ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:鏡筒

先日お知らせた、CP+とほしぞloveログの連携企画

電視観望技術を利用して天体写真を撮影してみよう

ですが、いよいよ開始します。企画名は略して「電視撮影」として、今回の記事のタイトルにも使っています。今回は (その1) で、機材の準備です。

記事としては、今回紹介する機材を用いてCP+当日までにオリオン大星雲の撮影をし、その過程をブログで公開していきます。セミナー当日は時間が限られると思うので画像処理をメインに見せたいと思っています。セミナーを聞いた人も、撮影に興味が出たらブログを見てもらうように誘導するつもりです。


機材選択

セミナーを引き受けたあとに、具体的にどのように進めるかをサイトロンのスタッフさんと一緒に相談したのですが、ここでポイントとなったのは「入門者でも手が出せる天体写真撮影機材を使おう」ということです。

天体写真の撮影はなんだかんだ言って敷居が高いです。初めて撮影に挑戦する方を想定して、電視観望を利用して技術的に敷居を下げることだけでなく、機材に関しても「撮影ができるクラス」で「手の出しやすい価格帯」のものを選択することにしました。その結果、
  1. 赤道儀: SkyWatcher Star Adventurer GTi
  2. 鏡筒: SkyWatcher EVOLUX 62ED + ED62 Reducer
  3. カメラ: PlayerOne Uranus-C Pro
という機材を選んでみました。

1. Star Adventurer GTi、略してSA-GTiは1年ほど前にSkyWatcher社から発売開始された赤道儀で、2軸制御としては三脚込みで税込9万円台前半と、最安の部類になるかと思います。もっと安いのだと、同じSkyWatcher社のこれまた最安クラスの自動追尾経緯台に「AZ-GTi」というのがあるのですが、これはファームウェアを書き換えることで赤道儀モードで使うことができます。ただし赤道儀動作はメーカーオフィシャルではないためかなり敷居が高く、少なくとも初心者にお勧めできるものではないと思います。SA-GTiはある意味、AZ-GTiのメーカーオフィシャルな赤道儀としてアップグレードされたものと言えるのかと思います。

2. 鏡筒に関しては名前にEDと冠しているように、アクロマートクラスとは一線を画したもので、専用レデューサも発売されているように、明らかに写真撮影を意識したものです。「レデューサ」とは、焦点距離を短くして視野を広げるためのものですが、同時に星像を改善する働きを持たせていることが多いです。今回も撮影を目指すので、画面四隅の星まで綺麗な点になることを願って、62ED専用のレデューサを使うことにします。鏡筒が実売約6万円、レデューサを入れても約10.5万円と、撮影鏡筒としては安価な部類に入ります。初心者がはじめに手にいれる撮影用鏡筒としては手頃で、いい選択肢ではないのかと思います。

ちょっと心配なのはこのEVOLUX 62ED、シュミットの販売ページに行っても在庫切れで、他のショップやAmazonでも在庫切れやお取り寄せとなっているところばかりです。3年前のCP+でEVO GUIDE50での電視観望を紹介して、その後しばらくの間、肝心のEVOGUIDEが在庫切れという状況が続いたことを思い出してしまいました。もちろん今回CP+で見せようと思っている画像処理の方法は、他の鏡筒でも問題なく応用が効くので、お手持ちの鏡筒で構わないのですが、もしかしたら在庫有りのものにしたほうが良かったのかもしれません。

3. カメラですが、今回の目的が撮影ということなので、冷却タイプのCMOSカメラを選びました。冬季ということでそもそも冷えていることと、撮影も入門用に簡単にということでそこまで露光時間を長く取らない予定なので、ダークノイズはそこまで効かないでしょう。またホットピクセルやコールドピクセルもPlayerOneのカメラの特徴のDPS (Dead Pixel Supressioin) 機能で軽減されるので、冷却は必要ないかもしれません。それでも今後撮影に進んでいくと、一枚一枚撮影しダーク補正をする可能性は高く、冷却を選んでおくに越したことはありません。もう一つは冷却そのものというよりは、「一定の温度で撮影できる」ということが、温度管理という意味で便利だったりします。


赤道儀SA-GTiの組み立て

最初は赤道儀Star Adventurer GTiの組立です。日本語版のマニュアルが同封されているので、基本的にはマニュアルを見て進めていけばいいでしょう。

1. 箱から三脚を取り出し足を広げます。三角受け皿をはめ込み、回転させて固定します。
2. ハーフピラーを三脚の上に載せ、三脚上部から出ているネジを締め、固定します。
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3. ハーフピラー上部の3つのネジを緩めて、接続部を外します。
4. 赤道儀を箱から取り出し、上で外したハーフピラー上部を赤道儀本体底部ににねじ止めします。
5. 赤道儀をハーフピラーの上に載せ、ハーフピラー上部の3つのネジを締めて固定します。
6. 赤経体の経度を日本の35度付近に合わせます。赤経体が上下に動くように、赤道儀本体左右についている2つの大きめのネジが緩んでいることを確認(箱から出した直後は全て緩んでいました)して、前部についているネジを締めながら赤経の角度を35度付近にまでします。
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7. ウェイトバーを取り付けますが、ここで少し迷いました。マニュアルにあまりはっきりと書かれていませんが、バーの根元に取り付けるアダプターの上下に注意です。ウェイトバーがアダプターにすっぽりハマる向きに取り付け、その後ウェイトバーを赤道儀本体に取り付けます。

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機械的な組立はこれくらいです。

次に電源についてです。電池駆動もできますが、撮影中はどうせ冷却カメラに12V電源を使うことになるので、赤道儀、冷却カメラともに12Vの外部のDC電源を使うことにしました。

ちなみに、電池駆動する時の場合の手順です。こちらの方が少し迷うかもしれません。
  1. インターフェースパネル下のネジを外して、インターフェース部分を取り囲んでいるカバーを外します。
  2. 極軸望遠鏡のカバーを外し、電池ケースを2つ取り出します。(注1. 極軸望遠鏡のカバーを外さないと、電池ケースを取り出すことができません。外れないからと言って、無理に引っ張って壊さないようにしてください。)
  3. それぞれのケースに4本、計8本単3電池を入れます。電池は受電式のものでも十分稼働します。
  4. ケースを赤道儀本体に戻します。(注2. その場合、極軸望遠鏡のカバーができなくなりますが、これは液漏れを防止するための仕様とのこと。)
あと、付属のUSBケーブルを挿しておきます。PCとはこのUSBケーブルを介して接続します。
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赤道儀の組立はここまでです。


鏡筒とレデューサー

鏡筒のEVOLUX 62EDですが、どうやら日本ではあまり本数が出回っていないのかもしれません。日本語のレビューなどを探してもごくわずかしか見つかりません。専用ケースが付いてくるようですが、今回私の場合はデモ機をお借りしているので、専用ケースはありませんでした。

まずは鏡筒本体に鏡筒にレデューサをつけます。鏡筒接眼側についている、緑のアダプターを回転させ外します。

ここで、必要ならばフィルターを鏡筒側に取り付けます。取り付けることができるのは48mm径のもので、後に詳しく書きますが、今回はCBP(Commet BandPassフィルター)を取り付けました。

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CBPを鏡筒側に取り付けた様子。

(2024/2/4追加) [[注意]] 初出の記事で、フィルターをこの位置に入れると書きましたが、レデューサ側にはまり込んででしまうとものすごく外しにくくなることがわかりました。カニ目レンチなどがあれば頑張って外すことはできますが、かなり大変なのと、フィルターを傷つける可能性があるので、フィルターを入れる位置は再考します。

フィルターを挟み込むようにして、レデューサを鏡筒本体に取り付けます。下の写真のように、レデューサーの字の向きが鏡筒の字の向きと逆になりますが、これが正しいです。

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CMOSカメラの接続

次にカメラと鏡筒の接続です。

Uranus-C Proには17.5mmと20mmの延長アダプターがついています。さらに、カメラのシャーシ端面からセンサー面までの距離は17.5mmとのことです。ここで、63ED レデューサーに必要なバックフォーカスを調べてみると、55mmだとわかりました。レデューサの「後端」から測って、55mm伸ばしたところに「センサー面」が来ればいいということになります。先ほどの距離を足してみると、17.5+20+17.5 = 55mmで、何とちょうど55mmとなるではありませんか。これは、最近の鏡筒のバックフォーカスは55mmのものが多いので、カメラの方でそれにうまく合うようなアダプターを付属しているというわけです。

とうわけで付属のアダプター2つを挟んでカメラをレデューサの後ろに取り付けます。ネジは全てT2と呼ばれるカメラ界隈で使われている規格で、径42mm ピッチ0.75mmになります。

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CMOSカメラの電源ですが、メインはUSBで供給されます。コネクタはType-Cです。露光時間が長いので、USB2.0でもなんとかなると思いますが、転送速度はやはり早い方がいいので基本はUSB3.0以上で接続した方がいいでしょう。冷却用のDCの12V電源も別途必要になります。撮影用のバッテリーを一つ買うといいと思います。下の写真のようなDCジャックができれば複数付いているバッテリーを選ぶといいでしょう。

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これで赤道儀SA-GTiも駆動できるようになります。

バッテリーとCMOSカメラ、赤道儀を接続するDC電源用のケーブルも必要です。ケーブルを選ぶときに、オスメスを間違えないように気をつけてください。今回のように、通常はオス-オスタイプが必要になりますが、実際に売っているのはオス-メスタイプが多いので、そんな場合はオスメス変換のアダプターを一緒に購入するといいでしょう。

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これで鏡筒とカメラの準備は完了です。


赤道儀に鏡筒を載せてみる

鏡筒部を赤道儀に載せてみましょう。鏡筒にはアリガタプレートが最初から付いているので、そのまま赤道儀に取り付けることができます。
  1. まずは赤道儀のウェイトのネジを緩め、ウェイトバーの下の方までウェイトを十分下げて、再びネジを締め固定します。赤経体のネジを緩めて、ウェイトをぷらぷらさせ、手を離して一番下に下がるところで赤経体のネジをしめます。
  2. 赤緯体のネジを緩めて、鏡筒を乗せたときに真っ直ぐ上を向くくらいの位置までアリミゾ部を回転させ、再び赤緯体のネジを締めます。
  3. アリミゾの所のクランプネジを緩めて、鏡筒のアリガタのところをアリミゾ部にはめ込んで、再びネジを締めて固定します。一度ゆっくり手を離してみて、落ちたりしないか確認し、さらに鏡筒部をつついてグラグラ動いたりしないか確認します。
  4. 赤経体のネジを緩めて、さらにウェイトのネジを緩めて、赤経体を回転させ、水平になるように持っていき、ウェイト位置を中央側にずらして、赤経体のバランスをとります。手を離しても赤経体が回転しないところを探してウェイトのネジを締め固定します。
  5. 赤経体は水平のまま、一旦赤経体のネジを締め水平からずれないように固定します。
  6. 次は赤緯体のネジを緩めてバランスをとります。鏡筒が落ちたりしないように注意しながら、アリミゾクランプのネジを少し緩めて、鏡筒部を前後に動かして、手を離しても回転しないところを見つけてください。手を離す際は「毎回」アリミゾクランプのネジを締めるのを忘れないようにしてください。油断すると鏡筒が地面に真っ逆さまになります。
  7. 赤経、赤緯の重量バランスが取れたら、赤経体のねじ、赤緯体のネジを緩めて元のホームポジション(鏡筒が上に来るように赤経体を上に戻し、赤緯体は鏡筒先端が北を向くようになるような位置です)に戻し、再びネジを固定しててください。

ガイド鏡

今回の撮影では、長時間撮影しても視野がずれていかないように、オートガイドと呼ばれる手法を用います。別途もっと視野の広い焦点距離の短い望遠鏡とカメラを用意して、1秒程度の短時間露光で常に画角を確認して、ずれたらそれを補正するようなフィードバック信号を赤道儀に返します。

そのためのガイド鏡を用意しておきます。ガイド鏡の「鏡」は望遠鏡からきていますが、今回は安価な監視カメラ用のCマウントレンズ(実際にはCSマウントレンズで、延長アダプターをつけてCマウントとしています)を使いました。ガイド鏡はメイン鏡筒の焦点距離の10分の1程度の焦点距離があれば十分です。今回はメイン鏡筒がレデューサーをつけて360mmなので、ガイド鏡の焦点距離は50mmとしました。こういったレンズはアマゾンなどで「cマウントレンズ」と検索すると簡単に手に入れることができます。

カメラは手持ちであったPlayerOneのNeptune-Cを使います。

ガイド鏡は、カメラにL字の適当な金具をつけ、底にアルカスイス互換のクランプをつけます。一方鏡筒側には、鏡筒付属のアリガタにアルカスイス互換のプレートをとりつけました。これらもアマゾンで「アルカスイス」と検索すると、安価な互換品を簡単に手に入れることができます。これで着脱も自由です。

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まとめ

全てを組み上げた全体図になります。

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今回の機材はあくまで一例です。機材はお手持ちのものがあれば、もちろんそれらを使えばいいかと思います。

初めて天体機材を触る場合は、最初の組み立ては昼間の明るいうちにやっておいたほうがといいと思います。最初はなかなかうまくいかなくて、組み上げるだけでも大変です。暗い中ではさらに大変になります。あせらずに、余裕を持って、時間をかけて組み立ててみてください。

一応これで、機材の準備は完了です。次回はPCを接続して電源を入れてみましょう。いよいよ望遠鏡の像を見ることになります。











久しぶりの新鏡筒、タカハシのε130です!!!

今回は短焦点で明るい高性能鏡筒。なんでこの鏡筒なのか?これからどう使うのか?ブログ記事にしておきます。


動機

大元の動機は、自宅庭撮りでどこまで淡い大きな天体が出るかという試みでした。広角はこれまで焦点距離の短いFS-60CBとフルサイズのEOS 6D一択でした。例えば約2年前に、Sh2-240をこのセットアップで挑戦しています。



でも赤を無理矢理出した感じで、しかも青がほとんど出ずにかなり不満が残りました。実はその後、北空のダイオウイカSh2-129にFS-60CBで10時間挑戦したのですが、結果はカスリもしなかったので、ブログ記事にすることもなくお蔵入りになりました。フルサイズのカメラは手持ちではカラーの6Dしかないため、フィルターもせいぜいワンショットナローと限られてしまい、モノクロカメラと個別のナローバンドフィルターにはおそらく全く敵いません。

約1年半前にSCA260を買ってからは大口径がとても楽しくて、過去1年半はほとんどSCA260一本での撮影でした。多くは自宅庭撮りで、M81の背景など極々淡い所以外はかなり満足しています。でもそろそろ他の焦点距離も撮りたくなってきて、まだ挑戦しきれていない自宅広角ナローバンドを試したくなってきたというわけです。


機材が思ったより大変

このように考えた結果、機材に対する課題を並べてみます。
  • 広角
  • 明るい
  • モノクロ
  • フルサイズ
  • ナローバンド
くらいでしょうか。でもこれ、一見簡単そうで実は物凄く大変です。鏡筒もそうですが、フィルターも2インチサイズが必要ですし、大きなセンサーのモノクロカメラも必要です。

今回、まずは鏡筒です。今年の目標でも書いたのですが、短焦点で明るい鏡筒として
  1. タカハシ ε130: 13cm f430mm F3.3 27万円
  2. Celestron RASA8: 20cm f400mm F2.0 35万円
  3. SHARPSTAR 15028HNT: 15cm f420mm F2.8 カーボン鏡筒 33万円
の3つを候補として考えていました。

いずれも FS-60CBに比べて口径で2倍以上、面積でも約4倍以上なので、露光時間も4分の1以下で済みます。FS-60CBで10時間くらいなら撮る気にはなりますが、40時間となると流石に躊躇します。これが口径12cmで同じ焦点距離なら、40時間が10時間で済むのでと実用的な時間となり得るのです。

ただしε130は納品まで1年半くらいかかるらしいこと。RASA8はF値が2台でナローバンドだと大変そうだという話があるのと、やはりじゃじゃ馬として名高いことがあります。15028HNTは入手しやすそうで、口径13cmの13028HNTでもいいのかと思います。スポットダイアグラムの緑の分離が少し気になります。といってもε130とそこまで変わるわけではないので十分な気もします。

でもこうやって具体的な鏡筒名まで書くことで、事が進み始めました。CP+のサイトロンブースでブラックパンダさんにお会いした際に、ブログで読んでくれたのか、もしかしたら年末の周参見での天リフさんの中継(39分ごろに出演しています)を見てくれたのか、私がε130を欲しがっているというのを気にしてくれていて、シュミットで展示のε130を譲ってくれるというのです。納期の問題さえ無ければε130が第一候補だったので、すぐにこの話に飛びついてしまいました。その後しばらくしてから、見積もりと現状の写真を送って頂きましたが、値段的にも納得です。そのまま折り返して発注でもよかったのですが、ちょうど3月末に関東に行く機会があったので、実際にシュミット店頭で見せて頂くことになりました。


シュミットにて

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シュミットではε130とSHARPSTAR 15028HNTを並べて比較が始まります。シュミットスタッフさんを交えての熱い議論です。おそらく撮影しようとするとユーザーも多いε130の方が楽はなずで、その一方15028HNTを手に入れて自分なりに仕上げていくというのもそれはそれで楽しそうだというのも思っていました。

まず確認したことが、展示品を売ってもらうのは本当に大丈夫かということです。でも店長さんが「欲しい人に使ってもらうのが一番なので」と言って下さったので、少し安心しました。あと、シュミットとしては当然SHARPSTARの方をお薦めしたいはずです。それでもきちんと客観的に議論して頂けました。とてもありがたかったです。

色々話は出ましたが、今回の議論の最大のポイントは、フルサイズと四隅の星像。もっと広角で撮りたいために、モザイク撮影も考えていることを伝えたのですが、これが決め手になりました。もちろん決して15028HNTの星像も悪いわけではありません。それでもスポットダイアグラムを見てもε130と差はあることはおそらく事実で、APS-Cまでならほとんど差はないが、フルサイズだと差が出るのではという話になりました。

他の比較項目は付属品です。15028HNTには鏡筒バンドにアリガタ、フォーカサーには減速機が標準装備、ケースまで付いてきます。一方ε130はほぼ鏡筒そのものだけで、一緒に展示してあった鏡筒バンドやプレートは別会計です。口径は13cmと15cmですが、私もあまり気にしてなかったのでほとんど議論にはなりませんでした。金額的にはほとんど同じ。ただし付属品と口径を考えると15028HNTの方がトータルでは安くなりそうです。

迷いましたが、今回の目的では四隅のフルサイズの星像を最優先し、更に普通だと納期がかかるε130が手に入るということで、当初の話の通りε130に決定としました。ブラックパンダさん初め、サイトロンのスタッフの皆さん、店舗での議論も含めて色々お気遣い頂き本当にありがとうございました。

ついでに、CP+の展示品で出ていたAskerの幅広サイズのドブテールバー(アリガタ)がまだ残っているということで、それも購入することに。ε130の鏡筒バンドは直接付きませんが、他の鏡筒についているものと入れ替えで使えそうです。早速カードで支払いを済ませ(この時点ではまだ妻には今回の事は言ってません、カード明細が来るまでには話しておかないと修羅場になります)、その後少しだけ店内を見て、まだ少し時間があったので次はスターベースに移動です。


スターベースにて

既に買い物は終わったというのに、何でスターベースに行ったのかです。実はスタッフのS君がプライベートでCP+の会場に来ていて、そこでε130について相談していたので、シュミットの展示品を手に入れた事を報告しに行きたかったのです。タカハシ製品をスターベースで購入することができなくてちょっと申し訳なかったのですが、それでも新規鏡筒購入を一緒に喜んでくれました。

その日のスターベースはお客さんが結構いて、スタッフの方たちは皆忙しそうでした。そんな中、S君が若手のスタッフのM君を紹介してくれました。なんとM君、私の大学の後輩で更に学科まで同じです。大学の天文サークルに所属していて、その中で数少ないマニア組として頑張っているとのこと。天文サークルなんて当時あったかなと思いましたが、妻が大学の学祭でプラネタリウムを作ってた所を見た覚えがあると言うので、おそらく当時もあったのでしょう。学生時代は全く星に興味がなかったので私の方はほとんど記憶がありません。4月から院に進むとかで、そういえば三基光学の店長も同じ大学院だったことを話して盛り上がりました。その後、忙しいにもかかわらずFC100の双眼を覗かせてくれました。またスタベに行く楽しみが増えました。

あと思いがけなかったことが、私の顔を見てSamと知っている方が二人もいて、それぞれ「Samさんでしょうか?」と別々に声をかけられたことです。講演の動画とかで顔が出てしまっているので、天文ショップではもう悪いこととか出来ないですね(笑)。しかもそのうちの一人は、CP+の展示品のSCA260のバージョン2を手に入れられたとかで、同じSCA260仲間です。そういえばシュミットにいるときにCP+の展示品の話になり、FRA300 Proは某Hさんがすぐに購入されたことが皆さん周知のこととなっていて、「SCA260もすぐに売れてしまった」とか話していました。なんとそのSCA260を買った方だったとは。

他にも店長さんとずっと話されていたお客さんがいて、少し聞き耳を立ててみると電視観望で中継のようなことをやってみたいようです。先に声をかけてくれた二人の方とも電視観望について少し話しましたが、スターベースでも電視観望に興味を持ってくれている人が普通に来ているのだなと実感できて、なんか嬉しかったです。その後、電視観望関連で少し用事があったのでスターベースを後にしたのですが、この話はまたいつか。


自宅にて

さてさて、自宅で待つこと数日、とうとうサイトロンから荷物が届きました!

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中身はというと、
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念願の黄色い鏡筒のε130です。ヤッター!!!

実際の撮影までは必要なものがあるのでもう少し時間がかかるかと思いますが、焦らずに進めていこうかと思います。あ、でもその前に電視観望でファーストライトをするかもしれません。

ちなみに、東京から自宅に帰ってすぐに妻には望遠鏡を買ったことを告白しました。こういったことは早ければ早いほどいいのです。今回は事後報告でしたが、何とか事なきを得ました。



過去記事

もし今回の記事が面白かったらですが、よかったら過去の新鏡筒購入時の記事もいかがでしょうか?






星の村スターライトフェスティバル 2016で得た恒例の戦利品です。

今回店舗ブースで購入したものは少ないです。機材がそこそこ揃ってきたことと、電視観望の対応であまり時間が取れなかったことです。いくつか買い逃したものもありました。まずはVixenブースでネジです。

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最近足りなくなってきたので、いい機会でした。Vixenブースでは娘と一緒に行ったのですが、宙ガールシールと宙ガールバッヂをいただきました。

冬が近づいてきて、鏡筒が曇ることも多くなってきたので、ヒーター用にバッテリーを買いました。

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12Vで5Ahだそうです。大きさも手ごろです。ここのものは低温でもよく動くと聞いていたので、ちょうどいい機会でした。

タカハシブースでは鏡筒カバーを購入しました。

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バッグ用のカバーらしいのですが、十分使えるとのことです。S君がブースにいて、星座早見盤を下の子の分も2ついただきました。

直接購入したものはこれくらいで、丸太切り大会の賞品で

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娘が一位になったのでタカハシ提供の非常袋と、タカハシのシールをいただきました。さらに参加賞のペンとバンドエードと切った丸太の一部です。非常袋は抽選会の景品にもなってたものなので、ラッキーだったのですが、抽選会では結局何も当たりませんでした。

一番の大物買いはオークションでした。落としたものは全部で4点。まずはタカハシ2点。いつかはタカハシのあのタカハシです。自分でも初めてのタカハシです。ものは鏡筒とポータブル赤道儀です。鏡筒はFS-60Qのなんとアニバーサリーモデルで、青色ですごくかっこいいです。

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タカハシ本社工場に残っていた最後の一本とのことでした。帰ってから見てみたらシリアル番号に「DEMO3」と書かれていました。

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ここ最近軽量化装備のことをずっと考えていて、FS-60が候補に入っていて、ヤフオクなどでいいものを長いこと探していたので、バッチリのタイミングでした。しかもヤフオクなどより、よほど程度のいいものを更に安く買えたので大満足です。10年の単位で余裕で使えるはずなので、大事にしたいと思います。

赤道儀はポータブル赤道儀に相当するTG-SP スカイパトロールIIでAdvanced VXについで、ついに2台目です。

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このオークションのおかげで、最近ずっと考えていた軽量装備化にやっと踏み出すことができます。まずはタカハシ同士組み合わせて使ってみたいと思います。 将来的はUNITECのポタ赤がコンパクトなので、置き換えることになるかもしれませんが、精度的にはこちらのTG-SPでまずは詰めてみようと思っています。

さらにオークションで、落札ではないのですが手に入れたものは、SBIG社製の初期のCCDのST-7です。

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画素数が38万画素と少ないせいか、最後千円でも不落に終わったのですが、出品者の方と話して同額で譲っていただきました。冷却タイプで、LRGBフィルターも付いていて、そもそも冷却ものも扱ったことがないので、機器としてだけでも魅力です。ソフトも全部付いているみたいなのですが、MS-DOSとか書いてあってソフト関連は相当古いので、いろいろ遊びながら試して活用させていただきたいと思います。

最後は夜のオークションで出ていた糖度計です。

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娘がKyoeiブースまでやってきて「百円ちょうだい」というので、渡したら糖度計に変わっていました。ものはたくさんあって全部百円だったらしいのですが、誰か十円を置いていったらしく、笑い話になっていたみたいです。果物とかは測定できないとのことですが、普通に糖度が測定できるみたいで、百円というのは信じられない値段です。子供の自由研究か何かに使えそうです。これは下の子のお土産になりました。

パンフレット類です。
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参加の証のステッカーももらえました。

最後はライブで出演されたオオザカレンヂkeisukeさんのCDです。

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オオザカレンヂkeisukeさんご本人にサインまでしていただきました。娘は一緒に写真まで撮ってもらっていました。娘が今回の中スターライトフェスティバルの中で一番よかったと喜んでいます。私はまだ聞いていませんが、歌詞を見ると星まつりにふさわしい星についての歌です。


今回は、観望の準備の方が忙しくて手に入れることができた品数はそれほど多くないですが、オークションで落札できたのが相当大物で、しかもかなりお値打ちで落札できたので大満足です。

今回のスターライトフェスティバルの旅は、番外編として後もう少し続きます。 

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