ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:FC-76


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2019年5月に、名古屋のスターベースが閉店する直前に寄った際見つけた、レンズが白濁したジャンクのFC-76。作りは昔のタカハシを彷彿とさせるべく、無骨そのもの。例えば、レンズキャップは鋳造の金属製です。

この鏡筒、白濁なんて全く気にならくて、かなり使い勝手が良く、のちに大活躍しています。特に太陽分光ではサイズ的にもピッタリで、ジャンクで信じられないような値段で購入したにもかかわらず、すごい稼働率です。改めて、関連記事をまとめておきます。














春です。暖かくて天気がいいです。観望会の季節です。

前日金曜に引き続き、2026年4月25日の土曜も観望会に参加です。この日は富山市科学博物館で毎週行われている定例の観望会です。前日の駅前観望会終了後、Xで知り合いの4月から高1になったMちゃんから、科学博物館の観望会に行くとDMが来ていたので、2日連続になりますが私も参加することにしました。

冬の間はなかなか天気に恵まれなくてここしばらく参加していなかったので、久しぶりの参加になります。


準備は楽々

準備は前日のセットアップそのままの、FC-76とASI294MCをAZ-GTiに載せたものです。実は昨日の観望会用には念の為にC8とCGEM IIも持っていっていました。銀河がうまく見えなかったり、惑星に振ったりしたくなったときの予備の機材です。でも結局全く使うようなことにはならなかったので、C8とCGEM IIは車から下ろして少し身軽に出発します。

そうそう、出発前に一つだけやることがありました。前日の観望会で気付いた、CMOSカメラのホコリ取りです。保護ガラス面についているもので、淡い天体を炙り出すと黒い丸になってしまって、見栄えが悪いです。頑張って掃除するといくつかのホコリは除去できたのですが、保護ガラスの内側に入り込んでいるホコリもあるようです。しかも清掃中の画面をよく見ると、センサー面に直についていると思われる小さな黒い点がいくつかあります。保護ガラスは外したことがないはずですが、どうやって入り込んだのか不思議です。まあ時間もなかったので、取れないホコリは諦めました。

この日も18時くらいには科学博物館に到着しました。19時半から開始なので、ちょっと早いかと思いましたが、県天メンバーのKさんはすでに到着して準備を始めてました。Kさんは昨日も来ていたので、同じく2日連続です。徐々に日が落ちてくると、科学博物館の職員さんも機材を出し始めます。

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私ものんびりと準備を始めます。と言っても、前日とほとんど同じセットアップなので、迷うこともありません。


科学博物館の観望会には面白い子達が

この観望会のメインのターゲットは、星や宇宙に興味がある子供達です。せいぜい小学生までで、中学生以上は稀です。

そんな中、まだ準備をしている明るい最中に、今日の観望会に誘ってくれたMちゃんが到着しました。一人で来ていたようなので聞いてみると、朝からバスで一人で科学博物館に来ていて、さっき夕食を済ませて、今また帰って来たとのことです。理系志望と聞いていましたが、やはりこういった科学館系もかなり好きなようです。名古屋市科学館はまだいったことがないとのことなのでお勧めしておきました。あそこは1日中いても飽きません。そういえば、先月東京上野の国立科学館に行ったのですが、もちろん展示も素晴らしくて面白いのですが、個人的には名古屋市科学館の方が好きだったりします。でも、地元で子供の頃から通っていたからなのかもしれません。

富山市科学博物館の観望会は、基本は小学生やさらに小さな幼児がほとんどなので、当然親御さんが連れてくるのですが、ご両親も天文にある程度興味がある方が多いです。まあ当然と言えば当然で、よほど好きな子供に引っ張られて連れてくるか、もしくは親が元々興味があって子供に勧めるかで、前者は稀で、普通は後者が多いかと思います。でもそんな中、今日も強烈な子が一人いました。

まだ暗くなりきらない明るいの電視観望でオリオン大星雲を見せていた時のことです。
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「今見えているのがオリオン大星雲です。」と説明すると、すかさず小さな女の子が「M42!」というのです。聞いたらまだ小学2年生だそうです。話していると、他にもいろんなことを知っているみたいで、M3とか球状星団みたいなマイナーなのも知っています。SCOPETECHで月を見てもらうと、すぐに微動を覚えて、次はピント調整もマスター。最後は可変倍率のアイピースで月を拡大して、ピント合わせまで全部一回の説明で、いとも簡単にマスターしました。

結局この子がこの日の屈折望遠鏡担当で、私はほとんど触る必要もなく、ずっと月を見どころの位置に保ってくれていました。
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オリオン大星雲は沈んだところが結構大うけで、木々の間に見えるオリオン大星雲でなぜか盛り上がりました。
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木の隙間からわずかに見えるオリオン大星雲。

この熱心な女の子、電視観望で見る銀河も興味津々みたいです。M42を知っていたので「M51って知ってる?」と聞くと、どうやらわからないみたいで「子持ち銀河って言うんだよ」と穏やかに説明しながら「勝った」と大人気なく心の中で思ってしまいました(笑)。

M51の腕が見えてくる最中もずっと見てくれていて、本当に宇宙が大好きな様子でした。
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「一番好きな星座はいっかくじゅう座。」というので、「いかっくじゅう座にバラ星雲というのがあるんだよ。せっかくだから見てみようか!」と言って、まだギリギリ西の空に残っているバラ星雲を見てみました。さすがにかなりの低空で淡淡でしたが、しばらくライブスタックしていくと、輪郭だけはなんとなくわかって来ます。隣にPCで以前撮影したバラ星雲と並べて見ると、形がはっきりと認識できるので、淡いリアルタイムのものを見てもなんとなく形がわかって来ます。

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観望会もだんだん終わりが近くなり、バラ星雲も沈んでいきます。最後はM101: 回転花火銀河に挑戦です。この日は反省するところがあって、AZ-GTiの水平を全く取っていなかったのです。なので、導入のたびにちょっと離れたターゲットは、平気で数度以上ずれてしまいます。M101はかなり淡いので、画面内に入っているかどうかさえわかりません。プレートソルブを何度か試して、やっと多分これだと言うのが画面で確認できました。本当はこんな時は、プレートソルブをした後にアノテーションして天体の名前を表示してやればいいのです。

まぁ今回は一応苦労もしましたか、無事にM101を画面の真ん中に持ってきて、ライブスタックを開始しました。でもM101はM51回転銀河と違って、面積はあるものの輝度は低く、多少ライブスタックをしてもなかなか画面に出てきません。かなり待って何とか淡い広がりがあるのがわかってきて、その後観望会収終了まで放っておいたら、最後にはやっと腕の形がわかるようになってきました。その時の画像が以下になります。右がライブで左が以前撮影した参照画像です。

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でもその頃にはお客さんもほとんどいなくなってしまっていて、M101の腕が出た所まではあまり見てもらえなかったのが残念でした。

もう一つ反省点です。オリオン大星雲やバラ星雲を見るときは、光害フィルターとしてCBPをつけました。銀河を見る時は外します。それはそれでいいのですが、駅前の観望会の時と違ってさらに1.25インチのUV/IRカットフィルターを何の気なしに入れてしまいました。どうもこのUV/IRカットフィルターで光が少し蹴られてしまっていたみたいで、強度に炙り出すとリング状のカブリのようなものが目立ってしまいました。多少星像がマシになるかなと思って付けたたのですが、ほとんど改善がなかったので、ASI294MCのような大きめのセンサーサイズの場合は1.25インチのフィルターは注意してつける必要がありそうです。


後片付け

科学博物館の観望会は21時ぴったりに終了です。お客さんも子連れの方が多いので、21時ぴったりにはほぼ誰もいなくなっています。後片付けで車で3往復ほどし、その後は事務室に集合し、他のボランティアの方や科学博物館の職員さんと少しおしゃべりし、21時半過ぎには帰路に着きました。

今週末はずっと天気が良かったので、2日連続の観望会と2日連続の太陽撮影と、非常に充実していました。さすがに夜中は(月もある程度出ているので)寝ていました。

次の日曜も朝から太陽です。いろいろ面白いことやったのですが、ネタが多すぎてブログ書きが全然追いついていません。焦らずに今週平日にゆっくり記事にしていこうと思います。



ASO294MM ProのROIを変更することで、TSA-120での分光撮影ができるようになったのですが、その日は風が強くて撮影した画像はブレブレでイマイチでした。エタロンを使ったフェニックスでのHα画像撮影とも比較しようとしましたが、ミスでライブスタックした画像しか残っていなかったので、年末休暇の2日目の28日(土)、満を持しての比較検討です。


機材の違い

3パターンの分光撮影と、参考として口径4cmのエタロンを使った
  1. TSA120+ASI294MMPro
  2. FC76+ASI294MMPro
  3. FC76+G3M678M
  4. Phoenix+G3M678M
の計4種で撮影しました。上3つが分光、最後がエタロンです。見たいポイントは、波長分解能と、空間分解能です。

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波長分解能は分光の3つはほとんど差が出ないことは計算上わかっています。厳密にはカメラのピクセルサイズが効いていて、G3M678Mを使ったFC-76の方がいいですが、高々1割程度の違いなので見た目ではわからないでしょう。今のセットアップでの分光撮影とフェニックスエタロンとはFWHMで5倍くらいの差があるので、ここまで差があると見た目にもわかるかと思われます。

空間分解能に関してはFC-76の口径で制限されていることがわかっているので、TSA-120が有利です。計算上はカメラの分解能は2.0umのG3M678Mでも2.3umのASI294MMのbin1でも効いていなくて(bin2だと効いてきて分解能が悪くなる)、口径の1.5倍の違いだけが効いてくるので、空間分解能は単純に1.5倍良くなるはずです。を1の1.5倍ほどいいはずです。空間分解能の1.5倍は見た目にも顕著なはずで、こちらも画像で見て確認できるはずです。

というわけで、波長分解能は計算上

3>1=2>>4

でFC76+G3M678Mが一番よく、空間分解能は計算上

1>3~2>4

でTSA120+ASI294MMProが一番いいはずです。

さて、実際の結果はどうなるのでしょうか?


撮影

撮影は、1→4→2→3の順になりました。前回のTSA120+ASI294MMPでの再現をまずして、次に簡単なフェニックスでの撮影、その後エタロンとカメラをくっつけたままFC-76につかけえて撮影、最後にカメラをG3M678Mに取り替えたという手順になります。

時間と撮影枚数などは
  1. 11時41分-12時16分で10枚
  2. 13時3分-13時27分で10枚
  3. 14時20分-14時31分で10枚
  4. 12時38分で1500枚の内上位50%
となります。撮影した時間にある程度の開きはありますが、天頂を挟んでいることと、天候も一定で風もほとんど無く、条件はそこまで変わらないと思います。

画像処理もある程度条件を揃えています。分光撮影はJSol'Exで処理後、ストレッチなどしていない「disk」フォルダのtifファイルを上記枚数分AutoStakkert!4でスタック、ImPPGで細部出しとコントラスト出しをするところまでです。前回の記録ではさらにPixInsightとPhotoshopで加工などしていますが、今回の比較ではできるだけ未加工の状態で比べたいので、それらの最後の仕上げはしていません。フェニックスの方は、動画をAutoStakkert!4スタックし、ImPPGで細部出しをしています。


全体像の比較

結果を1、2、3、4の順に並べます。

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1. TSA120+ASI294MMPro

IP_aligned_lapl2_ap8066_IP
2. FC76+ASI294MMPro

IP_aligned_lapl2_ap11969_IP
3. FC76+G3M678M

12_38_40_lapl2_ap3724_IP_flipcut
4. Phoenix+G3M678M

波長分解能は上の4枚の比較でわかるかと思います。予想通り、1、2、3はほとんど同じかと思いますが、4はやはり違って見えます。見るべきところは、分光の1、2、3はダークフィラメントのコントラストが良いこと、プラージュの明るい領域の他に、もっと広域で白いモヤモヤが広がっているところでしょうか。細かい模様は4のフェニックスの方が一見よく見えています。これはHα線からズレたところに出てくる模様で、波長分解能としては悪くなっていることを表しています。分光撮影で波長幅をあえて大きくしてHαからズレたところも含めると、同様の画像が再現できることがわかっています。

TSA-120の画像はコントラストがいまいちな他に、上下に周辺減光の影響が出ていることがわかります。細長い領域で撮影し、それを赤経でスキャンするので、その端の暗い部分の影響が上下に出るというわけです。もっと言うと、コントラストが悪いのもこの周辺減光が原因です。輝度差のために簡易な画像処理の段階ではまだコントラストを補正しきれないのです。


拡大像の比較

次に、真ん中右の黒点部分をそれぞれ拡大して比較してみます。左上から1、右上が2、左下が3、右下が4です。
スクリーンショット 2025-12-30 204222_cut


空間分解能は拡大した画像を比較すると良くわかります。予想は

1>3~2>4

でしたが、結果は意外なことに

2>3>1

となりました。4のフェニックスの画像は少し出方が違うので比較が難しいのですが、あえて言うなら

2>3>4>1

くらいでしょうか。これは画像処理を進めていくとわかる結果で、FC-76はもっと細部を出しても耐えられますが、フェニックスは無理をすると破綻してしまいます。口径わずか4cmなので、限界に近い分解能が出ているのかと思います。ざっくり計算で口径4cmだと分解能は4秒、カメラの1ピクセル2umでが焦点距離400mmだと分解能が1秒くらいなので、口径からくる光学限界が見えている可能性が高いです。

問題はTSA-120で、なぜここまで出ないのかよくわかっていません。


なぜ実際の分解能が予測と違うのか?

いずれにせよFC-76のカメラ違いの順序も含めて、予想と全然違います。これにはさすがに???となってしまいました。何か順序とかに間違えがないか見直しても、特におかしなところはありません。単純なミスではなさそうなので、いくつか可能性を考えてみます。
  • まずパッと思いついたのは、撮影した時間が違うことです。でも、普通は朝早い方が条件がいいので、TSA120の結果が悪くなることはないはずです。
  • 撮影に長い時間をかけると模様が変わってくるのでぼやけたような結果になります。確かに1のTSA-120での撮影に一番時間をかけていますが、2と3のFC-76の撮影では3の方がはるかに短い時間で撮影していても、2の方が分解能が出ているので、うまく説明できません。
  • たまたま2の撮影の時だけシーイングが良かった可能性もあります。でも、いいシーイングがある程度続くのはせいぜい10分くらいで、特にいいシーイングは1時間のうちほんの30秒くらいです。機材1パターンの撮影が30分程度にわたって続いているので、こちらもある程度平均化されているかと思います。でも、シーイングの可能性は捨てきれないことも確かです。
  • 分光器の調整や、ピントがあっていなかった可能性もあります。できる限り同じような精度で調整していますが、今回は分光器の付け替えや、カメラの付け替えで、調整の精度がばらついている可能性は否定できません。でも今回は1=2>3の順で精度がいいのかと思っています。1は前回も合わせていていつもの手順通り。2は太陽像が小さくなるので、同じ手順で調整できます。3はカメラのセンサー面積が小さくなり、スリットの端が見えないので、太陽像と背景のエッジ、フラウンホーファー線のピント、粒状斑ので具合の3つを見ながら、コリメートレンズ、カメラレンズ、鏡筒の焦点の3つの自由度を合わせ込む必要があります。これら3つの自由度は独立ではないため、合わせ込みが難しく、3番目の調整が一番大変でした。もしかしたら3番目に一番時間をかけて調整したので、ここだけ逆に精度が出ている可能性もなくはないですが、いずれにせよ1番と2番に差はあまりないはずで、この調整が原因で1番と2番の順序の逆転を説明できるとは思えないです。

色々考えていて、ふと思いついたことがあります。撮影時の赤道儀のスキャンのスピードの違いです。
  • 1番と2番はASI294MMPでフレームレートが70fps程度低いので、スキャン時の赤径の移動スピードを4倍にまで落としています。その一方、3番はG3M678Mのフレームレートが300fps程度とかなり速いので、赤径の移動スピードを16倍にしてあります。
  • 1番と2番のスキャンスピードは同じですが、TSA-120とFC-76で焦点距離が違うので、太陽像自身が小さくなります。太陽の径は同じなのでスキャンしている角度は同じですが、焦点距離が短い分仕上がり画像で言う縦幅が小さくなるので、縦横比が大きくなります。要するにより仕上がり画像の横方向を相対的により(ゆっくり)細かくスキャンしていることになります。その分情報量が多くなるので分解能も増すという考えです。
  • 3番は縦横比を保つくらいの速度でスキャンしているので、分解能はそこまで上がらないはずです。
  • でも相対的には縦に比べて横方向は情報量は増えたかもしれませんが、TSA-120の画像に比べたら縦横比が増したというよりは、縦の情報量が減っただけと考えることもできるので、あまり説明できない気もします。

まとめ

TSA-120での分光撮影から久しぶりにFC-76での分光撮影にもどって思ったのは、TSA-120での撮影はかなり無理をしているなということです。スリット長を長くしましたが、焦点距離900mmはスリット長ギリギリまで太陽像が大きくなります。極軸が合っていないと撮影していてもすぐに位置がズレてしまい、スリットからはみ出してしまいます。カメラも大きなセンサーサイズを必要としますし、その分フレームレートも落ちます。単発の撮影ならまだしも、スタックすることを考えて連続撮影しようとしても、撮影時間が長くなってしまい、かつ成功率も低いので、さらに撮影時間が長くなってしまいます。毎回記録撮影をするとしたら、ここまで苦労するのは大変ではないかと思っています。しかも苦労の割に今回口径の大きいはずのTSA-120の方が分解能が悪いという結果になってしまいました。周辺減光も深刻そうだと改めて今回思いました。

分解能が出ない理由がまだはっきりしなくて、結局結論は出ないので、天気が良くなったら今一度撮影してみようと思います。簡単なのは、FC76+G3M678Mで赤道儀のスピードをx4、x8、x16、x32倍速でそれぞれ撮影し比較してみることです。x4があからさまに分解能がよくなったなら、今回のことは説明ができる可能性が出てきます。

その一方、TSA-120はASI294MMPの4倍速の一択なので、こちらも何かおかしなところがないか、またFC-76の撮影の前後で撮影するとか、FC-76の4回の撮影と交互に撮影するとかで、状況変化の影響をなくせればと思います。

とにかく、TSA-120の方がいいのか、FC-76の方がいいのか、今後の撮影の大変さに大きくかかわるので、はっきりさせたいです。もっと正直に言うと、今回のFC-76くらいの結果がコンスタントに出るならもう十分で、機材が楽なこともあり、今後もこの設定で記録していく方が楽な気がしています。

今回はTSA-120の優位性を示したかったのですが、予想外の結果となってしまいました。でもこれはこれで面白いので、かたをつけたいと思います。

今回はTSA-120の優位性を示したかったのですが、予想外の結果となってしまいました。でもこれはこれで面白いので、かたをつけたいと思います。


日記

実は次の日曜にC8で粒状斑の撮影を試みたのですが、強風で画面が揺れまくり、合計400GBくらい撮影した画像は全て無駄となりました。休暇のうちはもう富山は晴れそうにないので、実家の名古屋に年末年始で帰る時に機材一式を持っていって、今一度チャレンジしようと思っています。太平洋側が羨ましいです。

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ちなみに土曜の夜も撮影しています。新機材のテストです。こちらもまたまとまったら記事にします。



年末年始休暇に入りました。晴れの日は少なそうですが、できる限りのことをしたいと思います。


4種の撮影

初日の27日(土)は天気が悪いため、のんびりしながら次の日からの晴れに備えて、色々準備です。2日目の28日(日)は朝9時頃まではまだ曇ってましたが、10時にはかなり晴れ渡ったので、早速太陽撮影です。

この日だけでも結構いろんなことを試しました。具体的には
  • TSA120+ASI294MMPro
  • FC76+ASI294MMPro
  • FC76+G3M678M
の3パターンと
  • Phoenix+G3M678M
の計4種で撮影しました。とりあえず大変そうな比較は後にして、簡単なその日の太陽記録だけまとめて記事にしてしまいます。


太陽記録画像

今回掲載するのは、上記4種のうち、なぜか一番よく撮れたFC76+ASI294MMProで撮影したものです。口径の大きいTSA-120ではなく、これまでのFC-76で、しかもカメラは解像度の悪いはずのASI294MMProです。なぜこうなったかはまだ謎なところもありますが、詳しくは次回記事で書くとして、とにかく今回はFC76+ASI294MMProの結果です。

いつも通りモノクロ画像から順に、ドップラーシフト画像まで載せておきます。これらの画像は、13時3分から13時27分までに分光撮影した10本の動画をJSol'Exで処理し画像化しています。 画像処理はAS!4で10枚をスタック、 ImPPGで解像度と炙り出しをしました。解像度が思ったより出たので、一部切り出して掲載しています。

モノクロ画像と反転画像、カラー画像とカラーの反転画像はスタックしたものを示し、その他は10枚撮った内の一番よさそうな4枚目をJSol’Exで直接出力した画像をそのまま載せます。


スタック画像

まずはモノクロです。今回口径76mmながらこれまでにないくらいの解像度が出ました。理由はまだ確定していないので、もう少し考えてから記事にするつもりです。76mmの分光で全景を入れてここまで出るなら、もう十分な気がしてきました。
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  • 撮影日: 2025年12月28日13時3分-13時27分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi FC-76(f600mm、F7.9) 
  • 分光器: SHG700
  • 赤道儀: Celestrn CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (bin1、常温)
  • 撮影: SharpCap Gain 100 (=0dB)、露光時間1mS、ROI: 6000x180、平均70.7fps
  • 画像処理: JSol'Ex、ImPPG、PixInsight
続いて反転画像です。上のスタック画像からPixInsightのSolarToolsを使って反転させました。
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カラー化画像とその反転です。10枚スタックのモノクロ画像からPixInsightのSolarToolsを使って疑似カラー化しています。
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切り出し画像

解像度が高かったので、一部を切り出してみました。このように楽しむこともできるかと思います。

黒点部分の拡大です。
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プロミネンスも拡大してみます。
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東端の活動領域です。
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ダークフィラメントも大きく広がっています。
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活動領域を広域で。
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東の活動領域を縦構図で広域で。
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どうでしょうか?切り出しでもそこそこ見栄えがするかと思います。


1ショット画像

連続光です。1枚画像なので粗く見えます。まだコンスタントに黒点は出ているようです。東端から出てくる黒点もまだ期待ができそうです。
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活動領域と黒点のAR番号です。まだにぎやかですね。
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緯度経度情報です。地球からの見かけの軸の傾きを示すP角はだいぶ小さくなっています。
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高さ情報です。
height

ドップラーシフト画像です。
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まとめ画像

最後に、JSol’Ex上でパネル画像を作ってみたので載せておきます。パネルの数や解像度、好きな画像を選択することができ、まとめたものを一発で作ってくれるので楽です。
collage_2_0000_collage_collage_s

とりあえず記録記事だけ書きましたが、まだネタがたくさんあるので、休暇のうちにのんびり記事にします。どうせ天気は良くないので...。





太陽分光撮影のアップグレード計画の開始です。

アップグレートはトータルで考える

以前議論したように、現在のFC-76+SHG700+G3M678Mがどこまで性能が上がるのか、実際に機材をアップグレードして試してみることにします。

きっかけは、元々SHG700に標準で付いていた幅7μm、長さ7mmのスリットが、幅は同じで長さが10mmのものにアップグレードされることが検討され、そのテストも完了し、やっと一般配布が始まったことです。私も発表されてすぐに発注しました。到着はかなり前だったのですが、今のセットアップでやりたいことも大体できたので、やっとテスト開始というわけです。

そもそも、スリットの長さが長くなると何が良いのかというと、一言で言うと鏡筒の焦点距離が伸ばせると言うことです。分光撮影ではスリット上で焦点を合わせる必要があることから、焦点距離によって太陽像の大きさが一意に決まってしまいます。ざっくり言うと、長さ7mmのスリットで焦点距離700mmまで、長さ10mmのスリットで長さ1000mmまでです。今使っているFC-76の焦点距離は600mmなので、7mmスリットでまだ少し余裕があります。今回は10mmスリット用に、焦点距離900mmのTSA-120を使うことを考えています。

でも単純に焦点距離を伸ばせば良いのかというとそうでもなくて、例えばカメラセンサー上の太陽像の大きさも大きくなるので、センサー面積を大きくするか、カメラレンズの焦点距離を短くするなどの手当てをしてやる必要があります。また、焦点距離が長くなると口径も大きくなりがちで、その分集光された光のエネルギーが上がるので、スリットが焼けたり壊れたりしないかなども考慮する必要があります。SHG700で使われているスリットは溶融石英製で熱膨張率が小さいため、MLastroによると口径4インチ(102mm)までは大丈夫とのことです。普通のBK7などのスリットだと耐熱量はもっと下がるので、普通はNDフィルターなどを入れる必要があります。だた、溶融石英と言えど今回は口径120mmと推奨口径より大きくになるので、少し心配です。


参照画像撮影と事前テスト

まず比較のために現在のFC-76ベースでのHα画像を撮影しておきます。その結果は前回の記事にまとめてあります。そうです、前回記事はいつもの記録撮影に加えて、新システム移行に際しての比較テストという意味も兼ねていたのです。これと今回撮影する画像との比較で、性能が上がったかどうか判別します。

比較のための事前撮影が終わった後に、まず最初にやったのは、口径を大きくしてスリットが溶けたり燃えたりしないかの安全テストです。口径が120/76=1.58倍となるので、光量は(120/76)^2~2.5倍となります。上でも書いたように少し心配なので、C8にPSTを取り付けた際に使ったようなUV/IRカットフィルターを入れてやります

太陽のエネルギースペクトルを考えると、可視光の割合は全エネルギーの約半分(47~52%)とのことです。今の76mmで十分余裕があること、120mmそのにするとその2.5倍になるくらいなので、可視光以外をカットしてしまえばスリットにダメージが出るようなことはなさそうです。

それでも念のために、まずはSHG700には何も手を加えず、鏡筒をTSA-120に変更します。
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最悪スリットにダメージがあったとしても、長さの短いものが壊れるだけで、新しい10mmのものはまだ壊したくないという意図があります。光を入れる際も、少し光りを入れてから一旦鏡筒からSHG700を外して、スリット部やその周りが熱くなっていないかなどを確認しながら、徐々に入れる光の量を増やしていきます。フルで光が入っても問題なさそうなことを確認できた後も、光を入れる時間を徐々に増やして、その都度外して暑くなっていないか確かめます。数分間入れても全く熱くならないことができたので、撮影に入ります。カメラはまずはこれまでと同じG3M678Mです。当然ですがもう全景は入らないので、左右2つに分けて撮影します。JSol’Exでの太陽像再構築は、全景が入っていなくても可能なはずです。1ショットだけ撮影したところで太陽像を再構築してみましたが、問題なさそうなので、左側5ショット、右側5ショットを撮影しました。

実際のスリット交換と、失敗したカメラ交換

次に、スリットを新しい10mmの長いものに変更します。二つスリットを並べましたが、溝をカメラで写すのはちょっと大変で、部屋の明かりを利用して何とか片方づつ写るようにしてみました。右が古い7mmスリットで、左が新しい10mmスリットになります。
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古いスリットは、SHG700に取り付ける台座とスリット部の台座が分かれていたのですが、新しいスリットは一体型になっていました。
コスト的には新しい方が正しいのかと思います。もしかしたら、スリットの角度を変更したくなったときに少し困るかもしれません。

新しいスリットをSHG700に取り付け、さらにカメラのセンサー面積を大きくするために今回はフォーサーズのASI294MM Proを使ってみました。ですが、ここから大きくトラブることになります。まず、アイピース型のカメラではなくなるので、カメラを取り付け口の中に入れ込むことができなくなり、ピントが出なくなります。そのためアメリカンサイズに変更するアダプターを取り外しT2ネジでとりつけることになりますが、ねじ込み式になるのでカメラの回転角の調整ができなくなります。最初どうするか迷ったのですが、MLastroのチュートリアルビデオを見直すと、SHG700本体側にイモネジがあって、そこを緩めることで取り付けアダプターを回転できるとわかりました。

決定的な問題点は、ASI294MM Proは任意のROI(Region Of Intrest、ソフト的な画角)を選べないのです。ZWOのマニュアルによると選べるROIはどうも固定っぽいです。しかも、フレームレートが最小のROIの320x240でも高々60-80fps程度で、実際にほしい300fps程度には全く届きません。最大幅にしてテイフレームレートになっても、赤道儀をものすごくゆっくり動かして撮影することはできるかもしれませんが、さすがにあまり実用的ではありません。

この時点でASI294MMを使うのを諦めました。別のモノクロでセンサー面積の広い、且つピクセルサイズが小さいカメラを手に入れる必要があります。とりあえずTSA-120での全景撮影はしばらくお預けです。

追記: 後日、ASI294MM ProでROIを変える方法が見つかりました。これで全景を一度に撮影できるようになりました。ただし、フレームレートが遅いので、撮影に時間がかかるのが難点です。



とりあえずの画像比較

TSA-120での全景撮影はあきらめましたが、撮影時に左右(再構築時には上下)に分かれた画像はできたので、それをFC-76の画像と比較してみます。前回記事で示した画像は処理済みで比較しにくいので、JSol’Exで出力したRAWに近い「disk」イメージで、スタックなどもしないで比較します。

まずはFC-76のもの。
09_03_03-trimmed_0000_09_03_03-trimmed_disk_0_00

次に2つに分かれたTSA-120のものです。
0000_14_07_56_disk_0_00

0008_14_14_13_disk_0_00

同じ日の撮影ですが、2時間ほど間が空いているので、Hαの構造は結構変わってしまっていますが、差がわかりやすいところを拡大して並べて見ます。左がFC-76、右がTSA-120です。
comp

よく見比べないとわかりにくいかもしれませが、それでも明らかに右のTSA-120のほうが細部まで出ています。十分に価値のあるアップグレードになりそうなので、新しいカメラを手に入れることにしました。

カメラセンサーはIMX-183が良さそうです。ZWOでも出てますし、ToupTekでもあります。ToupTek提供でMLastroブランドでも出るみたいです。選択肢はありそうなので、値段と在庫を見て決めればいいのかと思います。ただし、ピクセルサイズがG3M678Mの2.0μmより大きく、2.3μmとなるので、上の比較画像ほどは差が出ないと思いますが、それでも価値は十分にありそうです。将来的なさらなるアップグレードも視野に入れて、機材を徐々に充実させていきたいと思います。

まとめ

残念ながら手持ちのカメラではROIとフレームレートが不十分でしたが、分解能向上のポテンシャルは十分確認することができました。スリットはそのままで、鏡筒は一旦FC-76に戻してしばらくは撮影を続け、新しいカメラが来たらTSA-120に再び交換して試してみたいと思います。



11月17日からの週末の5連続の記事です。







週末天文活動の2つ目の記事です。太陽分光撮影の記録です。

11月15日は朝から快晴で、絶好の太陽日和でした。定例のFC-76でHαの分光撮影をしました。いつも通りモノクロ画像から順に、ドップラーシフト画像まで載せておきます。

表面の模様が変わらないうちに短時間で撮影した、午前9時1分から9時9分までの11本の動画をJSol'Exで処理し画像化しています。 画像処理はAS!4で11枚をスタック、 ImPPGで解像度と炙り出しをしました。今回はモノクロ画像と反転画像、カラー画像とカラーの反転画像はスタックしたものを示し、その他は11枚撮った内の一番よさそうな3枚目をJSol’Exで直接出力した画像をそのまま載せます。

まずはモノクロです。SHG700での分光撮影では波長分解能が0.091Åと優れているので、ダークフィラメントがコントラスト良く見え、背景の白いモヤモヤもうまく出てきます。太陽活動はだいぶおとなしくなってきましたが、ダークフィラメントをみている限りまだまだ元気そうです。ImPPGの段階でプロミネンスも目立たせてみました。
IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram

続いて反転画像です。上のスタック画像から反転させました。反転画像の利点は、反転する前に明るかったところの構造が見やすくなることでしょうか。
IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram_inv

カラー化画像とその反転です。10枚スタックのモノクロ画像からPhotoshopで疑似カラー化しています。
IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram_inv_color_inv_small

IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram_inv_color_inv_small


連続光です。1枚画像なので粗く見えます。右上の黒点が目立ちます。まもなく消えてしまうので、また寂しくなります。
09_03_03-trimmed_0000_09_03_03-trimmed_autostretch_15_00

活動領域と黒点のAR番号です。細かい黒点はまだいくつもあることがわかります。
09_03_03-trimmed_0000_09_03_03-trimmed_activeregions_15_00

緯度経度情報です。地球からの見かけの軸の傾きを示すP角は21.33度とまだ大きいです。
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ドップラーシフト画像です。
09_03_03-trimmed_0000_09_03_03-trimmed_doppler

この日は太陽分光用の鏡筒としてTSA-120をテストしたりしましたが、それだけで一つのネタになりそうなので、また次の記事で書きます。



11月17日からの週末の5連続の記事です。









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