の川電視観望は何度もやってきましたが、いずれもCBPやQBPを入れた状態で試していました。これは同時に主に赤い星雲を見るためなのですが、天の川自身の見え方はかなり犠牲にしていたようです。
ただし、当然ですが星雲の見え方はかなり犠牲になります。上の画像は天の川の一番濃いところらへんで、M8干潟星雲などが映り込んでいるのですが、どこにあるかわかりますでしょうか?
この写りだと星雲を見てもらうにはちょっと厳しいので、試しに何とか元々使っていたQBPを入れてなんとかピントが出ないか試してみることにしました。結局、カメラ側に取り付けるのではなく、接続アダプターとレンズの間の隙間に、ねじ込むことをせずにポンと置くだけのような形で入れ込みました。
揺らすとちょっとカタカタ鳴りますが、T2アダプターが防波堤になってレンズを傷つけるとかもなさそうなので、実用上は問題ないでしょう。
QBPを通して見た天の川ですが、上と同じような画角で見るとこうなります。
今度はM8、M20、M17、M16など星雲がはっきりとわかりますが、逆に天の川が随分と淡くなります。
見栄えがかなり違うので比較してみるのが面白いかと思います。なので、できるならフィルターの取り外しがすぐにできるといいのですが、これは今後の課題としたいと思います。
SharpCapの新機能
SharpCapのアップデートに伴い、ライブスタックで恒星の色合わせを実現する機能が追加されていました。調べたら6月30日のバージョン4.1.13447.0で搭載されたようなので、まだ出来立てホヤホヤみたいです。どの星の色かを特定するために、プレートソルブと合わせて働く機能のようです。
それに合わせて、背景を自動で調整する機能も搭載されたようです。
各色の上にある白いマーカーの左側をずらすことで、マニュアルでどれだけ引くか調整することもできるようです。
これまでも色バランスと輝度のストレッチなどを駆使して恒星の色を調整するとかはできることはできたのですが、今回はPixInsightのPCCみたいに、より客観的に、安定して色をそろえることができるようになったということかと思います。
まとめ
以上久しぶりの電視観望ネタでしたが、先月あったトラブルはメンテナンスでかなり状況は改善されたと思います。3台体制で、どれも機能に差がなく、同様の動作が期待できます。
今週末にまた飛騨コスモス天文台で観望会があることと、夏休みで8月にも何度か観望会の予定があるのでこれでちょっと安心です。さらに、今回試したノーフィルター天の川も含めて来てくれたお客さんに披露できればと思います。








































