前回記事で、やっと1枚分の画像を処理しました。
それでも、細かい部分は分光撮影特有のブレが生じてしまっています。今回はこれを改善します。
今回の紹介するスクリプトは、SHG700に特化しているわけではないので、Sol’Exユーザーにも有効な撮影方法になるかと思います。
改めて拡大して細かいところを見てみます。

黒点部分も、プロミネンス部分も、潜在的な分解能はそこそこあるのに、縦縞のようなブレが起きてしまっていて実質的な分解能が落ちてしまっています。
このブレを理解する前に、分光撮影から太陽画像の再構築がどうやって行われているかのプロセスをきちんんと理解しておく必要があります。
まず、鏡筒から出てきた光が7μmという細いスリットを通り抜け、細長い形をした光が回折格子にあたります。回折格子では波長ごとに分光され、空間的に広がりを持ってカメラに向かっていきます。カメラのところでは、その分解された光がセンサーの縦方向に広がって記録されますが、ROIで縦方向を200ピクセルに制限して記録しているので、(分解能が約0.1Å/pixelと分かっているので) 合計で約20Å幅ぶんが記録されます。
一方、センサーの横手方向は、赤道儀のモーターでRA方向にスキャンすることで、太陽を縦方向にスライスしていった線が、横向きになって記録されていきます。この横に長い線は、センサー上の縦方向に波長ごとに広がって記録されるので、面積を持った像になります。この時の一本の線から得た面積を持った画像が1コマとなり、それを連続してスキャン撮影することで動画として記録しています。
同じ波長の線、ここではHα線を考えましょう、この線は一直線にはならずに今回の場合上に凸の曲線になります。
暗い部分がHα線に相当し、赤い曲線はその中で最も暗い部分をフィッティングした線です。この曲線に沿った同波長の部分を1コマの画像から取り出し、直線に変換します。その直線が太陽全景を描くための一本の縦線となります。それら一本一本の線をプリンタのように書いていくことで、一枚の太陽の全景画像が出来上がるというわけです。
このように全景画像をどう再構築するかを理解しておくと、なぜ分光撮影の場合に細かいブレがしょうじてしまうのかが理解できます。直接の原因は、スキャンしている間に機材に揺れが起きてしまうことです。ある一本の線を撮影するときの揺れと、次の一本の線を撮影するときの揺れは、撮影する時間が違うために揺れの分だけずれてしまいます。
一般的な撮影でこのようなズレが起きないのは、画面全体を面積として一度に撮影しているからです。画面内では分光の時の線のような時間的、相対的なズレはなく、全体的な揺れが撮影時間で平均されたものになっているだけだからです。
改めて最初の拡大した画像を見てみます。特に太陽表面とプロミンセンスの境のところを見るとよくわかりますが、縦方向に細かい線のようになっているブレが目立ちます。一瞬スピキュールと思うかもしれませんが、スピキュールなら表面とプロミネンスの境界線に対してほぼ垂直に立つはずです。でもこれらの線は、境界線の上でも横でも下でも、たとえ太陽表面内の真ん中でも、全部縦方向のみに表れます。これは縦線を並べていく際に、縦線の縦位置がブレているものを並べたからだということがわかります。
一本の縦線は一度に撮影するので、相対的なズレはないが、各縦線は別時間に撮影しているために、縦線同士ではどうしても相対的なブレが生じてしまっているということで、これは分光撮影では原理的に完全に取り去ることは難しいでしょう。
また、一本一本の線が完全にバラバラにブレているというわけではなく、何本かまとまってゆらゆら揺れているのがわかります。この揺れのエンベロープをたどっていくと、機材が時間的にどのように揺れていったのかがわかります。この揺れは情報として残っているので、それを補正するように線を置いて行けば、一枚画像でももっとブレの少ない画像になるはずですが、探した限りではそのような補正をしているソフトは見つかりませんでした。(2025/7/4 追記: JSol'ExのImage Enhancedに「Jagged edges correction」という似たような試みがありました。でも実験レベルとのことで、試してみましたが、プロミネンスを段差と認識してしまったり、確かに実用レベルにはなかなかならないようです。)このような試みも、次に書く改善方法の一つだと思います。
これらのブレを改善するためには、まず直接的には揺れを抑えることです。この機材の揺れはどこが大きいかというと、やはりネックとなっている鏡筒とSHG700の接続部が弱いので、鏡筒に対してSHG700本体が大きく揺れていると考えていいでしょう。もちろん赤道儀や鏡筒部分も揺れてはいますが、特に風邪などが吹いた場合にはSHG700自身がどうしても一番揺れてしまうのかと思います。実際、分光撮影では風が一番効くという記述が多くあります。シーイングがいい日を選ぶのも大事ですが、分光撮影ではまずは風の静かな時を選んだ方がいいというのは理にかなっている気がします。
もう一つの改善策は、惑星撮影での画像処理のように、多数の枚数を撮影して、画像を歪ませて位置合わせをしてスタックすることです。通常の太陽撮影でもスタック処理はしますよね。太陽でも私の場合、最近は200フレーム、必要なら500フレームとか1000フレームとかをスタックします。
今回はこの多数枚スタックを試してみたいと思います。
ただし、分光撮影では1枚の画像を作るのも結構な手間なので、そこまで枚数を増やすことはできません。いかに手間をかけずに多数枚撮影するかが鍵となります。
ここまでが前振りで、やっと今回書きたいことに辿り着きました。多数枚のスキャンをどうやって楽にやるかです。ここでは、SharpCapのスクリプト機能を使います。
まずはこのページで紹介されているスクリプトをダウンロードします。SharpCapで連続スキャンを実現するスクリプトです。上の方にあるオリジナルは中国語ですが、英訳されたバージョンが下にスクロールすると見つかります。落としたZIPファイルを適当なフォルダに展開します。
SharpCapを立ち上げ、メニューの「ファイル」->「SharpCapの設定」から「起動スクリプト」タブを選択します。「追加」ボタンを押し、上記スクリプト(SHG_SharpCap-Script-202XXXXX.py) をSharpCap起動時に読み込むように設定します。SharpCapを再起動すると、アイコン群の中の右のほうに「SHG」と書かれたボタンができるはずなので、それを押すと次のような画面が出てくるはずです。
設定はある程度見ればわかると思いますが、
ここまでの設定がOKなら、撮影テストと、本番の連続撮影になります。
保存された.serファイルが問題ないなら、次はJSol'Exで複数のファイルを一度に処理しましょう。JSol'Exのメニューの「File」->「Open SER file」から撮影したserファイルを開いて、出てきた画面の下の真ん中の「Quick mode」ボタンを押してください。
ここではメニューの「File」->「Batch mode」から撮影した複数の.serファイルをまとめて開きます。出てきた画面のいくつかの横バーの一番下の「Miscellaeous」を開いて、「File naming pattern」を「Batch」にしておくといいでしょう。ここからは前回と同じ簡易処理で、真ん中の「Quick mode」ボタンを押します。しばらく待つと同じ種類の画像ファイルがまとめて一つのフォルダに保存されます。
あとはこれらをスタックします。JSol'Exにもスタック機能はありますが、使ってみた限りあまり精度がよくないようなので、ここは普段のようにAutoStakkert!4を使います。AutoStakkert!4を立ち上げ、ファイルを開くときに「Images」を選択し、先ほどできた画像ファイルを全て選択し処理します。今回はdiskフォルダ以下に入っていたストレッチと化していないRAWに近いような13枚の像をスタックしました。
出来上がった画像を下に示します。どうでしょうか?
比較のための拡大図です。この記事の最初に載せた画像と同じ画角です。

明らかに細かいブレが軽減されているのがわかります。これ以上は枚数を増やすか、風やシーイングが穏やかな日を選ぶとかになるかと思います。
ここからの処理は普通の太陽画像と同じです。まだRAWファイルをスタックしたような状態なので、画像処理で細部を出すことができます。
ImPPGを使ったり、SolarToolboxを使ったりすればいいでしょう。今回はImPPGで細部出しとプロミネンス強調までして、さらにPixInsightでSolar Toolboxは使わずに細部出しをしてみました。
最終的にはこのようになりました。まずはモノクロです。
解像度もかなり出ていて、プロミネンスの淡いところも出ています。縦方向のブレは完全には消せませんでしたが、そこそこ見えるくらいにはなっているかと思います。
次にモノクロの反転です。
更にカラー版と、その反転です。
これでやっと満足できるレベルの太陽全景画像になりました。普通の撮影と違い、多少手間もかかりますが、0.18Åという波長分可能と、全景でここまで空間分解能がでるなら、これだけの手間をかける価値も十分にあるというものです。
次回はJSol'Exの使い方です。これも面白いですよ。いろんな種類の画像が出てきます。
それでも、細かい部分は分光撮影特有のブレが生じてしまっています。今回はこれを改善します。
今回の紹介するスクリプトは、SHG700に特化しているわけではないので、Sol’Exユーザーにも有効な撮影方法になるかと思います。
分光特有のブレ
改めて拡大して細かいところを見てみます。

黒点部分も、プロミネンス部分も、潜在的な分解能はそこそこあるのに、縦縞のようなブレが起きてしまっていて実質的な分解能が落ちてしまっています。
このブレを理解する前に、分光撮影から太陽画像の再構築がどうやって行われているかのプロセスをきちんんと理解しておく必要があります。
どうやって太陽画像をつくるのか
まず、鏡筒から出てきた光が7μmという細いスリットを通り抜け、細長い形をした光が回折格子にあたります。回折格子では波長ごとに分光され、空間的に広がりを持ってカメラに向かっていきます。カメラのところでは、その分解された光がセンサーの縦方向に広がって記録されますが、ROIで縦方向を200ピクセルに制限して記録しているので、(分解能が約0.1Å/pixelと分かっているので) 合計で約20Å幅ぶんが記録されます。
一方、センサーの横手方向は、赤道儀のモーターでRA方向にスキャンすることで、太陽を縦方向にスライスしていった線が、横向きになって記録されていきます。この横に長い線は、センサー上の縦方向に波長ごとに広がって記録されるので、面積を持った像になります。この時の一本の線から得た面積を持った画像が1コマとなり、それを連続してスキャン撮影することで動画として記録しています。
同じ波長の線、ここではHα線を考えましょう、この線は一直線にはならずに今回の場合上に凸の曲線になります。
暗い部分がHα線に相当し、赤い曲線はその中で最も暗い部分をフィッティングした線です。この曲線に沿った同波長の部分を1コマの画像から取り出し、直線に変換します。その直線が太陽全景を描くための一本の縦線となります。それら一本一本の線をプリンタのように書いていくことで、一枚の太陽の全景画像が出来上がるというわけです。
なぜブレるのか?
このように全景画像をどう再構築するかを理解しておくと、なぜ分光撮影の場合に細かいブレがしょうじてしまうのかが理解できます。直接の原因は、スキャンしている間に機材に揺れが起きてしまうことです。ある一本の線を撮影するときの揺れと、次の一本の線を撮影するときの揺れは、撮影する時間が違うために揺れの分だけずれてしまいます。
一般的な撮影でこのようなズレが起きないのは、画面全体を面積として一度に撮影しているからです。画面内では分光の時の線のような時間的、相対的なズレはなく、全体的な揺れが撮影時間で平均されたものになっているだけだからです。
改めて最初の拡大した画像を見てみます。特に太陽表面とプロミンセンスの境のところを見るとよくわかりますが、縦方向に細かい線のようになっているブレが目立ちます。一瞬スピキュールと思うかもしれませんが、スピキュールなら表面とプロミネンスの境界線に対してほぼ垂直に立つはずです。でもこれらの線は、境界線の上でも横でも下でも、たとえ太陽表面内の真ん中でも、全部縦方向のみに表れます。これは縦線を並べていく際に、縦線の縦位置がブレているものを並べたからだということがわかります。
一本の縦線は一度に撮影するので、相対的なズレはないが、各縦線は別時間に撮影しているために、縦線同士ではどうしても相対的なブレが生じてしまっているということで、これは分光撮影では原理的に完全に取り去ることは難しいでしょう。
また、一本一本の線が完全にバラバラにブレているというわけではなく、何本かまとまってゆらゆら揺れているのがわかります。この揺れのエンベロープをたどっていくと、機材が時間的にどのように揺れていったのかがわかります。この揺れは情報として残っているので、それを補正するように線を置いて行けば、一枚画像でももっとブレの少ない画像になるはずです
改善方法
これらのブレを改善するためには、まず直接的には揺れを抑えることです。この機材の揺れはどこが大きいかというと、やはりネックとなっている鏡筒とSHG700の接続部が弱いので、鏡筒に対してSHG700本体が大きく揺れていると考えていいでしょう。もちろん赤道儀や鏡筒部分も揺れてはいますが、特に風邪などが吹いた場合にはSHG700自身がどうしても一番揺れてしまうのかと思います。実際、分光撮影では風が一番効くという記述が多くあります。シーイングがいい日を選ぶのも大事ですが、分光撮影ではまずは風の静かな時を選んだ方がいいというのは理にかなっている気がします。
もう一つの改善策は、惑星撮影での画像処理のように、多数の枚数を撮影して、画像を歪ませて位置合わせをしてスタックすることです。通常の太陽撮影でもスタック処理はしますよね。太陽でも私の場合、最近は200フレーム、必要なら500フレームとか1000フレームとかをスタックします。
今回はこの多数枚スタックを試してみたいと思います。
ただし、分光撮影では1枚の画像を作るのも結構な手間なので、そこまで枚数を増やすことはできません。いかに手間をかけずに多数枚撮影するかが鍵となります。
SharpCapで自動連続スキャン
ここまでが前振りで、やっと今回書きたいことに辿り着きました。多数枚のスキャンをどうやって楽にやるかです。ここでは、SharpCapのスクリプト機能を使います。
まずはこのページで紹介されているスクリプトをダウンロードします。SharpCapで連続スキャンを実現するスクリプトです。上の方にあるオリジナルは中国語ですが、英訳されたバージョンが下にスクロールすると見つかります。落としたZIPファイルを適当なフォルダに展開します。
SharpCapを立ち上げ、メニューの「ファイル」->「SharpCapの設定」から「起動スクリプト」タブを選択します。「追加」ボタンを押し、上記スクリプト(SHG_SharpCap-Script-202XXXXX.py) をSharpCap起動時に読み込むように設定します。SharpCapを再起動すると、アイコン群の中の右のほうに「SHG」と書かれたボタンができるはずなので、それを押すと次のような画面が出てくるはずです。
設定はある程度見ればわかると思いますが、
- 「Target」はとりあえずSun-Hαを選びます。
- 「Slew Rate」の値は赤道儀によりますが、4とか8とか16になるかと思います。この値は先に一度マニュアルで撮影した値と同じでいいはずですが、私の場合その時の8だとなぜが遅くなったので、最終的には結局16としました。
- 「Duration of each Video Record(sec)」は何秒間撮影し続けるかです。上のSlew Rateにも依存します。一度マニュアルで太陽の端から端までスキャンして、時間を測るといいと思います。それより多少長めに設定します。私の場合、太陽が通る時間は15秒くらいですが、ここでは30秒と指定しています。なかなかぴったりとは収まらないので、ある程度余裕がないと、像が途中で切れてしまいます。
- 「Delay before Record(sec)」は録画前に何秒待つかですが、決めにくいパラメータの一つです。私はとりあえずデフォルトの3秒にしておきました。
- 「Fine tuning(sec)」はモーターが加速しはじめてから一定のスピードになるまでの時間のようなのですが、あまりよくわかりません。説明には1とか1.2がいいと書いてあります。とりあえず1.0で試しました。
- 「Scanning Count」は何往復するかの繰り返し回数です。
- 「Scan Axis」はSHG700の場合はRAになるかと思います。
- 「Record Direction」はどちらの方向に動く時に撮影するかです。最初は「Foward only」でやってましたが、途中から時間がもったいないので「Forward & Backward」にしました。ただしForward & Backwardは1往復で2回撮影するので、Scanning Countを10とかにすると20本動画ファイルができます。またプラス方向とマイナス方向でそれぞれ.serファイルを処理する必要があるので、2度手間になったりします。結局私はForward & BackwardでScanning Countを5とかにし、プラスとマイナス2回処理するのをデフォルトにしました。
- それ以降の2つの「per Round」と「--> ROI...」と「--> Click...」はよくわかりません。説明にもないもので、後から追加で付けたみたいです。全部0にしています。
[76/600APO_SHG700_Touptek678m_r80-916fps]
TargetName = Sun-Hα
MoveRate = 8
RecSeconds = 30
DelayBeforeRec = 3
AdjustSec = 1.0
Count = 10
ScanAxis = RA
RecDirection = 1
ForceGotoSun = 0
のようになります。最初の行のプロファイル名は任意なので適当です。
のようになります。最初の行のプロファイル名は任意なので適当です。
撮影
ここまでの設定がOKなら、撮影テストと、本番の連続撮影になります。
- まず、RAモーターを動かして、太陽の丁度真ん中くらいの位置に来るようにします。とりあえず繰り返し回数は1にして「Start batch Scan Record」ボタンを押してみてください。
- ピッと音がして、バック方向(East)に動き出します。
- 太陽の端を通り過ぎてしばらくしたところで止まって、今度はフォワード方向(West)に動き出します。
- 録画開始とか出るので、その時点でまだ太陽が見えていないこと、ちょっとしてから太陽が見え始めること、太陽がもう一方の端に到着すること、その後に録画終了とメッセージが出ることを確認します。
- しばらく(10秒くらい)すると最初にあった位置に戻るので、それまで何も触らないほうがいいです。
- 撮影した.serファイルを改めて確認します。もしここで、録画内に太陽が全然収まりきらないなら、Duration of each Video Record(sec)を長くします。もしくは最初か最後の片側だけ切れているなら、最初が切れている場合はバックのEast方向に少しずらし、最後が切れている場合はEast方向に少しずらし、撮影初期位置を調整します。
- 再び「Start batch Scan Record」を押して、きちんと太陽が全て録画時間内に収まるまで、録画時間もしくは撮影初期位置の調整を繰り返します。
- 無事に録画時間内に太陽が入るなら、「Scanning Count」を例えば10に増やし、Start batch Scan Recordを押して、10往復するのを待ちます。
- 全てが終わると、元の位置に戻るはずです。この元の位置への再現性はそこそこ正確なので、もし戻る位置が違うなどがある場合は、何かハード的にトラブルが起こっている可能性が高いです。
連続撮影ファイルの画像処理
保存された.serファイルが問題ないなら、次はJSol'Exで複数のファイルを一度に処理しましょう。JSol'Exのメニューの「File」->「Open SER file」から撮影したserファイルを開いて、出てきた画面の下の真ん中の「Quick mode」ボタンを押してください。
ここではメニューの「File」->「Batch mode」から撮影した複数の.serファイルをまとめて開きます。出てきた画面のいくつかの横バーの一番下の「Miscellaeous」を開いて、「File naming pattern」を「Batch」にしておくといいでしょう。ここからは前回と同じ簡易処理で、真ん中の「Quick mode」ボタンを押します。しばらく待つと同じ種類の画像ファイルがまとめて一つのフォルダに保存されます。
あとはこれらをスタックします。JSol'Exにもスタック機能はありますが、使ってみた限りあまり精度がよくないようなので、ここは普段のようにAutoStakkert!4を使います。AutoStakkert!4を立ち上げ、ファイルを開くときに「Images」を選択し、先ほどできた画像ファイルを全て選択し処理します。今回はdiskフォルダ以下に入っていたストレッチと化していないRAWに近いような13枚の像をスタックしました。
出来上がった画像を下に示します。どうでしょうか?
比較のための拡大図です。この記事の最初に載せた画像と同じ画角です。

明らかに細かいブレが軽減されているのがわかります。これ以上は枚数を増やすか、風やシーイングが穏やかな日を選ぶとかになるかと思います。
画像処理
ここからの処理は普通の太陽画像と同じです。まだRAWファイルをスタックしたような状態なので、画像処理で細部を出すことができます。
ImPPGを使ったり、SolarToolboxを使ったりすればいいでしょう。今回はImPPGで細部出しとプロミネンス強調までして、さらにPixInsightでSolar Toolboxは使わずに細部出しをしてみました。
最終的にはこのようになりました。まずはモノクロです。
解像度もかなり出ていて、プロミネンスの淡いところも出ています。縦方向のブレは完全には消せませんでしたが、そこそこ見えるくらいにはなっているかと思います。
次にモノクロの反転です。
更にカラー版と、その反転です。
まとめ
これでやっと満足できるレベルの太陽全景画像になりました。普通の撮影と違い、多少手間もかかりますが、0.18Åという波長分可能と、全景でここまで空間分解能がでるなら、これだけの手間をかける価値も十分にあるというものです。
次回はJSol'Exの使い方です。これも面白いですよ。いろんな種類の画像が出てきます。
























