ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:イベント > 遠征

星友のかんたろうさんに誘われて、2023年1月21日(土)に開田高原まで遠征しました。私は普段あまり遠征はしないので、ここも初めての場所になります。楽しかったですが、とにかく寒かったです。


お誘いが

年末の周参見遠征の後、年が明けてからかんたろうさんから電話が。「21日どうしますか?」と。そういえば確かに観望会すると言っていました。場所を聞くと木曽の方だと言うので「雪が問題なければ参加します。」とお伝えしていました。日にちが近づいてきましたが、どうやら天気は晴れそうです。平日はいそがしいので、当日の土曜の朝に準備です。

せっかくの暗い場所なので撮影を前提とします。この日の装備はSCA260と、眼視用にTSA120、電視観望用に周参見でも披露したFMA135+ACUTERマウントです。あと、星座ビノの見比べをしたいとリクエストがあったので、星座ビノが大量に入っているケースを忘れないように車に積み込みます。寒波が来るかもしれないとのことなので、防寒対策はしっかりしておきます。

あと、手持ちのコンパクトWiFiルーターが壊れてしまったので、そこらへんにあったルーターで設定を終えておきます。StickPCなのでWiFiに固定アドレスで接続できないと、外部モニターを取り付けたりとかで、外では設定が辛いのです。


出発

自宅を出たのは昼の12時位でしょうか。朝食も昼食も食べる暇がなかったので、コンビニの座席で炒飯弁当を食べていきました。この時に念のために3切れ入りのサンドイッチとおにぎり一つ、おやつのシュークリームを買っていきました。実はこれがナイス判断で、高山市を超えて何か買おうと思っていたら、山の中の道50km以上現地までコンビニが一軒もなく、夕食とか買えそうなところがありませんでした。結局このコンビニで買った予備食が夕食と夜食になってしまいました。

途中の道は雪のところも多く、結構怖かったです。特に最後の山越えのところはずっと雪でした。そこまでは結構雲があったのですが、山を越えた途端に青空が晴れ渡っていました。現地には15時半頃に着いたでしょうか。東屋のような屋根付きで座ることができる場所もある駐車場です。周りに電灯とかはないとのことで、しかも全方向低空まで開けていて、かなり理想的な場所です。車で5分くらいの所に、冬でもありがたい暖房付きのトイレもあります。


現地到着

到着した時にはかんたろうさんと、県天のKさんがすでにいました。Kさんは以前自宅にもきて頂いた方で、どうやらかんたろうさんを師匠としているみたいです。二人ともすでに鏡筒を出していました。かんたろうさんは45cmドブを筆頭に、5−6台用意しているそうです。KさんはFSQ85をSX2に載せています。Kさんの赤道儀、以前牛岳でかんたろうさんと一緒に見た時に結構揺れがあったのですが、今回三脚が下からプレートで持ち上げるタイプのものに変わっていて、相当頑丈になっていました。でも三脚の足を結構伸ばしていたのと、ハーフピラーがまだ揺れの原因になると、かんたろうさんに指摘されてました。

私も準備を始めます。SCA260+CGX-L+ASI294MM ProとTSA120+CGEM IIを出した後、星座ビノを8個位用意しておきました。

中1のMちゃん親子も到着。流石に徹夜は厳しいというので、近くに宿を撮ったとのことです。素泊まりチェックインさえしておけばいつ宿に帰ってもよく、24時間入浴可能とのこと。星屋さんにとってはこういう宿はありがたいですね。


トラブルが

ちょっと暗くなってきて、赤道儀の極軸合わせをします。その途中、メンバーが来る途中で車が溝にハマったとの緊急連絡が。みんなで車を持ち上げたら外れるかもということで、何人かで現場に向かいます。私の車もかんたろうさんの車も機材いっぱいで人が乗る余地がないので、Mちゃんのお母様の車で向かいます。

少し迷いながら、結局歩いていけるくらいの近い距離だとわかり、現場に到着。持ち上げようとしましたが、重すぎて無理だと判断し、ちょうど事前に呼んでいたJAFの方がきてくれたのでおまかせすることに。

この撮影場所ですが、国道からおみやげ屋経由で入る経路のはいいのですが、Googleマップに従うと反対側の細い道から案内されるらしく、しかも上り坂で雪のためにスリップしてしまったとのことです。もしこの場所に初めて来られる方は、くれぐれも気をつけてください。国道沿いのおみやげ屋から奥に入るのがコツです。ちなみにスリップした方は同じ富山の方で、普段雪道に慣れている富山勢でも厳しい坂道なので、おかしいと思ったら素直に引き返す方がいいです。

さすがJAFの方、手際よく車を引き上げて、無事に脱出することができました。その際、車で道を塞いでしまっていて、たまたまそこでストップしていた名古屋からきていた方たちと待っている間色々話しました。なんでもカメラで生計を立てている方で、ここら辺にもよく撮影に来るそうです。星が専門というわけではないですが、この日は夜空を撮りにきたとのこと。撮影場所を探していたらしいのですが、結局我々と同じ場所でご一緒することになり、結局朝までいることになってしまったようです。夜も望遠鏡を見ていたのですが、明け方に明るくなってから改めて望遠鏡をじっくり観察されていました。


撮影開始

事故処理の後は現場に戻り、撮影の準備の続きです。今回のターゲットはM81です。実は、去年の春に自宅でM81とM82を別々に撮影しモザイクと思っていたのがあるのですが、画像処理の間にどうにも気に入らなくていつかやろうと思いながらお蔵入りになっていました。その時の画像です。
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10分x22枚で合計3時間40分のL画像になりますが、強度に炙り出すと埃のリングが何箇所かに残っているのと、強度に炙り出しても背景の薄いモクモクがどうしてもでなかったものです。ABEとかDBEとか駆使してもせいぜいこれくらいです。

ちなみにこちらが今回撮影したL画像です。
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5分x29枚で合計2時間25分のL画像で撮影時間は全然短いのですが、背景のモクモクは遥かに出ているがわかるかと思います。こちらはまだABEとかかける前です。さすが開田高原の暗い空です。

最近思うのは、自宅だとそこそこかなりの淡い所(例えばまゆ星雲とか、ゴースト星雲とか)までは出るのですが、本当に最淡の所はかなり時間をかけてもほとんど出てこないことがわかってきました。例えばゴースト星雲の手の下のヒレとかです。光害地なので、ある意味当たり前かもしれませんが、どこまで出るか挑戦している最中で、だんだん限界が見えてきたような所です。明るい天体は自宅でもいいのですが、本当に暗い天体はやはり遠征でとか、うまく切り分けていくのがいいと思うようになってきました。

開田高原の暗さについてです。iPhoneアプリのDark Sky Meterで測定すると、20.65とか20.91とかでそこまで暗いわけではないようです。実際、東は伊那市の明るさ、南西は名古屋の明るさがわかります。南北と天頂は暗くて、この日は冬の天の川もちょうど南北にはまるようにきれいに見えていました。ここによく来る地元の方によると「最近は明るいことも多く、この日もそこそこ明るい」とのこと。「長期的に明るくなっているのか、季節的なものなのか、たまたまなのかわからないが、今シーズンは明るい。」とのことです。それでもこの日は透明度が良かったのでしょう。ものすごい星の数でした。電話で妻が富山も星が綺麗と言っていたので、かなり広い範囲で透明度が良かったのかもしれません。


寒い、寒い、寒い

この日は寒さも広範囲で厳しかったようで、とにかく開田高原も寒い寒い。温度計は−15℃とかいう声も聞こえていました。実は富山はよっぽど寒くても-4~5℃なので、北陸勢は全員参っていました。かんたろうさんによると、今回は冬で星が見えない富山勢のための観望会で、金沢からはあんとんシュガーさんも来ていました。

私も確かにこれくらい寒いところに行ったことはあります。でもごく短時間で、一晩中この気温で外に出ていたというのは初めてでした。分厚い靴下を履いてカイロを靴の中に入れ、電熱線付きのチョッキを着て、ズボンは3枚で一番外はスキーウェアみたいなやつです。それでも耐えられないくらい寒かったです。

途中Twitterでやりとりしていると、どうも智さんが開田高原に来ていて近くにいるみたいです。せっかくなので電話で話すと、歩いてこれるくらいの距離のところで撮影しているとのこと。撮影も落ち着いているというので、遊びに来てくれました。智さんは撮影はほとんどいつも開田高原ということで、寒さについてもよく知っていました。明け方に向けてまだまだ寒くなるとか。そういえば昔、Zoomで智さんとあんとんシュガーさんと一緒に話したことがあります。今回初顔合わせとなり、お互い挨拶していました。多分これは有名遠征地ならではの光景なんですね。

0時半頃にはMちゃんが寒さと眠気でギブアップ。Mちゃん、この日はポルタを持ってきていて自分で見ていたのですが、そのうち霜が降りてきて、レンズも曇りだし、冬の天体観測の厳しさの洗礼を受けたようです。冬にはヒーターが必要なことを学んだと思います。

夜中を過ぎると自分の機材も霜がひどくなってきました。
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寒さによる今回のトラブルのまとめです。
  • M1 Macbook Proのファンが「フォー」っとすごい音を出して周りだし、しばらくして落ちました。温度間違えて認識している感じでした。
  • その一方、Surface 8Proが寒さに負けず動いていました。それでもバッテリーは満タンのはずなのに15%とか出て、なぜか全然減っていかないというミステリーでした。
  • 新規で使い始めたLifePO4バッテリーが最初から低温警告が出て動かず。
  • 鉛バッテリーは夏なら平気で一晩持つはずですが、早々とへたりました。
  • 赤道儀は最初モーターが動かず。
バッテリーは車の中で温めたら復活、モーターは何度か電源入れ直してなんとか動きました。ここまで冷えることがあるとすると、機材も少し考え直す必要がありそうです。でもまあ、機材の前に体の方が参りそうで、やっぱり自宅ぬくぬく作戦の方が楽でいいです。

あまりの寒さで、当初は電視観望を披露したり、明け方近くにZTF彗星を撮影することも考えていましたが、もうすっかり萎えてしまって、途中から車の中に閉じ込もっていました。

かんたろうさんは寒さに全く負けることなく、手袋もせずにドブで皆さんに案内していました。私も色々見せてもらいました。M42はやはりトラペジウム周りが周参見の時と同じように青とか青紫に見えます。トール兜星雲、M51子持ち星雲なども迫力がありました。4時半頃に車で寝ているところをたたき起こされてケンタウルス座アルファを見させられました。「寝てるんじゃない」ということらしいです(笑)。かなり淡くて、なんとか認識はできましたが、かんたろうさんは見えると言っていた暗黒帯どうしてもわかりませんでした。それに比べると、さそり座がもう上がってきていて、M4ははっきりと見えました。

だんだん曇ってきたみたいで、明らかに見える星の数が減っています。もう薄明が始まりそうな午前5時20分、私もここで撮影を止めにしました。あまりに霜がひどいので、片付けるのは明るくなってからにして、今一度仮眠をとります。


朝 

朝、7時20分頃に起きたでしょうか。機材はこんな感じです。
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さて片付けです。できるだけ霜を落として車の中に詰め込みますが、家に帰ったら全部陰干しする必要がありそうです。8時半頃でしょうか、全て機材を車に積み込み、開田高原を後にします。他のメンバーはこの後木曽シュミットの見学に行くそうです。私は昼に用事があるので、この日は退散です。

帰る時に撮影場所から見た御岳山がとてもきれいでした。
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朝は日の出を撮影しにきている人が多くいました。
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私もiPhoneで1枚パシャリ。
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帰り道のガスト

帰り道、スリップなどはなかったですが、これを真っ暗な夜に走るのはちょっと怖いです。

15分頃走ったところで、Mちゃん親子が泊まっている「日の出旅館」を認識しました。ちょっと距離はありますが、次回はここで宿を取るのもいいのかもしれません。

仮眠を取ったので途中眠くはなかったですが、夕食がサンドイッチとおにぎり一個、夜食がシュークリーム一個だけだったので、ドライブ中お腹が空いていました。最初のコンビニで何か買おうと思っていましたが、高山近くになってやっとコンビニが見えたので、あと少し我慢して街中の店を探しました。まだ10時前であまり空いているレストランはなかったのですが、ガストがモーニングをやっていました。

ガストのモーニングかなりいいですね。いつも行くコメダ珈琲と比べてしまいますが、ドリンクバーは飲み放題だし、コメダのパンと茹で卵だけよりももっとしっかりした食事がよく似た値段で食べることができます。この日は和食のモーニングにして、さらに10時半のランチメニューになってからから好しの唐揚げを追加で頼んでしまったので少し割高になってしまいましたが、長居もできそうなのでモーニングだけの勝負ならガストの方がいいかもしれません。


自分にお疲れ様

その後、安全運転で12時半頃に自宅に到着。すぐに機材を陰干しにし、少し用事を済ましてからは昼寝です。やはり寝不足で、ぐっすり眠れました。最近徹夜は辛いです。起きたら夕方で、ほとんど日曜は潰れてしまいました。寒かったのもあるのですが遠征はかなり体力を使います。遠征の時はやはりせっかくの暗い空を生かした撮影を目指すのがいいと改めて思いました。

自宅に着いた時、妻が富山も昨日から寒くて、昼になっても全然部屋が暖まらないとか不満を言っていましたが、長野の寒さに比べたらもう全然で、実は富山は寒くないんだということを思ってしまいました。遠征はできれば冬よりは暖かい季節のほうがよさそうです。

M81の画像処理を終えたら、また記事にします。


昨日ブログを書き終えて、アンテナ銀河の画像をチェックしていたら、思ったより使える枚数が少ないことがわかりました。「行かずに後悔するより、行って後悔した方がいい」と謎の決断をし、そのまま再び牛岳へ。


2日連続で牛岳へGO

ゴールデンウィークも終わりに近づいてきました。星だけに集中しているわけにはいかず、他にやるべきことが山ほど残っているのですが、これだけ好条件の長期休暇も珍しく、ここを逃したらアンテナ銀河の仕上がりに大きく違いが出るはずと思い、この日も18時過ぎに牛岳に向かって車を走らせます。出発時に妻がお昼寝していたので、起こさずにこっそり出かけます。そのため夕食はファミマの冷やしうどん。牛肉が乗ってるちょっと贅沢な方です。あと、お約束のおやつも買い込みます。

19時には現地に到着。流石に3連休の最終日です。星関係の人はほとんど誰もきていません。一般の人の車が数台あるくらいでした。なので昨晩の南の視界が建物で遮られる頂上ではなく、少しだけ下った南が全面開けている少し坂になっているところを陣取りました。牛岳もガチの撮影組は大抵この場所です。私はこれまで牛岳ではあまり真面目に撮影したことがなかったので、ここは初めてになります。


セットアップと撮影

設置している最中に、県天のK会長が車でやってきました。30分くらいでしょうか、少し話して、他の場所へ移って行きました。結局この日は天文勢は会長のみでした。

準備中の写真です。多分疲れてたんですね。写真ほとんど撮ってなくて、貴重な一枚です。
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日に日に月が明るくなってきてますが、アンテナ銀河は方向が違うので、まだこの程度なら許容範囲です。準備は20時頃には完了したので、子午線通過前に何枚か撮りたかったのですが、10分露光だと何故か相変わらず「子午線通過前だけ」星が流れてしまいます。これはかなり再現性があり、子午線を通過して赤道儀を反転させると流れは無くなります。子午線通過前後は鏡筒とウェイトが水平近くなり、たわみの効果などは最大になるのは理解できるのですが、これだと赤道儀を反転させてたわみがなくなる理由がわかりません。いまだに謎です。結局この日もまともな画像は赤道儀反転後のみで得られました。

アンテナ銀河の方が落ち着いてきたので、夕食をとり少し休憩。おやつはまたしても同じホイップメロンパンです。上の写真とこの写真が今回の写真全部です。ホントはもっと撮ろうと思ってたんですが、トラブルとかですっかり忘れてました。

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ASI2400MCでの青い馬星雲

22時半頃でしょうか、2台目の機材を出し青い馬を狙うことにしました。そういえば、ASI2400MCで写した三つ子銀河が好評で、もう少し借りていていいことになりました。せっかくなのでASI2400MCでの撮影です。

今回ASI2400MCのための新兵器を導入しました。ZWO社のフルサイズCMOSカメラに直接取り付けることができる、Canon EFマウント対応のアダプターです。フルサイズCMOSカメラの取り付けネジがM54で、これに対応しているアダプターを手持ちでほとんど持っていなくて、前回の贅沢電視観望でFS-60CBへの取り付けでかなり苦労したので、楽をするために購入しました。今回は撮影なので、星像がピシッと出るFS-60CBにマルチフラットナーをつけます。取り付けもアダプターのおかげで簡単で、しかも周辺減光もかなり軽減(前回は内径の小さい一般のT2アダプターを使ったので)されています。

ところが、四隅の星が盛大に伸びるんですよ。理由ははっきりしていて、今回買ったCanonマウントはEWFを使うことが前提で、EWFの幅が11mmなのでバックフォーカスが11mm足りないんです。EFWの代わりに、マルチフラットナー用のFC76の調整リングを持っていたので11mmよりは少し長いですが、それを間に入れます。すると惜しい、フォーカサーを一番縮めても少しだけ長すぎてピントが出ません。一旦リングを外したりしましたが、FS-60CBは鏡筒接眼側に20mmくらいの延長筒が標準で付いているのに気づき、それを外しました。回転装置が少し使いにくくなりますが、なんとかピントが出て、四隅の星像も遥かにマシになりました。

次のトラブルです。NINAでASI2400MCの画像が撮影には進むのですが、ダウンロードできません。ASI294MM Proは全然問題なく撮影、ダウンロードできます。ドライバーとNINAは最新のものだったので、以前のバージョンとかにそれぞれ戻しますが、いずれもダメ。何か別の問題の可能性が高いです。結局NINAは諦め、急遽SharpCapに切り替え撮影することにしました。SharpCapでの撮影でガイド時にディザーをしようとする場合、ライブスタックモードが前提となります。これがいまいちなのでこれまでSharpCapを撮影に使ってこなかったのですが、今回はディザー無しで、縞ノイズが出ることも覚悟の上、PHD2でガイドしながらの撮影となりました。

これらトラブルのために撮影を始めたのは午前0時半頃。あまり時間がなくなってきましたが、どんな画像になるのか楽しみです。
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Gain150の3分露光での、撮って出しの強炙り出しです。


初のSAO撮影

その後午前1時頃、アンテナ銀河の方がかなり西の低空に来たので、ここで終了。まだ少し時間があるので、カメラの回転角やその他設定を変えずに撮影できる天体はないか探したところ、M16オメガ星雲がちょうど画角ぴったりです。

ついでなので、連休前に手に入れた8枚対応のEFWでHα、OIII、SIIのSAOナローバンド撮影に初挑戦です。

このあと仮眠を取り始めたのですが、うとうとしながら見たHα、OIIIはかなり凄かったです。SII見てないのですが、よく考えたらHα、OIIIはBaaderでSIIのみOptlongだったことに後から気づきました。もしかしたらピント出てないかもです。

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SIIの撮って出し、オートストレッチ。やっぱりちょっとピンボケっぽいです。
あと、思ったより暗い。同じ設定でHαは十分明るいです。


撤収

仮眠後、目を覚ましたら午前4時半近く。かなり明るくなっていて、そのまま撤収し5時過ぎに帰宅です。3つ使ったバッテリのうち、冷却とStickPCに使っていた古いやつが完全に空になっていました。

途中ファミマに立ち寄り、ゴミ捨てと朝食を買い込み、6時前に自宅に到着。買ってきた親子丼を食べ、まだかなり眠くて、そのまま寝てしまいました。

3日連続の遠征、といっても近征なのでまだかなりマシなはずなのですが、さすがに疲れてきました。でもまだ午後早い段階なので、今日こそは太陽を見ます。黒点が成長して大きくなっているみたいです。画像処理も溜まっているし、原稿書きとかも残っています。残り3日のGW、有意義に使いたいと思います。

 

冬はなかなか遠征がいけないのとで、ゴールデンウィークで久しぶりの遠征です。といっても近征で、車で30分くらいの所です。

最近天文関連の活動が多すぎて書く暇がなく、ブログの更新が滞っているのですが、遠征はその場の雰囲気を忘れてしまうので、画像処理はまた後にするとしてとりあえず書いておきます。


久しぶりの遠征で準備に四苦八苦

GW中の5月3日、この日は朝10時からZoomで天文関連の打ち合わせ。その後は太陽撮影で忙しく、ドタバタしながらの遠征準備です。最近はずっとSCA260とCGX-Lでの撮影が多いので、今回の遠征はいい機会とばかりに、この大型セットを持ち運びできるかテストしてみます。

まずは特等席の助手席にSCA260を積みます。少し背もたれを倒して安定するように積み込みますが、最近はホコリ問題でカメラをできるだけ外さないと決めたので、カメラに変な力がかからないように気を使います。

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CGX-Lの赤道儀部分は後ろの座席に、シートベルトを一旦伸ばし切って縮めることで、シートベルトが(一旦外すまで)伸びないようにします。三脚は巨大なので苦労しました。今回初めて気づいたのですが、下から押し上げる巨大な台座があるのですが、三脚を畳むときはちょうど脚が収まるように3箇所カットされています。取り付けるネジも2段階になっていて、緩めるだけだとネジが落ちないように工夫されていて、その状態で三脚をたたむことができるというわけです。ただえさえ大きくて重くてあつかいがたいへんなので、運ぶことやしまうことも考慮してあります。使って初めてわかるありがたさです。結局後ろ座席の床に横向きに倒して置きました。台座の幅が結構あるので、出し入れの時は前の座席を一旦前に移動する必要がありましたが、なんとか収めることができました。

まだスペースがあるのでCGEM IIも持っていくことに。赤道儀は後ろ座席の空いている側に、三脚は床に、今度は立てて置きました。というのはCGX-Lの三脚で床がいっぱいで、重ねておくしかなく、木津着くのが嫌だったからです。足を多少開いて立てて置いたらそこそこ安定しました。

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トランクはその他機材でいっぱいです。ちょっと前に大型の防湿庫を買って、ほとんどのレンズやCMOSカメラ、小型鏡筒を入れることにしたので、遠征時はここから必要なものを毎回ピックアップする必要があります。

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心配性なので、今回使わないもの(電視観望関連とか)もたくさん持っていきますが、次の日(今書いている今日)、夕方から牛岳で富山県天文学会の観望会なので、そのまま使えるのかと思います。仲のいい(4月から中学生になった)Mちゃんにも声をかけておいたので、来てくれると思います。

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と、準備に戸惑って、自宅を出たのが18時過ぎ。途中の「すき家」に入って腹ごしらえ。お腹が空いていたので特盛と豚汁卵セットです。お腹も一杯になり、さらに途中ファミマによりおやつと夜食を買い込み撮影現場に向けて出発です。といっても、そこから15分くらいなのでもう近いものです。

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セットアップはトラブル続き

現場に到着したのは結局19時過ぎでした。雪解けでまだほとんど人が入った形跡がなく、途中道路のど真ん中に大きな岩が落ちていて、車幅ギリギリで怖かったです。到着後すぐにセットアップを始めますが、すぐにバッテリーを一つ忘れたことに気づきました。普段バッテリーを3つ持っていくのですが、出発直前に1つを充電し始めて、「忘れないようにしよう」と気をつけてたのですが、案の定忘れました。しかも今回はめずらしく撮影の方が2台体制だったので、バッテリー2台だとギリのギリでした。天文あるあるかと思いますが、遠征の時は大抵何か忘れます(笑)。私が結構あるのがガイド鏡を忘れることです。一応予備が入れてあるのですが、予備の方は焦点距離が短くて苦労したりします。

もう一つのトラブルが、リモートデスクトップでStickPCにつながらなかったことです。外ではミニワイヤレスルータにつなぐのですが、このStickPCは以前きちんとテストしていたはずです。しかたないので、別途USBタイプの外部モニターを取り付け、メイン機で見ながら、マウスとキーボードもつないで設定など見てみますが、IPアドレスはきちんと割り当てられています。それぞれのPCからルーターにはアクセスできます。それでもpingは互いに通りません。結局ファイヤーウォールが問題だったのですが、ファイヤーウォールの設定が(プライベート、ドメイン、パブリックの)3種類あり、外部に繋がないLAN状態なのでプライベート設定かと思っていたら、最後に試したパブリック設定のファイヤーウォールが原因でした。前はきちんと繋がったのを確かめているので、アップデートとかの際に勝手にオンになってしまったのかもしれません。出発前に直前チェックをしておくべきでした。

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やっと撮影開始

これで全てOKで、撮影開始は21時半近く。ちょうど子午線を越えるかどうかというところだったので、自動導入で赤道儀が反転する時間まで待ってから撮影を開始しました。ところがいざ撮影を始めてみると妙にバタバタします。撮影後は車の中で暖まっていたのですが、確かに外に出ると結構な風が吹いています。この時点で元々やろうと思っていた10分露光をあきらめて、3分露光にしました。多少星像は歪むときもありますが、そこそこ円を保っています。ある程度の星像肥大は避けることができなさそうです。

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一応アンテナも写っているみたいでます。

おやつタイム

撮影も軌道に乗って落ち着いてきたので、おやつタイムです。今日はファミマで買ったホイップメロンパン。遠征の楽しみの一つです。

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この時に、なんとアイスを買っていて食べ忘れていたことを思い出しました。袋の中で当然クタクタに。家に帰ってまた冷やして食べます...。


SQM測定で空の暗さを確認

ちなみにこの場所、南側はiPhoneのDark Sky Meterで測るとSQM21.31です。自宅から車で30分でこれならまあまあかと。北側は富山の町あかりで全然ダメです。北側を撮るときはもっと南まで下がります。

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SQMが測定できるといっても、専用機と違うのでどこまで精度があるかわかりません。それでも使っている限りそこそこの指標にはなるのかと思っています。値段も値段(250円)なので、趣味の範囲で使うのなら手頃でいいのかと思います。


2台目のセットアップもトラブル

時計を見ると22時半頃、少し落ち着いたので、2台目のセットアップにかかります。もう一つの狙いは夜中からのアンタレス付近です。CGEM IIにEOS 6Dと借り物のSIGMAの105mmを載せます。F1.4の化け物レンズです。レンズにはアルカスイス互換の脚がついているので、そこに小判鮫状態でガイド鏡を取り付けます。

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ターゲットはアンタレス全域と青い馬、天の川の一部が入る構図です。でもこの構図、その場で気づいたのですが、カメラを縦に固定する必要があるんですよね。6DにはL字のブラケットがついているのですが、縦に固定するとPCと接続するUSB端子が塞がれてしまうのです。仕方ないので、PCからの BackYardEOSとの接続は無しで、ガイド時のDitherはしない覚悟で、MagicLanternのバルブ撮影に切り替えました。ところがです、このバルブ撮影はこれまで何度もやっていてうまくいっているのですが、今回全くうまく動きませんでした。シャッターを押している時だけ露光するという、本当にごく普通のバルブ状態になってしまって、全然長時間露光になりません。改めてネット調べてみても設定は正しそうです。

すでにこれだけで30分以上ロスしてます。一度カメラを外して車に戻り、冷静になり考えてみました。そうだ!L字ブラケットを裏返せばいいのではないか!と思い、ネジを緩めて外そうとしたところ、わざわざ裏返さなくても、横にスライドすればいいのではと気づきました。

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これでUSB端子に接続でき、かつ縦方向でアルカスイスクランプに固定できます。時計を見ると0時半過ぎ。

さらに、撮影し出してから星像を改めてBYE上で拡大してみてみると、コマ収差が結構出ています。ここでレンズをF1.4からF2.0に変更するとかなりましになりました。カメラレンズだとF値の変更もBYEからできるのに改めて気づきました。ISO800の30秒露光でもちょうどいい明るさなので、F2.0でもかなり明るいレンズなのがよくわかります。


おやつタイム2

ここからは順調に撮影できたので、ホッとして夜食の冷やし中華と、本日2度目のおやつタイムのクリームパンです。え、おやつタイムの「2」ですって?食べ過ぎですね。でも遠征時は何を食べても美味しいです。

あ、冷やし中華で思い出しました。この日むちゃくちゃ寒かったんですよ。念のためスキーウェアを持っていったのですが、それでちょうどいいくらいでした。でも手袋を忘れてしまっていて、寒い中アンタレスで苦労して、ブルブル震えていたところ「冷やし」中華。車で暖房をつけて、しばらくして暖まってからやっと食べる気になりました。お腹もいっぱいになり急激に眠気が。午前1時半頃でしょうか、仮眠をとります。


後片付けとフラット撮影

次に目が覚めたら3時半頃、でもまだ眠くて動き始めたのはもうかなり明るくなりかけてる4時過ぎ。すぐに片付ければいいものを、せっかく明るい時までいるのでフラットを取ろうと画策し始めました。撮影している最中に片付けもやれば時間短縮だ!と思っていたのですが、フラット撮影の最中でPCへの接続が突然止まりました。バッテリー切れです。バッテリーを一つ忘れたつけが最後にきました。

というわけで、フラット撮影も中途半端、意気消沈して片付けもダラダラやっていたら現地を出たのは5時半過ぎ。6時過ぎに自宅に戻り、やっと就寝です。でも仮眠が長かったせいか、寝付けたのが多分7時過ぎ。10時半に起きて、ブログを書きながら今に至ります。

まとめと今日これから

トラブルだらけの遠征でしたが、それでも楽しいものです。うまく撮れているといいなあ。アンテナ銀河は風が強くてダメだったかも。あ、アンテナ銀河沈む頃にM57に切り替えたの今になって思い出しました。風がピューピュー言ってたので、ヤケになって10秒露光、ゲイン450の多数枚撮影。でも眠気の中セットしたのでどうなっているかよくわかりません。アンタレス付近はそこそこ撮れているとは思いますが、どうでしょうか。

程良い疲れと眠気が気持ちよく、充実した一日でした。GW中まだチャンスがあるならもう一度くらい遠征に行ってもいいかもしれません。

そんな感じで、明けて今日現在、ブログを書いています。時間があれば今日は少し太陽も見たいし、今晩は県天の集まりで牛岳です。荷物を車に乗せたままなので、準備時間は短縮できるとおもいます。牛岳は一般の人も夜景を見にたくさん来ていると思います。人がいると話してしまうので、撮影は難しいかもしれません。電視観望にするかも。しかもまだ天文ガイドの原稿を描いてる途中です。連休はやりたいことだらけで忙しいです。


 

ずーっと雨で何もできなくて、久しぶりのブログ更新です。今回は話題のネオワイズ彗星。いろんなことが人生初の経験でした。


ネオワイズ彗星!?

ネオワイズ彗星というのがなんかすごいことになっているらしいというのを、ぽちぽち目にするようになりました。最初はほとんど海外の情報です。と思っていたら梅雨時の日本でも、北海道とかで撮影できたとかいう報告が少しずつ上がってきました。なんでも夜中の3時頃、夜明け前です。

私もなんとか見てみたいと思い、夜中に起きたり、時には夜更かししてその時間まで起きたりしたのですが、とにかく富山はずーっと雨か曇り。富山晴れるか?という予報も数度ありましたが、結局自宅からは何も見えず。悶々とした日々を過ごしていました。

太陽への最接近を過ぎて、徐々に夕方にも見え始めたとの情報も出てきました。彗星は何故、朝ものすごく早くか、次は夕方からなのかと、眠い目を擦って思っていました。でもよく考えたら、太陽の近くに来てやっと尻尾が出るので、尻尾が長いうちは太陽のそばから離れず、それを見ようと思ったら朝と夕方なのは当たり前なんですよね。多分彗星を長年追っかけている人にとっては当たり前の事で、今回自分で見ようとして初めてこのことを意識しました。


彗星遠征決定、どこに行こう?

そんな折、どうやら7月16日の木曜日の夕方は少しだけ晴れそうだという予報。でも富山は少し怪しそうですが、少し足を伸ばせばなんとかなるかもしれません。この日は仕事もあまり忙しくなさそうなので、休暇をとって遠征することにしました。

北の能登半島の方と、南の岐阜の一部が晴れそうです。北に行くか、南に行くかかなり迷いました。SCWの局所予報で見ると21時頃までは同じでも、22時には能登半島に一部雲がかかるとの予報です。でも日本列島全体の大きなエリアで見ると南から雲が上がってくるような様子なので、外れることも多い局所予報にかかわらず、大局で見た方がいいという判断で能登方面に決めました。

同様に晴れた場合に北と南でどちらが得かも考えてみました。光害となる太陽との相対的な距離は変わらないので、南に行って早く太陽が沈もうが、北に行って太陽が沈む時間が遅くなろうが同等。ならば、北に見える彗星なので、沈む時間が遅く上ってくる時間が早い高緯度の北方向が得かもと思ったわけです。

いずれにせよ、天気も観測時間的にも北が得という判断です。ではどこまで行くか?天気予報だと半島の根本の方が晴れの確率が高そう。彗星が北西方向なので、能登半島の西側の方がいいということで、羽咋市らへんで探すことにしました。


とりあえず羽咋に向けて出発

とにかくここで出発。何日か前にも晴れそうな時に遠征しようとしていたので、準備はほぼできています。この時点で13時頃。現地まではゆっくり行っても3時間。まだ余裕はあります。

ところで皆さん、羽咋といえばコスモアイルはご存知でしょうか?宇宙をテーマにした大きな施設があります。

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2階より上の展示場やシアターは有料で、以前行ったことがあるので今回はパスですが、これもかなり凝っていて面白いです。1階部分には市の図書館があったりするので、多分これ市の施設だと思います。NASAから持ってきた宇宙船もあるとかですが、発起人が元市の職員だったとか書いてました。無料の一回だけ見ても面白くて所々に宇宙人がいます。

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コロナ禍では宇宙人も3蜜に気をつけているようです。

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北陸に来た際には2階展示スペースも含めて、ぜひ寄ってみてください。


撮影場所の決定

さて、夕方の彗星は北西方向に出るので、光害が南になるようにできるだけ羽咋の街から北に行ったほうがよさそうです。さらに羽咋の少し北に灯台があるようなので、少なくともそこよりは北に行ったほうがよさそうです。Google mapで見ると島のように出っ張っているところがあり、堤防などもあり漁港のような感じになっています。

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奥に漁港があります。

実際に行ってみると、漁業関係者以外の車は立ち入り禁止だったのと、航空写真ではわからなかった外灯があったので、そこから少し離れることにしました。漁港が南側になるように、数百メートルほど北に行った、コンクリートがあるところを陣取りました。

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左の海の向こうに見えるのが上の漁港です。

16時半ごろには場所が決まったのですが、雲が結構出ていて雨が降る可能性があったのと、日没までにまだ時間があったので、近くの、と言っても5kmくらい車で走ったコンビニに夕食を買いに行きました。簡単に食べられるようにおにぎりとおつまみだけです。でも結局忙しくて、食べるの忘れてしまうんです。


機材セットアップ

再び現場に戻り、まずは太陽が沈んでいくところをタイムラプスに収めようとセットしました。APS-CサイズのEOS 60DにPENTAX 6x7の75mm f4.5レンズをつけたものです。太陽が沈む瞬間、グリーンフラッシュが綺麗に見えました。ほんの1秒くらいだったでしょうか。ものの見事に緑色に輝いていました。残念ながらタイムラプスが20秒に一枚だったので、グリーンフラッシュの瞬間は撮影できませんでした。実はこのタイムラプス、後で書きますが画角的にネオワイズ彗星が全く入らずに完全に失敗だったので、動画クラスで撮影してグリーンフラッシュを納めておけばよかったと後で反省しました。

失敗なので公開してもしょうがないのですが、2時間もとっていたのでもったいないので動画にしてみました。雲がどれくらいあったかとか、星が出るまで気分を盛り上げる導入と思ってください。途中何度か露光を変えています。



もう一つ、こちらがメインなのですがFS-60CBと0.72倍のレデューサーで焦点距離255mmにして、天体改造済みのEOS 6Dでの撮影です。赤道儀は玄関に置いてあったCGEM IIをそのまま車に積み込んだものです。6cmの鏡筒にCGEM IIは大袈裟過ぎますが、自宅でも遠征でもそのまますぐに移動できるので、最近はこればかりです。これをコンクリート部分に設置します。

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撮影開始、でも導入が全然うまくいかない!

十分余裕を持ってセットして、日が沈むまで待っていました。だんだん暗くなってきて彗星を探しつつ導入しようとしましたが、全くうまく導入できません。導入なんかどうにかなるやとなめていて、完全に想定外でした。まだ結構明るいので、そもそもこの明るさで見えるかどうかもわかっていません。自動導入しようにもCGEM IIだけでは彗星のデータは入っていません。

仕方ないので、AZ-GTiを出して自動導入してみようと思いました。新機能で彗星導入が最近追加されたとのことです。SynScan Proをあらかじめアップデートしておいたたまではよかったのですが、何故かNEOWISEの2020年が出てこないのです。2018年まではきちんと出てきます。この時点でAZ-GTiも諦めます。(ちなみに、自宅に帰って試したらきちんと2020年のものまで出ました。もしかしたらデータのダウンロードにネットワーク接続が必要だったのかもしれません。)

次に感度が十分な電視観望で見てやればいいと思い、ASI294MC Proに50mmくらいのカメラレンズをつけようと思ったのですが、カメラ接続アダプターが何故か全然見つかりません。CMOSカメラと一緒に入っているはずで、絶対持ってきてるはずなのですが、どこを探してもないのです。結局見つからずに電視観望も諦めました。(実は最後の最後、撤収の時にアダプターが見つかって、取り付ける予定だった50mmレンズの袋にわざわざわかりやすいように一緒に入れてあって、奥まで見ていれば見つかったはずなのです。焦っていると全くダメだということが今回よくわかりました。)

今考えたら、光学ファインダーでもよかったはずなのです。でもその時は焦っていたのと、そもそも光学ファインダーで見えるかどうかもわかっていなかったので、思いつきもしませんでした。もう経験のなさがもろに出てきてしまっています。

いよいよ暗くなってきてだんだん肉眼でも普通に星が見え始めてきたので、ここで一旦落ち着いて赤道儀CGEM IIの極軸をきちんと取ることにしました。いつものSharpCapでの電子極望ですが、この時点でも多分まだ焦っていたんですね。全然星が認識されないのです。結局単にレンズとして使っていたガイド鏡のピントがずれていただけなのですが、これに気づくだけでも5分くらいかかってしまいました。でもここで極軸を正確に出しておけたのでよかったです。精度が1分角以下とかなり正確に合わせられるので、一旦撮影が始まったら恒星追尾がずれていくことはまずありません。後で画像処理してもわかりましたが、10秒露光9枚を位置合わせなしでスタックしても、恒星が全くずれてませんでした。

こうやって考えると、一番の敗因は実際の彗星の位置が思っていたよりかなり北向きだったことです。日没の太陽の位置から15度くらい北と思っていたら、もっとずっと北で、現場でStellariumで確認して、北斗七星の柄杓が見えて、やっとその下あたりだとわかりました。水平線に沈む位置だけ比べたら、太陽とネオワイズ彗星で40度くらいのズレがありました。


とうとう彗星が!!

最初からきちんと場所を確認しておけばよかったのです。でもとりあえずやっと場所が大体わかったので、その方向に鏡筒を向けてシャッターを切ると、一発目で簡単に彗星が入ってきました!下の写真が初めて入った彗星です。モニターで見ても尻尾が見事に写っていてとにかくうれしかったです。

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この後彗星の位置を合わせたりして、まずは保険に何枚か撮影しておきました。


肉眼でも尾っぽまで見える!

この日のもう一つの敗因は、双眼鏡忘れたことです。仕方ないので常備している星座ビノを使ってその方向を見てみると、なんとハッキリくっきりネオワイズ彗星が見えるではありませんか。そして肉眼でも見てみようと思い、まずはそらし目で。淡いですが、位置がわかりました。位置さえ分かれば、余分な光を手をかざして遮断して注意して見てみると、なんと目で見てもはっきりと彗星の形が分かります。この日のなかで一番感動しました。肉眼でもわかるくらいの彗星にこんなに早く会うことができるとは!

これまで彗星を撮影したのがウィルタネン彗星だけ。それでもテイルを見ることはできませんでした。いつかテイルが出ている彗星をと思っていましたが、今回のものはその期待に十分以上に答えてくれた体験でした。でもこれでもヘールボップ彗星の方が全然凄かったとのこと。今度はいつか大彗星と言われるクラスのものを見てみたくなりました。


とりあえずの簡易画像処理

とりあえずここまでの画像処理の結果を一枚載せておきます。

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  • 石川県羽咋市, 2020年7月16日20時49分
  • FS-60CB + x0.72reducer
  • Canon EOS 60D(ISO1600), 露出10秒 x 8 = 80秒
  • PixInsightとPhotoshopで画像処理、トリミング済み
上が北になります。ダストテイルは十分に見えていますし、青いイオンテイルも見えています。テイル中に見える筋のようなシンクロニックバンドも見えています。シンクロニックバンドというのは今回初めて知りました。よく見ると、イオンテイルの中にも筋が見えます。これもシンクロニックバンドというのでしょうか?ただ、快晴ではなかったようで雲少しかかっていました。


タイムラプス映像

21時すぎ、ここにきて60Dでずっと撮影しているタイムラプスに彗星が全く写っていないことに気づきました。もともと太陽が沈んだ様子と彗星を同じ画角に収めようと思っていました。でも調べてみると、太陽が沈んだ時の彗星は確かに北西の方向にあったのですが、彗星が「沈む」のはかなり北によって、北西というより北北西。20度くらいずれます。思ったより北に彗星がいたのです。75mmレンズとAPS-Cでは画角的に全く治らないところを延々と写していたことになります。

気を取り直してカメラの向きを変えると簡単に彗星が見えました。その時のタイムラプスです。20秒ごとに25分間分の76枚を動画にしています。



この画像を見た妻の一言。

「なんで逆向きに進んでいくの?」

最初、何を言っているのかわからなかったのですが、よくよく聞くと

「尾が出てるのだから、尾と反対に進まないとおかしい」

という意味らしいです。頑張って日周運動だとか理由を説明しましたが、

「うーん、理屈は分かったけど普通の人はそうは思わない」

とピシャリ。私は「宙のまにまに」の「キャシー・レヴィー彗星」で「あ、彗星って尾っぽからのぼってくるんだ」と初めて意識しました。マンガなので時系列で進んでいて、彗星の動きを意識させてくれます。


続いて、彗星が沈むまでです。


最初のうちは中空に厚い雲が、そして徐々に低空にうすい雲がかかってくるのがわかります。彗星はちょうど雲を避けていてくれたような状態す。

実は天気は最初からあまり良くはなく、北西以外は結構曇っていました。特に東と南はどん曇りで、雨が降るのではと心配してたくらいです。ちょうど夕日すぎくらいから彗星が見えるところだけ雲が避けてくれているような状態で、とてもラッキーだっと思います。


大満足の結果

いろいろ落ち着いて、気付いたら21時30分、ここでやっと余裕ができて夕食を食べてないことに気づきました。彗星はだいぶん低空に来ていて、星座ビノを使っても見えにくくなってきています。車に戻り、食事をとり、その後少しずつ片付けを始めます。

22時半近く、どうやら彗星も水平線の下に沈み、気づくと雲も多くなってきたので、ここで撤収です。とにかく、帰りはまだ興奮気味で、自宅に到着してからも寝付けずにそのままいくつか簡易画像処理をして、Twitterに速報で流して、結局ベッドに入ったのは4時近くになってからでした。


反省点
  • 導入はボロボロだった。あらかじめ、機材、ソフトの準備を確認まで含めてきちんとしておく。
  • 使う可能性のあるものはどこに入れてあるかチェックしておく。
  • 赤道儀に載せているので、少なくとも恒星はほとんどずれていきない。なので、露光時間をもっと伸ばしてもよかった。
  • テイルの広がりが思ったより大きいので、天気が良ければもっと広角のレンズでもいいかも。
とにかく人生初だらけでした。尾っぽがある彗星も初めて、撮影できたのも初めて、さらに目で実際に彗星の形を見れたことも初めてです。もう大満足です。反省点にも書きましたが、画像処理をやっていて、もう少し攻めることができたのではと思うようになりました。初回でいろいろわからないこともあったので、晴れてくれればですが、できればもう一度くらい挑戦したいと思います。-> 二日後、また同じ場所で撮影しました。



 

この日の夜は岐阜県揖斐高原近くの藤橋城というところで愛知の高校生の智志君が呼びかけて実現した観望会です。天気も夜半頃からですが、良くなると言う予報です。

実は午前中にあぷらなーとさんからメールが。なんと「今日の観望会参加できるかも」とのことです。去年の夏に香川でお会いして以来で、現地では子供ともどもすごくお世話になりました。是非とも安全運転でと返事を返し、その後「京都で渋滞で遅れそう」とか、「やっと抜けでた」とか何度かメールが。

一方私は夕方から、名古屋の街を満喫している子供たちを拾って、今日の観望会の目的地の揖斐郡の藤橋城に向かいました。高速だと微妙に行きにくい場所で、今回は下道を使いました。結構道も混んでいて自宅の北区2時間半近くかかりました。

今回の観望会は高校生の智志君がTwitterで呼びかけてくれたものです。智志君は自分で光学設計をするようなスーパー高校生で、Twitterで何度かやり取りをしています。到着すると智志君はわかりにくいところに立って道案内してくれていました。智志君は毎回お父さんに載せてきてもらっているとのことです。お父様ご苦労様ですと挨拶したかったのですが、調子が悪く車で寝ているとのこと。しかもこの日は午前1時までと時間制限もついているみたいです (結局天気の回復が遅れて3時半頃までになってしまったのですが)。

到着して少し話してやっと藤橋城のことがわかりました。以前あったふるさと創生事業で旧藤橋村が作ったプラネタリウムのことです。なので地元近くのお城と聞いてもピンとこなかったわけです。場所的には名古屋市内から車で2時間くらいの距離でそこそこ暗い空になり、トイレもあるので観望や撮影には便利そうです。プラネタリウムがあることもあり、天文マニアには来やすい場所なのかもしれません。南側はさすがに名古屋の光害が多少ありますが、北側は十分に暗いと思います。

現地には智志君だけでなく、すでにひいひさんも到着していました。機材を見せてもらうと、智志君がSCOPTEHCの80mmをAZ-GTiに載せたのと、PentaxのK-5で追尾です。ひいひさんはこの日はビノテクノの双眼。ひいひさんとは京都の星を求めてで会っていたはずで、Solar Max3の60mmダブルフタックのBF15mm版を個人輸入したらしく、以前Twitterで太陽撮影のニュートンリングが出てしまった時にやりとりしました。

しばらくすると香川ナンバーのあぷらなーとさんが到着。今回はこの日のために組んだと言う観望用の双眼BORGと、クローズアップレンズとBORG純正とミルトンを3本の比較セット。3本比較セットは面白かったです。天気がまだ良くなかったので公衆電話を見比べたのですが、一番安価なクローズアップレンズが圧倒的です。流石に周辺は歪みますが、中心の分解能は値段からは考えられないくらいです。BORGはクローズアッピプレンズにはおとりましたが、それでも解像度はさすがBORGといったところでしょうか。ミルトンはナローで撮影するとすごいとのことです。じつはこの日アプロナートさんが双眼装置を落下させてしまいました。落下対策を考えていて試していたのですが、たまたまこの日は実装していなかったとのこと。光軸がずれてしまって復活は厳しいとのこと。双眼はアイピースもつくので重くなり、赤道儀の自動導入の遠心力で抜けてしまうことがあるそうです。今回はアイピースがまだ安価なものだったのでそれだけでも助かったとか。私は双眼はほとんど未経験ですが、双眼装置そのものと、アイピースが2つセットで必要なので、なかなかのコストとのことです。いつかの日のための教訓としたいと思います。

さらにその後しばらくして、正月の名城公園観望会でご一緒したやくもふさんと、会社の同僚でつい最近沼に引き込まれたばかりのHさんが到着。やくもふさんは閉店の決まったスターベースで特価で買ったタカハシの100mmのファーストライトでした。HさんはSkyWatcherの130mmのニュートン反射でした。これからどんどんハマっていきそうな雰囲気で、楽しみです。

元々の予報では23時頃から晴れ始めるはずでしたが、ほんの少し星が見えたり、また曇ったりで、なかなか晴れてくれません。仕方ないので、機材談義とお菓子パーティー。机の上には大量のお菓子が並んでいました。

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電視観望用の机にはお菓子がいっぱい。
でもこれかなり食べ尽くした後です。

機材談義はものすごく盛り上がります。私も太陽魔改造機を見せたり、ネタで持っていったスーパーチビテレを見せたりと、大盛り上がり。AZ-GTiのマウント方法はみんなで見比べていました。私はアルカスイスクランプを改造したもの。智志君はVixenの三脚に取り付けられるよう改造していました。ひいひさんもやくもふさんも経験豊かで、話題がつきません。あぷらなーとさんは相変わらす鋭い意見をズバズバ。意外だったのは智志君がものすごく喋ること。光学設計だけでなくいろいろやっているみたいで、数字に強く、多分一番喋っていたのではないかと思います。高校生で機材に制限が出てしまうのは今のうちだけなので、そのまま続けていけばどんどんいい機材をもてるはずです。大学は天文系に進みたいようなことを話していたのですが多分光学設計とかを実践でやっていると数学、物理の知識も自ずとついてくるのかと思います。

結局1時すぎくらいからでしょうか、ちょこちょこ晴れ間が見えてきました。最初の頃は北側と天頂が少し。M51子持ち銀河とかM3とかの球状星団が少し、のちの2時頃くらいからは一瞬全天に近い範囲で晴れ、その後南だけになりました。木星も綺麗に見えてきて、途中からC11まで出てきました。今回は星座ビノもWideBino28とcokin, Nikonといくつか持っていきました。多分ひいひさんでしょうか、StellaScanも持ってきていて、4機種での見比べができました。Nikonの見え味にはさすがに感心されてたようですが、やはりここでもcokinが人気のようでした。cokinは端が多少歪みますが、星を見ている限りはそれほど気になりません。それよりも接眼側の口径が大きいのが快適なようです。

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最初に一部晴れ出した頃は同じような対象をみんなで入れるので、機材間での見比べです。私もいつものFS-60CBとASI294MC ProをAZ-GTiに載せた電視観望セットでいくつか導入しました。いつものM51子持ち銀河に始まり、猟犬座の球状星団M3。
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東から天頂にかけてが少しだけ晴れたので、今年初のM57。
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亜鈴状星雲M27もかろうじて見えました。
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南側が晴れてきたのでアンタレスとM4です。
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天の川中心部でM20三烈星雲とM8干潟星雲です。

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Sukeが途中起きてきて南天を愛機(結局Sukeのものになってしまいました)のEOS Kiss X5でいくつか撮影していました。智志君が少しアドバイスしてくれていたようです。JPEG画像でしたが、一枚少しだけ画像処理してみました。 

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3時過ぎでしょうか、再び曇ってきてこの日は解散です。智志君はお父さんが待ちかねていたようで早々と退散。最後まで残っていたのはあぷらなーとさんとやくもふさんとHさんと私とSuke。片付けながらちょっと話し込んでいました。あ、そういえばNatsuは途中から最後までよく寝ていました。少し小雨もぱらついていて、あぷらなーとさんとショップで合流の約束をして帰路につきました。あぷらなーとさんはここで仮眠をとるそうです。私も途中あまりに眠くて20分くらい仮眠をとって無事に実家に到着、そのまま寝てしまって朝9時にあぷらなーとさんから電話がかかってくるまでぐっすりでした。さて、この日はショップ巡り、まだ続きます

今年のお盆は、毎年恒例となりつつある能登半島でのキャンプです。能登半島のキャンプは星を始める前から来ていて、今回でもう5回目くらいになります。最初のうちはキャンプ地は能登島の東端のにある松島キャンプ場でしたが、去年から見附島シーサイドキャンプ場というところに移っています。理由はいくつかあるのですが、見附島が綺麗なのがまず一番で、予約の必要ないところ、次の日泊まる満天星に近いなどがあります。

 
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今回の旅行の一番の問題は天気でした。全国的にはひどかったようですが、能登半島はそれでもまだましだったのかもしれません。見附島では雲も多かったですが、雲の隙間は結構あって、天頂付近の夏の大三角はちょくちょく見えていました。

テントサイトから見附島をとった写真です。この頃はまだ星が見えていて、水瓶座やペガススの前足くらいが見えています。

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撮影地: 石川県能都町見附島, 2017年8月15日20時19分
EOS 60D(新改造, ISO1600, RAW), 露出20秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
Photoshop CC + Nik collectionで画像処理

この写真は夕方だんだん暗くなっていく見附島を連続で撮ったものの一枚です。約3時間分をタイムラプス映像にしてみました。時折晴れ間が見えますが、雲が多いのがわかると思います。


この写真を撮っている最中の18時半頃に、地元の人がテントサイトに回って来て、歩いて10分くらいのところで今晩20時から花火大会会があると教えてくれました。カメラはそのまま回しておいて、開始15分くらい前に花火会場を見に歩き出しました。歩く道はかなり暗いところもあって、キャンプ地では見ることのできなかった天頂付近の天の川が綺麗に見えていました。残念ながら南側の見附島方向は雲に隠れてしまっていたので、写真は諦めました。

花火大会は最初いたって普通だったのですが、驚いたのは突然花火が水平に打ち出され始めたことです。最初トラブルかと思ったのですが、パンフレットを見ると「水中花火」とか書いてあるので、多分この水平撃ちがそれなのでしょう。もちろん海に向かって打っているのでしょうが、まるで花火で攻撃しているみたいでちょっと怖かったです。

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花火が終わってから、遠くの方で聞こえる「わっしょい、わっしょい」とかいう掛け声が気になって、さらに先のお祭り会場まで行きました。来ている人は地元の人ばかりみたいで、さすが海辺だけあって船の形をした山車がすごく綺麗でした。

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キャンプ地では隣接するホテルのお風呂が使えるのですが、残念ながら昼12時から15時までと時間の制限があります。その代わりにホテルで教えてくれた、宝湯という温泉が夜22時までやっているとのことです。花火と同じ方向なので、お祭りの後にそのまま歩いて温泉までいって、一風呂浴びて来ました。音声ということなのですが、昔ながらの銭湯のようで、すごく味があります。ただしスーパー銭湯などと違い、石鹸、シャンプーリンスなどが置いていないので注意です。番台で買うことはできます。

キャンプ地に戻ると、かなり曇ってきてしまってい、早めに寝ることにしました。夜も何度か起きてたのですが、ずっと曇り空で星は全く見えることがなかったです。

次の日、朝10時頃にはキャンプ場を出て、次は子供の一番の楽しみの釣りです。能登町の市役所の前の漁港に車を止めて2時間ほど楽しみました。釣果は下のSukeが大きなキス1匹を含むベラ三匹と合わせて計4匹、上のNatsuがベラ1匹です。コテージでの晩のおかずになりました。

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今日の宿泊は、今回のメインの能都町柳田の満天星の「アストロコテージ」。

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ここで泊まるのは2年ぶりです。ここの特徴は、上から見ると星型になっている大型コテージに、なんと各コテージに望遠鏡が設置されています。しかも6棟あるコテージの3棟には、星の真ん中のとろこが2階まで行けるようになっていて、なんとそこに天体ドームがあるのです。

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玄関脇の階段を上がるところです。

今回泊まった棟は「デネブ」。設置されている望遠鏡はVixenのPORTAで、口径80mmのA80MFmmです。それがタカハシの赤道儀EM-1Sに載っているので、本格的な観測も可能です。また別棟の「ベガ」と「アルタイル」にはFC-76クラスがEM-200に載っているとのことです。こちらは8人まで泊まることができます。残りの3棟はドームはないのですが、タカハシのティーガルがおいてあるそうです。

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部屋の広さは家族4人には広すぎるくらいです。星の5つの出ているところに3つの寝室と、キッチン及び風呂になっているところ、階段と押入れとトイレになっているところがあります。各寝室は8畳ほどでしょうか。ベッドが2つある洋室が2つに、和室が一つ。和室では4人まで寝ることができると思うのですが、今回は使いませんでした。星の中央にはみんながあつまれるリビングダイニングがあり、対面式のキッチンも隣接しています。食事はないので、自分たちで作らなくてはなりません。炊飯器から、ホットプレート、トースターなどまで、一通りの物は揃っています。調理器具も食器も普通の一般家庭にあるくらいの種類と数があるので、何を作るのにもほとんど困ることはないでしょう。エアコンは各寝室とリビングに付いていますし、お風呂は壁がヒノキ張り、かなり快適です。

この日の昼間はかなり晴れていたので夜の観望会が期待できます。到着してすぐに子供二人と私はプラネタリウムに直行。妻は星はもういいと言って、食事の準備などにとりかかりました。プラネタリウムではWideBino28とこの間買ったSCOPETECHの星座望遠鏡、あと胎内で特価で買った7倍の双眼鏡を持って行きました。館内でも7倍の双眼鏡を貸してくれます。最近のプラネタリウムはきちんとくらい星まで映しているので、双眼鏡を使うと見える星がかなり増えます。私はプラネタリウムではWideBino28がお気に入りです。

外に出ると1時間の間になぜか空がすっかり曇ってしまっていました。観望会は厳しそうです。ここでは他にもペットボトルロケットを飛ばしてくれたり、色々子供が来ても飽きない工夫をしてくれています。

夜ご飯は地物とのスーパーで買った刺身が5種と、昼間に釣った魚でした。刺身ははちめという富山ではあまり聞かない魚も買ってみました。 刺身も美味しかったですが、やはり釣った魚がいちばん新鮮で、焼いてもこれがいちばん美味しかったです。

残念ながらこの日は結局曇り空で、20時半からの満天星主催の観望会は中止になってしまいました。21時頃外に出ると、星が数個だけ見えていました。コテージから満天星の方まで歩いていくと、ちょうど職員さんが帰るところで、少しお話しすることができました。基本的に二人の職員と受付の女性のけい3人で運営しているそうです。この時にコテージについている望遠鏡の情報も聞くことができました。

結局夜中に何度か起きたのですが、ずっと曇り空で今回の星は諦めました。

次の日の朝は10時のチェックアウトまでのんびりしていて、 もう一度満天星に寄って行きました。少し時間があったので、60cmのカセグレン式望遠鏡を見学させてもらいました。見学中に、ちょうど太陽が少し出てきたので、付属のFC-100で太陽の黒点を見せていただきました。もともと、娘のNatsuが小学3年生の時にここで昼間の金星を見せてもらい、自由研究で「なぜ望遠鏡で昼間に星が見えるのか」というテーマになりました。その時以来なので、もう5年もここに毎年通っていることになります。

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iPhone5で太陽を写してみました。恥ずかしながら、今回初めてiPhoneでデフォルトのカメラで露出を変えることができるのを知りました。露出を調整すると結構綺麗に写るものです。ただ、黒点はうまく写っていませんでした。次回チャンスがあれば挑戦して意味ます。



帰り道でも少し釣りをしました。釣果は妻が小さいキス一匹だけでしたが、その場にいたベテランっぽい人に30cmくらいの石鯛をいただきました。夕食は鯛の刺身にだし汁をかけた鯛飯でした。大満足でした。どなたかわかりませんが、どうもありがとうございました。

さえ、能登半島星めぐりと書きながら、普通は外すことのできない羽咋の「コスモアイル」については今回書くことができませんでした。ここは以前何回か行ったことがあるので、今回のコースには入りませんでした。星というよりは宇宙で、しかもUFO寄りとちょっと毛色が違うのですが、かなり面白い施設です。能登半島に行く際には星好きな方ならコースに入れて間違い無いと思います。昔撮った写真を一枚だけ載せておきます。

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