ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:イベント > 中継

日曜の夜、以前自宅にご家族で来ていただいたEさんとZooでリモート接続して、電視観望のヘルプをしました。


電視観望がうまくいかない!

昨年秋の小海の「星と自然のフェスタ」が縁で自宅に遊びに来てくれた富山のEさん一家、

 

その時おっしゃっていたように、お父さんだけ三重県に単身赴任されたようです。三重といえばアイベル、当然Eさんも通うことになり、FMA180を注文されたと聞いていました。でも結局FMA180は入荷されなくて、その代わりにFMA180 Proが手元に届いたそうです。Proの方はかなり良くなったと噂で聞いているので、少し待つことになったかと思いますが、ラッキーだったのかもしれません。

そんな折にメールがあり「電視観望を試してみたがうまくいかない」とのことです。画像が添付されてきましたが、オリオン大星雲が思ったより暗くしか出ていません。ヒストグラムでストレッチしてしまうと、画面が真っ白になってしまうとか、星雲の色が出ないとか、色々トラブっているようです。フィルターはと言うとCBPも入っているそうです。よっぽど都会の明るいところだと厳しいかもしれませんが、三重なら普通の住宅街なら特に問題なく見えるはずです。試した時は満月に近い月があったので、そのせいかもしれません。

「Zoomで一度接続しながら一緒に見てみましょうか?」

と提案すると、日曜の夜なら都合がつくと言うことで、4月9日の20時頃から接続して試してみることにしました。


ステーションモード接続の利点

EさんはPCにも詳しそうで、既にSharpCapの画面はすぐに共有できました。スマホのSynScan ProでAZ-GTiにも既に接続完了しているとのこと。でも自動導入でターゲットがうまく入らないので、PCからAZ-GTiに接続してプレートソルブを試してみることに。ここでEさんが

「今からPCをAZ-GTiに接続するので、一旦Zoomが切れます。」

と言うのです。確かにPCから直でAZ-GTiにつなぐとインターネットと接続が切れるので、Zoomとも切れてしまいます。そこで

AZ-GTiを自宅のWi-Fiに繋げませんか?

と聞くと、

「え?そんなことできるのですか?」

とのことなので、AZ-GTiをアクセスポイントモード接続ではなく、ステーションモードにする方法を伝えます。スマホからは既に接続できているので、スマホのSynScan Proで操作です。
  • 「設定」->「SynScan Wi-Fi」で、「ステーションを変更する」をオンにして、
  • 「ステーションモード」を有効にして
  • 自宅Wi-FiのSSIDとパスワードを入力していきます。
この時、必ず2.4Hzのネットワークを選びます。AZ-GTiは5GHzのWi-Fiにはそもそも対応していません。

問題は、Eさんが引っ越したのはアパートかマンションかで、住民共有のWi-Fiでインターネットに接続しているらしいのです。集合住宅の共有LANを通してSynScan ProからAZ-GTiを認識できるかとかは試したことがなかったので、私も良い経験になりました。結果は、普通にSSIDを指定すれば集合住宅の共有LANでもAZ-GTiの認識OKというもので、先のスマホからのSynScan Proでのネットワーク設定画面で最後に
  • 「適用」を押して、
  • その後PCのSynScan Proから上部の「接続する」で「デバイスを探す」
で、見事にIPが表示されて、うまくPCから接続することができました。矢印ボタンを押すと、きちんとAZ-GTiが反応しています。これで、PCからAZ-GTiを操作しつつ、インターネットにも接続できます。

でもその後、星がカックンカックンと変な動きをしだしました。最初ちょっと戸惑いましたがすぐに原因はわかって、「あー、これはスマホの接続と喧嘩してますね。スマホのSynScanの接続を切ってください。」といって、スマホからの接続を切ってもらうと、変な星の動きは無くなりました。


ASTAPがお薦め

PCからのプレートソルブですが、EさんはASPS(All Sky Plate Solver)をインストールされてました。残念ながら今回はASPSだと余りうまくいきませんでした。今はASTAPの方がいいので、ASTAPをお薦めしておきました。あと、焦点距離正しく入力するのがコツであることも説明しておきました。

プレートソルブは諦めましたが、シリウスで自動導入するとなんとか画面に入ってきたので、まあ大丈夫でしょう。もたもたしているとオリオン座が西の空に沈んでしまうので、すぐにM42を導入します。


ライブスタックで星雲の色が出ない?!

M42がうまく導入され画面に見えてきます。
  • モードがRGB24になっていたので、RAW16に変えてもらいました。
  • 露光時間を8秒ほどにしてもらいます。
それ以外は設定画面を見る限り特に変なところはなく、リアルタイムでM42もそこそこ見えているのでOKそうです。

そのままライブスタックをしてもらいます。と、ここで問題発覚です。色が全くついていなくて、まるでモノクロ映像です。最初Debayerされてないかと思いましたが、ライブスタック前までは色付きで見えていたはずです。「ははぁー」とピンときました。なんと、ライブスタック画面のヒストグラムの右端のカラーバーの横の、彩度を調整する4本目のバーのスライダーが最下段まで落ちているのです。これを真ん中より上に上げることで、見事に色がつきました。あとはライブスタックで待っているだけでどんどんノイズが落ちてきます。


あとはどんどん電視観望

Eさん、自分でやった時モノクロだったのでかなり心配していて、今回色がきちんと出たことでかなり感動したようで「これはすごい、これはおもしろい!」と盛んに言っていました。その後、自分で試して全く見えなかった
  • 馬頭星雲と燃える木
に移り、これも色付きではっきり見えて、やはり盛んに「これはおもしろい!」と繰り返してました。

ベランダ観望のため、クラゲ星雲とモンキー星雲は隣の屋根か何かにぎりぎりで隠れてしまい見えませんでしたが、その後も
  • ばら星雲
  • かもめ星雲
  • クリスマスツリー星団
など、短時間のうちにいくつもの天体を巡りました。

21時半頃には終わったので、わずか1時間半くらいでしたが、一通りの操作はできたので、今後は自分で十分に楽しめるかと思います。今回のポイントは
  • ステーションモードにするとPCから操作でき、かつインターネットも接続したままにでき、自宅Wi-Fiの届く範囲でリモート電視観望が実現できる。
  • ステーションモードは共用Wi-Fiでも普通にできる。
  • プレートソルブのお薦めはASTAP。
  • 彩度調整バーの存在は分かりにくい。ライブスタック画面の3色のRGBバーの横の4本目で、これが下に下がっていると色が出ない。
といったところでしょうか。初心者がつまづくポイントは、私にとっても参考になります。

「またわからなかったらいつでも聞いてください。」

と結んで、この日は終了となりました。前回、自宅に来ていただいた時、奥様がとても楽しく過ごせたみたいで、また家族で伺いたいとのことです。ぜひまた何か企画したいと思います。


勉強会の呼びかけ

前回5月18日(水)の記事で、CGX-Lの周期的な揺れのことを書きました。制御の発振でこの揺れが説明できるのではという内容です。



最後の方にオートガイドとかの制御に興味がある人がいたら、Zoomで勉強会でもしませんかと書いておきました。するとTwitter上で何人か反応があり「数人でも集まるならやってみようか」とその日のうちに呼びかけてみました。

その際、私はモーターのことがあまりよくわからないので、補足で説明してくれる方を募ったら、その日のうちにけーたろさんとbotchさんが反応してくれて、勉強会は3人で話すことに。日時を3人の都合がつく、日曜の20時からとしました。トークを頼んだのが木曜で、3日後の日曜での勉強会なのでかなり急なのですが、お二方とも快く引き受けてくれました。


内容

すぐにタイトルと内容のアブストラクト、さらに順序と時間が決まり、Twitter上でもアナウンスしました。

Sam: 「実践制御フィルターの設計」(20:00-21:00)
  • 実際の制御ループを各種計算しながら、制御フィルターをどう組めばいいかを考えて、その過程で制御一般の理解を目指します。一番の目的ができる限り理解して欲しいというものなので、自分のできる限りでわかりやすく解説するつもりです。わからなかったらすぐツッコミお願いします。

botch: 「駆動回路の四方山話」(21:00-21:30)
  • 望遠鏡を駆動する回路を3つのブロックに分けお話しします。難しそうなところは解りやすく、簡単そうなところは掘り下げてお話しする予定です。ハードだけでなくソフトの話も出来れば良いなぁと思っています。

けーたろ: 「赤道儀の駆動部の種類と特性」(21:30-22:00)
  • 赤道儀のモーター中心のハード面の解説をします。DCモータとステッピングモータの違いや各電子回路の仕組みを、赤道儀やオートガイドの歴史を遡りながらお話ししようと思います。制御の深くやばい解説のお二方と、現存機材との橋渡しですね♪間違指摘やわからない点等のツッコミをお願します。 
22:00から懇親会

となりました。


当日

さて5月22日の日曜当日、19時くらいから会議室は開けておきましたが、結構ギリギリになっても数人しか集まりません。19時45分の開始15分前でけーたろさんとXRAYさんと私の3人のみ。さすがにテーマが難しすぎたかと心配になりました。

5分前で8人、1分前で10人となんとか集まってきましたが、この時点で二人目の講演者の botchさんが来ていません。けーたろさんと心配していましたが、ちょうど20時頃でしょうか、無事にbotchさんも参加して開始することができました。

スライド2

私の話は制御理論とフィルターの実装ですが、半分予想通りというか、途中で時間が足りなくなってしまい、オープンループ伝達関数などのところはカットしてしまいました。それでも、フィードバックフィルターがどのような考えて実装されているかはある程度は伝わったのではと思います。最後は今回問題だった、CGX-Lを例にに赤道儀の制御ループを推測し、ある程度矛盾のない数値に落とし込みました。結論としては今回の周期的な揺れは制御による発振ではないかと推論しましたが、懇親会の時にこたろうさんとけーたろさんは「何かメカ系のトラブルでは?」という推測でした。また何か結論につながるようなものが見つかったら報告しようと思います。

次の botchさんのトークですが、実際の赤道儀制作に基づいたようなお話で相当充実してました。というか、botchさんのお顔を見てちょっとびっくりしてしまいました。私があらかじめ疑問としてお伝えしていた「古典制御理論は線形性を仮定しているが、モーターのようなパルス的な応答を持つものはどう扱ったらいいのか?」というのにもある程度お答えしてくれたのかと思います。

botch

最後のけーたろさんですが、実際にモータを動かすところをカメラで見せてくれて、DCモーターとステッピングモーターの違いを非常にわかりやすく説明していただきました。けーたろさんはハンドルネームにも「星より機材」とつけているように、ここらへんの機材のことが大好きで、モーター関連も完全に趣味で試しているそうです。

けーたろ2

時間は少々オーバーしましたが、22時10分頃に無事に3人のトークが終わりました。

今Zoomのレポート機能で人数を数えてみたら、数分で出てしまった人を除いてもなんと37人も参加してくれていました。当日の懇親会の時点の画面で確か25人くらいというのは見てましたが、マニアックな話にこんなにも集まっていただいて、今更ながら驚いています。


お楽しみの懇親会

トークもそうですが、懇親会でもとても楽しい話がたくさんできました。こういった会合ではむしろ懇親会の方が楽しかったりしますよね。ブレイクルームも作ったのですが、ずっとメインルームにいてしまって覗くことができなかったのが残念でした。

懇懇親会でも話題になったのですが、画像処理とかならまだしも、こういったちょっと変わったテーマに絞ったマニアックな勉強会は、ローカルなグループではあったかもしれませんが、オンラインとかではこれまであまりなかったのではということでした。まだいろんなテーマがあると思うので、今後も機会があれば何かできればいいかと思っています。

懇親会は午前1時まで続きました。会議の設定時間が午前1時までで延長ができなさそうだったので、正確には0時58分に解散しました。最後に残っていたのは7人でした。月曜で皆さん仕事などあるかと思います。こんな遅くまでお疲れ様でした。


お礼

ちょっとした思いつきで準備もそこそこで、けーたろさん、botchさんには時間もギリギリの中かなり無理を言って準備をしてもらってたかもしれません。素晴らしいトークをありがとうございました。改めてお礼を述べさせてください。

また、参加してくれた皆様、楽しんでいただけましたでしょうか?TwitterでXRAYさんが「有料でもいいくらいの内容だった」というような旨の発言をされていたのは、ちょっと予想外でうれしかったです。 最初はホントに数人の参加者でもいいかと思っていたのですが、蓋を開けてみれば期待より遥かに多くの方に参加していただきました。どうもありがとうございました。

また何かネタがあればやってみたいと思います。あぷらなーとさんとか相当マニアックなネタ(笑)を持っているかと思うので、ちょっと期待してしまいます。Twitterで呟くと思いますので、もし興味がある方はちょっと気にしてみていてください。 


昨晩、kyoyaさんの質問に答える形で、Zoomを使い天文入門講座を開催しました。

きっかけ

きっかけはほとんど忘れかけていたのですが、kyoyaさんと話していて思い出しました。2月末にTwitter上で何かのkyoyaさんの発言で「色々調べているとなぜかSamさんのブログに行き着く 」というのがあったのに私が反応したことかと思います。

kyoyaさんは以前Clubhouseでの星座ビノの話題で呼ばれた時に一緒に話して他ことがあります。その後kyoyaさんからDMで質問があり、それに答えているときに望遠鏡を「倍率」で理解していることに気づきました。話を聞いてみると「焦点距離」でなかなか理解できないようなのです。そこで入門講座でもやりましょうか?という話になり、kyoyaさんがすごく盛り上がってくれたので今回のことが実現しました。

今回もkyoyaさんの仲のいいかたに声をかけていただいて、結局10人近く集まりましたでしょうか。
screen
一人一人自己紹介してもらいましたが、メンバーは多くが初心者です。これは説明のしがいがありそうです。一部私よりもはるかにベテランの方もいらっしゃいました。もし私が間違ったことを言ったらどんどん突っ込んで欲しいとお願いしておきました。


目的と方針

今回の特徴は、あらかじめkyoyaさんの星見の環境と、やりたいこと、質問事項などを聞いておいて、それらをもとに私がスライドを作り、Zoom会議の中で互いにやり取りしてkyoyaさんと他の参加者にも「理解してもらう」というものです。

あらかじめもらっていた質問は私にとってはとてもありがたく、ある意味財産になります。初心者がどう言ったところでつまづくのか、何がわからないのか教えてくれます。例えばkyoyaさんは星雲とはかなり小さいものだと思っていたとのことです。CP+の配信のスライドの動画で月からオリオン星雲に移動するのがありましたが、その時に倍率を変えて拡大したのではと思っていたとのことです。オリオン星雲が満月ほどの大きさがあるとか、北アメリカ星雲とかもっと大きいとか、なかなか想像できなかったとのことです。

今回の講義では、数学は使わずに算数だけにして小学生でもわかるものを目指しました。kyoyaさんがわからなそうな顔をしていたら、わかってもらうまでできる限り噛み砕いて説明します。途中、同じくらいの初心者の方が先にわかったら、その方に説明してもらうという様なこともしてもらいました。コメントを見てもかなり活発にやり取りしてくれていたみたいで、その中でも倍率を変えるのgoogleマップでズームすることと同じではという意見は秀逸でした。倍率を上げて拡大するということは、見える範囲を狭くするということです。


講座の一例

プライベートな講座なので一部だけですが、使ったスライドを載せておきます。今回は質問に加え、倍率を噛み砕いて理解するとか、角度と時間の関係を実感するなどをかなり時間をかけて、わかるまでやり取りしました。

スライド7

スライド8

kyoyaさんの質問にあったのですが、「追尾しないと望遠鏡で見えている星はどれくらいの時間で視野から逃げていくか?」という様な疑問にも、できる限り自分で答えてもらうようにしました。望遠鏡の倍率と視野角の関係がわかり、星は時間当たりどれくらいの角度動くかが分かれば概算できますね。
  1. 例えば100倍の倍率で見ていると、1倍の視野を180度と仮定したら100倍で 180/100~2度くらい。
  2. 星は24時間で360度動くので、1時間で15度動く。
  3. 2度なら2/15時間=8/60時間=8分で望遠鏡の視野から逃げる。
という様な感じです。理解さえできれば小学生でも算数で簡単に出せます。


まとめ

このような議論を20時から延々と23時半まで続けてました。他の方の反応も見ていましたが、かなりわかってくれたみたいで、中には目から鱗が落ちる説明だと言ってくれた方もいました。

あ、でも「天文入門」と題打っておきながら、kyoyaさんの質問がかなり電視観望と機材によっていたので、天文らしい天文の話は全くできませんでした。そこら辺が反省材料でしょうか。

私もとても楽しかったので、他の方も興味を持ってくれるなら、そのうちに第2弾とかやってみたいと思います。

前回までの電視観望、うまくいきましたでしょうか?



今回は電視観望をリモートで楽しもうという記事です。


家の中からお気楽電視観望

夏は夜でも暑かったり、外だと蚊に悩まされます。冬は地方によっては夜はかなり寒くなります。そんな時は、家の中から快適リモート電視観望というのはいかがでしょうか?

自宅のテレビに大画面にリアルタイムで見える星雲などを映して、家族に楽しんでもらうこともできます。普段なかなか理解されない星の趣味をアピールするいい機会にもなるかもしれません。

今回の記事では、VIRTUOSO、電視観望をするPC、リモートで操作するPCのすべての機器を自宅のLANにWi-Fiに接続することで、安定したリモート電視観望を実現します。接続方法に関してはいろんなやり方があるかと思いますが、ここで示すような方法を参考に各自の環境に合わせて接続方法をカスタマイズしていくのがいいのかと思います。


準備

前回までの電視観望に加え、今回リモート電視観望を実現するために新たに必要なものを挙げておきます。天文関連の機材というよりは、主にPCやネットワーク関連です。
  • 家庭内LANと、望遠鏡周りでのWiFi接続環境。
  • もう一台自宅内でのPC。WindowsでもMacでもどちらでも大丈夫です。
  • 電視観望に使っているPCがWindows10「 Pro」であること。リモートデスクトップ環境のために必要です。ProでなければVNCなどの別途リモートデスクトップ環境。


前回までの確認

リモート電視観望に挑戦するには、前回までの電視観望ができていることが前提です。もしうまくいっていないなら、まずは鏡筒近くのリモートでない状態できちんと動作するようにして下さい。鏡筒の近くで試してもうまくいかないとすると、リモートだと更に難易度が上がります。

逆に言うと、通常の電視観望がきちんとできているなら、あとはネットワークの設定等の問題なので、リモート化はそれほど難しくありません。


自宅ネットワークの確認

最初のポイントはどうやって望遠鏡の近くに電視観望で使っているPCにアクセスするかです。

今回は、家庭にはネットワークがあってWiFi接続ができる状況にあるとし、電視観望用PCが自宅の近く、例えば庭とかで自宅のWiFiに接続できることとします。

これは重要なことなのですが、ネットワークは2.4GHzのみ、もしくは2.4GHzと5GHz両方あるのはかまいませんが、5GHzだけの場合はだめです。これはVIRUTOSOのネットワークが2.4GHzしか対応していないからです。もし5GHzしかない場合は、ルーターの設定で2.4GHzも有効化するか、5GHzしかないルーターの場合は、2.4GHzを持っているルーターを別途用意して、自宅の既存のネットワークに繋がるようにして下さい。

自宅W-Fiのネットワーク名(SSID)と接続するためのパスワードはあらかじめ確認しておいて下さい。これも必ず2.4GHzのものを選ぶようにして下さい。


VIRTUOSOの自宅ネットへの接続

VIRTUOSOの電源をオンにして、前回までのように一旦はスマホなどで接続します。スマホ上のSynScan Proの初期画面から「設定」 ->「SynScan Wi-Fi」に行き、下の画面のように「ステーションを変更する」を押してから、「ステーションモード」のところをクリックしてステーションモードを有効化します。先に調べておいた自宅W-Fiのネットワーク名(SSID)を入力し、ネットワークに繋ぐパスワードを入力します。
IMG_3182

その後、右上の「適用」を押し、出てくるグルグルマークを押します。ごくまれに、ここから元の画面に戻らないことがあるので、その場合「キャンセル」などを押します。

自動的に上の画面に戻って、うまくWi-Fiに接続されるていると、先ほど入力したSSID名が「SSID」の所に表示されているはずです。この名前が表示されていない場合は自宅Wi-Fiには接続されていません。SSID名やパスワードを再度確認してみて下さい。どうしてもつながらない場合は、そのSSIDが5GHzでないか疑ってみて下さい。私は(5GHzはつながらないことを知っていても、その場になると忘れるとかで)ここで過去に何度かハマっています。
 
うまくいったらVIRTUOSOの設定はおしまいです。次は電視観望をしているWindows PCの接続設定です。
 

リモートデスクトップでの接続

今回はWindowsに付属のリモートデスクトップを使うことにします。星などの暗くてノイズと見分けがつきにくい画面は、ネットワーク越しだと綺麗に見えないことがあります。Windows付属のリモートデスクトップ機能は画面転送の圧縮が上手くて、星や星雲を見るのに適しています。

まずはサーバー側の設定です。電視観望に使っている鏡筒近くのPC上で、「スタート」->「設定」 ->「システム」->「リモート デスクトップ」の順に選択し、「リモート デスクトップを有効にする」をオンにして、サーバー機能を有効にしておきます。

この際の注意なのですがWindows 10の「Home」エディションだとこのリモートデスクトップ機能を使うことができません。リモートデスクトップを使う場合は、Windows 10の「Pro」を使って下さい。Proかどうか確認するには、[スタート] 、 [設定] 、 [システム]、 [バージョン情報]の順に移動し、[エディション]を探します。

もしProでない場合は、VNCや、最近流行りのChrome リモートデスクトップなど、別途リモート環境を探してみて下さい。

もしくはWindowsに付属のリモートデスクトップを使うために、あえて安価なStick PCなどを買ってしまうのも一つの手です。Stick PCは値段のわりに何故かWindows Proを採用していることも多く、実際私は



をリモート電視観望に使っています。電源、キーボード、マウス、モニターなどがセットアップ時には必要ですが、一旦リモート接続ができればあとはStick PCと電源だけでいいので、非常にコンパクトなシステムを構築することができます。初期アラインメントなどするときも、ノートPCを鏡筒近くに持っていって、その場でこのStick PCにリモートで接続して操作したりしています。

もう一つ、鏡筒近くに置くPCがWi-Fiに接続される時にIPアドレスがいつも同じになるように設定しておくと便利です。これはWindowsの方の設定ではなく、ルーターの方の設定になります。設定方法はルーターの機種によりますが、自宅LANに繋がっているPCから、ウェブブラウザを立ち上げ、アドレスのところに通常は192.168.XX.1(XXは繋がっているPCのIPアドレスを調べるとわかります。)などと打ち込んでルーターにアクセスします。
net
左に見える「DHCP固定割り当て設定」とかいうのを選び、電視観望に使っているPCのWi-FiアダプターのMACアドレスと、適当な固定したいIPアドレスを打ち込み関連づけます。PCのWi-FiアダプターのMACアドレスは「スタート」->「設定」 ->「ネットワークとインターネット」->「ネットワークのプロパティを表示」の順に選択し、「物理アドレス(MAC)」のところを見ます。

ここまでの接続の確認は昼間でもできるので、あらかじめ夜になる前にテストしておくといいでしょう。


実際の接続

さて、ここまできたらあとは夜を待って実際に電視観望を始めるだけです。
  1. 初回はやはりその場でピントなども合わせる必要があるので、まずはターゲット天体を導入しSharpCapの画面に表示するところまでは、前回までのように済ませておきましょう。
  2. 次に、VIRTUOSOがきちんと自宅のWi-Fiに繋がっているか確認しましょう。
  3. 電視観望をしているPCも自宅Wi-Fiに繋ぎましょう。
  4. 電視観望をしているPCでSynScan Proを立ち上げて、自宅Wi-Fi経由でVIRTUOSOに接続しましょう。
  5. 自宅に入り、部屋の中のPCから電視観望をしているリモート先のPCにリモートデスクトップで接続します。クライアントはWindowsでもMacでもどちらでも大丈夫です。

Windowsなら「スタート」->「Windowsアクセサリ」->「リモートデスクトップ接続」を立ち上げ、そこに先に指定したIPアドレスを書き込み「接続」を押します。

IMG_3205


私はMacを使っているので、Mac版のMicrosoft Remote Desktopを使用しています。

IMG_3188
 
上の写真のように、先に指定したIPアドレスで登録しておきましょう。そうすると次回以降の起動が楽です。

リモート先の画面は出てきましたでしょうか?

IMG_3186
このように部屋の中からリモート先の画面が出て
操作することができるようになります。

うまく接続できると、画面を通してすべての操作ができます。自動導入などもできますので、自宅からいろいろ楽しんでみて下さい。


まとめ

リモート接続の実践編どうでしたでしょうか?アイデア次第ではYouTubeやZoomでの中継など、いろいろ活用法があるかと思います。家の中なら家族も見てくれると思うので、もしかしたら天体趣味の株が上がるかもしれません。

でも本当は星は外で見るのが一番です。今回はVIRTUOSOという望遠鏡込みの自動導入経緯台で星空観察をしましたが、自分の目で空を仰いで星を見るのは望遠鏡とは違った楽しみ方になるはずです。せっかく星に興味を持ったのです、もしまだ体験していなければですが、月のない真っ暗な場所で、満天の星を見上げて宇宙の中に生きているんだということもぜひとも実感してみて下さい。

次は応用篇。主に導入の補助についてです。
 



連載記事:VIRTUOSOを使いこなそう

 

 

 

 

 
 
 

わーい! (富山では) 本日発売の星ナビに掲載されました!!
って、掲載?
掲載って言っていいですよね?

052F9112-3F65-45CB-A959-75F38C691AEC
私(Sam)の名前が!

星ナビのCP+の記事

ネタを明かせば、CP+のSIGHTRONのブースでの電視観望の配信のことです。でも冊子の最初の方に大きくCP+の記事があって、その中でも電視観望が「画期的な企画だった」と書いてくれています。さらに「40年続いている望遠鏡展示会で天体観望会は開催された記憶はなくて、オンランで参加者が揃って観望することが実現した。」とかいうように、かなりインパクトがあったように書いてくれています。「時代の流れ」と評価していますが、その流れに多少なりとも貢献できたのは素直に嬉しく思います。

星ナビには「天候にも恵まれ」とさらっと書いてありますが、後日談にもあるように、当日はどんどん曇ってきていて、トーク始めの時にはほぼ諦めていてロングバージョンのトークに切り替えていました。それでもここまで皆さんにインパクトを感じてもらえたのは、やはり天気のおかげです。生中継のある無しで全然印象が違ったのかと思います。


なんと「カメラバカにつける薬」にも

そういえば、前々回のデジカメWatchの「カメラバカにつける薬」のCP+の回にも、CP+の配信の電視観望を扱っていただけました。



これも寝耳に水で「あ、今回はCP+の話だ」と思って読んでいくと、なんと私の電視観望のセットアップがマンガ化されて絵になっているではありませんか!しかも、シグマ、パナ、キヤノンやニコンに並んで2コマですよ!

ていこくらんちの飯田ともき先生の作品大好きで、デジカメWatchで連載が始まってすぐに毎回読み始めるようになりました。基本カメラですが、たまに天文ネタもあり毎回楽しみにしてます。2018年お正月の「おとしレンズください」は最高でした。そんなマンガの中に出たのですよ。嬉しくないはずがありません。
 

Twitterも少し振り返ってみます

少し前のことになるのですが、配信中、配信直後のTwitterにも嬉しいコメントがありました。ちょっとだけ紹介しておきます。
  • ダーク天野川乱歩さん: 実際にCP+で こんなに萌えた事はいまだなかった。天文愛にあふれる業績の方々のセミナー凄く為になりました。 私一人ですか??? 後ろでうちの上さんが白い目で見てますので控えめでしたが・・・じっさい声がでました。ウオー バナードwwww
  • Aramisさん: セミナーは常時100人程度、Samさんの時の視聴者は300人弱にまで。リアル開催ではここまでの人数を集めることは物理的スペース的に無理であろう事を考えると大成功と言っていいのでは。
  • シベットさん:  素晴らしい配信でした! Samさんのブログで電視観望エントリーに必要な情報はほとんど提供されているので、これをきっかけに人口もまた増えるのではないかと思います。しかし、曇っている状態から最後、大逆転で晴れるなんて、電視の神様のシナリオもなかなかの(笑)
  • uminotsukiさん: CP+ のラスト、バーナードループが浮かび上がってきたのには、ひったまがった。そして、しっかり見(魅)せた上で幕を下ろした Sam さん、かっこよかったです。拍手!
  • ハ レ ル マ ンさん:  Samさんのそのお気持ち我々初心者に確実に届いています。電視観望は月齢問わず、場所問わず、操作簡便ということで爆発的に層が厚くなる可能性がある試みだと自分も思います。自分自身でも拡めていきたいと思っています!
  • hoshirokumanさん: あまりやる気もなく、仕事がらみで7年ぶりにCP+に足を運んでみた(実際はオンライン)けど、ちょっと、はまってしまったよ。サイトロン社のSamさん電子観望ライブは、これまでの望双展、J.T.Bショー、PIE、CP+と流れてきた展示会の中で初めて「みんなで天体を見る」という行為に至った気がする。
hoshirokumanさんと星ナビの記事がよく似ています。もしかしてhoshirokumanさんが記事を書いてくれたのでは?もしそうだとしたらとても嬉しかったです。本当にありがとうございます。


配信も継続のようです

さらに嬉しいことに、CP+のサイトロンブースの配信、最初は3月31日で終わりと言われていたのですが、Youtubeの方ではそのまま残ることになったようです。まだご覧になっていない方は、ぜひともご覧ください。






 

CP+2021 サイトロンブースでの生中継電視観望、見ていただけたでしょうか?奇跡的に天気にも恵まれ、もう大成功でした!当日までの準備と、当日の実際のトーク、いったいどんなだったんでしょうか?


トークのお誘い

もともと天リフさんからお話があったのは1月半ば。もう1ヶ月以上も前になります。電視観望で話して欲しいとのこと、私は日程が空いていることを確認してすぐに二つ返事でOKです。その後たまたまClubHouseを通して天リフさんと話す機会があり、「せっかくのCP+なので天文クラスター以外の人も来てるはず。じゃあ電視観望とか知らない人でも興味を持ってもらえるように、入門クラスの機材でできるだけ敷居を低くしてやってみましょうか?ちょっと前に、ちょうどサイトロンのカメラとガイド鏡でブログの記事書いたので、それの延長で行きましょう」ということになりました。

その時点ではまだ星空を中継するかは全然考えてませんでした。その後、天リフさんから講演時間の希望調査が来た時に「もし星が見えるならその場で見せたいので、できれば一番最後にして下さい」と頼んでおいたのですが、さすが天リフさん、本当に一番最後にしてくれました。時間は18時から18時半なので、この時期だとまだ少し明るいのですがまあなんとかなるかと思い、中継を決心。その後、何度かテストして晴れてさえくれればオリオン大星雲ならなんとかその時間でも見ることができるのがわかりました。それが予告編の記事前後になります。

一応技術的には見通しがついたので、あとは晴れてさえくれればなんとかなりそうです。プレゼンの資料方も方針が決まったので、結構早くに目処がつきました。


CP+開始

さて、2月25日の木曜から始まったCP+ですが、SIGHTORONブースの配信は27、28日の土日となります。土曜午後2時、天リフ山口さんからのスタートでしたが、かなり緊張しているようでした。録画ですが「一発撮りなので緊張した」と言っていました。サイトロンのトークを含む多くは事前収録でしたが、天文関連の方は生中継が多いようです。かくいう私も生中継、しかも生星空中継も目論んでいます。はてさて、どうなることやら...。

先週一度テストはしたのですが、心配性なので前日の土曜に再テスト。全ての接続と、ピント出し、カメラの向きなど一通りの撮影を試しました。1階の自分の部屋の、窓を開けてすぐ下のところに機材を置いたのですが、その時木の枝がけっこう邪魔なことに気づきました。

Barnard_01
前日のテスト撮影です。
少し遅い時間ですが、それでも木が邪魔してます。
本番の時間だと完全に木の枝に隠れそうでした。

とうとう自分のトーク本番28日の日曜です。昨晩気づいた木を切るために、朝からチェーンソーを出して作業開始。木の枝が電線にかかりそうになっていたので、ちょうどいい機会でした。

空は朝から晴れていて、scwによると夕方少し雲がかかるかもと出ています。一応星空中継は、トークの中で紹介する入門用のEVOGUIDE+SV305-SJ+AZ-GTiと、少し雲がかかったときのためにNIKKOR50mm+ASI294MCで広角電視観望の2本立てで用意しておきます。

さてさて午後になり、順番が近づいてきました。あぷらなーとさんのスムーズなトークにちょっとびびってしまいました。もちろん内容もすごく考えて作られていて、マニアックな内容を初心者にもよくわかるような話にしています。

成澤さんの頃には自分のトークの準備が佳境。ごめんなさい、成澤さんが生で中継しているのまでは認識できましたが、ここら辺からトークもあまり聞けていませんでした。自分を写すカメラ位置や、機材の最終点検です。外を見ても結構雲があって全然よくなる気配はありません。なのでスライドも少しロングバージョンに組み替えです。

20210228_1643_cloudy

Zoomもつないで天リフ山口さんとも接続確認し、準備完了。トーク開始の15分前です。外を見ると、太陽は沈んでいますが、まだ少し明るくて、相変わらず雲だらけです。


いよいよ本番

さて、いよいよ自分の時間。15分くらい遅れていたので18時15分からのスタートでした。最初の挨拶に引き続き、そのままスライドへ。今回のトークのテーマは2本だて。電視観望の入門と広域電視観望です。
スライド1

つかみは望遠鏡あるあるです。今回は、眠っている昔の望遠鏡も使える可能性があるので、そのイントロも兼ねています。前半は以前このブログでも紹介した初心者用の電視観望の組み合わせでどこまで見えるかというお話です。
スライド7

馬頭星雲も短時間だと淡いですが、40分放っておくとかなり鮮やかになります。SharpCapの設定例とともに示します。
スライド14

Livestackの効果を三つ子銀河で1枚、2枚、4枚...と128枚まで見せました。ノイズが目に見えて減っていったのが分かったかと思います。

後半は入門からのアップグレードで、手持ちの眠っている望遠鏡を使用してみようとか、カメラをアップグレードしてみようとかです。
スライド27

その中でQBPを用いるとコントラストが劇的によくなること、さらに広域電視観望の紹介で事前に撮影した自宅屋根からバーナードループが映るまでを見せました。ここは、天気が期待できないためにビデオでの紹介を急遽入れ込んだ箇所でした。最後のスライドを終えて、ダメ元で広域のカメラで空を見てみるとなんと星が見えるではないですか!

star

全然期待してなかったので、ちょっと興奮してきました。この時点で18時50分くらいだったでしょうか。もし星空を中継するなら時間を延長していいという許可はあらかじめ得ていたので、さあ延長戦の開始です!

早速、最初に紹介したSV305-SJに切り替えて、EVOGUIDE 50EDとAZ-GTiで電視観望です。ここでちょっとトラブル。接続してあったはずのAZ-GTiが認識されていません。まあ放っておくとたまにあることなので、冷静にAZ-GTiの電源を入れ直します。すぐに認識され、リゲルを導入します。水平はそこそことってあったつもりですが、やっぱり一発では入りませんでした。そこで前々回の記事で紹介したプレートソルブです。



この時点で19時前くらい、時間が押していたせいもあり、十分な暗さが確保できています。そのためでしょう、なんとプレートソルブ君も一発で星を認識。うまくAZ-GTiに返して位置を補正したらすぐにリゲルが見えてど真ん中に入りました。ここまできたらもう大丈夫です。予定通りM42オリオン座大星雲を導入します。そのまま真ん中に入り既にその色と形がわかります。ライブスタックを開始してノイズが少なくなりさらに炙り出すこともできます。

M42

延長と言っても既にかなり押していたので、すぐに広域電視観望に移ります。カメラは2台とも1台のPCにつないであるので、SharpCap上でカメラを切り替えるだけです。そのPCに部屋の中にある別のPCからリモートデスクトップで接続し、その画面をZoomの画面共有で中継しています。

ところが、カメラを切り替えたらなぜか画面が真っ赤になることが数回。
red
原因はホワイトバランスが合っていなかったことと、Livestackに切り替えた時に画面をクリアすることを忘れていたためです。コメントとかTwitterを読み返すと、こういう時にすぐに立ち直るのに驚いた方が多かったみたいです。たまたますぐに気付くことができましたが、今回のように時間が限られている場合はやはりこういったミスは致命的になる可能性があるので、やはり気をつけるべきです。

広域電視観望では実際に自由雲台を手で直接動かして星雲を導入する様子を見せることができました。焦点距離50mmなので、手で導入しても位置が分からなくなるような事は無いということを示したかったのです。ところが三脚を置く位置が悪くて、オリオン座が入ったところで電線も入ってしまいました。途中「あっ、木?」とかつぶやいたと思うのですが、あれは前日に木が邪魔だったからなのです。でも電線が逆に臨場感を出していたというコメントもあったので、これはこれでよかったのかもしれません。

広域電視観望の場合かなり明るく見えるので、オリオン大星雲なんかは導入の途中で視野が動いててもそのまますぐにわかるし、燃える木も簡単に認識できます。バーナードループはどうでしょうか?ここで大きな勘違いに気づきます。この日は満月の次の日で相当明るいとその時まで思っていたのですが、早い時間だったのでまだ月が上がってきていなかったのです。調べたら月の出が18時50分、ちょうど星空中継が始まったくらいに月が出たようです。まだ月が高くなかったので暗さが保たれていたようです。

暗さも手伝ってか、Livestack前でもうっすらとバーナードループが既に見えていますし、Livestackを開始し炙り出したらかなりはっきり見ることができました。もう大成功です。この時点で天リフ山口さんに声をかけて「大成功でしたね!」と喜び合いました。CP+ではおそらくというか、確実に初めての生星空中継でしょう。むしろオンラインのCP+だからこそ実現できた臨場感だと思いました。

Barnard_10

中継終了後、コメントやTwitterを読み返していましたが、やはり随分と盛り上がっていたようです。とくに星空生中継に入っているとすごいコメント数になってきてます。実際の操作が見えたのが良かったという意見もありました。いくつかピックアップしてみます。
  • Hiroyuki Narisawaさん:  楽しみ!
  • Alricha 33さん:  晴れてほしいですね!
  • Civetさん: α7sの電視観望から、CMOSカメラでの電視観望を即日に発送したのが凄すぎる!このブレークスルーの恩恵を今、我々は受け続けています。
  • はにちゃいさん:  電視観望、体験したことがないので楽しみです^^
  • 460 Photo Laboratory-ふぉとらぼさん: SharpCapは、MacOS版があればなぁ
  • 迷人会こたろうさん:  キンチョーしてませんか?笑
  • kouki atuさん: ここが知りたかった 視聴して良かった。
  • やさ_もささん: モニターで見ている分には十分すぎる
  • uminotuskiさん: 銀河が顔に見えてきました
  • 智さん: リアルタイムでノイズが消えていくのを見ると感動しますね。
  • wgateええじさん:  おおー
  • シュガーあんとんさん: 敷居が下がって天体人口増える
  • Hiroshi Tさん: 電子観望楽しいですね!
  • sabotenさん: 自分が使っているのと同じレンズだあ
  • MASAさん: 昔のレンズでも今の惑星CMOSに合うアダプターはあるんでしょうか?
  • ブラックパンダさん: 了解しました!CBPのアメリカンサイズ発売します!
  • Vtuber【ゆきさき】さん: すごいかも
  • 智志さん: 電視観望無敵!
  • 小林武嗣さん: 楽しい、役に立つセミナーです。
  • Masa Schumitさん: Samさん、ありがとうございました。とてもわかりやすくワクワク感のあるお話でした。
  • Akkeyさん: ブログ拝見して電視観望始めた一人です(笑)
  • hamsoltさん: フィルター買わないと
  • サイトロンジャパンさん: M42キター!!!
  • チーズアメさん: 経緯台でもPlateSolve走るんですね
  • nagasaki ten.さん:  ででん!
  • shuji acureさん: 凄い時代だ...!
  • りっくんさん: このプレートソルブはすごい
  • 1956 nardisさん: 富山晴れて良かったですね!
  • R & Lさん: 操作が早い!!!
  • _さすらいさん_:  LIVEでLIVEスタック!
  • 1957やまちゃんさん: 臨場感100%!
  • Kiyorin Strikeさん: 薄雲が..
  • Hiroshi Tさん: 豪快な導入W
  • Aramisさん: 電線見えるの逆にリアル
  • yamanonさん: 固定でスタックが流れないのか?
  • Yuichi Kiharaさん: 調整しているところが勉強になりますね
  • galaxy_takasさん: 10ユーロお布施します。
  • 山田祥之さん: かんどー!
  • Amanogawa Ranpoさん:  おおおー
  • yyhhaabbuuさん: お疲れ様でした
  • RYO[天文楽者]さん: お疲れ様でした!!!!!
  • あぷらなーとさん: すごい!大成功!大快挙!
  • NGC6992さん: 素晴らしかったです。ありがとうございました。
  • Heeyang Keeさん: ありがとうございました
  • mm mmさん: 88888888
  • spitzchuさん: 最高に良かったです。山口さんもお疲れ様でした。
  • ゆいさん: ありがとうございました
  • 腹黒鶺鴒さん: すごかった。。勉強になりました。ありがとうございました。
  • Masaさん: 電子観望の魅力がわかりましたー
  • Natsuokkuriさん: 家族でかんどうしました
  • Taro Mineさん: 今年のCP+で一番エキサイトしたオンラインセミナーだった
(ピックアップしきれなかった方がいましたら、ごめんなさい)

あとびっくりしたのが、トーク中にCBPのアメリカンサイズが欲しいとつぶやいたら、なんとサイトロンの方で本当に発売してくれるとのコメントが。私は後からコメントを読んだのですが、まさか本当になるとは!本当にありがとうございます。これは多くのユーザーにとってもとても嬉しいことだと思います。


終わってみて

コメントを読んで、Twitterをフォローして、今回の中継は結構凄いことではなかったかと改め思ってしまいました。最大289人の視聴者だったそうです。なかなかこれだけの人に生で星空中継を見てもらうというのは、少なくとも私の中では初めてのことです。しかも心配だった天気も奇跡的に回復しました。やはり空の中継が一番盛り上がったので、天気のおかげとも言えます。

夜の10時頃からZoomで呼びかけたら何人かの方が集まってくれました。次の日は月曜なので、遅くならないように1時間程度で終わりましたが、知った人が多かったので感想なども聞け、まったりした雰囲気でした。

準備から含めて結構大変でしたが、間違いなく今回のトークを引き受けて良かったです。本当に電視観望に興味が出て、新しく始めるような人がいてくれたら、とてもうれしいです。

天リフ山口さんはじめ、成澤さん、サイトロンジャパンの皆様、CP+の運営の皆様、どうもお疲れ様でした。私自身もとても楽しむことができました。本当にありがとうございました。

そして、視聴してくれた皆様、本当にありがとうざいました。電視観望に興味を持っていただけたらとても嬉しいです。また何か機会がありましたら、よろしくお願いいたします。


見逃した方へ、もしくはもう一度見たい方へ

配信がアーカイブされています。


もしよろしければご覧ください。


このページのトップヘ