ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:その他観測機器 > StellaVita

前回まででStellaVitaの準備編撮影編を記事にしました。




今回の記事では、一通り使ってみて、気づいた点や改善要望点などを書いておきます。

IMG_2364


情報関連

  • 情報はある程度は探せば出てくるのですが、問題は、互いのリンクがされていないので、検索に引っかからない限り情報に辿り着けないことです。例えば準備編で挙げたToupTek社の中にあるFAQは検索で見つけたのですが、どこからリンクされているのかわかりません。上部のリンクのところを見ると、Home -> StellaVitaとなっているようなのですが、上のStellaVitaのページは宣伝用のトップページに近くて、技術的な詳細にはつながっていません。きちんと情報を一覧で表示してくれるようなページがあるといいのかと思います。
  • アップデートの記録がここにあります。週一くらいのかなりのペースで更新されているので勢いがあるのがわかります。ただし、機器のサポートとかバグ取りがメインで、ユーザー、特に初心者に対しての親切設計とかまではまだ手が回っていない気がします。ここら辺がメジャーになるかマイナーで終わってしまうかのポイントかと思います。是非とも頑張ってほしいです。
情報に関しては、細かい気遣いがユーザーの評判を呼び、さらにユーザー数の増加に繋がっていくのかと思います。そういった意味では、まだこなれているとは言えないので、メーカー側の努力を期待したいです。


ハードウェア関連

  • 電源入力コネクタですが、電源ケーブルや本体側のコネクタ部分を触ると電源が切れてしまいます。赤道儀が大きく動く時など、ケーブルを引っ張られても電源が途切れることがあります。ケーブルの方が問題がある可能性もありますし、もしかしたら手持のStellaVitaだけかもしれませんが、接触にもう少し余裕をもったコネクタが選ばれるといいのかと思います。通常のPCはあまり場所が変わるとか想定してないかもしれませんが、鏡筒に取り付ける場合なども考えると、本体が動いてケーブルが多少引っ張られることなどもあるので、自分でできる対策としてはケーブルを別途固定するなど、方法を少し考えた方がいいのかもしれません。とりあえず今回はできるだけケーブルなどに触らないようにして進めて、撮影まで完了することができました。-> (2026/1/18追記) StellaVitaに付属の短いL字ケーブルを使うと、揺らしても切れることは全くなくなりました。電源供給に手持ちの長いケーブルを使ってましたが、改めて見てみると外径が細くて内径が太いケーブルで、不安定になる方向のケーブルでした。付属の短いケーブルに長いケーブルを足して使う分には大丈夫そうなので、電源供給で長いケーブルを使いたい場合は、オスメスのケーブルを買って延長して、付属のケーブルを本体側に挿すのがいいかと思います。
  • StellaVita本体からDC12V電源を4つ供給できるのですが、3番と4番が差し込んでも反応しなくて困ったというコメントがありました。初期設定ではオフになっていたのを後から気づいたとのことです。
  • ところで、StellaVita本体ってバチンと電源を切ってしまっていいのでしょうか?一応設定のその他の所に「StellaVita管理」というのがあって、そこからシャットダウンができるみたいです。でもわざわざこんなところまで探って電源落とさないですよね。試しにバチンと電源を切るのを何度か試しましたが、今の所特に問題ないようです。

ドライバー、アプリ関連

  • カメラの冷却をオンにしたときに、ファンをオフにできるというのは温度上昇で故障の元になるので、ファンをオフにできないようにするか、できるとしてももう一段奥に隠した機能にするなどの工夫をしたほうがいいかと思います。
  • カメラ接続時にドライバ一覧を見てみると、有名どころの名前が全然出てこなくて最初戸惑いました。実際には有名どころのサポートされているカメラは接続した時点で認識できるカメラとして表示されるので、実用上の問題はないです。その一方、赤道儀はケーブル接続後に「検索」をしても上手く見つからないことや、違う赤道儀として認識されることが多いです。その場合は赤道儀のドライバを自分で選びますが、こちらは名前がないものは基本的にサポートされていないのかと思います。このようにカメラと赤道儀のドライバ名の表示に、サポートされているかどうかの一貫性がないと、戸惑うのかと思います。
  • 分かってしまえばいいのですが、赤道儀の場合は「ドライバーをきちんと選択しなければならない」ということさえ最初はわからないわけです。このドライバー選択で迷う初心者は結構いると思うので、もう少しうまく誘導してくれる示し方を検討してもらえればと思います。
  • ガイドが動いていなくても撮影することは可能なのですが、その場合NINAのように「ガイド開始されていませんが...」とかの警告が出ると、ガイド忘れがなくていいかと思います。特に、ガイドカメラの接続トラブルがあったので、ガイドがされているかどうかさえも気づかないことがありました。
  • 電源を落とすたびに、ガイドのキャリブレーションが必要になります。キャリブレーション情報は使いまわせるはずなので、情報を保持する機能があるといいです。特に、今回キャリブレーションは終えるまで時間がかかったので、なおさらです。
  • StellaVitaでの追加撮影ですが、アプリのタスク作成で、せっかく作ったライト画像のタスクなどをいちいち消すのは面倒なのと、記録として持っておきたいなどもあると思うので、タスクのオン/オフや、順序の入れ替えができるといいかなと思いました。

一部でStellaVitaはNINAと似ているという意見がありますが、私はあまりそうは思いませんでした。NINAは非常に細かい設定ができて、ある程度複雑なのですが、天体撮影の知識があればユーザーインターフェースはかなり直感的で、日本語訳も素晴らしく、ほとんど迷うことはありません。

その一方、StellaVitaはかなり簡略化されてるとは言え、天体写真に知識があっても、どこにその機能があるのか迷うことが多かったです。これは必要な時にだけ必要な機能が表示されるような設計方針になっているからのようです。その一方、天体写真の知識がない初心者にとっては他に目が移らないので、もしかしたら逆に利点になっている可能性もあります。ただ、そのことをさっ引いても、やはりまだソフト的に足りない機能や説明があるのはおそらく誰もが思うことかと想像します。ハード的な機能は一通り揃えているかと思うので、それをきちんと引き出すようなソフト的な充実が求まれているのかと思います。

そうは言っても、必要な「天体の画像を写す」という最低限のことは十分にできます。なのでStellaVitaを使うことに躊躇する必要はないでしょう。今後もアップデートを重ねていくはずですし、良くなることはあっても悪くなることはないはずです。個人的にはまだ発展する余地があって、それらの発展をこれからも味わっていくことができるというのは、ちょっと楽しみなところです。NINAみたいに、個人ユーザーからの拡張機能とかを受け付けてくれれば、もっと楽しくなるのにとか思ったりします。


StellaVitaの評価

私は実を言うと、こういったオールインワン機器はあまり好きではありません。簡単になるのはいいことなのですが、その代わりにできないことが出てくることが嫌なのです。なので、すっかりメジャーになったASIAirにも手を出してきませんでした。

ASIAirに手を出さなかった理由はもう一つあります。ZWO社のCMOSカメラしか使えないという囲い込み方針があまり好きではないからです。これは以前の私の趣味で嫌というほど味わいました。自分のメーカー以外の製品を一部にでも使っている場合は大会に出場できないとかいう制限をかけてくるのです。天文趣味に移って良かったと思ったことが、どのメーカーの機材を使っても自由だということです。自社製品を売りたいこと、サポートが大変なことも理解できますが、宇宙は誰のものでもなく、天文は本来自由なものなのかと思います。ZWO社には今からでも囲い込み方針を変更してもらえたらと強く思っています。

StellaVitaはZWO社以外のカメラも制限なく使えるということろが、他のユーザーも大きく期待しているところではないでしょうか。もちろんZWO社のカメラも使うことができます。その分、サポートが大変になるのかと思いますが、ぜひこの方針を続けていって欲しいと思っています。

現段階の総合的な評価としては、必要十分な機能は整っていると思います。最低限の目的の「天体写真を撮る」という観点から行くと、十分達成することができました。その後の画像処理に十分耐え得るクオリティーの画像が撮影できています。その一方、アプリ側の作り込みや、初心者へのサポート体制はもっと充実させる必要があるのかと思います。

サポート体制に関しては、ある程度ユーザー数が増えないとあまり力を入れることはできないのかとも想像できますが、ここがToupTekの正念場の気がします。私自身はToupTekのカメラのG3M678Mを使っていて、性能的には非常に満足しています。ToupTekも日本に本格的に進出しようとしているところかと思います。StellaVitaについても今後の発展とサポートに期待していきたいと思います。







StellaVitaの続きの記事になります。前回は撮影前にしておくべき準備についてでしたが、今回は実際に撮影に撮影までしてみます。



前回記事の終了時の、赤道儀とカメラとガイドカメラが使えるようになった状態から始めることにします。カメラとガイドカメラのピントも取れているとします。

赤道儀は電源がオンになっていて、初期アラインメントはすんでいて、赤経が追尾を始めていると仮定します。鏡筒の向きはホームポジション付近になっていても構いません。その場合、赤道儀によるかと思いますが、極軸方向付近か、真東付近を向いているものかと思います。


テスト撮影とプレートソルブによる赤道儀の同期

まずは、カメラで撮影できるかどうか、試してみましょう。StellaVitaアプリの画面の左にある撮影用カメラのアイコンをクリックします。さらにもう一度同じボタンを押して、撮影モード選択の画面を出し、「シングルフレーム」を選びます。
IMG_0123

もし星が見えている方向に鏡筒が向いていないなら、自動導入やコントローラーで向きを変えて、星がある方向に鏡筒を向けてください。

右の真ん中の撮影開始ボタンを押して、まずは1枚撮影してみます。カメラの露光時間は短くしておいた方がいいでしょう。数秒でいいかと思います。右の撮影アイコン周りに円形のバーがぐるっと進む様子がわかると思います。最後までたどり着いたら撮影終了で、撮影した画面が映し出されます。

実際に星は見えていますでしょうか?もしここで星が見えていなければ、鏡筒にカバーが付いたままになっている、鏡筒のピントが大幅にずれているなどの原因がありますので、今一度チェックしてみてください。うまく撮影できると、下のように画面内に星が見えるはずです。
IMG_0109

撮影画面が見えたら、早速プレートソルブを試して、取得画像からいま鏡筒がどの方向を見ているかを特定してみましょう。画面の右アイコンの撮影ボタンの下の「地球のようなマーク」を押し、プレートソルブでの解析を開始します。試した限り、StellaVitaではかなり安定にプレートソルブができるようです。

解析が始まるので、10秒ほど待ちます。結果には今見ている方向が赤径と赤緯で表示されます。

ここで、赤道儀と「同期」するかどうかの選択肢がでてくるので、一旦赤道儀と同期しておくのがいいでしょう。これで近傍の天体導入なら、そこそこの精度でできるはずです。ただし、遠くの天体の導入と、撮影時の追尾はまだ精度がありません。これまでにまだ極軸調整をしていないからです。

IMG_0110


極軸調整

StellaVitaにはカメラを使った極軸合わせがサポートされているので、是非使ってみましょう。目で見て合わせる極軸望遠鏡に比べて一桁くらい精度が出るはずです。極軸を精度良く合わせることで、撮影時のガイドの負担が減り、星像の歪みが小さくなる可能性が高くなり、成功画像の歩留まりが上がるはずです。

StellaVitaでは極軸調整にメインの撮影カメラを使います。すでに上記のテスト撮影は終わっているとします。極軸調整にはメインカメラで星を写してその画像を解析する必要があるので、まだテスト撮影をしていない場合は、極軸調整の前に実際一度試してみてください。

極軸調整のため、赤経を15度と30度回して撮影するので、赤経が30度進んでも星が入るような方向にあらかじめ鏡筒を向けておきます。この状態で、左の赤道儀アイコンを押して赤道儀の調整画面に入り、下の真ん中らあたりの極軸調整ボタンを押します。

下のような説明が出ますが、1番と2番はすでにできているので薄字になっているはずです。3番も今回は実際にはできているでしょうから、実質4番からになります。この画面内の右真ん中の撮影開始ボタンを押してそのまま進めるだけです。
IMG_0108

1枚撮影した後に、自動的に鏡筒を赤径方向に+15度回転して一旦撮影、更に+30度回転して撮影と、メインの鏡筒のカメラで撮影が進みます。合計3枚撮影して、それらの画像解析から赤道儀の極軸がどの方向を向いているのかを計算します。うまく解析が完了すると、下の画像のように極軸がどれだけずれていうるかが円になって出てきます。赤道儀の極軸の向いている方向が、真の北極からどれくらいずれているかが、円の中の青い点で表されます。

IMG_0127

もしこの青い点が中央から上にずれているとしたら、赤道儀の下部についている物理的な上下方向の調整ネジを回して、赤道儀の極軸が下方向に進むようにします。その際、画面の縁の横の「更新」をオンにしておくと、リアルタイムに近い状態で常に今の方向を見ているかがわかります。横方向にずれている場合も、赤道儀下部についているネジを回して水平方向に調整してください。

青い点が中心に近くなってくると、円が拡大され、よりいい精度で見ることができるようになります。鏡筒の焦点距離にもよりますが、1秒角(下の画面の1'')程度に合わせれば十分過ぎるくらいでしょう。(補足1)
IMG_0129


撮影プラン

撮影に際しては、容量に余裕をもって撮影できるようにSDカードを用意しておくといいでしょう。SDカードは横の穴に差し込みます。

撮影は「プラン」モードを使いますが、その前にプランを立てる必要があります。左上のTodoリストアイコンを押し、「目標管理」の左下の「+」ボタンを押し目標を追加します。検索などして、撮影したい天体を選びます。今回はバラ星雲「NGC2239」をターゲットにしました。「撮影時にガイドを起動」をオンにするのを忘れないでください。ここがオンになっていないと撮影時ガイドが起動されないので、星像が流れてしまいます。
IMG_0136

その後、右下の「タスク管理」ボタンを押してタスクを追加します。「Light」をえらび、撮影枚数などを設定します。

タスク、目標が保存されたことを確認して、左のメインカメラボタンを2度押しして「プラン」撮影を選びます。右の撮影開始ボタンを押せば撮影が開始されます。ガイドはちょっと面倒なことがあるので、次に少し詳しく説明します。


ガイド

ガイドは「目標管理」のところで、あからさまに「オン」にしてやらないとガイドなしで撮影が開始されてしまいます。

ところが、ガイドをオンにしたはずなのに、ガイドが入らないことが2度ありました。判別方法としては、ガイドカメラの画面に切り替えた時に星が何も写っていなくて真っ暗のままの場合はガイドが開始されません。どうもガイドカメラがアプリ上では接続はされているにも関わらず、うまく動いていないことがあるようです。この場合、ガイドカメラをアプリ上で一旦接続をオフにして、もう一度オンにすると画面に星が写って、その後撮影開始後にキャリブレーションが始まりました。

キャリブレーションは思ったより長くかかりました。5分近くかかったでしょうか。途中、「時間がかかりすぎるのでガイドをオフにして撮影を開始しますか?」とかいうメッセージが出たのですが、「いいえ
」を選択して、キャリブレーションを続けました。これでさらに待つと、やっとキャリブレーションを完了させることができました。

ガイドカメラの設定を見ると「キャリブレーションのステップ」という項目があり、デフォルトでは「750」でした。でも単位がわからないので、とりあえずいじっていません。これをもっと大きくすると一度に進む距離が長くなり、時間が短縮されそうな気がしますが、今回は試せていません。(補足2)


撮影開始

キャリブレーションが終わるとガイドが開始されそのまま撮影が開始されます。ところが、キャリブレーション直後はターゲットのガイド星からずれているため、ガイドがターゲット星に合わせようとして方向を変えてしまいます。その過程中も撮影は続いているので、最初の1枚目はどうしても下の画像のように星像がずれていく画像が撮影されてしまうようです。これはソフト的に回避できる問題のはずなので、改善してほしいかと思います。

IMG_0086
撮影が可視視されてからガイドがターゲット星をセンターに移動してしまっています。

IMG_0087
結果として、1枚目だけはどうしても星像が流れた画像になってしまいます。

うまくいくと、ガイドも安定し、星像も丸くなります。その後はずっと安定した画像を撮影することができました。

その際のガイドカメラの画面です。ディザーの設定をしておけば、いつディザーされているかなどもわかります。
IMG_0089

撮影時のメインカメラの画像に、同時にガイド画面とヒストグラムを表示するとができます。ガイド画面では安定度を見ることができ、ヒストグラムでは「自動」にチェックが入っていればオートストレッチされた画像が表示されるので、ある程度の写り具合を見ることができます。
IMG_0141

実際にファイルとして保存されているかどうかは、左アイコンの下から二つ目のフォルダアイコンを押します。保存先は指定した場所になりますが、ファイルの移動などを考えるとSDカードが便利かと思います。撮影中もSDカードにはアクセスできますが、チェックはプレビューのみで、jpgフォーマットでローカルのタブレット端末にダウンロードされます。プレビューの段階ではユーザーはjpgの存在しかわかりませんが、きちんとfitsファイルもSDカード内に保存されています。アプリにフォーマットの指定はなさそうなので、RAWファイルはfits固定で、変更はできないみたいです。

RAW形式のfitsファイルは、ファイル容量が大きいので、撮影後SDカードを抜き出してから、PCなどにファイルを移動するのがいいでしょう。


フラット、フラットダーク画像の撮影

撮影後、StellaVitaを使って昼間にフラット画像とフラットダーク画像を撮影してみます。私は鏡筒を部屋の中の白い壁に向けてフラット画像を撮影しています。光源は太陽ですが、晴れ又は曇りの日の昼間に窓のカーテンを開けて、直射日光が当たらない壁に向かって鏡筒を向けます。鏡筒や鏡筒を置いてある机が影を作る場合があるので、ともに壁から少し離して設置します。

StellaVitaの電源投入後、アプリ接続して、今回はメインカメラのみをオンにします。ライト画像と同じように、左上のTodoリストアイコンを押し、「タスク管理」で作ったNGC2239の「目標管理」にタスクを追加します。ただし、ライト画像のタスクが残ったままだと撮影時にライト画像から再び撮影してしまうので、まずはライトの「Light」のタスクを消して、改めて「Flat」を選択して、ライト画像と同じゲインにして、露光時間を調整します。
IMG_0098

露光時間の調整は、メインカメラボタンを押してメインカメラの画面を出し、さらにもう一度メインカメラボタンを押して、シングルショット撮影を選んびます。ゲインはからなずライト撮影時と同じにしてください。明るさの調整は露光時間で行います。露光時間は右の上から2つ目のアイコンを押して調整します。その後、右真ん中のボタンを押して実際に撮影してみます。左の櫛形のアイコンを押してヒストグラムを出し、山が真ん中か少し左くらいにある状態になるように何度か露光時間を調整と撮影を繰り返します。今回は曇りの時の部屋の中で0.05秒でちょうどいいくらいの明るさになりました。
IMG_0091

再び左上のTodoリストアイコンを押して「タスク管理」->「目標管理」に入って、今調整した露光時間を入力します。これで準備は完了です。

メインカメラのアイコンを二度押して「プラン」モードに入り、右真ん中の撮影ボタンを押して撮影開始です。すぐに撮影が開始され、ダウンロードも始まりますが、ダウンロードができているかどうかに関わらず撮影枚数はどんどん進みます。露光時間の短い明るい撮影なので、全枚数の撮影もすぐに終わるはずです。撮影が完了してもダウンロードは続きますが、撮影ボタンがXマークになっていて、それを押すとダウンロードも途中で終了できます。

IMG_0099
短時間撮影なので、どんどん枚数が進むでしょう。

IMG_0101
撮影終了後は、ダウンロード中でもXボタンを押すことでダウンロードを中断できます。

フラットダークは全く同じ設定で暗くするだけです。まずカーテンを閉め切り部屋を暗くし、鏡筒にキャップを被せます。でも昼間の撮影なのでおそらくそれでは不十分で、鏡筒、フォーかサーブ、カメラ自身に光の漏れがあることが普通です。私はダークやフラットダークの撮影では、念の為に毛布などを全体に被せて光ができる限り入らないようにします。ただし、カメラの通風口を塞いでしまうと熱の逃げ場がなくなってカメラが故障する可能性があるので、そこだけは開けておきます。

アプリでは、タスク管理で作ったフラットのところを再選択して、タブのところで「Dark」に変更します。こうすることで後で画像処理ソフトがどの種類の画像かを分別する手がかりをつけます。こちらも撮影を開始し、完了したらこれで終了です。

他にダーク画像の撮影もありますが、私は手持ちのダーク画像があったので、ここでは撮影は割愛しました。ダーク撮影のポイントは、露光時間とゲインオフセットとカメラの温度をライト画像撮影時と全く同じにすること、フラットダークの撮影時のように毛布をかけるなどしてできる限り漏れ光を少なくすること、ライト画像と同程度の十分な枚数を撮影することでしょうか。ダーク画像は一度撮影してしまえば、ライト画像の設定を変えない限り使い回しできるので、時間のある時に必要な設定分だけ撮影しておくと楽になります。あと、バイアス画像を撮影する機能もありますが、ダーク画像をライト画像と同じ設定で撮影した場合は、バイアス画像は不要です。

以上が、夜のライト画像撮影後に、別途昼間など時間のある時に追加して撮影する画像になります。今回はライト以外の画像もStellaVitaで撮影しましたが、他のアプリを使って撮影してもそれらを画像処理で使うことはできます。

画像処理

結局、3分露光で48枚のfits画像が得られました。画像の保存フォルダ名に日付が入らないなど、ファイル名の細かな指定のようなことはできませんが、画像処理ソフトで読み出す際に普通に読み込めるので、贅沢を言わなければ特に問題ではないかと思います。

ダークファイルは以前NINAで撮ったものの使い回し、フラット画像とフラットダーク画像は今回StellaVitaで64枚づつ撮ったものを使って、画像を最後まで仕上げてみました。画像処理はPixInsightとPhotoshopを使いましたが、StellaVitaで撮影したfitsファイルは特に問題なくPixInsightで読み込んで処理することができました。

画像処理自体はStellaVitaとは独立なので、詳細は割愛しますが、結果だけ載せておきます。自宅でガイドを含めて2時間の安定な撮影程度は問題なくでき、天体画像として最後まで処理できたので、実用という点から考えた時、StellaVitaは十分な撮影プラットフォームとして使えると言えるでしょう。

180.00s_FILTER-NoFilter_RGB_drizzle_2x_BXTC_SPCC_BXT_MSA_NXT6_s3
  • 撮影日: 2025年12月29日2時13分-4時43分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: William Optics RedCat51(f250mm、F4.9)
  • フィルター: サイトロン CBP
  • 赤道儀: Celestrn Advanced VX
  • カメラ: Player One Uranus-C Pro (-10℃)
  • ガイド:   f50mmガイド鏡 + ASI290MM、StellaVitaでガイド
  • 撮影: StellaVita、Gain 220、露光時間3分 x 48枚 = 144分 = 2時間24分
  • Dark: Gain 100,  露光時間180秒x30枚、Flat, Flatdark: Gain 220,  露光時間0.05秒x64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC


まとめ

今回はStellaVitaを使って、実際の星雲を撮影してみました。多少戸惑うところもありましたが、システムとしては必要十分な機能があり、無事にライト画像、フラット画像、フラットダーク画像を撮影でき、それらの画像を使っての処理も滞りなく進むことができました。

まだ日本での販売はあまり時間が経っていないこと、アップデートも毎週のように更新されているなど、今現在も非常にアクティブに進化している最中なのかと思います。まだこなれていないところもあるは事実ですが、今後のシェアの広がりとサポートに期待したいと思います。

次回の記事では、今回思った改善点などの要望をまとめたいと思います。


(補足1)
私は普段はSharpCapを使って極軸調整をします。SharpCapの場合、ガイドカメラ、メイン鏡筒のどちらでも使えるのですが、基本的には北方向の空を見ていないと使うことができません。StellaVitaは北方向の空が開けていなくても、十分な精度で極軸調整ができます。これはかなりの利点でしょう。その一方、リアルタイム画面の表示と更新速度にはSharpCapの方が一日の長があります。実際の星を写して、その星がどちらに動けばいいか矢印まで出るので、ここら辺はSharpCapの方が親切です。でも、StellaVitaは鏡筒を赤道儀の回転も自動でやってくれて、操作性もSharpCapには及ばないものの、十分わかりやすくストレスなくできます。

StellaVitaの極軸調整の「北方向を見なくていい」という圧倒的な利点(たとえ北方向が開けていても、北だけ曇っていることなどよくあることなので)を考えると、極軸調整に関してはStellaVitaに軍配をあげてもいいかと思います。これまでいくつもの極軸調整がありましたが、SharpCapを超えるものはありませんでした。今回、初めてまともに使えると思いました。StellaVitaが赤道儀の操作も自動でできることが前提なのですが、これはかなりすごいことです。


(補足2)
ガイド鏡をRedCat51に取り付ける際、固定リングのネジ穴を利用したのですが、これが斜めに面が切られているので、ガイド鏡も鏡筒の斜め上につけることになり、カメラの水平垂直が崩れました。そのため、キャリブレーション時にガイド星が斜めに動いていきました。これでもきちんとキャリブレーションできるので特に問題はないのですが、カメラだけガイド鏡に対して45度程度回転させて水平、垂直を合わせておけばよかったかもしれません。








今回サイトロンさんのご好意で、ToupTekのStellaVitaを使う機会を得ました。StellaVitaはPCレスで天体写真撮影を実現するオールインワンのコントローラーです。

同類の機器にASIAirがありますが、こちらはZWO社のCMOSカメラと一眼レフカメラを使うことができます。一方、StellaVitaはZWO社以外のCMOSカメラも広くサポートしているのが特徴です。一眼レフカメラは最近サポートが始まり使えるようになってきたようです。せっかくのStellaVitaなので、今回はPlayerOne社のCMOSカメラを使ってみることにします。

あと、ASIAirと比べて大きな違いが、操作が全て日本語化されていることです。私はASIAirは使ったことがないのですが、意外なことに英語のままということです。日本語化されているのは、特に初心者にとっては敷居を下げるという意味で、いいことなのかと思います。

StellaVitaが日本で正式に販売され始めたのはまだ昨年9月のことで、ユーザーのレビューなども少なく、初めて使う場合に情報が少なくて戸惑うこともあるかもしれません。このブログではStellaVitaを初めて使う際に戸惑いそうな点、実際に使ってみた上での感想などを中心に情報を書いていこうと思います。

特に、今回の記事では撮影前までの、準備段階を中心に取り上げます。ここに書いてあるほとんどのことは昼間の明るいうちにできることです。もしStallVitaを手に入れて試してみる場合は、夜になって慌ててセットアップするよりは、まずは事前に十分時間をかけて準備をするのをお勧めします。その際の参考になればと思います。


ネット上の情報

SteallVitaはまだユーザー数もあまり多くないと思われ、基本的にあまり情報がないのですが、いくつかマニュアルや解説ページを見つけたので、リストにしておきます。

マニュアル類:

シュミットでStellaVitaを購入すると、紙に印刷された「クイックガイド」が付属されてきます。このマニュアル自身は簡易的な説明なのですが、最後のページにさらに詳しいマニュアルへのリンクとアクセス方法が書かれています。サイトロン独自のマニュアルで、日本語で書かれていて、今の所StellaVitaの使い方について一番詳しく分かりやすく説明してあるかと思います。私はこのことに気づかずに、このマニュアルを読まずに今回の記事を書いてしまったので、一部重なる情報もあることにご了承ください。シュミットで購入された方は、是非とも忘れずにこのマニュアルにアクセスしてみてください。


機材の用意

天体写真撮影に必要な機材を用意します。今回、一例として用意した機器は
  • 鏡筒: RedCat51
  • 撮影用CMOSカメラ: Uranus-C Pro
  • ガイド鏡: f=50mmのCマウントレンズ
  • ガイド用CMOSカメラ: ASI290MM
  • 赤道儀: Advanced VX
となります。撮影用のメインカメラですが、せっかくのStellaVitaということなので、ZWOのカメラ以外を使ってみることにします。今回は手持ちのPlayer Oneの「Uranus-C PRO」を使うことにします。

他にもStellaVitaではオートフォーカサーやフィルターホイールなどをサポートしていますが、今回は使わないこととします。


機材の組み立て

用意した機材を組み立てます。鏡筒に撮影用CMOSカメラを取り付け、ガイド鏡にガイド用CMOSカメラを取り付け、さらにガイド鏡を鏡筒に載せるなどして組み合わせます。赤道儀を外にセットして、鏡筒を赤道儀に載せます。

StellaVita本体は鏡筒に載せてしまうのが楽なのかと思います。StellaVita本体には、35mm幅のファインダー台座用のアリガタが付いています。鏡筒に取り外し可能なファインダーが付いているなら、ファインダーを外してStallVita本体をつけてしまってもいいかもしれません。今回使ったRedCat51のように、ファインダーをつける場所がない場合は、StallVita本体に付いているファインダー台座を外して、出てきた1/4インチ用ネジ穴か、M4用のネジ穴を使うといいかと思います。私はここに、Amazonなどで安価に購入したアルカスイス互換のクイックリリースクランプを取り付け、鏡筒側の方にプレートを取り付けることでStellaVita本体と鏡筒を固定しました。

IMG_2363

私は手持ちのほとんどの鏡筒にアルカスイス互換の長めのプレートを持ち手の代わりにつけてあり、ファインダーやガイド鏡など、取り付ける側にクランプをつけるようにしています。こうすることで安価で、シンプルに、取っ手にもなりつつ、鏡筒のいろんな場所に、任意の組み合わせで取り付けられるようになり、応用範囲が広がります。

IMG_2373


本体組み立て

StellaVIta本体の組み立ては、
  1. W-Fi用のアンテナを取り付ける。
  2. 付属のWi-Fiドングルを4つあるUSB端子の左上に差し込む。
この2つだけです。

あとはStellaVIta本体に12Vの電源を接続し、本体スイッチを入れます。12V電源は、電力に余裕があるものを選んだ方がいいとのことです。私はノーブランドのポータブルバッテリーを選びましたが、10Aまで出るそうなので、十分でしょう。最低2Aは必要とのことです。

電源を入れると、30秒から1分くらいの間に何度がビープ音が鳴りますが、「数秒で3回のビープ音が聞こえます。最初の「ピッピッ」はホットスポットの起動を示し、2回目の「ピッピッ」で本体の起動完了、最後の短いビープ音でWi‑Fiへの接続準備完了を示します。」とのことです。ホットスポットの意味がここではまだわかりませんが、とりあえず最後の短いビープ音までなったので、起動完了でしょう。

冷却カメラなどを使っている場合は、ここでStellaVita本体のDC電源端子から付属の短いDC電源用のケーブルを使って接続しておくといいでしょう。


アプリ

本体はWi-FIで接続して操作します。操作のためのアプリはPC用はなく、基本的にタブレットになるようです。私はiPad使いなので、App Storeでstellavitaと検索するとアプリが見つかりました。早速インストールします。

タブレットとStellaVita本体を接続します。タブレットのWi-Fiの設定で、StellaVita_XXXXXXとかいうSSIDが見えると思うので、それを選びます。
IMG_0107a

パスワードは本体裏の上の方に書いてあります。デフォルトは順番の数字で8桁です。その後、タブレット上でStellaVitaアプリを立ち上げると、左下に選択したSSIDが表示されて、接続が完了しているはずです。

立ち上げた後は、まずは設定です。左下の「ギヤ」の形をしたアイコンを押し、設定画面に移ります。
IMG_0119


カメラ設定

設定画面ではさらにアイコンがいくつか表示されます。上から赤道儀、メインカメラ、ガイドカメラ...と続いていますが、まずは「メインカメラ」アイコンを押し、撮影用のメインカメラの設定から始めてみます。

カメラを接続すると、通常は「接続可能なデバイス」にカメラ名が出てきます。サポートされているはずのカメラで名前が出てこない場合は、接続がうまくいっていない可能性があります。Uranus-C PROはType-C接続なので、最初StellaVita本体のType-C端子にケーブルをつないでも全然認識されずに困ってしまいました。このType-C端子はアップデートなどのみに使うとのことで、結局、Type-CをUSB-AにかえるアダプターでUSB-Aの方に繋いでStellaVitaに接続された、無事にカメラが認識されました。

カメラを選択した後は、その右のスイッチを右にして青い「オン」にします。これをやらないと何も設定できません。
IMG_0120

  • 「ゲイン」はUranus-C PROの場合、HGCモードになる220一択かと思います。他のカメラもHGCになるゲインを調べてその値に設定すればいいでしょう。「変換ゲイン」というところは特に何も変化もしないし、押すこともできないようです。その下の低ノイズモードも押すことができません。
  • 「露光」は画面では180sになってしまっていますが、今の段階では0.5sとかの短い時間でいいでしょう。これはピント合わせなどのテストが今後しばらく続くからです。実際の撮影時に数分とかの長い時間にすればいいと思います。
  • 「冷却」をオンにすると、下の「FAN」も自動的にオンになります。ただし、FANだけ独立にオフにできてしうので、冷却時の排熱ができなくて熱がこもって故障する可能性があります。くれぐれも、FANだけオフにすることはしない方がいいでしょう。
  • 「加熱」の意味がいまいちわかりません。このカメラはヒーターは持っていないので、冷却をやめたときにどれくらいの時間をかけるとかでしょうか?単位とかがないので、今の所不明です。
  • 上の画面はもう少し設定が残っています。右側をスクロースさせてみてください。ブラックレベルは最大が500でした。ADCのカウントだとしたら、私はいつもどのカメラでも40としているので、とりあえずここでは40としておきます。

カメラを使っての鏡筒のピント合わせ

CMOSカメラはすでに鏡筒に付けられていると仮定します。

今回オートフォーカサーは使っていないので、マニュアルでのピント合わせになります。ピントを合わせるには、まずはカメラに写っている画面を見ることから始めます。
IMG_0123
  1. 左のメインカメラのアイコンを押します。
  2. さらにもう一度メインカメラのアイコンを押すと、撮影モードを3種類の中から選ぶことができます。
  3. ピント合わせはビデオモードを選びます。
  4. 右の上に2つアイコンがあって、上からそれぞれゲインと露光の調整になります。でもこの調整、単位がないので今どれくらいの設定値なのか、よくわかりません。例えばゲインは0から850までありました。露光は0から5000です。露光の5000は5000秒かとも思ったのですが、5000にしても1秒間に5回くらいは画面を更新しているように見えます。0にしても1秒間に5回くらい更新しているように見えます。
  5. とりあえず、空を写して星が見えればいいのですが、最初は夜に遠くの地上の景色などを写して、画面に何か見えるようなゲインと露光時間を適当にいじってみて、何か見えたらまずはラフにピントを合わせて、その後空で同じことをした方がわかりやすいかと思います。
  6. 画面に星が写ったら、その星が最も小さくなるところを探してピントを合わせます。

もしこの時点で画面に何も映らないようなら、鏡筒先端にキャップがついていないかなどを確認し、鏡筒前にLEDライトなどの光源を持ってきて、カメラ画面に反応があるかなどをみるといいかと思います。

どうしても画面に何も映らないなら、別途PCなどで別のアプリ、例えばSharpCapなどを利用して、カメラがきちんと接続されて画像情報が送られる状態になっているかなどしてみるといいでしょう。もしPCで見えるならStellaVitaの問題ですが、PCでも見えない場合はStellaVita以外に問題がある可能性が高いです。例えば冷却カメラなのに冷却用のDC電源ケーブルが繋がれていなくて、一見カメラ本体は動いているように見えるのに、画面情報は送られない状態になっているなどです。


ガイドカメラの設定

ガイドカメラも設定してしまいましょう。左下の「設定」アイコンを押して、その右にあるアイコン群の3つ目の「ガイドカメラ」を選択します。ガイドカメラも、ハード的にうまく接続されていれば「接続可能なデバイス」にカメラ名が出てくるはずです。何も出なければ、まずはケーブルなどの接続を疑ってみてください。
IMG_0121

更新時間はガイドに使うカメラということを考えると、0.1秒程度が適切かと思います。それ以上長くしてしまうと、ガイドのレスポンスが遅くなってしまい、発振してしまう可能性が出てきます。その分、ゲインはある程度上げてください。具体的な確認は、ガイドカメラで写している画面を見ながらした方がいいでしょう。
IMG_0125
  1. 画面左の縦に並んでいるアイコン群の中から、上から3つ目にある、ガイドカメラアイコンを押します。
  2. ガイドカメラが見ている画像が出てきます。ここで、右アイコンの露光時間とゲインを調整して、画面に何か見える状態を作ります。
  3. その際、画面がデジタルのマダラ模様に支配されている時があります。私はStellaVita本体とガイドカメラの接続に短いUSB2ケーブルを使っているので、転送速度の問題かと思いました。でも結局は1秒程度の更新では転送速度は十分で、じゃあ何が問題だったかというと、明るさでした。この場合、カメラからの信号が明るすぎる可能性が高いので、ゲインを下げるか露光時間を短くするとマダラ模様が消えます。
  4. 何か見えてきたら、ガイド鏡のピントを合わせてみてください。

IMG_0082
ネットワークの状態によってはせいぜいこれくらい見えるだけです。
星が目でみてわかればいいでしょう。

うまくいくと星がきちんと点になって見えるはずですが、最初は星空を見ながらだとわかりにくいので、地面近くの遠くの景色を映して確かめた方が楽かもしれません。


赤道儀の設定

次に赤道儀を設定してみます。カメラの接続のように自動的に認識されないので、ちょっと癖があります。

まず、StellaVitaと赤道儀をケーブルやWi-Fiで接続します。今回私はCelestronのAdvanced-VXを使いました。(補足1) ケーブルの接続ができたら、赤道儀の電源を入れてください。電源投入後は赤道儀のコントローラーで、適当な初期アラインメントをします。ここは通常の天体撮影と同じです。ただし、Celestronの赤道儀は初期アラインメントを「クイックアラインメント」にしないとダメという情報があります。私はCelestronのAVXを使ったので、この指示に従いました。(補足2)

赤道儀の動作開始後、StellaVitaアプリの赤道儀設定画面の上部のすぐ横のボタンの「検索」をするのが手順らしいですが、上手く赤道儀が見つからないことや、違う種類の赤道儀として認識されることが多いです。その場合は「None」と出ているところを押して、出てくる「接続可能なデバイス」をさらに下にスクロールさせて、赤道儀のドライバを自分で選びます。問題はこのドライバーがわかりにくいことです。ここで選ぶべきドライバーは「Celestron Advanced-VX HC」です。紛らわしいことに「Celestron Advanced-VX Wired」というのがあります。最初、こちらを選んでいて、全然うまくいかないので相当迷ってしまいました。(補足3)
IMG_0117

赤道儀との接続がうまくいくと、やっと横のスイッチを右の「ON」にできます。その際、ボーレートには気をつけた方がいいかもしれません。赤道儀には決まった通信速度があり、StellaVitaではマニュアルで設定する必要がある場合があります。ボーレートはマニュアルなどには書いてあるかと思いますが、わからなければネットで、「ボーレート」もしくは英語で「Baudrate」と、赤道儀名で検索すれば出てくるかと思います。AVXは9600ボーでした。間違ったボーレートだと、接続できなかったり、誤動作をする可能性があります。
IMG_0118


撮影前の準備は以上になります。次回の記事で実際の撮影に際して書きたいと思います。でもその前に、少し独立した話として、ネットワーク関連とStellaVitaのアップデート、ステーションモードについて最後に書いておきたいと思います。特にステーションモードの解説は英語も含めてほとんど見当たらないので、自宅でStellaVitaを使用している方はかなり便利になるかと思います。


アップデート

設定の「その他」に行って、バージョンを確認すると、Appがv1.0.17、Coreがv1.1.51、SDKがv59.29397.20250831、INDIがv2.1.5と表示されます。このバージョンが古いのか新しいのかよくわからないのですが、とりあえずアップデートを試みます。

アップデートファイルを持っていれば、SDカードを使う方法もあるみたいのですが、肝心なアップデートファイルがネット上に見つかりません。もっと簡単な方法は、設定の「その他」から「無線ブリッジ」をオンにして自宅のWi-FIにつなぐことです。無線ブリッジをオンにするとアクセスできるSSIDが見えるはずですので、パスワードを入力するなどして接続してみてください。これで自宅のWi-Fiを通してインターネットにも繋がるので、直接アップデートができます。「更新を確認」ボタンを押すと、今回はv1.1.58が見つかったので、そのまま更新をしてみました。
IMG_0081b

自動的にダウンロード始まり、再起動してアップデートが完了しました。Coreがv1.1.58に代わり、SDKのバージョンもv59.29904.20251102に上がりました。その他AppとINDIのバージョンは変わらないようです。

ちなみに、本体にある謎のType-C端子ですが、これはStellaVita本体のファームウェアのアップグレードに使うとありますが、探した限り具体的な方法はどこにも情報が無いようです。ファームウェアというのが上記のCoreやSDKと同じものなのかもよくわかりません。今のところはこの端子は使用することできないようですが、将来に期待しましょう。


ステーションモード

上記のように無線ブリッジでStellaVita本体を自宅ネットに繋いでしまうと、さらに便利なことができるようになります。一般的にはステーションモードか言うやつです。

IMG_0106 2

  1. まず、タブレットのネットワークを自宅W-Fiに繋ぎ変えます。
  2. その状態で、StellaVitaアプリを立ち上げます。上の画面のように、左下のネットワークがStellaVita_XXXXXXだったのが自宅のものに変わっているはずですが、まだこの時点ではインジケーターが赤色で接続がうまくいっていないことがわかります。
  3. 当然StellaVita本体には接続できないのですが、設定の「その他」を見ると「IPアドレスで接続を試みる」というボタンが出ているので、これを押して、IPアドレスを入力し、「ネットワークに接続」を押します。問題はIPアドレスを確かめる方法がものすごくわかりにくいことです。
  4. 比較的簡単なのが、自宅LANのルーターの管理画面のDHCPの接続情報などを見て、StellaVItaのIPアドレスを特定し、入力します。これだけでもある程度のネットワークの知識を必要とします。さらに接続一覧まで辿り着いても、複数の機器が接続されているとどれがStellaVitaのものかわからないかもしれないので、その場合は一覧に出てくるIPアドレスを片っ端から入れていきます。(StellaVItaの付属のWi-FiドングルのMACアドレスがわかればもっと簡単に接続時のIPがわかるかと思います。PCにWi-Fiドングルを接続するなどして確かめることもできるかと思います。)
  5. 上手く接続されると左下のSSIDのところの赤いインジケーターが緑にかわります。
  6. あとは通常通りの操作になります。
  7. 一度接続が確定したら、ルーターのDHCPの接続情報でStellaVitaのMACアドレスを確認して、固定DHCPを割り当てるように設定しておくと便利です。これ以降は同じIPアドレスで接続することができるようになります。
IPアドレスの特定が一番大変かと思いますが、こうすることで自宅の庭撮りなどの場合は、家の中でヌクヌクしながら操作できるようになります。

私の場合一つ問題が見つかりました。自宅が広いので、複数のWi-Fiルーターを中継機として使っているのですが、StellaVita本体とタブレットが別々のW-Fiルーター機につながった場合、StellaVitaに接続されても読み込みを繰り返すような状態になってしまうようです。StellaVitaとタブレットが同じWi-Fiルーター機に接続するとそういった問題はなくなりました。


今回のまとめ

StellaVitaの撮影のための準備として、機材との接続と、カメラの画面を使ってのピントの合わせ方、ネットワーク関連の接続について解説しました。

星を見てのピント合わせ以外は全て明るい昼間のうちにできるはずです。ピント合わせも、明るいうちに遠くの景色を写して試しておいた方がいいと思います。夜になると撮影時間の制限もあるので、あせってなかなかうまくいかないかもしれません。事前できることをできるだけあらかじめ準備しておけば、実際の撮影時に余裕を持つことができるのかと思います。

次回は実際の撮影する際の解説をしたいと思います。お楽しみに。



(補足1)
Advanced VXとStellaVitaとの接続は、ハンドコントローラーのお尻の4pinモジュラー端子を使います。StellaVitaに機器を繋ぐ場合はUSB接続なので、USB-RS232C変換ケーブルなどを購入します。さらにRS232C端子とコントローラーは、赤道儀を買った時についてくる付属のRS232C-4pinモジュラー変換ケーブルで接続します。私はこのケーブルの存在を完全に忘れていて、過去に改めて買おうと思ったことがあるので注意が必要です。持っていないという方は箱の中を探してみてください。最初から付属しています。

(補足2)
Celeste on製赤道儀の「クイックアラインメント」とは、要するに初期アラインメントを何もしないというのと同義です。鏡筒の向きもホームポジションと同じです。これは全てのアラインメントをStellaVitaのプレートソルブに丸投げするということに他なりませんが、これで十分ということがわかりました。ただ、普通にワンスターアラインメントやスリースターアラインメントなどをしても、StellaVitaでそのまま使えることも確認しました。なので、あまり気にすることはないのですが、赤道儀での初期アラインメントを省くことができるのは、ユーザーにとっての負担を減らすことにつながるので、クイックアラインメントを選ぶというのは案外いい方法かと思います。さらに、この「赤道儀固有の初期アラインメントを省く」という簡単な方法は、実は他のSharpCapなどでも使える気がします。今度試してみます。

(補足3)
どうやって「Celestron Advanced-VX HC」にたどり着いたか書いておきます。トラブルシューティングの常套手段の一例と思ってください。
  1. まず、もっと簡単でユーザー数も多いと思われるAZ-GTiで試してみました。ユーザー数が多い機器は(StellaVitaに限らず一般的に)接続方法も確立されているはずですし、StellaVitaだとしてもバグが少ないはずです。
  2. 本来最も確実に動くはずのAZ-GTiの経緯台モードで試しましたが、その際、経緯台モード用のドライバーでは全く動作しなかったので、何かドライバーに問題があると判断しました。
  3. そこで試しにStellaVitaでAZ-GTiの赤道儀モード用のドライバーを使うことで、初めて反応があり、AZ-GTiを動かすことができました。要するに、正しいドライバーを選ばない限りうまく動かないということがここで初めてわかりました。
  4. Advanced-VXの接続は、別途SharpCapなどで動くことは確認できていたので、ハード的な接続は問題ないはずです。ということはドライバーがまだ何かおかしくて、あらためてAdvanced-VXのところを見てみると、「Wired」のほかに「HC」があることに気づきました。
  5. もしやと思って「HC」にしたらあっさり動いたというわけです。






このページのトップヘ