ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:FC-76

2021年11月19日は、月の97.8%が欠ける限りなく皆既に近いと言われる月食です。前回の2021年5月26日の皆既月食は、ブログ記事にすることがほぼ何もないくらい雲が厚くて全滅でした。さて今回はどうなることやら。


準備

実は私、まだまともな月食の撮影はしたことがありません。星を初めてまだそこまで年数がたっていなくて、初の皆既月食は2018年でした。



同じ2018年にもう一度チャンスがありました。


この2回はいずれも雲に悩まされ、かろうじて雲越しの月を救い上げたか、皆既時には雲で撃沈だったりでした。その他部分月食の機会もありましたが、いずれも天気が悪かったりで、まだまともな撮影を実現できたことはありません。

そんな中、今回は北陸は天気が悪いとの予報だったので、もともとあまり気合は入らず、しかも月食当日の11月19日は平日で仕事もあるのであまりたいした準備もしていませんでした。でも当日になると予報に反して天気が良さそうです。仕事が終わってそれこそ超特急で準備をして、いつもの東が開けている近くの河原に陣取りました。とにかく時間がギリギリでした。

地平線(と言っても遠くの立山連峰が5度くらいの高さまでありますが)までひらけて見える前回の撮影場所にしようとしたのですが、冬の月に近いので出てくる位置が思ったより北に寄っていることに気づきました。そのため少し場所をずらし、月の出から見えるような位置に陣取りました。もう準備の途中ですでに肉眼でぼやけた、それでも既に欠けている月が見え始めているのに気づいてました。山の際の低空に雲があるため、最初は月が霞んでいたので、まだ少しだけ準備に時間をかけることができそうです。


機材1: 広角

まずは急いで、簡単な方の広角撮影の準備をします。EOS 6DとNikkor 50mmオールドレンズで月の出始めから月食終了まで1分ごとの連続撮影です。準備の間にやったことは
  1. 三脚にカメラをセットし、月を拡大してピントのチェック。
  2. 設定はF値2.8、露光1/5秒、ISO400で、かけている部分の模様が見えるくらいに。
  3. 画角のチェック。縦長で最下部に地面が入るように、かつ月が左端に来るように。これで月食終了時に月が右上のはずです。
1分ごとの撮影は、Magic Lanternのインターバル撮影の機能を使っています。バッテリーは長時間っ撮影でも電池切れにならない様に、2系統のUSBから電源を取得できる外部バッテリーを使っています。とりあえず撮影を始めて、月食が終わるまで3時間近く放っておきました。

その中から5分おきのものを抜き出して、比較明合成したものが以下になります。

StarStaX_IMG_6320-IMG_6480_lighten_5min

ちなみに1分ごとのものを全部合わせるとこうなります。

StarStaX_IMG_6320-IMG_6478_lighten

これをタイムラプス映像としてみると、


画像処理までして実感したこの撮影の反省です。1分という時間間隔はそこそこokです。それでもタイプラプスにするなら30秒の方がスムーズかもしれません。一番の問題は月食で欠けている部分に露光を合わせると、月の明るいところは完全に飽和してしまうことです。この写真も途中から露光を切り替えて、明るい部分の模様が見える様にした方が良かったかもしれません。でも長時間撮影なので、一度撮影を始めたら触りたくないんですよね。

そこで次回に向けて考えたのは、撮影は1分おきなので、その間に露光を3種類くらい変えればいいのではないかと思うのです。今回の設定と、2018年の7月の皆既月食のときの設定から考えて
  1. 明るい部分: F4、露光1/200秒、ISO100
  2. 今回の設定と等価F4、露光1/2.5秒、ISO400
  3. 欠けた部分: F4、露光1秒、ISO800
くらいでしょうか?

こういった複数の設定を繰り返すのは、いつも6Dで使うBackYardEOSはちょっと面倒かと思います。なので、NINAかSharpCapのASCOM接続とかになるのでしょうか、いずれ次回の月食までにテストしたいと思います。

あと50mmのもう少しいいレンズが欲しいですが、他にもほしいものがたくさんあり、なかなか優先度が上がりません。


機材2: FC-76での連続撮影

2台目は、FC-76 + ASI294MC + Advanced VXで、もう少し大きな月のタイムラプス映像と、地球の影を炙り出すために、5秒間のワンショットを1分おきに2時間半近く、合計150ショット近く撮影。撮影ソフトはFireCapture、露光時間は25ミリ秒でゲインが220です。5秒で70枚ほどが撮影されます。

画像処理ですが、AutoStakkert!3でスタック、あとはPhotoshopのアクションとLightroomの同期機能を使い、全数同じような処理をします。最大食だけは見やすいように少し目立つ処理をしました。

最大食時から前後20分おきの画像を並べてみました。フィルターなどは入れていません。

all_cut

参考にしたのはこのページです。



この位置に合う様に、月を一直線に並べていくと影がきちんと円を描きます。

FC-76での撮影も問題点は広角の場合と同じで、月食で欠けている部分に明るさを合わせると、月の明るいところは完全に飽和してしまうことです。なのでこちらも2種類か3種類程度に露光を変えるといいのかもしれません。今回、一つのファイルが1分のうち5秒撮影で1.5GB程度です。1時間で90GB、皆既月食の初めから終わりまでの約3時間撮ると270GBです。トータル1TBのディスクなので、1分に15秒までならなんとかぎりぎり撮影できそうです。

あとは追尾をどうするですが、かんたろうさん情報によると極軸の精度さえ出ていれば、追尾レートを太陽時に合わせておけば、比較明合成だけで位置が合うそうです。ただし、数時間にわたり位置がずれない様に極軸を合わせるのもなかなか大変なので、むしろ恒星時に合わせる様にガイド鏡とPHD2を使うのもいいのかもしれません。

太陽に合わせても、恒星に合わせても、いずれにせよ画面の中を走っていくので、ある程度の画角をあらかじめとっておくことが必要になります。

もう一つのやり方は、FireCaptureで形を認識してガイドした方がいいかのかもしれません。でも月食時に形が変わっても可能なのでしょうか?

この問題、位置がきちんと後から計算できるなら、月にある程度合うように撮影してしまえば楽です。もし太陽の見た目の位置と月の見た目の位置が情報としてわかっているなら、そして太陽、地球、月間の距離がわかっているなら、簡単な作図で計算できるのかもしれません。時間があるときにやってみようと思います。

FC-76では2時間半ほど撮影を続けたので、タイムラプス映像を作ることも可能です。でも撮影した全画像を見ると結構ずれてしまっていて、センター合わせがかなり難しいです。手動で合わせるには150枚近いのでさすがに大変。PIPPの位置合わせ機能を試しましたが、明るいところがサチっていると認識がうまくいかないようです。位置認識ソフトを自分で書くかどうか迷ってます。ハフ変換というのを使うと画像から円が認識できるらしいのですが、これでうまくいくのか?まだ処理で悩んでいるので、うまくいったら公開します。


極軸精度と月食撮影時のずれの見積もり

ついでなので、今の極軸の精度で足りるのかどうかザックリ見積もってみます。まず極軸の精度ですがSharpCapで50秒から1分角の精度がでます。誤差もあったりするので1分角としましょう。そうすると簡単な計算から、最大で4分間で1秒角ずれていくことになります。

 

1時間で25秒角、3時間で1分と15秒角ずれるというわけです。月の視直径が30分角くらいなので、これくらいなら大丈夫そうですね。やはり次回は十分な画角をとって太陽時で追尾でしょうか。


機材3: TSA-120による自由撮影

最後のセットアップは、TSA-120 + ASI294MC Pro(常温) + 35フラットナー + UV/IRカットフィルター +
CGEM IIで、画角いっぱいの月を自由な時に撮影するものです。SharpCapで25ミリ秒露光でゲインが220で100枚撮影をワンショットとします。

でもこの撮影画像、なかなか青い成分が出てこなくて、パッと処理しただけではターコイズフリンジらしいものが出てきません。明るい部分と暗い部分の境が出る様にかなり苦労して処理すると、青成分が含まれていることがわかりターコイズフリンジらしいものが見えてきます。

2021-11-19-0903_2_lapl5_ap3030_2_cut

でもかやはり無理をしている気がします。ここまで画像処理を必要とするほど大変なのでしょうか?

ネットに上がっている写真を見ると、ターコイズフリンジが全然出ていないものと、かなりはっきり出ているものに分かれている気がします。はっきり出ているのは簡単に出たものなのでしょうか?それとも私がやったようにかなり苦労したのでしょうか?

ここら辺でかなり迷走しました。この画像処理、月食の本来の色のことなど考えだすとものすごく長くなりそうなので顛末は別の記事で書きたいと思います。


まとめ

ある意味初のまともな月食撮影でした。でもやはり準備をさぼっていたため、いまいちだった感は否めません。今回の反省をもとに、次回はもう少し撮影体制を見直したいと思います。

それとは別に、ターコイズフリンジとタイムラプスでいまだに色々迷っています。既にかなり時間がかかっていますが、もう少し結果が出たらまたメモがてらですが、ブログ記事にしたいと思います。



新月期、天気が良かったので平日ですが、自宅で撮影しました。ターゲットは季節柄、M31アンドロメダ銀河としました。アンドロメダ銀河の撮影は、なんと4年ぶりとなります。4年でやっと最初に戻った感じでしょうか。


そろそろ2巡目

4年前当初は、まだ星を始めたばかりで、初めてオートガイドが成功したと喜んでいた頃でした。当時はすごくうまく出てきたと思っていたアンドロメダも、流石に色褪せて見えてきました。そろそろこれまで撮影したメジャー天体の再撮影をしてもいい時期なのかもしれません。

今回の撮影の目的は2つあります。
  • 一つは、4年経ってどれくらい進歩したのかをみること。
  • もう一つは、4年前の撮影が数河高原と環境が格段良かったのに対し、今回は自宅で数段劣る空でも銀河撮影に耐えうる環境なのかを見極めること。
機材も画像処理の技術も進歩したはずです。少なくともカメラはAPS-CのEOS 60DからフルサイズのEOS 6D、鏡筒はFS-60CBから、FC-76と少し口径アップです。ですがこのFC-76、レンズが白濁してるやつです。果たして上手く写るのか?まあ、これまでHαはうまく出てるので、なんとかなるでしょう。

自宅なので空の環境が4年前より悪い代わりに、平日にもかかわらず撮影時間は朝まで気にしないで長時間できることはメリットになります。これがどこまで有利に働くか?うまく撮影できるなら、休日前に遠征に行くか、平日でも自宅で撮るかで、おそらく後者の方が圧倒的に撮れるチャンスは増えるはずです。


撮影開始

セットアップは順調で、19時半頃には撮影を開始できました。ちなみにフィルターは無し。最初CBPを入れてテスト撮影しましたが、流石に銀河部分もかなり暗くなるので、CBPは外しました。カメラが6Dなので、フィルターは鏡筒のフォーカサー付近につけるしかなく、この大きさで他に使えるフィルターもないため、今回はフィルター無しでの撮影としました。後の結果を見ると、フィルターなしでも十分戦えそうです。

でも後で見てみると、低空で北向に近い19時台と20時台は背景が明るすぎたので、ばっさり捨てました。富山の北は街明かりでかなり厳しいです。天頂付近と比べて明るさが倍以上違います。最初3分露光のISO1600でヒストグラムのピーク位置が半分くらいまできてたのでISO下げるか迷ったのですが、下げなくて良かったです。一番暗い時はピーク位置で25%以下にまでなってました。

19時の撮って出しJPG:
M31_LIGHT_180s_ISO1600_+22c_20201020-19h36m14s797ms
最初これを見た時、あー自宅はやっぱりダメだなと思いました。流石に淡すぎる気がします。

PHD2でのガイドは極めて安定でした。RMSで1秒程度、ピークでも数秒です。
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今回は6Dでの撮影なのでBackYardEOS(BYE)を使いましたが、途中3回くらい停止しました。PHD2からのDitherが始まるか終わるかするところで泊まるみたいです。どうもPCの負荷と関係あるようで、プロセスを見るとなぜか「System」が異常に高いCPUパワーを食っていました。後日、なにもUSBに繋げずに立ち上げ直した時はそんな負荷はなかったので、何か撮影時につないでいるものが悪さをしているようです。6DでもNINAに乗り換えた方がいいのかもしれません。

結局画像処理使ったのはBYEが止まってたのを復帰させたあとの21時半頃から、翌日の午前3時半頃までの、91枚。3分露光なので273分で、4時間半ちょっと分です。

0時頃、天頂付近の撮って出しJPG:
M31_LIGHT_180s_ISO1600_+17c_20201020-23h59m04s734ms
時間が経つにつれかなりマシになっていきました。まあこれならなんとかなるかもと思い始めました。あとは長時間で枚数を稼ぐのがどれだけ効いてくるか?ちょっと楽しみになってきました。


画像処理と結果

画像処理はいつも通りPIで、途中からPSに渡します。
  • ライトフレームが3分で91枚。
  • 後日同様の時刻に外で鏡筒に蓋をして撮影したダーク66枚。
  • フラットを障子越しに同じISOの1600で1/400秒で100枚。
  • 今回はWBPを使ったのでフラットダークも撮影しました。こちらもフラット撮影の時間が短いので簡単で、フラット撮影後そのまま蓋を閉じ、暗いところにもっていって同様の設定で撮影するだけです。
  • バイアスは以前撮ったものを流用。
全部をPIのWBPに放り込み、しばらく待ちます。1時間もかからなかったでしょうか、できた画像をとりあえずオートストレッチだけしてみます。

masterLight-BINNING_1-FILTER_NoFilter-EXPTIME_180.5

うん、悪く無いですね。

画像処理の手順は
  1. フラットで補正し切れてない所をDBEで滑らかに
  2. PCCで色合わせ
  3. 恒星の色を出したいので今回はArcsinhStretchでストレッチ
  4. StarNetで恒星部と分けて
  5. あとはPSで炙り出し
  6. DeNoiseでノイズ除去
くらいです。出来上がりは下のようになりました。色はタカsiさんのM31があまりに綺麗だったので、参考にさせてもらいました。

「M31アンドロメダ銀河」
masterLight_DBE1_PCC_AS_all4
  • 撮影日: 2020年10月19日21時37分-20日3時40分
  • 撮影場所: 富山市自宅
  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI290MMによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS, ISO1600,  露光時間: 300秒 x 91枚 = 4時間35分
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC, DeNoise

ついでにAnnotationです。
masterLight_DBE1_PCC_AS_all4_Annotated

どうでしょうか、タカsiさんのと比べるとまだまだ全然ですが、自宅でFC-76(しかも白濁で格安)でここまで撮れたのなら、私的にはまあ満足です。恒星の色もきちんと出ています。4年前の撮影より空は格段に劣るにもかかわらず、ありとあらゆるところで更新できたと思います。画像処理の技術もそうですが、5時間近くを平気で撮影できるようになったというのも自分の技術の進歩かと思います。やはり4年は大きいですね。

反省点としては、赤ポチがやはり出ないところでしょうか。これはHαだけ別撮りして足すとかしないとダメなのかもしれません。

ちなみに4年前のはこんな感じ。アラもたくさんあるのは当たり前ですが、画像処理も含めて随分頑張っていたことを思い出します。

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あと、今回の画像処理はすごく楽でした。5時間近くの露光になるとやはりスタックされた画像はかなりのクォリティーになるのでしょうか、あまりいじったり強調したりすることなく、無理なく細部も出てきます。これなら個人で撮影して喜んでいる分には十分です。一晩を目処に自宅で、というのをしばらく続けてみたいと思います。

実はもう少し、初期の頃に撮ったM42とかをTSA-120と6Dで真面目に撮り直してみたいです。でもまたしばらく天気が悪く、回復するのは上弦の月くらいのようです。


年末の土曜日、次の日もまだ仕事があったのですが、夜から晴れてきたので撮影開始です。ターゲットはバラ星雲。過去に何度か挑戦していますが、いまだに満足したのは撮れていなくて再チャレンジです。


天気は微妙

この日は天気予報では午後蔵から晴れる予定でした。でもずっと曇り空が続いていて、1時間天気予報も時間と共に曇りの時間が後ろに下がっていって、なかなか晴れません。夕方もダメ、夕食前にいったん晴れてご飯食べてから外に出るとまた一面曇り。のんびりして夜21時頃に出ると星は見えるけど薄曇り。22時過ぎにもう寝ようかと思って最後外に出ると、やっと晴れてました。すぐに準備を始めます。

機材

バラ星雲だと画角的に600mmとフルサイズでぴったりくらいなので、この日はいつものFS-60Qではなく、同じ600mmのFC-76を持ち出すことにしました。あの白濁レンズのFC-76です。

  • 鏡筒: タカハシ FC-76 (口径76mm, 焦点距離600mm、対物レンズが白濁) + FC/FSマルチフラットナー(x1.04)
  • 赤道儀: Celestron CGEMII
  • センサー: Canon EOS 6D HKIR改造
  • フィルター: サイトロン QBP(Quad Band Pass) filter
  • 日時: 2019年12月29日0時52分-44時17分
  • 場所: 富山市下大久保
  • 月齢: 22.1、ほぼ下弦の月
  • 撮影対象: バラ星雲 (The Rosette Nebula 、NGC 2237-9, 2246、Caldwell 49)
  • 露光時間: 300秒 x 32枚 = 2時間40分

いつも通りSharpCapとASI178MCで赤道儀の極軸を合わせて、その後はコンパクトなStickPC上のBack Yard EOSで撮影、その画像をAll Sky Plate Solverで位置特定して、赤道儀の向きとの誤差をCarte du Cielにフィードバックして位置合わせをします。

でもここでトラブル。この状態でプレビューをすると何故か画面が流れています。PHD2で見ていてもターゲット性自身がどんどんずれていく始末。極軸の精度がものすごく悪いのか、赤道儀のトラッキングレートが恒星時以外になっていないか、ケーブルとか変なテンションはかかっていないかなど、いろいろチェックしましたがラチがあきません。諦めて最初からやろうと赤道儀をホームポジションにしようとしたのですが、何故か少しだけ動いてすぐに止まってしまいます。これは先日交換したバッテリーが悪いのかと一瞬疑いましたが、それも大丈夫そう。さらにCarte du Cielで自動導入しようとしても同じ様に少しだけ動いてすぐに止まってしまって、全然目的の天体まで行きません。何かおかしいです。

この時点でやっと、CMOSカメラからのガイドケーブルと、赤道儀のハントコントローラーにPCからつないであるケーブルを引き抜くと、きちんとホームポジションまで動くことが判明しました。どうも機械系のトラブルとかいうよりは、ソフト系のトラブルのようです。そもそもASCOMドライバーにBack Yard EOS、All Sky Plate Solver、Carte du Ciel、PHD2と合計4つのソフトがアクセスしています。一度全部落として、Back Yard EOSは立ち上げてもASCOMに接続させず、All Sky Plate Solver、Carte du CielだけASCOMに接続して位置特定と赤道美の位置合わせ、その後All Sky Plate Solver、Carte du Cielを落としてからPHD2でASCOMにつないでガイドとしたら、無事に動き出しました。やはり全部をASCOMに繋いでしまうと赤道儀の制御の取り合いになってしまう様です。

あ、あと位置合わせで少しトラブルがありました。All Sky Plate Solver、Carte du Cielどうしても位置のズレが出てしまいます。画角の横幅の5分の1くらいでしょうか、今回バラ星雲の中心がどうしてもずれてしまいます。何度やっても同じようになります。こちらは仕方ないので、マニュアルで少し動かして最終位置調整をしました。以前はこんなことはなかった気がしますが、また時間のある時にテストし直してみます。

トラブルで撮影開始個を遅くなってしまいましたが、その後の撮影は順調そのもの。QBPのおかげもあり、自宅でもISO3200で5分まで露光させられます。後は放っておいて寝るだけです。

あさ8時ころに片付けたのですが、赤道儀用のパワータンクは中のバッテリーを交換したこともあり、全く問題なく朝でも稼働していました。その一方、デジカメのバッテリーが朝の5時半頃に切れてしまっていました。でも朝方少し雲が出たようで、実際に使えたのは4時半頃の画像まで。2時間半以上撮影できたので十分な時間です。


画像処理

まずはJPG撮って出し一枚画像です。苦労した魔女の横顔と違い、一枚だけでも十分に見えています。

ROSE_LIGHT_6D_300s_3200_+5cc_20191229-02h10m36s201ms

今回は期待できそうなので、最初からフラットもダークも撮影しました。フラットはiPadのColor Screenというアプリで白色最大輝度にして、ISO100、露光時間100mm秒で100枚ほど撮っています。周辺減光とセンサーのゴミはほとんど回避できました。当然空から来る緩やかな被りは少し残るので、PixInsightのDBEで大まかに取り除きます。

ダークも温度をできるだけ合わせる様にしました。昼までのダーク撮影で、いつもは冷蔵庫や冷凍庫に入れたりするのですが、あまり冷えなかったり冷えすぎたりするので、今回はクーラーボックスに冷凍した補正剤を入れてカメラとStick PCごと突っ込みました。機材が濡れない様に注意が必要ですが、温度はそこそこ安定していたのでこれはいい方法ではないかと思いました。保冷剤の位置を調整することで温度もある程度調整することができます。Stick PCごと入れる理由は、BackYardEOSを走らせることができて、センサーの温度をファイル名に書き込むことができて、後から温度管理が楽になるからです。温度がばらつくこともあるので、今回5分のダークファイルを100枚以上撮影し、その中で適した温度のものを37枚選びました。

画像処理も順調そのもの。QBPのせいもあり、青色が出にくいのですが、バラ星雲の中心は青色が綺麗です。少し青色を強めに強調していますが、おそらくこれまででは最も満足のいくバラ星雲になったかと思います。魔女の横顔で苦労したときのテクニックも随所に生きています。


綺麗に出た!

結果を見てください。自宅撮影でこれです。バラの細かい構造も結構出ています。私的にはかなり満足です。やはり光害地だとQBPの効果絶大です。

masterLight_integration_DBE1_PCC_AS_all2c

あえて不満を言うと、QBPのせいか恒星のオレンジ色が出にくいこと。もう少し恒星をうまく際出させることが次の課題でしょうか。

ちなみに、かなり昔に同じ6Dで自宅撮影で撮ったのがこれです。

light_BINNING_1_integration_DBE_PCC_AS1acut

2018年の3月なので1年半以上前です。違いはQBPだけのはずなのですが、本当に雲泥の差です。6Dもまだ使い始め、PixInsightも使い始めなので、もちろん慣れや画像処理の腕も違うと思いますが、こうやってみるとなんとか進化していますね。


まとめ

QBPって得意不得意があると思います。Hα領域は自然な色に近くなるので威力が発揮できるのかと思います。反面、青やオレンジは苦手な様で、自然な色に見せるためには画像処理でうまく補填してやる必要がありそうです。

魔女の横顔に引き続き、自宅で色々撮影ができる目処がついてきました。これくらい写るのなら、私的には今のところ満足です。もちろんうまく写るのは限定された天体だとは思いますが、できれば系外銀河まで自宅でうまく撮影できるようになればというのを目標にしたいと思います。


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