ほしぞloveログ

天体観測始めました。

タグ:アンテナ銀河

ゴールデンウィーク中に遠征(30-40分くらいなので近征?)してSCA260とASI294MM Proで撮影したカラス座にあるアンテナ銀河の画像処理についてです。CGX-Lを持ち出したのでかなり大変でしたが、ここで大型赤道儀で外でも撮影できる目処が立ちました。

撮影時の詳しいことはすでに記事にしていて、近場のいつもの場所、


それと、牛岳で2日分です。




画像処理

撮影は計3日間ですが、初日の撮影分は風が強すぎて使い物にならなく、結局牛岳の2日分だけを画像処理に回しました。

露光時間は10分でBaaderフィルターでのRGB撮影です。確かこの撮影の頃にフィルターホイールを1.25インチの8枚のものにしたはずなのですが、まだLは撮ってないです。処理に使った枚数はRGBそれぞれ15枚、9枚、9枚の計5時間30分です。

フラットは撮影から帰った日の5月6日に、夕方の自宅の外で鏡筒に白い袋を被せて撮影したのですが、これは結局うまく合わずに、以前馬頭星雲の時に撮影したフラットを使い回しました。袋を被せたフラット撮影はFS-60CBの頃にやっていて、うまくいってたのですが、大口径ではまだうまくいったことがありません。普段フラットは晴れ、もしくは曇りの日の部屋の中の白い壁で撮影しています。これまで撮影のたびに毎回撮影していましたが、今回の結果を見るとどうも使い回しができそうな雰囲気です。使いまわすためには大きなホコリが入るとおそらくダメになるので、接眼部に着いているカメラなどの機器の取り外しは出来る限り避けたいです。

画像処理はWBPPまでは5月のうちに終わっていて、3ヶ月も放っておいたことになります。その間何度か仕上までトライしたのですがいまいち気に入らなくて、結局前回のM104の決着がつくまで落ち着いて進めることができませんでした。昨日からやっと仕上げにはいりました。

これまでに何度かに分けてPixInsightでストレッチやマスク作りまで終わっていたので、昨日からの作業はほとんどPhotoshopです。何度かやり直してもアンテナ部分がかなり淡く、マスク処理は多少複雑になりました。そのためマスクを作り直すなどの作業は少しありましたが、なんとか炙り出すことはできたかと思います。

「NGC4038: アンテナ銀河」
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  • 撮影日: 2022年5月4日21時14分-5日0時5分、5月5日21時14分-6日0時51分
  • 撮影場所: 富山県富山市牛岳
  • 鏡筒: SHARP STAR製 SCA260(f1300mm)
  • フィルター: Baader RGB
  • 赤道儀: Celestron CGX-L
  • カメラ: ZWO ASI294MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、Gain 120、露光時間10分、R: 15枚、G: 9枚、B: 9枚の計33枚で総露光時間5時間30分
  • Dark: Gain 120、露光時間10分、29枚
  • Flat, Darkflat: Gain120、露光時間 RGB: 0.07秒、RGBそれぞれ64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

出来上がった画像を見ると、まだ恒星サイズが大きいのではと思いました。露光時間が長くて揺れが出たのかと。やはり10分露光でなく、5分露光位に抑えておいた方がいいかもしれません。

下のアンテナ部は先っぽの巻き巻きも含めてそこそこ出たと思います。それでも上のアンテナの先端の広がりがあるはずなのですが、そこまでははっきりとは写りませんでした。

あと銀河の細部がもう少し出てくれてもよかったかと思います。銀河の下部にアンテナ部との境があるように見えて、最初画像処理のせいかと思いましたが、どうもリアルにあるようです。

いつものAnnotationです。

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少し斜めになってしまっています。もうなにも記憶はありませんが、あまり真面目に回転角を合わせていなかったようです。


まとめ

牛岳という、少なくとも普段撮影する自宅よりは十分暗い場所で、結局2日にわたって5時間半のアンテナ銀河の撮影でしたが、それでもアンテナ部分はかなり淡かったです。マスクを駆使してやっと出ましたが、結構大変でした。特に銀河もう少し解像度が出るかと期待していましたが、シンチレーションと露光時間によるのかと思います。またいつか機会を見て撮影してみたいと思います。

さて、さらに溜まっている画像処理を進めることにします。

昨日ブログを書き終えて、アンテナ銀河の画像をチェックしていたら、思ったより使える枚数が少ないことがわかりました。「行かずに後悔するより、行って後悔した方がいい」と謎の決断をし、そのまま再び牛岳へ。


2日連続で牛岳へGO

ゴールデンウィークも終わりに近づいてきました。星だけに集中しているわけにはいかず、他にやるべきことが山ほど残っているのですが、これだけ好条件の長期休暇も珍しく、ここを逃したらアンテナ銀河の仕上がりに大きく違いが出るはずと思い、この日も18時過ぎに牛岳に向かって車を走らせます。出発時に妻がお昼寝していたので、起こさずにこっそり出かけます。そのため夕食はファミマの冷やしうどん。牛肉が乗ってるちょっと贅沢な方です。あと、お約束のおやつも買い込みます。

19時には現地に到着。流石に3連休の最終日です。星関係の人はほとんど誰もきていません。一般の人の車が数台あるくらいでした。なので昨晩の南の視界が建物で遮られる頂上ではなく、少しだけ下った南が全面開けている少し坂になっているところを陣取りました。牛岳もガチの撮影組は大抵この場所です。私はこれまで牛岳ではあまり真面目に撮影したことがなかったので、ここは初めてになります。


セットアップと撮影

設置している最中に、県天のK会長が車でやってきました。30分くらいでしょうか、少し話して、他の場所へ移って行きました。結局この日は天文勢は会長のみでした。

準備中の写真です。多分疲れてたんですね。写真ほとんど撮ってなくて、貴重な一枚です。
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日に日に月が明るくなってきてますが、アンテナ銀河は方向が違うので、まだこの程度なら許容範囲です。準備は20時頃には完了したので、子午線通過前に何枚か撮りたかったのですが、10分露光だと何故か相変わらず「子午線通過前だけ」星が流れてしまいます。これはかなり再現性があり、子午線を通過して赤道儀を反転させると流れは無くなります。子午線通過前後は鏡筒とウェイトが水平近くなり、たわみの効果などは最大になるのは理解できるのですが、これだと赤道儀を反転させてたわみがなくなる理由がわかりません。いまだに謎です。結局この日もまともな画像は赤道儀反転後のみで得られました。

アンテナ銀河の方が落ち着いてきたので、夕食をとり少し休憩。おやつはまたしても同じホイップメロンパンです。上の写真とこの写真が今回の写真全部です。ホントはもっと撮ろうと思ってたんですが、トラブルとかですっかり忘れてました。

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ASI2400MCでの青い馬星雲

22時半頃でしょうか、2台目の機材を出し青い馬を狙うことにしました。そういえば、ASI2400MCで写した三つ子銀河が好評で、もう少し借りていていいことになりました。せっかくなのでASI2400MCでの撮影です。

今回ASI2400MCのための新兵器を導入しました。ZWO社のフルサイズCMOSカメラに直接取り付けることができる、Canon EFマウント対応のアダプターです。フルサイズCMOSカメラの取り付けネジがM54で、これに対応しているアダプターを手持ちでほとんど持っていなくて、前回の贅沢電視観望でFS-60CBへの取り付けでかなり苦労したので、楽をするために購入しました。今回は撮影なので、星像がピシッと出るFS-60CBにマルチフラットナーをつけます。取り付けもアダプターのおかげで簡単で、しかも周辺減光もかなり軽減(前回は内径の小さい一般のT2アダプターを使ったので)されています。

ところが、四隅の星が盛大に伸びるんですよ。理由ははっきりしていて、今回買ったCanonマウントはEWFを使うことが前提で、EWFの幅が11mmなのでバックフォーカスが11mm足りないんです。EFWの代わりに、マルチフラットナー用のFC76の調整リングを持っていたので11mmよりは少し長いですが、それを間に入れます。すると惜しい、フォーカサーを一番縮めても少しだけ長すぎてピントが出ません。一旦リングを外したりしましたが、FS-60CBは鏡筒接眼側に20mmくらいの延長筒が標準で付いているのに気づき、それを外しました。回転装置が少し使いにくくなりますが、なんとかピントが出て、四隅の星像も遥かにマシになりました。

次のトラブルです。NINAでASI2400MCの画像が撮影には進むのですが、ダウンロードできません。ASI294MM Proは全然問題なく撮影、ダウンロードできます。ドライバーとNINAは最新のものだったので、以前のバージョンとかにそれぞれ戻しますが、いずれもダメ。何か別の問題の可能性が高いです。結局NINAは諦め、急遽SharpCapに切り替え撮影することにしました。SharpCapでの撮影でガイド時にディザーをしようとする場合、ライブスタックモードが前提となります。これがいまいちなのでこれまでSharpCapを撮影に使ってこなかったのですが、今回はディザー無しで、縞ノイズが出ることも覚悟の上、PHD2でガイドしながらの撮影となりました。

これらトラブルのために撮影を始めたのは午前0時半頃。あまり時間がなくなってきましたが、どんな画像になるのか楽しみです。
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Gain150の3分露光での、撮って出しの強炙り出しです。


初のSAO撮影

その後午前1時頃、アンテナ銀河の方がかなり西の低空に来たので、ここで終了。まだ少し時間があるので、カメラの回転角やその他設定を変えずに撮影できる天体はないか探したところ、M16オメガ星雲がちょうど画角ぴったりです。

ついでなので、連休前に手に入れた8枚対応のEFWでHα、OIII、SIIのSAOナローバンド撮影に初挑戦です。

このあと仮眠を取り始めたのですが、うとうとしながら見たHα、OIIIはかなり凄かったです。SII見てないのですが、よく考えたらHα、OIIIはBaaderでSIIのみOptlongだったことに後から気づきました。もしかしたらピント出てないかもです。

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SIIの撮って出し、オートストレッチ。やっぱりちょっとピンボケっぽいです。
あと、思ったより暗い。同じ設定でHαは十分明るいです。


撤収

仮眠後、目を覚ましたら午前4時半近く。かなり明るくなっていて、そのまま撤収し5時過ぎに帰宅です。3つ使ったバッテリのうち、冷却とStickPCに使っていた古いやつが完全に空になっていました。

途中ファミマに立ち寄り、ゴミ捨てと朝食を買い込み、6時前に自宅に到着。買ってきた親子丼を食べ、まだかなり眠くて、そのまま寝てしまいました。

3日連続の遠征、といっても近征なのでまだかなりマシなはずなのですが、さすがに疲れてきました。でもまだ午後早い段階なので、今日こそは太陽を見ます。黒点が成長して大きくなっているみたいです。画像処理も溜まっているし、原稿書きとかも残っています。残り3日のGW、有意義に使いたいと思います。

 

一昨晩に引き続き、昨晩も遠征。富山県天文学会、我々の中では通称「県天」と呼んでますが、今回はその県天の集まりです。




牛岳に集合

集合場所はいつもの牛岳、雪も溶けてやっと行けるようになりました。話によると4月8日頃はまだ雪で全然ダメで、4月17日に話を聞いたら上のいつも観測をしている所まで行けたとのことです。

実はこの日は前日の遠征と、ブログ書きで疲れてしまってました。でも昼間は太陽観測をしたいし、でも眠くてで、結局何もせずに夕方16時頃から仮眠を取ることに。17時半頃には起きて、妻が作ってくれた焼きそばを食べ(多かったので夜食用にタッパに入れ持っていきました)、18時頃出発。車の中の荷物はほぼ昨晩のまま。充電したバッテリーを積み込んだくらいです。天気もいいので期待できそうです。

19時頃に到着すると、すでにたくさんの県天メンバーが来ていました。空いている一番奥のスペースに車を止めます。
  • お隣さんはε130をロスマンディーに載せているYYさん。ラズパイで撮影です。うまく撮れないとつぶやいてましたが、最後の方でガイドのトラブルシューティングにつきあうことに。
  • 星景写真が好きなAUさんが、職場の同僚のIKさんを連れてきて沼に引きずり込もうとしているみたいです。
  • 昨年からメンバーになったHRさんは相変わらずかんたろうさんの赤道儀で撮影。Yさんと同じラズバイ組です。
  • この日の目玉は新人のHKさん。なんと50cmのドブソニアンです。県天でドブ持ちはこれまでいなかったとのことで、県天初のドブ、しかも50cmです。M104ソンブレロ銀河、M13球状星団など見せてもらいましたが、それはそれは見事でした。
  • 同じく新規会員のHDさん。FS-60CBで撮影です。なんとこの日は泊まりだとか。今年の新人さんは全然新人さんっぽくなく、ベテランさんばかりです。
  • 会計のSさんは珍しくテーブルとともにFSQ85をセットアップ。会長がスープを作ってくれるそうなので大きなテーブルを用意したそうです。
  • 他にも黒部のKTさん、富山のHYさん、KDとかも来てました。
  • 遅れてK会長も到着。GINJIをだしてました。春雨スープを用意してきてくれて、2杯もいただいてしまいました。
忘れている方がいたらごめんなさい。気づいたら随時追加していきます。皆さんとは冬が明けての久しぶりの観望会です。天文談義に花がさき、誰もがとても楽しそうでした。


なんと牛岳で初の撮影

皆さんこの日は撮影の人が多かったです。それもそのはず、ゴールデンウィークで新月期、晴れていていて、しかもこの日は透明度がかなり良かったです。かくいう私も、苦節6年、初めて牛岳でまともな撮影を敢行しました。ここで撮ったのは惑星くらいで、あとは星を初めて直後の練習がてらの撮影くらいです。牛岳は週末や休日は人が集まるので、たいていは話に夢中なのと、電視観望で来ている人に見せていると、全然撮影する余裕なんかありません。

でもこの日は、前の晩からの機材がそのまま車に載っています。かなりの量なので本当は持ってくるか迷ってました。もしあれば撮影するかもくらいの気持ちで持っていったら、ブログを読んでくれている隣のYYさんが、「新しい機材?じゃあ出して!」と言うので、まあ仕方ないなあと呟きながら(内心ニヤニヤ)、重いCGX-LとSCA260を展開します。でもYYさんの一言が、のちに撮影を始めてから感謝することになります。

機材を出すとやっぱり人が集まってきます。天文ガイドに記事が載った話も交えて天文談義に。薄明終了が21時すぎなので、撮影の準備はのんびりです。

準備の最中に、話しかけてきてくれた親子連れがいました。なんでも金沢から来たとのことで、小学5年生の娘が天の川を見たいというのでわざわざ牛岳まで来たとのことです。夜中になると見える旨伝えて、せっかくなので望遠鏡見て行きませんかと声をかけ、「皆さーん、小学5年生の女の子が色々見たがっていまーす、どなたか何か見せてくれる方いますかー?」と声をかけると、AUさんの双眼鏡での月をはじめ、続々と解説とともに色々導入して見せてくれます。ここら辺は県天のすごくいいところだと思います。中でも、HKさんのドブは普段なかなか見えるものでもないので、早速ソンブレロ銀河から見せてくれました。ついでに私も見せてもらったのですが、きちんと2つに分かれていて、間の暗黒隊も十分見えます。そのうち会長が撮影中のPCに映ったしし座の小さい方の3つの銀河を見せてくれたりで、もう大丈夫そう。私は再び撮影の準備にかかりました。

準備が完了したのが21時過ぎ、子午線反転まであと少しなので、ちょっとだけ待って赤道儀の反転が完了してから撮影を始めました。撮影は極めて順調。この日は風もほとんどなく、赤道儀もものすごく安定。10分露光でも余裕です。最近の自宅と、昨晩も撮影していたアンテナ銀河、雲と風でなかなかうまくいかなかったですが、やっと満足のいく状態で撮影することができたのです。重い機材を出すのを躊躇してた私に葉っぱをかけてくれたYYさんに感謝です。

撮って出しだとこんな感じです。アンテナもはっきり見えているので期待大です。画像処理は他の天体もたまっているので、そのうちまた記事にします。
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撮影を開始した頃、いつものMちゃんとお母様も到着。なんでも山に入ってから迷ったらしくて、獣道のようなところまで車で入ってしまい、大変だったそうです。早速アンテナ銀河の撮影状況を見せたり、ドブソニアンのろことに行って親子共々キャーキャー大興奮です。どうやら初めてドブを覗いたとのこと、是非ともいつか星まつりに行って思う存分たくさんの大口径ドブを見比べて欲しいです。


電視観望

撮影が始まると余裕が出てきたので、電視観望の準備です。この日もお気楽に、いつものFMA135 + CBP + ASI294MCをAZ-GTiに載せます。この日は透明度が良かったので、電視観望でもよく見えました。

M104ソンブレロ銀河。ドブソニアンでも見せてもらえたので見比べができます。
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北の空でM81と82。Mちゃんが見たいと言ってたやつです。
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上のソンブレロ銀河もそうですが、FAM135が広角なので、元はこんなに小さいです。
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わかりますでしょうか?中心に2つ見えると思います。

続いてM27亜鈴状星雲です。これはかなり時間が経って、天の川が昇りかけてきてからのものです。
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こちらも実は小さいんです。拡大しても耐える得るのはFMA135の光学系が優秀だからでしょう。
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続いて北アメリカ星雲。かなり綺麗出ました。12.8秒露光で、たかだか9分ライブスタックです。
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M16わし星雲とM17オメガ星雲です。8分のライブスタックです。
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などなど、ほかにもM51子持ち銀河がありますが、さすがにこちらは小さくてFMA135の限界です。
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たまたま来ていた一般の方にも見てもらいました。その中に、最初に声をかけてくれた親子連れの方がいました。しばらく仮眠をとってから起きて、無事に夜中の天の川も見えたとのことです。電視観望で星雲を見てもらっていたら、お父さんが興味がありそうで「どれくらいの値段がするのか?」と聞かれました。FMA135はまだいいのですが、やはりASI294MCが10万近くと一般の人にいうのは気がひけるくらいです。やはりまだ一般の人に気軽に勧めるには、少し高いですよね。


早めに撤収

さて、撮影の方は0時半ごろまで続き、もうアンテナ銀河が建物の影に隠れているのに気づき終了。21枚中13枚、2時間10分ぶんが画像処理に使えそうです。RGB合わせてなので、ちょっと枚数が少ないです。もう少し撮り増ししたいかもしれません。一度処理して、ダメなら今晩もう一度出撃かもしれません。

撮影終了後も、そのまま電視観望を続けたりダラダラ喋っていたりで、この日はやはり人との交流を楽しみます。実はその前の撮影中も話に夢中で、機材はほっぽらかしでした。

途中、YYさんがラズパイのPHD2でガイドがうまくいかないというので、ちょっと付き合ってましたが、どうも赤経が方方向にズレ続けます。最初極軸がずれているのかと思ったのですが、ガイドなしでズレていくか見てても、どうもドリフトしている様子はありません。その場ではわからなかったのですが、片付ける時に赤経のクランプがゆるくて、片方に回りやすく、片方は固くて回りにくいという不思議な状態でるのが分かったとのことです。おそらくこれが原因だったのかと思います。

午前2時過ぎくらいでしょうか、私も撮影機材をのんびりと片付け始め、午前3時くらいにやっと片付け終わりました。YYさんは先に片付けが終わり、下に行って天の川を取るとのことで先に出て行きました。最後に残っていたのは、私と本日泊まりだというHDさんだけでした。私が帰る時もまだ薄明まで30分くらいあると言うので天の川を撮っていました。天頂近くにかなりはっきりとした天の川が出ていました。

4時前位に自宅に到着、そのまますぐに寝てしまいました。ちょっと疲れが出てきたみたいです。遊び疲れですが...。

冬はなかなか遠征がいけないのとで、ゴールデンウィークで久しぶりの遠征です。といっても近征で、車で30分くらいの所です。

最近天文関連の活動が多すぎて書く暇がなく、ブログの更新が滞っているのですが、遠征はその場の雰囲気を忘れてしまうので、画像処理はまた後にするとしてとりあえず書いておきます。


久しぶりの遠征で準備に四苦八苦

GW中の5月3日、この日は朝10時からZoomで天文関連の打ち合わせ。その後は太陽撮影で忙しく、ドタバタしながらの遠征準備です。最近はずっとSCA260とCGX-Lでの撮影が多いので、今回の遠征はいい機会とばかりに、この大型セットを持ち運びできるかテストしてみます。

まずは特等席の助手席にSCA260を積みます。少し背もたれを倒して安定するように積み込みますが、最近はホコリ問題でカメラをできるだけ外さないと決めたので、カメラに変な力がかからないように気を使います。

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CGX-Lの赤道儀部分は後ろの座席に、シートベルトを一旦伸ばし切って縮めることで、シートベルトが(一旦外すまで)伸びないようにします。三脚は巨大なので苦労しました。今回初めて気づいたのですが、下から押し上げる巨大な台座があるのですが、三脚を畳むときはちょうど脚が収まるように3箇所カットされています。取り付けるネジも2段階になっていて、緩めるだけだとネジが落ちないように工夫されていて、その状態で三脚をたたむことができるというわけです。ただえさえ大きくて重くてあつかいがたいへんなので、運ぶことやしまうことも考慮してあります。使って初めてわかるありがたさです。結局後ろ座席の床に横向きに倒して置きました。台座の幅が結構あるので、出し入れの時は前の座席を一旦前に移動する必要がありましたが、なんとか収めることができました。

まだスペースがあるのでCGEM IIも持っていくことに。赤道儀は後ろ座席の空いている側に、三脚は床に、今度は立てて置きました。というのはCGX-Lの三脚で床がいっぱいで、重ねておくしかなく、木津着くのが嫌だったからです。足を多少開いて立てて置いたらそこそこ安定しました。

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トランクはその他機材でいっぱいです。ちょっと前に大型の防湿庫を買って、ほとんどのレンズやCMOSカメラ、小型鏡筒を入れることにしたので、遠征時はここから必要なものを毎回ピックアップする必要があります。

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心配性なので、今回使わないもの(電視観望関連とか)もたくさん持っていきますが、次の日(今書いている今日)、夕方から牛岳で富山県天文学会の観望会なので、そのまま使えるのかと思います。仲のいい(4月から中学生になった)Mちゃんにも声をかけておいたので、来てくれると思います。

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と、準備に戸惑って、自宅を出たのが18時過ぎ。途中の「すき家」に入って腹ごしらえ。お腹が空いていたので特盛と豚汁卵セットです。お腹も一杯になり、さらに途中ファミマによりおやつと夜食を買い込み撮影現場に向けて出発です。といっても、そこから15分くらいなのでもう近いものです。

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セットアップはトラブル続き

現場に到着したのは結局19時過ぎでした。雪解けでまだほとんど人が入った形跡がなく、途中道路のど真ん中に大きな岩が落ちていて、車幅ギリギリで怖かったです。到着後すぐにセットアップを始めますが、すぐにバッテリーを一つ忘れたことに気づきました。普段バッテリーを3つ持っていくのですが、出発直前に1つを充電し始めて、「忘れないようにしよう」と気をつけてたのですが、案の定忘れました。しかも今回はめずらしく撮影の方が2台体制だったので、バッテリー2台だとギリのギリでした。天文あるあるかと思いますが、遠征の時は大抵何か忘れます(笑)。私が結構あるのがガイド鏡を忘れることです。一応予備が入れてあるのですが、予備の方は焦点距離が短くて苦労したりします。

もう一つのトラブルが、リモートデスクトップでStickPCにつながらなかったことです。外ではミニワイヤレスルータにつなぐのですが、このStickPCは以前きちんとテストしていたはずです。しかたないので、別途USBタイプの外部モニターを取り付け、メイン機で見ながら、マウスとキーボードもつないで設定など見てみますが、IPアドレスはきちんと割り当てられています。それぞれのPCからルーターにはアクセスできます。それでもpingは互いに通りません。結局ファイヤーウォールが問題だったのですが、ファイヤーウォールの設定が(プライベート、ドメイン、パブリックの)3種類あり、外部に繋がないLAN状態なのでプライベート設定かと思っていたら、最後に試したパブリック設定のファイヤーウォールが原因でした。前はきちんと繋がったのを確かめているので、アップデートとかの際に勝手にオンになってしまったのかもしれません。出発前に直前チェックをしておくべきでした。

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やっと撮影開始

これで全てOKで、撮影開始は21時半近く。ちょうど子午線を越えるかどうかというところだったので、自動導入で赤道儀が反転する時間まで待ってから撮影を開始しました。ところがいざ撮影を始めてみると妙にバタバタします。撮影後は車の中で暖まっていたのですが、確かに外に出ると結構な風が吹いています。この時点で元々やろうと思っていた10分露光をあきらめて、3分露光にしました。多少星像は歪むときもありますが、そこそこ円を保っています。ある程度の星像肥大は避けることができなさそうです。

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一応アンテナも写っているみたいでます。

おやつタイム

撮影も軌道に乗って落ち着いてきたので、おやつタイムです。今日はファミマで買ったホイップメロンパン。遠征の楽しみの一つです。

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この時に、なんとアイスを買っていて食べ忘れていたことを思い出しました。袋の中で当然クタクタに。家に帰ってまた冷やして食べます...。


SQM測定で空の暗さを確認

ちなみにこの場所、南側はiPhoneのDark Sky Meterで測るとSQM21.31です。自宅から車で30分でこれならまあまあかと。北側は富山の町あかりで全然ダメです。北側を撮るときはもっと南まで下がります。

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SQMが測定できるといっても、専用機と違うのでどこまで精度があるかわかりません。それでも使っている限りそこそこの指標にはなるのかと思っています。値段も値段(250円)なので、趣味の範囲で使うのなら手頃でいいのかと思います。


2台目のセットアップもトラブル

時計を見ると22時半頃、少し落ち着いたので、2台目のセットアップにかかります。もう一つの狙いは夜中からのアンタレス付近です。CGEM IIにEOS 6Dと借り物のSIGMAの105mmを載せます。F1.4の化け物レンズです。レンズにはアルカスイス互換の脚がついているので、そこに小判鮫状態でガイド鏡を取り付けます。

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ターゲットはアンタレス全域と青い馬、天の川の一部が入る構図です。でもこの構図、その場で気づいたのですが、カメラを縦に固定する必要があるんですよね。6DにはL字のブラケットがついているのですが、縦に固定するとPCと接続するUSB端子が塞がれてしまうのです。仕方ないので、PCからの BackYardEOSとの接続は無しで、ガイド時のDitherはしない覚悟で、MagicLanternのバルブ撮影に切り替えました。ところがです、このバルブ撮影はこれまで何度もやっていてうまくいっているのですが、今回全くうまく動きませんでした。シャッターを押している時だけ露光するという、本当にごく普通のバルブ状態になってしまって、全然長時間露光になりません。改めてネット調べてみても設定は正しそうです。

すでにこれだけで30分以上ロスしてます。一度カメラを外して車に戻り、冷静になり考えてみました。そうだ!L字ブラケットを裏返せばいいのではないか!と思い、ネジを緩めて外そうとしたところ、わざわざ裏返さなくても、横にスライドすればいいのではと気づきました。

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これでUSB端子に接続でき、かつ縦方向でアルカスイスクランプに固定できます。時計を見ると0時半過ぎ。

さらに、撮影し出してから星像を改めてBYE上で拡大してみてみると、コマ収差が結構出ています。ここでレンズをF1.4からF2.0に変更するとかなりましになりました。カメラレンズだとF値の変更もBYEからできるのに改めて気づきました。ISO800の30秒露光でもちょうどいい明るさなので、F2.0でもかなり明るいレンズなのがよくわかります。


おやつタイム2

ここからは順調に撮影できたので、ホッとして夜食の冷やし中華と、本日2度目のおやつタイムのクリームパンです。え、おやつタイムの「2」ですって?食べ過ぎですね。でも遠征時は何を食べても美味しいです。

あ、冷やし中華で思い出しました。この日むちゃくちゃ寒かったんですよ。念のためスキーウェアを持っていったのですが、それでちょうどいいくらいでした。でも手袋を忘れてしまっていて、寒い中アンタレスで苦労して、ブルブル震えていたところ「冷やし」中華。車で暖房をつけて、しばらくして暖まってからやっと食べる気になりました。お腹もいっぱいになり急激に眠気が。午前1時半頃でしょうか、仮眠をとります。


後片付けとフラット撮影

次に目が覚めたら3時半頃、でもまだ眠くて動き始めたのはもうかなり明るくなりかけてる4時過ぎ。すぐに片付ければいいものを、せっかく明るい時までいるのでフラットを取ろうと画策し始めました。撮影している最中に片付けもやれば時間短縮だ!と思っていたのですが、フラット撮影の最中でPCへの接続が突然止まりました。バッテリー切れです。バッテリーを一つ忘れたつけが最後にきました。

というわけで、フラット撮影も中途半端、意気消沈して片付けもダラダラやっていたら現地を出たのは5時半過ぎ。6時過ぎに自宅に戻り、やっと就寝です。でも仮眠が長かったせいか、寝付けたのが多分7時過ぎ。10時半に起きて、ブログを書きながら今に至ります。

まとめと今日これから

トラブルだらけの遠征でしたが、それでも楽しいものです。うまく撮れているといいなあ。アンテナ銀河は風が強くてダメだったかも。あ、アンテナ銀河沈む頃にM57に切り替えたの今になって思い出しました。風がピューピュー言ってたので、ヤケになって10秒露光、ゲイン450の多数枚撮影。でも眠気の中セットしたのでどうなっているかよくわかりません。アンタレス付近はそこそこ撮れているとは思いますが、どうでしょうか。

程良い疲れと眠気が気持ちよく、充実した一日でした。GW中まだチャンスがあるならもう一度くらい遠征に行ってもいいかもしれません。

そんな感じで、明けて今日現在、ブログを書いています。時間があれば今日は少し太陽も見たいし、今晩は県天の集まりで牛岳です。荷物を車に乗せたままなので、準備時間は短縮できるとおもいます。牛岳は一般の人も夜景を見にたくさん来ていると思います。人がいると話してしまうので、撮影は難しいかもしれません。電視観望にするかも。しかもまだ天文ガイドの原稿を描いてる途中です。連休はやりたいことだらけで忙しいです。


 

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