ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:ホコリ

前々回前回のトール兜星雲画像処理の時に、ライトフレームやフラットフレームを見ていて、いろいろ問題があることがわかりました。

 
 

問題点は以下の通りで
  1. Hα、OIIIのナローバンドのみ周辺減光が大きい、RGBはそれほどでもなく許容範囲。
  2. センサーの埃がひどすぎる。
  3. OIIIのフラットがムラだらけ。
とかいうものです。一つづつ見ていきます。


なぜナローとRGBで周辺減光に差があるのか?

同じバーダーのフィルターを使っているのに、撮影画像を見るとナローとRGBに明らかに差があります。

例えばR画像です。
Capture_00001 15_27_36_WithDisplayStretch
四隅も欠けて見えますが、かなり炙り出して見ているので、実際の撮影でフラット補正してしまえばほとんど気にならないレベルになります。GもBもRと同様です。

次にHα画像です。
Capture_00001 15_31_36_WithDisplayStretch
明らかにHαの方が欠けている部分が明らかに大きいのが分かると思います。ホコリのリングがあまりはっきり見えていないことから分かるように、たいして炙り出しもできていません。R画像と比べるても見た目以上に周辺減光が大きいことが推測できます。さすがにこのレベルだとフラット補正でも補正しきれなくて、画像処理の時に無視できないレベルで四隅は結構な範囲でクロップするしかなく、少しもったいないです。

何故こんな違いが出るのか、ナローバンドフィルターとRGBフィルターをよく見比べてみると、リングが結構違います。下の写真のホイールの裏から見た場合ですが、左側がHαフィルターで、右がBフィルターです。
IMG_4405

左のナローの方の内側のフィルターの受け皿の内径が明らかに小さいです。どうやらここが周辺減光の原因になっているようです。

とりあえず、ナローフィルターのフィルターだけをホイールに直接載せればいいかと思いました。

まずはHαフィルターをリングから外します。外したフィルターをフィルターホイールの穴に直接載せてホイールに付属のフィルム型のリングでとめようと考えました。ところがところが、フィルターをホイールの穴に置こうとしたらなんとそのまま通り抜けてしまい、センサーのところまで落ちていってしまいました。どうやらフィルター径の方が穴の径よりも小さいようです。

気を取り直してフィルターのリングはとりあえず使うことにしますが、さてどうしましょうか?

手持ちの機材をいろいろ漁ってみると、昔星まつりでジャンク価格で買った古いORIONのオレンジとかバイオレットとかの、さすがに使いそうにないフィルターがあり、そのリングが今回使えそうなことがわかりました。内径は少なくとも今のナローバンドのリングよりも小さそうです。
IMG_4408
IMG_4410
左がORIIONのOrangeフィルター、右がバーダーのHα

フィルターのリングを取り替えて、ホイールに再び取り付けます。さて再度カメラで見てみると...
Capture_00001 16_15_11_WithDisplayStretch

おお!周辺減光が明らかに改善しています。

OIIIも同様に変更しておきます。


センサーのゴミ

前回の記事で見せたマスターフラットです。

masterFlat_BIN_2_FILTER_HA_Mono_integration_ABE

ABEを4次で欠けてさらにフラット化しているので相当強調されていますが、流石にあまりにひどい汚れです。どこが原因か探ってみます。

まず鏡筒に対して接眼部全体を回転させてもホコリの位置がかわらないので、接眼部が原因です。さらにホイールに対してカメラのみ回転させてもホコリの位置が変わらないので、カメラで確定です。ホコリのリングの大きさかが全て同じなのと、その大きさから言って、センサー面ではなく少し離れた保護ガラス面に乗っかったホコリでしょう。

でも目で保護ガラス面を見ても全く汚れているようには見えません。おそらく相当細かいホコリか何かです。

とりあえずよくわかりませんが、保護カバー面を以前買ったセンサー掃除用のスワブを使いました。



持っているのは6Dのためのフルサイズ用でしたが、スワブの短辺が、フォーサーズセンサーの長辺と同じくらいなので、そのまま使うことができました。

一度拭っただけで効果は的面で、9割方のホコリをとることができました。
Capture_00001 16_53_05_WithDisplayStretch

欲を出して同じスワブでもう2−3度拭き取りましたが、逆にたくさんのホコリが乗っかってしまいました。えっ!と思いましたが、冷静になってブロアーで吹き飛ばすと、今度は完璧で、見る限りホコリは全て取れたと思います。
Capture_00001 17_02_03_WithDisplayStretch


ムラ

次にOIIIフラット画像のムラについてです。まずはOIIIのフラット画像を見てみます。少しホコリが乗っかってしまっていますが、これはブロアで吹き飛ばせるものです。
Capture_00001 17_01_02_WithDisplayStretch

でもこれ、左右で明るさの差はありますが、ムラには見えません。どうやら前回の画像処理の時にすでに勘違いしていたみたいで、改めて今回見るとOIIIはほぼムラはなく、逆にHαに同じような形のムラがあります。

おそらくですがこれはNINAの問題で、一旦シーケンスを走らせて、途中で止めてフィルターを別のものに入れ替えてから、シーケンスを再開するとフィルターが変わったことを認識せずに、そのままその時のフィルターで初めてしまうことがあるようです。フォルダ名やファイル名にフィルター名を書いておいても、実際に使っているフィルターでなく、最初にシーケンスで指定したフィルター名のままになってしまいます。

OIIIで撮ったと思っていたのが実際にはHαで撮影していてためにムラが出たしまったのかと思いますが、少し腑に落ちないところもあります。まあ、今回はとりあえずムラが見えているHαフィルターについて考えます。

Hαフィルターでのフラット画像をリアルタイムで見ながら、いろいろやってみました。例えば明るさやゲインを変えてみたりしましたが、暗いと見えにくくことはあっても消えるようなことはありません。形はカタカナの「コ」の字のようです。RGB、OIIIのいずれにもこんな模様は見えませんが、Hαには再現性を含めて存在しそうです。フィルターを回転させても模様は変わりません。

ここで、バーダーのHαフィルター自体に問題があるのではと思い、もう一枚持っていたサイトロン製の同じ7nmのHαフィルターに交換してみました。同じ7nmと言っても、見た目でフィルターの色が違うので、少なくとも特性が全く同じとは思えません。その結果が以下です。

Capture_00001 17_23_51_WithDisplayStretch

ホコリは無視するとして、ムラの形が相変わらずカタカナの「コ」でほとんど変わっていないのです。

これは何を意味するのでしょうか?

ふと立ち止まってしばらく落ち着いて考えていましたが、結局結論としてはセンサー面の個々のピクセルがこの波長に対して感度差があるのではということくらいしか思いつきません。可視光に対してはメーカーも感度ムラをきちんと検証していても、赤外に近いHαについては検証し切れていないのかもしれません。もしこれが正しいなら、ある程度仕方ないので、フラット補正を木tんとするということくらいしか対策はありません。次回、本当にきちんと補正ができるかなど、気を付けて見てみたいと思います。

あと、最後の画像でついたホコリについてです。できるだけセンサーを逆さにしながらフィルターを取り替えたりしましたが、結構なホコリが付くことがわかります。原因は、ネジを締める時の金属粉、指を使って閉める時に爪が少し削れた粉、空気中にあるホコリがフィルターを外した時についてしまうなどです。フラット補正で多少のホコリは問題ないことは分かっていますが、やはりあまり気分の良いものではないので、フィルター交換時などはできるだけ気をつけたいと思います。


まとめ

周辺減光もホコリ取りも十分な効果がありました。また、ムラはおそらく赤外に近い波長に対するセンサーそのものの感度ムラの可能性が高そうなことがわかりました。

今わかっている問題に対しては、手持ちの機材でできることはだいたいこれで対応し尽くした気がします。これ以上は赤道儀を大型化するとか、フィルターを大きくするとかしかないのかと思います。まずはこの状態で次の天体を撮影し、効果の程をみたいと思います。


次期フィルターホイール

RGB撮影と、AOO撮影は試したので、次はSAOとかに挑戦したいと思っています。その場合、今の5枚装着できるフィルターホイールでは不足です。かと言って、フラットがずれることや、今回わかったホコリが入ることなどから、フィルターをその場で入れ替えての撮影は避けたいと思います。

今フィルターは31.7mmですが、次期フィルターホイールをそのまま31.7mmで枚数だけ増やすか、36mmか、さらに2インチにいくべきか迷っています。将来的なことを考えたら2インチにしておくべきなのかもしれませんが、とにかくフィルターが高い!ナローバンド3枚で波長幅にもよりますが10万円から20万円コースです。36mmならZWOでグッと安いのがあり、とりあえずこちらにすべきか?

予算だけ考えるとまずは31.7mmの8枚ホイールだけを買うことになりそうですが...。

SCA260の撮影時、右下に変な模様が出るので、接眼部を一旦バラして見てみました。これをきっかけに色々発見がありました。

変な模様の原因

天気が悪いなりにも、折を見て適時撮影を試しているのですが、何か変な右下に模様があることに気づきました。。
ASI290MMPro_dust

流石にこれだと画像処理にも困りそうなので、原因を探ります。
  1. まず、鏡筒先端にカバーをつけてダーク状態で模様が見えることを確認します。
  2. フォーカサー部分を丸ごと回転させてみます。SharpCap画面上で模様の位置が動かなかったので、原因はフォーカサーより後ろ(カメラ側)ということになります。
  3. 次に、カメラのみホイールとの接合ネジを緩めながら回転させてみます。それでも模様の位置が動かないのでカメラが原因ということになります。
  4. 一旦カメラを外して、キャップをつけセンサーに入る光を遮り模様が見えるか試します。ところがここで模様が消えてしまいました。
  5. この時点で少し迷いますが、キャップをつけて真っ暗になったら見えなくなったので、何か光に対する影で、センサー面に何かついているのではないかと考えました。少し光を入れるとやはり模様が出てきました。
  6. センサー面を見ると、かなり大きな繊維のようなものが付いていました。
  7. ブロアーで吹き飛ばして、再度画面から模様が消えたことを確認して完了です。

とまあ、ここまでは特に何のことはないホコリ取りだけです。


光漏れの最大原因

でもふと我に返って思いました。

「あれ?なんで鏡筒カバーしてるのに
光が入ってるんだろう?」

そもそもホコリは光が入っていないと見えません。一番最初に書いた「鏡筒先端にカバーをかけてダーク状態を作り出した」というのは全く嘘だったようです。

そもそもこの作業は昼間の明るい部屋の窓際で行いました。最初のダークだと思っていた状態で窓のカーテンを開け閉めすると、SharpCapでの画面の明るさが思いっきり変わります。明らかに鏡筒のどこかで光が漏れています。具体的には画面の真ん中に丸い明るい領域がドカンと居座ります。

次に試したことが、再びカメラを外してキャップをします。鏡筒につけている時より遥かに暗くなり、バイアスノイズらしきものが見えてきます。でもこれでも真っ暗ではないようで、太陽光をカメラに当てた時と、カーテンの影に置いた時でSharpCapでの画面の明るさが変わります。ただし、変わるといっても微々たるもので、カメラを鏡筒につけていた時から見たら誤差の範囲です。

再びカメラを鏡筒に取り付けます。カメラ単体よりもやはり遥かに明るいです。色々試しながらどこから光が漏れているか確認していきました。途中最も怪しいと思ったところがオフアキの継ぎ目でした。下の写真で見てもわかるように、アダプターに3箇所切れ目が入っていていかにも光が漏れそうです。パーマセルテープなどをつけたりして確認しましたが、どうもここが原因なような、原因でないような?

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結論を言うと、オフアキ部は白で光漏れは確認できませんでした。

本当の原因はフォーカサー。下の写真のようにフォーカサーを一番短くすると光の漏れはかなり小さくなります。
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逆にフォーカサーを一番伸ばすと、相当量の漏れになります。
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SCA260_forcuser_longest
真ん中に明るい丸い部分が出てくるのがわかります。漏れ光の量はフォーカサーの引き出し量に比例します。

フォーカサーを最大限引き出しても、隙間にパーマセルテープを貼り付けるとかなりマシになり、最も縮めた場合と同程度となります。
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SCA260_forcuser_longest3

これはフォーカサー固有の問題なので、おそらくSCA260だけのことではなく、同様の形のフォーカサーにかなり一般に言えるのかと思います。なので、

もし撮影画像の真ん中が
明るくなるようなことがあったら
フォーカサー部からの光漏れを
疑った方がいいかも

ということが言えそうです。今回はこのことが言いたくて記事を書いています。特に、カメラを代えたら突然真ん中に明るい丸が出たとか言う場合は、カメラが原因ではなくて焦点位置が変わったためフォカサーを引き出して光が漏れるようになったことが原因とかかもしれません。


その他の光漏れ

では漏れに関してはフォーカサーさえきちんと対処すれば完璧かというと、まだそうではありません。よくよく調べると、ファンのところからも光が漏れていることがわかりました。SCA260には鏡筒内の温度を外気温と早く同等にするために、接岸側に3つのファンがついています。

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ここは穴のようなもので、光がどうも鏡筒内に漏れ入るようで、ここを塞ぐと明らかにSharpCapの画面の明るさが変わります。それでもフォーカサーでの漏れ光と比べると誤差の範囲になってきます。さらに先にも書きましたが、カメラ単体にも漏れ光があります。比較すると

フォーカサー >> ファン > カメラ

といったところでしょうか。

これは明るいところで比べたので漏れ光としてSharpCapで確認できましたが、DSOなどの撮影時は鏡筒周りは十分暗くなるはずなので漏れ光は理想的には問題にならないはずです。ですが実際には光害があったり、赤道儀やバッテリーのLED、様子を見るためのヘッドライトなどの光、遠征地ではたまに来る車のライトなど、必ずしも真っ暗ではないことも多いです。このような環境下では漏れ光は十分に問題になることもあるでしょう。大原則は一番漏れるところを抑えること。今回の結果ではフォーカサー部です。最短状態に縮めて使えればいいのですが、そんなことは稀なので、光を通さないパーマセルテープや適当なカバーなどでフォーカサーの可動部の継ぎ目を塞ぐといいのかと思います。

現実的には、実際の撮影時に真ん中に明らかに明るい部分がある場合、もしくはフォーカサーを縮めた状態から撮影する位置まで伸ばした時に、SharpCapで見て明るくなるかどうかで判断すればいいのかと思います。

あと鏡筒先端につけるSCA260付属のカバーですが、柔らかいものでいささか心許ないと思っていたのですが、遮光性はバッチリでカーテンの開け閉めでも漏れ光は確認できませんでした。


他の鏡筒との比較 

かなり以前、MEADE 25cmで撮影した際に真ん中に明るい部分が出たことがあります。その時は原因がわからなかったのですが、実はこの時も同タイプのフォーカサーを使っていたことを思い出しました。今となっては確かめられませんが、フォーカサーが原因だったのかもしれません。

SCA260が設計時に参考にしたと言われているタカハシのCCA250ですが、このようなタイプのフォーカサーは使っていません(持ってないので実際には見てないですが)。代わりに、モーターで副鏡を移動させることで焦点を変える方式を採用しています。何でそんな面倒なことをするのかと思っていたのですが、もしかしたら設計時にフォーカサーの欠点を把握していたとかかもしれません。


まとめ

ちょっとしたホコリ対策から光漏れを調べる事になってしまいましたが、これまでそんなことは全然気にしていませんでした。何事も当たり前と思わずに、常に何が正しいか、疑いを持つくらいで進めた方がいいのかと思います。特に私は自宅撮影が多いので明るい場合も多く、これまでも光漏れとかもあったのかもしれません。


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