ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:M101

最近ずっと太陽の記事ばかりですが、夜の撮影も多少進めています。試したのは3月21日と23日で、SWAgTiでモンキー星雲を撮影してみました。


春霞がひどい

3月21日はひどい春霞でした。黄砂も来ていたらしいです。雲は見えないのに星も見えないという、訳のわからない日でした。明るい星がかろうじて数個見えるくらいです。しかも家の中にいても風がビュービュー吹く音が聞こえるほど強くて、決して撮影に適した日とはは言えませんでした。でも久しぶりの晴れだったので、とにかく何か撮ってみようと試してみたというわけです。

IMG_1076


機材は簡単に、RedCat51 + Uranus-C Pro + CBP+ SWAgTiです。CBPはあまり強くないフィルターですが、モンキー星雲なら電視観望で数秒露光でも普通は何か見えます。でもこの日はPCの画面で見ても限りなく淡です。結局この日は3分露光で66枚撮影しましたが、後から見たら風のせいでブレブレで、使えそうなものは約半分の32枚でした。しかも、過去が画像のモンキー星雲のRAWファイルと比べても淡いです。

気を取り直して2日後の3月23日、撮り増しすることにしました。というか、21日の画像が淡すぎたので、できれば一から撮り直したいと思っていました。でもこの日も霞がすごかったです。黄砂予報は少し緩和されたので多少マシかと思っていましたが、後で比べたら結局同じくらいの淡さでした。もしかしたら何か機器の方に問題があるかと思ったくらいです。ちなみに、23日にはε130Dでばら星雲も撮影していますが、こちらはまだ明るい機材のせいか、多少マシなようです。それでも普通から考えたらかなり淡かったです。2つの機器で淡いので、やはりこれは機材のせいではなく、単に春霞がひどいのでしょう。

天体撮影では天気だけはどうしようもないので、この23日もそのまま撮影を続行し、71枚撮って56枚を使うことにしました。21日の画像を比べてもほとんど変わりないくらい淡かったのと、すでに7時間撮影していて、使わないファイルを除いても4時間半分くらいあること、その後の天気があまり良くなかったので、もう諦めて画像処理に進むことにしました。


画像処理

撮影後の画像処理はすぐに始めたのですが、MGCでストップしてしまいました。フィルターにCBPを使っているのである意味ナローバンド撮影といっていいのでしょうか、MGCを適用すると補正画像がこんなふうになってしまいます。

integration_ABE_MGC_gradient_model

これだと肝心のモンキー星雲本体が大きく補正されて、かなり暗くなってしまいます。この時はSPCCやSPFCのフィルターをありあわせのもので適当に済ませてしまっていたので、これを直せばなんとかなるかと思い、この時点でしばらくお蔵入りになってしまっていました。

先週末までで太陽のブログ記事を書くのもすこし落ち着いたので、モンキー星雲の画像処理を再開しました。やったことはSPCC用のCBPと、Uranuns-Cのフィルターを作ることです。CBPはだいこもんさんが作ってくれたものを使い、Uranus-C用のIMX585のカラーレスポンスは以前作っていたので、グラフを読み取るとかの手間はなく、ただ単にCBPとIMX585のフィルター情報をFilterManager上で重ね合わせるだけでした。


MGCのバージョンアップ

でも結局フィルターを正しくしてもMGCの補正はほとんど変わりませんでした。MGCはちょうど3月21日ににバージョンアップしていて、MARS DR1 Database Version 1.1が使えるようになっています。


このバージョンアップはかなりの進化で、オリオン領域の露光時間を10倍くらいにしたとか、これまでのHαに加えてOIIIに対応したというアナウンスがされていてAOO画像に対応、さらにSIIもRを代用すればなんとかなるかもということです。

それならばCBPでも対応できるのかと思っていたのですが、フィルターをCBP+IMX585にしても、MGCでナローバンドを設定しても、結局はだめでした。ナローバンドの設定は、例えばBをOIIIにすると青の補正が全くされないとかです。補正するのところをナローに変えると補正されなくなるようなので、例えばRをHα、GをOIII、BをOIIIとかにすると、補正画像側の星雲本体部分が真っ暗で、暗い黒で補正するので星雲本体が明るくボケボケになってしまうような状況でした。

まだ探りきれていないのかもしれませんが、ナローバンド、特に今回のようなワンショットナローバンド画像は、もう少しこなれるのを待っていた方がいいのかと思います。

MGCでの補正はあきらめ、あとは普通通り処理しました。

(2025/4.29: 追記) MGCで星雲本体が補正される問題は、結局Gradient Scaleが小さすぎたことでした。以前勾玉星雲の時にGradient Scaleの値を探っています。ε130Dの迷光の跡を消そうとしてGradient Scaleを小さくして、そのときは256が一番結果が良かったので、そのまま鵜呑みをしてモンキー星雲にも256を使っていました。今回のような大きな星雲が真ん中にドンとあるときは、Gradient Scaleを小さくするのは過補正になる可能性があるということです。実際、Gradient Scaleを1024にすると補正画像からモンキー星雲本体の形が完全に消え、1段階小さい768だともう星雲本体が補正されてしまいます。元々のMGCの目的から考えると、大きな構造を補正する目的なので、細かすぎる補正は目的にそぐわないといっても良いのかと思います。臨機応変に対応しなければと、改めて反省しました。(追記終り)

あ、そういえば今回はセンサー面の埃が目立っていて、星雲本体の上に大きな丸が乗っかってしまっていました。
IMG_1075

なのでお気楽撮影という方針には反するのですが、フラット撮影して補正するという手間をかけてしまいました。といっても、自宅で明るい昼間に部屋の中の白い壁を写すだけなので、まあ大した手間ではありません。フラットはフラットダークを撮らないと色々面倒なことが起こる可能性が高いので、フラットダークも撮影しています。フラットもフラットダークも1枚あたり30ミリ秒秒とかなので、大した時間はかかりません。その一方、ダークファイルは撮影に時間がかかるので、今回もダーク補正は無しです。ここら辺はSWAgTiのお気楽撮影を守りたいと思っています。


結果は...

さて、結果です。

「NGC2174:モンキー星雲」
Image15_DBE_cut
  • 撮影日: 2025321203分-225620253231946分-2324
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: William Optics RedCat51(f250mm、F4.9)
  • フィルター: なし
  • 赤道儀: SWAgTi (SWAT-350V-spec Premium + AZ-GTi)
  • カメラ: Player One Uranus-C Pro(-10℃)
  • ガイド: なし
  • 撮影: NINA、Gain 120、露光時間3分 x 88枚 = 264分 = 4時間24
  • Dark: なし、Flat, Flatdark: Gain 220, 露光時間0.03秒x128枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

星雲本体の色は出ていますが、まわりの分子雲みたいなのは皆無です。と思って調べたのですが、モンキー星雲の周りってあまり分子運ないみたいなんですよね。その代わりに、モンキーの右下に青い丸ポチがある画像をいくつか見つけました。この青丸、出てる画像と出てないな画像に分かれるみたいです。出ている画像はRGBで、出ていない画像はナローでした。そう言った目で見てみると、ごくわずかですが青っぽい色が出ています。これは比較的弱いCBPを使ったからかと思います。特にCBPは青色領域を結構通すので、色が自然に近くなり処理がしやすく、私は結構好んで使っています。でもいつか、本当のBで撮影したいと思ったのですが、もう季節は過ぎてしまったので、来シーズンの課題とします。

恒例のアノテーションです。結構斜めになってしまっています。玄関に置いてあるのを出してそのまま撮影するので、あまり真面目にセットしていないのがこんなところからもわかってしまいます。
Image01_Annotated


過去画像との比較

比較のために、
以前撮影したモンキー星雲を再掲載します。6年前の2019年1月にFS-60QにEOS 6Dで撮影しています。約2年後の2020年12月にDeNoise AIが出た頃に、一度再処理しています。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_HSVRepair_AS_all4_cut

色に関しては星雲も恒星も含めて今回の方が階調も出ているのでまだいいのですが、恒星の分解能はそれほど変わらず、星雲の分解能は以前よりも劣っていると言っていいでしょうか。これではベスト更新と言っていいのかどうか?

原因ははっきりとしていて、春霞で暗くてボケボケ、むしろよくここまで出たと言ってもいいくらいです。この撮影を通して思ったことは、やはり条件の悪い時は無理してももうどうしようもないと。その一方、機材や技術の進化で、昔の条件のいい時に撮ったものと、今の条件の悪い時に時に撮ったものが、まあ同じくらいの土俵に上がるので、実際にいろいろ進歩はしているはずです。


まとめ

北陸の晴れは貴重なので、春霞の中で無理をしてモンキー星雲を撮影しました。やっぱり晴れというだけではダメですね。私は機材とか画像処理とかに進歩があって、その結果を撮影して確認したいクチなので、ベスト更新ができないとかなり凹むこともわかりました。これからもう少し条件が良くなっていくと思うので、また別天体で今後梅雨までの期間を期待したいと思います。

でも、昼間の太陽撮影と夜の天体撮影はかなりきついです。まず、睡眠時間がとれません。撮影の日はやはり遅くまで起きてますし、太陽は朝の方が条件が良さそうなので早く起きます。昼寝とかすればいいのですが、太陽の画像処理は早めにやりたいし、その合間で夜の撮影の方の画像処理も進めます。さらにブログ記事まで書きたいので、流石にちょっと大変です。

性格的にやりたいことがあると延々と作業してしまうので、意識的に他のことをしないとダメみたいです。まだバラ星雲、M101、猫の手星雲、獅子座の銀河あたりの画像処理が残ってます。太陽も土日で大量に撮影とテストをしたので、まとめが全然追いついてません。ちょっとペースを落とした方がいいのかもしれません。


これまで超新星を多数発見している板垣公一さんによって、M101において2023-05-19 17:27:15(UTC)に新たに超新星が発見されました。日本時間では20日2時27分になります。発見時は14.9等級で、現在も増光中のようで、すでに2023ixfという名前がついています。


近い距離での超新星

M101までの距離がWikipediaによると20.9 ± 1.8 x 百万光年 (6.4 ± 0.5 メガパーセク)とのこと(より正確にはここ)で、比較的近い距離での超新星になります。それでもニュートリノが検出された大マゼラン雲の超新星爆発1987aが51.4 キロパーセクで16.8万光年とはるかに近かったのと比べると、今回の2023ixfは1250倍ほど遠い距離で起こったことになります。

詳しい情報は、Latest Supernovaeに集められていています。順に辿っていくと発見後の盛り上がりの雰囲気を感じることができます。例えばAstroNote 2023-124ではその時点で最も早い時間に出現したのがA. V. Filippenkoらによって2023-05-19 06:08:00と確かめられていて、それ以前では2023-05-18 10:17:15にはATLASによって出現が確認されていないことがわかります。

輝度変化はここにまとめられていて、下の方のlight curveを見ると時系列の変化がわかります。


超新星爆発前

私はたまたま5月17日の夜にM101のL画像を撮影していました。去年撮影したM101がRGB撮影だったので、L画像を追加して分解能を出そうと思っていたからです。今回撮影した画像を探ってみると5月17日18時8分(UTC)が最後で、少なくともこの画像では超新星は確認できませんでした。でも結構発見時に近い時間なので、どの程度迫っているのか興味が湧いてきました。

板垣さんが発見した時間には、既に超新星は出現していたわけです。ではいったいつ出現したかというと、これも上記ページから辿ることができるAstroNote 2023-133を見るとわかります。このページの一番下のpdfファイルを見てみると、5月18日19時32分(UTC)にはまだ起こっていなくて、5月18日20時29分(UTC)には存在が確認されているので、57分間にまで絞り込めていることがわかります。

こう見ると、自分で撮影したものは今確認されている一番遅い時間に1日くらいまで迫れているので、かなりラッキーだったのではないでしょうか。実際、爆発後の画像はすごい枚数がネットで確認できますが、爆発前の画像はそこまで多く確認できません。

というわけで、まずは爆発前の画像です。L画像のみの撮影だったのでモノクロです。基本的には、スタックして、ABEを1次でかけてカブリをとり、オートストレッチをかけたのみで、BXTなど出来るかぎり何も加工はしていません。bin1で撮影していてファイルサイズが大きすぎるので、アップ時に解像度を半分に落としています。

masterLight_BIN_1_8288x5644_300_00s_L__ABE_STF_s
  • 撮影日: 2023年5月17日22時21分-5月18日3時8分(JST)、5月17日13時21分-18時13分(UTC)
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: SHARP STAR製 SCA260(f1300mm)
  • フィルター: 無し
  • 赤道儀: Celestron CGX-L
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (0℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、Gain 120で露光時間5分x47=235分 =3時間55分
  • Dark: 0度、Gain 120で、露光時間5分x44枚
  • Flat, Darkflat: Gain 240で露光時間 0.01秒x128
  • 画像処理: PixInsight

超新星爆発後

超新星爆発のニュースを聞いたのが5月20日で飛騨コスモス天文台の観望会の日の午前中くらいだったと思います。天気予報も良くなさそうなので大した機材は持っていかなかったのですが、観望会中はそこそこ晴れている時もあったので(機材があり、かつお客さんを放っておけば)撮影できたかもしれません。といっても、もし撮影しようとしたらSCA260+CGX-Lと重機材コースになるので、気楽に持っていくのはやはり大変だったのかと思います。

それ以降ずっと晴れませんでしたが、ようやく5月24日に少し晴れて、M101と超新星爆発を撮影することができました。それでも少し曇りがちの日で、使えなかった画像も多いです。

masterLight_BIN_1_8288x5644_300_00s_L_ABE_STF_s
  • 撮影日: 2023年5月24日21時58分-23時1分(JST)、5月24日12時58分-14時1分(UTC)
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: SHARP STAR製 SCA260(f1300mm)
  • フィルター: 無し
  • 赤道儀: Celestron CGX-L
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (0℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、Gain 120で露光時間5分x10=50分
  • Dark: Gain 120で露光時間5分x44枚
  • Flat, Darkflat: Gain 240で露光時間 0.01秒x128
  • 画像処理: PixInsight
露光時間が短くて少しノイジーですが、左の腕のところに明らかに明るい星が出現しています!


比較

というわけで、これがやりたかったのです。
masterLight_BIN_1_8288x5644_300_00s_L_integration_ABE1_DBEcrop2

上の2枚の画像からGIFアニメを生成しています。

Twitterに上のアニメ投稿したら、100リツイート、400いいね超えとなりました。やはりわかりやすい画像はいいですね。


カラー化

L画像のついでに少しだけRGB画像も撮影したので、カラー化してみました。と言っても露光時間はLRGB全部で5分x24枚=2時間とかなり短いので、かなりノイジーです。

Image47_DBE_bg_cut2_s

背景の銀河に比べても、超新星はかなり青みががかって見えることがわかります。

まとめ

超新星を写すのは初めてのことです。しかも出現1日ちょっと前にたまたま撮影していたので、出現時間に結構迫れたは嬉しかったです。

今回調べていて、超新星の発見がいかに大変なことがよくわかりました。しかも今は機械サーベイが主流です。アマチュアで発見を続ける板垣公一さんには尊敬の念しかありません。



タイトルの通りCGEM IIと260でのおそらく最後の作例となります。対象は M101回転花火銀河で、これも前回のM100に続き、馬頭星雲のついでに後半に撮影していたものです。


反転時のトラブル

ただ、もう1ヶ月以上前のことになるので、ほとんど記憶がないんですよね。唯一覚えていることが、USBハブの破壊です。

IMG_4704
と、こんな感じです。

赤道儀の反転の時にやらかしました。子午線近くになるとNINAが自動で反転してくれるのですが、これまでうまくいっていたので油断してました。富山は日本海側なので、北方向が街で普段は北の空を撮ることはほとんどありません。北の空での自動反転は初めてだったのです。撮影中は自宅からリモートで画像などをちょくちょくチェックしているのですが、なぜかちょっと前から画像が送られて来なくなって「あれ?バッテリー切れか何かか?でもまだ早いな?」と何の気なしに外に出て愕然としました。どうやら反転の際の回転中にケーブルがどこかに引っかかって、引っ張られてしまったようです。上のようにUSBハブのコネクタのところがもげていました。

でもこれ不幸中の幸いで、根元側に繋がっていたCMOSカメラのUSB2.0のコネクタ部や、USBハブの先につながっていたホイール、フォーカサーなどその他の損傷はなかったのです。ひとえに、このエレコム製のハブがこのコネクタ部を弱く作ってくれていたおかげです。接続部を見ても、ちょっとのハンダで固定しているだけで、強度を持たせていないようです。おそらく設計の段階で考えられているのかと思いますが、今回これに助けられました。これ以降もエレコムハブを使うことにすると思います。

根本的な対策としては、引っ張ったら抜けるような構造を途中に入れておくことかと思います。短い延長ケーブルとかでもいいですし、コネクタ変換用のアダプタをうまく使うという手もあるかと思います。USB-Cコネクタなんかはわざとかと思うほど脆弱に作られています。


撮影枚数

こんなトラブルがあり、他のことはほとんど記憶から吹っ飛んでいるのですが、残された画像を見てみると、3分露光で2日渡って撮影していたようです。それでも使える画像枚数は

R: 23/31枚、G: 8/24枚、B: 11/20枚、Hα: 4/10枚

と、トータル85枚で4時間15分撮影して、わずか46枚で2時間18分を画像処理に回すことになりました。これでもかなり甘く採用しているので、本当はもっと落としたいくらいです。Hαは赤ぽちだしだけなのでまだ4枚だけでもいいとして、Gの8枚は少な過ぎです。今回は揺れもそうですが、今見たら1日目に撮った画像はほぼ全滅、薄雲で淡い部分が出なかったのをかなり落としています。本当は撮り増しすべきなのですが、赤道儀も変わるのでとりあえずキリをつけてここまでとします。


画像処理

画像処理はいつものようにPixInsightのWBPPで、前回から始めたDeconvolutionを今回も適用しています。2度目なので少し余裕を持って処理できました。また、EZ Star Reductionで星像を小さくしましたが、今回はかなり小さくなってしまいました。効果の度合いをうまく選べないのが少し辛いところです。

あと、少し画像処理をPixInsightに移していこうと思い、Curve Trasnformationをいじってみました。Saturationを輝度に応じてカーブでいじれるのはPhotoshopではできないので、ここはメリットがあります。でも操作性はやはりPhotoshopの方が上と感じます。例えばPixInsightだとわざわざプレビューを開いて効果を確認しながら試さないといけないとかです。あと、やはりPhotoshopの一番の利点はレイヤーが利用できることかと思います。PixInsightもマスクを駆使することでレイヤーと同じようなことはできますが、やはり操作性は雲泥の差です。ただし、マスクの作成においてはStarNetも含めてPixInsightの方が星に特化されていたりするので、PixInsightで作ったマスクをPhotoshopで使うというスタイルはまだしばらく変わることがなさそうです。


結果

今回は2時間という短い撮影時間だったこともあり、かなりノイジーで苦労しました。結果というと以下のようになります。

Image88_ABE_PCC_DBE_decom_AS_AS_starreduction_SCNR_CT5
  • 撮影日: 2022年3月8日23時26分-3月9日3時26分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: SHARP STAR製 SCA260(f1300mm)
  • フィルター: Baader RGB
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、Gain 120、露光時間3分、R: 23枚、G: 8枚、B: 11枚、Hα: 4枚の計46枚で総露光時間2時間18分
  • Dark: Gain 120、露光時間3分、128枚
  • Flat, Darkflat: Gain 120、露光時間 RGB: 0.08秒、Hα: 1秒、 RGBとHαそれぞれ128枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

中心部はまだ明るいので細部がある程度出ていますが、外周はノイズ処理をしたので絵画っぽくなってしまったので、いつかリベンジしたいです。まだCGEM IIでの撮影で揺れが残っているので、今後CGX-Lに変更すると中心部ももう少し出るはずです。

いつものAnottationです。
Image88_ABE_PCC_DBE_decom_AS_AS_starreduction_SCNR_CT5_Annotated


それでも以前のTSA120で撮影した結果と比べるとかなりマシになっています。前回も画像処理は苦労した覚えがあり、結構ごまかしてやっとこれくらい出たのだと思います。

light_BINNING_1_integration_ABE_DBE_STR_DBE_STR_SNP_all_PS4_cuts


まとめ

最近ものすごく忙しくて、画像処理とかブログを書く時間が全然取れていません。実際今回も1ヶ月以上前の画像です。撮影したらその場でいいのすぐにメモ程度でも書いておいた方がいいですね。

さて、次からはいよいよCGX-Lで撮った三つ子銀河の画像処理です。でもその前に色々やりたいことがあって、時間が足りるかちょっと心配です。


 

回転花火銀河M101を撮影してみました。この天体は電視観望では何度か観たことがありますが、撮影は初めてです。自宅からですが、富山特有の北の明るい空です。さて、どうなることやら。


light_BINNING_1_integration_ABE_DBE_STR_DBE_STR_SNP_all_PS4_cuts
銀河部分を大きくみるために最終結果を切り出したものです。


撮影

今回はもう少し北側のM101に挑戦です。挑戦と言う意味ですが、富山は日本海側のため基本的に北が市街地になっているので、北の空はどうしても明るくなってしまい、これまでも撮影は避けてきました。

前回、三つ子銀河の自宅からの撮影がQBPを入れたまま知らずに撮影してしまうというアクシデントのおかげか、思いの外うまくいったので味をしめてしまいました。これならもう少し明るい領域でもなんとかなるのではと思い、この季節北東から真北に動いていくM101にしました。

機材セットアップは三つ子銀河の時と全く同じで、TSA-120にQPDでASI294MCProです。撮影自身は順調。ガイドもほとんどズレなしです。透明度はというと、三つ子銀河の時よりは悪かったと思います。見た目でもわかるくらい三つ子さんの時は細かい星まで散りばめられていましたが、M101のこの日の空は、悪くはないですが、まあそこそこと言ったくらいでしょうか。普通に星は見えますが、細かい星まではあまり見えません。

撮影はStickPCを利用したリモート撮影です。いったんセットして撮影が始まってしまえば、あとは部屋からヌクヌク状態でモニターすることができます。予定では3時間以上の露光時間を狙います。ところが、天頂越えまでまだ少し時間がある頃、部屋からリモート接続のでダウンロードされる画像を見ていると、星が流れて出していることに気づきました。おかしいと思い、外に出てチェックしてみると、天頂越え直前でカメラが三脚の当たって止まってしまっていました。これまでこんなことあまりなかったのですが、鏡筒が長いと天頂近くになるとカメラ側が脚に当たってしまうこともあるのがわかりました。こんなことならAPTで赤道儀の反転テストを試せばよかったです。赤道儀が明らかにずれてしまったのと、もうしばらくすると月も出てくるので、この日はこれで終了としました。5分露光で30枚なので2時間半分の撮影です。


全体の流れ

ガイドのズレを見るためにいつものように2時間半分の画像を動画にしてみます。

Blink

今回は1方向に動いているわけではなく、一度左に行って、右に戻ってきているような感じです。APTのDithering Distanceで4としてあるのですが、このランダムな動きがその4というので動いているのかもよくわかりません。1方向のドリフトではないのですが、まだたわみか何かが原因で動きすぎている気がします。

上の動画は明るさを規格化してしまっていますが、一番最初と一番最後ではヒストグラムで見ると明るさが1.5倍くらい違います。なぜかだんだん暗くなっていきます。最初北東にあったM101が高度を上げながら真北へ向かっていくくらいまでを撮影したのですが、普通に目で見ても北の方が明るいのは確かです。高度が上がっていくから暗くなるのか、夜中になり町の明かりが減っていったから暗くなっていったのかはわかりませんが、(QBP有り無しで高々3倍の明るさの違いなので)1.5倍は無視できないくらいの違いです。2時間半分あるのですが、淡いところだけを出すのなら後半のみ使うくらいの方がいいのかもしれません。今回は、結局画像処理をやっている過程で、最初の30分を使うのをやめました。そのため淡い部分がもう少し出るようになった気がします。


画像処理

今回結構色々学びました。特にAPTはまだまだ経験不足で慣れていないことも多いので、癖を知っておく必要がありそうです。


1. light frame

撮影した画像を見てみると、どうもホワイトバランスが根本的に取れてません。QBPのせいでしょうか?赤がどうしても強くなってしまいます。でも、後のフラットで逆に赤が暗くなったことを考えると、QBPのせいでもない気がします。

ight_redshift
rawファイルをカラーバランス補正なしでオートストレッチした画面。
ヒストグラムを見ても赤が支配的です。

SharpCapの場合はカラーバランスをソフト側でとることができて、fitsファイルにもそれが反映されてます。APTの場合にはカラーバランスを調整できる場所がありません。いや正確には見かけのカラーバランスは調整する場所はあるのですが、画面だけに反映され、fitsファイルにはそれは反映されないようです。


2. dark補正

今回はdarkの補正の時にアンプグローをうまく差っ引くために、前回のUTOさんのアドバイスを元にOptimizeオプションをオフにして処理しました。  オンとオフで比べてみます。

light-BINNING_1
デフォルトのOptimizeがオンのまま。右上にひどいアンプグローが残っています。

light-BINNING_1
ダーク補正の際のOptimizeをオフにした場合。
アンプグローは相当マシになります。

最初BatchPreProcessで設定場所が見つからなかったので、ImageCalibrationの中でOptimizeをオフにしてバッチ処理でなくその後もマニュアルでやったのですが、後にBatchPreProcessの右側のグローバルオプションのところに設定できる場所があることを見つけました。これでバッチ処理で手間をかけずに進めることができるようになりました。

ちなみに、ダークだけをものすごく炙り出してみるとこんな風になります。

Capture 00_12_39_00001 00_17_12_c_d

右上が目立ちますが、左上にもそこそこのアンプグローがあり、よく見ると右下にも少しあります。3箇所もあるので大変そうですが、ダーク補正でOptimizeをオフにすることで解決できるので、もうそれほど大きな問題ではないのかと思います。


3. bias補正

最初bias補正をすると画面が暗くなりすぎてしまいました。これはbais frameの撮影時のbiasの値(オフセット)が大きすぎたことと、次に書くフラット補正がうまく行っていなかったことが原因かと思われます。

badbias
カラーバランス補正をしてオートストレッチすると青と緑が暗すぎてしまう。
バイアス補正でオフセットが引かれ過ぎていると考えられる。

ligh frameの撮影時、APTでのbias設定が40でした。そのためbias frameの(オフセットの意味での)bais値は撮影時に40以下にしています。最初オフセットを30にしてSharpCapdで0.0032msで撮影したのですがまだ十分下げ切れていませんでした。それに合わせてflat frameのカラーバランスも合っていなかったせいで、赤が過補正のため青と緑が相対的にオフセットを引かれすぎた状態になってしまって、出来上がり画像の青と緑が暗すぎてしまったのかと思います。

そのため改めてbiasを撮影して、その際オフセットを20に下げ、今度は念のためAPTで撮影しました。一応これでうまく行きましたが、実際にはbias値を下げたからよくなったのか、後述のフラットのバランスが取るように対策したからなのかは不明です。


4. flat補正

その中でも、今回の撮影では特にflat補正で学ぶことが多かったです。TSA-120の口径が大きすぎて、いつもやっているようなiPadでのフラット撮影は出来ませんでした。手持ちのiPadでは画面が小さすぎてはみ出てしまうのです。その代わりにMacbook Proのモニターをフラットパネル代わりに使ってやりました。使ったツールは天リフさんのこのページです。



このページはカラーバランスを整えることができるので、非常に便利です。

短時間露光のflat frameなので、最初はディスクへの画像取り込み時間が速いのでSharpCapで撮影していたのですが、条件をそろえる意味で途中からAPTでの撮影に切り替えました。ゲインはlight frameと同じ220、露光時間は以前の検証から100msです。枚数は50枚程度ですが、これも以前の検証からこれくらいの枚数で十分だと思われます。

ここから色々不思議なことがあり、まだ完全に解決できていません。あいからわらずフラットは謎が多いです。

上の「1. light frame」のところでも述べましたが、APTでlight frameを撮影すると赤色が一番強調して撮影されます。上のスナップショットでヒストグラムのところを見ると、赤が青や緑に比べて1.5倍くらい明るいのがわかります。

これは有意なずれで画像処理に影響を与えるくらいかなり大きな差です。最初QBPのせいで赤くなっているのかなと思っていたのですが、不思議なことに鏡筒とカメラの設定を全く状態を変えないでMacのモニターでホワイトバランスをとったものをflat frameとして撮影すると、今度は赤が一番暗くなるのです。青や緑に比べて2分の1以下くらいの明るさです。

flat-BINNING_1

このflat frameを使いフラット処理をすると、もともと1.5倍明るい赤が、2分の1位の暗さの赤で割られるので、その結果赤が3倍くらい明るいlight frameが出来上がることがわかりました。そのため少なくともPIでは、light framとflat frameのカラーバランスは、そこそこ同じようにする必要があることがわかります。実際にはMacの画面のカラーバランスを、あらかじめ赤が3倍くらい明るいものにして、それを撮影することで、そこそこlight flameと同じカラーバランスの取れたflat frameを作ることできるようになりました。

もう一つ問題がありました。撮影したflatの画面のうち赤色だけ様子がおかしいのです。RGBに分解してみてやると、青や緑はいたって普通に見えますが、赤色だけはセンサーの長手方向に蝶形になるような、形が現れてきて、変に見えます。

flat_BINNING_1_integration_RGB_VNG
赤だけ変な形が現れる。

とりあえず軽減する方法は見つけました。どうもフラットパネル(今回はMacbook Proのモニター)で撮影することが悪さをしているようです。まず、フラットパネルを使わずに、昼間にスーパーの袋を二重に重ねてflatを撮影してみると、この変な形は随分とマシになります。カラーバランスはその時に入る光に依るので、少し赤っぽい、実際には電球色の光を入れています。

flat_BINNING_1_integration1_RGB_VNG
蝶のような形はなくなったようにみえます。 

画像を見ても少しマシになっていることがわかると思います。でもマシになっただけで、やはり同じような形は残っています。

で、結局最終的にやったことはというと、flat補正をしないという選択肢を取りました。どう見てもこれが一番マシなのです。そもそもカメラがフォーサーズ相当で周辺減光があまりないので、それほどフラット補正にこだわる必要はないのかもしれまん。

でもここで不思議なのは、同じ鏡筒で同じ条件で撮影しているのに、なんで普通のlight frameの撮影の方では、こんな変な模様が見えてこないかです。まだflat frameの撮影方法に問題があるような気がしています。ここらへんは時間があったらもう少し試してみます。


5. 仕上げ

フラット補正なしにしてスタックした画像がまともになるとやっと、その後の仕上げの画像処理に困ることはなくなりました。ちなみにこれ以前のフラットが合っていない時の画像処理は熾烈を極め、時間も相当かけてしまいました。ちなみに最後のフラット無しの結論に至るまでに、PixInsightでのフルスタックの画像処理の回数は11回。そのうちPhotoshopに移って最後まで処理を進めたのが4回。下処理がきちんとしていればいるほど、画像処理にかける時間も少なくなりますし、出来上がった画像もいいものになります。


結果

画像処理の段階で色々紆余曲折はしましたが、そこそこ満足のいく仕上がりになりました。透明度の差もあるのでしょうか、三つ子銀河の時ほどくっきり出すのは難しかったですが、アンプグローが軽減できたのと、フラットがマシになったぶんもあり、淡い部分をより炙り出すことができていると思います。

light_BINNING_1_integration_ABE_DBE_STR_DBE_STR_SNP_all_PS4_cut
  • 撮影日: 2020年4月16日21時29分-4月17日0時20分
  • 撮影場所: 富山県富山市下大久保
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MC Pro
  • 撮影条件: ゲイン220、温度-15℃、露光時間300秒x24枚 = 2時間0分 
  • フィルター: サイトロン QBP (48mm)
  • PixInsight、StarNet++、Photoshop CC、DeNoise AIで画像処理

自宅でこれなら、まあ十分ではないでしょうか。これも一度暗いところへ行って撮影してみたい対象です。一体どれくらい変わるのか、真ん中のしわしわの部分をもっときれいに出せたらと思います。

その一方、富山の北の空でこれだけ出るのなら、もう少し自宅で時間をかけていろんな銀河を探っていきたくなりました。自宅からなら、天気さえ良ければ平日でも比較的気楽に試すことができます。


Annotation

天体の名前入りの画像です。こちらも定番になりそうです。

light__integration_ABE_DBE_STR_DBE_STR_SNP_all_PS4_cut_Ann


前回の三つ子銀河は全面縦横ズレなしだったのですが、今回は右はあっていても左側が斜めになっています。北の空だからでしょうか。座標に対しては画面が歪んで写るんですね。


まとめ

TSA-120の自宅での撮影第2段。QBPのおかげもあり、北の空の銀河でもそこそこ写ることがわかりました。銀河の撮影も楽しくなってきました。TSA-120での撮影を今しばらく続けていきたいと思います。

その一方、まだ画像処理では理解不足なところがあります。特にflatはいまだにミステリーです。きちんとしたflat撮影方法をもう少しきちんと考える必要がありそうです。
 

このページのトップヘ