恒例の1年のまとめ記事です。ほしぞloveログでは年末は書くのをサボって、たいてい1月中にのんびりと書いています。
昨年のまとめはここにあります。昨年は2月に公開しているので、今年の方が早いくらいですね。
さて、今年もテーマ別に振り返っていきましょうか。まずは機材からです。
ここでは2023年に使った機材で、特筆すべきものを3つ書いておきます。
SWATにAZ-GTiをくっつけた命名「SWAgTi(スワッティ、gは発音せず)」はとても楽しい試みでした。おそらくこれまでになかったアイデアで、高精度追尾のSWATと自動導入可能なAZ-GTiの互いにいいところを持ち寄って、高機能高精度追尾でお気軽撮影を実現できたのかと思います。惜しむらくは、長時間撮影では縞ノイズが出てしまい、ディザーで散らすことを試みたのですが、撮影中はAZ-GTiの自動追尾を切って高精度化を実現していて、その状態だとディザーができないことです。ソフトで解決できる問題のはずなので、いつか解決できたらと思っています。
SWAgTiの過程で、SharpCapを使えば一眼レフカメラでも極軸合わせとプレートソルブができることを示しました。SWATユーザーには一眼レフカメラを使っている方も多いと聞いたからです。
これは、CP+で話した一眼レフカメラで電視観望をやってみようという話にもつながっています。
3. トラバース
もう一つ、トラバースはミニマム電子観望をさらに押し進めました。カバンなどにすっぽり入るサイズで、PCと合わせても歩きの持ち運びで全然余裕です。
最初の頃はAZ-GTiに比べて少し不安定なところもありましたが、SynScan Proのアップデートと、SharpCap独自のプレートソルブで不安定なところはほぼなくなり、完全に実用レベルで観望会で使えるようになりました。最近は、持ち運びの便利さと見た目のコンパクトさでAZ-GTiにとってかわり、トラバースを使うことがほとんどです。
目標
さて、機材関連の2024年の目標ですが、今の天体撮影の主力機材は2つで
簡単なのは、今ある手持ち鏡筒で口径の大きいF4のBKP200を使うかとかでしょうか。これに例えば今と同じASI294MMとか取り付けるか、いっそのこと使っていないカラー冷却のASI294MC Proでもいいかもしれません。コマコレクターは持っているのですが、ε130DやSCA260に比べるとそれでも多少星像は伸びるので、BXT2が前提になると思います。
もう一つのアイデアは、今は鏡筒とカメラを固定にして外さないようしていて、これは外した時のホコリの侵入を防ぐのが第一なのですが、この制限を取り除いてカメラと鏡筒を交互に入れ替えるかです。これだと
去年の目標のところに「Sh2-240:スパゲティ星雲やSh2-129:ダイオウイカ星雲などの広くて淡い難物を自宅でどこまで出るかを試してみたい」と書いています。ε130Dでスパゲティー星雲はなんとか撮影できました。
自宅からこれだけ出れば、まあまあではないでしょうか。ダイオウイカ星雲も撮影は完了していて、現在画像処理で苦労しています。ある程度目標は達成と言っていいでしょう。その一方、今回わかった反省点もあるので、これ以上はやはり暗いところに行って撮る方がいいのかもしれません。2022年に自宅で撮影したM81(未記事化)と2023年に開田高原で撮影したM81で比較して、少なくともLRGB撮影ではIFNなどの淡い部分は自宅では限界があることを身をもって理解しました。ナローバンドでも、本当の本当に自宅だと明るすぎるのかどうかは、一度きちんと検証してみたいと思っています。
淡いところを出す技術は上がってきましたが、自宅で出すには相当無理しているところもあり、画像処理に徐々に時間がかかるようになってきました。そのため結構気合を入れる必要があり、撮影は終わっていrても、画像処理が残っているものが結構あります。パッと思いつくだけでも
太陽や月はほとんど手をつけていなくて、唯一PST本体を2台目にしたことくらいでしょうか。良像範囲が少し広がりました。粒状斑はまだ何かだめなのか、いまだに満足した画像を撮ることができていません。
天体写真の方については、年末に別記事でまとめてあります。再処理も合わせて12枚だったので、数はあまり多くはありません。
画像処理で特筆すべきは、やはりBXTでしょうか。元々恒星処理がかなり苦手だったのですが、BXTでdeconvolution処理をほぼ自動で、しかも収差まで緩和するようなすごいレベルで補正してくれるようになったので、相当楽になりました。
StarNet2も地味に構成と背景の分離精度が徐々に上がっていて、BXTと合わせて、淡いところの炙り出し、分解能向上なども楽になっています。特に、BXTとdrizzleを合わせた処理で分解能をさらに引き出すことができたのも面白い結果でした。
BXTについてはつい最近バージョンアップし、相当ひどい収差なども補正すること、最微恒星を取りこぼさないようにするなど、精度が格段に上がっています。
バージョンアップ前のBXTを使っていますが、いくつか再処理をした結果が以下の4枚になります。どれも前後で見た目ですぐわかるレベルで改善があり、例えば三日月星雲とトールの兜星雲は、同じ元画像かと思うくらいの進化が見られます。
アップデートされたBXTはさらに強力そうなので、かなり昔に撮った技術的にまだまだな画像でも再処理してみたいと思います。
目標
ε130Dで撮影したアメペリ星雲や網状星雲、クワガタ星雲などがそうなのですが、最近は背景をかなり炙り出しています。
これらは全てAOO合成で、赤成分はほぼHα撮影からきています。淡いところまで出せるようになってきたのはいいのですが、背景まで赤っておかしい気がしてきています。多分これって、茶色い分子雲がHαの波長も持っていて、それが出ただけなのではと。例えば、網状星雲の右半分ってRGBで丁寧に撮った画像だと茶色の分子雲で暗くなっているのが見えたりします。また、智さんが撮影したRGBで撮影したスパゲッティ星雲だと淡いながらも茶色い分子雲がはっきり見えていますが、これも自分が撮影したAOOだと言われると気づくかもしれませんが、かなり赤に寄っていて見分けがあまりつきません。
これらを踏まえて2024年の目標ですが、RGBを駆使するのかLを駆使するのか、まだ全然アイデアは固まってませんが、なんとかして背景の分子雲を、色も含めて分子雲らしく出すこにしたいと思います。多分ナローじゃなくなるので自宅だと無理かもです。
2023年にブログで単独で電視観望を主に扱っている記事はわずか3本。トラバース、天の川電視観望とリモートヘルプのみです。
さらに、「電視観望」で検索してみたり、自動で保存された画像が残っているフォルダも数を数えると、実際に電視観望で見た回数は星まつりとか観望会とか合わせて18回とのことでした。月平均1.5回と考えると、ずいぶん少なくなりました。
電視観望の回数が少なくなってきていることは昨年の反省でも同じことを書いていて、よく言えば技術的には成熟してきた、悪く言えばネタがなくなってきたことを示しています。とくに2023年後半から電視観望ではSeestarが話題の中心になっています。私は結局購入していないのですが、初心者には機能的にもコスパ的にもかなりいいと思います。天文人口の裾野が広がることは超ウェルカムで、私も電視観望を始めた頃からずっと願っていたことです。Seestarはこの点、ものすごく貢献しているのかと思います。
一体型のスマート電視観望機器と言っていいものは、eVscope、Vespera、Seestar、DWARFなどと、どんどんコンパクトになってきています。そう言った意味では、一体型に対してカスタム型電視観望としてトラバースにFMA135を載せて、三脚を小さくしたセットアップは、いまだにミニマムという点では健闘していて、性能的にもコンパクト性においても私的には最近はこれが一番稼働率が高いです。
もう一つ、電視観望が繋いだ縁として、「カフェぽうざ」の訪問があります。
もともと天リフさん主催の会議で私の電視観望の基調講演の動画にコメントを頂いのがきっかけだったのですが、実際に茨城県石岡市まで訪問しました。電視観望を主とした、おそらく日本で唯一のカフェで、その後この記事を見た星ナビさんが2023年9月号で大きく取り上げてくれて、私も少しだけ記事を書かせていただきました。
2023年は電視観望については講演が多かった年でもあります。パッと数えただけでもCP+、天教、福島、志賀高原、小海と5回にもなります。しかも全てオンラインではなく、実際に面と向かってのリアルでの講演です。これだけ考えても、コロナが収束に向かった年だったことがよくわかります。
特に、CP+については3回目にして初の念願の現地参加です。2021年の初の全面オンラインCP+では講演時間をわざわざ夕方遅くからにして頂きZoomで電視観望の生中継をして、北陸の冬の悪天候にも負けずに見事バーナードループを観ることができました。2022年のCP+ではNEWTONYとCeres-CとAZ-GTiを組み合わせた、安価な初心者向けの電視観望を紹介しました。この系譜はシュミットの2024年の福袋セットにも引き継がれていて、AZ-GTiがトラバースに変わっていますが、電視観望セットとしては最安で販売されています(ただし2024年1月14日23時59分まで)。
2023年のCP+は現地開催記念でCP+本来のカメラユーザーを意識して、一眼レフカメラで電視観望ができることを紹介しました。2024年のCP+も何か話せたらいいと思っています。小海の「星と自然のフェスタ」での電視観望実演で画像処理の需要がかなり高そうということが実感できたので、今後講演をもしするとしたら、そんな方向の話ができたらといいな思っています。
天教の講演会は2022年の公開天文台協会の島根の全国大会に続いて、非常に貴重な機会でした。普段接するのはアマチュア天文家なのですが、天文教育に関わるプロの意見はやはり違った側面を持っていて、とても参考になりました。
星の村天文台での講演は土壇場で決まったものでした。準備時間がわずか10分くらいと、先の天教の講演があったので何とか持ち堪えることができました。
志賀高原のセミナーは実演も合わせてのセミナーになります。この時遠くから参加してくれて手伝ってくれた大鹿村のKさんとは、その後の大鹿村の観望会、元気村での集まりへとつながっています。
小海の「星と自然のフェスタ」は比較的新しい星まつりで、過去に何度か講演させていただいています。元々の主催者のSさんが始めたもので、今では規模としては3大星まつりの一つと言っていいでしょう。せっかく定着しつつある星まつりです。運営も大変だと聞いていますが、講演会が特徴のこの星まつり、是非とも続いて欲しいと思ってやみません。
基本的には上に書いた2023年の講演は全て電視観望についてでした。画像処理についての話もしてみたいですし、でも本当はこの記事の下の方でも出てくるノイズ解析みたいな話を思う存分したいのですが、流石にマニアックすぎて聞いてくれる人はほとんどいないと思うので躊躇しています。でもいつか...どこかで...もしチャンスがあれば...。
私の天文活動は、相変わらず平日を含めた自宅がメインなので、外にはそれほど多く出ていません。昨年の反省でもすでに書いてありますが、2023年中の遠征撮影は1月の開田高原のみです。
観望会もそう多くはなく、8月に富山環水公園で天の川電視観望を見せた他、長野県下伊那郡大鹿村でも(天気が良くなかったので)広域の天の川電視観望がメイン、あとは全く星が見えなくて観望会にはならなかった2泊3日の 愛知県豊田市旭高原の元気村tくらいでしょうか。
特に元気村は星こそ見えませんでしたが、母校の高校の天文部の若い生徒たちと触れ合えたのがとても刺激になりました。次の日の気ままに星空観望仲間の方達の集まりに参加させていただいたのも、とても楽しかったです。
定例の飛騨コスモスの観望会も4月22日、5月21日、6月17日と参加していますが、天気が悪かったり、コロナにかかって体調が悪かったりで3回(1回はドームの修理だけなので実質2回)しか参加できていません。修理も完了していないので、春になったら早々に直したいと思っています。
星まつりですが、福島、胎内、星もと、小海と、例年行くものは2023年も全て行っています。特にコロナが終息して胎内に久しぶりに行けたのが良かったです。やはり国内最大の星まつりなので、現地開催が一番です。
この中でいまだに進化し続けているのが小海の「星と自然のフェスタ」でしょうか。2023年はメイン会場がホテル前の広場から、少し下がったところの大きな室内会場になりました。雨が降っても、夜に寒くなっても、室内なので快適に過ごすことができます。夜の観望も室内会場を出たすぐ目の前に展開できたので、簡単に行き来できてとても便利です。眼視会場が離れたところになってしまったとか、初めての試みでまだこなれないところが残っていたかもしれませんが、実際年々快適になっていくので、来年以降はさらに快適になっていくでしょう。期待したいと思います。
残念なのは、3大星まつりの一角を担っていた原村の星まつりが、以前とは全く違った形になってしまったことでしょうか。コロナが収束しても実質以前の星まつりの雰囲気ではなくなってしまったようで、私は参加を見送りました。以前の形に戻ってくれるのか、それとも今後ももうこのままの形なのか、2024年の方向性に注目したいと思います。
1. 撮影画像のノイズ解析
2022年は解析とかあまりできなかったと反省に書きましたが、2023年の特筆すべきはノイズ解析が大きく進んでいることでしょうか。3月に(その1)を書き始めて、その後不定期に書き足しています。現在その4まで来ていますが、まだまだ終わりは見えず、今もその5以降を書き溜めていて、ライフワークになりそうな勢いです。でもこの面白さはなかなか伝わらないかもしれないので、全体を見渡して少し解説しておきます。
まず面白いのは、(その1)でスカイノイズを数値的に示したことでしょうか?読み出しノイズとかダークノイズは計算できるのですが、スカイノイズがどれくらいかということを明確に示した解説記事はほとんどないようです。画像からスカイノイズがどれくらいあるのか見積もり、同時に読み出しノイズやダークノイズが計算と実測でどれくらい合うのかを示しているので、実際に撮った画像がどのようなノイズに支配されているかが、数値で具体的にわかります。ノイズだけでなく、その後、(その3)で信号も評価し、S/Nを実測で求めているところです。まだ今の所は1枚画像での評価がメインですが、次の記事でインテグレート(スタック)された場合にどうなるかを示そうと思っています。その後はどう展開しようか?まだ迷っていて、多分ですが色々なパラメータをいじってみてグラフ化して、どのようなパラメータの時に最適化ができるかなどを示せたらと思っています。例えば、天体撮影と電視観望では最適なパラメータが違うはずで、それぞれにおいてどのような値を選んだら良くなるかなどです。アイデアはいろいろあるのですが、どうやってわかりやすく記事にまとめるか...、時間をかけながらじっくり進めていければと思っています。
2. ビニング
同時に、派生的に出てきた感のあるビニングについてです。ノイズのことをよく考えていると、これまでビニングではっきりしてこなかったことが、かなりわかってきました。ビニングについては調べてもほとんどきちんとした定量的な話が見つからないんですよね。でもそれもそのはずで、そもそもスカイノイズとかきちんと評価しないと何も言えないからなのかと、今は思っています。なのでこれまではすごい定性的な話で止まっていたり、神話的に根拠の説明なしに話が伝わってきたのではないかと思います。
3. LRGB合成
LRGB合成についても少し議論しました。
だいこもんさんやNiwaさんたちとTwitter上で議論したり、ちょうど蒼月城さんが同時期にLRGB合成についての動画をアップしていて、とても参考になりました。LRGB合成はノンリニアでやるのが大原則というのはわかりましたが、まだ本質的なところでなぜノンリニアでやる必要があるのかは完全に理解できていません。リニアなうちでも問題があまり出てこない範囲でなら、絶対ダメというわけではないのかと思ってしまっています。私自身がもう少しきちんと理解する必要がありそうですが、課題として残しておきます。
上の電視観望のところとちょっと重なるかしれませんが、SharpCapの解説記事なども書いています。
NINAのオートフォーカスについても書きまし。
短い記事でも意外に評判がいいので、こういったものを増やしていけたらと思います。
2023年に手に入れた書籍関連です。そのほかに天文ガイド、星ナビを定期購読しているので、それぞれ12冊づつあります。
これまで書籍はブログでは一部を除いてほとんど紹介してこなかったですが、特に星を始めてから数年間は結構な量を購入しています。2023年は流石に落ち着いてきて上記くらいになってきました。君は放課後インソムニアが完了したのが大きいですね。舞台の石川は富山からも近いので、地震の被害が落ち着いたらまた一度、ゆっくり聖地巡礼がてら能登半島に行ってみたいと思います。
あと、貴重なInterractiveを全冊お借りしたので、近いうちにまとめ記事を書きたいと思っています。
2023年の一年間の投稿記事を数えたら74本でした。2022年が104本、2021年が114本となっているので、かなり減っています。月5−6本程度なので、週に1本か気が向くと2本とか書く程度になってしまっています。理由は、撮影時間が10時間オーダーに伸びてきて仕上がる枚数が減っていることと、画像処理に時間がかかっていること、あとは無駄に一本当たりの記事が長いことなどでしょうか。
これまで何度も記事を短くしようと試みてますが、ことごとく失敗しています。短い記事の方が読まれやすくてPVも伸びたりしているのですが、長い記事は多分私の習性です。この記事もそうですが、最近は諦めていて、思いの丈を書こうと思うようになりました(笑)。
星を始めたのが2016年のゴールデンウィークくらいなので、もう7年半も経ってしまいました。流石にペーペーの初心者とは言えなくなってきました。星を始めた頃は1年がすごく長く感じましたが、最近は1年があっというまに過ぎてしまう感じです。1年で進めることができる量も徐々に少なくなってきている気がします。2023年はノイズ解析が進んだので、それでも少しマシでしょうか。
最近すごいと思うのは、私よりもはるかに短い期間で、素晴らしい天体写真を仕上げてくる人がいることです。かなり研究されているのかと思います。だんだん若い人(年齢というよりは、この世界に新しく入ってきた人と言った方がいいかもしれません)に追い抜かれていくので、ちょっと悔しいところもあるのですが、その一方で自分ではとてもできないような若い人のアイデアや成果とかに期待してしまいます。
BXTもそうでしたが、ソフトの進化はまだまだ革新的なものが出てきそうです。PixInsightのMARS計画も楽しみです。CMOSカメラもまだまだ進化しそうですね。でも進化とともに値段が上がるのではなく、フラッグシップモデルの価格が一定になって、その分こなれた機能のカメラが安価になっていくと、もう少し敷居が下がる気もします。
Seestarで参入した新しい人たちのうち、幾らかの人はのめり込んでくれるかと思いますが、初心者もベテランもあわせて、天文人口そのものが増えてくれると盛り上がっていくのかと思います。この趣味が尻つぼみにならないように、若い人(こちらは本当に年齢という意味で)が増えてくれると、とてもありがたいと思いみます。大学生とか高校生の天文好きな人達を見ていると、結構期待できそうな気もします。
昨年のまとめはここにあります。昨年は2月に公開しているので、今年の方が早いくらいですね。
さて、今年もテーマ別に振り返っていきましょうか。まずは機材からです。
機材関連
ここでは2023年に使った機材で、特筆すべきものを3つ書いておきます。
1. ε130D
上のリンクにある昨年のまとめを見直してみると、2023年の機材の目標は
最初の頃はテスト撮影をしながら、問題点を挙げていきました。四隅の星像問題や、迷光の問題などです。四隅はバックフォーカスを合わせることでかなり改善しましたが、迷光はある程度許容して画像処理で誤魔化すことが必要そうだと分かりました。それでもある程度実用レベルで撮影できるようになってきたので、主力鏡筒として今後もどんどん活用していくことになりそうです。
2. SWAgTi
上のリンクにある昨年のまとめを見直してみると、2023年の機材の目標は
- 短焦点で広角で淡いところまで撮影する
と書いてあります。これは4月にε130Dを手に入れたので、目標達成と言えるでしょう。
最初の頃はテスト撮影をしながら、問題点を挙げていきました。四隅の星像問題や、迷光の問題などです。四隅はバックフォーカスを合わせることでかなり改善しましたが、迷光はある程度許容して画像処理で誤魔化すことが必要そうだと分かりました。それでもある程度実用レベルで撮影できるようになってきたので、主力鏡筒として今後もどんどん活用していくことになりそうです。
2. SWAgTi
SWATにAZ-GTiをくっつけた命名「SWAgTi(スワッティ、gは発音せず)」はとても楽しい試みでした。おそらくこれまでになかったアイデアで、高精度追尾のSWATと自動導入可能なAZ-GTiの互いにいいところを持ち寄って、高機能高精度追尾でお気軽撮影を実現できたのかと思います。惜しむらくは、長時間撮影では縞ノイズが出てしまい、ディザーで散らすことを試みたのですが、撮影中はAZ-GTiの自動追尾を切って高精度化を実現していて、その状態だとディザーができないことです。ソフトで解決できる問題のはずなので、いつか解決できたらと思っています。
SWAgTiの過程で、SharpCapを使えば一眼レフカメラでも極軸合わせとプレートソルブができることを示しました。SWATユーザーには一眼レフカメラを使っている方も多いと聞いたからです。
これは、CP+で話した一眼レフカメラで電視観望をやってみようという話にもつながっています。
3. トラバース
もう一つ、トラバースはミニマム電子観望をさらに押し進めました。カバンなどにすっぽり入るサイズで、PCと合わせても歩きの持ち運びで全然余裕です。
最初の頃はAZ-GTiに比べて少し不安定なところもありましたが、SynScan Proのアップデートと、SharpCap独自のプレートソルブで不安定なところはほぼなくなり、完全に実用レベルで観望会で使えるようになりました。最近は、持ち運びの便利さと見た目のコンパクトさでAZ-GTiにとってかわり、トラバースを使うことがほとんどです。
目標
さて、機材関連の2024年の目標ですが、今の天体撮影の主力機材は2つで
- SCA260(1300mm)+ASI294MM Pro(マイクロフォーサーズ)
- ε130D(430mm)+ASI6200MM Pro(フルサイズ)
簡単なのは、今ある手持ち鏡筒で口径の大きいF4のBKP200を使うかとかでしょうか。これに例えば今と同じASI294MMとか取り付けるか、いっそのこと使っていないカラー冷却のASI294MC Proでもいいかもしれません。コマコレクターは持っているのですが、ε130DやSCA260に比べるとそれでも多少星像は伸びるので、BXT2が前提になると思います。
もう一つのアイデアは、今は鏡筒とカメラを固定にして外さないようしていて、これは外した時のホコリの侵入を防ぐのが第一なのですが、この制限を取り除いてカメラと鏡筒を交互に入れ替えるかです。これだと
- SCA260(1300mm)+ASI294MM Pro(マイクロフォーサーズ) = 2380mm (フルサイズ換算)
- SCA260(1300mm)+ASI6200MM Pro(フルサイズ) = 1300mm (フルサイズ換算)
- ε130D(430mm) +ASI294MM Pro(マイクロフォーサーズ) = 806mm (フルサイズ換算)
- ε130D(430mm)+ASI6200MM Pro(フルサイズ) = 430mm (フルサイズ換算)
撮影
去年の目標のところに「Sh2-240:スパゲティ星雲やSh2-129:ダイオウイカ星雲などの広くて淡い難物を自宅でどこまで出るかを試してみたい」と書いています。ε130Dでスパゲティー星雲はなんとか撮影できました。
自宅からこれだけ出れば、まあまあではないでしょうか。ダイオウイカ星雲も撮影は完了していて、現在画像処理で苦労しています。ある程度目標は達成と言っていいでしょう。その一方、今回わかった反省点もあるので、これ以上はやはり暗いところに行って撮る方がいいのかもしれません。2022年に自宅で撮影したM81(未記事化)と2023年に開田高原で撮影したM81で比較して、少なくともLRGB撮影ではIFNなどの淡い部分は自宅では限界があることを身をもって理解しました。ナローバンドでも、本当の本当に自宅だと明るすぎるのかどうかは、一度きちんと検証してみたいと思っています。
淡いところを出す技術は上がってきましたが、自宅で出すには相当無理しているところもあり、画像処理に徐々に時間がかかるようになってきました。そのため結構気合を入れる必要があり、撮影は終わっていrても、画像処理が残っているものが結構あります。パッと思いつくだけでも
- 2022年に撮った星景が2つほど
- 2023年春に撮ったM104ソンブレロ銀河
- 燃える木の拡大撮影
- M45プレアデス星団、モザイク撮影
- ダイオウイカ星雲
- ドルフィン星雲
- カモメ星雲
太陽や月はほとんど手をつけていなくて、唯一PST本体を2台目にしたことくらいでしょうか。良像範囲が少し広がりました。粒状斑はまだ何かだめなのか、いまだに満足した画像を撮ることができていません。
画像処理
天体写真の方については、年末に別記事でまとめてあります。再処理も合わせて12枚だったので、数はあまり多くはありません。
画像処理で特筆すべきは、やはりBXTでしょうか。元々恒星処理がかなり苦手だったのですが、BXTでdeconvolution処理をほぼ自動で、しかも収差まで緩和するようなすごいレベルで補正してくれるようになったので、相当楽になりました。
StarNet2も地味に構成と背景の分離精度が徐々に上がっていて、BXTと合わせて、淡いところの炙り出し、分解能向上なども楽になっています。特に、BXTとdrizzleを合わせた処理で分解能をさらに引き出すことができたのも面白い結果でした。
BXTについてはつい最近バージョンアップし、相当ひどい収差なども補正すること、最微恒星を取りこぼさないようにするなど、精度が格段に上がっています。
バージョンアップ前のBXTを使っていますが、いくつか再処理をした結果が以下の4枚になります。どれも前後で見た目ですぐわかるレベルで改善があり、例えば三日月星雲とトールの兜星雲は、同じ元画像かと思うくらいの進化が見られます。
アップデートされたBXTはさらに強力そうなので、かなり昔に撮った技術的にまだまだな画像でも再処理してみたいと思います。
目標
ε130Dで撮影したアメペリ星雲や網状星雲、クワガタ星雲などがそうなのですが、最近は背景をかなり炙り出しています。
これらは全てAOO合成で、赤成分はほぼHα撮影からきています。淡いところまで出せるようになってきたのはいいのですが、背景まで赤っておかしい気がしてきています。多分これって、茶色い分子雲がHαの波長も持っていて、それが出ただけなのではと。例えば、網状星雲の右半分ってRGBで丁寧に撮った画像だと茶色の分子雲で暗くなっているのが見えたりします。また、智さんが撮影したRGBで撮影したスパゲッティ星雲だと淡いながらも茶色い分子雲がはっきり見えていますが、これも自分が撮影したAOOだと言われると気づくかもしれませんが、かなり赤に寄っていて見分けがあまりつきません。
これらを踏まえて2024年の目標ですが、RGBを駆使するのかLを駆使するのか、まだ全然アイデアは固まってませんが、なんとかして背景の分子雲を、色も含めて分子雲らしく出すこにしたいと思います。多分ナローじゃなくなるので自宅だと無理かもです。
電視観望
2023年にブログで単独で電視観望を主に扱っている記事はわずか3本。トラバース、天の川電視観望とリモートヘルプのみです。
さらに、「電視観望」で検索してみたり、自動で保存された画像が残っているフォルダも数を数えると、実際に電視観望で見た回数は星まつりとか観望会とか合わせて18回とのことでした。月平均1.5回と考えると、ずいぶん少なくなりました。
電視観望の回数が少なくなってきていることは昨年の反省でも同じことを書いていて、よく言えば技術的には成熟してきた、悪く言えばネタがなくなってきたことを示しています。とくに2023年後半から電視観望ではSeestarが話題の中心になっています。私は結局購入していないのですが、初心者には機能的にもコスパ的にもかなりいいと思います。天文人口の裾野が広がることは超ウェルカムで、私も電視観望を始めた頃からずっと願っていたことです。Seestarはこの点、ものすごく貢献しているのかと思います。
一体型のスマート電視観望機器と言っていいものは、eVscope、Vespera、Seestar、DWARFなどと、どんどんコンパクトになってきています。そう言った意味では、一体型に対してカスタム型電視観望としてトラバースにFMA135を載せて、三脚を小さくしたセットアップは、いまだにミニマムという点では健闘していて、性能的にもコンパクト性においても私的には最近はこれが一番稼働率が高いです。
もう一つ、電視観望が繋いだ縁として、「カフェぽうざ」の訪問があります。
もともと天リフさん主催の会議で私の電視観望の基調講演の動画にコメントを頂いのがきっかけだったのですが、実際に茨城県石岡市まで訪問しました。電視観望を主とした、おそらく日本で唯一のカフェで、その後この記事を見た星ナビさんが2023年9月号で大きく取り上げてくれて、私も少しだけ記事を書かせていただきました。
講演
2023年は電視観望については講演が多かった年でもあります。パッと数えただけでもCP+、天教、福島、志賀高原、小海と5回にもなります。しかも全てオンラインではなく、実際に面と向かってのリアルでの講演です。これだけ考えても、コロナが収束に向かった年だったことがよくわかります。
特に、CP+については3回目にして初の念願の現地参加です。2021年の初の全面オンラインCP+では講演時間をわざわざ夕方遅くからにして頂きZoomで電視観望の生中継をして、北陸の冬の悪天候にも負けずに見事バーナードループを観ることができました。2022年のCP+ではNEWTONYとCeres-CとAZ-GTiを組み合わせた、安価な初心者向けの電視観望を紹介しました。この系譜はシュミットの2024年の福袋セットにも引き継がれていて、AZ-GTiがトラバースに変わっていますが、電視観望セットとしては最安で販売されています(ただし2024年1月14日23時59分まで)。
2023年のCP+は現地開催記念でCP+本来のカメラユーザーを意識して、一眼レフカメラで電視観望ができることを紹介しました。2024年のCP+も何か話せたらいいと思っています。小海の「星と自然のフェスタ」での電視観望実演で画像処理の需要がかなり高そうということが実感できたので、今後講演をもしするとしたら、そんな方向の話ができたらといいな思っています。
天教の講演会は2022年の公開天文台協会の島根の全国大会に続いて、非常に貴重な機会でした。普段接するのはアマチュア天文家なのですが、天文教育に関わるプロの意見はやはり違った側面を持っていて、とても参考になりました。
星の村天文台での講演は土壇場で決まったものでした。準備時間がわずか10分くらいと、先の天教の講演があったので何とか持ち堪えることができました。
志賀高原のセミナーは実演も合わせてのセミナーになります。この時遠くから参加してくれて手伝ってくれた大鹿村のKさんとは、その後の大鹿村の観望会、元気村での集まりへとつながっています。
小海の「星と自然のフェスタ」は比較的新しい星まつりで、過去に何度か講演させていただいています。元々の主催者のSさんが始めたもので、今では規模としては3大星まつりの一つと言っていいでしょう。せっかく定着しつつある星まつりです。運営も大変だと聞いていますが、講演会が特徴のこの星まつり、是非とも続いて欲しいと思ってやみません。
基本的には上に書いた2023年の講演は全て電視観望についてでした。画像処理についての話もしてみたいですし、でも本当はこの記事の下の方でも出てくるノイズ解析みたいな話を思う存分したいのですが、流石にマニアックすぎて聞いてくれる人はほとんどいないと思うので躊躇しています。でもいつか...どこかで...もしチャンスがあれば...。
観望会、遠征など
私の天文活動は、相変わらず平日を含めた自宅がメインなので、外にはそれほど多く出ていません。昨年の反省でもすでに書いてありますが、2023年中の遠征撮影は1月の開田高原のみです。
観望会もそう多くはなく、8月に富山環水公園で天の川電視観望を見せた他、長野県下伊那郡大鹿村でも(天気が良くなかったので)広域の天の川電視観望がメイン、あとは全く星が見えなくて観望会にはならなかった2泊3日の 愛知県豊田市旭高原の元気村tくらいでしょうか。
特に元気村は星こそ見えませんでしたが、母校の高校の天文部の若い生徒たちと触れ合えたのがとても刺激になりました。次の日の気ままに星空観望仲間の方達の集まりに参加させていただいたのも、とても楽しかったです。
定例の飛騨コスモスの観望会も4月22日、5月21日、6月17日と参加していますが、天気が悪かったり、コロナにかかって体調が悪かったりで3回(1回はドームの修理だけなので実質2回)しか参加できていません。修理も完了していないので、春になったら早々に直したいと思っています。
星まつり
星まつりですが、福島、胎内、星もと、小海と、例年行くものは2023年も全て行っています。特にコロナが終息して胎内に久しぶりに行けたのが良かったです。やはり国内最大の星まつりなので、現地開催が一番です。
この中でいまだに進化し続けているのが小海の「星と自然のフェスタ」でしょうか。2023年はメイン会場がホテル前の広場から、少し下がったところの大きな室内会場になりました。雨が降っても、夜に寒くなっても、室内なので快適に過ごすことができます。夜の観望も室内会場を出たすぐ目の前に展開できたので、簡単に行き来できてとても便利です。眼視会場が離れたところになってしまったとか、初めての試みでまだこなれないところが残っていたかもしれませんが、実際年々快適になっていくので、来年以降はさらに快適になっていくでしょう。期待したいと思います。
残念なのは、3大星まつりの一角を担っていた原村の星まつりが、以前とは全く違った形になってしまったことでしょうか。コロナが収束しても実質以前の星まつりの雰囲気ではなくなってしまったようで、私は参加を見送りました。以前の形に戻ってくれるのか、それとも今後ももうこのままの形なのか、2024年の方向性に注目したいと思います。
解析など
1. 撮影画像のノイズ解析
2022年は解析とかあまりできなかったと反省に書きましたが、2023年の特筆すべきはノイズ解析が大きく進んでいることでしょうか。3月に(その1)を書き始めて、その後不定期に書き足しています。現在その4まで来ていますが、まだまだ終わりは見えず、今もその5以降を書き溜めていて、ライフワークになりそうな勢いです。でもこの面白さはなかなか伝わらないかもしれないので、全体を見渡して少し解説しておきます。
まず面白いのは、(その1)でスカイノイズを数値的に示したことでしょうか?読み出しノイズとかダークノイズは計算できるのですが、スカイノイズがどれくらいかということを明確に示した解説記事はほとんどないようです。画像からスカイノイズがどれくらいあるのか見積もり、同時に読み出しノイズやダークノイズが計算と実測でどれくらい合うのかを示しているので、実際に撮った画像がどのようなノイズに支配されているかが、数値で具体的にわかります。ノイズだけでなく、その後、(その3)で信号も評価し、S/Nを実測で求めているところです。まだ今の所は1枚画像での評価がメインですが、次の記事でインテグレート(スタック)された場合にどうなるかを示そうと思っています。その後はどう展開しようか?まだ迷っていて、多分ですが色々なパラメータをいじってみてグラフ化して、どのようなパラメータの時に最適化ができるかなどを示せたらと思っています。例えば、天体撮影と電視観望では最適なパラメータが違うはずで、それぞれにおいてどのような値を選んだら良くなるかなどです。アイデアはいろいろあるのですが、どうやってわかりやすく記事にまとめるか...、時間をかけながらじっくり進めていければと思っています。
2. ビニング
同時に、派生的に出てきた感のあるビニングについてです。ノイズのことをよく考えていると、これまでビニングではっきりしてこなかったことが、かなりわかってきました。ビニングについては調べてもほとんどきちんとした定量的な話が見つからないんですよね。でもそれもそのはずで、そもそもスカイノイズとかきちんと評価しないと何も言えないからなのかと、今は思っています。なのでこれまではすごい定性的な話で止まっていたり、神話的に根拠の説明なしに話が伝わってきたのではないかと思います。
3. LRGB合成
LRGB合成についても少し議論しました。
だいこもんさんやNiwaさんたちとTwitter上で議論したり、ちょうど蒼月城さんが同時期にLRGB合成についての動画をアップしていて、とても参考になりました。LRGB合成はノンリニアでやるのが大原則というのはわかりましたが、まだ本質的なところでなぜノンリニアでやる必要があるのかは完全に理解できていません。リニアなうちでも問題があまり出てこない範囲でなら、絶対ダメというわけではないのかと思ってしまっています。私自身がもう少しきちんと理解する必要がありそうですが、課題として残しておきます。
解説記事など
上の電視観望のところとちょっと重なるかしれませんが、SharpCapの解説記事なども書いています。
NINAのオートフォーカスについても書きまし。
短い記事でも意外に評判がいいので、こういったものを増やしていけたらと思います。
書籍
2023年に手に入れた書籍関連です。そのほかに天文ガイド、星ナビを定期購読しているので、それぞれ12冊づつあります。
これまで書籍はブログでは一部を除いてほとんど紹介してこなかったですが、特に星を始めてから数年間は結構な量を購入しています。2023年は流石に落ち着いてきて上記くらいになってきました。君は放課後インソムニアが完了したのが大きいですね。舞台の石川は富山からも近いので、地震の被害が落ち着いたらまた一度、ゆっくり聖地巡礼がてら能登半島に行ってみたいと思います。
あと、貴重なInterractiveを全冊お借りしたので、近いうちにまとめ記事を書きたいと思っています。
ブログ
2023年の一年間の投稿記事を数えたら74本でした。2022年が104本、2021年が114本となっているので、かなり減っています。月5−6本程度なので、週に1本か気が向くと2本とか書く程度になってしまっています。理由は、撮影時間が10時間オーダーに伸びてきて仕上がる枚数が減っていることと、画像処理に時間がかかっていること、あとは無駄に一本当たりの記事が長いことなどでしょうか。
これまで何度も記事を短くしようと試みてますが、ことごとく失敗しています。短い記事の方が読まれやすくてPVも伸びたりしているのですが、長い記事は多分私の習性です。この記事もそうですが、最近は諦めていて、思いの丈を書こうと思うようになりました(笑)。
まとめ
星を始めたのが2016年のゴールデンウィークくらいなので、もう7年半も経ってしまいました。流石にペーペーの初心者とは言えなくなってきました。星を始めた頃は1年がすごく長く感じましたが、最近は1年があっというまに過ぎてしまう感じです。1年で進めることができる量も徐々に少なくなってきている気がします。2023年はノイズ解析が進んだので、それでも少しマシでしょうか。
最近すごいと思うのは、私よりもはるかに短い期間で、素晴らしい天体写真を仕上げてくる人がいることです。かなり研究されているのかと思います。だんだん若い人(年齢というよりは、この世界に新しく入ってきた人と言った方がいいかもしれません)に追い抜かれていくので、ちょっと悔しいところもあるのですが、その一方で自分ではとてもできないような若い人のアイデアや成果とかに期待してしまいます。
BXTもそうでしたが、ソフトの進化はまだまだ革新的なものが出てきそうです。PixInsightのMARS計画も楽しみです。CMOSカメラもまだまだ進化しそうですね。でも進化とともに値段が上がるのではなく、フラッグシップモデルの価格が一定になって、その分こなれた機能のカメラが安価になっていくと、もう少し敷居が下がる気もします。
Seestarで参入した新しい人たちのうち、幾らかの人はのめり込んでくれるかと思いますが、初心者もベテランもあわせて、天文人口そのものが増えてくれると盛り上がっていくのかと思います。この趣味が尻つぼみにならないように、若い人(こちらは本当に年齢という意味で)が増えてくれると、とてもありがたいと思いみます。大学生とか高校生の天文好きな人達を見ていると、結構期待できそうな気もします。