これまで4回にわたりVIRTUOSOの準備、眼視、電視観望、リモート中継と実際の使用についての記事を書いてきました。
少し間が空きましたが第5回目として、VIRTUOSOを触っていて、気づいたこと、細かいテクニックなどを書いておきます。
まずVIRTUOSOのいいところです。まずは値段。この値段で自動導入システムが実現でき、さらに鏡筒までついてくるというのは、一昔前なら全く考えられなかったと思います。この次に安価なものとして、同じSkyWather社のAZ-GTiもしくは鏡筒とセットで少し機能が削られているAZ-GTeシリーズがあります。それでも一番安価な114mmのニュートン反射型と比べて、VIRTUOSOの最安モデルの130mmニュートン反射モデルの方が実売で5000円程度安いです。この価格帯で5000円の違いはかなりのインパクトがあり、しかも口径はVIRTUOSOの方が大きいので、さらに有利でしょう。
実際に使ってみていいと思ったのが、自動導入経緯台とベースさらには鏡筒がセットになっているので、そのままポン出しですぐに使えるところです。AZ-GTiのように三脚のことを考える必要もないですし、鏡筒のことに頭を煩わせる必要もありません。
これは購入時にも言えることで、AZ-GTiでは何らかの鏡筒を選ばなくてはならなくて、初心者にとっては間違いなく敷居が高くなるでしょう。AZ-GTeシリーズはそのことを解決しようと考えたのではないかと思っています。私は個人的にはAZ-GTeシリーズはもっとはやっていいのかと思っていましたが、やはりラインナッップが少し多彩すぎる気がしています。VISTUOSOは経緯台のみのモデル以外は、鏡筒付きのモデルは3つしかありません。これなら初心者が迷うことは相当少なくなるのかと思います。
逆に、VIRUTUOSOは物としてはそこそこ大きいので、実際の設置の時は子供だと少し苦労するかもしれません。重くはないのですが、持ち運びに可動部に負荷をかけないようにネジを緩めておくとか、多少のコツが必要です。また、都心のマンションとかだと保管場所のスペースを考える必要があるかと思います。
あと、導入の精度についてです。まず、付属のアイピースで惑星などを導入する場合は、スコープファインダーを使うことでほぼ問題なく導入できます。ですが電視観望で例えば今回使った1/1.8インチのNeptune-C IIを使う場合、なかなか対象が視野内に入ってこないことがよくあります。根本的には今回使った付属の鏡筒P130の焦点距離の600mmが長すぎることです。
私が普段同じSkyWatcher社のAZ-GTiを使い電視観望する時には、焦点距離400mm程度の鏡筒と、ASI294MCという4/3インチのセンサー面積を持つカメラを使っています。これと比べても、鏡筒で一辺で1.5倍、カメラで一辺2.4倍なので、両方で一辺3.6倍の違いになります。面積にすると13倍程度の面積を見ている訳です。これだと自動導入もかなり快適で、AZ-GTiで容易にターゲットが視野に入ってきます。
ではやはりVIRTUOSOの導入精度はないのでしょうか?そもそも、付属の鏡筒やアイピースを考えると、最大倍率でも10mm、60倍くらいの精度で見ることを想定しているために、今回電視観望で使ったカメラで使うような精度を保証しているものではないと思っておいた方がいいのかもしれません。また、内部ギヤが全てプラスチックで構成されているため、バックラッシュやギヤの撓みの影響もあるはずで、ここら辺がコストも含めた初心者用機器という位置付けになっているのかもしれません。
蛇足ですが、導入時のモーター音が小さいのは特筆すべきで、これはむしろプラスチックギアのおかげかと思います。マンションなどのベランダ運用では夜に使うことも考えると、この静音性は考慮すべき特徴かもしれません。
いずれにせよ、長焦点の鏡筒と入門用の小さな面積のカメラを使っている限り、やはり導入が大変ということが言えるかと思います。これを解決するために、ここで幾つかの方法を提案します。
1. アイピースを使って導入
先に説明した通り、入門用のCMOSカメラはかなり面積が小さいので、一発では中々視野に入ってきません。一連の記事の2回目の眼視編を見ればわかりますが、付属の低倍率のアイピースなら、ファインダーを使いながらだと、明るい恒星は比較的導入しやすいです。まずはアイピースで導入し、必ず「視野の真ん中」に持ってきてから、その後カメラに取り替えると簡単に導入できます。ローテクだけど確実な方法です。
2. 恒星から星雲などへ
実際に星雲などを見ようとすると思い知らされるのですが、淡い天体は最初からはなかなか見えません。眼視でも、電視観望でも、慣れないと例え視野に入っていても気づかない可能性があるくらいです。そのため一つのやり方として、狙った天体の近くの明るい星をまず入れてから、見たい目的の天体を自動導入するというのが一つのコツです。例えばM57ならベガ、M27ならアルタイル、北アメリカ星雲ならデネブとかです。
1で説明したように、まずは見たい天体の近くの明るい恒星をカメラに入れます。導入後「さらに」を押して「ポイント&トラック」を押して、その恒星を基準にします。そこで近くの淡い天体を入れるとそこそこ上手くいきます。これもローテクの一つですがかなり有用で、私もよく使います。
3. レデューサを使用する
これはVIRTUOSOを使う前から考えていたことで、汎用の安価な0.5倍のレデューサを使用する方法です。検索すると数千円でいくつか見つかります。私も2つ持っていますが、試したところ多少は効果があるが、結構面倒なことが分かりました。
まず、レデューサをカメラのセンサー面にかなり近づけないといけません。カメラ付属のアイピースアダプターだと長すぎます。昔は短いアダプターも売っていたのですが、今は入手が困難です。なので、ZWOが出しているT2から31.7mmの変換の薄型のリングを使いました。
これにレデューサをつけます。
ただしまだ問題があり、レデューサだけだと短すぎてアイピース口に固定できないので、適当に他のフィルターやフィルターリングのみを取り付けて長さを延長するひつようがあります。私は手持ちのUV/IRカットフィルターを使いました。一つだと長さがまだ不十分で、もう一つ何か見つける必要があるかもしれません。2つくらいつけて、やっとアイピース口に固定することができるようになります。
さらに、レデューサの倍率は取り付ける位置に依存します。センサー面から離せば0.5倍以下になることもありますが、今回はセンサー面に近づけるために0.7倍ほどにしかならないです。これはVIRTUOSO付属の鏡筒のフォーカサーの調整範囲がそこまで広くないので、カメラを鏡筒内に入れ込む範囲に限界がることに起因します。要するに、0.7倍程度になる範囲でしかピントが出ないのです。
というわけで、苦労する割に倍率は0.7倍ほどで、見える広さは面積にして2倍ほどに増えるだけと、あまりメリットがないことも分かりました。なので、この方法はあまりお勧めではないです。
4. プレートソルブ
もう一つの手が、導入の補助としてSharpCapにプレードソルブの機能を加えることです。プレートソルバーはASTAPやAll Sky Plate Solverなどが使えます。これは上手くいくとものすごく強力ですが、気分屋さんだったりするので、必ずしも当てにできなかったりします。
使用方法は簡易的ですが、
に説明してあります。
実際にVIRUTUOSOでも試してみたところ、キチンと動くときはものすごく役に立つのですが、条件が多少厳しくて、ASTAPだけが動く時、All Sky Plate Solverだけが動く時、両方とも上手くいくとき、全くダメな時といろいろあります。SharpCapのカメラのゲイン、露光時間に依存するので、初心者が初めからこれを当てにするのは少し敷居が高いかもしれません。
5. ASI294MC
だんだん手がなくなってきます。次の手が、ASI294MCなどの広い面積のセンサーを持つカメラにすることです。こちらは10万円程度の投資をする必要があり、初心者にはなかなか敷居が高くなります。初心者用の機器はずなのに本末転倒になってきます。
これを購入する理由は将来を見越してでしょうか。今のとこと電視観望に鍵って言えばASI294MCはベストに近い選択です。電視観望がおもしろかったので、将来もっと違ったセットアップでも試してみたいという場合は、十分に購入する価値があります。
6. 短焦点鏡筒
最後に考えた手段が、もっと焦点距離の短い鏡筒に載せ替えることです。
まずは試しに、サイトロンから発売されているNEWTONY(ニュートニー)を使ってみましょう。これは焦点距離が200mm程度で実売6000円程度と、初心者にとってもある程度許容範囲の値段になります。安価でも性能は悪くなく、電視観望程度なら十分かと思われます。視野は今回のVIRTUOSO P130の650mmから、NEWTONYの200mmになるので、一辺で650÷200=3.25倍なので、面積では3.25x3.25 = 10.56と、約10倍の範囲を見ることができます。
ところがです、このNEWTONY君、やってみるとわかるのですがCMOSカメラを使うとピントが出ないのです。後少しカメラが中に入っていけばなんとかなると思うのですが、素の状態では無理でした。解決する方法はあります。一つはアイピース口の中に入っていくようなカメラを手に入れること。最近同じPlayer OneからCeres-Cというカメラが発売されました。
まだ試せてませんが、これなら上手くいくかと思います。
もう一つの解決策が、NYEWTONYを分解して、お尻の主鏡をもう少し手前に出してしまうことです。シベットさんという方がこの方法を試しています。
ですが大改造が必要で、初心者にはなかなかお勧めできません。
他に200mm程度の焦点距離の鏡筒を探せばいいのですが、短焦点の望遠鏡はなかなか選択肢がなくて、あったとしても値段がかなり上がってしまいます。あえていうなら、EVOguide 50ED IIでしょうか。正確にはガイド鏡ですが、電視観望程度なら十分に使えます。
これは200mm台の鏡筒の中安価な方なのですが、それでもこれだけでVIRTUOSOをそこまで変わらない値段になってしまいます。VIRTUOSOがいかに廉価かということです。
あとは、むしろカメラレンズの類になってきてしまいます。カメラレンズでの電視観望の使い方はこちらに書いてあります。
中古を考えると安くていいのですが、トラブル時になんの保証もないし、初心者で中古品に手を出すというのは気が引けるかたもいるかと思いますので、こちらもあまりお勧めの方法とは言い難いです。
と、今回は主に導入を補助する方法を書いてみました。でもたくさん方法を挙げたということは、逆に決定打もないということなので、なかなか難しいです。
連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう
少し間が空きましたが第5回目として、VIRTUOSOを触っていて、気づいたこと、細かいテクニックなどを書いておきます。
いいところ、悪いところ
まずVIRTUOSOのいいところです。まずは値段。この値段で自動導入システムが実現でき、さらに鏡筒までついてくるというのは、一昔前なら全く考えられなかったと思います。この次に安価なものとして、同じSkyWather社のAZ-GTiもしくは鏡筒とセットで少し機能が削られているAZ-GTeシリーズがあります。それでも一番安価な114mmのニュートン反射型と比べて、VIRTUOSOの最安モデルの130mmニュートン反射モデルの方が実売で5000円程度安いです。この価格帯で5000円の違いはかなりのインパクトがあり、しかも口径はVIRTUOSOの方が大きいので、さらに有利でしょう。
実際に使ってみていいと思ったのが、自動導入経緯台とベースさらには鏡筒がセットになっているので、そのままポン出しですぐに使えるところです。AZ-GTiのように三脚のことを考える必要もないですし、鏡筒のことに頭を煩わせる必要もありません。
これは購入時にも言えることで、AZ-GTiでは何らかの鏡筒を選ばなくてはならなくて、初心者にとっては間違いなく敷居が高くなるでしょう。AZ-GTeシリーズはそのことを解決しようと考えたのではないかと思っています。私は個人的にはAZ-GTeシリーズはもっとはやっていいのかと思っていましたが、やはりラインナッップが少し多彩すぎる気がしています。VISTUOSOは経緯台のみのモデル以外は、鏡筒付きのモデルは3つしかありません。これなら初心者が迷うことは相当少なくなるのかと思います。
逆に、VIRUTUOSOは物としてはそこそこ大きいので、実際の設置の時は子供だと少し苦労するかもしれません。重くはないのですが、持ち運びに可動部に負荷をかけないようにネジを緩めておくとか、多少のコツが必要です。また、都心のマンションとかだと保管場所のスペースを考える必要があるかと思います。
導入精度
あと、導入の精度についてです。まず、付属のアイピースで惑星などを導入する場合は、スコープファインダーを使うことでほぼ問題なく導入できます。ですが電視観望で例えば今回使った1/1.8インチのNeptune-C IIを使う場合、なかなか対象が視野内に入ってこないことがよくあります。根本的には今回使った付属の鏡筒P130の焦点距離の600mmが長すぎることです。
私が普段同じSkyWatcher社のAZ-GTiを使い電視観望する時には、焦点距離400mm程度の鏡筒と、ASI294MCという4/3インチのセンサー面積を持つカメラを使っています。これと比べても、鏡筒で一辺で1.5倍、カメラで一辺2.4倍なので、両方で一辺3.6倍の違いになります。面積にすると13倍程度の面積を見ている訳です。これだと自動導入もかなり快適で、AZ-GTiで容易にターゲットが視野に入ってきます。
ではやはりVIRTUOSOの導入精度はないのでしょうか?そもそも、付属の鏡筒やアイピースを考えると、最大倍率でも10mm、60倍くらいの精度で見ることを想定しているために、今回電視観望で使ったカメラで使うような精度を保証しているものではないと思っておいた方がいいのかもしれません。また、内部ギヤが全てプラスチックで構成されているため、バックラッシュやギヤの撓みの影響もあるはずで、ここら辺がコストも含めた初心者用機器という位置付けになっているのかもしれません。
蛇足ですが、導入時のモーター音が小さいのは特筆すべきで、これはむしろプラスチックギアのおかげかと思います。マンションなどのベランダ運用では夜に使うことも考えると、この静音性は考慮すべき特徴かもしれません。
導入方法のアイデア
いずれにせよ、長焦点の鏡筒と入門用の小さな面積のカメラを使っている限り、やはり導入が大変ということが言えるかと思います。これを解決するために、ここで幾つかの方法を提案します。
- アイピースを使って導入する古典法
- 恒星->星雲と移動するステップ法
- レデューサ法
- プレートソルブ法
- 広面積センサー法
- 短焦点鏡筒法
実際に改善策を試してみる
1. アイピースを使って導入
先に説明した通り、入門用のCMOSカメラはかなり面積が小さいので、一発では中々視野に入ってきません。一連の記事の2回目の眼視編を見ればわかりますが、付属の低倍率のアイピースなら、ファインダーを使いながらだと、明るい恒星は比較的導入しやすいです。まずはアイピースで導入し、必ず「視野の真ん中」に持ってきてから、その後カメラに取り替えると簡単に導入できます。ローテクだけど確実な方法です。
2. 恒星から星雲などへ
実際に星雲などを見ようとすると思い知らされるのですが、淡い天体は最初からはなかなか見えません。眼視でも、電視観望でも、慣れないと例え視野に入っていても気づかない可能性があるくらいです。そのため一つのやり方として、狙った天体の近くの明るい星をまず入れてから、見たい目的の天体を自動導入するというのが一つのコツです。例えばM57ならベガ、M27ならアルタイル、北アメリカ星雲ならデネブとかです。
1で説明したように、まずは見たい天体の近くの明るい恒星をカメラに入れます。導入後「さらに」を押して「ポイント&トラック」を押して、その恒星を基準にします。そこで近くの淡い天体を入れるとそこそこ上手くいきます。これもローテクの一つですがかなり有用で、私もよく使います。
3. レデューサを使用する
これはVIRTUOSOを使う前から考えていたことで、汎用の安価な0.5倍のレデューサを使用する方法です。検索すると数千円でいくつか見つかります。私も2つ持っていますが、試したところ多少は効果があるが、結構面倒なことが分かりました。
まず、レデューサをカメラのセンサー面にかなり近づけないといけません。カメラ付属のアイピースアダプターだと長すぎます。昔は短いアダプターも売っていたのですが、今は入手が困難です。なので、ZWOが出しているT2から31.7mmの変換の薄型のリングを使いました。
これにレデューサをつけます。
ただしまだ問題があり、レデューサだけだと短すぎてアイピース口に固定できないので、適当に他のフィルターやフィルターリングのみを取り付けて長さを延長するひつようがあります。私は手持ちのUV/IRカットフィルターを使いました。一つだと長さがまだ不十分で、もう一つ何か見つける必要があるかもしれません。2つくらいつけて、やっとアイピース口に固定することができるようになります。
さらに、レデューサの倍率は取り付ける位置に依存します。センサー面から離せば0.5倍以下になることもありますが、今回はセンサー面に近づけるために0.7倍ほどにしかならないです。これはVIRTUOSO付属の鏡筒のフォーカサーの調整範囲がそこまで広くないので、カメラを鏡筒内に入れ込む範囲に限界がることに起因します。要するに、0.7倍程度になる範囲でしかピントが出ないのです。
というわけで、苦労する割に倍率は0.7倍ほどで、見える広さは面積にして2倍ほどに増えるだけと、あまりメリットがないことも分かりました。なので、この方法はあまりお勧めではないです。
4. プレートソルブ
もう一つの手が、導入の補助としてSharpCapにプレードソルブの機能を加えることです。プレートソルバーはASTAPやAll Sky Plate Solverなどが使えます。これは上手くいくとものすごく強力ですが、気分屋さんだったりするので、必ずしも当てにできなかったりします。
使用方法は簡易的ですが、
に説明してあります。
実際にVIRUTUOSOでも試してみたところ、キチンと動くときはものすごく役に立つのですが、条件が多少厳しくて、ASTAPだけが動く時、All Sky Plate Solverだけが動く時、両方とも上手くいくとき、全くダメな時といろいろあります。SharpCapのカメラのゲイン、露光時間に依存するので、初心者が初めからこれを当てにするのは少し敷居が高いかもしれません。
5. ASI294MC
だんだん手がなくなってきます。次の手が、ASI294MCなどの広い面積のセンサーを持つカメラにすることです。こちらは10万円程度の投資をする必要があり、初心者にはなかなか敷居が高くなります。初心者用の機器はずなのに本末転倒になってきます。
これを購入する理由は将来を見越してでしょうか。今のとこと電視観望に鍵って言えばASI294MCはベストに近い選択です。電視観望がおもしろかったので、将来もっと違ったセットアップでも試してみたいという場合は、十分に購入する価値があります。
6. 短焦点鏡筒
最後に考えた手段が、もっと焦点距離の短い鏡筒に載せ替えることです。
まずは試しに、サイトロンから発売されているNEWTONY(ニュートニー)を使ってみましょう。これは焦点距離が200mm程度で実売6000円程度と、初心者にとってもある程度許容範囲の値段になります。安価でも性能は悪くなく、電視観望程度なら十分かと思われます。視野は今回のVIRTUOSO P130の650mmから、NEWTONYの200mmになるので、一辺で650÷200=3.25倍なので、面積では3.25x3.25 = 10.56と、約10倍の範囲を見ることができます。
ところがです、このNEWTONY君、やってみるとわかるのですがCMOSカメラを使うとピントが出ないのです。後少しカメラが中に入っていけばなんとかなると思うのですが、素の状態では無理でした。解決する方法はあります。一つはアイピース口の中に入っていくようなカメラを手に入れること。最近同じPlayer OneからCeres-Cというカメラが発売されました。
まだ試せてませんが、これなら上手くいくかと思います。
もう一つの解決策が、NYEWTONYを分解して、お尻の主鏡をもう少し手前に出してしまうことです。シベットさんという方がこの方法を試しています。
ですが大改造が必要で、初心者にはなかなかお勧めできません。
他に200mm程度の焦点距離の鏡筒を探せばいいのですが、短焦点の望遠鏡はなかなか選択肢がなくて、あったとしても値段がかなり上がってしまいます。あえていうなら、EVOguide 50ED IIでしょうか。正確にはガイド鏡ですが、電視観望程度なら十分に使えます。
これは200mm台の鏡筒の中安価な方なのですが、それでもこれだけでVIRTUOSOをそこまで変わらない値段になってしまいます。VIRTUOSOがいかに廉価かということです。
あとは、むしろカメラレンズの類になってきてしまいます。カメラレンズでの電視観望の使い方はこちらに書いてあります。
中古を考えると安くていいのですが、トラブル時になんの保証もないし、初心者で中古品に手を出すというのは気が引けるかたもいるかと思いますので、こちらもあまりお勧めの方法とは言い難いです。
まとめ
と、今回は主に導入を補助する方法を書いてみました。でもたくさん方法を挙げたということは、逆に決定打もないということなので、なかなか難しいです。
連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう