ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:周辺減光

前回記事で試したASI2400MC ProとFS-60CB +旧フラットナーで試した電視観望。

お気軽電視観望というところからは程遠いことがわかり、今回は満を辞してのTSA120の登場です。さて、どうなることやら。


TSA-120にASI2400MC Proを取り付ける

前回FS-60CBでの反省を踏まえ、TSA-120でのセットアップです。

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  1. まず、カメラセンサーの近くにホコリがついていた可能性があるので、ブロアーで吹き飛ばしました。
  2. 周辺が歪まないようにフラットナーを鏡筒側に取り付けます。
  3. FS-60CBで苦労した接続も、2インチアイピースが標準のTSA120なら楽勝です。カメラに付属の2つのアダプターは、2インチアイピース口の差し込み口の径に合うような48mmのものになっています。落下防止の意味も含めて、アダプターを2つ連結してカメラに取り付けます。
  4. 月は出ていないですが街中で明るいのでCBPをカメラのアダプターの先に取り付けます。
  5. カメラ本体をアイピース口に差し込みます。
  6. 架台もAZ-GTiでは当然荷が重いので、CGEM IIにします。
IMG_5235


さあ、豪華セットで電視観望開始!

この状態でM42オリオン大星雲で比較します。今回も、西の空低くの沈みかけになります。FS-60CBではなかなか出なかったのですが、TSA-120では細部までかなり出ていることがわかります。ランニングマンも写りかけています。基本的にピクセルサイズが6μmと大きいため感度が高いためか、西のかなりひどい状況の空でも十分に映し出すことができています。
03_M42
ただし、FS-60CBの時よりはましみたいですが、それでも周辺減光があります。実はこれ、周辺減光はひどいわけでは全くなく、普通の撮影時で出てくる周辺減光と同レベルです。電視観望では強度の炙り出しをリアルタイムでしてしまうために、どうしても周辺減光が必要以上に目立ってしまいます。

次に、馬頭星雲と燃える木です。一応見えてますが、あまりはっきりしません。周辺減光で炙り出し切れていないせいもありますが、そもそも隣の家の屋根に沈む寸前。これ一枚ライブスタックした次の画像は、屋根が入ってしまいました。

01_hose

次はこちらも沈む少し前のバラ星雲です。画面をiPhoneで撮影したものです。
IMG_5233

この時にSharpCapでキャプチャした画像が下になります。
Stack_48frames_307s_WithDisplayStretch

この一部を拡大してよく見るとホットピクセルが多少あります。
Stack_48frames_307s_WithDisplayStretch_hot

でも解像度が高いので、引きで全体を見ている限りはそこまで目立たないようですが、スタック時間が長くなるとミミズのように伸びていきます。これはリアルタイムダーク補正でだいぶマシになります。

下はダーク補正をした場合。少し残りますが、細くなっていて実際の電視観望で全体で見ている限りはまず気になりません。
Capture_00001 20_41_36_WithDisplayStretch_hot

これ以降はの画像は全てダーク補正をしてあるものになります。


周辺減光をなんとかしたい

周辺減光を緩和できないか試してみました。次の画像はリアルタイムフラット補正をしたものです。iPad ProでColor Screenというアプリを使い、灰色に近い色を画面に出し、鏡筒の先端に当ててフラットを撮影しました。その際、画面が明るすぎたので露光時間を100msと短くしました。ちなみにLiveStack時は露光時間6.4秒ですが、一般にゲインさえ変えなければフラットフレームの露光時間を変えても問題ないはずです。
Stack_65frames_416s_WithDisplayStretch
でもこれを見ると、どうも赤が過補正になってしまっています。この時はモノクロのフラットフレームを作成しました。

色別で補正具合が違うということのようなので、各色で補正しなくてはダメなのかと思い、次はカラーのフラットフレームを作成してフラット補正した場合です。ダーク補正が何か影響するのかとも考え、この一枚はダーク補正もなしです。
04_rose
今度は白で過補正になっていますね。これまでも何度かSharpCapでフラット補正を試していますが、うまくいったことがありません。この日もこの時点で諦めました。以後はフラット補正はしていなくて、ダーク補正はしてあります。


春の銀河を電視観望

オリオン座が沈む頃の時間帯、春はあまりカラフルな天体はなく、鮮やかさでは寂しくなってしまいます。その代わり銀河はよりどりみどり。フルサイズなので広角ですが、十分に見応えがあります。

例えばしし座の三つ子銀河ですが、やはり周辺減光が大きいですが...、この画角だと拡大して一部だけ見た方がいいと思います。
Stack_169frames_1082s_WithDisplayStretch

実際、高解像度のカメラなので、拡大画像でも全く破綻しないんですよね。むしろこれがASI2400MC Proの真骨頂で、拡大しても得られた画像は素晴らしいの一言です。実際に見ているのに近い、iPhoneで撮影したものです。
IMG_5249
もうツルッツルですよ。これで6.4秒露光で、ライブスタックでトータル20分ちょいです。

参考に、画面をキャプチャしたものも載せておきます。
06_triplet

中心部を拡大すればこんなふうにかなり見えるようになるので、たとえ2インチ対応の鏡筒でも電視観望の炙り出しで周辺減光がある程度残ってしまうことを考えると、フルサイズの広角なのを利用して導入で楽をして、目的の天体を画面中心に持ってきて、画面上で拡大というのが使い方としては現実的なのかもしれません。

ちなみに下は、10分の1の時間、ライブスタック2分の時の画像です。
05_triplet
20分と比べるとザラザラ感は残りますが、これでも電視観望なら十分過ぎるくらい綺麗なものになります。

拡大して比較してみます。左が20分スタック、右が2分スタックです。2分のほうがノイジーですが、逆に20分は画像が流れた縞ノイズが少し出ています。
comp
ただ、拡大してこの程度なので、通常の電視観望ではたとえ2分露光のものでもかなり綺麗に見えたという印象になるかと思います。

20分スタック画像を簡易処理してみました。10分程度でパッとやったくらいです。流石に長時間かけた天体写真と比べるとダメですが、それでも十分鑑賞できるくらいにはなるのかと思います。
Stack_16bits_169frames_1082s_ABE_ABE_DBE2


次はソンブレロ銀河です。20分露光です。周辺減光が目立たないように中心部を拡大しています。これだけ見えれば十分でしょうか。
08_sonblero

最後はM51子持ち銀河です。これも20分露光で、中心部を拡大。少しノイジーですが、かなり細部まで出ています。これは結構すごい!
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少しノイジーだったので、あっと思い、この段階でこれまで冷却していないことに気づきました。そのため、では冷却したらどうなるかを試しました。
24_M51
ただし、その際、SharpCapを最新版にアップデートしたのですが、少し状況がわかったようです。ほぼ同じ条件で冷却をオンにしただけですが、明らかにノイジーになってしまっています。必ずしも最新版がいいわけではないようです。インターフェースは白の明るい部分がなくなり、改良されているようです。

そもそも電視観望は長時間露光ではないので、冷却がどこまで効くかは疑問で、今回は冷却に関しての効果の判断は保留としたいと思います。

とここら辺まで試して月が出てきたので終了。ASI2400MCとTSA-120での贅沢電視観望いかがでしたでしょうか?このレベルを観望会で、しかも大型画面やプロジェクターで見せることができたら、結構すごいと思います。


まとめ

ASI2400MC Proでの電視観望である程度わかったことをまとめておきます。
  • 鏡筒をかなり選んでも、フルサイズの電視観望では周辺減光はどうしても目立ってしまう。
  • リアルタイムダーク補正は結構効く。
  • リアルタイムフラット補正は結構難しい。
  • 感度、フルサイズの解像度、ダイナミックレンジは素晴らしく、電視観望でも撮影に近いレベルで画像を得ることができる。
などです。苦労もありますが、それに見合う結果は出るのかと思います。

ただし、このカメラの値段を調べてもらうとわかりますが、ちょっとというか、かなりのものです。電視観望のためだけに購入するのはなかなか勇気が必要で、今回は借り物だから実現できたのかと思います。撮影のためにこのカメラを購入し、そのついでに電視観望をするとかならまだ現実的でしょう。予算がある公共の天文台とか、個人でも余裕がある方は電視観望用途でも検討する価値はあるかと思います。ただ、今回私も口径や焦点距離、周辺減光などで結構苦労したので、ある程度のスキルも必要になってきます。こう考えると個人で電視観望のみの用途だとは少しもったいないレベルの機材の気がしますが、ただし、得られる画像はかなりのものであることは間違い無いので、興味がある人は検討する価値があるのかもしれません。

今回はこれまでとは方向性の違った豪華機材での電視観望でしたが、かなり楽しかったです。結論としては「ASI2400MC Proは価格はすごいが、得られる画像もやはりすごい!です。
 

3月3日の木曜の晩、新月期でとうとう晴れてくれました。SCA260で撮影がてらいくつかのことを確認したいと思います。


目的と対象天体

今回のSCA260での目的はいくつかあって、
  1. ナローバンドフィルターの枠を取り換えたことで周辺減光が緩和されたかどうか確認すること。
  2. 副鏡をきちんと固定したため、鏡筒の向きを変えても光軸がずれないことを確認すること。
  3. 3分露光で星像が丸になることを確認すること。
です。これらの効果を見るだけならどこでもいいので星空を1枚撮影すればいいのですが、せっかくなのできちんとターゲット天体を定めて枚数を撮影して作例としたいと思います。

ターゲット天体ですが、2つの可能性を考えました。まず一つはもともとSCA260は春の銀河まつり参戦の意味合いが強いので、星像がピシッと出るかどうを確かめたいこと。特に、焦点距離が1300mmとそれほど長いわけではないので、
  1. バローを入れて高分解能を目指す
  2. 以前タカsiさんが言ってくれたように、ASI294MMの1binを使って高分解能を目指す
  3. もしくはバローと1binの両方を使う
の3択でどれが一番良いかを確かめてみたいと思っています。ただし銀河なので基本はRGB撮影です。

もう一つは、ナローバンドの周辺減光を確かめるためにHα、OIIIなどで見える輝線星雲を狙うことです。現在次期フィルターホイールをどの方向でいくか迷っているので、今回はナローバンドフィルターの周辺減光を確認することを優先し、輝線星雲を撮影対象とします。ただ、この春になりかけの時期はだんだん銀河がメインになってくるので適した輝線星雲があまりありません。さらに、星像を他の方の結果と比較してみたいので比較的メジャーな天体がいいのかと思っています。

いろいろ迷って、一度撮ってみたかった馬頭星雲の拡大像にすることにしました。


撮影

オリオン座はもう西に行こうとしているので早めの撮影になります。なのでまだ明るいうちから準備を始め、天文薄明終了後すぐに撮影にはいります。これまでのSCA260での撮影と違うのは、繰り返しになりますがナローバンドフィルターのフィルター枠を1mmほど内円の径が大きいものにしたことと、もう一つはガイドをオフアキから120mm+ASI290MMに変えたことです。オフアキの方が精度が出るはずなのですが、ASI120MM miniの感度があまり良くないこともあり、見ることができる星の数が数個のオーダーで少なすぎるので、マルチスターガイドができません。もともとSCA260の焦点距離が1300mmとそこまで長くないので、今回はマルチスターガイドを狙い普通のガイド鏡を使うことにしました。

撮影は最初順調に進みましたが、10枚撮ったところで曇ってしまい、その後も待ちましたが晴れることはなく撤収となりました。


結果画像

Hαフィルターで撮影した10枚の中で、比較的よく撮れた1枚撮りです。PixInsightでオートストレッチだけしています。
2022-03-02_21-21-53_IC 432_LIGHT_HA_-10.00C_180.00s_G120_0010
これを見る限り、ナローバンドフィルターの周辺減光は許容範囲内と言っていいでしょう。なので、手持ちのフィルターを活用すると言う意味でも、少なくともフォーサーズのASI294MM Proに対してはフィルターホイールは31.7mm用のもので十分で、まずは今の5枚入るものから8枚入るものにアップグレードします。

星像ですが、拡大図です。
2022_03_02_21_21_53_IC_432_LIGHT_HA_10_00C_180_00s_G120_0010_cut
それほど悪くなく十分に真円に近くて、私的には十分許容範囲です。副鏡をきちんと固定した効果はあったようで、光軸ずれももうほとんど起きないと言っていいでしょう。3分露光でもしこのレベルが安定して出せるなら十分です...が、

上の画像はかなりいい方のものです。比較のために、撮影したうちの画像処理に回せるレベルのものを5枚ピックアップして中心部を拡大したものをgifにしてみました。位置合わせまでしてあるので、星の位置は変わりません。
Blink
こうやって比べてみると、やはり真円かと言うとまだ程遠くて、細長くなったりしています。伸びる方向はランダムなので、これは赤道儀のせいというよりはシンチレーションでしょうか?

念のため、10枚撮影したうちの落とした悪い方5枚をみてみます。こちらは位置合わせができてないので、星の位置が動きますがご容赦ください。
Blink
何かの拍子に揺れてしまい(ほとんどがガイドのon/offで飛んだものかと思われます)こちらも方向はランダムです。赤道儀起因で揺れているとしたらですが、今回の撮影では赤経の揺れが垂直方向、赤緯の揺れが水平方向になるように合わせています。なので赤経のみとか、赤緯のみとかの特定のモードが出ているようなことはなさそうで、突発的な揺れ、もしくはシンチレーションなどの常時のランダムな揺れが支配的なのかと推測されます。風は比較的穏やかでしたが、風や地面の揺れの可能性もあるかと思います。ただ、やはり手で鏡筒を触ると揺れると言う事実は変わりないので、もう少し頑丈な赤道がは欲しいところではあります。

さて撮影ですが、3月2日に続いて、その後の3月3日と4日も馬頭星雲を撮影できたたので、なんとか仕上げるくらいの枚数にはなりました。それでも両日とも暗くなった後に晴れてきて、そこからオリオン座が西に沈む手前までなので、雲がかかったものやブレたやつとかを除いたら、初日の分も合わせてもトータルわずか1時間半ほどでした。こちらは画像処理が済んだらまた別の記事に書きます。


まとめ

SCA260がやっと3分露光でまともに撮影ができるようになってきました。ただしそれでも使えるのは高々3分露光で撮影したものの50%くらいと、まだ実用レベルと言うにはちょっと厳しいです。さらに長時間露光にしたら採択率も下がるでしょう。もっと頑丈な赤道儀があるといいのですが、もう少し我慢です。

前々回前回のトール兜星雲画像処理の時に、ライトフレームやフラットフレームを見ていて、いろいろ問題があることがわかりました。

 
 

問題点は以下の通りで
  1. Hα、OIIIのナローバンドのみ周辺減光が大きい、RGBはそれほどでもなく許容範囲。
  2. センサーの埃がひどすぎる。
  3. OIIIのフラットがムラだらけ。
とかいうものです。一つづつ見ていきます。


なぜナローとRGBで周辺減光に差があるのか?

同じバーダーのフィルターを使っているのに、撮影画像を見るとナローとRGBに明らかに差があります。

例えばR画像です。
Capture_00001 15_27_36_WithDisplayStretch
四隅も欠けて見えますが、かなり炙り出して見ているので、実際の撮影でフラット補正してしまえばほとんど気にならないレベルになります。GもBもRと同様です。

次にHα画像です。
Capture_00001 15_31_36_WithDisplayStretch
明らかにHαの方が欠けている部分が明らかに大きいのが分かると思います。ホコリのリングがあまりはっきり見えていないことから分かるように、たいして炙り出しもできていません。R画像と比べるても見た目以上に周辺減光が大きいことが推測できます。さすがにこのレベルだとフラット補正でも補正しきれなくて、画像処理の時に無視できないレベルで四隅は結構な範囲でクロップするしかなく、少しもったいないです。

何故こんな違いが出るのか、ナローバンドフィルターとRGBフィルターをよく見比べてみると、リングが結構違います。下の写真のホイールの裏から見た場合ですが、左側がHαフィルターで、右がBフィルターです。
IMG_4405

左のナローの方の内側のフィルターの受け皿の内径が明らかに小さいです。どうやらここが周辺減光の原因になっているようです。

とりあえず、ナローフィルターのフィルターだけをホイールに直接載せればいいかと思いました。

まずはHαフィルターをリングから外します。外したフィルターをフィルターホイールの穴に直接載せてホイールに付属のフィルム型のリングでとめようと考えました。ところがところが、フィルターをホイールの穴に置こうとしたらなんとそのまま通り抜けてしまい、センサーのところまで落ちていってしまいました。どうやらフィルター径の方が穴の径よりも小さいようです。

気を取り直してフィルターのリングはとりあえず使うことにしますが、さてどうしましょうか?

手持ちの機材をいろいろ漁ってみると、昔星まつりでジャンク価格で買った古いORIONのオレンジとかバイオレットとかの、さすがに使いそうにないフィルターがあり、そのリングが今回使えそうなことがわかりました。内径は少なくとも今のナローバンドのリングよりも小さそうです。
IMG_4408
IMG_4410
左がORIIONのOrangeフィルター、右がバーダーのHα

フィルターのリングを取り替えて、ホイールに再び取り付けます。さて再度カメラで見てみると...
Capture_00001 16_15_11_WithDisplayStretch

おお!周辺減光が明らかに改善しています。

OIIIも同様に変更しておきます。


センサーのゴミ

前回の記事で見せたマスターフラットです。

masterFlat_BIN_2_FILTER_HA_Mono_integration_ABE

ABEを4次で欠けてさらにフラット化しているので相当強調されていますが、流石にあまりにひどい汚れです。どこが原因か探ってみます。

まず鏡筒に対して接眼部全体を回転させてもホコリの位置がかわらないので、接眼部が原因です。さらにホイールに対してカメラのみ回転させてもホコリの位置が変わらないので、カメラで確定です。ホコリのリングの大きさかが全て同じなのと、その大きさから言って、センサー面ではなく少し離れた保護ガラス面に乗っかったホコリでしょう。

でも目で保護ガラス面を見ても全く汚れているようには見えません。おそらく相当細かいホコリか何かです。

とりあえずよくわかりませんが、保護カバー面を以前買ったセンサー掃除用のスワブを使いました。



持っているのは6Dのためのフルサイズ用でしたが、スワブの短辺が、フォーサーズセンサーの長辺と同じくらいなので、そのまま使うことができました。

一度拭っただけで効果は的面で、9割方のホコリをとることができました。
Capture_00001 16_53_05_WithDisplayStretch

欲を出して同じスワブでもう2−3度拭き取りましたが、逆にたくさんのホコリが乗っかってしまいました。えっ!と思いましたが、冷静になってブロアーで吹き飛ばすと、今度は完璧で、見る限りホコリは全て取れたと思います。
Capture_00001 17_02_03_WithDisplayStretch


ムラ

次にOIIIフラット画像のムラについてです。まずはOIIIのフラット画像を見てみます。少しホコリが乗っかってしまっていますが、これはブロアで吹き飛ばせるものです。
Capture_00001 17_01_02_WithDisplayStretch

でもこれ、左右で明るさの差はありますが、ムラには見えません。どうやら前回の画像処理の時にすでに勘違いしていたみたいで、改めて今回見るとOIIIはほぼムラはなく、逆にHαに同じような形のムラがあります。

おそらくですがこれはNINAの問題で、一旦シーケンスを走らせて、途中で止めてフィルターを別のものに入れ替えてから、シーケンスを再開するとフィルターが変わったことを認識せずに、そのままその時のフィルターで初めてしまうことがあるようです。フォルダ名やファイル名にフィルター名を書いておいても、実際に使っているフィルターでなく、最初にシーケンスで指定したフィルター名のままになってしまいます。

OIIIで撮ったと思っていたのが実際にはHαで撮影していてためにムラが出たしまったのかと思いますが、少し腑に落ちないところもあります。まあ、今回はとりあえずムラが見えているHαフィルターについて考えます。

Hαフィルターでのフラット画像をリアルタイムで見ながら、いろいろやってみました。例えば明るさやゲインを変えてみたりしましたが、暗いと見えにくくことはあっても消えるようなことはありません。形はカタカナの「コ」の字のようです。RGB、OIIIのいずれにもこんな模様は見えませんが、Hαには再現性を含めて存在しそうです。フィルターを回転させても模様は変わりません。

ここで、バーダーのHαフィルター自体に問題があるのではと思い、もう一枚持っていたサイトロン製の同じ7nmのHαフィルターに交換してみました。同じ7nmと言っても、見た目でフィルターの色が違うので、少なくとも特性が全く同じとは思えません。その結果が以下です。

Capture_00001 17_23_51_WithDisplayStretch

ホコリは無視するとして、ムラの形が相変わらずカタカナの「コ」でほとんど変わっていないのです。

これは何を意味するのでしょうか?

ふと立ち止まってしばらく落ち着いて考えていましたが、結局結論としてはセンサー面の個々のピクセルがこの波長に対して感度差があるのではということくらいしか思いつきません。可視光に対してはメーカーも感度ムラをきちんと検証していても、赤外に近いHαについては検証し切れていないのかもしれません。もしこれが正しいなら、ある程度仕方ないので、フラット補正を木tんとするということくらいしか対策はありません。次回、本当にきちんと補正ができるかなど、気を付けて見てみたいと思います。

あと、最後の画像でついたホコリについてです。できるだけセンサーを逆さにしながらフィルターを取り替えたりしましたが、結構なホコリが付くことがわかります。原因は、ネジを締める時の金属粉、指を使って閉める時に爪が少し削れた粉、空気中にあるホコリがフィルターを外した時についてしまうなどです。フラット補正で多少のホコリは問題ないことは分かっていますが、やはりあまり気分の良いものではないので、フィルター交換時などはできるだけ気をつけたいと思います。


まとめ

周辺減光もホコリ取りも十分な効果がありました。また、ムラはおそらく赤外に近い波長に対するセンサーそのものの感度ムラの可能性が高そうなことがわかりました。

今わかっている問題に対しては、手持ちの機材でできることはだいたいこれで対応し尽くした気がします。これ以上は赤道儀を大型化するとか、フィルターを大きくするとかしかないのかと思います。まずはこの状態で次の天体を撮影し、効果の程をみたいと思います。


次期フィルターホイール

RGB撮影と、AOO撮影は試したので、次はSAOとかに挑戦したいと思っています。その場合、今の5枚装着できるフィルターホイールでは不足です。かと言って、フラットがずれることや、今回わかったホコリが入ることなどから、フィルターをその場で入れ替えての撮影は避けたいと思います。

今フィルターは31.7mmですが、次期フィルターホイールをそのまま31.7mmで枚数だけ増やすか、36mmか、さらに2インチにいくべきか迷っています。将来的なことを考えたら2インチにしておくべきなのかもしれませんが、とにかくフィルターが高い!ナローバンド3枚で波長幅にもよりますが10万円から20万円コースです。36mmならZWOでグッと安いのがあり、とりあえずこちらにすべきか?

予算だけ考えるとまずは31.7mmの8枚ホイールだけを買うことになりそうですが...。

Player Oneの評価もそこそこに、何と今度はFMA135の試用をSIGHTRONさんから頼まれました。


Askarの新製品FMA135



ひと月ほど前にCP+の配信のことをシュミットの店長さんと電話で話していたときです。その際にAskarのことが話題になりました。なんでもFMA135が日本でも販売されそうだということを聞いて、私の方からよかったら是非試させて欲しいと頼んだような運びです。

そもそもFMA135とは、最近注目のAskar社が出した焦点距離135mm、口径30mmの非常に小さな鏡筒です。あのAskar社が出すということで、レンズも相当気を使っていて、1枚のEDレンズを含む対物3枚玉にさらに3枚玉フラットナーをつけてあるので、収差を抑えかなりシャープな星像が期待できるようです。

新製品ということですが、日本に到着してすぐに送ってくれたみたいで、4月24日に自宅に届きました。でも到着後、なかなか天気の良い日がなくて、やっと昨晩の夜中くらいに雲が結構晴れてきてファーストライトとなりました。


早速開封

到着後すぐに箱を開けて中身を取り出してみましたが、中には3つに別れたパーツが入っていました。

IMG_2336

真ん中が本体、左がアメリカンサイズの差込口になってここにCMOSカメラやアイピースを取り付けることができます。右の赤いのが足になり、本体にスポッとはめて取り付けることができます。

本体は小さくてとてもコンパクトです。コンパクトにもかかわらず、非常にしっかりとした作りになっています。前後には金属のねじ込み式の、かなりしっかりした蓋がついています。ふたは意外に重要だったりするので、こういった細かい所も作り込んでくるAskarの姿勢は、非常に好感が持てます。

アイピース取り付けアダプターもかなり肉厚にできていて、カメラなどのたわみもほとんど出ないと思われます。


FMA135を試したかった理由

そもそもこの鏡筒(と言っていいのかというくらい小さいのですが)を試したかったのは、焦点距離200mm以下のきちんとした鏡筒というのはなかなかないからです。200mm以下となるとカメラレンズが主となってきます。でもカメラレンズで周辺まで星が点像で写るものはかなり高価になります。しかもオートフォーカスなども付いていて高機能なのですが、星を撮影する分にはそういった機能のほとんどは必要ありません。一方このFMA135は4万円程度とかなり安価な部類になり、これで星雲など撮影できるならかなり魅力的な鏡筒になるかなと思ったからです。安価な分口径わずか30mm、それでもF4なのですが、最近の明るい高級レンズと比べると、少し暗いことは否めません。まあそこは撮影時間を稼ぐことでなんとかなるのかと思います。

ちなみにメーカー推奨はAPS-Cなのですが、せっかくの短焦点鏡筒なので、フルサイズだとどれくらいの撮像になるのか、興味があるので今回はEOS 6Dで試してみました。


一眼レフカメラと接続

6Dを含めて、一眼レフカメラとの接続は一般のT2アダプターを使います。FMA135の本体にはT2ネジが切ってあるので、そこに各社の一眼レフカメラ用のT2アダプターを持ってくれば、そのまま接続できます。

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カメラにFMA135を実際に繋いでみると、そのコンパクトさが強調されます。三脚への固定ですが、FMA135自身がかなり軽いので普通のカメラレンズと思ってしまって、カメラ本体側で三脚に固定すれば十分です。私の場合、アルカスイス互換のL字プレートをカメラ本体に取り付けてあるので、今回はそれを使って普通に三脚に取り付けました。


ファーストライト

いよいよファーストライトです。外に出てみると、まだ少し雲が残っていましたが、できるだけ雲のないところを選びます。ピント合わせはFMA135本体で行います。私は6Dでのピント出しは、カメラ側のモニターをオンにして、明るい星を選び、できるだけ拡大して映して、それが最小形になるように調整します。FMA135の場合レンズ部がヘリコイド式になっているので、回転させてレンズを伸び縮みさせます。ピント固定ネジが付いているのですが、これが結構小さくて暗い中だと苦労しました。天体撮影だと一度ピントを決めたらあまりいじらないので、もう少し固定しやすくなっててもいいかと思いました。

さて、ピントもあって、画角も決まったので、露光時間とISOを変えて何枚か撮影しますが、固定三脚だと10秒でも星が流れてしまうことがわかったので、ここで赤道儀に載せ換えます。玄関に置いてあったAdvanced VXをそのまま庭に出しただけですが、今回は極軸も取らずに、ドンとだいたい北に向けて置いただけです。こんな適当な置き方でも、固定三脚に置くより遥かにズレが少なくなりますが、ここらへんの詳しいことに興味がある方はこのページを読んでみてください。


撮影結果と星像

これで何枚か撮影した中で、露光10秒、ISO3200で撮ったときの撮って出しJPEGが適度な明るさで星が見えていました。真ん中らへんにゴミがあるのは無視してください。

IMG_4009

この周辺の拡大図は以下のようになります。

IMG_4009_cut25

内側の青の枠がAPS-Cに相当し、外側のオレンジ色の枠がフルサイズに相当します。各マスは100x100ピクセルを切り出しています。こうやって見ると、やはりメーカーの言う通りAPS-Cは十分に点像を保っています。一方フルサイズの周辺になってくると少し星像が各方向に伸びていってしまっているのがわかります。と言っても、あくまで拡大しての話で、一般の同等な焦点距離のカメラレンズと比べても全然遜色なく、全体でみている限り四隅もそこまで気になるほどでありません。むしろ折角の短焦点鏡筒の特徴を生かして、フルサイズで広い範囲を取る方向の方が面白い気がします。


周辺減光

一方周辺減光ですが、iPhoneにColorScreenというソフトを用いてホワイト画像(実際には輝度128/256のグレー画像)を出してやり、それをFMA135と6Dでフルサイズで撮影することで評価してみました。撮影はISO100、1/400秒です。その時の撮って出しJPEG画像と等高線図が以下のようになります。

IMG_4006

IMG_4006_contourPlot

等高線はPixInsightのScriptを使いました。この時の等高線の最も明るいところが0.519、最も暗いところが0.328となるので、フルサイズだと中心に比べて最周辺は0.328/0.519 = 63.2%になるので、やはりそこそこ光量は落ちてしまいます。

ちなみにAPS-Cサイズ相当の位置の最終篇の明るさが0.494程度となるので、APS-Cだと中心に比べて最周辺は0.494/0.519 = 95.2%になり、ほとんど金にならない程度になります。

こうやって星像の流れと周辺減光を見てみると、メーカーがAPS-Cまでと言っているのがわかる気がします。逆にいうと、どれくらい星がずれるか、どれくらい周辺が暗くなるかをきちんとできたので、それが問題にならない範囲で自己責任で使う分には、結構魅力的だと思います。

ちなみにFMA135で月を撮ってみましたが、フルサイズだと月がこれくらいのサイズになります。これも撮って出しJPEGなので、大きさを確認するくらいを参考にしてください。

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まとめ

さて、FMA135のファーストライトを駆け足で紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。今後撮影も実際にしていきたいと思いますが、撮りたい領域が夜中以降に出てくるので、新月期近くになるまで少し待たなければならないかもしれません。

その代わりと言ってはなんですが、今回のファーストライトの後にFMA135とNeptune-C IIで電視観望を試してみました。実は電視観望用にはFMA135をあまり使おうと思っていなかったのですが、超コンパクトシステムになりかなり面白いです。電視観望については、また次回以降の記事(2021/5/2追記: まとめました)にまとめたいと思います。



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