ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:レンズ > NIKKOR f35mm F1.8

週末の金曜日、昼間晴れていたので今日は撮影日かと期待したのですが、自宅に着いた頃にはうっすら雲が空一面にかかっていてぼやぼやの星が見えるのみ。明日は立山の弥陀ヶ原でスターウォッチングのお手伝いなので無理はすまいと諦めたのですが、22時頃に空を見ると一部に雲はあるものの、雲がないところはすごい透明度。ただ、月が午前1時前には出てくるようなので撮影は諦め、前回に引き続きまたお気軽電視観望と相成りました。三脚の上の自由雲台にCMOSカメラとレンズを取り付けただけの、赤道儀の経緯台もない、本当に超お手軽観望です。

ところで前回の記事ですが、完全にポカをやらかしました。NIKKORのオールドレンズはよく似たものを2本持っていて、50mm F1.435mm F1.8です。前回50mmのレンズでと書いていましたが、使っていたのは実は35mm。今回もてっきり50mmと思って使っていたのですが、片付けるときに明るい自宅に入ってやっと35mmだったと気づきました。というわけで前回の記事も書きなおしておきました。

まずは動画です。前回と違い月が出ていないので、多少光害地の自宅ですが暗い空を楽しめます。ターゲットはほぼ同じで、スバルからアンドロメダ、木の上の雲を見て、最後は北アメリカあたりです。でもやはり低空の明るさは避けられませんね。


前回と見比べると、月明かりがない分多少暗いところも炙り出せるので、アンドロメダとかはみやすくなっています。それでもあまり大きくは代わり映えしないので、やはり光害地でない暗いところで新月期に見るのが一番面白いのでしょう。それとは別に今回面白かったのが、こんな広角で見ても星雲は見えるのかということを試したことです。まずはM27です。どこにあるかわかりますでしょうか?

SharpCap上で40%の画面拡大率で普通はPCの画面いっぱいに広がるのですが、この画像は200%で表示しているので、5倍くらいに拡大していることになります。よく探すとど真ん中の少し上くらいに少し緑がかった二つつながりの亜鈴型があるのがわかると思います。まるで宝探しですね。

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もう一つは、アンドロメダはすぐにわかると思いますが、よくみるとM33も写っています。場所はアンドロメダから右下に降りていって明るい星を対称に反対側にアンドロメダを写像したくらいに位置にぼやっと光っている天体がM33です。流石に形はわかりませんが、これも宝探しみたいです。

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実際にはStellariumを立ち上げて、明るい恒星の位置を確かめながら、順に辿っていくのですが、この過程が結構ワクワクもので、見つけた時は「おおっ!」となってしまう、まるでハンター気分です。電視観望の楽しみ方の一つかも。

 

週末の金曜日、岐阜方面の山側が晴れていたので、富山ももしかしたら今日は晴れるかなと期待しながら、夕方仕事帰りに自宅近くまで来ると、雲はないはずなのになぜか一面のすごい濃霧。たまたま雲がない日になんでまたこんな霧が...と思いました。

あまりの天気の悪さに、ずっとネタ切れでブログの更新も止まっていたのですが、今回はいくつか新しいことがありました。まず夕飯を終えて自宅でのんびりしていると、この間落札した35mm f1.4のNIKKOR -NC Autoレンズが届きました。目的は主に電視観望用ですが、味のある写りらしいので普通の撮影に使っても意外に面白いかもしれません。NIKKORのオールドレンズは50mmに続きこれで2本目になります。


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NIKKOR NC Auto 35mm f1.4


この前シグマの10mm-22mm f3.5をASI294MCに使ってみたのですが、もう少し明るいものが欲し買ったのと、同じく50mm f1.4のNIKKORもASI294MCで試したのですが、これよりもう少し広角が試したかったからです。ASI294MCはセンサーサイズがフォーサーズとASI224MCより大きくなっているので、CマウントやCSマウントレンズが使えません。カメラ用の明るいレンズは焦点距離が短くなって来ると非常に高価なので、どうしても古いものになってしまいます。APS-C用のシグマの35mm f1.4も考えたのですが、フルサイズでも使えるものと思い、オークションで出ていたものを落としました。

手にれたレンズは相当昔のもので、俗にいう「アトムレンズ」、別名「放射能レンズ」「トリウムレンズ」とかいうものとのことで、かなり「黄変」といって黄色くなってしまっています。

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PCの画面を白くして撮って見ました。明らかに黄変しています。

そう思って見て見ると、以前買った50mmの方も気にしていなかったのですが、今見るとやはり黄変しています。どうせホワイトバランスは画像調整で整えるのであまり気にならないのですが、透過率が悪いのはもったいないです。紫外線で透明に戻るという情報もあるので、そのうちに試してみようと思います。あと、途中のレンズにアイリスの羽根の跡が少し残っているのが気になりましたが、撮影にはほとんど影響ないみたいです。いつか分解した時に掃除しようと思います。少し調べてみるとこのNCというのは1973-1976年に製造されたもののようで、今から40年以上前のレンズです。今では珍しいと思われる、金属製のフードがついています。

さて、レンズ到着の時に外に出てみると、霧もすっかり晴れて本当に久しぶりに星空が広がっていました。早速届いたレンズを試してみます。このレンズで試したかったことが、前回あまりうまく見えなかったバーナードループです。しかもガイドなしどころか、赤道儀も追尾もなしの、カメラ三脚にASI294MCを取り付けて、玄関先にポンと置いただけの完全固定撮影です。どこまで手を抜いて撮影ができるかです。

レンズの見え味は、まあ予想の範囲内。50mm f1.4をそのまま少し広角にしたような感じです。f1.4でフルに開放すると星像がぼやけてしまったので、一段階だけ絞ってf2にしました。これでぼやけ具合は気にならない程度です。

今回は試しなので5秒露光で100枚撮ってみました。露光8秒あたりから、拡大すると星が流れ出すのが見えるようになったのでもう少し短い時間にというのが5秒の理由です。ヒストグラムのピークをそこそこ右に持って来るために、ゲインは相当高く400/570にしています。 

一枚一枚はこんな感じです。うっすらバーナードループが見えているのと、左上にバラ星雲が薄く見えています。

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電視観望と違い、撮影になるので今回始めてSharpCap上でフラット補正とダーク補正もしてみました。フラットフレームの撮影はこんな感じになります。

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後ろの画像が撮影したフラットフレームですが、撮影時と同じパラメータで、10枚撮って平均化しています。レンズにスーパーの袋を被せたのですが、なぜか赤っぽくなってしまっています。フラット撮影時にダーク補正が必要なのかどうかよくわかりませんでしたが、今回はダーク補正はせずにフラットだけで試しました。ダークも含めて何枚くらい取る必要があるか、ゲインと露光時間はいいのですが、他にカラーバランスやガンマ、ブライトネスなど、どのパラメータが効いてくるのかもう少し検証が必要そうです。ただ、フラットはに関してはやるとやらないでは、不完全でもやったほうが周辺減光の影響は大きく軽減されることがわかりました。

固定撮影の場合、スタック処理はこれまでのSteller Imageだとずれてしまってうまくできないみたいなので、今回始めてPixinsightと戦っています。


次の記事に続く。

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