ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:講演

今年も無事にCP+を終えることができました。でも疲れてしまったのか、自宅に着く頃に熱が出てしまい、平日は何日かは休んでいてほぼ寝ていました。やっと今回の記事を書けるくらいに復帰して、週末はこの記事を書いています。


準備

今年のセミナーはCP+の最終日の日曜です。その前日の土曜には、昨年もお誘いいただいた星沼会の方を中心とした飲み会に参加するため、今回は土日での参加になります。その週の平日が結構忙しかったので、セミナーのスライドの準備は前週の3連休の23日までにはある程度終わらせておきました。その3連休は、ほぼ全ての空いている時間を準備に費やすことになりました。解析計算が多くてプログラミングがいくつかあったり、新しいことが多くて根拠を調べるのに時間を食ったりで、普段スライドを作る以上に時間がかかってしまいました。その分「今回はすごいトークになるぞ」という確信が出てきて、Xなどでそれとなくすごそうだということをアピールしてたつもりだったのですが、実際にはいまいち伝わらなかったみたいです。


2月28日(土)横浜へ

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さて、出発は2月28日(土)の朝、新幹線で富山駅から東京に向かいます。この日は早く着く必要はなかったので、各駅停車の「はくたか」で3時間近くかけてのんびり移動します。この3時間はかなり貴重で、ずっと新幹線の中でスライドの最後の微調整をして、気づいたらもう東京の手前の上野でした。東京からは東海道線で横浜まで30分くらいでしょうか。横浜でみなとみらい線に乗り換え、みなとみらい駅に向かいます。

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会場にはお昼ちょっと過ぎくらいに到着、一年振りのCP+会場です。
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手前の入場口から入り、今年は一番奥の方に陣取っているサイトロンブースにまずは向かいます。途中Askarブースでサイトロンの方と少し話して、そのままサイトロンブースに到着。
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スタッフの方に「今年もセミナーに呼んでいただきありがとうございました」とのお礼と、挨拶を一通りしてから、この日は時間的にも余裕があるので会場を一回りします。見て回るのはほとんど天文関連のブースで、多くの方がすでにレポートされていて、それをなぞるような感じでした。特にHIROPNさんの解説がすごいです。もうCP+の詳しいことは今回は他の方に譲るとして、この記事では主に自分のことについて書いておきます。


初日(土曜日)の様子

今年は天文系のセミナーが多くて、あらかじめ聞きたいものを考えておかないと、セミナーの時間が重なったり、セミナーだけで時間がいっぱいになってしまうくらいの充実度でした。サイトロンブースのセミナーの充実度は言うに及ばず、特に今年はVixenブースのセミナーは数が多く、それに合わせて展示スペースも拡大していて、去年にも増して元気な様子が伺えました。DWARFさんのところも星見屋さんが頑張っていて、丹羽さんを呼んでセミナーを多数開いていて人を集めていました。

惜しむらくはサイトロンさん以外はほとんど、本当にごく一部を除いてライブ配信や後日配信がないのが非常に残念です。サイトロンさんは以前のCP+の配信もきちんと残してくれていて、私にとっては後から参照できるとても有効な情報源となっています。ここら辺はまだサイトロンさんに一日の長があると言ったところでしょうか。

私のとっての初日の土曜は、サイトロンのフォトコンテストの裏側と、あぷらなーとさんのセミナーが目的でした。

最初に会場を回っている最中に、通りがかりのDWARFのところででちょうど丹羽さんの話を聞くことができました。丹羽さんは今回4回もセミナーがあり、しかも後から聞いたらどれも違うネタとのこと。これはかなり大変そうです。私はせいぜい一本に集中することしかできない気がします。
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14時40分からのフォトコンテストの裏側ですが、今年もコンテストに残らなかった写真の紹介でした。でももう少し枚数増やしていろんな例を見せてほしかったです。
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セミナー準備中のパネリストさんたち。

あぷらなーとさんのトークは相変わらず鉄板で、テレビショッピングを彷彿とさせる勢いでした。
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面白かったのは、あぷらなーとさんのトークのちょうど反対側のソニーブースでKAGAYAさんがトークをしてたことで、すごい数の人が集まっていました。どなたかが「あっちは一般の人、こっちはマニア」とか言ってました(笑)。この時に気になったのが大型モニターで、あぷらなーとさんの画像が結構輝度と彩度が飛びがちになってしまっていたことです。後からKAGAYAさんと話した時に聞いたのですが、ソニーのモニターのLEDがかなり諧調の高いものを使っているとのことで、コニカミノルタのプラネタリウムのLEDよりも良いかもしれないとのこと。「このモニターで話せたのが良かった」といっていました。天体写真を写す場合はモニターも選ぶ必要がありそうで、特に大きな面積を持つものは敷居が高そうです。今後、高諧調LEDの技術も浸透してくると思うので、将来に期待したいと思います。


スライド確認

この日のメイン作業の一つは、スライドの確認です。18時にその日のイベントは終了になるので、そこからサイトロンスタッフさんと共に、出していいスライドと出しちゃまずいスライドをチェックします。

この時点で、通しでスライドを見せたのである程度の反応は得ることができました。やはり予想した通りかなりすごい反応です。というのも、昨年で太陽の話はもうこれっきりだと思っていて、かなり式などを詰め込みました。一部の好事家にはウケたと思いますが、一般の方にはやはり難解だったかもしれません。今年は式を使わずに同じことを実測で示し、しかも撮影画像と動画がもう見た目にインパクトありまくりなので、一般の人でも十分にすごさがわかってもらえるはずです。実際、星が専門でないスタッフの方からも「すごいのがわかる」と言ってもらえたのは、かなり嬉しかったです。実は土曜も日曜も、会場で会う人会う人に「すごいのが撮れた」と自分から宣伝しまくっていました(笑)。

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スライドチェックを終えた後の人がいなくなった会場。
面白かったので写真に撮っておきました。


恒例の飲み会

スライドチェックが終わってからは、恒例の飲み会です。Aramisさんとあぷらなーとさんと天リフ編集長がその場にいたので、一緒に歩いてお店まで行くことになりました。サイトロンセミナーで話す3人が揃ったので、セミナーを頼まれた経緯や、送られてくる機材を使う時間がなかなかとれないこと、ネタが厳しいなど、ぶっちゃけ話ができて楽しかったです(笑)。

飲み会は星沼会の方達が仕切ってくれていて、特にぐらすのすちさんが幹事を引き受けてくれていてありがたかったです。この飲み会はだんだん同窓会のような雰囲気になってきていて、年1回顔を合わせて話せるのがとても楽しいです。「ほしぞloveログの記事が長すぎて昼休みの間に読みきれない」と苦情を言われたり(笑)、ノイズと分解能の話で盛り上がったり、普段ではなかなか会話にすらならないことを平気で話すことができます。同好の士とは本当にこのことです。

宴もたけなわですが、明日のこともあるのと、今日スライドチェックしたことを少し直したいので、横浜スタジアムの近くに撮ったホテルに向かうために、みなとみらい駅へ移動し電車に乗って最寄り駅までいきます。少し夜食を買って、ホテルの部屋で最後の画像処理とスライドの手直しです。動画の処理だったので少し時間がかかってしまいましたが、それでも0時前くらいには全て終えることができ、眠りにつきました。


3月1日最終日

2日目の朝、7時頃には目が覚めたので、ホテル泊についている朝ごはんを少し食べてからCP+会場まで移動します。このホテルのいいところは、CP+会場のパシフィコ横浜までのシャトルバスを出してくれることです。去年たまたま泊まったのですが、朝の移動がすごく便利だったので、今年もまた同じホテルにしてしまいました。CP+会場の1Fのキッチンカーが出てるところくらいまで行ってくれるので、歩く距離が短くなってかなりラクです。というのも、会場がかなり広くてしかも夢中になって何往復もするので、疲れてしまうんですよね。しかも今年はセミナーが午後遅くなので、それまでにできるだけ体力は残しておきたかったので、このバスの存在は結構ありがたかったです。

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バス移動の途中の景色。豪華客船「飛鳥II」(多分)と赤レンガ倉庫が見えます。

この日もセミナーと、前日見切れなかったブースと、毎年なぜかあまり見ない大手ブースをさらっと見ることで時間は過ぎていってしまいます。

セミナーは午前10時30分からのサイトロンのSJH-75UFの傳甫氏の話が以前も素晴らしかったので楽しみだったのですが、なんと電車が一部ストップでご本人が会場に来ていないとのこと。結局午後1時からに時間変更で、無事に聴くことができましたが、もう性能的には素晴らしいの一言です。重要なことは、設計でいくらいいものができて、実際にそれをモノとして作ること、さらに量産するということは全く別のことです。セミナーでは工場とのやりとりや調整の話にまで踏み込んでくれていて、しかもその後傳甫氏ご本人様にもさらに個別に話を聞くことができて、その方針にとても共感できました。望遠鏡設計では間違いなく日本でトップクラスの方ですが、やはり筋金入りの技術者は理論も実践も兼ね備えているということを感じることができました。出身が物理というのがまた興味深いです。

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お昼12時のセミナーは迷いました。VixenブースのそーなのかーさんとサイトロンブースのAramisさんです。結局最初そーなのかーさん、途中からAramisさんと移動することで、両方とも雰囲気だけつかもうという作戦です。最近の屈折はもうどれをとっても十分な性能に思えてしまいます。星像に関しては私くらいの目ではもう四隅まで十分です。しかもSDP65SSもNAKOH 60GTも十分現実的な値段、特にNAKOHは当日の値段発表だったのでしょうか、かなりビックリな価格です。このクラスは群雄割拠ですが、ユーザーとしては選択肢が増えるのはありがたいでしょう。

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でも、Aramisさんの話で途中から気になってしまったのは表示されているモニターのことです。昨日のあぷらなーとさんのトークの時も、スライドテストでも気になっていたのですが、どうもかなり強いシャープ処理をかけているみたいで、ノイズや格子模様があらわに見えてしまうのです。太陽は基本単色なのでサイドの方は私的にはそれほど問題ではありませんでしたが、シャープネスの方はその場で見ると少し印象が違うかもしれません。
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順番的にはAramisさんのセミナーが終わって、傳甫氏のセミナー、続いて成澤さんのセミナーでしたが、成澤さんのセミナーの間に、頭を冷やすために一旦外に出て座って少し休憩をとりました。成澤さんすみませんでした。少し寝てしまって、目を覚ましてからサイトロンブースに着いたのは、ちょうど成澤さんのトークが終わった後くらいで、まだ成澤さんが残っていた人と対応していた頃でした。ちょっと早めでしたが、私も準備を始め接続まで完了します。PixInsightでの動画もどきの表示をするので画面の大きさの設定を最終確認します。


いよいよセミナー本番

セミナーは日曜日の最終に近いということで、どれくらいの方が来てくれるか心配でした。「面白い話になる」と会場で宣伝はしておいたのですが、それがどこまで効くのか?

最初はそこまで人が多くなかったかと思います。でも、トークを終えて改めて見てみると、かなりの人数が目の前にいました。途中から面白かったのかわかりませんが、マイナーな太陽の話でこれだけ人が来てくれれば十分でしょう。

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40分のセミナーで結局45分くらい話してしまいました。最後にいくに従って盛り上がるような構成で、後半の皆さんの反応は話しながら見ていても明らかに「オぉー」という感じだったので、5分くらいの遅れは許していただければと思います。


本番後の反応

セミナー終了後は質問もいくつかありましたが、今回の話は面白かったと知っている方も知らない方からも、何度も声をかけられました。やはり黒点の3分周期振動は相当インパクトがあったようです。片付けをして、気づいたらすでに16時半はとうにすぎていました。最終日は17時でイベントも終了ということと、多分ですがかなり疲れてしまっていて、サイトロンのスタッフの方に挨拶をして、そのまま会場を後にしました。帰る途中で、DWARFブースで片付け中のだいこもんさんに会ったのですが、どなたか太陽トークを聞いてくれた方から話を聞いたみたいで「やばかったって聞きましたよ。後で配信みます。」と言ってもらい、その後Xで大きく宣伝していただきました。

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帰りの電車の中でXのセミナー時の反応を見ていたら、トークの途中から何人かの方が書き込んでいてくれて、いずれも「すごかった」とか「必見」とか「圧巻」とか、とてもありがたい言葉であふれていましした。一部感想を書いておきます。
  • じろーさん:「黒点振動、凄い…開いた口が塞がらない…」「黒点震度、初めて見ました。まだ興奮状態です…」
  • M87JETさん:「ヽ(´▽`)/ なんという強烈な動画でしょう!」
  • 銀狐さつきさん: 「太陽を撮影しない私が見ても驚愕の映像でした」
  • にゃーとんシュガーさん:「今回のSamさんのプレゼンで「よし!太陽チャレンジしてみよう」って方も出てきそう。」 
  • 智さん:「タイムラプス映像が凄くて、これだけでも来た甲斐があった」
  • mizunangさん:「さて、CP+に行こう。」「samさんのセミナーセッション聞きたくて」
  • yagiさん:「思わずヘリオスター100Haっていくらだったっけ?って確認に行ったら在庫切れでホッとしましたw」
  • moleculeさん:「他数枚の中からの精鋭画像の選択で、精細さが際立っていたと思います。」
  • Sunstar24225さん:「いろいろなご考察とその成果の素晴らしい映像、本当に感動いたしました。」
  • Hiroponさん:「「Samさんマジヤバクね?」というのが第一印象(笑) あそこまで精緻な太陽面を描写できるヘリオスター100Hαはもちろんすごいのだけど、その潜在能力を引き出すSamさんがやっぱりマジヤバイw 黒点の振動なんて初めて見た。」
  • mituさん:「予想の斜め上の黒点の周期振動でございました。初めてそういったものがあるんだという驚きで、帰りの電車で「うん、実際に現地に行ってよかったな」と思ってました。」
  • NEST:AQUAさん:「太陽でもこんなにシーイングの影響があるものなんだと気付かされた素晴らしい配信でした!」
と、大反響と言っていいかと思います。「数式がない」と苦情)が来ていたので(笑)、来年もし話せるなら今度は式だらけにするかもしれません(笑笑)。

帰りの移動の途中で頑張って返事をしていましたが、新幹線でどうも寒気がして、自宅に帰ってから熱を測ったら38度で、その後3日ほど寝込んでいたので、返事を返せなかった方もいたかもしれません。申し訳なかったです。

当日会場で聞いていただいた方、ライブもしくは後日配信を見てくれた方、Xなどで感想を書いてくれた方、本当にありがとうございました。今回のセミナーはかなり盛り上がり、大成功だったと思います。

サイトロンさんには機材の貸し出しから、撮影時にも色々気を使って連絡を取っていただいたり、当日の会場準備、セミナー本番のサポートと、さまざまな面でお世話になりました。ここで改めてお礼申し上げます。

セミナーは天リフさんの協力で同時ライブ配信されました。この配信は残っているのでよろしければまたご覧ください。太陽画像の細かい違いを見るのがポイントなのですが、この配信で十分に見比べることができますし、目玉の黒点振動も綺麗に見ることができます。


残念ながら、その場の雰囲気みたいなのは配信にはさすがに残っていませんでした。その時の「オォー」とかいうようなのは、やはり現場ならではなのかと思います。Xで「黒点振動の画像を見えただけでも会場に来た甲斐があった」というような投稿もあったので、もし次回機会があれば、ぜひ会場にお越しいただき雰囲気を共有できればと思います。


今後CP+の補足記事を書く

今年のトークのためにかなりの数の新しいことに挑戦しました。少なくともこれまでブログ記事で触れていないことが以下に示すくらいあります。
  1. ヘリオスター100Hαのエタロンの応答を、実測した。
  2. 白いモヤモヤが何か判明した。
  3. 大口径太陽望遠鏡で、シーイングの時間変化を評価してみた。
  4. シーイングを分類し、画像で見比べてみた。
  5. 黒点の3分間振動が見えた。振動が広がっていく様子もはっきり見えた。 :ヘリオスター
くらいでしょうか。去年のトークで、フェニックスの撮影画像はCP+本番で初出しして、その後ブログ記事にはしていなかったことがあり、配信を見なければわからないなど、少し反省点がありました。今年は、少なくとも新しいことについては詳細を含めてブログの記事にしておこうと思っています。


写真

最後に、記録がてら撮った写真です。天文関連以外が多いです。

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この碑文を見るたびにCP+に来たことを実感します。

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奥に写っているのが去年展示されていたもので、手前が今年。

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話題のMiru MOONです。
Vixenがこういうのを出すということに意義があるのかと思います。

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セレストロンが独立してブースを出していました。
技術の方に聞いたら、赤道儀もフルラインナップで販売しているそうです。
手持ちの赤道儀もとりあえずサポートはしてくれるとのこと。

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今年も新刊の第4巻を書って、恒例のシールをいただきました。

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学生の写真部やサークルがずーっと一列で並んでいました。

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こちらは高校生。

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ポストC8になり得るのか?

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太陽望遠鏡3種。ヘリオスターはCP+直前に送り返したものです。

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相変わらずここのアルミ板への印刷は綺麗です。数十年は平気で持つとか。

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アルカスイスって、もっと細いバージョンもあるんですね。

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こういった自分の写真集を出すのってもっと需要がありそうな気がします。
見せたもらった一番安価なものはパンフレットのようなものだったのですが、
背表紙をつけて本のようにできるなら、
ずっと写真を撮ってきた人にとっては記念の本にまとめたくなると思います。

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Docとの記念写真です。

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子供が楽しめるようなものも少しあります。



CP+2025のサイトロンブースでのセミナーですが、太陽Hα望遠鏡についての話で話で、特に心臓部のエタロンについてはかなり凝った内容になっていたかと思います。すでにアーカイブ配信で当日の様子が視聴可能になっていますが、少しわかりにくいところもありますので、今回補足として記事を書いておこうと思います。


トークの構成

まずは実用上役に立つように、配信に対しての補足記事を書きます。配信はここにアップロードされています。

トークの構成は、
  1. 0:30~ イントロ
  2. 2:40~ Hα太陽望遠鏡「フェニックス」の紹介
  3. 5:05~ 太陽観察について
  4. 9:36~ 太陽Hα撮影について
  5. 13:21~ 太陽Hαの画像処理について
  6. 21:08~ エタロンの解説
  7. 38:35~ フェニックのエタロンの評価
  8. 41:27~ 最近のSharpCapを使ったライブスタックとリアルタイム画像処理
  9. 43:40~ SharpCapを使ったタイムラプス撮影
  10. 45:28~ カメラと分解能
  11. 48:18~ まとめ
  12. 49:35~ 質問
 などとなっています。


エタロンの式についての補足

最初の補足は、一番難しいと思われるエタロンの式についてです。スライドの27ページからで、配信では31分10秒くらいからになります。式の上に書いてある図なのですが、実はこれ、本番直前に図をわかりやすくしようとして書き換えていて、それが仇になりました。その時の自分の様子を改めて配信で見てもわかりますが、エタロンの式を書いてあるページに来て「えっ??」と話が止まってしまいました。式に書いてある変数を表す文字が図の名からすっぽり抜けてしまっているのです。

というわけで、図が入っている26-28ページを再掲載します。

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本来はここで少し式の解説をする予定でした。実際、図を追っていけば左の式は特に難しいことはなく、\(E_\rm{b} \), \( E_ \rm{c} \), \( E_ \rm{d}\)は一つの光を一つ前の光で表しているだけです。難しいのはEaだけで、入ってくる\(E_ \rm{in}\)と\(E_ \rm{d}\)が折り返す2つの光で書かれています。式を解くのは、\(E_ \rm{c}\) 、\(E_ \rm{b}\)と代入していって、\(E_ \rm{d}\)を\(E_ \rm{a}\)で表し、最後の\(E_ \rm{d}\)を最初の式に入れるだけで、多分中学生くらいで解ける連立方程式です。

すると真ん中に書いてある式になるので、あとは\(E_ \rm{a}\)について解くだけで、\(E_ \rm{a}\)は右の式のようになります。\(E_ \rm{a}\)が出れば\(E_ \rm{b}\)も同じなので、\(E_ \rm{out}\)も簡単に出ます。

ここで注目して欲しいのは、右の式はどれも分母に\((1-r_1 r_2)\)を持っていることです。このように自己繰り返しするような系では、一般的に分母に似たような式が出てきてきます。\(r_1\)も\(r_2\)も1に近い数値が入るので、分母は0に近い数になります。ということは、0に近い数で割ることになるので、エタロン内部では光は増幅されます。これは光が折り返していることと同義です。

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1ページ目では意識していませんでしたが、これらの式は光の「振幅」を表しています。振幅を2乗すると「強度」になります。なので、\(r_1\) , \(r_2\)は光の振幅に対する鏡の反射率、\(t_1\) , \(t_2\)は光の振幅に対する鏡の透過率です。そのため強度で考えた\(r_1^2+ t_1^2=1\)や\(r_2^2+ t_2^2=1\)は成り立ちますが、振幅のままの\(r_1+ t_1=1\)や\(r_2+ t_2=1\)は成り立たちません。

ここでは同じ鏡を2枚用意する場合を考えて、\(r_1\) と\(r_2\)をともに\(r\)、\(t_1\)と\(t_2\)をともに\(t\)としてしまうと、\(r^2+ t^2=1\)が成り立ちます。そうすると\(E_ \rm{out}\)の分母は\(1-r^2\)となって、それは\(t^2\)となるので、分子の\(t^2\)と打ち消し合って\(E_ \rm{out}= \)\( E_ \rm{in}\)となります。すなわち、2枚の鏡を同じものとした場合には、エタロンで共振した光はすべて接眼側に抜けるということを意味します。波長Hαの光(と共振する櫛状の波長)だけは「全て」透過し、他はエタロンで反射してしまうということです。

一般的にファブリーペロー共振器は2枚の鏡で違う反射率、透過率のものを使うことが多いのですが、太陽望遠鏡のように必要な光をもれなく使うという観点からいくと、この「全て」通り抜けるという条件、同じ鏡を2枚使うということは重要になります。製造工程からも同じものなので有利なはずです。

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ここまでは光がちょうど折り返す場合のみを考えていましたが、その条件だとどれくらいの幅で光を通すかという一番知りたい情報がまだ出てきません。そのため、ここではちょうど折り返す場合以外のことも見るために、光に位相の情報を加えて考えます。ここでは対象波長がFSR(櫛と櫛の間の幅) Δλの何倍変化するかを\(x\) とおいて\(2\pi\)をかけてやるので、位相となります。その前に2をかけているのは、光は往復するので、半波長がの整数倍になればいいというところからきています。

ここで出てきた\(E_ \rm{out}\)の式を2乗すると、かなり複雑になるので今回のトークでは示しませんでしたが、
\[|E_ \text{out}|^2=\frac{T^2}{(1-R)^2}\frac{1}{1+ \frac{4R}{(1-R)^2}\sin^2(\Phi/2)}\]
となります。ここで\(t^2\)を\(T\)、\(r^2\)を\(R\)としています。この式をプロットしたのが、次の29ページのグラフになるというわけです。

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今回はこのグラフからフェニックスのエタロンには強度反射率15%、強度透過率85%程度の鏡が2枚使われていることがわかります。

でも実はこんなグラフを書かなくても、もっと簡単に反射率と透過率を求める方法があります。まず、下に示すP24に書いていたように、今回メーカーからFSRが1.07nmという情報を得ることができました。
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また、透過幅が0.6Å以下ということもわかっています。ここで、元々あるFSR \(\Delta\lambda\)がどれくらい狭められ透過波長幅 \(\lambda_\rm{FWHM}\)になったのかの比「フィネス」を考えます。透過波長幅の添え字のFWHMはFull Width Half Maximumで「半値全幅」を表し、最大値の半分の値になるところの幅という意味です。フィネスは日本語では「鋭さ」という意味で、ファブリペロー共振器の性能を表すパラメータの一つです。今回は1.07/0.06=19となり、これをフェニックスのエタロンの「フィネス」と考えます。フィネスはファブリペロー共振器の性能を表す重要な指標の一つです。

フィネスは、今回証明は省きますが、
\[\frac{\Delta\lambda} {\lambda _\rm{FWHM}} =\frac{\pi \sqrt{r_1 r_2}}{1-r_1 r_2}= \frac{\pi r}{1-R}\]
と書くことができます。2つ上の図の中の薄い色の字で書いてありますが、これが19となるので、\(r\)は1に近いと考えて、\(R\)について解くと強度反射率が0.85となり、また\(R+T=1\)の関係から強度透過率が0.15となることがわかります。

さらに、フィネスと折り返し回数は比例関係にあり、その係数は\(2/\pi\)になります。すなわち、フィネスを1.5で割ったものが大体の折り返し回数になるわけです。今回は19/15~12回程度でしょうか。ただしこれは片道なので、往復だと6往復すると考えることができます。

さらにさらに、フィネスが
\[\frac{\pi r}{1-R}\]
と書けて、折り返し回数(片道)はその\(2/\pi\)なので、往復の回数はさらにこれを半分にすると結局、
\[\frac{r}{1-R}\]
と書くことができます。ここでも\(R+T=1\)の関係があるのと、\(r\)は1に近いと考えると、結局は折り返し回数は
\[=\frac{r}{T} \sim\frac{1}{T}\]
と簡単になり、強度透過率の逆数となります。言い換えると、折り返し回数か強度透過率のどちらかを知っていれば、どちらかはすぐに求めることができるというわけです。

というわけで、FSRと透過幅、鏡の反射率と透過率、フィネスと折り返し回数は密接な関係にあることが理解できたと思います。と、こんな話をトークの中でしようと考えていたのですが、図の中に文字を入れるのを忘れてしまい、頭が真っ白になって説明を全部すっ飛ばすことになってしまいました。でも上の説明をトークの中でしようとすると完全に時間オーバーになったと思うので、ちょっと悔しいですが結果的には良かったのかもしれません。今回この記事では、トークで話そうと思っていたことよりもさらに詳しく書いてあるので、興味がある方は上の話を丁寧に追ってみてください。かなり面白いと思います。

ここまでのややこしい説明をかなり簡単に、概念的に説明したのが、25ページになります。

透過率があるために一回反射するごとに透過率分だけ光が逃げていくというものです。この場合の透過率は強度透過率ですね。例えば透過率10%なら、一回反射するごとに10%光が逃げていき、10回くらい繰り返したら光は0になりので折り返し回数は10回、例えば透過率1%なら、一回反射するごとに1%光が逃げていき、100回くらい繰り返したら光は0になるので折り返し回数は100回というものです。これはかなりオリジナルな説明で、こんなふうに簡単に説明しているところはあまりないと思います。私が知っている限り、大型のファブリペロー共振機を使っている研究者が同じような説明をしているようです(笑)。

実際には前の鏡と後ろの鏡で逃げていくこと、光が0になるためには倍くらい折り返さなければダメだということもあるので、折り返し回数はこの簡易説明の通りにはなりませんが、オーダー的には間違っていないのでこれでいいでしょう。これに対する答えとしては、両側に同じ強度透過率\(T\)の鏡に挟まれたエタロンだとして、折り返し回数は往復で約\(1/T\)回となることを、すぐ上の最後で示したわけです。


SharpCapの進化

次の補足ですが、反響がかなり大きかったSharpCapでのリアルタイムでの太陽スタックと細部出しの画像処理についてです。配信動画の41分27秒、71ページからになります。実際の操作は動画の方を見ていただいた方が動きがわかるのでいいのかと思います。

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まず、保存動画の再生ですが、serファイルも選択できるので本来読み込めるはずのかと思いますが、私の環境ではダメでした。なのでSerPlayerというソフトで、全コマtiffファイルに変換して、それを読み込むことにしました。もしかしたらただのバグかもしれないので、そのうちにser形式も直接読めるようになるかと期待しています。

SharpCapでのリアルタイム処理はすごいですね。惑星のリアルタイム処理機能が搭載されたのが2023年の11月、次の月の12月には太陽と月に対応しています。今では位置合わせとライブスタック、細部出し、擬似カラー化、プロミネンスなどの周辺部の強調などが実現されています。

セミナーではあまり話せなかったのですが、位置合わせも何通りかあり、かなり強力です。基本的にライブスタックは位置合わせ前提なので、ライブスタック開始と同時に画面内でのソフト的な太陽の位置合わせが実行されます。これもシングルポイントやマルチポイントなどオプションが選べるので、試してみてください。私の環境ではシングルでもマルチでもあまり差はなく、両方ともうまく動きました。でも雲が多少でも邪魔し出すと位置合わせがずれてしまうようで、この状況もシングルもマルチでもあまり違いはありませんでした。あと、雲が出だすとプロミネンス強調が突然、見かけ上オフになったりすることがありました。なので、よく晴れている時以外は多少動作が変になることがあるようです。

タイムラプスする時には、長時間で位置合わせが必要になります。ライブスタックでの位置合わせ以外にも、もう少し大きな枠での位置合わせがあり、例えば「ツール」の中で「フィーチャートラッキング」というのが選べます。これは特徴的な形を見て架台に信号を出してハード的に追っかけるのですが、太陽の全景が画面内に入っていると結構うまくいきます。ただ、たまに間違えてどんどんずれていくことがあるので、長時間だとそこまで信用できません。もう一つ、同じく「ツール」から「太陽/月フレーミングアシスタント」という位置合わせがあります。これは昼間に赤道儀の極軸や、自動追尾経緯台でも精度が出ない場合の補正のような感じなのですが、ずれていく画像を手で追っかけて、その情報を元に補正をかけるようです。でもいまいち私も仕組みを理解していません。何もしないよりは、この太陽/月フレーミングアシスタントを使った方が長い時間追えるのですが、ライブスタックと相性が悪く、こちらもいまいち信頼が持てません。

一番良かったのはオートガイドで有名なPHD2の太陽版です。トークの中でちらっと話しましたが、1年くらい前に話題になったもので、こちらはかなり確実に太陽を追ってくれます。

まだベータ版扱いのようで見つかりにくいのですが、ここからダウンロードできます。


今回は詳しい説明は省きますが、興味がある方は一度試してみるといいかと思います。ちなみに、フェニックスのように太陽の全景が見えている場合は、メインのカメラをPHD2で同時に使うことでカメラを1台で済ませることもできました。ただし、ゲインや露光時間の設定を互いに取り合うので、SharpCapで合わせてPHD2はそのまま設定はいじらずなどの工夫が必要です。基本的には別途ガイド鏡に太陽フィルターをつけ、別途カメラを用意するのが真っ当です。


エタロン回転角

エタロンの回転角に関しては少し自信がなくなってきました。手元にあった時に確かめた範囲では、エタロンは60度動きました。でもトークが終わってから改めて会場でHeriostarとフェニックスのエタロンを触っていたら30度しか回らないように見えました。

使っていたフェニックスはすでにサイトロンにお返ししてあり、CP+会場で当日展示されると聞いていました。でも会場のフェニックスを見る限り、私が使っていたエタロンとは思えないような黒いペンのようなマーカー跡がいくつもありました。これを見る限り私が使っていたものとは違うようです。私が使っていた60度回るのと、会場で見た30度回る、少なくとも二つのバージョンがあるのでしょうか?

いずれにせよ、トークの中でHαの中心波長から0.5Å離れたと推測したところまで、4枚の間の画像を撮影して示したという事実は変わりません。ただし、もし私の勘違いで実際に使っていたものが30度しか回転しないとしたら、プレゼンの中で太陽画像と共に示した回転角は全て半分になります。いずれにせよ、60度もしくは30度を「15段階で撮影した」ということは同じです。


質問について

最後の補足は質問に関してです。最も壊れやすいところはどこかとの質問があったのですが、ERFと答えました。その際、壊れても別の部品で代用は効くと答えたのですが、これはまずかったと反省しています。

そもそも眼視の太陽望遠鏡は大原則、何か壊れたら代理店またはメーカーに問い合わせるべきです。メーカー純正以外の部品では気づかない、もしくは見えない非可視光域での漏れ光がないはと限りません。眼視の場合は最悪失明の危険があるので、メーカー純正以外の部品は使うべきではないと思います。

そうはいっても、天文という分野が機器の工夫で進化してきたことを考えると、自己責任において他のメーカの部品を使うという自由はあるかと思いますが、太陽は本当に危険なので、自己責任といえどもくれぐれも安全に気をつけて頂きたいです。少なくとも使う部品の仕様がわかないなら、カメラでの撮影ならまだしも、失明の危険がある眼視用には使うべきではないというのが大原則だと思います。


今回のトークの話が来た時

元々、今回の話を持ちかけられたのが、昨年の11月くらいだったでしょうか。でもその時点では何をネタにするかは決まってませんでした。いくつかアイデアは出ていましたが、他の講演者とネタが被る可能性もあるので、なかなか決まりません。

11月末くらいでサイトロンのスタッフさんから太陽はどうでしょうかというアイデアが出ました。サイトロンとしてはフェニックスが結構売れているので、そこを後押ししたいような意図があったのかと思います。私の方はというと、なかなか理解され難いHαフィルター、すなわちファブリペローエタロンの理解が深まるのではという目論見が出てきました。そもそもサイトロンのスタッフさんも「透過波長幅がどうやって決まるか知らない」と言うので、「是非ともわかりやすい解説を聞いてみたい」とのことでした。

ところがフェニックスが届いたのが年末の12月30日くらい。北陸の冬の天気は全く期待できなくて、結局最初に撮影ができたのは年が明けてしばらく経った1月18日でした。太陽撮影は昼間なので、休日に晴れてくれないと撮影できなくて、もう全然進みません。結局撮影できたのはわずか4日間で、いずれも快晴というわけではなく、雲もそこそこあった日でした。長時間の撮影は全くできず、最長で連続して撮れたのがトークの中でも見せたタイムラプスの30分でした。少なくともあともう一日撮影日があれば、もう少しまともなタイムラプスになったかもしれません。

撮影を進める中で、サイトロンスタッフの方に最近のSharpCapの進化を見せたらどうかと提案しました。SharpCapの惑星と太陽のライブスタックとリアルタイムの細部出しの機能はもう1年以上前に搭載されていて、実際かなりすごいのですが、惑星でも太陽でもこの機能を使っている人はそこまで多くないようです。せっかくなので太陽撮影がここまで簡単になっているということをまとめてもいいのではないかということになり、トーク最後の方に追加したのですが、「こんな機能があると初めて知った」など、ここも反響が多かったところでした。


今回の太陽セミナーの意義

ところで、今回のセミナーでどこまで話すかかなり迷いました。いろいろ考えて出した結論は、エタロンの説明をできるだけしようということです。

私が星を初めて1年くらい経った2017年に、福島のスターライトフェスティバルで何種類かの太陽望遠鏡を同時に見せてもらいました。その時だったか、その前だったか覚えていないのですが、Hα太陽望遠鏡の原理が光共振器であるファブリペローエタロンだと太陽望遠鏡を持っている方から聞きました。ファブリペロー共振器に関しては比較的馴染みが深かったので、私にとってはある意味「何だ、そんな利用の仕方をしているのか!」とある意味驚きでした。ところが、アマチュア天文家の、それもかなり太陽に詳しいというような方と話しても、実はエタロンの原理そのものについてはほとんど知られていないようなのです。少なくとも当時も、また今現在調べてみても、太陽望遠鏡のことを日本語で原理を書いてあるようなホームページなどはほぼ皆無です。代理店やメーカーのページを見ても、ごくごく定性的な話はしているところも見つかるのですが、数値的に説明してあるところはやはり皆無です。

そもそもとんでもなく高価なHα太陽望遠鏡に辿り着くような人は、アマチュア天文家の中でもある意味行き着いたような人が多いです。そんな興味があるであろう人たちが、原理を理解できないような状況というのはあまり好ましくはないのではと、ずっと思っていました。ほしぞloveログの中で機を見て何度か説明はしているのですが、まとまっていないのでブログ記事だけではなかなか伝わりにくいようです。

なので今回は非常にいい機会と捉えました。CP+のサイトロンの講演は、多くのアマチュア天文家の方に注目してもらえます。しかも動画配信が残るので、あとで繰り返して見ることもできます。当然、講演内で複雑なエタロンについて全ての説明をするのは無理なので、今回は「エタロンというきちんと理屈があるものが働くことで、Hα線が見えるようになる」ということを広く知ってもらうのを目標にしました。しかもそれを定性的なお話だけではなく、きちんと定量的にも根拠があることを示して、実際にHα線が数値として見えるということ理解してもらうことも目標としました。その場で式や数値を全部を追ってもらうのではなく、後の配信もあることを前提にして、興味がある人が後からでいいので、より深い理解を得られるような話にしようと決意しました。


まとめ

事前の難しすぎるのではという心配をよそに、セミナーの後はかなりの反響がありました。そもそも太陽に行き着く人はある程度嗜んだ人が多いので、興味が尽きないのかと思います。セミナー直後も、その後の会場で会う方からも多くの質問がありました。SNSなどでも質問や面白かったというコメントをいくつもいただきました。

フェニックスで見る太陽の楽しさは、太陽未経験の人にも伝わったようで、早速フェニックス欲しくなったという話を直に何人かの方からか聞きました。太陽Hα望遠鏡としては入門用の値段設定で、かつ聞いている限りフェニックスの性能にばらつきが少ないというのは、これまでの太陽望遠鏡からは明らかな進化だと思います。技術向上で、いいエタロンが実現できているからかと思います。太陽活動期の真っ最中なので、今は始めるのに本当にチャンスかと思います。

あと、反省点として話すときはマスクを取れば良かったと思いました。

今回のセミナーで、太陽に興味を持ってくれる方がでて、太陽Hαで見る人が増えてくれると嬉しい限りです。

また、今回のトークやこの補正記事でここがわからないとか、ここをもっと解説してくれなどというリクエストがある方は、コメントに書き込んでください。答えられる範囲で答えたいと思います。

毎年恒例の振り返りと目標です。年末は忙しいので、たいてい1月末か2月初めに書いてます。去年のまとめ記事はここにあります。


2024年はゴールデンウィークに体調を悪くして入院してしまい、趣味の天文活動も大きく制限されてしまいました。そんな状況の中、何をどれだけできたのか、振り返ってみます。


機材

RedCat51

機材はほとんど更新してません。相変わらずSCA260とε130Dがメインです。そんな中、唯一の新機材が、所属のローカルなアマチュア天文グループの当時の会長が亡くなったときに格安で譲り受けたRedCat51でしょうか。手軽な短焦点鏡筒を狙っていた時にちょうど手に入れることができました。RedCat51は何世代か発売されていて、手に入れたのは初代のもののようなのですが、特に不満もなく、というか十分すぎるほどの星像の鋭さと、さらに手軽さもあって、SWAgTiに載せて使っていて、相当な稼働率になってきています。


SWAgTi

新しい機材というわけではないですが、2023年から着実に進化しているのがSWAgTiです。SWATにAZ-GTiを載せて、SWATの高精度追尾と、AZ-GTiの高機能のいいとこ取りをしていて、オートガイド無しで気軽に長時間撮影できるものです。2024年は、ついにオートガイドなしでディザリングを実現することができ、これで長時間撮影で出てくる縞ノイズを撃退しています。撮影ソフトの対応が鍵になっていて、最初はSharpCapでやっていました。


後にNINAでもガイドなしディザリングができることがわかり、今ではプレートソルブなどで簡単に導入し、数時間以上の長時間撮影が安定してできるようになっています。


極軸微動ユニットも装備して、シンプル構成を壊さない範囲でハード的にも少しずつ進化しています。


このセットアップ、あまりにも手軽に十分すぎる精度が出るので、最近は軽い鏡筒は全てSWAgTiに載せています。テスト撮影でM27: 亜鈴状星雲を長時間露光で羽付きで、さらにテストでM20: 三裂星雲、その後実撮影で紫金山アトラス彗星、NINAに撮影環境を移してからはパックマン星雲馬頭星雲と燃える木M31: アンドロメダ星雲M45:プレアデス星団と短期間に数をこなしています。

RedCat51とSWAgTiの簡単セットアップで撮影したものが、過去に本格的な機材で撮ったものにどこまで迫れるのか、全部撮り直したくなってきます。


2025年の目標

昨年の目標で
  1. SCA260(1300mm)+ASI294MM Pro(マイクロフォーサーズ) = 2380mm (フルサイズ換算) 
  2. ε130D(430mm)+ASI6200MM Pro(フルサイズ) = 430mm (フルサイズ換算)
の間の焦点距離を探ることを考えていましたが、結局ほとんど進展無しです。鏡筒とカメラの組み合わせを入れ替えるのが一つのアイデアですが、ホコリが入るのと、フラットの取り直しが嫌で、結局躊躇しています。SCA260については、2024年夏くらいに申し込みがあった内部のバッフル交換のアップグレードサービスでカメラを外して以来、いまだにカメラを外しっぱなしなので、この機に大口径を生かして何かできないか、一つアイデアを考えています。自宅の光害地での撮影が基本なので、できるだけ明るく撮影したいという方向なのですが、また試してうまくいったら報告したいと思います。

撮影鏡筒の数を増やすことも考えていたのですが、撮影用の鏡筒と考えるとカメラはつけっぱなしで外したくなくなるので、カメラも追加が必要になりそうです。本格的にはフィルターを使いたいので、モノクロカメラに、EWFとLRGBとナロー3種と、かなりの金額になってしまいます。それよりも今使っているRedCat51では、カメラは取り外しも変更も自由にしていて、基本カラーで楽なので、これとうまく組み合わせることで運用できたらと今は思っています。

あと、機材というよりは画像処理になるのですが、モザイク撮影も焦点距離の間を繋ぐ一つの方法です。例えば上のSCA260+ASI294MM Proで4枚モザイクをしたら焦点距離1200mm相当になります。モザイクはこれまで少しだけ試したことがるのですが、画像間の接続があまりうまくいかなくて今までのものは全部お蔵入りにしてます。PixInsightのMGCがリリースされたので、画像間の補正をうまく調整できるかもしれません。とりあえず、お蔵入り画像を引っ張り出してきて再処理してもいいかと思っています。

いずれにせよ、焦点距離のバリエーションを増やすというのが課題です。


撮影

2024年に撮影した画像に関しては、既にここにまとめておきました。


上記記事の最後に、まとめとして考えていることはある程度書いたので、ここでは彗星についてのみ書きます。紫金山アトラス彗星は短期間でここまでの大彗星になるとあまり思ってなかったので、自分的にはギリギリになって盛り上がってきました。今回は特にアンチテイルの中にネックライン構造と呼ばれる、まっすぐな鋭い輝線が見えたのが面白かったです。さらに、核の拡大撮影でLarson-Sekaninaフィルターを適用し、回転と見られる構造が浮かび上がってきたのも面白かったです。何年かの一度の大彗星自体がチャンスで、それ自身ももちろん面白いのですが、今回の彗星撮影では単に写すだけでなく、そこからこれまで見たことがなかったものが現れてくるものあるというのが分かっただけでも、得るものが多かったです。


目標

体調もある程度は戻ってきているので、2025年はもう少し撮影チャンスを増やせたらと思っています。SWAgTiでの簡単撮影と、SCA260やε130Dでのフィルターを駆使した長時間本格撮影という二極的な方向はそのまま続けるのかと思います。特に簡単撮影の方は枚数も稼げるし、画像処理も簡単だし、楽しいしで、こっちの方がメインになるのかもしれません。本格撮影は自宅撮影だとどうしても光害で限界があります。あまりに淡い天体では、明るい自宅での撮影は意味がないと思えてきたので、その場合は遠征を考えますが、これは体調と相談してになるのかと思います。自宅からも狙えるような、そこまで淡くない分子雲などは楽しそうなので、もう少し進めていこうと思います。


画像処理

2023年のスパゲッティ星雲くらいから、淡いところに関しては2024年も引き続いてかなり攻め込みました。ダイオウイカ星雲は自宅から出すにはちょっと無理がありましたが、それでも分離だけはできたので画像処理で強引に引き出しています。イルカ星雲は画像処理がかなり活きて、とても楽しかったです。イルカ本体の内部のHαの構造を、DrizzleとBXTでの分解能もあわせてどこまで出るか挑戦しました。イルカ星雲も一般的には淡い方と言われていますが、ダイオウイカ星雲に比べたら遥かに明るくて素直で、自宅の場合ここら辺までの淡さの天体をターゲットにすると幸せになりそうです。さらに明るいカモメ星雲は無理せずに出せるので、色々試すことができて、こちらもかなり楽しかったです。

M31の背景のHαを出そうとしましたが、これはまだ今後の挑戦でしょう。今回はε130Dで試しましたが、露光時間は全然足りないでしょう。暗い場所へ行ったほうがいいかどうかは要検討です。ナローバンドなので多少の光害地でも大丈夫なのか、それともナローバンドといえども明らかに光害の影響があるのか、数値で示してから判断したいと思います。必要なら3nmクラスのHαフィルターの検討をしてもいいかもしれません。今回は何か構造は出ましたが、もう少し根本的に方法を考えたいです。

この記事の直前にまとめた網状星雲も同様でしょう。RGBでしか出ない分子雲の淡いところと、Hαの淡い細かい模様を両立するのはかなり難しく、今回は何か見えるところまではいったのですが、今後もっと精度を上げていければと思います。

アンドロメダ銀河がそうだったのですが、明るい銀河本体はRedCat51とSWAgTiで気軽に撮影し、背景のように特定の出にくいところを狙って集中して撮影するなど、機材やフィルター設定が違うものを合わせることで、効率よく攻めの姿勢を貫けるのかと思っています。


も一つの挑戦は、M104で微恒星がどこまで出るかでした。銀河本体は中のモジャモジャも含めてなんとか出てきたと思っています。でも周りの微恒星はハッブル画像と比べると見るも無惨で全く追いつけていません。その問題点の一つがBXTです。BXTに恒星として認識されるかどうかで、点像に近い星として補正されるか、ボヤボヤのシミとしてしか見えないか、閾値の上下で差が広がりすぎるのです。


銀河、恒星についても暗いところに行ってノイズの影響をなくしたほうがいいのか、、単に焦点距離を伸ばしたほうがいいのか、今後の課題としたいと思います。

BXTが今後どう発展していくのか、またつい先週にリリースされたNXTの新バージョンも期待できそうです。ソフトの進歩はまだまだ進むでしょう。2025年以降も画像処理方法の進化の影響が大きくなってくると思います。その進化をリアルタイムに味わうことができる、とてもいい時代だと思います。


電視観望

電視観望ですが、観望会では普通に使っていますし、色々テストもしています。ブログの記事化をしていないものもいくつかあるので、記録を見て回数を数えたら19回でした。2023年が15回なので、2024年が体調が悪くてある時期は全く何もできなかったことも考えたら、結構増えているのかと思います。

その中で、独立した記事として書いた新しいネタとしては以下の3つでした。

一つはCP+でお会いしたMACHOさんのご好意で、チリのドームを使わさせて頂いての電視観望です。これはその後、東京で実際にMACHOにお会いしたり(これも未記事化です)、本格撮影にまで繋がりました。


もう一つは、M1 Mac上で仮想のWindows11を立ち上げて、その上で動くSharpCapで電視観望をやってみたことです。昔のIntel時代のMACはbootcampで普通にできたことが、M1以降になってできなくなったので、電視観望用に別のノートのWindows PCを用意していたのですが、Arm Windows用のカメラドライバーも徐々に整備されてきて、ある程度M1 Macでの電視観望も実用になってきたというものです。でもドライバーのインストールは相当なれた人でも大変だと思うので、まだ一般的にお勧めできるレベルとは言えませんが、それでも自分の環境でPCを一台減らせるというのは大きな利点です。


福島の星まつりで、北軽井沢観測所のアイピースを使った縮小光学系での短時間露光でのリアルタイム電視観望を紹介され、私も早速同じセットアップを購入して試したものです。

このシリーズもっと続けたいと思っています。上のセットアップでもまだまだ検証不足ですし、SkyWatcherのHAC125などの安価なF2台の鏡筒も出てきています。動画クラスの露光時間でリアルタイムで見えるDSOの電視観望というのは、ある意味究極の電視観望とも言えるので、今後のカメラの進化も期待しながら続けていきたいです。


観望会など

飛騨コスモスの観望会は記事にしたのは7月と9月の分の2回で、記事にしていないのが1回の計3回の参加です。観望会自体は夏のペルセウス座流星群の観望もあわせて7回あったのですが、体調が悪くて行けなかったのが1回と、あとは他の予定と重なってしまいました。



加えてあと1回、10月にドーム修理を完了したのですが、その時のことは記事にしていないです。多分当時は力尽きていたのだと思います。

富山市科学博物館の観望会も天気がいい時をみて、5回ほど行きました。こちらはすぐ近くなので、行こうと思ったらすぐに行けて気軽に参加できます。




特に、10月の観望会は富山県天文学会 (県天) の集まりも兼ねています。その時は電視観望の話をメンバー向けにしましたが、地元の油断でしょうか、内部で電視観望の話をするのはこの時が初めてでした。

県天関連の観望会で、今年はゲリラ観望会を2回行いました。5月は退院直後で参加できるか心配でしたが、近くで機材も軽いものなのでまあなんとかなりましたが、流石にちょっと無理しすぎたかもしれません。



他にも8月に高岡市でやった観望会があるのですが、天気が良くなくてほとんど何も見えなくて撤収でした。人はかなり集まっていたので、その場の天文トークで盛り上がったので、ブログ記事も途中まで書いたのですが、結局最後まで辿り着かずに記事はお蔵入りとなってしまいました。

飛騨コスモスの観望会もそうですが、2024年は本来書き留めておくべき記事をいくつかお蔵入りさせてしまっています。次の星まつりも、実は胎内の分は書いてなかったりします。体調不良の影響がこういうところに出てしまっています。


星まつりとかのイベント

2024年ですが、例年に比べてイベント参加の数はかなり少ないです。CP+はセミナーで話もしてもいますが、大きな天文イベントの一つだと思います。もちろん実際は天文イベントではなくカメライベントなのですが、何がいいって、横浜という関東の街中で行われることです。関東在住の天文民が集まりやすいので、下手をすると普通の星まつりよりも天文マニアの集まりがいいかもしれません。しかも、販売ではなくて基本は展示で買い物をしなくてよく、しかも星を見ることもないので自分の機材を出さないとなると、自然と会話が弾みます。サイトロンブースが大きいので結構溜まり場になっていました。



福島の星まつりは、体調を悪くして入院して、退院直後に無理して行った覚えがあります。日帰りで、朝もそこまで早く出ることなく、短時間滞在で済ませたことと、今思うとここから夏に向けてどんどん体調が悪くなっていったので、まだこの時はマシだったのかもしれません。


胎内は記事にしませんでしたが、少しだけ参加していました。ホントにわずか数時間の滞在でした。私の体調を知っている方から「無理をするな、大人しくしてろ」と怒られて反省しました。

9月の星もとは、SWAgTiの展示があるので、これだけはどうしても頑張って参加しました。ユニテックさんの、何とアウトドア用のクーラー付きのブース内に居候させてもらったので、あまり無理することなく過ごせました。それでも色々とご心配をおかけしてしまったかもしれません。やはり泊まりはきつそうだったので、日帰りでした。運転とか、座っている分には大丈夫なのですが、寝るときにかなり気を使い、環境が違うと寝られなくなってしまって疲れてしまうのです。


イベントはこれくらいでしょうか。原村はもう星まつりとは言えないようですし、後は小海くらいです。小海は直前に絶不調になってしまい参加できなかったので、とても残念でした。天気がとても良かったとのことで、悔しい思いをしていました。でも泊まりが難しいので、天気が良くても厳しかったかもしれません。


プラネタリウムとか、観光とか

観光記事っぽいのは3本です。実家の名古屋のプラネタリウムと、天文と関係ないですが東京青梅のマイコン博物館です。



コニカミノルタのプラネタリウムですが、初めて行ったのが2022年。その後、記事にしないですが何度か行っています。あまり目立たないのですが、細かく見てるとソフト的には着実に進化しているのがわかります。例えば最初は天球が回転しませんでしたが、今では普通に回転しています。LEDでは分解能的に不利なはずなのに、どうやってスムーズに星を動かしているのでしょうか?さらに、12月の富山市科学博物館で行われたプラネタリウム研修会で、コニカミノルタプラネタリウムの開発関連の方とお会いすることができました。時間が許すのなら、もっとお話ししたかったです。ターゲットのお客さんはカップルのデートコースとかがメインだと思うので、なかなか天文マニアが望むものを実現するのは難しいと思いますが、それでもコントラストを生かしてどこまで本物の空に迫れるかというプラネタリウムの本来の目的に、少しでも方向づけして頂ければと期待してしまいます。

天文ではないですが、マイコン博物館が面白かったので、ブログ記事にしました。

マイコン博物館の館長さんは元々天文少年で、天リフ編集長も以前に訪れていたというのがかろうじて天文つながりでしょうか。こんなふうに、たまには天文以外の記事も気分転換になるので、今後も増やしていこうと思います。


セミナー、講演など

2024年は、講演関連は圧倒的に少なくなりました。体調が悪くなる前半のものと、後半は一年前とかの相当以前から依頼されていたものだけです。

毎年恒例のCP+ですが、2023年に引き続き現地会場での対面でのセミナーとなりました。


CP+の連動企画として、StarAdventureを使ってどこまで撮影できるかを事前にブログ記事で示して、当日に画像処理をするという試みで、かなり大型の企画になったかと思います。

今でもこのブログ記事を見てくれている方は結構いるようで、初心者が本格撮影を目指すときの指標になればいいなと思っています。

3月は「なゆた」のある兵庫の西はりま天文台で開かれた「星仲間の集い」で電視観望についてお話しさせていただきました。とても楽しい集まりで、夜中まで話し込んでいました。


この後は体調を崩してしまい、メインの夏のシーズンはひたすら大人しくしていました。日帰りはまだいいのですが、泊まりだと全然体力がもたなかったのです。それでも11月の「長野県は宇宙県」のミーティングは1年ほど前に頼まれていて、そのころにはだいぶん体力も回復していたので泊まりで参加することにしました。

「長野県は宇宙県」は特定の集まりというよりは、それぞれのメンバーはそれぞれのローカルな天文グループなどに属している方が多く、とにかく長野は活発な方が多い!という印象でした。古民家を再生した一棟を借り切って宿泊し、夜中まで暖炉の脇で話していたのですが、とても楽しかったです。でもやはり泊まりで少し無理をしたのか、その後体調を崩してしまい、次の週にあった小海の星と自然のフェスタの参加はもう泣く泣く諦めることになりました。

富山市科学博物館で行われた全国プラネタリウム研修会での講演も、1年以上前から頼まれていたものです。自宅から近くで日帰りなので、こちらは体調に関係なく気軽に参加でき、研修会後に行われた飲み会も十分楽しむことができました。普段なかなか話す機会のない学芸員やプラネタリウム関係者とかの、一般の人に天文のことを伝えるプロの方達と、貴重な時間を過ごすことができました。


体調は良くなったり悪くなったりを繰り返しながらも、全体的には確実に良くなってきているので、2025年はまた機会があれば、私が話せる範囲でお伝えできることがあればと思います。とりあえず、2月のCP+で昨年に続きサイトロンブースでお話しさせて頂くことになり、太陽望遠鏡関連のことを話そうと思っています。今回は、太陽望遠鏡で一番謎の部分の、エタロンフィルターのことを掘り下げて話すことができたらと思っています。


技術的な記事

ハード面、ソフト面で技術的な記事も書いています。と言っても2024年はあまり多くはなく、しかもハード面は細かいことばかりです。この他にも色々役立つと思うことも書いてるのですが、多くは普段の撮影とかの記事に紛れて書いてしまっているので、一つの独立した記事にすることはあまりなく、本数としてはこれくらいになります。本当は、こうやって独立した記事にした方が読みやすいだろうし、実際アクセス数も多いので、今後はこの方向でいこうかなあと迷っています。でも撮影とかに絡む細かいテクニックは実際の撮影例で示した方がわかりやすいんですよね。やっぱりある程度大きいトピックだけ独立さるほうが楽そうです。




下の記事なんかは、あるソフトのある新機能を解説しているだけなのですが、こういった簡単な解説記事が以外に反応が大きかったりします。

これくらいシンプルにしたほうがいいということでしょうか。言い換えると、普段の記事はやはり長すぎるということでしょうか...。

ソフト面ですが、無料の画像処理というのでまとめた記事が反応が良かったです。初心者の方は、最初は有料ソフトは躊躇してしまうのかと思います。ベテランになってくると、機材の値段から見たらソフトの値段は誤差みたいになってくるので、気にならなくなるのかと思います。

無料ソフトでの画像処理でも、相当有料のものにせませれることは示しましたが、実際有料のPixInsightなどを触るとわかるように、明らかに投資に見合った画像処理結果になることも事実です。ある程度この趣味にどっぷり浸かるのなら、機材も含めて少しづつソフトにも投資していくと、より楽しくなっていくのかと思います。

下の記事みたいに、ソフト自身の解説なんかも書きますが、自分用のメモと、あとは他の人が見ても役に立つかと思った時に記事化するようにしています。

でもこの後、StarNetの方もPixInsightのレポジトリでアップデートできるようになったみたいなので、すでにもう役に立たない記事なのかもしれません。でもまだ私はレポジトリでアップデートはしていないので、自分で試してみてその時の情報が有用そうなら、またレポジトリアップデートで記事にするかもしれません。


アイデア、解析とか

こっちはもっとコテコテの計算とかです。

まずはライフワークみたいになっている、カメラのノイズ評価ですが、前半の元気な頃にそこそこ解析計算までして、その後は止まってしまっています。本当はここから具体例を出して、どんな状況の時にどんなノイズになって、どんな改善策をすればいいのかというのを、いろんな例で示していこうと思っていました。結構エグい計算量になりそうで、まだそこまで気合が入っていません。でものんびりでも進めていこうと思っています。



ダークノイズの影響ですが、SWAgTiで一つ気付かされました。ディザリングがいかに大切かということです。ディザリングでホットピクセルとかが散らされる効果はよく知られていますが、ランダムノイズであるダークノイズ自身もディザリングで軽減されることに気付かされたというわけです。1枚1枚のRAWライトフレームからマスターダークを引いてライトフレームをスタックするのも、ライトフレームをスタックしてからダーク補正をしても、ランダムなダークノイズが2乗和のルートで加算されるというのは、数学的に同じと示されます。ただしここにディザリングの効果を考えると、マスターダークフレームの重なり具合も散らされるので、実質的に得をします。これは「ダークファイルの撮影枚数を減らしてもいい」という実際の効果として現れます。

調べた限り、ダークノイズへのディザリングの効果のような話をしているページを見つけることはできなかったので、これまであまり考えられてこなかったのだと思います。こんなふうに、天文趣味ではまだまだ気づいていないことが出てくるのは、自分的にはかなり楽しいです。

太陽関連も少し考えてみました。太陽望遠鏡で最も謎の部分のエタロンについてです。性能の違うエタロンでダブルスタックした場合の改善についての、定量的な評価の例です。


エタロン関係は結局アマチュアレベルでは調整などを含めてどうこうできるレベルではなく、メーカーが提供してくれた民生クラスの安価なエタロンがどこまでの性能になるかにかかっているので、ユーザーの理解もなかなか進まないのかと思います。上にも書きましたが、今年2025年のCP+で、太陽関連について話す予定で、エタロンについてできるだけ掘り下げてみようと思っています。


ブログ

ブログについては2024年はできる範囲で書きました。上にも書きましたが、本来記事化すべきことがいくつかお蔵入りになってしまったのが残念です。記事の本数ですが、1月1日から12月31日までで73本で、なんと去年の74本に1本届かないだけでした。もっと少なくなっていたと思っていましたが、意外に書いていたようです。短い記事で本数を稼いだかとも思ったのですが、今ざっと見返してみてもクドイくらいに長い記事が多いです...。ブログ記事に関してはそこまでペースが落ちなかったようです。多分、体力が落ちて外には出れなくて、時間が余った時にちょこちょこ書いていたような気がします。あと、CP+連動の記事だとか、ソンブレロ銀河の記事だとか、連続記事で本数を稼いでいたようです。でも連続記事でも一本一本が長い長い...。

毎年記事を短くするのを目標にするとか言っていますが、全然達成できていません。


まとめ

体調不良で後半はかなり制限されましたが、それでもじっとしている事に耐えられなくて、近場とか日帰りで済むのは体調に応じて活動していました。今ここで振り返ってみても、なんだかんだ言って思ったより何かしていたようです。でもそれでまた調子が悪くなってしばらく大人しくというのを、特に夏の間は繰り返していた気がします。

体調が悪くなると、外での活動どころか、画像処理とかも全くできなくなって、休日は昼間中寝ていたり、平日も休んだり、仕事を終えてかなり早く寝るとかになってしまいます。秋から冬にかけて病院で新しい薬を出してもらって、それが結構体に合っていたみたいで、体調もだいぶん良くなってきました。2025年は、あまり無理をしない範囲で、頑張って色々活動したいと思っています。


2024年11月2日(土)、長野県の大鹿村で開催された「長野県は宇宙県」の第9回ミーティングに参加してきました。参加といってもゲスト参加で、昨年の小海で代表の方から講演をお願いされたからです。


長野県は宇宙県

「長野県は宇宙県」は、星がよく見える長野県をアピールするための集まりで、メンバーはアマチュア天文家を中心に、学芸員の方や研究者の方も参加されているようです。各メンバーはそれぞれローカルの天文同好会や各機関に所属している方が多く、長野全県から賛同する方が集まっていて、「長野県が宇宙県」そのものは、ローカルな地域の天文同好会というようなものではないようです。今回は年1回の全体ミーティングで、会の創立8年が過ぎ、9年目に入ったということで9回目ということです。メンバーの方は皆さんとても熱心で、ミーティングの途中も盛んに意見が交換されていました。基本的に星がかなり好きな人の集まりのようで、各自の思いを熱烈に語っている方も多かったです。

場所は大鹿村でしたが、私自身は大鹿村自体は今回で2度目で、昨年の観望会に参加させてもらいました。その時にお世話になったKさん、ドブ村長とあだ名のついている30cmのドブソニアアン持ちの村長、夜遅くまで話したギルモアさん初め観望会でお会いした方々、さらにはコロナ前に何度が訪れた木曽シュミットでお世話になった方々など、懐かしい方達との再会も嬉しかったです。


到着

講演自体は午後からだったのですが、少し早めにと思い朝6時過ぎに自宅を出ました。接近しつつあった台風自体はまた遠くて、その日のうちに温対低気圧に変わるとのことなので大丈夫だったのですが、大雨の予報が少し心配でした。途中の道で激しく降ったところはありましたが、特に危ないことなはく、結局高速は使わずに富山から安房峠経由で奈川渡ダムのところで南下して木祖を抜け、権平トンネルを通って伊那に出て、そのまま下道で大鹿村まで移動しました。10時半頃に着いたので、かなり順調だったと思います。

朝ごはんを食べ来なかったので、到着後すぐに大鹿村の道の駅で定番の鹿肉ステーキ定食を食べようとしたのですが、オープンは11時から。時間があるので、事前に場所だけ確認しておこうと、道の駅向かいにあるミーティング会場に足を伸ばしたら、何ともうすでに何か会合が何か始まっています。

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どうやら、午前中は別の「第14回長野県星空継続観察ミーティング」というのが開かれているらしく、早速受付だけ済ませて少しだけ覗いてみました。内容は長野各地で行われている、星空の明るさ観察の集計結果についてでした。こういったところに全県で力を入れることができているのも、「長野県は宇宙県」が音頭をとってやっているからだとわかりました。そもそも、ローカル天文同好会がいくつもあり、それらをまとめるような役割を担っているというので、やはり長野は教育県であり、天文も多分に漏れず盛んで、しかも県の面積の大きさもあってかかなり広い範囲で活動されているのが印象的でした。でもやっぱりお腹が空いていて、11時頃にこっそり抜け出して、鹿肉ステーキを食べにいってしまいました。

道の駅のレストランはすでにオープンしていて、どうやら1番乗りでした。鹿肉焼きに定食というのもあったのですが、ちょっと迷って結局食べ応えのありそうなステーキにしました。味付けは塩のみ。塩といっても大鹿村で作られた地元名物の塩です。今年に引き続き、臭みも全くなく、付け合わせの豆腐も合わせてとても美味しかったです。

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講演

お腹も膨れて、再び午前のミーティングに参加。もうまとめ近くになっていて、私は講演の準備で少し内職です。講演のお客さんは一般の方が多いかなと思っていたのですが、受付の方と少し話した限り宇宙県のメンバーが多く、かなり詳しい人の方が多いとのこと。詳しい人も面白いと思えるように、少し話の構成を変えました。そんなこんなで12時過ぎには午前のミーティングは終了し、昼ごはんの時間に。私はすでに食事は済ませているので、プロジェクターの表示のテストです。今回はZoomで参加されているメンバーもいるということで、プロジェクターに有線接続ではなく、Zoomに直参加しての画面共有で、Zoomで参加されているメンバーと、Zoom画面を表示している会場プロジェクターも同時に表示するようです。でもこの場合、プレゼンで使うMacから見ると複数モニター扱いにならないので、発表者ツールが使えなくなることに気づきました。その場で検索すると、フルスクリーンでZoomの画面共有で表示して、パワポの画面を右クリックして「発表者ツールを使用する」を選択すると、無事発表者ツールを使えるようになり事なきを得ました。ただし、自分の画面上で見ているマウスの位置と、Zoom上で見えているマウスの位置が違っていたようで、これは話がずいぶん進んでから気づいたので、今後注意が必要です。

Samとしての講演内容は電視観望に関してで、最近ものすごい勢いで普及しているスマート望遠鏡を少し紹介しました。スマート望遠鏡は全般の傾向として、どんどん小さく、軽くなってきています。特に前日の11月1日に詳しいスペックが公開されたSeestar S30について、口径わずか30mmでよく見えるはずだということを話しました。というのも、私の電視観望のメインは口径3cmのFMA135で非常によく見えていて、観望会でもすでにいつも多くのお客さんに楽しんでもらっているからです。その後、スマート望遠鏡と自分で組み上げるカスタム電視観望の比較を、スライドで例を見せながら解説しました。スマート望遠鏡も何種類かの口径や焦点距離がラインナップされてきました。従来の望遠鏡も一つでは全ての天体に対応できなくて何種類も使い分けるように、今後は天体に合わせてスマート望遠鏡も何種類も持つことになるのかもしれません。カスタム電視観望はむしろ機材を自由に入れ替えることは普通のことなので、スマート望遠鏡の次の段階として、カスタム電視観望に興味を持ってくれたら嬉しいです。

私の講演終了後は宇宙県のメンバーの発表が続きます。午前中にも議論されていた星の明るさ計測のことや、宇宙県としての観望会の対応について、発表だけでなく意見も非常に盛んに交換されていました。皆さんかなり星が好きで、天文環境やアピールの仕方など、真剣に考えていることが伝わってきました。
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座談会

残念だったのは、天気が悪くてミーティング後の電視観望実演と、楽しみだったバーベキューが中止と事前に決まってしまっていたことです。バーベキューの代わりに希望者を集めた座談会が企画されました。20人くらいはいましたでしょうか。みんなでお弁当を食べて、その後輪になって座って自己紹介と、長野県は宇宙県のもっと突っ込んだ議論がなされました。観望会を依頼され宇宙県としてどう対応しようとしているかが課題の一つでしたが、私も部外者ながら富山県天文学会の例を引き合いに、少し議論に参加させて頂きました。

外の空の様子見にいったメンバーによると、少し星が出始めているようです。我々も外に出て空を見上げると、一部ですが雲の切れ間からいくつか星が見えます。天気予報では、台風一過でしょうか、晴れていく予報のはずです。早速駐車場に戻り、車の後ろの空いているスペースにFMA135+Uranus-Cとトラバースで、いつもの電視観望をセットアップしました。口径3cmなので、DWARF3やSeestar S30に興味がある方には参考になったかもしれません。

とにかく興味を引いたのはその小ささで、折りたたみ机の脇に置いたのですが、あまりに目立たなくて本体が蹴飛ばされないように、目印の電球を置いておきます。どなたかが「三脚は使わないのですか?」と質問されたので、「三脚も小さいのでわかりにくいかもしれませんが、きちんと使ってますよ」と答えると、「なぜ大きな三脚を使わないのですか?」と次の質問が。その答えは「カバンからスッと出したいからです」と言って、普段背負っているリュックタイプのカバンを見せます。PCが入るくらいのごく普通の大きさなので、そこにすっぽり入れるためには、三脚も小さくする必要があります。別の方が、FMA135のすぐ脇に置いた電球や三脚の小ささも含めて「何もかも今までと違う...」と呟いていました。電球も普通なら問題になるところですが「蹴飛ばされない」という目的があることも一応理解していただけたようです。

残念ながら天気が回復せずに、どんどん悪化していったので、見せることができたのは最初の頃の雲越しのアンドロメダ銀河だけでした。それでもM101やM32、わずかですが腕の構造も確認はできたので、かろうじてカスタム電視観望がどんな感じが見せることだけはできました。その後は目では星は全く見えなくなってきて、PCの画面上でも運がいいと数個明るい星が見えるだけで、プレートソルブもままならなく、星雲などは全く見えないので、ここで撤収としました。それでも、周りにいる方と機材についてもいろいろ話をする時間は十分取れたので、ほんの少しの晴れ間だけでもあってよかったです。


宿泊

この時点で21時頃だったでしょうか、その後は希望者を募り、2次会で宿泊予定の宿に移ることになりました。地元の長野の方が多いので、その日のうちに帰る方も多く、ここでで半分くらいの方とはお別れとなりました。

この日の宿泊場所は、古民家を再生した1棟貸しの民宿「イナンクル」で、中はきれいにリフォームされていて、薪ストーブもあり、暖かくてとても雰囲気がいいです。最大10人まで泊まれるらしく、人数によって料金が決まるとのことで、少人数で利用することも可能だそうです。天文民に特筆すべきは、裏の少し上がったところにに駐車場としても利用できる、比較的広い広場があることです。視界もそこそこひらけていて、望遠鏡を展開するには十分です。合宿とかにも利用できそうなので、大鹿村の素晴らしい空の下で、仲間と撮影なども兼ねた宿泊施設としても利用できるのかと思います。

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2次会は10人ほどは集まったでしょうか。その中でも、4人の女性の方が大活躍してくれました。お酒やつまみだけでなく、焼肉なども出てきて、かなり豪華な2次会でした。みなさん本当に星好きの方ばかりで、話も盛り上がり、十二分に楽しむことができました。特に、昼間のミーティングのネットワーク機器のセットアップから私の講演の接続のお手伝い、宿の手配や食材の買い出しまで、O代表の実務的な補佐と言われているMさんには、今回何から何までお世話になり、本当に感謝しています。2日間どうもありがとうございました。

このMさん含め、塩尻3人娘と言っていいのでしょうか、いつも一緒に行動しているという女性お三方の星見に対するパワーに圧倒されました。実は昨年の大鹿村でもお会いしているのですが、そのときはそこまでお話しすることはできませんでした。今回夜遅くま色々聞かせていただいたのですが、かなりの頻度で星見スポットを行き来しているみたいです。長野県は面積が広く、数多くの有名星見スポットがあります。南北で天気も全然違い、しかもちょうど塩尻市は高速の分岐点にも近く、どこにいくにも便利とのことです。その日の天気を見て決めるとのことで、どこに行くにも1時間程度で移動でき、平日でもお構いなしに行動しているようです。3人のうちお二人は学校の先生のことで、かなり忙しと思うのですが...。

結局この日、宿泊までしたのは7人でしたが、女性4人は全員宿泊、塩尻3人娘グループは次の日もどこかに星を見にいくとのこと。私は体調がまだ戻りきっていないこともありますが、基本的に宿泊から帰った日は普通は休むようにしています。とにかく、3人組ですごいパワーですごく楽しそうでしたが、あまり無理をして事故などないよう、またいつかお会いした時に武勇伝をお聞かせ頂ければと思います。

結局午前1時半頃まで盛り上がっていたと思います。寝るのは畳の部屋で、二間あるので男女別にしました。次の日曜日は仕事がある方もいて、朝は早くから起きていて、私は6時半過ぎに起きたのですが一番遅かったです。朝食もホットドッグにフレンチトーストと、朝からかなり豪華です。朝食中も朝食後も、話が途切れることはありません。

午前9時前くらいでしょうか、片付けとその後に宿の周りを少し見て、解散となりました。とても楽しい時間を過ごすことができました。前日の講演を含めて、宇宙県のみなさんには本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

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絶景のHAKKO OOSHIKAへ

昨日の雨と打って変わって、この日は朝から一面の青空の快晴です。宿を後にし、一旦道の駅に寄ってから、次の目的地に向かいます。
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道の駅のテラスから見た大西山の昭和36年に起きた崩落面。
ここの下の公園の管理棟で座談会がおこなわれました。

次は、大鹿村を訪れた天文民に最近密かなブームになっている「HAKKO OOSHIKA」 です。1500メートルの眼下から見下ろす絶景とともにランチを食べることができるそうです。大鹿村の道の駅からも、距離だけは11kmとたいしたことはないのですが、途中の山道が過酷で、時間はGoogle mapで調べると40分かかると出ます。11時からオープンとのことですが、食事が出るまでに時間がかかると聞いたので、少し早めの9時半頃に大鹿村の中心部を出ます。

途中の山に入ってからは確かにかなり細い道で、車がすれ違える場所が限られています。行きはまだ朝早かったのでほとんど対向車はいなかったですが、早めに食べ終わるとこれから来る車が多そうなので、帰りが心配です。

実際にお店に到着したのは10時10分くらいだったので、本当に40分くらいかかりました。まだお店は当然空いていませんが、もうとにかくすごい絶景です。標高が高いせいか、山の向こうの雲海の上にある山とかも見えます。

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まだ11時のかなり前ですが、スタッフの方がテラス席の掃除を始めました。昨晩の雨がすごかったので、席は濡れたままです。一人なら予約なしでも大丈夫とのことなので、11時まで待つことに。10時50分くらいになると、お客さんが続々と車で到着するので、入り口のところで待つことにしました。11時開店で店内に案内してもらい、早速名物のサーモンクリームパスタをセットで、しかもパスタ大盛りで頼むことにしました。注文は席に取りに来てくれるのではなく、1階のレジのところに行って前金で払います。早めに入ることができたので1番で注文することができました。早めの注文がラッキーでした。「この日はパスタの在庫が入ってこなくて、申し訳ないのですがサーモンクリームパスタは提供できません」と、他のお客さんにそんな説明をしています。私も心配になったので、途中聞いてみたら私の分は「OK」とのこと。本当にラッキーでしたが、むしろ大盛りを頼んでしまって申し訳なかったのかもしれません。

最初は店内に案内されたのですが、外に出てみるとちょうどテラス席に日の光が当たり始めていて、しかも1500mという標高なのに、この日はほとんど風が無かったので、席を外に移動してもいいか聞いたら「ぜひ」とのことでした。

外のテラス席に座って、太陽がポカポカ暖かく、目の前の景色を見ているだけでもうかなり満足なのですが、出てきたパスタセットもかなり満足でした。サーモンクリームの名に負けないくらい、サーモンの身が塊でゴロゴロと入っています。付け合わせの野菜もパスタのアクセントになります。サラダと合わせて栄養たっぷりでしょう。大盛りにしたからでしょうか、量的にもかなり満足でお腹いっぱいになりました。本当はミニスイーツセットがオプションであって、その日はチーズケーキだったみたいでかなり食べたかったのですが、最近甘いものを控えているので我慢しました。でもさつまいもの甘煮の桃和え、葡萄と柿がデザートで付いていたので、もうそれで十分でした。食べ終えた後もドリンクのカフェオレと景色でしばらく楽しんでいました。山道は険しいですが、十分に来る価値のあるところで、ここでしか味わえないようなかなり贅沢な時間となりました。

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帰りにスタッフの方に「とてもおいしかったです」と声をかけて、HAKKO OOSHIKAを後にしました。心配だった帰り道は、5台くらいの車とすれ違いましたが、いずれも少し道幅が広いところで問題なくすれ違うことができました。

大鹿村から自宅までは下道だと4時間半ほど、でも山の上のHAKKO  OOSHIKAからだとさらに40分かかるので、5時間以上の運転になります。レストランを出たのが12時過ぎなので、順調に行っても夕方になりますです。あまり無理をせずに、ここで自宅に帰ることにしました。


帰り道

帰り道は152号線を通って伊那市の東側を北上して抜ける道を選んだのですが、途中面白そうなパワースポットらしきものがありました。少し覗いてみると、「ゼロ磁場」とか「ゼロ磁場の秘水」とかなかなかヤバそうなことが書いてあります。どうも、「分坑峠(ぶんぐいとうげ)」という名所らしくて、大鹿村から続いている中央構造線の上では、断層状の2つの地層がぶつかり合って磁場がゼロになるということらしいのです。

このことは152号線を北上して山道を抜けたあたりにある道の駅の「南アルプスむら長谷」にある観光案内所の詳しい説明を見て、やっとどんなものかわかってきました。ここの説明はまともで、きちんと中央構造線や、その断層の交じり具合が見える「露頭」について詳しく説明しています。その中に「ゼロ磁場や、身体をセンサーとして確認された(???)という気については科学的に証明されたものではないので、その事をここで取り上げて解説することは適切ではない」というような至極真っ当なことが書かれています。でも「観光スポットとして人が集まっているのを否定することはない」というようなも書いてあるので、エンターテインメントとして楽しんでいこうというものかと思います。分杭峠には自家用車で行っても停める駐車場のようなものがなく、この道の駅から出ているバスを利用することになるようで、通りがかりに見た分杭峠のバスの折り返し場には、この日もたくさんの人が居ました。

昔アメリカに住んでいた頃に、西海岸の1号線のロングドライブの途中で、わざわざサンタクルーズの山奥にある、強い磁場で重力が斜めになると言われている「Mystery Spot」という観光地に寄ったことがあります。そこのスタッフに「ただの目の錯覚だ」と食ってかかったのは若気の至りです。今回のゼロ磁場については憤慨などすることなく、暖かい目で楽しませていただきました。

実は、講演前の日も準備であまり寝てなかったので、2日連続で睡眠不足で、途中あまりに眠くなってしまい、権平トンネルの手前で仮眠をとりました。そのため自宅に着いたのは暗くなった18時過ぎでした。自宅についてから空を見上げると星が出ているので、頑張って撮影に行こうかとも一瞬思いましたが、流石に疲れていて早くにベッドに入ってすぐに眠ってしまいました。朝起きても快晴で、ちょっとだけ後悔しました。


まとめ

今回は「長野県は宇宙県」の年一回のミーティングに呼んでいただき、とても感謝しています。いろんな方とお話しすることができて、とてもいい機会になりました。宇宙県の取り組みは素晴らしいと思います。今後もますます長野県の天文情報を発信して、いずれ全国規模で活動が広まっていくことを期待しています。

昨年の12月、「星なかまの集い」という研究会の実行委員の方から「講演をしてほしい」との依頼がありました。研究会の開催は3月初めで、当時は予定も詰まっていなかったので快諾しました。その方と少しやりとりして、テーマは電視観望ということになりました。そもそも私は関西の集まりはあまり経験がなく、どんなものかわからなかったのですが、コロナ明けということもあるのでしょうか、実際に顔を合わせての研究会は、夜に行われた交流会も含めて、とても楽しいものでした。


兵庫の「西はりま天文台」にむけて出発

3月2日、この日は兵庫の西はりま天文台までの移動です。前日が飲み会だったので、朝は眠い目をこすりながら5時半頃に起き、準備をして午前6時20分頃の朝イチのバスで富山駅に向かいます。みどりの窓口が開く直前の午前7時前に富山駅に到着。7時16分の金沢行きの新幹線にのりたいので、すぐに並んでみどりの窓口が開くのを待ちます。窓口が開くまでに、途中で駅員さんがどこまで行きたいかとか聞きにくるのですが、天文台最寄りの兵庫県の「佐用」駅といって、iPhoneに表示させた乗換案内の乗換回数2回の最速、最楽ルートを見せると、ちょっと怪訝そうな雰囲気に。色々確認してくれた後に聞いてみると、どうやら京都からでる特急が、途中JRと相互乗り換えで「智頭急行」という別の鉄道会社の線に入ってしまうので、途中の駅から佐用駅までの乗車券が出ないというのです。特急券は佐用まで出せるというので、とりあえず途中までの乗車券と、佐用までの特急券だけ購入し、あとは現地で聞いてみることにしました。

そんなこんなで少し時間を食ってしまい、いそいでお弁当などを買い込み、走って新幹線に乗り込みます。全線自由席で買ったのですが、新幹線も朝はガラガラ。時間ぎりぎりでも十分に座れます。

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やばかったのがサンダーバードです。実は新幹線はもう一本遅らせてもギリギリサンダーバードには乗れたのですが、無理してでも一本早めでよかったです。なんと指定席は満席、自由席も通路が人で溢れていて、グリーン以外の指定席車両の通路まで座れない人のために解放していました。3月16日には新幹線が敦賀まで開通するので、その影響もあって混んでいるのかもしれません。

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とにかく席に座ることはできたので、電車が出発してからすぐに朝ごはんです。富山-金沢間の新幹線は20分くらいなので落ち着かないんですよね。午前8時過ぎくらいでしょうか、ここでやっと富山駅で買った弁当を開けます。この日は「海鮮美食」。

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前週にCP+で東京方面に行った時は「ぶりとたいのこばこ」で、SNSで海鮮美食も美味しいと聞いていたので、今回はそちらに挑戦です。両方とも同じ会社の製品ですが、どちらもとても美味しくて、今回の海鮮美食もいろんな味が楽しめて、大満足でした。言うなれば寿司のコースが弁当箱に凝縮されたような印象です。他より100円か200円高いのですが、その価値は十分にあります。

京都駅に着くと、次の特急スーパーはくとに乗ります。京都駅での乗り換え時間は40分くらいあるのですが、先にホームの確認に行きます。まだ出発まで30分以上あったのですが、すでに車両は到着していました。
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自由席が1、2号車であることを確認して、まだ時間があるので弁当などを買いに行きます。それでもまだ出発まで十分時間はあるのですが、もう席に座ってしまいました。なんでかというと、一番前が空いていたからです。
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この見晴らしはいいですね。運転席は全体が見えるし、運転席越しに前方の景色が全部見えます。

電車内は結構時間があるので、その日の講演の最終チェックなどをします。姫路を越えると、相生と上郡という駅に泊まりますが、この上郡でJRから智頭急行にはいるようです。あ、ここからの乗車券が富山駅で買えなかった件ですが、電車が発車してすぐに車掌さんの切符の点検が来て、その時に話したらその場で発券してくれました。

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ここからは単線です。単線を特急で飛ばしていくのを見るのはかなりの迫力です。このスーパーはくとは振り子型の電車らしくて、酔いに気をつけてというXでのコメントがありました。私は酔いにあまり強くないのですが、今回は全然大丈夫でとても快適した。
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6分遅れの13時過ぎに、目的地の佐用駅に到着。ここでやっと乗る時に撮り忘れていた先頭からの写真を撮ることができました。
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駅を出ると、天教でもお世話になったMさんが待合室にいました。早めに着いたそうです。相乗りのタクシーが13時30分にくるので、しばらく待ちます。その間に以前お会いしたことがある方、初めての方含めて、全部で6人が集まりタクシーに乗り込み、西はりま天文台に向かいます。タクシーで15分かからないくらいでしょうか、歩くと90分らしいのですがずっと上り坂なので、タクシーの方が無難かと思います。


到着

西はりま天文台に到着。実はここにくるのは2回目で、別件で以前昼間のうちに来たことがあります。その時は仕事関係で短時間案内されただけなので、じっくり夜まで滞在して望遠鏡を覗いたりするのは今回が初めてです。

かなり広い敷地で、遠くに望遠鏡のある建物が見えます。左の白い建物に口径2mの「なゆた」が入っています。

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下の写真が、今回お世話になる宿泊施設(焦茶色の屋根の長い棟)と、研究会が行われる建物(左手前の赤茶色の棟)です。
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研究会の会場です。
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すぐに電視観望の講演

到着して、今回お誘いいただいた実行委員のFさんにご挨拶して、荷物などを置いたり、機材を準備していたらすぐに会の始まりです。簡単な説明の後、すぐに講演会が始まります。トップバッターが私なので、そのまま話すことに。内容は電視観望と普及についてです。持ち時間は25分と言われていましたが、少しオーバーして30分くらいになってしまいました。質問もいくつかあり、もともとメンバーは眼視の方が多い印象でしたが、電視観望をすでにやられている方、興味を持ってくれた方もいたので、少し安心しました。最近はSeestarの普及率がすごくて、メンバーの中に持っていらっしゃる方も結構いましたし、この研究会に実際に持ってこられた方もいました。また、公共天文台などの関係者の方もいらしていたので、ぜひCMOSカメラをつけて試してみてくださいと、宣伝しておきました。質問に答えた際にもいったのですが、電視観望は突き詰めた撮影とは違いますし、1人で見るというよりはむしろイベント向きだと思います。大人数で一度に楽しむことができ、暗い空をそこまで必要しないので安全面からも適しています。そういった楽しみ方の可能性が増えるということが伝わっていればと思います。

その後さらに二人の講演があり、掛け合い漫才みたいなのもあったので、関西っぽくて楽しかったです。

この日は3人の講演だけで終わりで、その後は少し早めの夕食です。目の前に座っていた小学5年生の女の子が次の日に発表するという話を聞いていたら、左隣の方もその女の子の次に発表とのこと。明日の日曜もかなり楽しめそうです。

夕食後、18時を過ぎていたのですが、まだ外はかなり明るいです。そうか、西日本に来てたのだと実感した瞬間でした。調べたら富山と兵庫では日の入りの時刻は10分ほどの違いでしかありませんでしたが、ずいぶん遅くまで明るいなと思いました。というか、富山は最近全然晴れてくれないので、早くに暗くなってしまう印象だったのかもしれません。到着した時はまだ曇りだったのですが、夕方くらいになってくると、この日はすごい快晴で、全面星が見渡せるほどでした。暗くなりかけだったので、私も電視観望機材を用意して少しだけデモをしたのですが、外に出てくる人があまり多くなかったので、何人かの方に見せることができた程度です。


「なゆた」の見学

というのも、19時半から口径2mの望遠鏡「なゆた」の見学会があります。一般の見学会に合わせた形になっていて、なゆたの建物の説明会場に行くと、かなりの人がいました。

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なゆたが入っている建物です。
食後すぐに、明るいうちに立ち寄った時に撮った写真です。

今回の研究会のメンバーが75人と聞いていたので、一般の人と合わせて確実に100人を越えて参加者がいたと思います。

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なゆたでは木星、カノープス、M37、M42のトラペジウムを見せてもらいました。M42は色がつかないか、並んでいる間に右目だけスマホで明順応しておいたのですが、残念ながら色がついているようには見えずに、普通に暗順応している左目と変わりませんでした。何度もなゆたを巡回するのですが、ちょうどその時刻にカノープスが南天するらしく、同じフロアの外の屋上エリアからカノープスを見ることができました。少なくとも地元の富山よりは南なのと、山の結構高いところからのしかも建物の屋上からなので、視界が開けていて、地平線からはそこそこの高さのカノープスを見ることができました。地元から一般の方も見学に来ているので、それらの方たちとの会話も楽しかったです。冬の天の川もやはりなかなか気づかないので「オリオン座の左からずっとカシオペア座の方に...」とか説明していました。

なゆたの制御室の前にあるモニターを見ると、SharpCapが使われているのが印象的でした。ただ、バージョンが3.2台なので、ちょっと昔のものです。

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夜の部の高校生の発表

なゆたに十分満足して宿泊棟の方に帰ると、高校生たちがMITAKAでの発表の準備をしていました。偏光グラスをかけて、画面が立体的に見えるもので、解説もよく練習しているようで、とてもわかりやすかったです。
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この高校生たちは、次の日発表もするということです。若い人たちがこういった研究会で発表するのは素晴らしいです。ぜひとも自分たちで色々考えて、こういった研究会で成果を発表して、楽しんで活動していただければと思います。そしていつまでも天文を好きでい続けて欲しいです。


色んな参加者

この研究会には、年配の方も子供も、ベテランの方も初心者も、こういった会では珍しいくらいに女性もたくさん、本当に色んな層からの参加者がいます。夕食が終わった次の交流会までの時間に、例えばある一人の方と少しお話ししました。講演の後に質問されてきた方で、赤道儀の極軸が全然取れないというのです。時間があったので、ちょっとじっくり聞いてみます。

その方はかなり勉強熱心で、極軸を合わせる説明のファイルを印刷してバインダーに閉じ、自分で理解できるようにかなり書き込みをしています。でもよくよく聞いてみると「極軸が数十度とかズレる」というのです。でも数十度?普通に考えたらちょっと信じられないような数字です。いろいろ話を聞いていて、やっとなぜか理解できました。「鏡筒はRedCatを使っている」と聞いていたので、最初結構経験のある方かと思ったら、どうやら「ほぼ完全な初心者」と言います。「いまだに一度も極軸をきちんと合わせられたことはない」というのです。極軸をどう合わせているかというと「ASIAirの極軸調整機能で、しかもそれを北極星の見えない南側に向いたベランダでやっている」というのです。私が「そもそも赤道儀を方位磁石とかで北にむけていますか?」と聞いたら、その意味自身が伝わっていない様子でした。

そこでアドバイスしたのは「まずは近くの公園でもどこでもいいので、北の空が見えるところで、まずは赤道儀を北に向けてください。方位磁石でもいいですし、今ならスマホでコンパスアプリもあります。極軸望遠鏡もあるということなので、ASIAirとかの高度な機能はまずは忘れて、基本に忠実に、手で合わせるところから初めてください。北極星が見えるところでさえ極軸が合わせられないのなら、北極星が見えないところで極軸を合わせるなんて到底できません。高度な機能に頼るのは基本ができてからがいいです。」というようなことです。

今の世の中、高度すぎる機能のものが溢れかえっています。基本を疎かに便利なところだけ使おうと思っても逆に難しくなってしまいます。なので数十度ずれても、なぜそんな不思議なことが起こるか、根本的な疑問にさえ辿り着かないのかと思います。

実際、初心者にとっては天文機器を扱うのは難しい場合があります。「地元に天文クラブとかないでしょうか?もし一緒にやってくれる人がいるなら、一緒に夕食でもとりながら、その後、機材と一緒に付き合ってもらうのもいいですよ。」と、どなたかがアドバイスしていました。本当はこの場に機材を持ってきてくれていれば、教えてくれるような人はたくさんいると思うのですが、車を持っていなくて機材を持ってくるのは大変とのことです。

一度だけ上手く撮れたというアンドロメダ銀河の写真を見せてもらいました。奇跡的に極軸が取れた時で、それ以降やはり全然ダメだとのことです。基本を疎かにせず、コツさえ掴めば、必ず上手く行くはずです。せっかく揃えた素晴らしい機材です。今のままだと苦行になってしまいかねないので、一刻も早く楽しんでいろいろできるよう、成長されることを願って病みません。私が近くに住んでいるなら、押しかけてでも一緒に作業してあげたいくらいです。


夜の交流会

さて、夜はお待ちかねの交流会。なんでも「ダメな人間の会」とかいう別名がついているとのことで、延々と夜中まで続くそうです。たくさんの方がいるので、それでも話せたのは一部の方ですが、とても楽しかったです。私も漏れずにダメ人間になっていて、飲んだくれてずっと話し込んでいたら、電視観望の機材を外に出しっぱなしにしていたのを完全に忘れてしまっていました。午前0時頃に気づいて外に出てみたら、かろうじて2等星くらいまでの星は見えるのですが、全面がガスっていて、その時点で機材は片付けることにしました。後から聞いたら、高校生たちはダメ人間にはならずにずっと外で撮影をしていたとのことです。見習わなければいけません。

その後も交流会という名の飲み会は続きました。気づいたのは、女性が結構な割合でいることです。少し会話の中に入れてもらったのですが、みなさん以前からの知り合いのようで、とても仲が良さそうに見えました。こういった会にはよく参加されるそうで、居心地がいいのでしょうか、とても楽しそうに話していました。というのも、コロナ禍でこの会もなかなか集まることができず、観望会形式のようなものは続けてきたけれども、こうやって顔を突き合わせて交流(飲み食いする)するのは2019年以来4年ぶりとのことです。そんな会に呼んでいただき、とても光栄でした。

午前2時半頃でしょうか、やっと「そろそろお開きにしましょう」とかいう宣言がかかり、解散となりそれぞれの大部屋に戻って行きました。もちろん途中で布団に入った方や、宴会場の椅子に座って眠りこけてしまった人もいますが、3-4割の人は最後まで残っていたのではないでしょうか?眠るのは少し惜しかったのですが、明日の朝食は7時45分からです。あまり寝坊もできないのでそのまま布団に入ったら、すぐに眠ってしまいました。ちょっと疲れていたようです。


2日目の研究会

朝7時15分、部屋の電気がついて起床です。着替えや部屋の掃除をなどして、朝食に向かいます。朝食後になゆたの建物の上に見た白い月が印象的でした。

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午前9時から研究発表会が始まります。月の石を探す旅や、各地の観望会などの活動の様子が発表されます。小学5年生の女の子の発表や、高校生の発表もありました。少し緊張しているように見える人もいましたが、皆さん頑張って発表していました。

最後に発表された研究奨励賞には、一つは月の石の話と、もう一つは子供達がいろいろな体験をして自分たちで発表するという活動の、2つが選ばれました。特に後者の活動発表は、子供たちに自分で考えてもらい、考えたことが「腑に落ちる」というところを重要視しているとのことでした。私も観望会で似たようにできる限り参加者自身に考えてもらうようにしているので、この方針には大いに賛同できました。

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研究発表会のあとは、恒例のビンゴ大会です。私も星柄のフェイスタオルをいただきました。その後の奨励賞の表彰式も無事に終わり、15時少し前に会は終了しました。電車の時間に余り余裕がなかったので、当初からお世話になった実行委員のFさんに挨拶して、他の方とのお別れの挨拶も余りできずにその場を去って、呼んであったタクシーに乗り込み駅に向かいました。タクシーではお一人、岡山から参加している方と相乗りしました。この方、来る時も一緒のタクシーに乗った方です。駅までのタクシーの中と、駅のホームでも少しお話ししたのですが、今回初めての参加とのことで、いろんな方とお話しできたと言っていました。どうも他の方も聞いてみると、4年ぶりということもあったのか、今回が初めての参加の方も多かったようで、それぞれ楽しむことができるのが、この会の特徴と言えるのではないでしょうか。この方ともまたいつか会えるのを楽しみに、ホームでお別れしました。

さて、帰りも同じ電車でスーパーはくとになります。自由席は今度は後部にあたるので、来たときのような運転席を見ることは当然できません。というか、来た時と変わって結構混んでいます。それでも2つ並んであている席はあったのでそこに座り、昨日の寝不足のせいもあるのでしょうか、ぐっすり眠ってしまいました。

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帰りの乗り換えは、大阪駅です。混むことを心配して指定席を取っておいたサンダーバードに乗り込み、金沢まで向かいます。

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金沢駅について走って新幹線に乗ったら、予定より一本早く乗ることができました。富山駅では妻に迎えに来てもらい、最後は車で帰宅です。21時過ぎでした。かなりうまく乗り継いで片道6時間なので、やはりちょっと遠いですね。


まとめ

今回の講演を引き受けた時はまだ予定がガラガラだったのですが、実はそのあとどんどん詰まってきて、ブログでも書いたCP+も含めてここ2週間ちょいでセミナーや講演などが7つあり、相当タイトなスケジュールでした。このブログを書いている今はやっと全て終わり、自分の時間を取ることができています。それでもこの研究会は得るものも多くて、とにかく夜が楽しかったです。ちょっと遠かったですが十分に行く価値のあるもでした。もし興味がある方は、ぜひとも来年参加してみてはいかがでしょうか。


天文ファン、カメラファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか?いよいよCP+の時期が近づいてきましたが、

今年もサイトロンさんに講演依頼を頂き、
CP+2024で話すことになりました!

タイムテーブルなど、詳しくはこちらのCP+のオンラインプログラム一覧の2.24(SAT)のタブをご覧ください。



今年はなんと、現地であぷらなーとさんとの連続講演になります。


セミナー情報


2024年2月24日(土) 13:20-14:00

パシフィコ横浜 CP+2024
「サイトロンジャパンブース」
(オンライン配信あり)


「画像処理でオリオン大星雲の分子雲を
あぶり出してみよう」

元々、リアルタイムで星雲星団を見ることを目指して開発されてきた電視観望ですが、近年はその延長で天体写真撮影へと手を伸ばすことも盛んになっています。本来とても手間のかかかった天体写真撮影ですが、電視観望のライブスタックなどの技術をそのまま使うことで、かなり敷居の低いものになってきています。

今回の講演では撮影方法について少し紹介し、実際事前にライブスタックで撮影したオリオン大星雲を例に、セミナー会場で画像処理をしてみたいと思います。

まず最初にお見せしたいのは、星雲本体を鮮やかに出してみること。暗い中から星雲がブワッとあぶり出される様子は、天体写真をまだ扱ったことがない方には圧巻かと思います。

次は、特に初心者がつまづきやすい星雲周りの淡い分子雲をあぶり出すことです。画像に隠れている情報をいかに引き出すか、実際に操作を見せながら、なぜその操作が必要なのか、その理由をわかりやすく説明しようと思います。こちらは画像処理を始めたくらいの方から、背景までこだわった天体写真を目指そうとする方などに参考になるかと思います。

普段私はブログ記事の文章がメインで、あまり動画など 配信しないので、私自身にとっても動作そのものを見せることができる貴重な機会になりそうです。オンライン配信されるとのことなので、後日繰り返し見ることができればより理解も進むかと思います。その中で何か得て頂くものがあればと思います。

私の会場入りは前日の金曜日午後くらいからです。土曜日は講演終了後もしばらくCP+会場にいますので、私の姿を見つけた方はお気軽にお声掛けください。一応いつものネームプレーをとぶら下げておくことにします。

私のセミナーの後に、同じくサイトロンブースにて14:35から15:15まであぷらなーとさんのセミナーがあります。タイトルは「リーズナブルな天体望遠鏡で星雲撮影を楽しむ方法」とのことです。あれ?もしかして少し内容が被るかな?とも思いましたが、独自路線のあぷらなーとさんなので、そんな心配は杞憂ですね (笑)。


現地パシフィコ横浜会場にいらっしゃる方は、来場登録をお忘れなく。
 


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