ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:オートガイド

前記事ではPSTの調整などのことを書きましたが、同日の土曜と次の日の日曜に太陽に対応したPHD2で、実際の太陽オートガイドを試しました。

PHD2による太陽ガイドが開発されている

CP+の講演の中でPHD2の対応対応についてちらっとだけつぶやいたのですが、まだ日本ではほとんど認識されていなかったようで、一部の太陽マニアにはかなり響いたみたいです。その後、実際試された方が何人もいるようです。

それまでは太陽のオートガイドには以前このブログでも紹介した、Lusol-Guideがよく使われていたようです。私も何度が試したのですが、
  • ソフトの開発が止まっていること。
  • 元々有料だったこと。 (当時Lusol-Guideに気づいたhiroさんが、ほぼ表舞台から遠ざかっていたと思われる作者まで奇跡的にたどり着いて、無料で使って構わないという確認をとってくれました。)
  • 自分で試した限り、ガイド精度が10ピクセル程度と、そこまでよくはないこと。
  • そもそもタイプラプスのために保存するser形式の動画ファイルが、HDDに対してかなり負担になること。
などから、その後Lusol-Guideというよりも太陽タイムラプス自体をあまり試すことはなくなっていました。

そんな折、PHD2の太陽版がリリースされたのは2024年の3月頃のことです。その後2024年8月にJun1Watanabeさんがラズパイで太陽の中心を星のように小さく表してPHD2に渡すという独自の太陽ガイドシステムを発表しています。ここ1年で、太陽ガイドに関していくつか選択できるまでになったというのは、とてもありがたいことです。

私はPhoenixが来てからPHD2を簡単に試しただけなのですが、使い勝手もPHD2と本質的に同じで、使いやすく本格的な制御にも対応していて、安定に動かすことができました。今の私 (わたし) 的な再太陽ブームにおける今回の目的は
  1. かなり拡大して撮影するC8で、タイプラプス映像が作れるくらい安定したガイドを構築すること。
  2. あわよくば、SharpCapでリアルタイムでスタックしてできた画像のみを保存することで、とんでもない大きさのraw形式での動画ファイルの保存を避けてディスク容量を節約できればいいかな。
くらいの2つを考えいます。


実際に太陽PHD2を試してみる

まず、現在の太陽用のPHD2はいまだに開発バージョンということで、自己責任の範囲で試すべきで、マニュアルやサポートなどは十分でないということを理解しておく必要があります。

2025年3月24日現在の最新バージョンはリリースノートによるとv2.6.13dev7とのことです。


インストール後、カメラや赤道儀などの接続は普通のPHD2と何ら変わりはありません。

ガイド鏡筒ですが、普通に撮影用に使うものを流用すればいいかと思います。太陽は非常明るく、集光した際のエネルギーも大きくなるので、カメラを焼いてしまう恐れがあります。そのため、太陽用のフィルターなどを別途鏡筒前に取り付けるなどして手当てしてやる必要があります。

ガイドカメラはカラーでもモノクロでも構いません。モノクロの方が分解能がいいですが、大きな太陽を円でフィッティングするので、どこまでカメラの分解能が効くかは、別途きちんと検討する必要があるかと思います。

裏技的になりますが、ガイド鏡やガイドカメラを別途用意しなくても、例えばCP+で話したようなPhoenixとApollo-M miniなどの組み合わせで太陽の全景が一度に画面内に入るなら、そのメインの画像をガイドに使うこともできます。ただし、撮影用とガイド用で設定を共有しなければならないなどの制限もあるので、注意が必要です。また、カメラを共有する場合、太陽が全面一度に見えている場合はいいのですが、バローを付けたり、センサー面積の小さいカメラを使って太陽の一部しか見えていない時は、うまくいきませんでした。今回のPHD2の太陽版は、オプションで特徴点を見つけてそれを基準にガイドする機能も持っているのですが、試した限り短時間ガイドはできるのですが、少なくとも安定して長時間稼働させることはできませんでした。

C8のように太陽をかなり拡大して見る場合は、当然全景を見ることはできないで、別途ガイド鏡を用意することにしました。今回とりあえず使ったものはEVOGUIDE 50ED IIとASI178MCです。焦点距離が200mmでカラーですがピクセルサイズが2.4μmなので、かなり分解能良く見えるはずです。

IMG_1081

以下、設定方法を書いておきます。

1. PHD2太陽版を立ち上げ、カメラと赤道儀を接続してから、露光を開始します。露光時間が長すぎて明るすぎる画面が見えると思います。

2. 最初にやることが、下の脳みそマークの右にある、太陽の設定ボタンを押します。すると別途設定画面が出てくるので、例えば下の画像のように設定します。この場合、2つ目のオプションがオフになっているので、太陽全体が見えている時の設定になります。

スクリーンショット 2025-03-22 121740_cut02

3. まずは露光時間とゲインを設定します。SharpCapできちんと見えるくらいの値にすればいいです。ここでは露光時間2msでゲイン0なので、かなり暗い設定ですが、これくらいでやっと飽和せずに黒点とかも見えました。ちなみに1msとゲイン0が設定できる最小の値なので、それ以上暗くしたいならフィルターを暗いものにするとかしないとダメです。飽和していてもうまく太陽の周りをフィッティングすることはでき、太陽中心はきちんと出るので、実際にはもう少し明るい設定にしても大丈夫です。

4. 太陽の形が見えたら、最小径と最大径を設定します。まずは100と2000とか極端な値を入れて、画面に円、もしくは半円が出るか試します。この円は、最小径もしくは最大径を変更するたびに、しばらくの間表示されます。
スクリーンショット 2025-03-23 081533
線が細くてわかりにくいですが、左上に設定した径の半円が出ています。

5. 出てきた円と太陽の大きさを比べて、ある程度太陽の大きさが範囲に含まれるように絞り込みます。

6. 径がそこそこ決まったら、ここで左下の「露光開始ボタン」の右隣の、「認識ボタン」を押します。
緑の円が太陽の周りにフィットされるはずです。うまくフィットされない場合は、最小径と最大径の設定を見直してください。
スクリーンショット 2025-03-23 082057

7. さらに「認識ボタン」の右隣の「ガイド開始ボタン」を押すと、初めての場合はキャリブレーションが始まります。キャリブレーションがうまく開始されない場合は、シフトキーを押しながら、マウスで左クリックしてください。

8. キャリブレーションが終了すると、自動的にガイドが始まります。


太陽を使って昼間の極軸調整

1日のうちで最初にPHD2を走らせた時は、ここで一旦ストップボタンを押して、極軸調整をするといいでしょう。

昼間は北極星は当然見えないので、極軸を合わせるのは普通は困難なはずです。PHD2にはドリフトアラインメントという機能があり、これで極軸を合わせることができます。この太陽バージョンのPHD2は、星の代わりに太陽を使ってドリフトを測定し、極軸調整ができるというわけです。ただし、太陽を使うということで、通常の星と違い少しクセがあります。

1. 露光して太陽中心を認識している状態で、PHD2のメニューの「ツール」から「ドリフトアラインメント」を選びます。

2. 「ドリフト」ボタンを押すと、ガイドをしない状態で太陽の中心位置が赤経、赤緯別に下に表示される時系列グラフに記録されていきます。その線が真っ直ぐになればいいのですが、極軸があっていないと上下どちらかに斜めに動いていきます。
スクリーンショット 2025-03-22 160853

3. 動く方向が確認できたら「調整」ボタンを押してから、まずは赤道儀の土台に付いている横方向のネジ(モーターを動かしてはダメです)をどちらか一方に、例えば半回転回してみます。

4. 再び「ドリフト」ボタンを押して、グラフがどう移動していくのか見ます。

5. 先ほどよりもグラフが真っ直ぐになったら、ネジを正しい方向に回した方ことになります。傾きが急になったのなら、間違った方向に回したことになります。

6. 傾きに変化が見えない場合は、再び「調整」を押し、ネジを同じ方向にさらに大きく、例えば今度は1回転回してまた「ドリフト」を押します。傾きが変わったと認識できるまでこれを繰り返します。

7. グラフが真っ直ぐになり、赤道儀の横方向があってきたら「次へ」ボタンを押して、今度は赤道儀の縦方向のネジを同様に調整します。

8. グラフが平らになってくると、太陽の中心周りにどれくらいの精度であっているかのマジェンタ色の円が表示されます。これが十分小さくなるまで合わせ込みます。
スクリーンショット 2025-03-23 083325


太陽極軸合わせのクセ 1:
問題は、ネジを回したときに、太陽の位置がずれてしまい、ガイド鏡で見ている範囲から外れてしまうと、それ以上何も進まなくなってしまうことです。こうなる前に、赤道儀の(今度はネジではなく)モーターで太陽が画面内に入るように調整します。ここが星を使う場合と最も違う点でしょうか。

太陽極軸合わせのクセ 2:
もう一つ問題があります。本来、赤道儀の横方向の設定は、ガイド鏡を南中方向に向けて赤緯のグラフを見るべきです。一旦それがあってから、さらに次にガイド鏡を東か西の方向を向け、今度は赤道儀の縦方向のネジを調整します。でも太陽は一つしかなくて、その時にある太陽の方向しかガイド鏡で見ることができません。なので、見ている方向によっては横方向もしくは縦方向の感度が良くなくて、うまく合わせられないことがあることに注意してください。


太陽ドリフトアラインメントの精度の例

昼間にドリフトアラインメントで太陽でそこそこ合わせた後に、実際夜になって北極星を使って、改めてSharpCapの極軸調整で精度を見てみました。すると、4分角程度のズレがありました。

これまでドリフトガイドを使わずに、昼間の赤道儀をどうやって合わせてきたかというと、
  1. 赤道儀の水平をできるだけ合わせる。
  2. さらに赤道儀に付いている赤経赤緯の位置を表す矢印などのインデックスを見ながら、ホームポジションにできるだけ精度よく合わせる。
  3. 赤道儀の内部時計の時刻もできるだけ正確に合わせる。
  4. その状態で、赤道着の初期アラインメントで太陽を自動導入すると、本来極軸があっていたなら鏡筒はきちんと太陽の方向を向くはず。
  5. 鏡筒につけたカメラ映像で見ながら、実際に見ている方向と、太陽方向とのずれがなくなるように(赤道儀のモーターは使わずに)土台の調整ネジだけを使って、鏡筒が太陽の方向に向くように(カメラの映像内に太陽が入ってくるように)合わせる。

というような手順です。この方法での精度はせいぜい1度角程度でしょう。このように考えると、ドリフトアラインメントを使った場合は4分角(=0.067度)、ザックリですが10倍程度は精度が上がると思っていいのでしょう。

一方、夜に北極星を基準にSharpCapで極軸調整するときは1分角以下は余裕で、例えば30秒角くらいまで合わせることができると考えると、太陽を使った昼間のドリフトアラインメントでの極軸精度は、夜の場合のザックリ10分の1くらいでしょうか。そもそも、ドリフトアラインメントではある程度調整を絞り込んでいくと、ピリオディックモーションの影響も無視できなくなってくるので、原理的に精度がそこまで出ないので、まあ妥当な結果かと思います。

それでも闇雲に合わせるよりは遥かに精度が上がるので、太陽やたぶん昼間の月でもできるかもしれないので、これを利用しない手はないと思います。昼間の極軸合わせはとても大変で、太陽撮影でもそうですが、例えば明るいうちから彗星や金星などを追尾したい場合や、昼間の明るい恒星観測などの際の自動導入など、応用範囲も広いのかと思います。


まずは静止画

3月23日ですが、上のガイドの作業をする前に、まずはガイド無しでいつものように一通り朝イチで撮影したので、紹介しておきます。黒点周りが2枚と、プロミネンスです。特にプロミネンスは見事でした。

  • 午前8時40分14秒: AR4030
08_40_14_lapl3_ap551
  • 撮影日: 2025年3月23日8時40分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Celestron C8 (f2000mm、F10) 
  • 赤道儀: Celestrn CGEM II
  • カメラ: ZWO ASI290MM
  • 撮影: SharpCap Gain 150、露光時間1.25ms、500/1000 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop CC

解像度は前日に負けます。シーイングは1日の中でも時間によって大きく変わるので、この時はあまり良くなかったです。風が強くてそれで画面が揺れるので、シーイングの良し悪しまであまり判断することができませんでした。

  • 午前8時48分43秒: AR4036
08_48_43_lapl3_ap399

一方、こちらの黒点は下のプロミネンス3枚を撮影した後に、さらに追加で撮影したもので、上のAR4030を撮影したよりもシーイングは良かったようです。わずか8分でもシーイングは結構変わります。


ここからプロミネンスを3枚です。結構大きなものが出ていました。かなり分解能よく撮れているようです。スピキュールもピンピコ見えていて、シーイングもそこそこだったことがわかります。
  • 午前8時42分50秒
08_42_50_lapl3_ap359

  • 午前8時43分57秒
08_43_57_lapl3_ap305


  • 午前8時44分43秒
08_44_43_lapl3_ap369



PHD2ガイドでタイムラプス撮影

オートガイドが活躍するのは長時間撮影の場合です。太陽だとタイムラプス映像にして、プロミネンスやフレアなどが時間ごとに変化する様子を、位置を変えずに撮影できるのが最も有効な活用方法かと思います。

SharpCapは電視観望で良く使われているように、ライブスタックが有名ですが、これは速くても秒ごとくらいでのスタックになります。最近のSharpCapでは、惑星や月や太陽をミリ秒単位でリアルタイムでスタックすることができ、さらにリアルタイムでWavelet変換して細部の炙り出しをするという、驚異的な進化を遂げています。Phoenixで太陽の全景を見ながら試した場合では、非常にうまく処理できていて、もう後処理が必要ないくらいのレベルになっています。具体的な様子は、CP+の太陽セミナー配信の41分30秒あたりからをご覧ください。

一方今回は、太陽全体が見えないようなC8で拡大した画像ををうまくリアルタイム処理できるか試してみました。

結論を言うと、ある程度は処理できます。ある程度というのは、プロミネンスはそこそこ細部まで炙り出すことができ、黒点周りなどの表面のHαの模様も、うまくパラメータを設定すればある程度の細部は出すことはできます。それでもプロミネンスもですが、特に表面の模様は、別途動画を撮影して後から処理したものとは仕上がり具合にどうしても差があります。決定的なのは、何かの拍子で位置が多少ズレた場合に、一気にリアルタイム処理での画像がボケたようになって、しばらく回復しないことです。これはPHD2の問題というよりは、SharpCapのリアルタイム位置合わせの問題のようで、うまくガイドができている時にも10分とか20分とかに一回程度発生します。これが発生した時は、素直にリアルタイムスタックのリセットボタンを押した方が回復が早いです。いじれるパラメータを全て触りましたが、完全に回避する方法は今回は見つけられませんでした。

なので全景が入らない場合は、.serの動画で撮影せざるを得ないというのが、今の所の結論です。

今回は2つのタイムラプス例を紹介します。実際プロミネンスは5種くらい、黒点周りは2種くらい撮影したのですが、どれも長続きしませんでした。結局SharpCapでリアルタイム処理で20分くらい撮影できたものと、個別に動画を撮影して日が沈むまで1時間くらい最後に撮ったものくらいしか、見る価値がありませんでした。

最初にSharpCapのリアルタイム処理でうまくいったと思ったものです。撮り始めてから1時間くらい自宅の中にいて、どれどれと思って見てみたのですが、途中からボケボケになって、さらに曇ってしまっていました。でも最初の方はプロミネンスの活発な動きが映っています。大きな動きの途中からしか撮影開始できなかったので、もう少し早くから始めればと、もたもたしていたのをちょっと後悔しました。

output-palette

上の画像はShapCapで保存されたtifファイルを、ffmpegを使ってmp4にして、さらにffmpegでgif化してます。コマンドは

ffmpeg -i Blink.mp4 -filter_complex "[0:v] fps=10,scale=640:-1,split [a][b];[a] palettegen [p];[b][p] paletteuse" output-palette.gif

としました。グローバルパレットを使うことで、解像度とファイルの小ささを両立しています。

このあとは同じようにプロミネンスの撮影を開始して、Costcoに買い物に行ってしまいました。2時間ほどして戻ってきてから見てみると、やはり10分も持たずにボケボケ画像になってしまっています。ここからどんな時にボケボケになるか見ていると、例えば雲が通り過ぎた時、風で大きく揺れた時など、結構頻繁に起こることがわかりました。

そもそもこの時点で、ガイド渋滞がいい時でも+/-4秒くらいで、ジャンプもそこそこあります。
スクリーンショット 2025-03-22 121740_cut1

ここで、ガイド鏡をEVOGUIDEからいつもDSOで使っているものに変えました。
IMG_1088

焦点距離は200mmから120mmになること、カメラがASI290MMでピクセルサイズは2.9μmと少し大きくなりますが、モノクロになるので実質ピクセルサイズは小さくなったことになります。実質の解像度はほとんど同じでしょう。

やはり安定度は大きく違いました。EVOGUIDEは2つのスコープリングで固定しているために微調整はしやすいですが、固定の安定度という意味ではまだまだです。普段使っているバイクに取り付けるための金具を使ったガイド鏡はガチガチに固定することができます。


これに変えてから、一気に+/-2秒程度の誤差に抑えることができるようになりました。短時間の揺れもそうですが、長時間のたわみも影響するはずなので、やはりガイド鏡の固定は堅固なものに越したことはありません。
スクリーンショット 2025-03-23 164529

その後、再びSharpCapでリアルタイムのスタックに挑戦しますが、やはりあまり長続きせず、途中何かの拍子にボケボケになってしまいます。夕方16時を過ぎたあたりでとうとうリアルタイムスタックはあきらめて、動画のserファイルも併用して保存することにしました。

結局のところ、C8のように長焦点で拡大した太陽Hαは、SharpCapでのリアルタイム処理で長時間安定に撮影するのはまだちょっと厳しいという結論です。気軽に見るだけとか、短時間ならまだ使えるのかと思います。

撮影は30秒おきに100フレーム撮影し、それを99本撮りましたが、最後のほうは夕方でかなり暗くなったので、そのうち60本を使いました。高々100フレームに抑えたのですが、これだけでも総ファイル量は40GB程度になってしまいます。

こちらの動画ファイルをAutoStakkart4!、ImPPGのバッチ処理をして、Fijiで位置合わせをしたものが以下になります。位置合わせは他にもいろいろ試しましたが、結局Fijiに勝てるものはなかったです。


タイムラプス化は、PixInsightのBlinkで一連の画像のチェックがてらjpgに変換し、その後別途ffmpegを使いました。コントラストが勝手に変わって彩層面の模様がサチるようなことがあったので、以下のオプションを使いました。
ffmpeg -y -r 15 -i Blink%05d_r.jpg -c:v libx265 -crf 15 -tag:v hvc1 Blink.mp4

また、X用には以下のコマンドで変換することでアップロードできるようになりました。
ffmpeg -i Blink.mp4 -vf "scale=1600:-1" -vcodec libx264 -pix_fmt yuv420p -strict -2 -acodec aac output.mp4

最後の最後で動画を撮影し始めたので、半分あきらめてのテスト撮影のような感じでしたが、出来上がったタイムラプス映像のプロミネンスの動きにはもうびっくりです! 高々30分と思っていましたが、こんなに激しく動いてるんですね。

でも今回注目してほしいのは彩層面のほうです。PHD2でのガイドがよほど効いていたのか、模様の再現性がかなりあることがわかります。位置合わせもここまでうまくいくとは思っていませんでした。よく見ると彩層面も30分の間に動いていて、プロミネンスのようなもの (彩層面上だからダークフィラメントといったほうがいいのでしょうか) が出てくる様子もわかります。これだけ安定なら、次回は黒点周りとかをガイド+動画で撮影してみようかと思います。


まとめ

ガイドの効果はかなり大きいことがわかりました。以前試したLusol-Guideもきちんと動きましたが、精度はPHD2のほうが圧倒的にいいでしょう。制御系もDSOで実績があるので、状況に応じて安定したパラメータを探ることができます。

SharpCapでのタイムラプス撮影は、今回C8では厳しかったですが、Phoenixの時のように全体が見えているのならまた安定度も違ってくるのかもしれません。C8での撮影でも、これまでのようにserで保存すれば、PHD2のガイドの安定度と相まって彩層面の細かい模様まで長時間にわたって安定して再現できることがわかりました。これはかなり大きな成果なので、今後黒点周りなどに挑戦していきたいと思います。

CP+連動企画、「電視観望技術を利用して天体写真を撮影してみよう」ですが、前回でやっとオリオン大星雲の撮影を開始することができました。


機材の設置からソフトの設定まで、やはり工程が多いですよね。天体写真撮影が敷居が高いと言われるはずです。それでも電視観望でオートストレッチまで済んでいるので、画像処理は楽になるはずです。そこら辺をCP+でお見せできたらと思っています。


オートストレッチ

前回の記事で重要なことを一つ書き忘れていました。画像保存時におけるホワイトバランスの重要性です。

ライブスタック中に普段画面を見る時からでいいので、3つのことをしておくといいです。
  • ライブスタック画面の「Histogram」タブを開き、左のカラーバーの下にある雷マークアイコンを押し、ホワイトバランスを整えます。
ホワイトバランスはすごく重要で、これができてないとオートストレッチがうまくいかないことがあります。オートストレッチに関しては前回も説明していますが、
  • 次に同じくライブスタック画面の「Histogram」の左の上のもう一つの雷マークアイコンを押し、オートストレッチします。
  • 新たに右パネル「ヒストグラムストレッチ」の方の雷マークを押し、さらに炙り出します。もし画像が明るすぎる場合は、右側パネルのヒストグラムの、山を挟んでいる左と真ん中の2本の線を少し動かしてみるといいでしょう。

今回の記事もこのような状態で画像を保存したものを使っています。


検証項目

撮影までに赤道儀の設置や、オートガイドを使った長時間撮影など、それなりに準備だけでも大変でした。電視観望の技術を使い、ここからの画像処理は楽になるとしても、ここまでの準備をもう少し簡単にできないものなのでしょうか?今回はいろいろ設定を変えてみることで、簡単になるのかどうか議論してみます。

今回比較したいものを準備が簡単な順に並べてみます。矢印の右側は、予想される問題点です。
  1. 経緯台AZ-GTiでの10秒露光 → 露光時間に制限がある(10秒程度)、視野回転、縞ノイズが問題になる
  2. 経緯台AZ-GTiでの10秒露光+ディザー → 露光時間に制限がある(10秒程度)、視野回転
  3. 赤道儀SA-GTiでの20秒露光 → ピリオディックモーションのために縞ノイズが問題になる
  4. 赤道儀SA-GTiでの20秒露光+ディザー → 露光時間に制限がある(20秒程度)
  5. 赤道儀SA-GTiでの60秒露光+ディザー+ガイド 
  6. 赤道儀SA-GTiでの3秒露光でゲインを0に下げる+ディザー+ガイド → 読み出しノイズが顕著になる
順に詳しく見ていきます。


1. 経緯台AZ-GTiでの10秒露光 (ガイドなし、ディザーなし)

まず対極で、できる限り簡単な撮影というものをしてみましょう。

ここでは赤道儀の代わりに、自動導入機能がある経緯台AZ-GTiを使ってみます。鏡筒を軽いもの、例えばFMA135やFMA180とかなら、もっと手軽にトラバースでも構いません。特にトラバースは超小型で自動導入も自動追尾もできるので、対極という意味ではこちらの方がいいのかもしれません。トラバースについては以前撮影例を記事にしているので、よかったらご覧ください。

これらの経緯台は赤道儀と違って、極軸調整などを省くことができます。最初はオートガイドやディザー撮影も無しとします。経緯台なのですが、自動追尾はできます。それでも経緯台は縦と横とでしか動かせないので、長時間で回転していく星を追尾しようとすると、視野の回転が問題となるはずです。視野の回転はそこそこ激しいので、星像が天になるためには露光時間に制限ができます。鏡筒やカメラにもよりますが、今回の機材だと現実的には10秒程度でしょう。また視野が流れてしまうことによる「縞ノイズ」が問題になってきます。

今回使うAZ-GTiの写真です。SA-GTiの元になった機器だと思いますが、経緯台だけあってAZ-GTiもかなり小さいです。

D81DD62F-BDC9-42B4-8948-B36F477D5BA9
左がトラバース、右がAZ-GTiです。どちらもコンパクトです。

実際に撮影した結果を示します。問題を見やすくするために、かなり明るくしています。1枚当たり10秒露光で、30フレームなので高々5分程度の撮影ですが、

Stack_30frames_300s_22_40_26_WithDisplayStretch_HT

まず視野回転しているのがわかります。右下の方にずれていっている様子がわかります。ずれが三角型になっているのが、視野が回転している証拠です。多少ならば最終的にトリミングすればいいのですが、長時間撮影ではカットする部分が大きくなってしまいます。

PlayerOneのCMOSカメラにはDPS (Dead Pixel Supression)という機能があり、輝度が飽和してしまうようなホットピクセルは、輝度が0近くになってしまうコールドピクセルという、センサーにどうしても存在してしまうわずかの欠損を目立たなくしています。さらに今回、SharpCapの設定でホットピクセル/コールドピクセルの簡易除去をしていしてます。それでもホットピ/コールドピクセルのようなものが存在しているようで、高々5分の撮影でもスクラッチ状のノイズを残してしまいます。拡大するとよくわかります。

Stack_30frames_300s_22_40_26_WithDisplayStretch_HT_HT_cut

このように経緯台での簡単撮影では、回転とスクラッチ上のノイズが問題になってしまいます。でも逆に言うと、対極的に簡単な撮影でも問題点は高々これくらいです。セットアップが簡単になるなら、十分ペイするくらいのささいな問題点かもしれません。

この後に画像処理をすることで、たった5分の撮影でも、大迫力のオリオン大星雲の魅力は十分に出てきます。撮影時間が長くなるほど、縞ノイズの問題が深刻になってくることが予測されるでしょうか。許容範囲は人にも求める仕上がり具合にもよると思いますが、後の画像処理次第で十分天体写真として通用するものになるかと思います。


2. 経緯台AZ-GTiでの10秒露光 + ディザー (ガイドなし)ここに文章を入力

経緯台での簡単撮影ですが、どうせ撮影するなら一手間だけかけてみましょう。ここではオートガイドなしのディザーを提案してみます。天体写真に経験のある方だと、ガイドなしでディザーなんかできるのか?と思われる方もいるかもしれませんが、SharpCapのLiveStack撮影ではそれが可能になります。

設定方法です。
  1. SharpCapメニューの「ファイル」の「SharpCapの設定」の中の「ガイディング」タブを開きます。
  2. 下の画面のように「ガイディングアプリケーション」を3つ目の「ASCOMマウントパルス...」を選びます。
  3. 「ディザリング」の「最大ディザステップ」は、AZ-GTi単体で上の「1. 経緯台AZ-GTiでの10秒露光 (ガイドなし、ディザーなし)」で見たホットピクセルやクールピクセルをできるだけ散らしたいため、かなり大きな値にします。ここでは40としました。
  4. その代わり、AZ-GTiが十分に落ち着くように、「ディザリング」の「最大整定時間」を大きくとります。ここでは60秒としました。
  5. 最後に下の「OK」を押します。
07_guide_setting

上記設定でディザー有り、ガイドなしで撮影した結果です。先の1と同じく、10秒露光で5分間の撮影です。
Stack_30frames_300s_22_47_52_WithDisplayStretch_brighter

ホットピクセルやクールピクセルが散らされて、かなり目立たなくなっています。拡大してみます。これくらいなら十分許容範囲ではないでしょうか?
Stack_30frames_300s_22_47_52_WithDisplayStretch_brighter_cut

このように、自動導入経緯台にディザーをかけての撮影というのは、一つのシンプル撮影の到達点かと思います。それでももちろん問題はあって、
  • 視野回転は避けられないこと
  • 露光時間を長く取れない
ということです。今回は10秒程度の撮影なので星像がまともでしたが、AZ-GTiでの経緯台撮影だと20秒程度で星が流れ始めてしまいます。

この星像のずれは、視野回転影響も大きいです。経緯台でオートガイドをすることも不可能ではありませんが、思ったより大変なのと、オートガイドをしたとしても原理的に視野回転は防ぐことはできません。これ以上露光時間を伸ばしたいとすると、赤道儀に移行した方が無難と思われます。


3. 赤道儀SA-GTiでの20秒露光 (ガイドなし、ディザーなし)

というわけで、ここから再び赤道儀のSA-GTiに戻ります。

下の画像はSA-GTiで、オートガイドもディざーも無しで、露光時間を20秒として「1枚だけ」撮影した画像です。
01_single_frame_00001_20_0s_RGB_VNG

中心部付近を拡大してみますが、赤道儀ということもあり視野回転もないし、20秒程度の露光なら星像も全然流れていないことがわかります。
01_single_frame_00001_20_0s_RGB_VNG_cut

「1枚だけ」の撮影なら問題ないのですが、その一方これを例えば20秒露光で「30枚、合計10分」撮影すると何が起こるかというと、以下のようになります。
Stack_30frames_600s_20_28_37_WithDisplayStretch

気づきにくいかもしれないので、拡大します。
Stack_30frames_600s_20_28_37_WithDisplayStretch_cut
星はライブスタックで位置を確認して重ねあわているので、依然流れていません。問題はホットピクセルやクールピクセルが流れて、背景にいくつか縦方向の紫色に見えるスクラッチができているのです。

これは赤道儀のギヤの精度に起因して起こる、「ピリオディックモーション」などと呼ばれる現象が原因です。赤道儀にもよりますが8分程度の周期で、赤経方向にsin波的に揺れてしまう動きが存在します。どれくらい揺れるかは、ギヤの精度に依存します。

ライブスタック技術で、星を位置合わせして重ねるために、星自身は流れなくなっています。その代わりに、1枚1枚に存在する固定位置のホットピクセルやクールピクセルは逆に重なることはなくて、30枚の撮影で軌跡として流れるように残ってしまうというわけです。

ちなみに、今回のこの軌跡は測定してみると22ピクセル程度の長さです。鏡筒の焦点距離360mmとカメラセンサーの大きさ11.2mm x 6.3mm から、このサイトなどで画角を計算すると1.78度 x 1.00度と出ます。センサーの画素数が3856×2180なので、1.78度 x 60 x 60 = 6408秒角、これを3856で割ると、1ピクセルあたり1.79秒角となります。これが22ピクセルあるので、39.3秒角、プラスマイナスで考えると、+/-19.7秒角のピリオディックエラーということになります。この値はオリオン大星雲で測定しましたが、天の赤道付近なので、この値から大きく変わることはないでしょう(実際には赤緯-5度付近にあるので、5%程度小さく測定されています。それを補正しても+/-21秒角程度でしょう。)。以前測定したAZ-GTiを赤道儀モードで測定した値が+/-75秒角程度でした(今思うとかなり大きな値なので、再計算しましたが間違ってませんでした)から、随分と改善されていることになります。

少し脱線しましたが、このように赤道儀を使ってもピリオディックモーションからくる制限があります。これを解決するために、次はディザーを考えます。


4. 赤道儀SA-GTiでの20秒露光+ディザー  (ガイドなし)

3で見た、ピリオディックモーションでのホット/クールピクセルの軌跡をなくすために、赤道儀でディザーをしたら、どうなるでしょうか?ただし、オートガイドはなしです。露光時間20秒、総露光時間5分間です。
Stack_15frames_300s_20_57_18_WithDisplayStretch

拡大します。
Stack_15frames_300s_20_57_18_WithDisplayStretch_cut

3の時よりかなりマシになっていますが、まだ少し軌跡が残っています。これは少し設定ミスがあって、記録を見たらディザー設定の「最大ディザステップ」が10と少し小さく設定し過ぎたようです。AZ-GTiの時は40だったので、もう少し散らせばもっとまともになるかもしれません。

さて、ディザーで軌跡が少しマシになることは分かりましたが、まだ根本的な問題があります。1枚当たりの最大露光時間がピリオディックモーションで制限されているということです。例えば下の画像は、これまで通りオートガイドなしで60秒露光したものです。
Stack_1frames_60s_20_24_55_WithDisplayStretch

中心付近を拡大するとわかりますが、既に星が流れてしまっています。これは1枚撮影する間にピリオディックモーションによって星が動いてしまい、1枚の画像の中にその動きが記録されてしまうことが原因です。
Stack_1frames_60s_20_24_55_WithDisplayStretch_cut

これを避けるためには、1枚撮影している間に、星の位置を保つようにオートガイドをする必要が出てきます。


5. 赤道儀SA-GTiでの60秒露光+ディザー+ガイド

まず、20秒露光でトータル5分、ディザーあり、それにPHD2によるオートガイドを加えます。ディザーはPHD2の支配下に置かれるので、PHD2でのディザー幅の設定となり、4の時より大きな幅で動かしています。
Stack_15frames_300s_21_09_53_WithDisplayStretch

変な軌跡も完全に消えていますし、星像も流れていません

さらに条件を厳しくして、露光時間を60秒露光と伸ばして、トータルで少し長く16分、ディザーあり、それにPHD2によるオートガイドを加えたものです。
Stack_8frames_480s_21_00_44_WithDisplayStretch

このようにガイドのおかげで、長時間露光してもピリオディックモーションが出てこなくて、星流れていないのがわかります。

赤道儀を使って1枚当たりの露光時間を伸ばそうとすると、やはりガイドとディザーを使った方がいいという結果になります。


一旦まとめ

ここまでをまとめます。
  • 経緯台だろうと、赤道儀だろうと、ディザーはあった方がいい。
  • 経緯台でディザーをするならば、かなりシンプルな撮影体制を構築することができる。ただし、画角回転は避けられない。同時に、1枚当たりの露光時間も10秒程度とかなり制限される。
  • 赤道儀を使うことで画角回転は避けられるが、オートガイドを使わない場合は、ピリオディックモーションのために1枚当たりの露光時間を伸ばすことはできない。
  • 赤道儀でも露光時間を伸ばしたい場合は、オートガイドは必須。
といったところでしょうか。

ここまでで大体の検証は終わりですが、露光時間を伸ばすための努力だったと言ってもいいかもしれません。その反証として最後にもう一つ、1枚当たりの露光時間が短い場合の弊害を見てみましょう。


6. 赤道儀SA-GTiでの3秒露光でゲインを0に下げる+ディザー+ガイド

ここではこれまでのSA-GTiの赤道儀で、露光時間を3秒に下げ、さらにカメラのアナログゲインも220から0にするという、極端な場合を示します。上の5が60秒露光だったので20分の1、さらにアナログゲインが220変わっているので、220 [0.1dB] = 22 [dB] = 20 + 2 [dB] = 10 x 1.26 [倍] = 12.6 [倍]小さくなります。露光時間と合わせると、1/(20 x 12.6) = 1/252  ~ 0.004と0.4%ほどの明るさになったということです。これで100フレーム、合計300秒=5分撮影した結果です。
Stack_100frames_300s_21_28_38_WithDisplayStretch_enhanced

たくさんの縦線と、淡いですが横線も見えています。これは俗に言う「読み出しノイズ (リードノイズ)」が見えてきてしまっているということです。露光時間が短かったり、ゲインが低かったりした場合にこのような状態になります。要するに暗すぎるということです。

同じ露光時間3秒でも、アナログゲインが220の場合はかなりマシになります。1枚当たりの露光時間は上と同じ3秒、100フレームで5分間の撮影は同じです。オートガイドをしていないので、ホット/クールピクセルの軌跡は残ってしまっています。かなり炙り出しているので、縦縞はまだ見えますが、横縞に関してはほとんど無視できます。
Stack_100frames_300s_21_17_26_enhanced

背景はまだひどいですが、面白いのはオリオン大星雲の中心のトラペジウムはよく見えているということです。どうも前回までに撮影したゲイン220で1分露光は少し明るすぎるのかもしれません。中心を取るか背景を取るか、ここら辺が難しくまた面白いところです。

いずれにせよ、露光時間が短いとか、ゲインが小さいとかで、写している天体からの信号が小さい場合、読み出しノイズが支配的になって、縦横の縞ノイズが現れてきます。ホットピクセルやクールピクセルが流れる縞ノイズは斜めに流れることが多いので、このように垂直、水平にノイズが出るようならば、自分の撮影時の設定が暗すぎはしないか、一度疑ってみるといいと思います。


まとめ

いろいろ検証しましたが、結局のところ、電視観望を利用した撮影と言っても、撮影の段階で解決できることはできる限り解決しておいた方がいいということです。

今回の結果から、電視観望技術を利用した撮影方法は、主に下の2つの方法に収束すると思います。
  • 経緯台で、短時間で、ガイドなしで、ディザーを使って縞ノイズを散らす方法は、シンプルという観点から十分使う価値がある。
  • 赤道儀で長時間露光を目指すならば、オートガイドとディザーを使う方がいい。ガイドなしだとピリオディックモーションで1枚当たりの撮影時間が制限される。
といったところでしょうか。

次回は、長時間露光のパラメータを探ってみます。










最近太陽撮影でよくコメントをくれるhiroさんが、Lusol-Guideという太陽撮影でオートガイドを実現するソフトを見つけたと教えてくれました。私も試してみたので記事にしておきます。


なぜ太陽撮影にオートガイド?

太陽撮影は基本明るいので短時間で終わるためにオートガイドする必要はないのですが、プロミネンスの動きなどタイムラプス映像をするときにはオートガイドが欲しくなってしまいます。一番の理由はPSTなどの入門用太陽望遠鏡の場合、エタロンの精度があまりよくないため、画面内でHαの出方にムラができてまうことです。そのため撮影の位置がずれると後のタイムラプスの一コマ一コマで画像処理が一様にならなくて、動画の見栄えが悪くなってしまいます。

ところが、太陽のオートガイドはあまりいいのが無くて、例えばFireCaptureには撮影した画像にある物の形を認識してそれを保つように赤道儀に返すような機能もありますが、やはりどうしても途中で飛び跳ねたりして安定度がいまいちです。ここら辺の基本的な考え方や、hiroさんとのやり取りはこのページ

や、そこのコメント欄を追ってもらえるとわかるかと思います。


LuSol-Guide

さて、今回hiroさんによって発掘されたLuSol-Guideですが、2016年くらいに開発されたものでしょうか、もう結構古いもので、その後の開発は止まってしまっているようです。すでにhiroさんから同ページのコメント欄で結構うまくガイドできているとの報告がありますが、私も実際に使ってみました。

マニュアルがここにあります。


多少の癖があったり、使わないとわかりにくいところもありますので実際使用して気づいたことを書いておきます。


実際の使用記

まずガイド鏡を用意します。普通の夜の撮影で使うガイド今日で構いませんが、太陽光を軽減するフィルターを必ずつけてください。そうしないとカメラセンサーが焼けてしまうなどのダメージがあるので気をつけてください。

カメラですが、私は撮影用にASI290MM、ガイド様にもASI290MMを使いましたが、どうも同じカメラが2つというのは想定していない様で、Lusol-GuideかSharpCapのどちらかでカメラを動かすと、どちらかが止まってしまうという状況でした。仕方ないのでガイド用カメラをASI120MM miniにすると、すんなりと両方とも動ようになりました。

キャプチャ4


さて、操作手順です。
  1. 左下の「Camera」ところでガイドに使うカメラを選択し「Start」を押すと、ガイド鏡で映した画像が出てきます。横の「Setting」で適当なパラメータを設定してください。後で説明しますが、サチるくらいに明るくしたほうが安定するようです。
  2. 次に右上「Mount」のところの「Connect」で赤道儀に接続します。ASCOM platformと各自の赤道儀にあったドライバーなどはあらかじめインストールしておいてください。
  3. 右下の「Calibration」ボタンでキャリブレーションを始めます。ガイドカメラの縦横の向きは出来れば撮影カメラの縦横と合わせておいた方がいいでしょう。
  4. 1-2分待つとキャリブレーションが終わます。
これでガイド準備可能となりますがその後のパラメータがわかりにくいです。

  1. まずD.Minですが、これはこの値以下のピクセルのずれはガイドしないという意味のようです。言い換えるとPHD2のように、恒星の強度分布からピクセル以下の位置を推測する様な高度なことはしていなくて、1ピクセル単位のガイドが最も精度が良いということになります。なのでここの値は「0」が一番精度がいいです。撮影鏡筒の焦点距離が2000mm、ガイド鏡の焦点距離が120mmなので、2000/120 = 17と、ガイド鏡が1ピクセルずれるだけで撮影画像は17ピクセルと大きなずれになります。D.Minの値を「1」にすると、上下左右1ピクセルずれていても何もしないようなので、撮影画像では最高でも2ピクセル分の34ピクセルの精度になってしまいます。
  2. D.Maxはその値以上はガイドしないというだけなので、適当な値例えば50とか100で構わないようです。
  3. Agressivenessはデフォルトの5でいいみたいです。増やしすぎると発振することがありました。
  4. Thresholdがまたわかりにくいです。これは太陽の位置認識の感度のようです。小さくすると小さな円で、大きくすると大きな円でフィッティングするようです。明るさで判断しているので、この値を中途半端にすると少し明るさが変わっただけで円の大きさが大きく変わります。位置もそれに引きずられてブレるので、ブレの範囲を小さくするためには、カメラの設定を太陽がサチるくらい露光時間を長めかゲインを高めにしておいたほうがいいいみたいです。 
hiroさんがThresholdの値を高めに設定した方が安定すると書いてくれていたのは上のような理由からで、明るさの変化にあまり依存しないように、最大径でフィッティングした方が誤差が少ないからだろうと思われます。


実際のガイド精度

あとは特に説明しなくてもなんとかなるでしょう。ただ、上にも書いた通りもっとも精度が良くても撮影画像で17ピクセルの誤差があるので、かなり揺れます。風とかあるとガイドカメラでも数ピクセルずれることはあるので、撮影画像で50ピクセルくらいずれることはよくあります。それでもFireCaputureでのオートガイドとかよりはマシで、少なくとも飛んでいってしまう様なことはあまりありません。雲や電線など、ガイドカメラの像が不安定だと大きく揺れてしまいますが、それは仕方ないでしょう。


まとめと今後

とりあえず最低限の実用性はありそうです。もう少し精度を良くするためには、ガイド鏡の焦点距離を長くすることですが、太陽全体を見る必要があるのでより大きなセンサーサイズが必要になってきます。もしくはピクセルサイズのできるだけ小さいカメラをガイドカメラに使っても精度は上がりますが、ASI290MMもそこまで大きなピクセルサイズではないため、ピクセルサイズ側で大きく精度を向上させるのは難しそうです。

タイムラプスのための画像の位置合わせについては次回以降の記事で書くことにします。
 

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