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天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 天の川

富山の街中で観望会があり、できることなら天の川を見せたくて、広角の電視観望で見せることができないか、前日に自宅で練習してみました。


天の川のための広角電視観望

富山県主催のスターウォッチングがあるのですが、今回広角電視観望を使って天の川をお客さんに見せることができないか考えてみました。前日の夜に自宅で練習してみました。

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十分な広角なので、PCの画面を見ながらの手動での導入です。

試した機材のセットアップを詳しく書いておきます。
  • 望遠鏡代わりに1970年台の古いNIKKORレンズの35mm、F1.4、これを2.0に絞って使用しました。F1.4だと明るい星にハロが出てしまうので、1段だけ絞っています。これと、後述の光害防止フィルターでハロはほぼ抑えることができました。
  • カメラは広角狙いでASI294MCです。気軽に操作したいので冷却とかは無しです。ホットピクセルについてはSharpCapの「ダーク補正」の「Hot Pixel Removal Only」を選び、簡易補正で済ませます。
  • フィルターはQBP IIIを使用しました。天の川なので色再現はあまり意味がないですが、それでも色バランスが多少難しくなるQBP IIIで、天の川っぽい色にすることは十分に可能なようです。
  • 三脚は普通のカメラ三脚に自由雲台です。広角なので完全マニュアル導入。自動追尾も無しです。

結果としては下の画像のように天の川を十分に見ることができました。6.4秒露光で、ライブスタックで17枚加算。総露光は2分弱の109秒。この程度で天の川の形まではっきりとわかります。

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小さいですが、M8、M20、M17、M16などの星雲もハッキリと見えています。星雲でなく、普通の雲の流れも見えているので、多少雲があってもなんとかなりそうです。

ポイントは、これくらいの広角でもSharpCapのライブスタックが余裕で機能し、時間を追うごとに天の川がはっきりくっきり出てくるところです。ただし、それらしく見せるのは少しコツが必要そうです。メモ程度ですが書いておきます。
  • カラーバランスはオートだと少し赤が強過ぎたり、青が弱すぎたりします。ライブスタック時の右側のカラーバーで微調整するといいでしょう。
  • 明るさもかなり微調整が必要かと思います。特にオートストレッチの効きをよくするために、β版のSharpCap、バージョン4.1.10931を使い、「背景減算」を一番下の「低周波」か、一つ上の「非線形勾配除去」を使います。これで画面がフラット化されます。その上でライブスタック上でオートストレッチを使うとより淡い光量の差をあぶり出すことができます。それでもさらに微調整が必要で、少しだけ左2本の線の間隔を広げて、最後右パネルのヒストグラムで見た目でいいくらいに仕上げます。

上の通り、街の中心からは少し離れている自宅では天の川を余裕で出すことが出来ました。ちなみに、自宅がある場所では年数回透明度のすごくいい日に天の川が薄っすら見えることがあるくらいです。でもこの日はカスリもしないくらい、目では天の川は全く見えることはありませんでした。

ついでにもう一枚、屋根の横の北アメリカ星雲です。35mmの広角ならではで、自宅と星雲が同時に見え、リアルタイム観望感が味わえます、こういったのも電視観望の楽しみ方の一つかと思います。

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まとめ

広角電視観望で天の川を見ることを試してみました。画面にはっきり出すのは少しコツが必要そうですが、十分に見ることができるくらいにはなります。機材や設定値は一例ですが、まだいろんなパラメータを試すことができそうです。

さて自宅ではうまく出ましたが、これが市の中心街にかなり近い環水公園でどこまで見えるのか?それとも全く見えないのか?結果が楽しみです。

ペルセウス座流星群を撮るついでに、星景写真と星野写真も撮影しました。と言っても星野の方は流星が映らなかったものを流用です。

今回試したのは、三脚固定固定のカメラで撮影した天の川を何枚かスタックすることです。当然周辺では歪むので、それが回転していくと合わせようとしても星がずれてくるのですが、それをPixInsightのStarAlignmentで位置合したらどうなるのかというものです。


銀河中心部

まずは南側の銀河中心部を縦構図で。30秒露光で6枚です。下処理として、Lightroomでレンズの補正をします。周辺減光と歪みです。Lightroomの同期機能を使い6枚全てに同じ補正をかけ、全てtifで書き出します。それをPixInsightで読み込み、StarAlignmentで位置合わせをします。何か特別な設定をするわけでもなく、デフォルト設定です。後はImageIntegrationで重ね合わせます。

「夏の天の川2020」
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  • 撮影日: 2020年8月14日23時38分-23時42分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造)
  • レンズ: Samyang 14mm F2.8
  • 撮影: ISO3200、露光時間30秒x6枚=180秒 
  • 画像処理: Photoshop CC、PixInsight
出来上がった画像を見てみると、特におかしなずれもなくまあいいのではないでしょうか。普通に合わせるだけだと、四隅で大きなズレが出るはずですが、それが出ないのは星の位置を認識して、画面を歪ませて参照画像に合わせているからです。手前の木も風て揺れているので、重ね合わせてもそれほど遜色はありません。

これまで30秒露光の一発撮りだったので、それに比べるとノイズが少なくなっています。光害の少ない場所というのもあるので、そもそもコントラスト良く天の川が出るというのもあると思います。ここの場所、意外に暗いようでずいぶん昔に購入したiPhoneのDark Sky Meterで測定してみると、南の空は21以上が余裕で出ます。

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何度か測って同じような値が出るので再現性はありそうですが、さすがにこの画像のように21台後半はよく出過ぎてる気もします。天の川が大きく2つに分かれているところくらいは見えますが、構造がそこまではっきり見えるわけでもありません。SQM表の天の川の見方と比較すると20台後半からせいぜい21くらいまでかと思います。さらに北は富山の街明かりで明るいので、天頂から南にかけてがそこそこ環境よく撮影できるのではないかと思います。まあ、車で20分ちょっとのところなので、行きやすさを考えたら貴重な場所だと思います。

ちなみに、ステライメージで位置合わせとスタックをしてみると

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のように特に隅の方でのズレが顕著になってしまいます。あぶり出しはしていないので、撮って出しに近いと思ってください。ステライメージは平行移動と回転だけで位置合わせをしているからです。拡大縮小はしているのでしょうか?いずれにせよ星を認識して画面を歪ませるようなことまではしていないです。また、回転でズレていく左端のところは黒い筋になっています。


北の天の川

続いて北から伸びる天の川です。時間的にはこちらの方を先に写しています。ようするにペルセウス座流星群を撮ろうとして全然撮れなかったのものの使い回しです。地面が入っていないので星野写真と呼ばれる分野になるのかと思います。

設定は上の星景写真とほぼ同様ですが、10枚を重ねているのと、地面が入っていないのでPixInsightのABEでカブリを取り除いています。

「北の天の川」
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  • 撮影日: 2020年8月14日22時41分-22時46分
  • 撮影場所: 富山県富山市
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造)
  • レンズ: Samyang 14mm F2.8
  • 撮影: ISO3200、露光時間30秒x10枚=300秒 
  • 画像処理: Photoshop CC、PixInsight
流石に10枚も重ねると、天の川部分も無理なく相当綺麗に出てきます。もうアンドロメダも登ってきてますね。左下に見える明るい星が北極星になります。上が天頂あたりになりますでしょうか。

星景写真同様、四隅におかしな流れもありません。ここら辺まで綺麗に撮れるようになってくると、もう少し良いレンズが欲しくなってきます。SIGMA artいいなぁ、でも結構するからなぁ...。

ちなみにこちらもステライメージ 8で位置合わせして重ねると
SI8

のように、四隅で大きくずれることがわかります。

拡大して四隅を比較してみます。
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左がPixInsight、右がステライメージ 8です。それぞれの画像が30秒露光なので、その間の回転成分はPixInsightでも出てしまいます。さらに、10枚を重ねたときの補正し切れない回転成分がステライメージ の方では出てしまっています。

断っておきますが、これはステライメージが劣っているなどと言いたいのでは決してなく、PixInsightとはアルゴリズムが違うということを示したいだけです。ステライメージの手軽さ、初心者への優しさ、日本語で無理なく画像処理を進められることは素晴らしいことです。今回は、三脚での固定撮影で写して重ね合わせるという(ちょっと手を抜いた)特殊なことをやっているために差が出たに過ぎません。普通に赤道儀で撮影してスタックする分には、もちろんステライメージで十分な精度で位置合わせができることは言うまでもありません。

まだたくさん同画角の写真はあるので、何枚重ねられるか試してみるのも面白いかもしれません。


まとめ

今回の結果を見ると、赤道儀などを用いなくても、三脚に置いた固定撮影だけで重ね合わせても、「PixInsightならば」うまく位置合わせができるようです。これはかなり手軽なので、これからもこの方法を進めていこうと思います。

もう少し進めると、AZ-GTiなどの経緯台で撮影して回転が存在したとしても、PixInsightだとうまく位置合わせができる可能性があるということにつながります。以前、EVOSTAR72EDとAZ-GTiを使って撮影した時は、SharpCapのアラインメント機能を使って重ね合わせましたが、



経緯台で、きちんと個別に撮影して、PixInsightで位置合わせをするのも面白いかもしれません。片ずれ問題の件もあるので、うまくいくかどうかは試してみないとわかりませんが。

もともと上の記事は初心者向けに簡単にという意図で書いたのですが、PixInsightを使うようになってくるともうさすがに初心者に向けてとかは口が裂けてもいえません。


もう十日ほど前のことになりますが、とても透明度のいい日がありました。大雨の後でした。撮影だけして処理する時間が取れなかったのですが、やっと記事にまですることができました。


自宅での天の川撮影

梅雨時なのであまりはっきり晴れることはないのですが、夜に自宅の外に出てみると天頂部だけぽかっと穴が開いたように晴れていて、周りが雲に覆われて街の光が遮られているせいか、そこだけ物凄い数の星が見えました。 昼間、庭から立山がきれいに見えていたので、相当透明度がいいのかと思いました。ものの5分もするとその天頂部も雲に覆われてしまい、カメラに収めることはできなかったのですが、その後しばらくして、夜中近くにまた外に出ると、結構晴れていてしかも天の川も見えています。自宅から天の川が見えるのは珍しいので、何枚か南方向を写してみました。その中の一枚です。

「透明度のいい日の自宅からの天の川」
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  • 撮影日: 2020年6月16日23時36分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • カメラ:  Canon EOS 6D (HKIR改造)
  • レンズ: Samyang 14mm F2.8
  • 撮影: ISO1600, 露光時間20秒 
  • 画像処理: Photoshop CC
雲が残っていたので、少し硬めにあまり色を出さずに仕上げてみました。透明度がいいと自宅からでもこれくらい撮ることができます。次の日は朝から仕事なので、これくらいで無理をせずにこの日は寝てしまいました。


ホタルと天の川、再び

次の日もう一枚。昨日より少し透明度は落ちていましたが、まだいつもよりはマシそうだったので、少し早い時間に前回ホタルを撮影した場所まで行き、再び天の川と合わせて撮影してみました。時期的にはホタルは多分ギリギリでしょう。

前回から1週間ほど過ぎているため、やはりホタルの数はだいぶ減っていましたが、それでも前より少しだけ早い時間だったせいかまだ少し飛んでいます。天の川はというと、時間が早くて低いにもかかわらず、モニターでも少し見えるくらいだったので、前回よりは透明度は良かったのかと思います。

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  • 富山県射水市, 2020年6月17日21時9分から21時11分
  • Canon EOS 60D(ISO3200), 露出20秒
  • Samyang 14mm F2.8
  • ホタル: 露出20秒 x 6枚をPixInsightで比較明合成
  • 星: 6枚をPixInsightとPhotoshopで処理

今回も20秒露光ですが、使ったのは6枚だけで、その6枚でホタルを比較明合成、天の川を同じ6枚でスタックしてみました。天の川は前回より少しマシになっていますが、やはり梅雨時で雲が残っていてスタックで流れてしまっています。


梅雨

梅雨時なのでなかなか晴れませんが、また雨の後には今回のように透明度のいいチャンスがあるかもしれません。

これまでいくつか撮影したものも溜まっています。せっかくの梅雨時なので時間を見つけて、随時処理して記事にしていきたいと思います。

 

富山もホタルシーズンになりました。昨年は雨が多くて結局撮影には行けなかったので、2年ぶりの撮影になります。


天の川とホタルを一緒に撮るぞ!

今年の狙いはなんとしても天の川とホタルを一緒に収めること。一昨年も一応天気の良い日を狙って天の川も撮影しましたが、動画が主役で天の川は申し訳程度の物でした。

今年の6月はじめ、地元でホタルが出始めたとのニュースを聞いたのが満月の少し前です。満月前では天の川が出る時間にもう月が出てしまっているので、天の川と一緒に撮ろうと思ったら少なくとも満月を過ぎるまで待たなければいけません。

満月を過ぎ、月の出が22時半ころになる6月9日、ギリギリ天の川も月が出る前にそこそこ上まで登ってきます。次の日から雨の予報なので、おそらく梅雨前の最後の晴れです。多分この日が今年唯一のチャンスでしょう。 


いつものホタルポイントに到着

ホタルが舞う最盛の時間は20時頃。でもこれだと天の川には早すぎるので、仮眠をとっておいて21時過ぎに自宅を出ます。21時半過ぎには現場に到着。車を公民館の駐車場にとめ5分ほど歩きます。駐車場にはまだ車がたくさんありましたが、もう見学が終わって帰ってくる人がほとんどでした。

ちょうどこの時間から見にくご家族がいて、道がわからないというので一緒に歩いていきました。途中で「星とホタルを撮るんですよ」とか「織り姫、ひこ星あそこですよ」とか、星のことを話しながら現場まで行きました。ホタルスポットは何箇所かあるのですが、いつも行くところには時間外れのせいでしょう、もう誰もいません。それでもじっとしているホタルはそこそこいて、何匹かは空を飛んでいます。撮影の準備をしていると、その家族も「頑張ってください」と声をかけてくれて、帰ってしまいました。それからは誰も来なくて、ずっと私一人だけでした。


実際の撮影の様子

問題はこの日の透明度の悪さです。自宅を出るときに北極星が見えなかったのである程度覚悟はしていましたが、現場についても夏の大三角に毛が生えたくらいしか見えません。もともとあまり暗いところではないのですが、さすがにこの日は天の川はちょっと厳しそうです。南の方がまだ少し暗いのですが、それでもさそり座もアンタレスと3つの星がかろうじて見える程度で、天の川の撮影としては相当厳しい状況です。

試しに撮影してみましたが、撮って出しだとこれくらいです。

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現場でモニターで見るくらいだと、天の川は全く写っていません。それでも何枚か重ねれば少しは出るだろうと撮影を始めました。6DでSAMYANGの16mm F2.8で20秒露光、ISO1600で枚数を稼ぎました。よく似た構図で2箇所で撮ったのですが、使えそうなのは一昨年とほぼ同じ構図のものだけでした。

撮影してたらカメラ背面の下の方に緑のライトが点滅してます。「あれ?こんなところにLEDなんてあったかな?」と思ったら、小さなお客さんでした。

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この後もこの子、撮影が終わりに近づくくらいまでずっと同じところにとまっていました。暗い中で見ているとカメラに特別な機器でもつけたような、なんか得した気分で撮影していました。


画像処理、天の川は写っているか?

自宅に帰って実際に撮影した画像を見てみると、それなりに炙り出せばおぼろげですが天の川が少しだけ見えます。少しやる気になって画像処理を進めてみました。

この時期の天の川が登ってくる時間は、そもそもホタルの数が少ないので、84枚、トータル28分の長時間撮影した画像を比較明合成して見栄えを良くしています。比較明合成をするソフトはWindowsだとSiriusComp、MacだとStarStaxなど、いくつも便利なソフトがありますが、今回はPixInsightを使ってみました。ImageIntegrationで「Combination」のところを「Maximum」にすれば比較明合成ができるようです。

ホタル部分はこれでいいのですが、天の川部分は苦労しました。20秒画像一枚ではあまりに淡くノイジーです。スタックを試みたのですが、今回赤道儀は使わなかったので時間と共に星の相対位置がレンズの歪みでずれてしまい、なかなかうまくスタックできません。

まずSequatorを試しましたが、歪みの補正まではしてくれないようで、スタックすると端の星が線になってしまい、早々に諦めました。

PixInsightのStarAlignmentは歪みも含めて星の位置を合わせてくれますが、これでさえも最初は全くうまくいかず、ほぼ全てのパラメータを触ることになってしまいました。そもそもまず、景色部分が多いと景色の方が位置合わせされてしまいます。そのため、星が写っている部分を切り抜いて、それを参照画像にして位置合わせをします。これでとりあえず星で合わせようとはしてくれますが、それでも端の方は相当ずれます。

結局一番効いたところが「Star Matching」の「Compute Intersections」をオフにすることでした。他にもRANSACのInteractionの数を増やすのも多少効きましたが、あとはほとんどデフォルト設定でそこそこ星像が一致するようになりました。デフォルト以外にすると劇的に悪くなるパラメータもあったので注意が必要です。それでも端のほうは完全には位置合わせをすることができず、1枚、4枚スタック、8枚スタックの画像を比べ、位置ズレとノイズ減少のバランスがなんとか許容範囲の4枚スタックを採用することにしました。

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あと、今回ダーク、フラットは補正していません。ただし淡い天の川なので相当炙り出しているために、ホットピクセルがかなり目立って線を引きます。そのためダーク補正代わりにPxiInsightのCosmeticCorrectionで取り除いています。これで目立たない範囲まで落とせます。またフラット補正代わりに、DBEで周辺減光とカブリを取り除いています。こうしないととてもではないですが、天の川は見えてきません。

もしかしたら一昨年の画像もPIで処理するともっとまともな画像になるのかもしれません。その当時はPIもまだ使えてなかったし、DBEのような強力なフラットツールも使えなかったので、あぶり出しにも限界があったのだと思います。


出来上がり画像

蛍の比較合成画像と、天の川の写った星の画像を合わせるのも大変でした。こういったトータル撮影時間の違う画像を合わせるのは新星景と呼ばれる分野になるのでしょうか。ただ、今回は地上の方が遥かに長い時間になっています。

ホタルも天の川も同じ時間に撮っているので嘘は何もないのですが、ホタルと天の川の撮影枚数が全然違うので、これはどちらかというとやはり合成写真の部類になってしまうと処理をしながら思いました。

それでも見栄えだけは良くしようと努力しましたが、そもそも地上と天の川では炙り出しの度合いがとてつもなく違います。境界の部分がなかなか自然っぽくなりません。結構な時間を費やしましたが、今回はこのくらいが限界です。

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  • 富山県射水市, 2020年6月9日22時3分から22時36分
  • Canon EOS 60D(ISO3200), 露出20秒
  • Samyang 14mm F2.8
  • ホタル: 露出20秒 x 84枚をPixInsightで比較明合成
  • 星: 4枚をPixInsightとPhotoshopで処理

どうでしょうか?少なくとも一昨年よりは天の川は出ています。それでもまだノイジーですね。ホタルの数は一昨年の方が全然多いです。数はいるので、もっと乱舞している時間に撮影したいのですが、これもまた天の川と合わせると無い物ねだりです。

ホタルの飛ぶ時間、天の川の上る時間、月がない時、梅雨時期にもかかわらず天気がいい日、透明度がいい日と、条件がとてつもなく厳しいです。今回は透明度以外は条件は揃いましたがそれも本当に1日限りのチャンスでした。来年以降さらなるいい日を求めて、続けたいと思います。


おまけ

おまけで撮って出しJPEGをStarStaXで比較明合成だけした物をいくつかです。

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久しぶりに少しだけ外に出て撮影しました。といっても、通勤途中の道から5分ほど山側に行っただけの場所で、自宅からも20分くらいと、遠征というには近すぎで近征といった方がいいかもしれません。

「田んぼに映る天の川」
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  • 撮影地: 富山県富山市, 2020年5月14日0時36分
  • EOS 6D(HKIR改造, ISO6400, RAW), 露出30秒、固定撮影
  • SAMYANG 14mm, F2.8  ED AS IF UMC
  • PhotoShop CC等で画像処理 
山あいの田んぼと天の川で、一枚撮りです。一年のほんの短い期間にだけ撮れる、田んぼに映る天の川で、2年前から狙っていてなかなか実現できなかったショットです。最低限、反射した天の川の色は出たので一応満足です。

撮影日の前日までは月が出ていて天の川は厳しく、撮影日の次の日から雨、とギリギリで選んだ一日でした。事実、天の川の上のを待って撮影開始で、撮影できたのはほんの少しの時間でした。天の川が上にあがり切る前に月が出かってきて、山の際が明るくなってきて終了です。正味40分くらいでしょうか。

惜しむらくは、鉄塔と電線が天の川にかかってしまったところでしょうか。撮影している最中は暗くて全然気がつきませんでした。画像処理の段階で「あーっ!」と。

水が流れていて水面が完全に落ち着いていないので、反射させてもイマイチ明瞭になりません。また、田んぼの反射は暗く、ISO6400としましたが、それでもまだ足りないかもしれません。このレンズではここら辺が限界なのかもしれません。もう1-2段明るレンズが欲しくなりそうですが、これはまたいつか。

画像処理をして出てきた反省材料をもとに、できるならもう一度撮影に行きたいですが、天気がしばらく悪そうなので、苗が伸びてしまうでしょう。一年にほんの何日かのチャンスでした。

珍しく朝目が覚めて天の川撮影。でも起きるのが10分遅かったです。薄明が始まってしまっていました。


朝目が覚めると

昨日の観望会
の記事を書き終え寝てしまったのですが、明け方目が覚めてふと外を見るとすごい星。窓越しなので普段あまり星は見えないのですが、この日は「あれ、星ってこんなに明るかった?」というくらい綺麗でした。そういえば昨日の夕方立山がものすごく綺麗だったことを思い出し、パッと撮影に行くことにしました。ただ時間が薄明までギリギリ、一瞬で着替えと用意をして車を出します。場所は少し走った田んぼの中の山が見渡せる所。午前4時51分に目が覚めて、ファイルの時刻を見たら14分後の午前5時5分には撮影を開始していました。でも多分10分遅かったです。わずかですが薄明が始まってしまっていました。撮影している最中もどんどん明るくなってきます。

本当は東向きの立山方面を狙いたかったのですが、結局少し南向きのまだ暗い部分がちょうど天の川中心となり、なんとか炙り出せるくらいの暗さを保っていました。その結果がこれです。

「薄明時の天の川」
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撮影地: 富山県富山市上大久保, 2019年3月17日5時7分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, JPG), 露出15秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F4/2.8  IF ED UMC
Lightroom、PhotoShop CCで画像処理 

最近星景写真の処理はLightroomが多いです。刻一刻と明るさが変わるので、1枚どりです。薄明と天の川を両立するのは結構大変でした。本当にあともう少し早く起きればよかった。

ついでに薄明を少しだけ撮りました。上の写真からわずか15分後ですが、すっかり明るくなっています。

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エピローグ


かなり寒くて、大した防寒もしていなかったので我慢できなくなってきてそのままとんぼ返り、眠れなくてしばらく画像処理をしてたのですが、やっぱり途中から眠たくなって朝8時頃からまた寝てしまいました。次に起きたら11時。

寝てる間にAさんから電話がかかっていたみたいで、起きてご飯を食べている間にまた電話がかかってきました。アパートが決まって富山にお引越しだそうです。でも聞いたら昨日から伊豆でオフ会。そのまま荷物を持って富山まで移動。相変わらず足の軽い方ですが、引越し当日まで遠征なんて、天文マニアはやっぱり変な人が多いですね。

 

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