ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:場所 > 富山

夏は観望会が目白押しです。先週土曜の高岡市のおとぎの森公園観望会に続いて、この週は7月31日の金曜に富山市の環水公園というところで観望会です。


歴史

環水公園の観望会も、もう毎年恒例の行事です。昨年の様子は少しだけこのページに書いています。



最初に参加した2023年の記事によると、コロナ前から行われていたとのことですが、コロナで一旦中止、コロナ以降に2023年に復活したとあります(でもこれが嘘だったと後からわかります)。私自身はコロナ以前のものには参加していなかったので、今回が4回目の参加になります。

検索してもコロナ以前のこのスターウォッチングに関する情報があまり出てこなかったので、ChatGPTにまとめてもらいました。今は便利ですね。文書をAIに作ってもらうのは味が無くなるのでまだ避けていますが、こういった資料的なものはかなり細かいことまで情報を集めることができます。

確実と思われる情報を挙げてもらいましたが、あくまでAIが検索できた結果なので間違いもあるかもしれません。資料としては県の年度報告が一番確実なもののようです。でも、調べた結果は意外なものでした。
  • 2012~2019年:8回(コロナ前は毎年開催)
  • 2020年:雨天中止のため開催回数に含めない
  • 2021~2026年:6回
と合計14回行われていることがわかります。面白いのは、コロナ禍が始まった2020年はコロナではなく雨天で中止になったと報告されていること、さらに2021年からコロナ禍でも規模を抑えて開催されていたことです。

今後の資料がてら少し詳しく残しておくと

開催状況確認できた内容
2011環水公園開催は未確認富山県の広報映像資料に「とやまスターウォッチング」が登場しており、県の事業自体は少なくともこの年には存在していました。ただし、会場が環水公園だったかは確認できません。(富山県)
2012開催されたとみられる8月24日に環水公園野外劇場前広場で開催する告知が残っています。テーマは「伝統的七夕の夜に織姫と彦星を探そう」でした。環水公園開催として確認できる最古の記録です。 (FMとやま)
2013開催されたと推定個別の公式記録は発見できませんでしたが、観望協力者による後年の記録では「コロナ前までは毎年開催」とされています。 (ほしぞloveログ)
2014開催告知あり8月22日の環水公園開催を伝える記録があります。 (i北陸)
2015~2018毎年開催と推定個別ページは確認できませんでしたが、コロナ前の毎年開催という関係者記録と整合します。 (ほしぞloveログ)
2019開催8月2日、環水公園野外劇場前広場。参加者は約200人でした。
2020雨天中止8月7日に予定されていましたが、公式事業報告に「雨天中止」と明記されています。新型コロナによる中止ではありません。
2021開催8月6日、約50人。コロナ禍でも再開されていました。
2022開催8月5日、約60人。
2023開催8月4日、約100人。
2024開催8月2日、参加者160人。
2025開催8月8日、約180人。夏の大三角の観察、星や日食に関する解説、4D地球儀を使った環境展示などが行われました。 (富山県公式ウェブサイト)

とのことです。でも2013年と2015〜2018年の根拠がこの「ほしぞloveログ」で、実際コロナ禍での情報が間違っていたので、あまり当てになりませんね。これでもChatGPTの結構いいエンジンを使ってこの結果なので、ここらへんが限界なのでしょう。というか、他に記録がなさすぎです。

もう少し突っ込んでおきます。2011年の根拠になっている広報映像の資料ですが、リンク先にはタイトルだけで映像はありませんでした。タイトルを見ても、2011年にそれらしい記述がないので、少なくとも自分で調べた限りでは確認が取れませんでした。

2012年以降は、ほしぞloveログの情報が根拠になっている以外の年では、リンク先の資料に「スターウォッチング開催」の記述が、かなりシンプルですがどの年も一応は確認できました。特に、2020年はすでにコロナ禍でしたが、県の報告書にはっきりと「雨天中止」と書かれています。

ただ、これが本当に雨天中止だったのか、コロナ禍で開催が心配されたので雨天中止とあえてしたかなどの判断まではできませんでした。確認で自分の過去メールを調べてみたら、確かに雨天中止と県天メンバーからメールが流れていたので、コロナではなく雨天中止で正しそうです。

2021年と2022年はコロナ禍真っ只中でしたが、それでも参加人数とともに報告されているので、実際に開催されたのかと思います。こちらも過去メールで確認しましたが、紙コップを使ってアイピースが皮膚に触れないようにするなど、いろいろ工夫をしながら開催していたようです。


自分は一体何をしていた?

で...、問題は、私は2016年には富山県天文学会に参加していたのですが、2016年から2022年までは観望会に参加せずに何をしていたんでしょうか?

全く記憶になかったのですが、自分のMacのカレンダーを見ると2017年から環水公園の観望会があると予定項目として残っていました。それらの日をよく見てみたら、理由がわかりました。2016年から2019年までは原村の星まつりと日が重なっていたので参加できなかったというわけです。

それでも2020年から2022年の記憶が全くないです。原村の星まつりは2020年以降は開催されていないので、星まつりへの参加が、環水公園不参加の理由にはならないと思います。忙しかったのか、もしかしたら2019年まで参加できていなかったので、それ以降も惰性で参加していなかったのかもしれません。


AIによる調べ物

以上のようにAIの力も借りながら調べてみました。少なくとも人間の曖昧な記憶よりは正しい結果を出してくれています。また、AIが出してくれた情報をもとに、さらに自分で確認することもできるので、かなり役に立つという印象です。それでも、2011年のように人間が確認を取ろうと思っても確認できない情報まで含まれていることもあるので、必ずしも確実ではないことも、気にしておいたほうがいいかと思います。

あと、自分のブログが情報の根拠となっているのはかなり気持ちが悪いです。どれくらいの根拠感で書いているのかは自分ではある程度わかっているので、それを情報源と思われると嫌なのと、他の情報も、この程度の根拠しかない可能性もあるのかと思い知らされます。


観望会

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観望会の歴史という、関係ない人から見たらくだらないことを長々と書いてしまいましたが、これは肝心の観望会が曇りでかなり厳しい状況だったからです。

平日なので仕事が終わってからの準備になります。会場に18時頃に到着すると、もう何台か望遠鏡が並んでいました。最終的には10台以上は出ていたはずです。

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この公園は富山駅から歩いてくることができるので、お客さんもたくさん来ます。100人以上は確実にきていたはずです。ただし、開始時から今日は天気が厳しいかもと皆さん言っていて、明るい金星も双眼鏡で探してもなかなかわからないような状況が続きます。

結局見えたのは、肉眼では、
  • 沈む直前の金星が、時間帯によってはかなり低い位置の雲の合間に見えた。
  • ベガとアークトゥルスはかなり注意して見ると、大抵の人には見えた。
  • デネブとアルタイルは時間帯によっては見える人もわずかにいたが、見えない人が多数。
  • 終了近くに地平線から月がやっと昇ってきて、雲越しに少しだけ見えた。

望遠鏡ではアルビレオくらいまで入れていたようです。後半になるにつれ、一部に雲間が見えたりもしましたが、終始なかなか厳しい状況のようでした。

私は35mmレンズ+ASI294MCの広域電視観望を使って、雲越しの星を見ます。
  • 一番星でベガを見つけて、肉眼でも見えないかお客さんと探し、
  • その後少し晴れた時に、こと座の全体像を見せ、
  • デネブとアルタイルを見せて、一応夏の大三角を完成させ、
  • そこそこ雲が薄くなってきた時に白鳥座全体を見て十字を確認し、
  • 月が出た時に、雲越しもぼやぼやした月を拡大で見た
というくらいです。

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こと座です。終始こんな感じでずっと雲が出ていました。

まあそれでも、雨が降ることはなく、かろうじてですが何か見るということはできたので、ヨシとしましょう。

21時頃には片付け始め、22時前には自宅に到着。次の日は朝早くから用事があったので、すぐに寝てしまいました。



2024年10月20日、おそらくこの日が紫金山アトラス彗星の、最後の最大のチャンスです。


好条件で天気も良さそう!

薄明終了が18時34分、月が昇ってくるのが18時52分なので、わずか17分ですがやっと暗い時間が訪れます。高度も月が出るくらいまで20度以上を保ち、かなりの好条件です。しかも富山の天気予報は快晴ということです。

その一方、彗星自身はだいぶ暗くなってしまっているようで、最新の光度データによると、この日は5等級以下くらいになっているようです。テイルも短くなっていると思われるので、今回はとりあえず核を狙うことにしました。核が回転している様子が撮影されているようで、上手く見えたらこれは面白そうです。他は、前回取れなかったタイムラプスでしょうか。あとは暗い空なので、イオンテイル狙いでしょうか?


結局同じ場所に

午前は天リフのピックアップの様子を聞ききながら、画像処理やブログ書きです。午後一で大型赤道儀を含む大量の機材を車に積み込んで、準備万端にしておきます。

ところが、天気予報では一日中快晴クラスのはずなのに、昼くらいからどんどん曇り始めて、15時を回ってもまだ全面かなり厚い雲で、その時はもう半分諦めモードだったのでした。16時になって再び外を見ると、一応日が差していて西の方も青空が出始めているので、とりあえず車を出すことにします。

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まだどこに行くか迷っていたのですが、出発が遅くなったのであまり時間がないこと、どうも南の空の雲が多いように見えたので、結局前回撮影した同じ場所で、近くの川沿いに陣取ることにしました。

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というのも、富山は北の海側に街があるので、北側が明るく南側が暗いのです。早くから晴れていたらもっと南の暗い空を狙う予定でした。結局は雲を見て、いつものそこそこ明るい場所で妥協したのですが、この判断は正しかったようです。

撮影している途中に以前会ったことがある人が来て、「南がダメだったのでここまで来た」と言っていました。「結局時間がなくて簡単なセットアップにした」とのことなので、欲張らずに時間に余裕をもつことが大事なのかと思いました。というのも、今回撮影機材を3セットも出したのですが、トラブル続きでかなり焦ってしまって、全然時間が足りなかったのです。


3つの機材

現場に着いたらすぐに機材を出しますが、今回は3セットと多いことと、一つはSCA260とCGX-Lという大型機材の部類なので、そこそこ時間がかかります。大雑把に機材を設置して、少し余裕が出た時に撮った写真がこちらです。

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ここから実際の撮影に入っていきます。


1セット目はタイムラプス

1セット目はタイムラプス目的で、シグマの50mmのレンズにEOS 6Dで17時くらいから20秒に1枚のペースで撮影を開始します。

できるだけ手間をかけたくなかったので、最初からISO1600で固定します。露光時間は1/4000秒、F11から始めて、暗くなるごとにまずはF値を小さくしてF2.8まで行きます。あとは露光時間を暗くなるごとに伸ばして、最後は2秒まで行きます。2秒で止めたのは、前回の撮影から105mmで3秒で流れ始めたからです。今回は50mmだったので、4秒くらいまでは大丈夫だったかもしれませんが、もうその頃には余裕がなくなってきていたので、2秒までいってあとは完全放置です。

あ、連続撮影はMagic Lanternを適用した6Dを使っています。レリーズいらずで、連続撮影の際の細かい設定もできます。例えば今回は、20秒ごとに1枚シャッターを切って、500枚でストップするなどです。20秒間隔なので、撮影の途中は少し余裕があり、露光時間とかを任意に変えるなどができます。とても重宝しているのですが、ファーム書き換え作業とかがあり、失敗するとダメージが大きく、万人向けではないのであまりお勧めではありません。

実際の露光時間の変更はかなり頻繁で、明るさを見ながらマニュアルでダイヤルを回していきます。他の準備に夢中で暗くなりすぎしまったりとかで、結構大変でした。


2セット目は彗星全景

とにかく、1セット目のタイムラプスをセットしてから、やっと次に取り掛かれます。もうそこそこ暗くなってきているので星が見え始め、極軸調整ができるはずです。2セット目はSWAgTiにRedCat51を載せて2台目のEOS 6Dで、彗星全景とイオンテイル狙いです。ところが、よく考えたら一眼レフカメラなのでCMOSカメラと違い、SharpCapに繋いでの極軸調整がちょっと面倒です。しかもこの6Dは最近手に入れたものなので、まだSharpCapに繋いでテストしていません。結局、電視観望用のFMA135+Uranus-Cがあったので、RedCatを一旦取り外して、こちらで極軸調整をしました。

SWAgTiの極軸微動の記事でも書いたように、極軸調整は必ず往復で2度試すのですが、どうも2度目の誤差が3−5分角くらい出てしまいます。どこか緩んでいると思われるのですが、パッと見つからないので、このままRedCatに戻して、初期アラインメントに進みました。西の低い空の星があまり明るいのがなかったので、少し天頂に近いですがベガにしました。ところが、これまた一眼レフカメラなのSynScan Proのプレートソルブが使えないのにここで気づきました。

ここら辺からかなり焦ってきます。

次にピント合わせをしていると、なんと鏡筒が動くことに気づきました。どうやら三脚と極軸微動アダプターの間のネジが緩んでいたようです。往復の極軸調整で大きくズレたはずです。

ネジは締め直しましたが、ここら辺からヤケになりました。

RedCatから6Dを外して、SCA260につけてあったASI294MC Proを外してRedCatの方に付け替えます。よく考えたら、Celestron赤道儀で彗星を自動導入する方法を考えてなかったので、1300mmの焦点距離ということもあり、うまく入れられる自信が全く無くて、もう核は諦めようと判断したのです。

でもこの判断は良かったようです。RedCatとASI294MCの極軸調整は一瞬でおわりました。緩んでいたネジはしっかり締め込んだので、今度は誤差も1分角程度で許容範囲です。初期アラインメント(ベガ)もSharpCapのプレートソルブが使えるので、すぐに導入できます。

次が痛かったのですが、なぜかPCで繋いでいるSynScan Proのアランメントで彗星を選んでも何も出てこないのです。かわりにiPhoneの SynSan Proに接続しようとするとなぜか接続エラー。もうここら辺で暗い時間帯に入ってきているので、泣く泣くマニュアル導入にしました。

まず金星をプレートソルブで視野に入れ、そこから矢印ボタンで右上に行き、とりあえずM5と思われるものが入り、さらに右上に行きます。なんとか入ってくれないかと思っていたら、明らかに明るい太い線が見えました。こんな明るく写るのはテイルしかないはずです。これを根元まで辿ることで核まで辿り着くことができました。でもASI294MCの範囲ではテイルの全景まで入りきらないようです。

ここでまた判断です。このアラインメント状態で、再び6Dに変更することにしました。鏡筒をずらさないようにカメラを入れ替え、今度はBackYardEOSで画面を確認し、ピントを合わせます。そこそこピントもあったので、とりあえず30秒で10枚撮影します。ここでやっと余裕が少し出ました。

まだ暗い時間帯は続いているので、もう10枚の撮影に入ります。でもその前に、今度は余裕を持ってきちんとピントを合わせて、核の位置ももう少しいいところに持ってきます。これ以降は10枚セットの撮影を時間の許すまで続けることで、こちらも放置できるようになりました。

とりあえず1枚撮りの全景画像の画像を載せておきます。これと同じような画像を50枚くらい撮影したので、スタックしてどこまで淡いところが出るのか楽しみです。

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3セット目のセットアップは核

やっと最後のSCA260のセットアップです。先ほどRedCatから外したASI294MC Proを、再びSCA260に取り付けます。

実はちょっと前にSCA260のアップグレードがあったのですが、つい最近帰ってきたばかりで、この日段ボール箱から出してそのまま持ってきました。まだいろんな準備がいろいろできていなくて、特にいつもつけてあるガイド鏡を取り付けるプレートをまだ付いていなかったのです。手持ちの適当なプレートを使って工夫してガイド鏡をつけるような時間的な余裕がなく、結局極軸を取るのをあきらめました。

CGX-Lの電源を入れ、極軸適当のままベガを導入します。ベガはSharpCapでプレートソルブして、なんとか画面内に導入できました。でもその後は、例えば彗星の近くのM5を自動導入しても全然入ってきません。

もうここからはSharpCapの画面を見ながら、マニュアルで矢印ボタンを押していくことにしました。RedCatでも入ったので、なんとかなるかもしれないと思ったのですが、焦点距離が250mmと1300mmでは全然違い、そう簡単に導入はできません。

ここでのヘルプは、隣のRedCatでした。少なくともRedCatは撮影中の彗星の方向を見ています。なので、その方向に近くなるようにSCA260も向きを合わせて、画面に入ってこないか見るのです。5分くらい探していたでしょうか、先ほどと同じように明るい領域が見えました。間違いなくテイルです。これでやっと核まで入れることができました。この時点で暗い時間帯は過ぎていましたが、核は明るいので多少の月明かりは大丈夫でしょう。

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1枚撮りです。こちらも50枚くらい撮影できていました。


忙しくて、大変で、焦ってた

核を何枚も撮影して、RedCatの画像を見ると、少し雲がかかっています。これ以上はRedCatは意味がないと考え、片付けを始めました。ちょうどRedCatセットが片付け終わる頃、核の方もかなり低空になってきているので、ここで片付け開始です。大型機材なので少し時間がかかりますが、片付け終わることにはタイムラプスも最初にセットした500枚に近付いていたので、500枚になるまで少しだけ待って、こちらも片付けです。

とにかく3セットは私にとって多過ぎで、ずっと焦っていた気がします。下手をしたらRedCatもSCA260も導入さえできなくて、メインの成果が全くなくなっていたかもしれません。かなり綱渡り的状態で、偶然に近かったかもしれませんが、画面で見たテイルの明るさには助けられました。全て終わってから、全景も核もタイムラプスも撮れたということで、やっとホッとしましたが、疲れ果てていました。

自宅に着いたら20時過ぎで、温かいシャワーを浴びて夕食を食べて、やっと落ち着くことができました。これから画像処理ですが、明日からまた平日で仕事なので、あまり無理をせずに一つづつじっくりと取り組もうと思っています。


大興奮だった紫金山アトラス彗星ですが、10月14日に見えて以来、次の日も同じ場所に行ったりしましたが、結局あれからずっと天気がダメで、見えたのは今のところ14日だけです。



先日のブログ記事では、見えたその日のうちに速報として記事を書きましたが、その後画像処理を進めてみました。と言っても大した枚数を撮っているわけではなく、しかも雲がまだ残っていたので、スタックしても雲が流れてしまい、どうしても見栄えが悪くしなってしまいます。なのでほとんどは1枚撮りを加工しています。機材は前回も書いた通り、EOS 6Dにシグマの105mmレンズをつけF2.0、固定三脚に載せて撮っています。


明るい中で見え始めた彗星

まずは、比較的早い時間のもので、18時4分です。まだ周りはかなり明るくて、彗星の核が見え初め、次に尾が見え始め、尾がやっと雲から出たところくらいです。

1枚撮りになります。 F2.8、ISO800、1秒露光で写しています。Photoshopで処理していますが、周りの明るさが残る時間帯なので、あまり加工せずにその場で見えた時の印象を残しました。といっても、そもそもが天体改造したカメラなので、赤外領域が明るく写っているはずで、ホワイトバランスを調整してそこそこ目で見える印象に合わせている画像です。そこから記憶に残っている印象に近づけていきます。

「10月14日、見え始めた紫金山アトラス彗星」
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太陽が沈んだあとの夕焼けの赤い空が残る中、上の方から徐々に暗くなっていきます。空の青さはまだ残っていて、まだ全景を現しきれない彗星が、徐々にはっきりと見えてくるような状況です。


地面と一緒に

次もまだ早い時間帯で、高度はある程度下がってきていますが、依然高い位置にあります。地面を入れてちょうどいいくらいになっています。時間は18時25分です。

F2.8、ISO1600、2秒露光です。これ以降は全て同じ設定で撮影しています。こちらもPhotoshopのみでの処理です。

「地平線と紫金山アトラス彗星」
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彗星はどんどん明るくなってきていて、背景には星も見え始めています。地面のすぐ上にはまだ少し赤い空が見えていました。


全景

そこそこ時間が経ち、雲に沈む寸前の全景です。

「紫金山アトラス彗星全景」
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この画像ををPixInsightのABEで平坦日して、ギリギリまで炙り出してテイルがどこまで伸びているかをみてみました。淡いところは雲にかかりつつあるので、どこまでが尾なのか、はっきりとはわかりませんが、核からテイルと思われるところまでそ測定すると、約13度になることが分かりました。20度を超えているという報告もあるようなので、まだこの後も伸びているのかと思います。

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アンチテイルとネックライン構造

今回の紫金山アトラス彗星の特徴の一つは、はっきりと出たネックライン構造でしょう。雲に沈むより少し手前の、十分に周りが暗くなった時に写した2秒露光の画像を、少しでもわかりやすくするために5枚スタックして画像処理で炙り出してみました。複数枚スタックのために雲が移動しているのが映り込んでしまうために、少し大胆にクロップしています。

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テイルの反対側に、テイルと同じくらいの太さの淡いアンチテイルと、そのアンチテイルの中にネックライン構造と呼ばれる鋭い線が見えます。初期の頃はこんな鋭い構造は何かのミスかと思った方もいるようですが、同じような画像が続々と出てきているので、少なくとも存在しているのは間違いないでしょう。

過去の彗星画像でネックライン構造と言われているものも、カラーでここまではっきりと直線状になっているのはめずらしく、しかも相当多く撮影されていると思われるので、やはり今回の紫金山アトラス彗星の特筆すべき特徴と言っていいのかと思います。


木村-劉 理論

ネックライン構造についてはかなり昔に、

"On the structure of cometary dust tails", Kimura Hiroshi, Chinese Astronomy Volume 1, Issue 2, December 1977, Pages 235-264

で提案されたようで、著者の1人は日本人です。当時の所属を見ると「Purple Mountain Observatory, Academia Sinica」となっているので、なんとも今回の紫金山アトラス彗星に相応しいではありませんか。あれ、Academia Sinicaって台湾ですよね?でも紫金山天文台は南京では?と思って調べてみたら、今の紫金山天文台は「Purple Mountain Observatory, Chinese Academy of Sciences」と書くそうです。「中国科学院紫金山天文台の前身は1928年に成立した国立中央研究院天文研究所である。1950年に現在の名称に改称された。」とあるので、昔はAcademia Sinicaと言っていたのかもしれません。

ネックライン構造とは、一旦放出されたダストが再び彗星軌道上に集まることによって見え、そのダストの集まる場所が太陽を挟んで180度程度のところなので、ちょうど視線の方向が軌道平面に近いと核の180度向こうのダストの集まりが線のように見える現象だと考えられます。でも、なぜダストが再び軌道に集まるのでしょうか?

「彗星夏の学校」という集まりで論文のレビューをしていて、2008年の収録誌の中にネックライン構造を理解するのに、比較的わかりやすく書いてあるレビューがありました。これによると、ネックライン構造を説明するのは、ダストテイルの輝度分布を求める過程で出てきて、
  1. 19 世紀~20 世紀初めの古くからのBessel-Bredichin 理論でシンクロン(等時放出線)とシンダイン(等斥力線)の2次元で扱う網状の輝度分布図を書くことができる。
  2. 1968年のFinson-Probstein理論でシンクロン・シンダイン網の各点で、球殻が拡散していくモデルを導入し、輝度分布を3次元的に扱えるようになった。
  3. 1977年の木村-劉 理論で、球殻の広がり方に制限を加えることで、軌道上に再びダストが集まるネックライン構造があると説明された。
  4. 木村-劉 理論はその後のMarco Fulle(1987、1989)によって逆算法という逆モンテカルロ法に相当する方法で解説できる。
と書いてあります。でも、どうしてダストが再び集まるかという理由についてはあらわには書いてありません。4の逆算法は、観測したダストの「輝度分布の画像」から、彗星のパラメータを求める手法で、おそらくですが 鋭い(当時は名前がなかった) ネックライン構造も含めたダスト分布の観測をどうやって説明するかの計算手法の確立の過程で、ダストが集まる現象も説明ができ、それをネックライン構造と呼ぶようになったのではないかと推測しました。

「ネックライン構造」という言葉は50年近く前に提案された言葉ですが、アマチュア天文の範疇ではほとんど認識されていなかったようです。木村-劉 論文ではネックライン構造の他に、「サンワードテイル(Sunward tail)」という言葉も使っていて、こちらは日本語で検索している限り全く使われていないようなので、さらにマイナーな言葉です。論文レベルではNeck-line strucutreもSunward tailも普通に使われているので、どちらも主に専門用語の範疇と考えられ、アマチュア天文家にあまり認識されていないのも仕方ないのかと思います。

さて、今回のネックライン構造ですが、どういった物理過程でダストが軌道上に集まってくるのか?元論文まであたる必要がありそうです。私も時間があったら少し読んでみようと思います。


まとめ

今回の紫金山アトラス彗星、かなり楽しめますねー。ここまで盛り上がるとは、私自身はあまり期待していませんでした。

すでに暗くなってきているようですが、それでも尾はどんどん長くなっているようですし、なんと言ってもネックライン構造!自分で撮った写真にも綺麗にはっきりと出ました。いやー、カッコいいです。紛れもなく記憶に残る大彗星です。

10月20日の日曜からは、月が昇る前に観測できそうなので、暗い場所に行く価値が出てきそうです。それまでに尾はどれだけ残っているのか?天気は大丈夫か?できるだけのことはしたいと思います。


2024年9月13日、ずっと天気予報が悪く中止になりそうだった富山駅前ゲリラ観望会。このゲリラ観望会、5月以来の今年2度目になります。 

午後は結構雨が降ったりしていたのですが、夕方に近づくにつれ少しづつ青空が見えてきます。メーリングリストでゲリラ観望会決行の知らせが入ります。富山のアマチュア天文家が富山駅前に集合です。

私が到着したのはちょっと遅めで、もう暗くなっていた19時過ぎ。すでに望遠鏡は10台くらいは出ていたでしょうか。駅の南口からの人の流れに沿ってズラーっと望遠鏡がならんでいるので、俄然注目を浴びます。何人かの方から「今日は何か特別な日なのですか?」と聞かれました。「富山の天文好きが集まってボランティアで望遠鏡を除いてもらっています。今日は月が綺麗ですよ。」などと答え、並んでいる望遠鏡を勧めます。月齢10.5日で月がそこそこ明るいので、クレーターもよく見えます。途中から土星も見える高度に上がってきます。今日のメインは月と土星でした。

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私はというと、駐車場から駅前まで少し距離があるので、いつもの手軽なFMA135電視観望セットです。富山だと一番お客さんが多い観望会になるので、ちょっと無理して24インチモニターとAC100Vが出せるバッテリーを運んだので、ちょっと大変でした。

私も最初は月からです。いつも初期アラインメントに使うベガもデネブも、アルタイルさえも、ちょうどこの時間だとかなり高い位置にあり、候補に上がってきません。明るくて大きな月を初期アラインメントに使うと楽です。最初に月を自動導入して方向がずれていても、画面を見ながら三脚を直接ずらしたり、トラバースの固定ねじをゆるめて高さ方向を回転させて調整したりもできるので、プレートソルブなんか使わなくてもへっちゃらです。

初期アラインメント後、お客さんには`しばらく月を見てもらい、その間に外部モニターを用意します。2画面が用意できたら、いよいよM27を入れて星雲です。前回の5月はシーズン的に星雲がほとんど見えなくて、かといって銀河を見るにはFMA135では焦点距離が短すぎたので、夏シーズンになり満を辞しての駅前星雲となります。

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地方都市といっても、さすがに新幹線がメインで止まる駅なので、駅前はかなり明るいです。それでも電視観望ならM27くらいは余裕で見えます。一般のお客さんは星雲そのものにあまり馴染みがないので、むしろ望遠鏡の小ささに驚いてくれます。「今は超高感度のカメラが使えるので、こんな小さな望遠鏡でも淡い星雲が見えるんです」とか説明して、机の下の脇に置いた小さいFMA135を見てもらいます。「間違って蹴飛ばさないでくださいね」と一言添えるのですが、その後に「小さいのでこれまで何回か実際に蹴飛ばされてます」とか言うと「確かになぁ」というような反応が返ってきます。

最近の電視観望は、M1 Mac上のVMwareで動かすARM Windows11でSharpCapを動かしています。今回は特にMacで動かしているStellarium画面との比較が役に立ちました。WMwareだと SharpCapの画面と、Mac上のStellariumとの切り替えは、3本指でタッチパッドを左右に振るだけなので、ものすごく速くて楽です。駅前なので空を見上げてもほとんど一等星しかみえません。顔を上げて真上を見てもらうと、夏の大三角はなんとか見えます。夏の大三角の大きささえ感覚的にわかってもらえれば、Stellaiumの画面上で夏の大三角を見てもらって、赤枠で示された電視観望で見る視野の広さを確認してもらって、その視野をさらに拡大すればStellariumでM27が見えてきます。その後に画面をパッとSharpCapに切り替えて「これが今実際に望遠鏡で見ている亜鈴状星雲です。同じ形ですよね!」と説明するのです。実際のM27がかなり小さく、目で見ただけでは到底見えるものではないということ、望遠鏡で見るとカラフルな天体が宇宙には存在していることなどを実感しらもらいます。

その後、北アメリカ星雲を入れたりして、スマホの画像検索で見つけた北アメリカ大陸の地図の形と比べたりします。北アメリカ星雲はこんな明るいところでも思ったよりよく見えました。どうもこの日は透明度が良かったようで、自宅に帰ってから空を見上げたら、この季節は霞んでよく見えないことが多いはくちょう座の形がはっきりわかるくらいでした。
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あとは定番のM57ですが、これは輝度が高いので駅前のような明るいところでも余裕で見えます。
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時間的にはもう昇ってきているはずだと思い、アンドロメダ銀河も入れてみました。まだかなり低い位置にあって、どうも駅前ターミナルの大型の屋根の反射光を拾うようで、迷光で画面が明るくなりすぎです。銀河の存在のものはかろうじてわかるのですが、ライブスタックするには明るすぎてサチってしまい、こちらは諦めました。気を取り直して三日月星雲に移動したのですが、こちらも大して見栄えが良くなくてお客さんウケもイマイチだったので、再びM27に移動してしばらく放っておくことにしました。

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電視観望の間、お客さんもかなりきてくれました。4人組の女子高生のうちの一人がM27を見て「感動した」と言っていたのが印象的でした。21時過ぎになって、そろそろ撤収の準備をしてくださいと指示がありましたが、結構グダグダとしていて、まだお客さんや県天メンバーとのんびり話しながら、他の望遠鏡がかなり片付いてきてから、やっと私も片付けはじめました。

それにしても天気が良くてよかったです。今日の朝の時点では中止になるかと思っていたくらいです。駅前なので、富山でやるものとしては最も多く人が集まる観望会と言っていいでしょう。普段あまり星を見るようなことがない人達にもあピールできるところもいいです。今年は年2回のゲリラ観望会でしたが、来年もこれくらいのペースで開催できればと思います。


2024年8月2日(金)、今年も富山県主催の「とやまスターウォッチングat富岩運河環水公園」がありました。昨年の様子は以下をご覧ください。


そもそも金曜の平日開催で、昨年初めて参加したものですが、今年も参加することにしました。


今年の方針

ちなみに、去年の記事を読み直してみると、いくつか反省点が書いてあります。
  • 2つ電視観望をやって、さらに子供に自由に触ってもらうSCOPETECHの屈折を出したが、手が回らなかった。さらに星座ビノも用意していたが、お客さん全員に十分な時間がかけられなくて無理があった。
今年も改めて思ったのですが、市街地での公園でやるのでお客さんの数が相当多くて、細かい操作などを伝える時間が確保できません。今年は欲張らずに子供用屈折も星座ビノも無しにしました。
  • 広域電視観望で、天の川の見える範囲が少し狭くて川のように見えないので、天の川と認識されにくい。
天の川を見たことがないお客さんもたくさんいます。天の川と言われても、実際どれが天の川か最初はわかりにくものです。いつもは35mmレンズを使いますがそれだと範囲が狭くて皮の形に見えません。今回はSamyangのF2.8の14mmを使って広角で川らしく見えればと思います。

あと、去年は
  • 準備と説明と機材トラブルなどで他の参加者とあまり話す機会がなかった
ので、今年はもう少し他の人と交流することを目標としたいと思います。


2つの電視観望

電視観望を2つ用意します。セットアップは昨年と似ていますが、少しだけ変わっています。

メインは天の川を見せること。これまで広域電視観望は主にはF1.4の35mmとか50mmのカメラレンズで見せていますが、もう少し広い範囲を見せた方がより天の川らしくなると思い、今回初めてF2.8の14mmレンズを用意してみました。これに光害防止としてQBPフィルターを使います。フィルターは1.25インチのもので、ASI294MCの側に薄手のアダプターを使って、レンズに干渉しないように取り付けます。操作は自由雲台です。たまに「広域電視観望の際のマウントはなんですか?」と聞かれることがありますが、これだけ広く見えると画角の移動はよほど時間が立たないと効いてこないので、自由雲台で固定で十分です。これでライブスタックもできるので、実際の画面が流れることもありません。

お客さんを飽きさせないために、もう1セット普通の電視観望を用意しておきます。もう夏の星雲が上がっている時期なので、街中ですが十分に楽しめるでしょう。こちらはいつものFMA135とUranus-Cをトラバースに載せています。そういえば去年はまだAZ-GTiを使っていました。トラバースがまだまだ実用に耐えなくて心配だったのですが、今年はトラバースがもう完全にデフォルト機器になっているので、成長したものです。今回も安定に稼働できました。トラバースの「小ささ」がさらにインパクトを上げていて、今回も「こんなので見えるの!?」という声を何度も聞きました。カバンの中に全セットを入れることができるので、駐車場から設置場所まで距離がある時でも、ほとんど苦になりません。

あと、今回初めて外部モニターを「2台」用意しました。こういった大規模な観望会にはお客さんもたくさん来ますし、電視観望も2セット用意するので、モニターも2台あった方が説明も楽だと思ったからです。1台は24インチでメインの天の川用、もう一台は15インチのコンパクトモニターで星雲用です。


機材の準備

18時過ぎには環水公園に到着しました。駐車場もまだ十分空いていたので、観望会会場の近くに車を駐めることができました。セットアップは最近は手慣れたもので、普通は10分とか15分もあれば終わってしまいますが、今回はモニターが2台あったので、少し手間取りました。モニターの解像度はHDMIでそれほど高くないので、PCの設定をそちらに合わせるのに時間がかかってしまいました。やはり一度は事前にテストしておくべきです。しかも星雲用はM1 MacのArm Windowsで動かしているので、モニターを最初うまく認識できませんでした。一旦VMwareを完全に落として、Mac画面をモニターに出せることを確認して、その後VMwareを立ち上げるとうまくいきました。

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広域用のレンズは最初から14mmにしてみました。うまく行くのかどうか、ぶっつけ本番です。

19時前には準備も終わり、まだ明るいので会場を一回りしますが、すぐに星が見えるくらいになり、広角電視観望ではこと座の形も十分にわかるくらいになります。昨年は19時にスタッフが一度集まって打ち合わせがあったのですが今年はそういうのは特になくて、もうお客さんも来始めているのでそのまま観望会になだれ込みます。

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観望会会場の環水公園は駅に近いかなり大きな公園で、世界一美しいと言われたスターバックがあるなど、富山の観光スポットにもなっています。駐車場もきちんと整備さえているので、観望会にはお客さんも数多く訪れます。この日は昼間から天気も良く、実際かなりたくさんの方が来てくれました。


いよいよ観望会開始

19時を過ぎるとお客さんももうかなりきていますし、スタッフの方も含めて知り合いの方もたくさんいます。結構明るいうちからM57を入れてみましたが、もう余裕で見えます。プレートソルブができるくらいの星の数が見えたら、たとえ街中であろうと輝度の高い星雲は問題なく見えます。

画面を見ながら、周りの人といろいろ話しました。今回は、電視観望に注目してくれる人がかなり多かった印象です。2016年からずっとやってきた電視観望で、星まつりなどではものすごく盛り上がっていたのですが、意外に地元の富山ではあまり盛り上がらない印象でした。今回はスタッフの方も学生の方も含めて、結構皆さん技術を知りたがっているような感じでした。

恐らくなのですが、これはSeeStar効果なのではないかと思っています。やはりあれだけ数が出てメジャーになってくると、少なくとも天文関連の方には電視観望でかなり見えるという認識が広まってきているのではないかと思います。電視観望そのものに信頼が出てきたと言ってもいいでしょうか。私自身は結局いまだにSeeStarは使ったことがないのですが、大手メーカーが本腰を入れてくれるのはとてもありがたくて、長い目で見てもとても良い傾向だと思いました。

話してくれた方の中に、県天メンバーではないけれども富山在住で天文が趣味で、このブログを一から読んでくれたというかたがいました。この長いブログを最初から読んでくれるという奇特な方(笑)がたまにいますが、とても嬉しいです。技術的な方のようで、この「ほしぞloveログ」でどのように技術を上げてきたかに興味を持ってくれていました。またお話しできればと思います。

県天に新しく加入された方とも顔を合わせることができました。自宅近くに住んでいる方で、電視観望に興味を持っているということなので、また一緒に試すことができればと思います。

さて、19時半ころからスライドを使った中国出身の方の七夕の話があります。私は聞くことができなかったのですが、大きな拍手が聞こえてきたので、面白い話だったのではと思います。


2つの電視観望の見せ方

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今回の電視観望は、2セットあることを活用してみます。まず広角電視観望で夏の大三角を見せ、そこから画面内でこと座を拡大します。次に隣のモニターに移り、こと座の端の2つの星が写っていることを確認して、その後M57を拡大して、星雲について説明します。先週の科学博物館でも同じように説明しましたが、このやり方は実際の大きさが直感的にわかってもらえるので、なかなかいいのかと思います。これまでの35mmレンズだと夏の大三角が入らずに、アプリを使っていたのですが、今回の14mmレンズはやはりかなり広角で、夏の大三角が余裕で入るので、全体からわかってもらえて、とても説明しやすかったです。

スクリーンショット 2024-08-02 202535
星雲がどんなものが知らないと、どれが星雲かわからないこともあるので、
アノテーションがある方がお客さんもわかりやすいようです。

天の川は実際どうだったかというと、ずっと雲がかかっていたので、そのすきまから見るような状態でした。天の川に比べると雲は明る過ぎるので、どうしても不利になってしまいます。今回初めて試した14mmレンズですが、より広い範囲を見渡せるのは有利な点でした。その一方、広角すぎて周りの景色が入ってしまうことがあることと、このレンズは周辺減光が結構あるために、SharpCapでのリアルタイム背景補正(フラット化)があまりうまくいきませんでした。実際の画像は以下のくらいです。

スクリーンショット 2024-08-02 202517

適当な枚数をスタックしているので、雲が流れているのがわかると思います。流れていない赤いシミが天の川になります。背景補正に非線形勾配除去を使っているのですが、雲などが明るすぎて飽和してしまうとこの背景補正がうまくいかなくなります。そのためゲインか露光時間を少し下げる必要があります。補正がうまく行っても、やはり周辺減光の影響を取り去ることはできずに、右上や左下が少し暗くなってしまっているのがわかります。天の川だけを見やすくするために、画面を拡大して画角を少し絞っています。これだともう広角の有利さがなくなってくるので、本末転倒になってきます。やはりなかなか最初からはうまくいかないもものです。次回、もう少し雲が少ない時に、改めて評価したいと思います。

14mmレンズで天の川が少し認識しにくかったので、途中からいつもの35mmに戻しました。下の画像が35mmで見た場合です。
スクリーンショット 2024-08-02 205220

明るさはずいぶん均等になり、あぶり出しがかなり楽になります。が、当然画角は小さくなるので、ここら辺はトレードオフなのかと思います。この日の天気は悪くなかったですが、去年の方が少し良かったでしょうか。途中からだんだん雲が濃くなってきて、最後の方は天の川も見えなくなってしまいました。

県立大の学生が何人か、富山大の学生がなんと20人くらい来ていました。途中何人かのメンバーが電視観望を見にきてくれました。まずは街中で天の川が見えることに驚いていました。「観望会で説明とかどんな風にしますか?」と聞かれたので、ちょうどこの日にやっていた夏の大三角と、こと座とM57と天の川の関係とかを、七夕に交えて話すことや、天文クイズのことなどを例として伝えました。天文クイズは実際に来ていた学生さんに解いてもらいました。いつもの「月はどちらから昇ってどちらに沈むか?」というクイズで、天文部の人でさえパッと気づいた人は数人でした。もちろん、太陽がどちらから昇ってどちらに沈むかは全員知っていて、太陽が動くのは当然地球が回っているからということも全員知っていました。知識としては十分あるにも関わらず、月になると知識として知らないので答えられなかった人が多かったのですが、さすが大学生のしかも天文部です。すぐに納得して、その後の例えばベガは?と聞くと、普通に東から登り、西に沈むと妙に納得してくれてました。画面に見えている天の川と銀河の方向の関係のクイズも出したのですが、これはちょっと難しいと思われたようだったので、少し反省です。もう少しこなれた誘導を考えた方がいいかもしれません。


観望回終了

一応観望会は21時まででしたが、あまり時間は厳しくなくて、お客さんがいなくなったらやめにしましょうかというような雰囲気でした。19時くらいから始めて、かなりの人が見にきてくれ、ずっと説明していた気がします。それでも結局見せたのは夏の大三角と、こと座とベガ、天の川と、M57、あとはせいぜいM27くらいでした。ひっきりなしにお客さんが来るので、あまり種類を見せることができなかったのは反省点でしょうか。

私は21時20分くらいまで粘っていましたが、駐車場の出車ゲートが22時で開かなくなってしまうというので、ここで撤収です。片付けはほんの10分もあればすぐに終わり、片付け終わってから一通り挨拶をして、まだ盛り上がっている学生たちのところに行きました。20人くらいの大所帯なので、かなり楽しそうです。学生たちに22時にゲートが開かなくなることを伝えて、私も21時40分頃には退散しました。


まとめ

今年もたくさんのお客さんに電視観望を見てもらいました。特に天の川は、こんな街中でも見る方法があるということにびっくりしていたお客さんが多かったです。また、富山県天文学会のメンバーはもちろん、他にもたくさんの望遠鏡が出ていたので、お客さんはかなり楽しめたのではないかと思います。でもこの日もとても暑かったです...。


2023年8月4日(金)、富山の環水公園で「とやまスターウォッチング」がありました。

(2026/8/5訂正:) コロナ前までは毎年開催れていましたが、コロナ以前の2011年からずっと、コロナ禍の2020年から昨年2022年までも感染防止に工夫しながら開催され続けていたのですが、金曜の平日開催ということもあり、これまで参加できていなくて、今回が初めての参加となります。


平日の観望会

この日は金曜。平日なので、仕事が終わってからの参加になります。18時集合ということで頑張って早めに職場を出ますが、距離もあるのでさすがに間に合いません。結局18時半過ぎに会場に着きましたが、 19時には機材持ち込みした人向けの説明会があるというので、すぐにセットアップを開始します。幸いなことに、まだ機材搬入用に確保してある駐車スペースも残っていたので、観望場所のすぐ近くに車を駐めることができ、何度か車と行き来するのも楽でありがたかったです。

今回の機材です。
  1. 天の川を見るための、NIKKORの35mm 、F1.4のレンズとASI294MCで広角電視観望
  2. 星雲星団などのための、いつものFMA135+Uranus C+AZ-GTi
  3. 子供に解放するSCORPTECHの屈折
  4. 星座ビノを4台
と4種体制です。さらに、外部モニターをつないで対面からも見えるようにしています。ただし、PCは2台に対してモニターは1台なので、随時見栄えの良い方を切り替えることになります。

メインの天の川広角電視観望については、前回の記事で詳しく説明しています。




セットアップ

機材準備は順調に進み、まだ明るいですが星が見え始めます。肉眼ではアークトゥルスが最初でしたでしょうか。星座ビノではすでに他の星もたくさん見えるので、何人かの方には試してもらいました。また、肉眼でベガが見えるか見えないかの状態でも、広角電視観望ではベガを含む、こと座の形まではっきりとわかります。

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程なくして19時過ぎになります。機材設置者向けの説明会が始まります。コロナ前までは例年200人ほどのお客さんが来ていたとのこと。すでにお客さんと思われる一般の方もちらほら来始めている様です。

周りを見渡すと、望遠鏡がズラーっと並んでいます。全部で17台はあったとのことです。
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中央右に見える大きなドブはかんたろうさんの45cmです。

目玉の一つがPENTAXの口径150mmの屈折とMS-5でしょう。鏡筒だけで32kg、赤道儀は100数十kgだとうのことです。大きいです。
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学生さんの参加もありました。富山県立大の天文部と、富山大の天文同好会です。県立大の学生は先輩が組み立てたという自作のドブソニアンを、富山大の学生はVixenの鏡筒とタカハシのFC-76を出していました。若い人が参加してくれるのはいいですね。

富山大の学生さんがVixenの赤道儀で導入がうまくいかないと悩んでいたのですが、今度一緒にやれたらという話になりました。いまだに一度もうまく自動導入できたことがないとのことです。名刺を渡しておいたので、ぜひとも連絡待ってます。


観望会開始

説明会終了後は、観望会の始まりです。たくさんの人が来ていましたが、望遠鏡の数も十分にあったので、ストレス無く見えていたのではないでしょうか。夕方少し雲があったので心配だったのですが、観望会ちゅうは見るものに困ることがないくらいは晴れてくれていました。19時半からはスライドでの星の解説があり、そちらも盛況だったようです。

自分の機材に関してですが、まず天の川は大成功。富山なら街中でも全く遜色なく見えることがわかりました。この日は雲も出ていましたし、透明度は全く良くなかったので、まだ余裕がある感じです。

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これまで天の川を見たことがない人も多く、「初めて見た」と言う人や「暗いところでしか見えないと思った」という感想が多かったです。

外部モニターを追加して対面で見えるようにしたこともかなり効いていて、特に大人数の観望会ではお客さんも見やすくなると思いますし、説明もしやすくなります。ただし、天の川を表示していても天の川と認識してもらえるわけではなく、きちんと説明しなくてはならないと思いました。天の川を見たことがある詳しい方はすぐに「おおー」となるのですが、そもそも天の川を見たことがない人には「このモジャモジャしている背景が天の川です」というように説明する必要があることを実感しました。もっと広角のレンズを使っても良いのですが、同時に射手座あたりの星雲の認識までしようとすると、35mm+フォーサーズくらいが限界の気もしました。

星雲用の電視観望ですが、(説明会開始前の)肉眼で星が見えるかどうかわからないくらい明るいうちからM27が見えたり、最初絶好調だったのですが、途中AZ-GTiが動かなくなってしまいました。なんのことはないバッテリー切れで、そういえば志賀高原以来バッテリーを替えずに自宅でも何度か試していたのに、電池交換のことをすっかり忘れていました。予備バッテリーは常備しているので、交換でことなきを得たのですが、時間を食われてしまって見せる方があまり充実しなかったので反省です。

ちなみに電池が切れるとWiFiはまだ繋がっているのですが、まずはモーターが全く動かなくなります。繋がっているのに動きに反応がなくなるときは電池切れを疑うべきです。というより、観望会前は電池交換くらいしておけってことっですね。

星雲の方は画面を残すのも忘れてしまっていたので、オートセーブで残っていたものだけ載せておきます。実際に見たものは大したことがなくて、M27、M57、北アメリカ星雲くらいで、今回は天の川の方が完全に主役でした。

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長時間放っておいたものなので、画面が回転してしまっています。

さらに、今回1番の失敗はその場で使ってもらうSCORPTECHでした。電視観望2台体制で、それに加えて2穴ファインダーの説明をするのはちょっと厳しかったです。それよりも、途中から経緯台の水平方向の粗動が噛んでしまったようで全く動かず、微動しかできなかったのが致命的でした。その微動もかなり固くて、最後は微動ハンドルの取っ手の部分がもげてしまい、操作不能になってしまいました。子供もたくさん来ていて、使いたさそうにしていたので、とても申し訳なかったです。

経緯台は自宅に帰ってからすぐに修理しました。水平方向の固定ネジを固く閉めすぎていたのが原因で、壊れた微動ハンドルは手持ちのものと取り替えました。元の値段が星まつり特価で、子供たちに壊すくらいにまで使い込んでもらえば本望と思っていて、今後もまだまた活躍してもらう予定です。

途中、Kenkoの入門機のSKY WALKER SW-0を持ってきた方がいました。使い方がわからないとのことでしたが、残念ながらアイピースが付いていませんでした。アメリカンサイズならまだなんとかなったのですが、SW-0の場合は1インチアイピースなので手持ちもなく、どうすることもできませんでした。

望遠鏡を持っていても使い方がわからないとう方も多いと思うので、自分の望遠鏡を持ち込んで、詳しい人が使い方を教えるということを主においた観望会とかがあっても良いのかと思います。これは今回のような県や市がやるというよりは、やはり我々のような市民同好会的なところが企画するのが良いのかと思います。もしくは科学館とかでしょうか。


観望会終了

今回の観望会は21時までなので、あっという間に時間は経ってしまいました。機材のミスで時間を食ってしまうのは致命的なので、これからもよりシンプルで安定な構成と、事前の機材チェック、あと欲張って機材を出しすぎないことを心がけたいと思います。

機材の片付けもみなさん順調で、21時半前にはほぼ全ての機材が片付けられれていて、私も21時半には会場を後にしました。22時には駐車場が閉まってしまうそうです。

個人的には結構失敗も多い観望会でしたが、それでも多くのお客さんと話せたり、県天メンバーや学生さんたちとも話すことができ、楽しく過ごせました。


追記:「スターウォッチング」という単語

ついでに調べてたんですが、 star watchingっていう英語は日本以外にほとんど見つけることが出来ませんでした。英語ではstar gazingが一般的なようですから、star watchingと書くのはおそらく和製英語です。日本でもスターゲイジングと呼ぶことも少しはあるみたいですが、スターウォッチングは環境省でも使っているので、こちらのほうがはるかに一般的なようです。誰かが最初にスターウォッチングと名付けたのか、自然発生的に定着したのか、初めてこの単語が出てきたのはいつくらいのことなんでしょう?

アマチュア天文業界には他にもまだまだ和製英語がたくさんありそうです。例えば私も最近使いましたが「ノータッチガイド」とか。海外の単語にこだわらずに、日本語として伝わればいいということかと思います。

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