ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:C8

前回までの記事で、C8のコリメートレンズとして別の負レンズを使うことで、20cmの口径を活かし、フェニックスである程度の分解能が得られることがわかりました。



ただし、撮影は順調とは言い難く、結構苦労しての結果の画像です。この時の撮影に加えて、今回さらに2回の撮影をして、ある程度の結論を得ました。今回は、そんなお話です。


じゃじゃ馬鏡筒

太陽撮影にC8を使うことで、いくつかの課題があります。まず、前回挙げた
  • 時間とともにピントがずれていく
というのが最大の問題で、ズレの時間スケールから考えて、温度変化っぽいです。これがある限り、つきっきりでピントを合わせ続ける必要があり、離れての撮影ができません。

更に今回の撮影で気づいたことがあって、
  • エタロンの最適位置が時間とともにずれていく
というのが新たにわかりました。おそらくこちらも温度変化起因です。


エタロンの温度変化によるずれ

まず最初の撮影です。7月23日(木)の平日の朝5時半起きで、6時くらいから撮影を開始しました。最初の撮影は流石に高度が低すぎたのか、結果はボロボロで見せるまでもないのですが、一つ気づいたことがあります。ピントが時間とともにずれていくのは変わらないのですが、それに加えてエタロンのHα線の透過中心周波数が時間とともにずれていって、気づくと画面が明るくなっているのです。

これまで気づかなかったのに、今回どうやってこのことに気付いたかです。太陽の入射エネルギーを制限するために、現在はC8の接眼部、エタロンの手前に、UV/IRカットフィルターと、その後に赤色のR2フィルターを使用しているのですが、R2フィルターが結構な熱を持ってしまっています。以前R2フィルターを熱で破損したという黒歴史があるので、今回このR2フィルターを外してみました。すると、より多くの太陽光が透過し、エタロンが温められ、中心波長変化が顕著になり、あからさまに時間とともに画面が明るくなっていきました。確認のため再びR2フィルターを入れると、変化はゆっくりにはなりましたが、やはり変化が存在することがわかり、これまでも長時間撮影では影響があったのかと思われます。波長のズレは、エタロン部が熱せられ、エタロンの2枚の鏡の間の距離が変化して起こるものかと思われます。

これを防ぐために、R2フィルターの代わりに、昔星まつりでジャンクで格安で購入した36mm径のHαフィルターを、UV/IRカットフィルターの手前に取り付けてみました。このHαフィルターに太陽光を直接当てて反射光を見て確認したのですが、Hα以外はほぼ反射するような仕様になっているようで、フェニックスのエタロン内部に入る光を大幅に軽減できます。これを取り付けて再び試すと、エタロンの透過中心周波数の変化は見ている限りなくなりました。これで再び撮影を始めます。

この時に得られた画像が以下になります。まずはG3M678Mで1分ごとに30分撮影しました。次に2倍バロー + Apollo-M MINIで30秒ごとに1時間撮影しました。その中で、一番いい画像をえらびました。

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  • 撮影日時: 2026年7月23日9時15分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8 (f2000mm、F10) + ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ToupTek G3M678M
  • 撮影: SharpCap Gain 800 (= 8倍)、露光時間4ms、200/200 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop

面白いのは、これまでG3M678MとApollo-M MINIでピクセルサイズあたりの視野角を合わせるようにして同じ対象を撮影した場合に、毎回Apollo-M MINIのほうが分解能が出ていました。理由の一つが、グローバルシャッターかと思っていましたが、決定的な証拠はありませんでした。

今回、初めてG3M678Mの方が圧倒的に分解能が出ました。しかも相当いい分解能で、自己ベストだと思います。だからと言って、グローバルシャッターもローリングシャッターも差がないという結論が出るわけではないです。全く同じ状況が実現できてそれぞれ撮影したら、やはりグローバルシャッターのほうがいいという可能性はまだ残ります。

でもここで重要なのは、ローリングシャッターだとしても、もう口径20cmを活かすくらいの像は十分撮影できるという事実です。しかも、G3M678Mはセンサー面積が広い割に、ピクセルサイズは市販モノクロカメラではおそらく最小クラスです。さらにもっと重要なことに、なぜか鏡筒のF値を大きくしてもニュートンリングが出にくい、というか出ないことがあります。理由はよくわかりませんが、カメラをチルトしなくていいのはものすごく楽で助かります。

このように、グローバルシャッターでないということよりも、他のメリットが大きいので、今後しばらくはG3M678Mを使っていくことになると思います。画面周辺にHα中心波長が出ない部分が写ってしまいますが、それはクロップすればよく、クロップしたとしてもピクセルサイズが小さいのでまだ十分な解像度が残ります。


2回目撮影

更に、次の日の金曜日は休暇をとっていました。この日も5時半に起きて撮影です。午前中に病院に行く必要があり、7時までが撮影時間になります。

前日の撮影で、Hαフィルターをエタロン前に取り付け、エタロンの透過中心周波数のズレを解決しました。これは、フェニックス内部に入っていく太陽エネルギーをかなりカットしていることになるので、もうフェニックス内の温度変化はほぼないはずです。なので、ピントのズレがなくなるかどうかを確認するのが目的でした。

今回はG3M678Mで30秒ごとに30分間撮影します。1ショット撮影するのに13秒ほどかかるので、1ショット終了してからのインターバルを17秒と設定して、大体30秒ごとに撮影しています。

結論としては、結局ピントズレはまだ存在していて、シーイングがいいとピントの山がはっきり見えて、つきっきりで数枚ごとにピントを合わせる羽目になりました。

よく考えると、前日撮影した像でも、一番最初の像、もしくは10分おきくらいにピントを合わせ直した後の像が一番分解能が出て、それ以降は時間とともに悪くなっていました。

この日は随時ピントを追っていたので、30分の中でいいシーイングの時間帯を選ぶことがやっとできていて、その時間は撮影開始時ではなく、きちんと撮影の途中に訪れていました。

ベスト画像は以下になります。

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  • 撮影日時: 2026年7月24日6時58分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8 (f2000mm、F10) + ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: ToupTek G3M678M
  • 撮影: SharpCap Gain 800 (= 8倍)、露光時間4ms、200/200 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop

作品としても兼ねているので、波長のズレがある部分をクロップしています。これだけを見るなら、かなり満足のいく画像で、20cmの大口径の効果が十分生かされているのかと思います。撮影時のピントの変化はありますが、それさえ頑張って追うことができれば、言い換えると、30分とか1時間の撮影の間中、つきっきりで数枚ごとにピントを合わせ続ければ、かなりの高解像度で太陽Hα像が撮影可能だということがわかりました。

当然、自己ベストです。


まとめ

ここまでの結果から、どうやらピントの時間変化は、C8側で発生していると考えるのが妥当という結論になってきました。これはなかなか大変です。C8の鏡筒内部は密閉されているので、あまり手を出せなくて、今のままでは改善の目処が立たないからです。

もしこれ以上次の手を考えるとしたら、C8を大幅改造して、筒の部分を無くし、何本かのフレームで主鏡とシュミット補正板、副鏡を固定する、オープン鏡筒の形をとることになりそうです。C8ではなく、手持ちの口径20cmのニュートンをオープン鏡筒にするのもいいかもしれません。実際、世界で市販されている20〜30cm級の大口径太陽撮影用望遠鏡ではオープン鏡筒を採用し、顕著な成果を出しています。

とりあえず、安定性はともかくとして、20cmでのある程度の分解能は得られたので、C8での太陽撮影は一旦ここまでとして、次の課題に移りたいと思います。次に何をやるかはまだ秘密です。アイデア段階なので、ちょっとやってうまくいきそうなら公開することにします。


前回記事の投稿から、結構間が経ってしまいました。天気が悪くてほとんど何も進まなくてネタ切れでした。

前回は福島星まつりでメニスカスの負レンズをお土産にもらい、それをC8+Phoenixに使ってみたという話を書きました。



今回はその続きで、エタロン前に置いたコリメートレンズをもう少しテストしてみたという内容です。


平日のテスト

梅雨時で休日は全然晴れなかったので、たまたま晴れと予報が出た平日の7月10日、朝5時頃から起きて撮影してしまおうと頑張りました。

セッティングは前回記事の最終時と同じで、C8+Phoenixにお土産でもらった焦点距離-400mm程度のコリメートレンズを挟んでいます。前回はまだテスト撮影でワンショット撮っただけなので、シーイングの影響を避けるために長時間撮影し、いいシーイングと思われる状況下で分解能がどこまで出るか見るのが目的です。

いつものように、各ショット200フレームで、30秒ごとに1ショット、大体1時間分の撮影です。細部がどこまで出るか見たかったので、接眼部にVixenの安価な2倍バローをつけて、Apollo-M MINIで撮影しました。Hαの中心波長が出る範囲も限られているので、こうすることによって中心部近くを撮影でき、いい部分だけを分解能よく撮影できるようになります。

この日はパッとみる限りシーイングは悪くなかったように思えます。

結果だけを見ます。1時間程度が2セットで、その中でそれぞれ一番いいものをそれぞれ選びました。

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110枚のうちのベスト。

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156枚のうちのベストです。

分解能が出ているかどうかは、処理中の特にImPPGで指定するUnsharp maskingのσの値でだいたいわかってしまいます。この値が小さくても模様が出てくる時は上手く撮れていますが、大きな数字にしないと出てこない場合は、分解能が悪い時です。今回は全然ダメでかなり大きな値なので、構造を出している線が太くなってしまいます。

実際に処理を進めても、上の画像を見ている限り、20cmの解像度はおろか、TSA-120の解像度にも遠く及んでいません。

原因はシーイングが悪いか、レンズが合わないかです。でもこれらをハッキリ切り分けることは簡単ではないです。シーイングがいい時に分解能が出たならレンズが悪いのですが、シーイングは30秒ごとの撮影でもコロコロ変わる可能性があるので、ほぼ同時に別のシステムで撮影するなどしなくてはいけません。

できるだけ問題を切り分けるために、撮影した多数枚の画像を見渡して検討してみます。110枚+156枚の画像を見てみると、ほとんどのものがあまり写りは良くなくて、上はかろうじてましなものを選んでいる程度です。PCの画面を見ていて、大きく揺れているようなシーイングではなかったですが、細かいところが出ていない印象で、ほぼ全部の枚数がそのような状況でした。

どうもシーイングというよりはレンズが悪いような印象です。判別するのに毎回こんなふうに多数の枚数を撮っていると大変なので、今後は少し方針を変えます。でもその後も全然晴れないので、モヤモヤしっぱなしです。


別のレンズを試してみる

7月の連休の最終日の20日、久しぶりに休日が快晴になったので、やっと続きを試すことができました。ここ1−2週間で一気に暑くなりました。昼間は暑くて体力がもたなさそうなので、朝6時起きで準備をして、涼しいうちに撮影します。

今回は、手持ちのいくつかの負レンズを交換して、まずはこのシステムでピントが出るものを洗い出します。前回のものを入れて手持ちは5枚あります。

5枚のうちピントが出るものが3枚ありました。ピントが出ないものは、焦点距離が-400mmよりもっと負側に長いみたいです。前回レンズはC8の主鏡移動で一番端までフォーカスつまみを回してやっとピントが出たくらいなので、C8だと合わないものがあってもおかしくありません。

ピントが合った3枚から、さらにピントの山が出やすいものを選ぶことにします。おそらくですが、山が出やすいものは収差も小さいとの推測からです。3枚のうち、2枚は福島のお土産で、もう1枚はアクロマートレンズを分解したものです。焦点距離は、見た目ではどれもそこまで変わらず、おそらく-400mm程度かと思われます。

結果だけ言うと、アクロマートレンズを分解したものは収差がひどくて使えそうにありません。残り2枚のレンズに比べて、ぱっと見で湾曲が小さいです。今回試した3枚については、湾曲の大きな負レンズほどピントの山が明瞭で、実際の像も良好でした。一般にレンズ形状と収差の関係は光束や配置にも依存するので単純には言えませんが、少なくとも今回のC8+Phoenixの配置ではこの傾向が見られました。

先日福島の星まつりでお土産にもらった負レンズ2枚の像はパッと見は共に悪くなく、さらに慎重に比べると前回試した1枚とは別の、残りのもう1枚の方が良さそうです。レンズの形状としても、いいと思われる方が湾曲が大きいです。今回はこちらを試すことにします。


いいと思われるレンズで撮影1

新レンズでは、まずはカメラをG3M678Mにしました。広めかつ2μmの細かいピクセルサイズで分解能良く撮る目的です。今回は1分ごとに1ショット、30分間撮影しました。これまでの30秒でなく、1分ごとにしたのは、暑さでPCがヘタってしまって反応が遅くなり、1ショット撮影するのに17秒もかかってしまうためです。また、1時間にしなかったのは、すでに暑くなり始めていたからです。

結果を示します。
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これは上の7月10日に撮ったものと比べるとかなりマシです。レンズを代えた甲斐があった可能性が高いです。ただ、20cmの口径が活かされているかというと、まだイマイチな気がします。TSA-120のベストと比べても、まだ届いていないです。

今回の撮影で分かったことは、今のC8+Phoenixのセットアップには問題があるようで、写した画像をまとめて見てみると、時間とともに像がボケていくことがわかりました。上の一番まともだったショットはこのセットの中で一番最初に撮ったもので、その後はどんどんダメになっていきました。

たまたまシーイングが悪くなっている時間帯に撮影したのか、それとも何か他に悪くなる原因があるのか?一つヒントは、撮影が終わってから見てみると、ピントが全然ズレてたということです。最初に合わせ損なうようなレベルではないくらいの大きなズレです。どうも、何か時間的に変化する何かのようです。


いいと思われるレンズで撮影2

次に、2倍バローを付けて、カメラをApollo-M MINIに取り換えて、30秒ごとにもう45分ほど撮影しました。45分で途絶えたのは、9時を過ぎて気温を見たら既に33度を超えていたからです。自分自身も暑くて、PCも熱くて限界でした。

今回の2セット目と、上の1セット目との違いをまとめておきます。
  • ピクセルサイズは2セット目のApollo-M MINIが4.5μmと大きくなるが、2倍バローを付けているので、1セット目のG3M678Mと同等に近い分解能になる。
  • センサーサイズもG3M678Mが1/1.8インチでApollo-M MINIが2/3インチで、そこまで大きく変わらないため、バローが付いている分だけ実際に見える面積は1/4程度になる。
  • G3M678Mが一般的なローリングシャッターで、Apollo-M MINIが揺れに強いグローバルシャッター。

結果を示します。
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これはかなりいいです。20cmの口径が効き始めていると言っていいでしょう。

1セット目とは拡大率とカメラが違うのですが、1ピクセルあたりの視野角は1セット目とあまり変わらないので、ピクセルサイズだけ考えると、分解能が大きく改善する理由はありません。比較のために、同じ画角で1セット目と2セット目を並べてみます。

スクリーンショット 2026-07-23 192231_cut
左: 1セット目、右: 2セット目

明らかに2セット目のApollo-M MINIの方がいいのが、よくわかります。

可能性としては、2セット目がたまたまシーイングが良かったこと、もしくはグローバルシャッターのおかげでしょうか?これまでもグローバルシャッターのほうがいい結果が出ていますが、たまたまの可能性も捨てきれず、いまだに結論は出ていません。ただ、時間帯としては後に撮ったので、シーイングは悪くなるはずです。それでもいい像が出ているというのは、やはりグローバルシャッターのおかげの可能性もあるかもしれませんが、まだ結論は保留しておきます。

ただし、(大気揺らぎという意味での) シーイングというか、鏡筒も含めた揺らぎという意味でのシンチレーション的には問題もあって、今回も1セット目と同じく45枚の画像のほとんどが悪くて、良かったのは最初の数枚だけでした。傾向も1セット目と同じく、時間と共にどんどん悪くなっています。撮影終了後の鏡筒を改めて調整してみると、明らかにピントがずれているのも同じでした。

どうやら今のセットアップでは、撮影中に何か徐々に悪くなる原因があるのは確実のようです。まあこれくらいの10分とかの時間スケールで変化する時は、大抵温度に関係する何かが原因の可能性が高いです。今後この問題を探っていくことになりそうです。

あと、まだレンズの収差が残っている可能性は否定できません。収差がひどいレンズをテストした時に改めて実感したのですが、ピントを合わせ込もうとしても、像がズレたようになり綺麗な像が出るピークが全然わかりません。今一番いいと思っている最後に使ったレンズも、まだこの傾向が少しあるような気がします。焦点距離は-200mmと大きく状況は変わりますが、今一度PSTのレンズに戻してみて、ピントの山がどれくらいか改めて確認するのも手かと思います。もしくは、アイリスを使って今のレンズ径を絞るテストもいいかもしれません。


Gallery

今回はC8でそこそこうまく出たので、改めて反転やカラー化など画像処理をしたものも載せておきます。

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  • 撮影日時: 2026年7月20日9時11分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8 (f2000mm、F10) + ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: PlayerOne Apollo-M MINI + Vixen x2 barlow
  • 撮影: SharpCap Gain 300 (= 3倍)、露光時間5ms、200/200 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop


まとめ

少しずつC8でも像が出るようになってきました。でもまだ問題点は山積みで、今のままではじゃじゃ馬鏡筒のような感じです。もう少し安定に運用できるようにしたいですが、上手くいくのかどうか...。


前回のPhoenix+C8ファーストライトで、ピントは合うにはあったが、視野が狭いということを確認しました。ピントは合ったものの、まだはっきりとした画像とは程遠くて、これがシーイング起因なのか、それともTSA-120からC8に変えたことでなにか新たな問題が起こっているのかだけは、切り分けておきたいと思います。

C8でのシーイングテスト

前回と同じC8 + PST collimator lens + UV/IR cut filter + R2 filter + Apollo-M MINIをCGEM IIに載せて、いつものように30秒ごとに200フレーム撮影して、120ショットで1時間撮影してみました。試したのは2週間前の6月13日で、前々回記事の飛騨コスモス天文台での観望会の日の朝です。この日は午前5時頃には起きて、6時52分から連続撮影を始めています。

結果です。

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ニュートンリングがすごいことになってますが、まあそこそこ十分な解像度が出ているかと思います。なので、とりあえず前回ボケボケだったのは、やはり午後のワンショット撮影だったのが理由で、シーイングが悪かったと結論付けていいでしょう。ただし、この画像がC8の口径20cmを活かし切っているかどうかは別問題で、今後何例か撮影して検証していきます。

ニュートンリングについては、カメラ前に付けてあるチルターを、F値の低いTSA-120に合わせて角度を小さくしていたためで、角度を大きくして撮影すると
08_51_17_lapl3_ap3450_out_PI
のようになり、ニュートンリングを回避できます。その代わりに、視野が右方向にシフトしてしまいます。この視野シフトはニュートンリングの回避とトレードオフで、できるならカメラの撮影位置をシフトするようなアダプターを3Dプリンタで作るといいのかもしれません。

ちなみに、この画像は一つ前の画像とは別の小さな黒点ですが、シーイングがどんどん悪くなるような時間帯だったらしくて、朝イチの画像ほど解像度は出ていません。


コリメートレンズの交換

C8で写すと視野が狭いと言いましたが、この「狭い」には二つの意味があると思います。
  1. 画面の中でいい像が得られる範囲が狭い。
  2. 焦点距離が長くて拡大率が大き過ぎる。

1から考えます。上の2枚の画像で見てわかるように、きれいに出ている部分はかなり限られています。一番の問題は、前回解説したエタロンへの入射角による波長シフトです。範囲としては、センサーの長辺の半分くらいを直径とした円内くらいでしょうか。前回の議論の結論では、この円の大きさはフェニックスをそのまま使っている限り、大きく変更することは出来なさそうというのがわかっています。

2の意味での視野が狭いというのは、太陽の狭い部分をかなり拡大して見ているという意味です。C8の焦点距離2000mmに対して、対物レンズから1800mmの位置に-200mmのコリメートレンズを置くことで平行光を作っています。2000/200 = 10倍の拡大率が、フェニックスの対物レンズの400mmにかかって、合計の焦点距離は4000mmとかなり長くなります。もし大きな黒点が出ると、おそらく画面に入りきらなくなるはずです。


合成焦点距離を変えて見える範囲を増やす

1の方は、フェニックスを何かいじらない限り改善は難しいので、とりあえず置いておいて、今回は2の方の改善を考えます。とにかくもう少し広い範囲を見たいので、焦点距離を短くすることを考えます。

一番簡単なのはコリメートレンズの焦点距離を負側に大きくすることです。例えば、-400mmの焦点距離のレンズを1600mmの位置に置くことができれば平行光を作ることができ、焦点距離は2000/400 x 400 = 2000 [mm] となります。ただし、-400mmにするとコリメートレンズ位置での光束径は-200mmの場合の約2倍になり、C8のF10では40mm程度になります。そのため、フェニックスエタロンの直径の40mmを有効に使えるようになる一方、コリメートレンズでの収差は大きく出るなど、不利な点もあります。

簡単と言いましたが、実際には結構難しくて、少なくとも2点大変なことがあります。


負のメニスカスレンズが舞い降りた

まず一つめの難しさは、収差の少ない負の焦点距離の長いレンズを「手に入れる」ということです。

これまでPSTに付属のメニスカスレンズを使ってきましたが、これは少なくとも口径120mm程度の口径で収差が問題にならない程度のレンズだということがわかっています。負側に長い焦点距離で、収差の少ないレンズを手に入れる必要があります。ところが、焦点距離が負側に長いメニスカスレンズは単体ではほとんど売られていません。メニスカスレンズどころか、収差の大きい凹凹レンズさえ種類がものすごく少ないです。

一つの方法は、アクロマートレンズを分解して、その一つが負のメニスカスレンズなので、適した焦点距離のものを見つけることです。でも、個々のレンズの焦点距離は普通は示されていないので、個別に分解して確認する必要があります。私も一度は手持ちの使っていないアクロマート鏡筒を分解して試しましたが、TSA-120でピントを出せる範囲が狭かったせいもあるかもしれませんが、結局うまくいきませんでした。実際には、条件に合うものを見つけるのはなかなか大変なのかと思います。

そんな折、以前星まつりで知り合って、自宅までわざわざ遊びに来てくれた、お隣石川県のOさん一家の息子さんが、福島の星まつりのお土産で、なんとメニスカスレンズを買ってきてくれました。



私は腰痛で福島に行けなくてヤキモキしていたのですが、わざわざ星まつりの帰りの日曜に自宅にまで寄ってくれて、何枚かのレンズを頂きました。このブログをいつもよく読んでいてくれて、ちょうど私がコリメートレンズで悩んでいることも知ってくれていてのお土産です。最初に会ったときは小学5年生でしたが、今ではもう中3。でも中3できちんとコリメートレンズのことを理解しているのはすごいです。ちょうど福島で初公開だった、ヘリオスターの150mmの話も聞くことができました。晴れ間がほんの一瞬だったので、長くは見えなかったらしいのですが、やはり口径に応じた素晴らしい見え味だったようで、うらやましい限りです。

負レンズは焦点距離を見積もるのがなかなか難しいのですが、手持ちの焦点距離が-200mmと分かっているレンズと見え方を比較してみると、遠くに見える像が大体半分くらいの大きさになるので、おそらく-400mm程度なでのはと思います。これだと、太陽がより小さく見えるはずなので、写すことができる太陽像の範囲が倍程度になるはずです。


焦点位置の手前400mm

でもここで、もう一つの難しさが出てきます。エタロン用に平行光を作るためには、C8の焦点位置から400mmも手前にこのレンズを配置しなくてはならないことです。

普通の鏡筒なら、筒自体が邪魔をするために、こんな位置に置くことは出来ませんが、C8は主鏡を移動することで焦点を合わせる機構で、焦点位置をかなり大きな範囲で移動させることができます。具体的には、焦点距離が1800mm程度から2300mm程度まで変化するそうなので、焦点位置を500mm位の範囲で動かすことができるはずです。

実際にレンズをC8の手前に置いて試してみました。蛇足ですが、この時点で、赤道儀との固定をVixen規格のアリガタから、ロスマンディー規格のものに変更しました。さすがにこれだけ機材が大げさになってくると、より強固に固定した方が安全そうです。
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アリガタが赤いロスマンディー規格のものに変わって、より安定になりました。

試した限りピント位置はかなりギリギリで、コリメートレンズをC8にできる限り近づけることで、なんとか焦点が合う位置を見つけることができました。具体的にはコリメートレンズ位置を、何もついていないC8の接眼部から2cm程度離すだけで、もうフェニックスをどう置いてもピントが出なくなります。

その一方、フェニックスのフォーカサーのピント位置は遠くになると思ったのですが、意外にも逆の、かなり短い側でしか合わせることができませんでした。恐らくですが、コリメートレンズは平行光を生み出す本来の位置よりも遠くに置かれていて (C8の内部にレンズを入れない限りこれで限界) 、コリメートレンズ後の光は少し収束するような状態になっているものかと思われます。そこにフェニックスの400mmの対物レンズが置かれると、本来の400mmの位置よりも手前で焦点を結ぶというわけです。

それで撮影した画像が以下になります。
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これまで同様に30秒ごとの120ショットから選びましたが、午後でシーイングはかなり悪くなっていたためか、少なくとも口径20cmの分解能が出ているようには見えず、このメニスカスのコリメートレンズが収差的に問題がないかどうかは判断できません。「少なくとも上の画像くらいまでの分解能は出せる」ということが言えるだけだと思います。

よく見えている円内の周りの、波長のズレが激しいのがわかります。左右で比べると、左側の波長ズレが大きいように見えます。また、BFでの絞り効果も画面左下に見えています。それでも合成焦点距離が2000mm程度になっていて、目的だった太陽が小さく見えているので、午前に見た時よりも広い範囲を見ていることになります。


どちらのレンズがいい?

さて、最終的に得ることができる太陽像を考えた場合に、-200mmと-400mm程度のどちらの焦点距離が適しているでしょうか?
  • -200mmで見える範囲は少し狭すぎる気がします。大きな黒点が出ると、周りの模様がみ出してしまうでしょう。大きくない黒点周りを強拡大して見るのなら、これくらいでもなんとかなるかもしれません。
  • 見える範囲だけ考えると、やはり-400mmの方が普通に撮りやすいかと思います。
なかなか結論は出ませんが、コリメートレンズを交換することで見える範囲を調整できると考えると、それはそれで便利なのかもしれません。

次の問題は、うまく見えている範囲をどうやって切り出すかです。一つの方法は、センサー面積の小さいカメラを使うことです。例えばASI290MMです。写る範囲は狭くなりますが、ピクセルサイズは2.9μmなので、Apollo-M MINIの4.5μmよりも分解能は稼げるはずです。ただ、Apollo-M MINIの優位な点であると思われるグローバルシャッターを諦めることになります。

もしくは2倍程度のバローレンズを入れて像の範囲をApollo-M MINIのセンサーサイズに合わせる方法があります。ピクセルサイズが大きいことも解決できるし、グローバルシャッターを生かすことができます。

今のフェニックスをそのまま使う場合は、できることはこれくらいでしょうか。これ以上は、いよいよフェニックスを分解して使うことになります。といっても、エタロン部を鏡筒から外すとかのメーカー指定の分割に過ぎないレベルで、それだけでもできることが一気に増えます。分解というには大袈裟過ぎますね。


まとめ

PSTレンズで合成焦点距離4000mmは何とかなりそうですが、ちょっと拡大しすぎなので、2000mmで試してみました。一応ピントは出ますが、こちらはもう少し検証が必要そうです。でも、梅雨で天気が悪く、全然進みません。まあ、焦らずに進めたいと思います。


TSA-120を使ってのフェニックスの大口径化の最後の記事で少しだけ見せたのですが、次に更なる大口径、20cmのC8を使うことを考えています。


PhoenixとC8の接続

PhoenixとC8の接続は、TSA-120の時と同様に、アルミフレームを使っています。そもそも、C8で高さが変わることも見込んで、最初からアルミフレームを採用していたというわけです。

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このフレームを縦に2段にすることで、フェニックスの位置を高くすることができ、長穴の空いた板で接続することで高さを調整することができます。


コリメートレンズ

コリメートレンズはTSA-120の時と同様に、PSTの焦点距離-200mmのメニスカスレンズを使いました。TSA-120の時は、コリメートレンズ位置で光束径が27mmと、実測レンズ径の23mmを超えていましたが、C8は焦点距離2000mmのF10鏡筒なので、焦点から200mm対物側に置いてやれば、光束径は20mmになり、レンズ径内に収まるはずです。

C8は主鏡を移動することでピントを合わせる構造となっています。その調整範囲はかなり広く、焦点距離は1800mm程度から2300mm程度まで調整できるそうです。これはフェニックスを置く位置の範囲を、広く取れることを意味します。逆にいうと、この調整範囲の広さから最初は簡単にピントが出るでしょうが、最適化は自由度が大きく大変だということになりそうです。


減光

減光に関しては、PST+C8やTSA120+Phoenixでやった方法と同じで、エタロン前にUV/IRカットフィルターをつけています。

UV/IRカットフィルターは基本的に反射と透過が主で、熱はほとんど発生しません。熱は、反射でも透過でもないわずかのロスで発生するからです。

また、UV/IRカットと言いながらも、実際に太陽光をフィルター単独で反射光を見るとわかるのですが、意外に可視光も反射することがわかります。さらに、見る限り透過光より反射光の方が明るかったりします。そのため、不可視光も含めたパワー的には3分の1程度に抑えることができるはずです。

その後にさらに赤色のR2フィルターを入れています。以前C8の光をこのR2フィルターに直接入れたときは熱で割れてしまいましたが、UV/IRカットフィルターの後に入れた場合はほんのり温かくなるくらいで、全然余裕がありそうです。

エタロンも基本的には反射と透過なので、エタロン自体が熱を持つことはあまりなく、熱で壊れることはないということは、PSTで経験済みです。ただし、フェニックスのエタロンはPSTと違い中央遮蔽があり、そこでのロスが熱になる可能性があるので、十分注意しながらエタロンを壊さないように試す必要があります。今回UV/IRカットフィルターとエタロンの間にR2フィルターを入れたのは、中央遮蔽での熱膨張を心配してです。

副鏡のところではそこそこ集光しているので、鏡以外のところには全光量をあまり当てない方がいいでしょう。最初のアラインメントだけは、鏡筒の蓋を少しだけ開けて、大きくずれていないことを確認してから全部開けるようにしています。

また、焦点から大きく外れたところに平面の反射面を置くと、戻り光が変なところで集光する可能性があります。基本的には焦点から遠くない所に反射物を置きますが、やはり対物側を覗き込まないように気をつけるべきです。戻り光は集光さえしなければ、太陽光以下の光しか返ってこないので、基本的には問題ないはずです。

でも、そうは言っても太陽望遠鏡が危険なことには変わりないです。ここで書いていることが理解できない場合、もしくは危険を軽視して注意を払えないような場合は、太陽望遠鏡の改造などは絶対に試すべきではないです。もし試す場合も、口径が大きな鏡筒での太陽観察は、失明や火事など、本当に深刻な危険が伴うことを十分肝に銘じて、安全に十分な注意を払いながら、自己責任の範囲で進めるようにしてください。この記事を読んで何か事故が起きたとしても、私は何の責任も取ることができません。


太陽光を入れてみる

IMG_3175

C8とPhoenixの2台を繋いだ状態で、実際に太陽を導入してみます。やはり最初は怖いので、鏡筒前の蓋を少しずつずらしながら、熱くなるようなところがないか、手で触ったりして確かめながら進めます。接眼部では最初はカメラをつけずに、手をかざして明るい光が来ていないことを確認しながら、徐々に蓋をずらして開けていきます。

問題なさそうならカメラを取り付けて、早速SharpCapで見てみます。C8のピントノブを回していくと、やはり予想通り範囲内に簡単にピントが合うところがありました。

スクリーンショット 2026-05-25 165132


視野の問題

でも、ピントが合ったというだけで、これで成功かというと、見ている限り問題点が大ありです。
  1. まず、視野が狭いです。カメラはApollo-M MINIですが、像は円状の内部にのみ見え、周りは真っ暗に見えます。
  2. 合成焦点距離が、(2000mm / 200mm)*400mm =4,000 mm とかなり長いので、視野が狭くなってしまいます。

視野が狭いので、PST時代のASI290MMよりも多少センサー面積の大きいということで、Apollo-M MINIを使いました。でもこれだと丸く見える範囲しか使えず、特にピクセルサイズが大きく画素数が多くないので、全然有効活用できていません。

なぜ、視野が狭くなるのか?まず試しに、接眼部についているERFとBFを外してみました。エタロンのいわゆる櫛形の透過光を見ている状態になります。
スクリーンショット 2026-05-25 165455

連続光に近い状態になるのですが、少なくとも周りをカットするようなものはなくなってるようです。BFとERFが何か悪さをしているようなのですが、必ずしもBF、ERFが単体で問題ということは言い切れません。エタロン単体も問題ないと結論付けそうになりますが、これもやはり言いすぎです。エタロンとBFとERFがそろって、Hαのナローになって初めて出てくるような複合要因の問題はまだ残されているかもしれないということです。ここで言えることはせいぜい、「C8とPhoenixの組み合わせで、連続光で見ている限りは変な視野の制限はなさそう」ということくらいでしょうか。

ここでは視野を制限する理由として、2つの原因の可能性を考えてみます。
  1. エタロンに対する入射角がつくこと
  2. センサー前のBF径が小さく、絞りのような状態になっていること
とりあえず思いつくのはこれくらいなのですが、どちらも定性的に考えるだけでは意味がないので、もう少し定量的に実際に見えているものと比較してみることにします。

1と2をそれぞれ個別に議論してみます。


エタロンの入射角

まず、エタロンへの入射角で視野がどれくらい制限されるかの見積りです。コリメートレンズで平行光を作っているはずなので、平行光がエタロンへ入っていくはずで、なぜエタロンに対して入射角がつくか、不思議に思わないでしょうか?ここはきちんと理解しておく必要があるので、今回説明することにします。

最初に、コリメートレンズ中心の光は入射角0度でエタロンに入っていきます。でも、太陽は面積を持っているので、視野の中心位置からズレたところでは「局所的な光束はたとえ平行光」だとしても、「その光束全体が角度を持って」エタロンに入射している状態になります。

まだちょっとわかりにくいかもしれないので、次のように考えてみましょう。(C8とかの接続を考えずに)フェニックス単体でHαで、太陽を中心に導入して、カメラで見ることにします。この場合、鏡筒の対物レンズ前にエタロンがついていることになります。太陽から平行光が入ってきていて、対物レンズ全体でその光をとらえます。センサーの中心に集光する光は太陽中心を見ている光なので、平行光で入射角も0度でエタロンに入った光を見ることになります。その一方、センサーの中心からy[mm]離れた端の位置に集光する光は、面積のある太陽の中心からずれた端の方を見ることになります。その光は、局所的な光束で考えると平行光ですが、エタロンに対しては

y = f tanθ

で表されるような入射角θを持って、エタロンに入射していることになります。ここで、yはセンサー上での中心からの距離、fは対物レンズの焦点距離で、フェニックスの場合400mmになります。

ポイントは、太陽は面積を持ってるということです。それが面積を持っているセンサーの上で像を結んでいるので、(光束としては)平行光ですがエタロンの時点で入射角を持った光を見ているということになります。間違えやすいのは、対物レンズで集光する際の角度とは違うということです。対物レンズ上ではセンサー上よりもっと大きなビーム径になっているので、その集光する角度はもっと大きな角度になります。この角度と、エタロンへの入射角は別物です。

もっとわかりやすい話として、視野角を考えてみましょう。太陽の視野角は0.5度程度です。視野角0.5度の円状の面積が、センサー上に円状の像を結びます。この視野角と、エタロンへの入射角は同じものになります。なので、太陽の縁の所は、センサー上で中心から400[mm] x tan(0.5/2度) = 1.75[mm]の位置に像を結び、その際の光の「エタロンへの」入射角は0.25度ということになります。

センサー位置から逆にエタロンへの入射角を考えて見ます。例えば、Apollo-M MINIのセンサーサイズ横幅8.75mm、縦幅6.6mmの場合、横端では

8.75mm/2 = 400mm  x tanθ

でエタロンへの入射角θ = 0.627度の光が集光している

縦端では
6.6mm/2 = 400mm  x tanθ

でエタロンへの入射角θ = 0.473度の光が集光している

ことになります。

ここできちんと意識しておかなければならないことは、フェニックスのようにエタロンが対物レンズの前に置かれている場合は、この入射角は「対物レンズの焦点距離」と、「センサー上の像の位置」のみで決まってしまうということです。波長にも、口径にも依存しないということはきちんと理解しておくべきでしょう。これは太陽のような平行光を見ている限り、もしくはフェニックスの手前にTSA-120やC8を接続してもコリメートレンズで平行光にしている限り、一般的に成り立つ話です。なので、フェニックス前をどういじろうが、平行光条件を満たす場合は、エタロンへの入射角に対してはフェニックスという決まった対物レンズを使っているので、もうどうにかするような自由度は残されていないということです。これは結構痛いですね。


入射角による波長のずれ

次に、入射角と波長のズレの関係を考えます。エタロンに入っていく光に入射角がある場合の波長のズレは、アマチュア天文の範囲では例えばAstrosurfのこのページで検討されています。中心波長λ0の光が、エタロンへ入射角θを持って入射した場合に、波長のズレΔλは

Δλ = λ0 (θ^2) / 2

というような式になります。でもこの式、きちんとした証明が同サイト内のどこにも書いてないんですよね。根拠がわからない式を使うのは気が引けるので、今回きちんと証明しておこうと思います。

エタロンについては、関係式を太陽を始めた初期の頃にある程度説明しています、エタロンの間の距離dは半波長λ/2の整数倍mになるという条件が課せられるので

m λ/2 = d

となります。もし光がエタロンに対して角度θで入射した場合、dは入射光から見るとエタロン間のギャップの距離が1/cosθで長くなったように見えるので、

m λ/2 = d/cosθ

となるように思えますが、ここは注意が必要で、実際には

m λ/2 = d cosθ

となります。これは隣り合う2つの光の光路長差をきちんと考えると理由がわかります。エタロンの2枚の鏡の内側を反射する隣り合う2つの光が、「後ろ側の鏡を出た時を基準」に光が重なりあうと考えると、一つ目の光のスタート地点は手前側の鏡に入射した地点がスタートではなく、入射角のために遅れた場所がスタート地点となるからです。これはわりと有名な話で、わかりやすい解説などもあるので、ここでの証明は省きますが、興味がある人は調べてみてください。1より小さいcosθが「掛かって」いるので、エタロンへの入射角がある場合には、共振する波長は全て短くなる側にシフトします。

この場合、入射角θを持ってエタロンに入射する波長λ(θ)は、入射角θが0度の時の波長λ0に対して

λ(θ) = λ0 cosθ

と書けることがわかります。θが十分小さいとして、cosθをテイラー展開してやると

λ(θ) = λ0 (1 - (θ^2) / 2)

と書けるので、元の中心波長λ0からの差Δλは、入射角θの関数として

Δλ = λ(θ) - λ0 = -λ0 (θ^2) / 2

と書くことができます。これを元に計算してやります。


先に議論したように、センサー端部に集光する光の入射角はわかっているので、λ0=6562.8Åとして、
  • 横端の像の入射角θ = 0.627度の場合、波長のズレΔλは-0.39Å
  • 縦端の像の入射角θ = 0.473度の場合、波長のズレΔλは-0.22Å
と計算できます。


実画像との比較

この計算値が実際撮影した画像とどれくらい合っているのか見てみましょう。フェニックスのエタロンのFWHMは以前の測定結果を用いて0.37Åとします。これは全幅なので、中心から0.185Åずれると、透過光量が半分になるということです。

上の式から、波長のズレが0.185Åの場合には、入射角は0.43度となり、その場合中心から半径3.0mmの円のところで、光量が半分になるということがわかります。センサーサイズが8.75 x6.6mmなので、縦はほぼ上下の端で光量は半分以下くらいになります。ピクセルサイズは4.5μm/pixelなので、半径667ピクセル、直径で1334ピクセルが光量が半分になるところです。

実際の画像で光量が半分になるところをPhotoshop上で円を描いて測ってみると、直径で約1600ピクセルだったので、少し計算とズレていて、もう少し大きな範囲で見えているようです。さらに、次で議論するBFの絞りでも周りの光量が減るはずなので、実際の有効範囲はもう少し広いと思われます。
スクリーンショット 2026-06-21 202048

ズレの原因は、
  • フェニックスエタロンのFWHMの測定値が良く出すぎていて、実際のFWHMは2割ほど大きい
  • 本来コリメートレンズの位置が平行光を出す位置よりも、C8の対物レンズ側に寄ってしまっていて、広がりのある光束となり、エタロンへの入射角が小さくなることで、波長のズレが小さくなる
などの可能性があります。

BFによる絞り効果

センサーで見える範囲が限られてしまう一つの可能性は、上で説明したようなエタロンでの波長シフトによる透過光量の低下ですが、もう一つの可能性は、接眼部についているBF(Blocking Filter)の径でカメラ上の光束が制限される場合です。絞りの効果と同じですね。

フェニックスのBFの直径は8mm程度です。BFがカメラのセンサー面と同じ位置にあると、カメラセンサー上では直径8mm以上のところには光が来ません。

実際にはBFはセンサー面から手前の離れた位置に置かれ、そこではさらに大きな光束になっています。この場合、BFによって直径8mmにカットされた光束がセンサー上でどのような像を結ぶのか考えてみます。

まず、光の集光具合はF値で表すことができます。フェニックスは太陽モードの時、F10鏡筒で、対物レンズで口径40mmの光が、焦点距離の分400mm進むと径が0になります。傾きは40/400 = 1/10 = 1/Fとなり、F値のみで集光の傾きが決まりますね。

ただし今回は、口径200mm、焦点距離2000mmのC8と、焦点距離-200mmのコリメートレンズがC8の焦点位置から200mm手前に置かれているために、フェニックス手前で直径20mm (= 200 x 200/2000) の光束径になっています。そのため、口径20mmで焦点距離400mmで決まるF値が実効的なF値と考えるべきです。今回の場合400/20=20で、F20として考えるべきでしょう。

センサー面からs離れた位置にBFのような絞り径を入れると、絞りの端の一点の光がセンサー面でどれくらいの広がりを持った像になるかというと

s/F

になります。今回、直径8mmのBFが、チルターも込みでセンサー面から結構離れた位置に置かれていて、その距離が50mmだとすると、最大で8mm + 50/20 = 10.5mm、最小で8mm- 50/20 = 5.5mmのボケた円像になると考えることができます。

でも、上の考えはまだ不十分で、BF位置の絞りの端の光がセンサー上でどうなるかを見ただけで、より正確にはセンサー上のある位置y に結像する光束の中心が、穴の面ではどこを通るかを考えるべきです。

まず、センサー面から50mm手前にBFがあるので、焦点に向かう光束はBF位置でまだ少し広がっていて、センサー面で中心の1点に結像する光束のBF位置での直径は、

20mm × (50/400) = 2.5 [mm]

となります。

一方、センサー上の位置yに対応する光束中心は、50mm離れた絞り面では0.875yの位置にあります。これは

(400−50)/400 = 0.875

からわかりますね。

センサー上の中心からyの位置に集光する光は、BF位置で0.875yにあり、最大で半径 2.5/2 = 1.25 [mm]の範囲の光が影響し、それがBFの半径 8/2 = 4 [mm]以内であれば、完全に光が通る条件となり

0.875y + 1.25  < 4 [mm]

最小で半径1.25 [mm] の範囲の光が影響し、それがBFの半径 8/2 = 4 [mm]以内であれば少しでも光が届く限界の条件となるので、

0.875y - 1.25  < 4 [mm]

となります。これらを満たすyは

3.14 < y < 6.0 [mm]

となり、中心から半径 約3.14 mm以内では完全に光が届き、半径3.14 mmから6.0 mmでは周辺に向かって徐々にケラれ、 半径6.0 mmより外側では光が届かないということになります。

Apollo-M MINIのセンサーサイズが8.75 x6.6mmなので、BFによる周辺減光は存在するが、光が届かないわけではなく、フラット補正をすれば何とかなりそうです。

別で撮影した、中心がずれてしまっている画像があります。Photoshop上で光が届かない所に円を描いてみます。
スクリーンショット 2026-06-21 210401

中心と思われる点から、完全に光が届かなくなるまでの距離が、SharpCapをキャプチャした画面上で2350/2 = 1175ピクセルくらい、横幅を本来のApollo-M MINIの1944ピクセルで換算すると1337ピクセルで、センサー上の距離にして6.01mmなので、上記の見積もりでかなり合っているように思われます。

このBFの絞りの効果も、フェニックスという縛りがある限り大幅に改善することは出来ず、BFとセンサー面との距離で多少いじることができるくらいです。
  • BFとセンサーを近づければ近づけるほど有効径は小さくなってしまうが、はっきりとした (均一に明るい) 像になる
  • BFとセンサーを遠ざければ遠ざけるほど大きな径で太陽像の情報を得ることができるが、周辺に行くにしたがって徐々に暗くなるような像になる
ということです。

このことは、以前PSTとC8でカメラ位置をより遠くにした場合に見える範囲が広がったことを少なくとも定性的にうまく説明できます。


まとめ

今回、C8+Phoenixで見える範囲が制限される理由として
  1. エタロンの入射角
  2. BFでの絞り効果
の2つを考えました。今のセットアップでは、実画像の上では入射角の方が影響が大きそうです。

入射角はフェニックスの対物レンズの焦点距離で決まってしまい、エタロンに入る光が平行光という条件を満たす限り、その手前がC8だろうがTSA-120だろうが違いはありません。BFによる絞りも同じで、C8だろうがTSA-120だろうが違いはありません。要するに「フェニックスを分解せずに使う」という縛りを設ける限り、大口径化のために接続する鏡筒に何を選んでも、これ以上あまり大きな改善をすることはできないということです。

実際、今回C8で撮影した画像を見ても、以前TSA-120で撮影した画像を見ても、上の二つの理由でうまく像が周辺で悪くなっていく様子を説明できます。ただ、C8の方がTSA-120よりも一見視野が狭いように見えている (急激に周りが落ち込む) のですが、なぜなのかはちょっと不明です。

これらを解決できるのか、解決していくべきなのかが、今後の課題でしょう。解決のためのアイデアはすでにいくつかあるのですが、その前に、少しこの状態でいくつか試したいことがあるので、まずは一旦、この状態で撮影してみたいと思います。


3連休の週末記事 (その2) です。前回記事で、真ん中の日曜のことを書いてしまいしたが、今回は初日の土曜のことに戻ります。


3連休初日の朝

土曜は朝から晴れていたので、早速太陽です。先週日曜は久しぶりにC8+PSTでリハビリでしたが、最低限画像が撮れたくらいというレベルなので、今週はもう少し進めました。

撮影は昼からなのでシーイングはもうそこまで良くはないですが、黒点周りを2箇所、プロミネンスを1箇所、それぞれ30秒間隔で1時間弱くらい約120ショット撮影し、その中で一番シーイングのいいものを1枚選んで処理しました。同じ午後撮影でもシーイングのいい時は短時間ですが必ず訪れるので、前回のへっぽこ画像よりははるかにましになります。


撮影結果

左の東の方です。黒点が2つ出ています。この時間帯はあまりシーイングはよくなかったです。
12_24_19_lapl2_ap2544_IP_cut

東端にでてきた新しい黒点です。ちょっとマシなシーイングの時がありました。
13_12_00_lapl3_ap1920_out_cut

東に大きなプロミネンスがいくつかあり、そのうちの一つです。カメラの向きを90度変えて、横手方向にプロミネンスが広がるように撮影しています。この時はもう少しマシなシーイングでした。
13_56_29_l3_ap1607_IP_color_inv_cut

処理はAutoStakkertで、120ショットの動画を全部まとめてバッチ処理してスタックし、120枚の画像にします。できた画像に、ImPPGのバッチ処理をかけて細部出しなどをします。その中でベストのものを選びます。ベスト画像を改めて一からImPPGで細部出して、あとはPixInsightのSolarToolsで処理し、
最後Photoshopで仕上げました。


TSA-120でHα

追加でTSA-120にPSTを取り付けて撮影してみました。もう夕方近くで隣の家の屋根に沈みそうだったので、とりあえずパッと撮っただけです。フラット化もできなかったので、画面内で輝度差がありますが、さすがに分解能は特筆すべきものがあるでしょう。時間があるときにもう少しTSA-120で太陽で遊んでみるのもいいのかもしれません。
15_19_22_lapl2_ap2227_IP

この撮影をした時間帯はまだ15時半前です。もうずいぶん日が短くなって、太陽高度も下がっているのを実感します。


まとめ

C8とPSTのリハビリはまあこれくらいでいいでしょう。TSA-120が意外に楽しそうです。高級機を太陽に使うのはちょっと心配だったのですが、今のところトラブルは無さそうです。今後どんどん活用していきたいと思います。(というので、前回の粒状斑の記事になったというわけです。)



前回までの先週末の記事に続き、今週11月22日からの週末の記事になります。しかも3連休なのでネタがかなり豊富になりそうです。まあ、焦らずに記録の意味も込めて書いていきます。

土曜日も色々やったのですが、ネタ的には今日の日曜のことの方が面白いので、順序は多少前後しますが、2025年11月23日のことを先に書きます。

3連休の中日になりますが、朝から何をするか迷っていました。分光は新しいスリットでまだ撮影して無いですが、TSA-120はまだセンサー面積の大きいカメラが用意できないのであまり進歩はなさそうです。
  1. C8とPSTの撮影で午前のシーイングのいい時に分解能を出すのは試してもいいかもしれませんが、以前やっていたことを確認するくらいになるので、新しいことはなさそうです。
  2. 前日最後に少しだけ試したTSA-120とPSTでHαを楽しむのも良さそうですが、分解能がシーイングに制限されることはないと思うので、午前中にやる価値はあまりなさそうです。
色々考えていて、粒状斑の挑戦をしてみようと思いました。これまで粒状斑はC8を使って撮影しようとしていて、これまで最も移った時でこれくらいです。


鏡筒はこれまで通りC8にするか、最近再び活用しつつあるTSA-120にするか迷いました。というか、TSA-120みたいな高級機を太陽に使うのはちょっと怖かったんです。どこか内部の黒い所に焦点があってしまい、内部で焦げて煙が発生したとかになると、簡単に掃除もできないので手が出なくなります。分光撮影で恐る恐る TSA-120を太陽に使ってみましたが、問題無さそうなことがわかってきたので、今回も試しに使ってみることにしました。

これまではC8に薄いフィルム上ののOD=5のNDフィルターを使って光を10万分の1にして、そのまま白色光で撮影していました。緑系や青系のフィルターを使ったりもしましたが、どうしてもうまく見えることはありませんでした。今回口径が小さくなったので、いっそのことNDフィルター無しでなんとかならないか考えてみました。

まず、口径が120/200=0.6倍なので、エネルギーではその2乗で0.36倍。2インチ径のUV/IRカットフィルターは焦点を外せば十分耐えられることはこれまでC8のPST前部に入れていてわかっているので、それを入れてエネルギーは更に半分で0.18倍。

今回はここにさらに、2インチ径の6.5nm透過のOIIIフィルターを重ねて使おうと思います。どうやら、OIIIはフィルターは粒状斑をみるのにも適しているようです。このOIIIフィルターは反射型っぽかったので熱くなることは無さそうで、徐々に光を入れて試しましたが、ほとんど温まることもなく全く問題ないようです。可視光の幅が350nmから700nmとして、OIIIの約7nmの透過幅と考えると、ここでエネルギーはざっくりですが100分の1になります。

口径とフィルター2枚ででトータルで500分の1くらいの明るさになっているはずで、まあこれで大丈夫じゃないかと試しましたが、それでもカメラの露光時間を最短の0.032msにしてもまだ明るすぎました。

らちが明かないので、さらにカメラ手前に1インチの、これまで全然使ってこなかったHβフィルターを入れてみました。だんだん何をやってるかわからなくなりつつありますが、OIIIの波長が495.9nmと500.7nm、Hβの波長が486.1nmとかなり近いので、透過率が重なる部分が多少はあるだろうという目論見です。これでgain=0で露光時間が最短の0.032msでちょうどいいくらいの明るさなりました。TSA-120の焦点距離は900mmで粒状斑を見るには短すぎますが、この時点で粒々っぽいものが見えています。ここに手持ちのExplorer Scientificの5倍のバローを入れると、1msくらいの露光時間でちょうどよくなりました。画面を改めて見て見ると、

「おお!見える!見えるぞー!」

実はこの時点で曇っていたのです。雲越しなのですが、リアルタイムの画面でチラチラしてますが、これまでにないくらい粒状斑が見えています。雲は多少心配ですが、このままシーイングのいい時間帯を狙えればと思って、30秒ごとに200フレーム、計120ショットを撮影してみます。

最初の撮影ではガイド無しだったので、しばらくすると画面からずれていきました。ガイド鏡を用意して、PHD2のソーラー版でガイドします。ついでに黒点を探して、黒点周りの粒状斑を移すことにしました。120ショット撮影して、途中雲でかなり暗くなることもありましたが、その中のベストショットを示します。モノクロ版と、疑似カラー版です。

11_00_34_l2_ap3983_IP_cut

11_00_34_l2_ap3983_IP_color_cut
  • 撮影日: 2025年11月23日11時0分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120(f900mm、F7.5) + Explore Scientific x5バローレンズ
  • フィルター: UV/IR cut、Baader 7nm OIII、7nm Hβ
  • 赤道儀: Celestrn CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2 solar
  • 撮影: SharpCap Gain 0、平均79fps、露光時間0.75ms (10時45分から11時50分まで、30秒ごとに200フレームを120回撮影して、そのうちベストショットの20/200をスタック)
  • Dark、Flat補正: 無し
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、PixInsight、Photoshop CC

どうでしょうか?長年苦労してきましたが、やっとここま写るようになりました。

120mmと決して大きいわけではないので、口径的には分解能ギリギリに近いと思います。カメラは今回ASI290MMでピクセルサイズが2.9μmですが、分光で使っているG3M678Mにすればピクセルサイズが2.0μmになるので、もう少し分解能が出るかもしれません。

これまでのC8と違って、どうしてここまで出たのか?

シーイングが特別良かったとは思えません。TSA-120のシャープさが効いたのでしょうか?それともNDフィぃルター無しのナローバンドフィルターが効いたのでしょうか?おそらく後者かと思いますが、次はC8でも同じナローバンドフィルターで試してみたいと思います。


まとめ

とうとう念願の粒状斑を満足できるレベルで撮影することができました。そもそも朝に何をするか迷っていたくらいでしたが、試してみてよかったです。

TSA-120を使い、NDフィルターなしで、ナローバンドで撮影していますが、何が一番効いていたかはまだ不明です。それでも今回、少なくとも方法はわかったので、今後もう少し色々試してみて、効く所と効かない所をはっきりさせ、最適化をしていきたいと思います。



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