ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:FMA135

2025年11月15日(土)、久しぶりに飛騨コスモス天文台の観望会に行きました。7月の観望会以来です。12月から4月は例年雪で立ち入りできないので、観望会は5月から11月まで毎月あり、全7回の予定でした。今年は雨が多くてそもそも中止になった回が多くて、結局今年開催できたのは6月、7月、11月と3回だけでした。最後くらいはいい天気になってほしいと願っていたのですが、今年の天気の悪さを全て払拭するくらいのベストな空でした。


この日は快晴

この日は朝から太陽撮影をずっとしていていろいろ立て込んでいました。観望会への出発予定時刻は15時半頃を考えていました。休日の昼間で41号線が多少混んでいると1時間半くらいはかかるので、夕方17時頃に到着の予定でした。実際には太陽撮影でどうしてもやっておきたいことが残ってしまい、出発は16時前くらいになってしまいましたが、道はそれほど混んでいなかったので、17時過ぎくらいには到着しました。到着時はもう全面快晴で、すごく澄んだ空だったので、かなり期待できました。昼間が晴れている時はお客さんも多いので、この日はたくさん来てくれるのではと、こちらも期待していました。

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雲一つ無い、全面晴れ渡っていた空でした。


機材準備完了

11月も後半なので、17時頃だともう暗くなるくらいの時間帯です。早速機材の準備を始めました。毎回45cmドブソニアンでいろいろ見せてくれるかんたろうさんが、この日は来れないとのことなので、特に土星を見る目的で20cmのC8をCGEM IIに載せることにしました。あわよくば、観望会後にε130Dに交換して撮影を続行しようという魂胆です。あとはいつものFMA135+Uranus-C+Traverseのミニマム電視観望と、子供達に触ってもらうためのSCOPETECHです。あと、一番星探しのために星座ビノもいくつか出してテーブルの上に用意しておきました。。

準備の最中にもどんどん暗くなってきます。西の空を見上げると天頂から少し西に行ったところに一番星でベガが見えます。本当は来てくれたお客さんたちと一番星探しをしたかったのですが、まだ早いせいか誰もきていないので、一人寂しく一番星を見つけてました。

時間的には余裕があったので、CGEMの極軸もSharpCapを使い正確に合わせて土星を導入しておきます。この日は2時間ほど放っておいたのですが、センターに入れた土星はほとんどずれることなくずっと位置を保ったままでした。観望会でもこれくらい精度良く極軸を合わせる余裕があると、その後がかなり楽になります。

もう十分暗いので、電視観望でも星雲が余裕で見えます。とりあえずM27を導入しておいたので、これでお客さんが来ても準備万端です。トラブルとしては、最初M1 MacのArm WindowsでUranus-Cを見ていたのですが、どうも転送速度が遅いのか、画面の更新に10秒とかの単位で余分に時間がかかってしまいます。以前はこんなことはなかったので、これは一度昼間にきちんとテストした方がいいかもしれません。仕方ないので、この日は持ってきていたSURFACE PCに繋ぎます。最近は別途24インチモニターを用意して、対面でお客さんに見てらもらいながら話せるようにしています。


誰も来なくて不安に...

もう準備は万全です。周りもすっかり暗くなってきました。時計を見ると18時半くらいです。それでもお客さんどころか、スタッフさんも誰も来ないので、だんだん不安になってきました。そんな時、駐車場の脇で「ガサッ」と音がしました。みなさんご存知の通り、今年はドングリなどが不作でクマが至る所で出没しています。この場所も昨年の観望会中に聞いたことのない動物の鳴き声がしてすぐに撤収し、次の日に同じ場所でクマが目撃されています。不安になったので一旦車の中に退散してエンジンをかけ、ラジオの音を大きくしました。

もしかしたら、私が聞いていないだけでクマとかで観望会が中止になったのではとの考えが頭をよぎりました。


やっと人が来てくれた

結局、スタッフの方に電話したら「今そちらに向かっている」とのこと。中止とかではなく、冬場で日が短くなってきたのに夏時間と同じ開始時間なので暗くなってしまっていただけでした。スタッフさんが到着して、まもなくお客さんも来始めたので、やっとホッとしました。

この日はわざわざ愛知からきてくれるお客さんもいるということで、最初に来てくれた方がその名古屋からの方でした。昔星が好きだったが、最近また見たくなって、スタッフの方のFacebookの案内を見て連絡を取ってきてくれたとのことでした。他にも、最近また星を見るのを始めて、昔買ったというミザールの屈折を持ってきて、アンドロメダ銀河を導入して見せてくれた方がいました。この方は「アンドロメダ星雲」と言っていたので、古くからの方に違いありません。あとで電視観望でアンドロメダ銀河を見ていただいたときは「今はここまで見えるのか」と、驚愕の声を上げていました。

この日のお客さんは5-6組だったでしょうか?20人近くいた気はしますが、あまり確認できていません。天気は良かったのですが、寒いのでお客さんもそこまで集まらなかったのではないかとのことです。それでもこの日に来てくれた方たちはラッキーだったと言えるでしょう。とにかく空がものすごくきれいです。はくちょう座からカシオペアにかけての冬の淡いはずの天の川がはっきり見えています。しかも、地平線の近くまで星がくっきり見えて、透明度が全面にわたって相当良かったのかと思います。

こんな日はまだ西の空に残っている、おり姫様とひこ星様の間を流れる天の川から、はくちょうが川に沿って飛んでいる様子、ぺガススとカシオペア、ぎょしゃ座とおうし座など、秋から冬の星座の解説もしやすいですし、スバルもはっきり見えます。星座ビノをいくつか出して、こと座の三角形や平行四辺形、それと合わせた電視観望でのM57の位置確認、スバルの星数えなど楽しんでもらいます。アンドロメダ銀河は肉眼でも見えた方もいたみたいですし、星座ビノで確認している方もいました。

C8で土星を入れておいていたのも皆さんに診てもらいましたが、輪っかはほぼ見えなくなっていて、ほとんど串状態でした。ドームでも土星を入れていて、そちらでも見てもらいました。ドームの方も以前一度極軸をきちんと合わせておいたので、今は全然ズレることはないとのことです。

途中アルビレオを見たいとリクエストが出て、もう西の低空の木にかかっているアルビレオをC8で入れようとしたのですが、なぜか視野に何も写っていません。あれっ?と思って鏡筒を見てみると、補正版が完全に結露していました。冷え込んでくるとフードかヒーターが必須ですが、まだ半分夏気分で全然用意でてませんでした。


懐かしいお客さん

今回は子供がほとんどいなかったので、SCOPETECHの出番があまりなかったのが残念でした。そんな中中学2年生という、多分唯一の子供が来ていました。久しぶりに来たということで聞いたら、最初に来たのは4年前で当時は小学4年生だったとのことです。その子のお母さまと話していて思い出しました。2022年の夏に惑星はなぜ「『惑う』星なのか?」とクイズを出したご家族です。次の回にきちんと考えて答えを聞くことができたので、私もはっきりと覚えています。その時にお勧めした「チ。」も全巻読んでくれたみたいで、放送されたアニメも家族で見ていたそうです。その後宇宙に興味が出て、将来はJAXAに行きたいとのこと。夢に向かって進んでほしいです。そして将来「きっかけは飛騨コスモス天文台の観望会だった」とか言ってくれたら、こんなうれしいことはないですね。


透明度の良い空

この日はとにかく透明度が良かったので、電視観望での画像も相当見栄えがしました。

まずは準備段階で導入しておいたM27です。
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星座ビノでこと座を見ながらM57の位置を示します。
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同じく星座ビノですばるを見てもらい、電視観望でも淡い青い部分を出してみます。
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北アメリカ星雲はかなりはっきり見えました。
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網状星雲は流石に少し淡いですが、青いOIII成分も見えています。
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オリオン大星雲を見たいというリクエストがありましたが、まだ低空で東にあるラグビー場のフェンス越しでした。こんな低空でフェンス越しでも見えるくらい、この日は地平線の近くまでかなりはっきり見えていました。
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オリオン大星雲を待つ間にアンドロメダ銀河です。腕の構造がはっきりとわかります。
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やっと昇ってきたオリオン大星雲です。ランニングマンの形も皆さん認識でたようです。
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調子に乗ってバラ星雲をみたら、こちらはまだフェンス越しでした。でもこんな状態でもバラの形は十分わかります。
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最後の方で馬頭星雲のリクエストがあり、こちらも最初はフェンス越しでしたが、下の画像はすでに昇ってきた後です。ホントはこの前に長時間スタックした画像があったのですが、保存できなかったです。少し雲も出始めていて、露光時間も短かったのでちょっとノイジーです。
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22時近くになると、薄い雲がかかるようになってきました。お客さんもまだ少し残っていて、徐々にまったり会話モードになりました。この時に、上に書いた以前来てくれたお客さんのことを認識できました。お客さんとゆっくり会話できるのも、制限時間を全く設定していないこの観望会の魅力です。22時半頃には片付け始め、今年最後の観望会なので「良いお年を」と挨拶し、23時には現地を後にしました。

0時過ぎ、自宅に着いて空を見ると晴れていて透明度も良さそうでした。でも午前2時過ぎには月が出てくるのでそこまで時間は取れないと思い、片付けもせずにそのまま寝てしまいました。朝の太陽から、時間いっぱいでほぼ一日中趣味に没頭していたことになるので、ちょっと疲れ気味だったのかもしれません。


電視観望画像を処理

今回は空が綺麗で現地で見ていた電視観望でさえもかなり良く見えていたので、上の画像のうちある程度の時間(と言っても全部10分以下)スタックできたものを画像処理してみました。共通項目は
  • FMA135 + Uranus-C + CBP +トラバース
  • 露光時間 6.4秒、gain 400
です。トラバースは経緯台なので、画面の方向は適当です。口径わずか3cmで、撮影機材としては非力です。1枚当たりの露光時間も、あとで個々に示すトータル露光時間も撮影とはいえないくらい短いです。それでも、なかなかどうして、結構綺麗に仕上がります。画像処理はPixInsightとPhotoshopですが、あまり時間をかけるわけでもなく、それぞれ10-20分くらいでパッと処理したものです。

まずはM27。60枚のライブスタックで、トータル露光時間は6分24秒です。流石にこの時間では蝶の羽の部分は出ませんが、メインの部分はしっかり写っていますし、ダイナミックレンジがない割には恒星の色もそこそこ出ています。かなり拡大してクロップしています。

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M57です。元画像で写っているM57はものすごく小さいのでピクセルのジャギーが見えるほど拡大しています。さすがに無理しすぎなので、PIのRescalで解像度を上げています。それでも十分M57と認識できるくらいにはなっているでしょうか。トータル6分37秒です。
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北アメリカ星雲です。トータル露光時間は2分27秒です。こんな短時間でも、処理によってはそこそこ見えてしまうのはすごいです。
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M45 スバルです。RAWファイルを保存し忘れていたのですが、現場でかなり綺麗に見えていたのでもったいなくて、上に出した8bitのPNGファイルからの無理やりの処理です。トータル露光時間も不明ですが、おそらく5分程度でしょうか。でも、やっぱりさすがに厳しいですね。
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M31 アンドロメダ銀河です。トータル露光7分35秒ですが、こんなに出てもいいのかというくらい細部まで出ています。CBPをつけっぱなしだったので少し不利になるはずですが、それを問題にしないくらいの透明度だったといえるのかもしれません。

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最後はM42 オリオン大星雲です。トータル露光時間5分1秒です。ランニングマンもはっきりです。周りの淡いところはこの露光時間だと流石に厳しいです。
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普段は電視観望はその場で見て記録するくらいであまり画像処理はしないのですが、この日は素晴らしい空でその場で見ていてもかなり綺麗だったので、がんばって鑑賞できる程度にしてみましたがどうでしょうか?メジャー天体に限られますが、短時間で何種類も見て、あとからそこそこ見えるようになるなら、お気楽撮影としても良いのかもしれません。

こんな、下手したら数分でこんなに出るのはおかしいと思われる方もいるのかもしれませんが、これにはもちろんトリックがあって、gainを400とかなり高くしているので、短時間露光で目立ちがちな読み出しノイズが十分低減されているからです。その代わりにダイナミックレンジが相当限られてしまって恒星がサチりがちなのですが、そこは画像処理であまり目立たないように誤魔化しているというわけです。


まとめ

今年度最後の飛騨コスモスの観望会でした。これまでに無いくらいの素晴らしい空で、お客さんとたくさんやり取りしながら楽しむことができました。懐かしいお客さんも来てくれて、しかも小さかった子が大きくなっていて、宇宙に興味を持つようになったと言ってくれて、なんかとても嬉しかったです。

全然短い露光時間でしたが、画像処理もしてみました。意外にいけるので、良い空なら電視観望での画像処理を今後もやってみようかと思います。

週末天体活動の記事もこれで4つ目です。後ひとつ、日曜の活動分が残ってしまいましたが、このブログを書いている今日は金曜日で、もう次の週末が来てしまいました。明日の土曜日は天気が悪そうなので、後もう一本、先週の分の記事を書こうと思います。



11月17日からの週末の5連続の記事です。







最近ずっと太陽で少し疲れてきたので、たまには夜もと思い、少しメンテナンスも兼ねて電視観望関連のテストをしました。


メンテナンス

先月末の飛騨コスモス天文台での電視観望は散々な結果に終わりました。やはり普段から触っていないと、いざというときに使い物になりません。今回はちょっと反省して、きちんとメンテナンスすることにしました。


現在電視観望用としては3台のPCを運用しています。Windows SURFACEの7と8、M1 MacのVMware上で動くArm Windowsです。その中でメインはSURFACE 7で、予備がM1 Macだったりします。理由は仮想上でない普通のWindowsの方がなんだかんだ言って安定していることと、予備も含めてWindows PCを2台も持っていきたくないことです。SURFACE 7はSWAgTiなど撮影用にも使っていて環境を壊したくないので、いまだにWindows 10で、電視観望に用の環境も整っています。SURFACE 8はWindows 11で、太陽用に使っていたりでそこまで電視観望用の整備をしてませんでした。

今回いい機会なので、3台とも関連ソフトをアップデートをすることにします。想定ハードウェアはFMA135+Uranus-C+トラバースと、50mmレンズ+ASI294MC+自由雲台の広角電視観望の2種類です。そのための関連ソフトは最新のバージョン番号も書いておくと
となり、これらを3台のPCで全て最新版にアップデートしました。年単位でアップデートしていなかったものも結構あったので、いい機会となりました。

最新版にするにあたり設定も少し見直しました。特に以下の4点は、おまじないかもしれませんが、SharpCapとSynScan Proとの接続の不安定性の解決に効く可能性があります。
  • SynScan Proの「設定」「接続の設定」の「リードアウトタイム」をデフォルトの200msから1000msにしました。これで最初に接続に失敗することが少なくなります。
  • ファイヤーウォールでパブリックでの接続を許可しました。これは効果があるか不明ですが、プライベートだけだとダメだったことがあります。
  • SynScan Proの「設定」「観測値」の緯度、経度情報を自動ではなく手入力すること。
  • SharpCapのプレートソルブ設定の所の鏡筒の焦点距離をきちんと入力すること。
3台とも、ソフトアップデート後、上のような設定に気を付けてセットアップしましたが、どれもSharpCapとSynScan ProのWiFi接続も安定していて全く落ちることはなく、以前あったSharpCapのプレートソルブを3回実行すると必ずSynScan Proとの接続が落ちるという謎の現象も無くなりました。


ZWOカメラのArm Windows対応状況は1年たっても進展なし

広角電視観望ではできるだけ大きいセンサー面積が欲しいので、ASI294MCを使っています。手軽さ優先なので冷却は無しです。問題はM1 MacのArm版 Windowsです。カメラドライバーだけはArm版専用のものを必要とします。逆にカメラドライバー以外では今のところ大丈夫で、ASCOM用ドライバーなどカメラ以外の全てのドライバー、その他全てのアプリはArm用ではなく普通のWindowsのものがそのまま使えます。これは結構驚きでした。

カメラドライバーのインストールは以前かなり苦労しました。


その苦労もあり、PlayerOneのドライバーは安定して動いています。

問題はZWOカメラで、ドライバーをインストールはできて一応動くのですが、Windowsを再起動するたびに署名を無効にしなくてはならずに、そのためだけにWindowsをさらに2回再起動する必要があるなどかなり面倒です。しかもその署名無効方法があまり直感的でなく、覚えきるのが大変で、手順を間違えると深刻なことになる可能性もあり、毎回手順を確認しながら実行するようにしています。そのためやる気が大きく削がれてしまい、観望会においてM1 MacでASI294MCを稼働することはかなり稀な状況になってしまっています。

今回約1年以上たって状況が改善されていることも期待したのですが、調べた限りは状況は全く変わっていないようで、相駆らわず今も署名オフが必要なようです。これは結構残念でした。VMwarewを落とさないか、レジューム機能でWindowsを停止状態にしておけば復帰後もカメラドライバーが生きているので、観望会前は事前に一度認識させておくのがいいのかもしれません。


SynMatrixでのカメラの認識

M1 Macで電視観望を控えるもう一つの理由が、SynScan Appのプレートソルブ「SynMatrix AutoAlign」でUranus-Cが認識されないことでした。SURFACE 7ではきちんと認識されているのに、なぜかM1 MacのArm Windowsでは認識されていないのです。この問題、SynMatrixが必要になるときは結局SURFACE 7を使ってしまって、M1 Macのほうでは長らく解決せずという状態が続いていました。

今回は少し気合を入れて調べてみます。まず、SynMatrixでPlayerOneカメラを認識しているのがSURFACE 7のみ、しかもよく見てみるとZWOカメラもSURFACE 7のみでしか認識されていません。M1 Macだけでなく、今回SynScan ProをアップデートしてSynMatrixが使えるようになったSURFACE 8の方もカメラを全く認識していません。どうやらArm Windowsだからという問題ではないようで、Armが悪いというのは単なる思い込みだったようです。

結局この問題はかなり単純で、少し調べると、SynMatrixがリリースされた時のどこかのコメントに、カメラ用のASCOMドライバーが必要だという記述がありました。まずSURFACE 8に、ZWOカメラ用のASCMOMドライバーと、PlayerOne用のASCMOドライバーをインストールしたら、無事に両カメラとも認識され実際に画像を取り込むことができました。特に、PlayerOneの方はASCOM platformの6.5を必要とすると書いてあったので心配でしたが、7.0.2でも普通に動くようです。

さて問題のM1 Mac上のArm Windowsですが、こちらもZWOとPlayerOneの ASCMOドライバーをインストールしてみました。すると何の問題もなくSynMatrixで両カメラとも認識され、(ZWOの方は署名をオフにしてから)無事に画像を取得することができました。

これで3台ともSynScan Proでのプレートソルブ、SharpCapでのプレートソルブ、安定なSharpCapとSynScan Proの接続が実現され、今後の観望会での電視観望運用に目処をつけることができました。


フィルターなしの広角電視観望で見る天の川

広角電視観望で、カメラレンズとZWOカメラを接続するアダプターをAmazonで見つけた安物にしたところ、飛騨コスモス天文台の観望会でピントが出なかったという致命的な欠点がありました。その時は時間がなかったので結局諦めたのですが、あらためて見直してみました。

まず一番の原因が、QBPが入っていて、それが薄型のT2と1.25インチフィルターをつけるアダプターでカメラにねじ込んで取り付けてあったので、接続アダプターのねじ込みが足りなかったことが問題でした。薄型といっても厚さが数mmはあるので、影響があるみたいです。

まず、フィルターをねじ込みアダプターごと外して、接続アダプターを一番奥までねじ込んで試してみると、ギリギリですがなんとかピントが出ます。このテスト自宅でやっていたのですが、ここでちょっと驚きました。この状態で見る天の川があまりにはっきりしているのです。これまで天の川電視観望は何度もやってきましたが、いずれもCBPやQBPを入れた状態で試していました。これは同時に主に赤い星雲を見るためなのですが、天の川自身の見え方はかなり犠牲にしていたようです。

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ただし、当然ですが星雲の見え方はかなり犠牲になります。上の画像は天の川の一番濃いところらへんで、M8干潟星雲などが映り込んでいるのですが、どこにあるかわかりますでしょうか?

この写りだと星雲を見てもらうにはちょっと厳しいので、試しに何とか元々使っていたQBPを入れてなんとかピントが出ないか試してみることにしました。結局、カメラ側に取り付けるのではなく、接続アダプターとレンズの間の隙間に、ねじ込むことをせずにポンと置くだけのような形で入れ込みました。

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揺らすとちょっとカタカタ鳴りますが、T2アダプターが防波堤になってレンズを傷つけるとかもなさそうなので、実用上は問題ないでしょう。

QBPを通して見た天の川ですが、上と同じような画角で見るとこうなります。
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今度はM8、M20、M17、M16など星雲がはっきりとわかりますが、逆に天の川が随分と淡くなります。

見栄えがかなり違うので比較してみるのが面白いかと思います。なので、できるならフィルターの取り外しがすぐにできるといいのですが、これは今後の課題としたいと思います。


SharpCapの新機能

SharpCapのアップデートに伴い、ライブスタックで恒星の色合わせを実現する機能が追加されていました。調べたら6月30日のバージョン4.1.13447.0で搭載されたようなので、まだ出来立てホヤホヤみたいです。どの星の色かを特定するために、プレートソルブと合わせて働く機能のようです。
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それに合わせて、背景を自動で調整する機能も搭載されたようです。
スクリーンショット 2025-07-25 220910_cut

各色の上にある白いマーカーの左側をずらすことで、マニュアルでどれだけ引くか調整することもできるようです。

これまでも色バランスと輝度のストレッチなどを駆使して恒星の色を調整するとかはできることはできたのですが、今回はPixInsightのPCCみたいに、より客観的に、安定して色をそろえることができるようになったということかと思います。


まとめ

以上久しぶりの電視観望ネタでしたが、先月あったトラブルはメンテナンスでかなり状況は改善されたと思います。3台体制で、どれも機能に差がなく、同様の動作が期待できます。

今週末にまた飛騨コスモス天文台で観望会があることと、夏休みで8月にも何度か観望会の予定があるのでこれでちょっと安心です。さらに、今回試したノーフィルター天の川も含めて来てくれたお客さんに披露できればと思います。



2024年9月7日、7月に続いて今年2回目の飛騨コスモス天文台での観望会です。

でもこの日の富山は朝からどん曇り。天気予報は富山はまだ晴れですが、コスモス天文台のある数河高原はほぼ曇りで時々晴れですが、時間と共に予報が悪くなっている様子。「富山でこれだと何も見えないな」と思いながら、「もしちょっと見えたらくらいで、まあ機材も最低限でいいか」とほぼ普段車に積んであるような機材だけにします。あ、子供用に一応スコープテックの6cmの屈折だけは載せました。

ところが、国道41号線を南下するに従って、結構青空が出てきてます。現地に着いた頃には、多少雲がところどころにぷかぷかしてましたが、なんとほぼ一面青空です。「しまった、撮影機材持ってくればよかった」と思いながらも、もうどうしようもありません。

その後まだ壊れていたドームの修理をするのですが、この日は絶不調で元の配線を記録し忘れるという体たらく。途中でかんたろうさんがきて、モーター関連の配線を説明してくれて事なきを得ましが、下手したら開けたドームが閉まらなくなるところでした。でもドームのチェーンが噛みかけていて負荷が大きくて、結局修理に至らず。ちょっと別の方法を考える必要がありそうです。

そんなこんなで、ドームの外に出たらもう結構暗くなりかけていて、細い月がもう沈む少し前くらいになっていました。早速準備を始めます。とりあえずスコープテックの屈折で月をすぐに入れて、少しだけ見てもらいますが、程なくして低空の雲で見えなくなってしまいました。


少しだけ電視観望

その間に、電視観望の準備です。機材は限られていて、いつものFMA135にCBPとUranus-Cをトラバースに乗せます。PCはM1 Macの仮装WindowsでCMOSカメラに繋ぎます。PlayerOneのカメラならもう観望会でお客さんがいたとしても、完全実用レベルです。早くZWOもARM  Windowsに正式対応してくれるといいのですが。Macは画面が大きくて映りがやはり綺麗だし、バッテリーがかなりもつので、電視観望用途で改めてWindows  PCと比べると、かなり使い勝手がいいです。この日の準備はサクサクっと、10分もかからなかったでしょうか、M27を入れて声をかけると人が集まってきました。

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といっても、この日のお客さんの数はそれほど多くはなく、全部で10人程度だったでしょうか。途中天気がいいのでもっと集まるかと思ったのですが、意外に少なかったです。Stellariumを使って、M27がどれくらいの大きさかを実感してもらいます。Stellariumで見える夏の大三角と、実際の空で見える夏の大三角を比べてもらい、M27の位置と大きさをStellarium上で確認してもらいます。Stellariumには今使っている鏡筒の焦点距離とカメラのセンサーの大きさを入力することで 、今見えている画角をStellariumの画面上に赤い四角で示すことができます。その資格の範囲をM27に合わせてStellarium上での見えたものと、実際の電視観望でSharpCap上に見えた形がほぼ一緒なことがわかると、見ている画角の実感が湧いてきます。M27はM57とかに比べたらかなり大きいのですが、夏の大三角の大きさと比べるとそれでも目で見るには小さすぎることもわかります。それを口径わずか3cmの、ミニ三脚とトラバースに乗せた、すぐに蹴飛ばされそうな地面に転がっている小さな望遠鏡で見ているというのが、これまたインパクトがあります。

Stellarium上でちょうど北アメリカ星雲が見えたので、次は北アメリカ星雲に移ります。北アメリカ大陸の形をネットで画像検索すると、皆さんすごく納得していました。でも、なぜが画面に映る北アメリカ星雲がいまいち見栄え良くありません。今環境ならもっとくっきり見えていいはずなのにと思って、改めて空をよく見たら少し雲がかかり始めています。「あー雲が出てきてますね。」とか言っていたのも束の間、雲がどんどん濃くなり、ライブスタックでも星を認識できなくなったようで、画像をドロップし始めました。

かんたろうさんが「ドブでまだM27が見えている」と言っているので、眼視と電視観望と比較してもらおうと思い私の方でもM27を入れたのですが、もうかなり見えにくくなっています。私がM27を入れている間に「眼視の方で確認してきてください」と勧めたお客さんも、結局眼視でも見ることはできなかったみたいで、それ以降は雲が一面を覆ってほとんど何も見ることができなくなってしまいました。


ちょっとだけ土星

かろうじて東の低空がまだひらけていたので、ちょうど出始めていた土星を見てもらうことにしました。2つ穴ファインダーのスコープテックで導入しますが、かんたろうさんの45cmドブの方が導入が早くて「負けたー!」となってしまいました。敗因はちょっと雲がかかっていたので土星もそこまで明るくなく、二つ穴ファインダーだと穴を通して見るには少し辛かったことです。かんたろうさんの星座ビノファインダーは多少なりとも倍率があり明るく見えるのが有利なのだと思います。

土星は口径6cmの屈折でも、小さいながらもまだ綺麗に見えました。輪っかもかなり細いですが、きちんと見えています。その土星も程なくして見えなくなってしまい、もうまったりモードで話し始めます。


ゲストがお二人

この日は飛騨地方のFMラジオ曲のアナウンサーの方が来ていました。事前情報によるとかなり綺麗な方らしいのですが、真っ暗な中なのでほとんど認識できず。まあ、天文あるあるですね。今回は赤道儀の使い方を学びたいということで来てくれたのですが、あいにくの天気で次回以降に持ち越しです。この方、星空案内人の資格を持つほど星好きな方で、近くの近くの道の駅にある「カミオカラボ」にも行って、ラジオで紹介したりしているとのことです。
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というわけで、この日のもう1人のゲストはそのカミオカラボの解説スタッフの方です。ご存知の方も多いかと思いますが、この飛騨地方は山の中に宇宙物理の一大研究施設群があり、このカミオカラボでは展示されている実験装置などを通してその内容を知ることができます。この方、物理出身とのこと。私も物理出身なので、天文界隈での肩身の狭さについて妙に話が合って、ずいぶん盛り上がりました(笑)。


天体写真で盛り上がる

雲がかかってからは、そのゲストお二人と、来てくれていたお客さんも一緒に、かんたろうさんの「何か見せるものないの?」という提案で、天使観望用に使っていたMacをテザリングでネットワークに繋ぎ、私がブログにあげた写真を見ながら、会話を楽しみました。今回見たページはこのブログのトップバーからもリンクが貼ってあるここ「Nebula」になります。


このページは私がこれまで撮影した天体をまとめてあります。

メシエ順、NGC順、IC順とかになっていて、一番最初のM1:カニ星雲はここ飛騨コスモス天文台に以前据え付けてあった口径25cm、焦点距離3000mmのニュートン反射型鏡筒で撮影したものなので、この場で見せると臨場感があります。

M27:亜鈴状星雲はこの日電視観望でも見えていたもので、露光時間を増やすと蝶の羽みたいな模様があることを説明します。かんたろうさんは眼視で見た時にどうやって導入するかを解説してくれました。「や座」の先端の星から90度曲がると導入できるとか、近くに小カシオペアの「W」の字が見えるとかです。ちょっと電視観望がどうなっているか見てみたら、雲が少し薄くなったのか、かろうじてですがM27が映っています。電視観望だとリアルタイムで見ることになるので、実際に見ている方向を望遠鏡が指している方向で確認するなど、こちらも臨場感があります。電視観望の画像では、上の画像にもあるような、小カシオペアのWの上の3つの星が見えているのがわかりました。

M31:アンドロメダ銀河の所では「今日晴れていたら肉眼で見えるかアンドロメダ探しができたのに...」とか、M45:プレアデス星団とその拡大図のところでは、スバルのことを知っている人も多くて「青色が綺麗
!」とかの感想が聞こえてきました。

他にも馬頭星雲魔女の横顔など、名前と星雲の形を比べることで皆さん興味を持ってくれるようです。M78星雲のところでは鉄板のウルトラマンの故郷の話をして、元々はM87の設定だったこと、M87がブラックホールでジェットが出ていて、ジェットもかろうじて見えたことなどにつなげます。

おとめ座銀河団のところではアノテーションの画像を見せて、なぜ乙女座の方向に銀河がたくさん見えるのかをクイズとして出しました。お客さんはもちろん、ゲストのお二方にも考えてもらいました。答えは「天の川の方向は星がよく見える」ということですね。逆の言い方をすれば、「天の川のない方向には星があまりないので、『星に邪魔されずに』銀河がよく見える」ということです。物理の人ってあまりこういったこうとに興味がないことも多くて、カミオカラボスタッフの方も答えられませんでした。私も星を始めてから得た知識です。ここからさらにかんたろうさんが、「おとめ座は春の方向ですが、じゃあなぜ秋の星座の方向には銀河があまり見えないのでしょう?」というクイズを出してくれました。これは私も知らなくて聞いてみたら「我々の銀河はおとめ座銀超河団(局部超銀河団ともいうらしいです)に属しているけれどもかなり端の方にあり、よく銀河が見える方向がその銀河団の中心方向、反対側はさらに端の方を見ていることになる」ということでした。さすが天文暦30年以上というだけあって、かんたろうさんは色々知っています。


結局晴れずに撤収

天体写真を見ながらの話が散々続いたのですが、それぞれの写真のところで色々話が盛り上がるので、結局小一時間話していたことになるでしょうか。最後アイリス星雲の写真で「アイリスはあのアヤメのアイリスか?」という質問が出たりで、締めとなりました。最後に「星が見えなくても、こうやって話を聞けると来た甲斐がある」というようなことを言ってくれた人がいました。天体写真だけでこれだけ長く話すことはあまりないのですが、私も意外なほど楽しめました。

21時半頃だったでしょうか、その頃にはうっすらと星が見えている方向もありましたが、結局観望するまでには至りませんでした。一部の人には星座ビノを使ってもらって、雲があっても方向によっては目で見えない星が星座ビノだと見えるということを実感してもらいました。

その後も晴れることはなく、ずっと厚い雲のままで、お客さんも少なくなってきて、22時には撤収となりました。前回の「謎の鳴き声事件」と次の日の昼間の「隣のグランドでの熊目撃事件」のこともあるので、少人数で長居するのはちょっと怖いです。

帰り道、夕飯を食べてないことを思い出し、自宅近くの24時間営業のすき家で「月見すきやき牛丼」の大盛りを食べて満足して自宅に戻り、富山の空も曇っていることを確認してすぐにベッドに潜り寝てしまいました。今年は雨も多く、なかなか晴れてくれませんね。


まとめ

せっかくの観望会でも曇り空でほとんど見えなかったですが、天体写真を用意しておくと、それだけもかなり盛り上がります。その際、画面はできるだけ大き方がいいでしょう。今回はMacBook Proだったので、そこそこ大きな画面でした。Macはバッテリーの持ちが長いので、電視観望していても、それを切り替えて他の目的に使ったとしても、あまり気を使う必要がなく長く使えるのがいいです。


2024年8月2日(金)、今年も富山県主催の「とやまスターウォッチングat富岩運河環水公園」がありました。昨年の様子は以下をご覧ください。


そもそも金曜の平日開催で、昨年初めて参加したものですが、今年も参加することにしました。


今年の方針

ちなみに、去年の記事を読み直してみると、いくつか反省点が書いてあります。
  • 2つ電視観望をやって、さらに子供に自由に触ってもらうSCOPETECHの屈折を出したが、手が回らなかった。さらに星座ビノも用意していたが、お客さん全員に十分な時間がかけられなくて無理があった。
今年も改めて思ったのですが、市街地での公園でやるのでお客さんの数が相当多くて、細かい操作などを伝える時間が確保できません。今年は欲張らずに子供用屈折も星座ビノも無しにしました。
  • 広域電視観望で、天の川の見える範囲が少し狭くて川のように見えないので、天の川と認識されにくい。
天の川を見たことがないお客さんもたくさんいます。天の川と言われても、実際どれが天の川か最初はわかりにくものです。いつもは35mmレンズを使いますがそれだと範囲が狭くて皮の形に見えません。今回はSamyangのF2.8の14mmを使って広角で川らしく見えればと思います。

あと、去年は
  • 準備と説明と機材トラブルなどで他の参加者とあまり話す機会がなかった
ので、今年はもう少し他の人と交流することを目標としたいと思います。


2つの電視観望

電視観望を2つ用意します。セットアップは昨年と似ていますが、少しだけ変わっています。

メインは天の川を見せること。これまで広域電視観望は主にはF1.4の35mmとか50mmのカメラレンズで見せていますが、もう少し広い範囲を見せた方がより天の川らしくなると思い、今回初めてF2.8の14mmレンズを用意してみました。これに光害防止としてQBPフィルターを使います。フィルターは1.25インチのもので、ASI294MCの側に薄手のアダプターを使って、レンズに干渉しないように取り付けます。操作は自由雲台です。たまに「広域電視観望の際のマウントはなんですか?」と聞かれることがありますが、これだけ広く見えると画角の移動はよほど時間が立たないと効いてこないので、自由雲台で固定で十分です。これでライブスタックもできるので、実際の画面が流れることもありません。

お客さんを飽きさせないために、もう1セット普通の電視観望を用意しておきます。もう夏の星雲が上がっている時期なので、街中ですが十分に楽しめるでしょう。こちらはいつものFMA135とUranus-Cをトラバースに載せています。そういえば去年はまだAZ-GTiを使っていました。トラバースがまだまだ実用に耐えなくて心配だったのですが、今年はトラバースがもう完全にデフォルト機器になっているので、成長したものです。今回も安定に稼働できました。トラバースの「小ささ」がさらにインパクトを上げていて、今回も「こんなので見えるの!?」という声を何度も聞きました。カバンの中に全セットを入れることができるので、駐車場から設置場所まで距離がある時でも、ほとんど苦になりません。

あと、今回初めて外部モニターを「2台」用意しました。こういった大規模な観望会にはお客さんもたくさん来ますし、電視観望も2セット用意するので、モニターも2台あった方が説明も楽だと思ったからです。1台は24インチでメインの天の川用、もう一台は15インチのコンパクトモニターで星雲用です。


機材の準備

18時過ぎには環水公園に到着しました。駐車場もまだ十分空いていたので、観望会会場の近くに車を駐めることができました。セットアップは最近は手慣れたもので、普通は10分とか15分もあれば終わってしまいますが、今回はモニターが2台あったので、少し手間取りました。モニターの解像度はHDMIでそれほど高くないので、PCの設定をそちらに合わせるのに時間がかかってしまいました。やはり一度は事前にテストしておくべきです。しかも星雲用はM1 MacのArm Windowsで動かしているので、モニターを最初うまく認識できませんでした。一旦VMwareを完全に落として、Mac画面をモニターに出せることを確認して、その後VMwareを立ち上げるとうまくいきました。

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広域用のレンズは最初から14mmにしてみました。うまく行くのかどうか、ぶっつけ本番です。

19時前には準備も終わり、まだ明るいので会場を一回りしますが、すぐに星が見えるくらいになり、広角電視観望ではこと座の形も十分にわかるくらいになります。昨年は19時にスタッフが一度集まって打ち合わせがあったのですが今年はそういうのは特になくて、もうお客さんも来始めているのでそのまま観望会になだれ込みます。

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観望会会場の環水公園は駅に近いかなり大きな公園で、世界一美しいと言われたスターバックがあるなど、富山の観光スポットにもなっています。駐車場もきちんと整備さえているので、観望会にはお客さんも数多く訪れます。この日は昼間から天気も良く、実際かなりたくさんの方が来てくれました。


いよいよ観望会開始

19時を過ぎるとお客さんももうかなりきていますし、スタッフの方も含めて知り合いの方もたくさんいます。結構明るいうちからM57を入れてみましたが、もう余裕で見えます。プレートソルブができるくらいの星の数が見えたら、たとえ街中であろうと輝度の高い星雲は問題なく見えます。

画面を見ながら、周りの人といろいろ話しました。今回は、電視観望に注目してくれる人がかなり多かった印象です。2016年からずっとやってきた電視観望で、星まつりなどではものすごく盛り上がっていたのですが、意外に地元の富山ではあまり盛り上がらない印象でした。今回はスタッフの方も学生の方も含めて、結構皆さん技術を知りたがっているような感じでした。

恐らくなのですが、これはSeeStar効果なのではないかと思っています。やはりあれだけ数が出てメジャーになってくると、少なくとも天文関連の方には電視観望でかなり見えるという認識が広まってきているのではないかと思います。電視観望そのものに信頼が出てきたと言ってもいいでしょうか。私自身は結局いまだにSeeStarは使ったことがないのですが、大手メーカーが本腰を入れてくれるのはとてもありがたくて、長い目で見てもとても良い傾向だと思いました。

話してくれた方の中に、県天メンバーではないけれども富山在住で天文が趣味で、このブログを一から読んでくれたというかたがいました。この長いブログを最初から読んでくれるという奇特な方(笑)がたまにいますが、とても嬉しいです。技術的な方のようで、この「ほしぞloveログ」でどのように技術を上げてきたかに興味を持ってくれていました。またお話しできればと思います。

県天に新しく加入された方とも顔を合わせることができました。自宅近くに住んでいる方で、電視観望に興味を持っているということなので、また一緒に試すことができればと思います。

さて、19時半ころからスライドを使った中国出身の方の七夕の話があります。私は聞くことができなかったのですが、大きな拍手が聞こえてきたので、面白い話だったのではと思います。


2つの電視観望の見せ方

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今回の電視観望は、2セットあることを活用してみます。まず広角電視観望で夏の大三角を見せ、そこから画面内でこと座を拡大します。次に隣のモニターに移り、こと座の端の2つの星が写っていることを確認して、その後M57を拡大して、星雲について説明します。先週の科学博物館でも同じように説明しましたが、このやり方は実際の大きさが直感的にわかってもらえるので、なかなかいいのかと思います。これまでの35mmレンズだと夏の大三角が入らずに、アプリを使っていたのですが、今回の14mmレンズはやはりかなり広角で、夏の大三角が余裕で入るので、全体からわかってもらえて、とても説明しやすかったです。

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星雲がどんなものが知らないと、どれが星雲かわからないこともあるので、
アノテーションがある方がお客さんもわかりやすいようです。

天の川は実際どうだったかというと、ずっと雲がかかっていたので、そのすきまから見るような状態でした。天の川に比べると雲は明る過ぎるので、どうしても不利になってしまいます。今回初めて試した14mmレンズですが、より広い範囲を見渡せるのは有利な点でした。その一方、広角すぎて周りの景色が入ってしまうことがあることと、このレンズは周辺減光が結構あるために、SharpCapでのリアルタイム背景補正(フラット化)があまりうまくいきませんでした。実際の画像は以下のくらいです。

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適当な枚数をスタックしているので、雲が流れているのがわかると思います。流れていない赤いシミが天の川になります。背景補正に非線形勾配除去を使っているのですが、雲などが明るすぎて飽和してしまうとこの背景補正がうまくいかなくなります。そのためゲインか露光時間を少し下げる必要があります。補正がうまく行っても、やはり周辺減光の影響を取り去ることはできずに、右上や左下が少し暗くなってしまっているのがわかります。天の川だけを見やすくするために、画面を拡大して画角を少し絞っています。これだともう広角の有利さがなくなってくるので、本末転倒になってきます。やはりなかなか最初からはうまくいかないもものです。次回、もう少し雲が少ない時に、改めて評価したいと思います。

14mmレンズで天の川が少し認識しにくかったので、途中からいつもの35mmに戻しました。下の画像が35mmで見た場合です。
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明るさはずいぶん均等になり、あぶり出しがかなり楽になります。が、当然画角は小さくなるので、ここら辺はトレードオフなのかと思います。この日の天気は悪くなかったですが、去年の方が少し良かったでしょうか。途中からだんだん雲が濃くなってきて、最後の方は天の川も見えなくなってしまいました。

県立大の学生が何人か、富山大の学生がなんと20人くらい来ていました。途中何人かのメンバーが電視観望を見にきてくれました。まずは街中で天の川が見えることに驚いていました。「観望会で説明とかどんな風にしますか?」と聞かれたので、ちょうどこの日にやっていた夏の大三角と、こと座とM57と天の川の関係とかを、七夕に交えて話すことや、天文クイズのことなどを例として伝えました。天文クイズは実際に来ていた学生さんに解いてもらいました。いつもの「月はどちらから昇ってどちらに沈むか?」というクイズで、天文部の人でさえパッと気づいた人は数人でした。もちろん、太陽がどちらから昇ってどちらに沈むかは全員知っていて、太陽が動くのは当然地球が回っているからということも全員知っていました。知識としては十分あるにも関わらず、月になると知識として知らないので答えられなかった人が多かったのですが、さすが大学生のしかも天文部です。すぐに納得して、その後の例えばベガは?と聞くと、普通に東から登り、西に沈むと妙に納得してくれてました。画面に見えている天の川と銀河の方向の関係のクイズも出したのですが、これはちょっと難しいと思われたようだったので、少し反省です。もう少しこなれた誘導を考えた方がいいかもしれません。


観望回終了

一応観望会は21時まででしたが、あまり時間は厳しくなくて、お客さんがいなくなったらやめにしましょうかというような雰囲気でした。19時くらいから始めて、かなりの人が見にきてくれ、ずっと説明していた気がします。それでも結局見せたのは夏の大三角と、こと座とベガ、天の川と、M57、あとはせいぜいM27くらいでした。ひっきりなしにお客さんが来るので、あまり種類を見せることができなかったのは反省点でしょうか。

私は21時20分くらいまで粘っていましたが、駐車場の出車ゲートが22時で開かなくなってしまうというので、ここで撤収です。片付けはほんの10分もあればすぐに終わり、片付け終わってから一通り挨拶をして、まだ盛り上がっている学生たちのところに行きました。20人くらいの大所帯なので、かなり楽しそうです。学生たちに22時にゲートが開かなくなることを伝えて、私も21時40分頃には退散しました。


まとめ

今年もたくさんのお客さんに電視観望を見てもらいました。特に天の川は、こんな街中でも見る方法があるということにびっくりしていたお客さんが多かったです。また、富山県天文学会のメンバーはもちろん、他にもたくさんの望遠鏡が出ていたので、お客さんはかなり楽しめたのではないかと思います。でもこの日もとても暑かったです...。


この日は久しぶりの観望会です。でも元々の天気予報では全くダメそうで、当日近くになって夜遅くから晴れると言う予報に変わりました。と言っても、Windyで見る限り上層の雲が広範囲に渡って広がっているようなので、あまり期待はできません。もし夜中に晴れてあわよくば撮影と思って、ε130Dを用意してはいきましたが、結局使えなかったです。


ドームの修理

観望会は別として、ドームが長らく故障てしていて使えないので修理をする必要があるのですが、冬だったり体調を悪くしたりで長らく行けていないので、天気のこととは別にとりあえず現地に行くことにしました。気温が心配でしたが、ドライブ中も現地についてからの作業中もずっと雨が降っていて、そこまで暑くなかったのがラッキーでした。

今回の修理ポイントをメモがわりに書いておきます。
  • 昨年交換したモーター周りの仮配線を、圧着スリーブできちんと接続しました。ただ、Amazonで安いものを買ったので、圧着がいまいちなようで、機会があったら再度交換した方がいいかもしれません。でも少なくとも仮止めよりは全然マシです。
  • もう一つは、電磁開閉器と呼ばれるスイッチで、リレーでスイッチが入れるものです。SC-03という型番で1bと呼ばれるNC(Normal Connected)タイプで、本来は奥下の2つの端子に電圧をかけることによりスイッチが開閉します。その際は左下2つの端子間に100Vがかかってリレースイッチが作動するのですが、どうもここに100Vが出てきません。
結局今回はこのSC-03のリレーの動作不良という判断で、交換することにしました。Amazonにも在庫があったので、次回来たときに交換します。


寂しい観望会

作業をしている最中に、スタッフのSさんが到着しました。その後まも無くしてかんたろうさんも到着です。ただ、空は所々青いところも見えますが、全面に薄い雲がかかっているような状態です。 Sさんによると、他のスタッフは今日は体調不良などで不参加とのことです。

雲越しでも多少なりとも星は見えるかと思い、35mmのF1.4のオールドNIKKORレンズとASI294MCで広域電視観望を試しました。雲もまだまだありましたが、最初にアークトゥルスが見え、次にベガが見え、そのうちに薄雲のところはたくさんの星が見えてきました。広域電視観望だとこと座の形もはっきりわかります。この頃には目で見ても夏の大三角が見えるくらいには雲が薄くなってきました。そこでいつものFMA135+Uranus C+トラバースでミニマム電視観望です。かんたろうさんも45cmのドブソニアンを出します。

ただ、この日は午後は雨で夕方暗くなる直前くらいからだんだん薄雲程度になってきたくらいで、こんな日はお客さんは少ないです。近くの人が多いので、その日の空を見てくるかどうか決めるのかと思います。残念なことに、結局お客さんはゼロでした。まあ、ドームの修理があったのでやることはあったのですが、少し寂しかったです。

その時に見たのがM57とM27、北アメリカ星雲と、網状星雲などです。M57と網状星雲はかんたろうさんのドブソニアンでも見比べることができました。他にもかんたろうさんがまばたき星雲を見せてくれました。なぜ「まばたき」なのかその時はわからなかったのですが、調べてみたらそらし目で見ることができるとか。次回もし見せてもらえたら試してみたいです。

今回見えたものです。薄雲越しなので、星が滲んでしまいますが、それでも十分形が認識できるくらいには見ることができます。

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曇ってましたが、雲さえなければ透明度は良かったようです。

見えなくなる直前に向けたアンタレス付近でM4も下のほうに綺麗に見えています。カラフルタウン狙いでしたが、青いところはもう少し上でした。カメラの向きを変えて縦向きにして入れようとしましたが、その時にはすでに曇っていました。
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熊 !?

そんなこんなで、徐々低空からにガスってきて、そのうちほぼ全面見えなくなってきました。感度のいい電視観望でもほぼ全く何も見えなくなったので、まったりモードで3人で話し始めていました。するとドブソニアンの向こうくらいから「ガーッ」という、少なくとも可愛い動物とは思えないような声が聞こえてきました。初めて聞いた声で、多分猪とかではなさそうです。流石に怖くなったのと、せっかくの新月期ですがもう星は全く見えていなかったので、すぐに片付け始めて退散の準備です。私は広域電視観望とミニマム電視観望だけだったので、10分もあれば余裕で片付きます。かんたろうさんも45cmと大きいのに、意外なほど片付けは早いです。私が片付けてから10分か15分後にはすっかり片付いてしまいました。

そこにいても怖いだけなので、3人ともそのまま退散です。時計を見たら22時10分くらいだったでしょうか。自宅に着いたらまだ家族も起きていて、謎の声の話をしたらビックリしていました。


エピローグ

次の日、Sさんから連絡があり、昼に同じ場所で熊が目撃されたそうです。クマはどうやら鳴くことはあまりないとのことなので、昨日の声は違うのかもしれませんが、それでも万が一だとかなり怖いです。退散で正解だったと思います。今思い出しても怖いです。

富山県には「クマっぷ」と言うのがあり、目撃件数や場所などがわかるのですが、今年は同時期の例年よりも多く目撃されているようです。飛騨の方まで山続きなので、そこまで比率は変わらないと考えると、少し注意した方がいいかと思いました。そういえば富山県天文学会の前会長が生前、観望会の時は必ず車のオーディオを大音量で鳴らしていました。特に一人や少人数の時には、それが正解な気がします。

最近VMwareのProが個人利用なら無料になるというニュースが流れてきました!


MacのCPUがまだIntelだったころは、Boot CampやParalles、VMware、VIirtualBoxと、仮想化ツールを使っていました。電視観望では別のWindows PCを持っていくのですが、再起動して立ち上げるBoot Campや、VMwareからBoot Camp領域にアクセスした仮想PC上で電視観望を敢行したこともあります。

でもM1 Macを使い出した当時からBoot Campは全く使えなくなり、仮想でもArm対応だけで、一般のソフトの対応はあまり進んでいないという状態でした。でも今回調べてみたら、どうやら特殊なソフトでない限り、一般のソフトは結構普通に動くということのようです。これは再びMacでSharpCapを使っての電視観望で使えないか、また試したくなってきました。私はお客さん相手の観望会の時は、トラブルがあることを考えてWindows PCを2台持っていくことにしています。MacでSharpCapが動くなら、少なくとも持っていくPCを1台減らすことができます。


VMware Fusion

VMware Fusionのインストール自身はいくつも記事が出ているので、ここではポイントだけ書いておきます。ちょっとクセがあり面倒です。以下のページがわかりやすかったです。


WMwareをダウンロードする際に、アカウントを別途作る必要があること、その際住所などを書かなければならないことがちょっと抵抗がありましたが、これはしかたないでしょう。元々VMwareを使っていたので、昔のアカウントがあるかと思っていたのですが、どうも残っていないようで、結局新たにアカウントを作り直しました。

Windows自身は指示に従ってVMware上でダウンロードするのが楽だと思います。私は上のページに辿り着く前にここを見てしまい、別途Windowsをマニュアルでダウンロードしました。


あと、VMware Toolsが上のページに書いてある方法そのままではうまくいきませんでした。VMware Toolsが入っているisoイメージをあらわにマウントしてやる必要があり、次のようにしました。
  1. Macの「アプリケーション」フォルダ内のVMware Fusion.appを右クリックして、「パッケージの内容を表示」でContents -> Library -> isoimages -> amd64を開き、その中にあるwindows.isoをデスクトップなどにコピーします。
  2. VMwareのメニューの「仮想マシン」から「CD/DVD(SATA)」 -> 「ディスクまたはイメージを選択」で先ほどのwindows.isoを選択
  3. 再びメニューの「仮想マシン」から「VMware Toolsのインストール」を選択して、出てくるダイアログで「Setup.exe」を実行することで、ビデオドライバーやネットワークなどがインストールされ、画面の解像度を変えることができたり、やっとネットワークに繋ぐことができるようになります。

ここまでくれば、もう普通のWindowsと同じです。CMOSカメラのドライバーをインストールしたり、SharpCapをインストールしたりしましょう。必要ならASCOMプラットホームやASCOMドライバーもインストールします。

さて、必要そうなドライバーやソフトのインストールまでは普通にできました。まずは実際にArm版のWindowsで各種ソフトが立ち上がるのでしょうか?ドキドキですが、SharpCapを立ち上げてみます。

おっ!普通に立ち上がるようです。とりあえずカメラが手元になかったので、仮想のテストカメラを選択してみますが、これは少なくとも普通に動くようです。Arm版でも普通に立ち上がるんですね。これだけでもすごいです。

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Arm Windowsですが、まずはSharpCapに付属の仮想のテストカメラで、問題なく動きました。


カメラの認識がちょっと大変

さあ、次はカメラを用意して実際に接続してみます。USB機器を接続した時に、Macに接続するか、Windowsに接続するか聞かれます。ここはもちろんWindowsです。「ピロン」と音が鳴って、接続されたことがわかります。

次にSharpCapを開いてカメラの接続を試みようと思いますが、ここで問題発覚です。カメラが全く認識されていません。

カメラは電視観望でいつも使っているPlayerOneのUranus-Cです。ここでPlayerOneのサイトに飛んで上部の「Service」の「Driver and Software」のところを見てみると、なんと(2024年6月4日現在)「Camera native driver on Windows11 on arm (Windows11 in Parallels on Apple silicon Mac)」とあるではありませんか!早速リンクをクリックしますが、出てきたページによるとドライバーインストールの前に注意があるみたいで、どうやらドライバーの署名を強制的にオフにしなくてはダメなようです。


ドライバー署名オフ

ドライバーの署名のオフ説明画面に沿って進めればいいのですが、英語なので一応日本語に相当する部分を書いておきます。
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下の4.のところの画面です。

  1. まずはWindowsの「設定」を開きます。今回入れたのがWindows11で普段はまだほとんどWindows10なので少し戸惑いますが、画面下部のタスクバーの中央のWindowsマークのスタートボタンを押すと出てくる、ピン留め済み一覧の中の、ギヤマークの「設定」を押します。ピン留め一覧に出てこない場合は右上にある「すべてのアプリ」を押して、「さ」行から「設定」を探して押してください。
  2. 最初に選択されている「システム」の中の、「回復」を押します。少し下の方にあるので気づきにくいかもしれません。その場合は少し下にスクロールさせてみてください。
  3. 「PCの起動をカスタマイズする」のところの「再起動」を押します。
  4. しばらく待って出てきた「トラブルシューティング」「詳細オプション」「スタートアップ設定」の順に進みます。ここで一度再起動します。
  5. さらにキーボードの数字の「7」を押すか、キーボードの「fnキー」を押してからそれを離すことなく「F7キー」を同時に押します。
  6. その後、再ログインするとやっとドライバーの署名がオフされた状態になります。
  7. 元のページの一番下にあったArm用のカメラドライバー(2024年6月4日現在でバージョン1.3.12.12)をダウンロードし、展開してインストールします。
  8. その際、「ドライバーソフトウェアの発行元を検証できません」とか出ますが、無視して、下の「このドライバーをインストールします」を選択します。
ちなみに、これらの署名オフの過程はドライバーをインストールする前にWindowsを再起動してしまった場合は、ドライバーの署名強制的にオフが解除されるので、また最初からやる必要があるそうです。


まだカメラが認識されない

ところがです、ドライバーインストール後すぐにSharpCapを立ち上げたのですが、まだ認識されませんでした。どうやら一筋縄ではいかないようです。PlayerOneのページにParalles用のドライバーとかと書いてあったので、もしかしたらVMwareでは動かないのかとあらぬ疑いを持ってしまいます。でも普通に考えたらArmで動くか動かないかがポイントで、それを動かす仮想のベースは関係ないはずです。

ここでZWOのカメラはどうなのか試してみました。まず普通にZWOのドライバーページからカメラドライバーをダウンロードしてインストールしましたが、これは予想通りで、カメラは全く認識されません。ZWOのページにはまだArm対応のドライバーは見当たりません。いろいろ検索してみると、ZWOのフォーラムの中に2021年ごろからArmに対する議論が活発になされていることがわかりました。2021年の初期の頃はRossetaを使ってMacOSの上で走らせたIntelベースのASIAirで動いたとかが議論の中心でしたが、途中2023年2月頃にArm用にドライバーをビルドできたとの報告がユーザー側から出てきます。その後いくつかビルド済みのドライバーがアップロードされていますが、PlayerOneの時と同様な署名オフ問題が存在してるようです。「しているようです」というのは、どうもこれらのドライバーはフォーラムにログインしなくてはダウンロードできないようで、唯一2024年4月24日の投稿にあったこのページがgoodleドライブ上にアップロードしてくれていて、ダウンロードすることができました。このドライバーは署名オフ問題を回避してあるらしいのですが、私は回避状態でインストールしてしまったので、確認は取れていません。

さて、このドライバーもPlayerOneのArm用ドライバーと同じように、普通にインストールはできたのですが、それでもやはりSharpCapで認識されません。どうもドライバーの問題というよりは、何かPlayerOneとZWOで同じような問題が起きているような感触です。ここで一旦諦めました。


ドライバーのマニュアル更新: PlayerOneの場合

冷静になってしばらく考えて、デバイスマネージャーで見たらどうかと気づきました。そういえばZWOのフォーラム上でもデバイスマネージャーのスクリーンショットが出ているのを思い出しました。やった手順を書いておきます。
  1. Windwos11のスタートボタンを右クリックして「デバイスマネージャー」を押して開きます。
  2. この状態でUranus-Cを繋ぐと「不明なデバイス」のところにでてきます。これはおかしいです。フォーラムの中のスクリーンショットによるとカメラは「イメージングデバイス」に振り分けられるはずです。
  3. 右クリックして「ドライバーの更新」を選び、「コンピュータを参照してドライバーを検索」を選びます。
  4. 次は「コンピュータ上の利用可能なドライバーの一覧から選択」を選びます。
  5. 次の画面の「互換性のあるハードウェアを表示」オプションは外してください。そうすると(上でPlayerOneのArmドライバーがインストールされている場合は)「PlayerOne」の選択肢が出てきて、それを選ぶとカメラの選択肢が出てきます。私の場合は手持ちがUranus-Cなので「POA Uranus-C Camera」を選びます。
  6. 「ドライバーをインストールしています」と出て順調に行くかと思いきや、ここでまた問題が発覚です。「デバイスのドライバーのインストール中に問題が発生しました」などと出ます。
  7. また失敗かと思いきや「閉じる」を押しますが、デバイスマネージャーを見ると今度はきちんと「イメージングデバイス」にUranus-Cが移動しています。
  8. もしかしてと思い、SharpCapを立ち上げてメニューの「カメラ」で確認すると、何とUranus-Cがきちんと出てきています。
  9. 実際にカメラを選択して接続完了後に画面を見ると、きちんとカメラで写した画像が出てきました。ROIを最大画角で見てもフレームレートは46fpsくらい出ていてます。スピード的には十分で、少なくとも電視観望レベルで問題になるようなことは全然なさそうです。
あ、SharpCapでカメラに接続時に1-2度フレームレートが0のままや、上がらないことがありました。USB接続の不良(2.0で繋がってしまったとか)もありますので、繋ぎ直すと解決することがあります。私はケーブル再接続で直り、その後は何度か繰り返しましたが全く問題なく安定に動いています。

というわけで、問題は接続したカメラにドライバーがきちんとあてられておらず、ドライバーを更新して手動であえて正しいドライバーを選択してやる必要があったということです。でもこのような問題は、いずれ時間と共に解決するはずなので、今だけの問題なのかと思います。


ドライバーのマニュアル更新: ZWOの場合

さて、PlayerOneのカメラは上のようにすればOKだったのですが、ZWOはさらにひとひねり必要でした。ドライバーがきちんと当たっていないのは同じなので、上の3までは同じです。4のところで今度は「コンピュータ上のドライバを参照します」を選び、ZWOのArmドライバーがインストールされたフォルダ、例えば私の環境では

C:\Program Files (x86)\ZWO Design\ZWO_USB_Cameras_driver\driver\arm64

を選択します。要するに、まだWindowsのシステム内にもドライバーがうまくインストールされていないみたいです。今のところはユーザーがビルドしたオフィシャルでも何でもないドライバーなので、ある程度は仕方ないですね。

これで上の6以降に合流し、同じように文句は出ますが、「イメージングデバイス」に移動しているはずです。これでSharpCap上で接続(今回試したのはASI294MC)して、画面にきちんと像が出てくることを確認できました。フルサイズで12fpsくらい出ているので、仮想OSで動かしていると考えると、こちらも十分な速度かと思います。


Window再起動後の問題

ところがところが、まだ問題が残っています。Windowsを再起動すると、どうも署名オフの効果が消えるみたいで、ZWOのカメラのみ、再接続するとデバイスマネージャー上のASI294MCが、イメージングデバイスには置かれているのですが、三角の警告マークが出てきて、プロパティを見ると「このデバイスに必要なドライバーのデジタル署名を検証できません。... (コード 52)」などと出てきます。この場合、署名オフのプロセスを再度実行しなくてはダメなようで、再起動のたびにこれを繰り返すのは少し面倒です。

一方、PlayerOneのカメラはそのような署名オフ問題は再度出てこないので、こちらはWindowsを再起動しても問題なく再度カメラを使えています。

というわけで、カメラのインストールは少し大変ですが、PlayerOneのカメラは問題なく使えますし、ZWOのカメラはインストールはもう少しだけ手を加えることと、あとはWindos再起動のたびに署名オフのプロセスを繰り返す必要なことが大変でしょうか。でもそこだけ我慢すれば一応使えるというのが今の所の結論です。


SynScan ProとASCOM関連

カメラの認識にかなり苦労したので、その後のSynScan Proとか、SharpCapからSynScanアプリを動かすASCOMドライバー関連がかなり心配になりました。

まずはSysScan Proです。ダウンロード、インストールして、ミニマム電視観望の定番のトラバースで試してみました。ポイントは、WindowsのネットワークアダプターがMacのものをそのまま仮想的に利用しているので、Windowsから見たら一般的なイーサーネットアダプタとなっているということです。Wi-Fiではなく、あえて言うなら仮想的なLANケーブルに繋がったインターネット接続でしょうか。なので、トラバースに繋ぐのはMac側になります。MacのWi-FiでSSIDを見てみると、トラバースらしきものが見つかると思います。まずはここで繋ぎ、次にWindowsに行きます。SynScan Proを立ち上げて、接続を試みます。最初うまく検出できなかったので「ダメか?」と思ったのですが、通常のWindows単体での接続より少し時間がかかるようです。30秒程度掛け何度か接続を試していると、トラバースを認識して接続に成功しました!ネットワークアダプタの違いがあるので厳しいかとも思っていたのですが、これはあっさりし過ぎなほど簡単につながりました。

次は難敵ASCOMです。ドライバーに当たる部分なのでArmに対してはいろいろ未知数です。と覚悟を決めて試してみました。まずはSynScanアプリ用のASCOMドライバーをSkyWatcherのページから落として、インストールします。

SharpCapのメニューの「ファイル」の「SharpCapの設定」から「ハードウェア」タブを選び、「マウント」の「ハードウェアの選択」のところで出てくる「SynScan App Driver」を選び、下の「OK」ボタンを押します。あとは、右パネルの「望遠鏡制御」のところにある「接続」チェックボックスを押し、チェックマークを入れます。おお、何の問題もなく接続するではありませんか!!念の為「レート」を最大にして矢印マークを押すと、トラバースがきちんと動きました。ASCOMもあっさりし過ぎなほどうまく行きました。

やっと電視観望に辿り着いた!

ここまでくれば、もう電視観望も試せます。すべての接続がうまく行ったあと、夜を待って実際の電視観望を少しだけ試してみました。
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このように、M1 Macbook ProでSharpCapを使って電視観望が普通にできています。

初期アラインメントと、途中何度かの導入の際はSharpCapからSharpSolveを使いプレートソルブをしていますが、これらも全く問題なく動きました。下のようにライブスタックも普通にできます。

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簡単にできるかと思っていたArm Windowsでの電視観望ですが、思ったより手こずりました。同様のことを試そうと思っている方は、事前の明るいうちに接続関連をすべてクリアしてから夜に臨んだほうがいいかと思います。私はWMwareだけは昼にインストールしておいたのですが、カメラの接続を夜になってから始めたので、まるまる一晩潰しました。昼間もいろんなトラブルで、2日ほど費やしています。

一旦うまくいけば、Windows PCと比べても、全く遜色なく、いやむしろMacbook Proで画面とか大きいので、さらに快適に電視観望が楽しめます。あと、ブログをまとめるときも、すべての保存画像がMacから直でアクセスできて、Windwow-Mac間も普通にコピペできるので、これまでのようにわざわざ別PCから画像を移動する必要もなく、こちらもむしろ快適だったりします。

ここまでくると、あと出来なさそうなのは太陽とかのミリ秒スケールの短時間露光撮影でしょうか?さすがにフレームレートがそこまで出ないことが予想できますが、面積の小さいカメラを使うので実際どうなのでしょうか?太陽撮影はASI290MMでZWOカメラなのでちょっと面倒かもしれませんが、時間があるときに試してみたいと思います。


まとめ

というわけで、M1 Macで個人利用が無料になったVMware fuisonを使い、Arm64版のWindows11を仮想OSで動かし、電視観望ができるか試しました。カメラ関連はドライバーのインストールとカメラの認識に多少手こずりましたが、少なくともPlayerOneのカメラでは問題なく、ZWOのカメラではWindows再起動時に毎回署名オフのプロセスを踏む必要はありますが、フレームレートも含めて十分なスピードで使うことができます。実際の電視観望も、SynScan Pro、ASCOMプラットフォーム、ASCOMドライバーも全く問題なく動き、ネットワークアダプターもMacでトラバースに繋ぐことさえ注意すれば、問題なく接続し、プレートソルブも含めて動かすことができることがわかりました。

MacユーザーでBoorCampが使えなくて困っていたユーザーは、今回無料になったVMwereを使うことでコストパフォーマンスよく、Windows PCを別途用意することなく、Mac上のArm Windows11で電視観望まですることができます。


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