ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:CGEMII

年末年始休暇に入りました。晴れの日は少なそうですが、できる限りのことをしたいと思います。


4種の撮影

初日の27日(土)は天気が悪いため、のんびりしながら次の日からの晴れに備えて、色々準備です。2日目の28日(日)は朝9時頃まではまだ曇ってましたが、10時にはかなり晴れ渡ったので、早速太陽撮影です。

この日だけでも結構いろんなことを試しました。具体的には
  • TSA120+ASI294MMPro
  • FC76+ASI294MMPro
  • FC76+G3M678M
の3パターンと
  • Phoenix+G3M678M
の計4種で撮影しました。とりあえず大変そうな比較は後にして、簡単なその日の太陽記録だけまとめて記事にしてしまいます。


太陽記録画像

今回掲載するのは、上記4種のうち、なぜか一番よく撮れたFC76+ASI294MMProで撮影したものです。口径の大きいTSA-120ではなく、これまでのFC-76で、しかもカメラは解像度の悪いはずのASI294MMProです。なぜこうなったかはまだ謎なところもありますが、詳しくは次回記事で書くとして、とにかく今回はFC76+ASI294MMProの結果です。

いつも通りモノクロ画像から順に、ドップラーシフト画像まで載せておきます。これらの画像は、13時3分から13時27分までに分光撮影した10本の動画をJSol'Exで処理し画像化しています。 画像処理はAS!4で10枚をスタック、 ImPPGで解像度と炙り出しをしました。解像度が思ったより出たので、一部切り出して掲載しています。

モノクロ画像と反転画像、カラー画像とカラーの反転画像はスタックしたものを示し、その他は10枚撮った内の一番よさそうな4枚目をJSol’Exで直接出力した画像をそのまま載せます。


スタック画像

まずはモノクロです。今回口径76mmながらこれまでにないくらいの解像度が出ました。理由はまだ確定していないので、もう少し考えてから記事にするつもりです。76mmの分光で全景を入れてここまで出るなら、もう十分な気がしてきました。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono
  • 撮影日: 2025年12月28日13時3分-13時27分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi FC-76(f600mm、F7.9) 
  • 分光器: SHG700
  • 赤道儀: Celestrn CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (bin1、常温)
  • 撮影: SharpCap Gain 100 (=0dB)、露光時間1mS、ROI: 6000x180、平均70.7fps
  • 画像処理: JSol'Ex、ImPPG、PixInsight
続いて反転画像です。上のスタック画像からPixInsightのSolarToolsを使って反転させました。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_inv

カラー化画像とその反転です。10枚スタックのモノクロ画像からPixInsightのSolarToolsを使って疑似カラー化しています。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_color

IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_color_inv


切り出し画像

解像度が高かったので、一部を切り出してみました。このように楽しむこともできるかと思います。

黒点部分の拡大です。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_01

プロミネンスも拡大してみます。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_02

東端の活動領域です。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_03

ダークフィラメントも大きく広がっています。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_04

活動領域を広域で。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_05

東の活動領域を縦構図で広域で。
IP_aligned_lapl2_ap8066_IP_PS_PI_mono_06

どうでしょうか?切り出しでもそこそこ見栄えがするかと思います。


1ショット画像

連続光です。1枚画像なので粗く見えます。まだコンスタントに黒点は出ているようです。東端から出てくる黒点もまだ期待ができそうです。
13_09_25-trimmed_0000_13_09_25-trimmed_autostretch_15_00

活動領域と黒点のAR番号です。まだにぎやかですね。
13_09_25-trimmed_0000_13_09_25-trimmed_activeregions_15_00

緯度経度情報です。地球からの見かけの軸の傾きを示すP角はだいぶ小さくなっています。
13_09_25-trimmed_0000_13_09_25-trimmed_card_0_00

高さ情報です。
height

ドップラーシフト画像です。
13_09_25-trimmed_0000_13_09_25-trimmed_doppler


まとめ画像

最後に、JSol’Ex上でパネル画像を作ってみたので載せておきます。パネルの数や解像度、好きな画像を選択することができ、まとめたものを一発で作ってくれるので楽です。
collage_2_0000_collage_collage_s

とりあえず記録記事だけ書きましたが、まだネタがたくさんあるので、休暇のうちにのんびり記事にします。どうせ天気は良くないので...。





以前、10月に夜の撮影のリハビリでサドル付近と魔女の横顔星雲を撮影しました。


露光時間不足だったので、サドル付近は撮り増ししたのですが、魔女の横顔星雲もその後、何度かに分けて撮り増しました。でも失敗も多くて時間がかかってしまったが、なんとか画像も溜まったので、再処理してみました。


不調で何度か撮影する羽目に

計3回取りまししたのですが、撮影時の失敗が多かったです。

10月29日はRとB画像は撮影できましたが、寝てしまった後も撮影を続けていて、その後ピントが全然合わなかったようで、GとA画像を丸々3時間20分ぶん捨てることになりました。不思議なのは、EAFの記録を見てもきちんと測定できていたことです。下の画像がその記録なのですが、中心が5924と出ているのに、なぜかセットされたのは6423(下の画像の左上の数値)となっていることです。

キャプチャ

ズレが 6423 - 5924 = 499 と、500に近いので、何か一回分大きく動かすボタンが押されてしまったような感じです。でももう寝てしまっていたので自分でミスるはずもなく、多分NINAの何かの不具合かと思っています。

その後11月22日に、前回撮り逃したGとAを撮り直しますが、その際も寝てしまった後に撮影したL画像のピントがずれてしまっていて、3時間ぶん丸々捨てることになりました。どうやら、オートフォーカスのところでオフセットを使用するように設定してしまったのが悪さをしているようです。そこをオフにしてからは、今のところ変なピントミスは出ていないですが、もう少し様子を見る必要があるでしょう。

さらに翌日の11月23日に、前日撮り逃したLを撮影しましたが、結構流れてしまう画像が多かったです。気づいてキャリブレーションをやり直したりしたのですが、その後雲が出てきてしまい、あまり枚数を稼ぐことができませんでした。しかも、後でわかるのですが、赤道儀の反転後はこれまで合っていたフラットが合わないということが判明しました。なので結局前半しか使えずに、トータルではこの日全部で6時間20分撮ったうちの、わずか50分ぶんしか使うことができませんでした。それでもRGBとLRGBでは微恒星や、星雲の細かい構造に差は出たので、Lを使うことにしました。


画像処理

画像処理の話に移ります。RGBは5分露光が前回処理した時の分も含めて、それぞれ12枚、13枚、13枚となりました。まだ枚数は多くないですが、撮り増しする前の4枚、3枚、4枚というとんでもない短さよりは遥かにマシです。Lも上に書いたように結局10枚と多くはないですが、それでも使わないよりは使った方が明らかに効果があったので、LRGB合成で進めることにしました。

LRGB合成は結構曲者で、なかなか色が出ないと困っている方も多いようですが、Lで分解能を出そうとすると合成直後は下の画像のように一見モノクロかと思うくらいになってしまいます。

Image51s

これでも色の情報としては残っているので、例えばCTのSaturationで彩度をかなりキツく出してやると色が出てきます。
Image51_CTs

ここらへんのことは以前M106を処理する時に検証したので、私も今回もそのページを参照しながら進めました。


逆に、LRGB合成直後に色が残るくらいにしてしまうと、Lが全然生きていなくて分解能が実質出ていないということもM104を処理した時に実感しています。


まとめると、RGBとLを使ってLRGB合成をするときは、Lの比率を十分に高くして、Lが生きて分解能が良くなるような状況で画像処理を進めること。その際、一見色が全く出ていないように見えますが、情報としては残っているので、その後彩度を十分に上げてやることが重要というわけです。

ただし、RGBのそれぞれの色のフラット化がうまくいっていない場合などは彩度を出していくと画面内で色のばらつきが出て、メチャクチャな色に見えてしまうことがあります。その場合ですが、今はMGCがあるので、それを使うのが効果的なのかと思います。

上の画像をさらに強度にストレッチしてみると、今回は一見下のような画像が出ました。赤と緑が馬渡に混ざったような模様が見えています。
Image51_CT_more_s

最初フラット化が全然うまくいっていないのかと思っていたのですが、例えば背景に赤い模様が出ているのは、下の画像のようにHαで撮影した時の構造と一致していることがわかったので、こちらは単に勘違いでした。
drizzle_integration_A_ABE1_crop_s

LRGB段階での背景の村のように見える模様は、その後、上の画像のように別途Hαで撮影した画像を合成していくので、まともに見えるようになってきます。


またしても迷光が

さらにLRGB画像の処理を進めていき、恒星を分離して背景だけを見てみると、なくなっていたはずのε130D特有のリング状の模様のズレが出てしまっていることがわかりました。

Image42_HT_NXT_more_s

「あれ?これ前回の時にフード無しで撮影して全然出なくなったのではなかったのか?」と思い返して、いろいろ調べてみました。

どうやら今回もRGB画像では全くズレは出ていなくて、L画像のみに出ていることがわかりました。もっと調べてみようとして、L画像の一番最初と一番最後のもので比較してみたら、最初はリングは出ていないのに、最後はリングがはっきりと出ていることがわかりました。何が違うんだろうと思ってよく見てみたら、赤道儀の反転で画像が反転していたのです。反転前の画像には一切リングは出ていないのに、反転後には全てにリングが出ています。どうも撮影時の光の入り具合でフラット画像が合うか合わないかが決まるようです。

今回は結局ずれのでていない前半の10枚だけをL画像として、反転後のL画像は捨ててしまいました。一つ試したいのは、フラット画像を撮影する時に、鏡筒を上下逆にして撮影したものを反転後の補正に使えばいいのかもしれません。フラット撮影は昼間の部屋で白い壁を写しているのですが、壁の明るさも一様ではなくて、どうしても窓に近い方が明るくなってしまいます。その輝度変化に対して、鏡筒の迷光の強弱が反転してしまい、過補正および補正不足になるところがリング状にでてしまっているように見えます。鏡筒反転フラット撮影でそれが消えるのではという期待です。いつか時間がある時に試してみようと思います。


LRGB画像にHαを合成

その後、Hα画像をPhotoshopのスクリーンで加えて仕上げます。MGCではHαの補正はあまりきちんとできないようなので、Hαの輝度バランスがどこまで正しいのかはちょっと微妙です。それでも、淡いところまでHαの構造が存在するので、できるだけ表現してみました。魔女の横顔星雲本体からHαが透けて見える様子もわかるかと思います。

「IC 2118: 魔女の横顔星雲」
Image51_CT_BXT_SPCC_MGC_AS_GHS_GHS_HT_SCNRg_SCNRr_NXT4_cut_ss
  • 撮影日: 2025年10月18日1時5分-2時8分、10月30日0時7分-1時46分、11月22日21時51分-23日1時55分、11月23日23時15分-24日3時41分、
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: ZWO製 R、G、B、L、Barrder製 Hα
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、R: 12枚、G: 13枚、B: 13枚、L: 10枚、A: 36枚の計85枚で総露光時間7時間0分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 R: 0.03秒、G: 0.03秒、B: 0.03秒、L: 0.01秒、A: 0.5秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

今回Hα画像をかなり強調して構造を出してみましたが、これはあくまでHα線でみた時に見える構造というだけで、暗い空でブロードで見る場合とは、構造も色もまた違ったものが出てくるのかと思います。


恒例のAnnotateです。たくさんの小さな銀河があることがわかります。
Image51_CT_BXT_SPCC_MGC_AS_GHS_GHS_HT_SCNRg_SCNRr_NXT4_cut_ss_an

特に中心部は形がわかる銀河がいくつもあって、面白いです。
Image51_galaxy


まとめ

無事に撮りましも終えて、やっと魔女の横顔星雲も霧がついた気がします。10月の撮影のRGB撮影でも赤い構造が少し見えていたので、ここをHαで見てみたらどれくらい模様があるのだろうというのが今回の鳥マシの動機でした。でも何度が撮影ミスがあったので、やはりまだ夜の撮影は完全復帰とは言い難い気がしています。

夜の撮影に関しては、新しい機材を試してみたいと思っています。私としてはちょっと珍しい機材です。まあ結果が出るまで時間がかかりそうなので、うまくいったらまた報告します。


3連休の週末記事 (その2) です。前回記事で、真ん中の日曜のことを書いてしまいしたが、今回は初日の土曜のことに戻ります。


3連休初日の朝

土曜は朝から晴れていたので、早速太陽です。先週日曜は久しぶりにC8+PSTでリハビリでしたが、最低限画像が撮れたくらいというレベルなので、今週はもう少し進めました。

撮影は昼からなのでシーイングはもうそこまで良くはないですが、黒点周りを2箇所、プロミネンスを1箇所、それぞれ30秒間隔で1時間弱くらい約120ショット撮影し、その中で一番シーイングのいいものを1枚選んで処理しました。同じ午後撮影でもシーイングのいい時は短時間ですが必ず訪れるので、前回のへっぽこ画像よりははるかにましになります。


撮影結果

左の東の方です。黒点が2つ出ています。この時間帯はあまりシーイングはよくなかったです。
12_24_19_lapl2_ap2544_IP_cut

東端にでてきた新しい黒点です。ちょっとマシなシーイングの時がありました。
13_12_00_lapl3_ap1920_out_cut

東に大きなプロミネンスがいくつかあり、そのうちの一つです。カメラの向きを90度変えて、横手方向にプロミネンスが広がるように撮影しています。この時はもう少しマシなシーイングでした。
13_56_29_l3_ap1607_IP_color_inv_cut

処理はAutoStakkertで、120ショットの動画を全部まとめてバッチ処理してスタックし、120枚の画像にします。できた画像に、ImPPGのバッチ処理をかけて細部出しなどをします。その中でベストのものを選びます。ベスト画像を改めて一からImPPGで細部出して、あとはPixInsightのSolarToolsで処理し、
最後Photoshopで仕上げました。


TSA-120でHα

追加でTSA-120にPSTを取り付けて撮影してみました。もう夕方近くで隣の家の屋根に沈みそうだったので、とりあえずパッと撮っただけです。フラット化もできなかったので、画面内で輝度差がありますが、さすがに分解能は特筆すべきものがあるでしょう。時間があるときにもう少しTSA-120で太陽で遊んでみるのもいいのかもしれません。
15_19_22_lapl2_ap2227_IP

この撮影をした時間帯はまだ15時半前です。もうずいぶん日が短くなって、太陽高度も下がっているのを実感します。


まとめ

C8とPSTのリハビリはまあこれくらいでいいでしょう。TSA-120が意外に楽しそうです。高級機を太陽に使うのはちょっと心配だったのですが、今のところトラブルは無さそうです。今後どんどん活用していきたいと思います。(というので、前回の粒状斑の記事になったというわけです。)



週末天文活動の2つ目の記事です。太陽分光撮影の記録です。

11月15日は朝から快晴で、絶好の太陽日和でした。定例のFC-76でHαの分光撮影をしました。いつも通りモノクロ画像から順に、ドップラーシフト画像まで載せておきます。

表面の模様が変わらないうちに短時間で撮影した、午前9時1分から9時9分までの11本の動画をJSol'Exで処理し画像化しています。 画像処理はAS!4で11枚をスタック、 ImPPGで解像度と炙り出しをしました。今回はモノクロ画像と反転画像、カラー画像とカラーの反転画像はスタックしたものを示し、その他は11枚撮った内の一番よさそうな3枚目をJSol’Exで直接出力した画像をそのまま載せます。

まずはモノクロです。SHG700での分光撮影では波長分解能が0.091Åと優れているので、ダークフィラメントがコントラスト良く見え、背景の白いモヤモヤもうまく出てきます。太陽活動はだいぶおとなしくなってきましたが、ダークフィラメントをみている限りまだまだ元気そうです。ImPPGの段階でプロミネンスも目立たせてみました。
IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram

続いて反転画像です。上のスタック画像から反転させました。反転画像の利点は、反転する前に明るかったところの構造が見やすくなることでしょうか。
IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram_inv

カラー化画像とその反転です。10枚スタックのモノクロ画像からPhotoshopで疑似カラー化しています。
IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram_inv_color_inv_small

IP_aligned_lapl2_ap5370_IP_histgram_inv_color_inv_small


連続光です。1枚画像なので粗く見えます。右上の黒点が目立ちます。まもなく消えてしまうので、また寂しくなります。
09_03_03-trimmed_0000_09_03_03-trimmed_autostretch_15_00

活動領域と黒点のAR番号です。細かい黒点はまだいくつもあることがわかります。
09_03_03-trimmed_0000_09_03_03-trimmed_activeregions_15_00

緯度経度情報です。地球からの見かけの軸の傾きを示すP角は21.33度とまだ大きいです。
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ドップラーシフト画像です。
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この日は太陽分光用の鏡筒としてTSA-120をテストしたりしましたが、それだけで一つのネタになりそうなので、また次の記事で書きます。



11月17日からの週末の5連続の記事です。









3連休ですが、富山は3日とも天気は駄目の予報。初日の今日、朝起きても雨が降っていて太陽は駄目そうでした。でも昼近くになってきて徐々に青空の範囲が広がってきました。北と東の方はかなり曇っているのに、南側から天頂向けてかなり晴れてきています。ガストでモーニングを食べてのんびりしていたのですが、天気を見て急遽帰宅して、機材の準備を始めました。


2時間くらいの昼間の晴れ

IMG_2147

前回の撮影が10月12日だったので、3週間ぶりくらいになり、結構久しぶりです。Hαでまずは調子を見ます。コリメーターレンズもカメラレンズも少しずれていたので調整します。鏡筒の焦点はかなりズレていました。SharpCapのバージョンを上げたら、起動時に立ち上がるはずの連続撮影のためのSHGスクリプトが認識されなくなってしまいました。SHGスクリプトの新バージョンも出ていたのでそれも試したのですがダメ、SharpCapのバージョンを戻してもダメで、結局SharpCapもSHGスクリプトも旧バージョンに戻してやっと認識されました。時間が惜しいのでとりあえず撮影を開始しました。スクリプトが認識されない問題は後から検証します。

赤道儀の極軸があまり合っていなかったようで、繰り返し撮影の間に結構な速さで太陽位置が左にずれていきます。確かに赤道儀が少し西向きになっている様子なので、赤道儀の水平回転ねじで合計3回転ほど回して東方向に回転し、その後は10ショット撮るくらいではズレがわからなくなるくらいになりました。

Hαを18ショット撮って安定に撮影できることを確認してから、次の波長に移ったのですが、その後すぐに曇ってきてしまい、機材を片付けた直後に雨が降り出しました。正午を中心に2時間くらい晴れていましたが、撮影にかけることができた時間は1時間弱位だったでしょうか。


Hα画像

今日の撮影結果はHαだけです。いつも通りモノクロ画像から順に、ドップラーシフト画像まで載せておきます。

撮影時間に間が空いてしまうと表面の模様が変わってしまい平均化されて分解能が出にくくなるののは分かっているのですが、今回は短時間のうちに枚数を撮ったので、スタックした方が解像度が出ました。撮影した18枚のうち、雲が流れていないなど使い物になる9枚をスタックしてみました。

今回、画像処理は
  1. JSol'ex1の1枚撮りのオートストレッチ
  2. AS!4でスタック、Registax6で解像度出し
  3. AS!4でスタック、 ImPPGで解像度と炙り出し
  4. AS!4でスタック、 ImPPGで解像度出し、PixInsightのSolarToolsで炙り出し、
の4つを比較してみました。1枚撮りよりは、スタックした方がいずれも分解能が出ます。2のRegistaxは分解能は出るのですが、ダークフィラメントの階調が消えてしまうようなので諦めました。3と4はどちらも良かったですが、カラー化することも考えるとSolarToolsのカラー化機能が使える4の方が良さそうです。その後、4をPixInsightのMultiscale Linear Transformでノイズを少し落として、今回のモノクロ画像の仕上げとしました。結局カラー画像は使わなかったので、3を使っても良かったのかもしれません。

1枚目のモノクロのみスタックしたものを示します。

IP_aligned_lapl2_ap5296_IP_PI_MLT_LHE2_cut

2枚目以降はスタックなしの1枚画像です。
12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_negative_0_00

12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_autostretch_15_00

12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_card_0_00

12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_mix_0_00

12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_doppler

今回ちょっとだけ面白かったのは、P角が25度近くとかなり大きく、軸が相当傾いていたことです。一般的な太陽観測サイトは、例えばよく参照する「宇宙天気ニュース」でもP角補正をしていないので、黒点の位置がかなりズレて見てしまい、最初間違えて上下フリップをしてしまったのではないかと勘違いしたくらいでした。黒点位置があっているかどうかはJSol’Exの「active regeon」画像を見るとわかります。普段出さない画像ですが、向きなど間違えて撮影していないかの確認に使っています。

12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_activeregions_15_00

他にも普段出していない画像があって、プロミネンス画像と、そのドップラーシフトというのがあります。いい機会なので、今回載せておきます。
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12_25_29-trimmed_0000_12_25_29-trimmed_doppler-eclipse

毎回示すカラー画像は、JSol'Exでモノクロ画像を単にカラー化した「colorized」というものではなく、実は「mix」という出力ファイルで、カラー化された太陽表面に、上のあぶりだされたプロミネンスも合成して疑似カラー化したものを載せるようにしています。なので、ブログに載せてあるカラー画像だけはプロミネンスがよく見えています。他の画像はプロミネンスがほとんど見えていません。ただし、今回のようにモノクロをスタックした場合は、その過程でプロミネンスもあぶりだしているので、その場合はプロミネンスもよく見えるようになっています。

うーん、記録の記事だとあまり書くことがないですね。もう少し天気がいい時間が確保できれば、また劇的に進む予定です。それまではおとなしくいい天気になるのをゆっくり待つことにします。


ここしばらくずっと太陽に夢中だったのですが、さすがに太陽も少し飽きてきたので、約半年ぶりに夜の撮影を再開しました。


夜の撮影再開

2025年10月17日の金曜日、新月期で8時間も暗い時間があり、晴れていて、空を見たら透明度がかなり良かったので、さすがに何もしないのは気が引けてきました。太陽もやりたいことはかなりできてきています。もう少し試したいことも残っているのですが、太陽の撮影は休日に晴れてくれないとできません。平日に早く起きればいいのですが、仕事に影響がありそうで躊躇しています。

今年は秋でもあまり晴れの印象がありません。平日なら多少晴れるのと、夜の撮影は、開始さえすればあとは寝てしまえばいいので、平日でも可能です。というわけで、やっと夜の撮影の再開です。


機材と撮影準備

手持ちの撮影用機材は大きい順からSCA260、ε130D、RedCat51とあるのですが、再開に際しどれを使うか迷いました。結局、撮影を中断してから何もいじっていないε130Dにしました。SCA260はアップグレードでカメラを外してから、一旦取り付けはしたのですがまだきちんと動くか不明です。RedCat51はSWAgTiとの組み合わせなので楽なのですが、一時期カメラを外した際に埃が入ってしまったままです。ε130Dは確か今年初めの頃にカメラを90度回転させましたが、それ以外は問題ないはずです。あと、ε130Dを載せるCGEM IIは、太陽でもずっと使っていたというのもあります。

星を始めてから、これだけの期間夜の撮影しなかったことはなかったと思うので、ある意味いろんなことが新鮮です。撮影用のPCはこれまで使っていたStickPCなのですが、ソフトはいくつかアップデートしました。ただ、このPCは結構古くて非力で、NINAの3.0以降では重くて画像の転送速度が出ないことがわかっているので、新しいminiPCも用意することにしました。今回の撮影では設定不足で入れ替えとはいきませんでしたが、次回くらいには新PCで撮影くらいはできそうなところまでセットアップは進みました。

ガイド鏡は太陽撮影でも使ってしまっていて、蓋の穴をくり抜いてフィルムのNDフィルターをつけたりしていたので、カバーを外す時は注意が必要なのです。カバーをなくすのが嫌なのでテープで鏡筒に貼り付けておいたら、途中からの強風で飛んでいってしまい、翌朝10mくらい離れた溝の中に落ちているのを発見しました。

一つ忘れてしまったことがありました。撮影時にε130Dにフードをつけることが頭から完全に飛んでしまっていたのです。でもこのことは、後で示すように意外ないい結果につながりました。

撮影開始時に、NINAでEAFのオートフォーカスを走らせたのですが、曲線の形があまりにおかしいので調べてみたら、鏡筒接眼部の焦点調整のネジがしまっていて接眼部が前後にほとんど動かない状態になってました。なぜこうなっているのか全く記憶がないのですが、久しぶりだとこんな些細なことがトラブルになります。

それ以外は問題なく、むしろ思ったより順調に撮影を再開できた感じです。何も変えていなかった鏡筒を選んだのは正解で、かつそれでも多少のトラブルはあるものです。再開時はできるだけ冒険をしなというのが鉄則なのかと思います。また慣れてきたら、他の二つの鏡筒を試せばいいでしょう。

前半のターゲットは夏の天体の残りのサドル付近で、三日月星雲を入れてです。HαとOIIと構成と背景の色だしにRGBを狙いましたが、0時頃には西の空の低いところに沈んでしまい、結局時間切れでAOの撮影ができたのみでした。その後、冬の天体に移り、ターゲットを魔女の横顔星雲としました。RGBを撮影後Lも撮影できたらと思いましたが、途中から月が出てくるのでLは諦めて、その分RGBの枚数を稼ぐことにしました。

次の日は土曜で休みなので、ずっと起きていても良かったのですが、結局午前2時頃には寝てしまいました。撮影途中も気づいていたのですが、どうもこの日は快晴には程遠くて、ガイド用カメラには雲が流れる様子が見え、結構頻繁にガイド星を見失っていました。


画像処理

翌朝、撮影結果を見ましたが、雲の影響が大きくかなりの枚数を捨てなければダメそうです。結局使えたのが、サドル付近ではHαが5分x5枚、OIIが5分x3枚で、トータルわずか40分、魔女の横顔もRが5分4枚、Gが3枚、Bが4枚と、こちらもわずかトータル55分でした。これだけ短いともうテスト撮影レベルです。結果を期待せずに、様子見で画像処理を進めました。

まずRAW画像をそのまま見て思ったのが、特に魔女の横顔のほうですが、かなり淡いのでパッと炙り出してみるとε130D特有の迷光が大きく出てしまっているのがわかりました。下はRの1枚撮り画像にSTFの強度オートストレッチをかけたものです。

Image17_ABE

これはさすがに厳しいかと思いました。最初に処理した時はフラットが全然合わなかった(カメラの回転角が変わった)ので、今ブログを書いている日曜の昼間にフラットを全て取り直しました。いつものように、部屋の中の白い壁を撮影します。

ゲインのみ撮影時の100に合わせて、明るさは露光時間を変えて調整します。温度は下手に冷却すると結露とかして痛い目にあったことがあるので、常温のままです。フラットダークもフラット撮影時と温度を合わせるために必ず一緒に撮影するようにしています。撮影する時はLRGBAOSの全部を撮影するようにして、一度撮影したものを今後使い回します。カメラを外したり、動かしたりしない限り、フラット画像は使い回すことができると思っていいでしょう。

新たに撮影したフラット画像を使って処理したところ、なぜか迷光が全くわからなくなるレベルでうまく補正ができました。下はRをWPPで5枚スタックしてSTFの強度オートストレッチをかけたものです。WBPPでのフラット化で迷光は見事に消えています。

integration_ABE

この迷光には過去に散々悩まされていて、これまではここまでうまく補正できたことはありません。心当たりが一つあるとしたら、今回はフードをつけなかったことでしょうか。撮影場所はこれまでと一緒の自宅の庭。しかも位置までほとんど変わらないので、自宅や街灯の状況も同じだと思っていいでしょう。フィルターやカメラなども変えていないので、こちらも影響がないでしょう。まだ確定ではないですが、フードがフラット化にはむしろ悪影響を起こしていた可能性は否定できません。確定にはもう少し時間をかけたいと思います。

フラット化がここまでうまくいくと、その後の画像処理はかなり楽です。その一方、トータル露光時間がどちらのターゲットも1時間以下と短いので限界もあり、ノイズ処理などが重要になります。


魔女の横顔星雲

処理した順に結果を示します。まずは魔女の横顔星雲です。RGB画像で合成が楽なので、先に処理しました。RGBだとMGCがまともに使えるために、色合わせやフラット化が楽になります。露光時間が短いので多少ノイジーなのは仕方ありません。NXTなどを使いノイズ処理を丁寧にかけると、思ったより淡いところまで炙り出すことができました。

Image17_SPCC_MGC_HS_NXT_back_HT_SCNR2_cut_rotate
  • 撮影日: 2025年10月18日1時5分-2時8分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: ZWO製 R、G、B
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、R: 4枚、G: 3枚、B: 4枚の計11枚で総露光時間55分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 R: 0.03秒、G: 0.03秒、B: 0.03秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

この露光時間で、しかも自宅での撮影でこの結果なら、もうあまり不満はありません。よく見ると、左右に横切る赤い構造が見えるので、Hαを別撮りして追加してもいいかもしれません。

追記: 後日、撮り増しと、Hαを新たに撮影しました。




過去画像との比較

以前魔女の横顔を撮影したのは2019年で、もう5年も前のことになります。その際の画像が以下です。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_mask_all2a_cut

その後、2020年に上の画像をDeNoiseで再処理したものが以下です。
integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_DN-denoise_cut

機材はFS-60CBとEOS6Dで、露光時間は1時間27分でした。もっと長く撮影したのかと思ってましたが、高々1時間半なので、5年の間に長時間撮影が普通になってしまったということでしょうか。その一方、今回の45分はもっと短いにも関わらず、より淡いところも細かい構造も圧倒的によく出ています。口径が大きくなったこと、カメラが高感度になったこと、画像処理ソフトが進化したことなどが原因かと思われます。

当時の記事を読み返していると、DeNoiseのインパクトが相当大きかったことがわかります。今はその役割をBXTとNXTが担っていると言っていいでしょうか。特にNXTは今年の2月のアップデートでカラーノイズに対応したので、かなり使える範囲が増え、DeNoiseやPhotoshopのカラーノイズ軽減に頼らなくても良くなったと言えます。


サドルから三日月星雲

サドル付近はHαが支配的なため、AOO撮影が簡単で面白いのですが、ナローバンド撮影ではMGCなどをきちんと使うことができないため、ちょっと面倒です。Hα画像のS/Nは1枚でもかなりよく、全体に迫力が出ます。下は1枚撮りにPIのABEの4次をかけて、STFで強度にオートストレッチした画像ですが、画面全体に複雑な構造が広がっています。

Image01_ABE

AOO合成そもそも2色しかないものを無理やり3色にするので、のっぺり画面になりがちなのです。下は3枚のOIII画像をスタックしたものですが、同じくPIのABEの4次をかけて、STFで強度にオートストレッチしたものです。今回はOIIIにも多少構造は含まれているようなので、多少は色の階調が出そうです。

integration_ABE

AOO合成をして処理したものが以下になります。
Image10_SPCC_MGC_NXT_BXT_GHSx3_HT_NXT_back_LHT_SCNR2
  • 撮影日: 2025年10月17日21時43分-23時51分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: Baader製 Hα 6.5nm、OIII 6.5nm
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、Hα: 5枚、OIII: 3枚の計8枚で総露光時間40分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 Hα: 0.5秒、OIII: 0.5秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC
Gに割当てたOIIと、Bに割当てたOIIで少し処理に差をつけることで、構造がよりはっきりとして多少面白い画像になります。本来はRGBで撮影した画像を使って色付けをしたいところですが、今回は曇りで露光時間がとれなかったので、できることといってもこれくらいになってしまいます。

この領域は三日月星雲を個別に個別に撮ったりはしていますが、広角で電視観望で見たりはしていますが、広角で撮影までするのは初めてです。

広角で撮ったのは、三日月星雲の少し下にバブル状の惑星星雲があるという話で、それを見たかったのですが、流石にこの露光時間では厳しかったようです。上の画像からその部分を切り出して、少しノイズを落とし、彩度をあげた画像を示します。

Image10_SPCC_MGC_NXT_BXT_GHSx3_HT_NXT_back_LHT_SCNR2_buble_cut

右下の半円の盛り上がっているところのてっぺんに少しだけその片鱗が見えます。もっと露光時間をかけて出すことができればと思います。それよりも、これだけ拡大してもあまり大きく破綻せずに、そこそこ見えてしまう方が驚きです。枚数を稼いでいないのでdrizzleとかもできていません。2倍のdrizzleをかけるとさらに解像度も増すのかと思います。ε130Dおそるべしです。

(追記): 後日、撮り増ししました。drizzleもやってみたのですが、分解能がすごいことになりました。




Annotation

恒例のAnnotationです。まずは魔女の横顔から。この領域もすごい数の銀河があります。

Image01_Annotated

続いてサドル付近です。こちらもSh2天体とかが含まれていて、かなり豪華な領域です。
Image01_Annotated


まとめ

やっと夜の撮影に復帰しました。仕事は忙しいし、たまの休みも雨が続いて太陽撮影は全然進まないしで、少しヤキモキしていましたが、久しぶりにストレス解消になりました。半年ぶりの撮影も画像処理も、太陽とはまた違って、懐かしかったです。

雲があったので、実際に使えた枚数は少なかったのですが、露光時間の割には十分細部まで出るのはかなり楽しいです。ε130Dの明るさと、ASI6200MMのbin2での明るい撮影が効いているのだと思います。自宅のような光害地でも十分なS/Nを稼げます。

平日でもいいので晴れが続いてくれるなら、もう少し同じ領域で撮り増しするかもしれません。









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