ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:調整・改造 > 整備・修理

星をもとめて」から帰宅して、機材のチェックをしていました。特にSHG700は、フラウンホーファー線の展示のために、カメラを外したりピント位置をずらしたりしたのと、一度三脚ごと倒れてしまったので、ダメージなどないか、一からチェックすることにしました。


再調整がうまくいかない?

ゴールはきちんとした太陽画像が撮影できることです。次のような手順で再調整しました。
  1. カメラを定位置に固定。
  2. 回折格子の角度をHα線に合わせる。
  3. カメラの露光時間を伸ばしたり、ゲインをあげたりして背景光を画面で見えるようにする。
  4. 「背景光のフランウンホーファー線」を見ながら、カメラレンズの位置をマイクロメーターで「フラウンホーファー線のピント」が出るように合わせる。
  5. 太陽を導入して、太陽光を直接見る。「太陽の端のエッジ」がはっきり見え、かつ「フラウンホーファー線のピント」が合うように、コリメートレンズの位置と鏡筒のフォーカサーを繰り返し調節して合わせ込む。

このような調整をして、撮影してみた画像がこれです。

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ボケボケです。上の手順を何度かやっても、全然改善しません。コワレタカ?と一瞬思いました。


忘れていたこと

でも上の手順で一つ忘れていたことがあったのです。何だと思いますか?

クイズにしようかとも思いましたが、ちょっと複雑すぎるかと思うので、今回はすぐに答えに行きます。

忘れていたことを含めた、正しい手順です。
  1. カメラを定位置に固定。
  2. 回折格子をHα線に合わせる。
  3. カメラの露光時間を伸ばしたり、ゲインをあげたりして背景光を画面で見えるようにする。
  4. 背景光で見える「スリットの端にあたる明るい部分の境界」を見ながら、カメラレンズの位置とコリメートレンズの位置を、2つのマイクロメーターを行き来しながら、「スリット端の境界のエッジ」と「背景光のフラウンホーファー線」が両方ともはっきり出るように合わせる。
  5. 太陽を導入して、太陽光を直接見る。鏡筒のフォーカサーを調整しながら「太陽のエッジ」と「フラウンホーファー線のピント」が両方とも合うように合わせる。
  6. 鏡筒のフォーカサーだけで両方とも合わない場合は何かおかしいので、3に返って見直す。ぴったり合うところでは、「縦の線」が最も多く見える。

最初の手順では「スリット端の境界のエッジ」を見ることを忘れていたのです。実際、マイクロメーターで2回転分くらい、コリメータレンズ位置にして1mm位ずれていました。ここを合わせなくても、「太陽のエッジ」ははっきり見え、かつ「フラウンホーファー線のピント」が出てしまうので、一見全部合わせたように思いこんでしまったのが敗因です。

この手順を踏んで合わせた画像が下になります。雲が出てきてしまったので明るさが一様でないですが、シャープさは上の画像を雲泥の差であることがわかります。

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調整方法はきちんと理解されているのか?

2枚の画像を見て少し思うところがあります。上の画像って、Sol’Exの平均的な画像に似てませんでしょうか?もちろん、もっときれいに出ている画像もあるので、必ずというわけではありません。でも2枚の画像の調整で違うところって、コリメートレンズの位置が高々1mmほどずれているだけなんです。あとの自由度は最初の調整でもできる限り合わせているので、コリメートレンズ位置以外は最適化されてるんですよね。

この結果を見る限り、1mmはもうズレすぎでお話にならないのですが、じゃあ実際後半の調整ではどれくらいの精度で合わせたかに興味がいくかと思います。驚かないでください。約100分の1「10μm」のレベルで合わせています。マイクロメーターがあることで実現できるオーダーですが、実際にマイクロメータの精度でちょうどいいくらいです。というのも、マイクロメーターの目盛りを見ずに画面だけで合わせるのを何度か試しても、毎回ほぼ同じ目盛り位置に行きます。1目盛りが10μm刻みなので、同程度のオーダーで実際に合わせているというわけです。

典型的なSol'Exユーザーが、Sol'Exの標準的な手合わせ機構でこのオーダーまで合わせているとはなかなか考えにくいです。Sol'Exできれいな結果を残している方は、ここら辺の所にかなり気を使っているのかと思います。

Sol’Exの調整方法を調べてみたのですが、コリメータレンズの位置については単に「調整する」くらいしかなく、具体的に「何を見ながら」「どれくらいの精度で」合わせたらいいのか、少なくとも日本語で書いてある記述はどこにも見当たりませんでした。Sol’Exで、上の正しいと思われる手順でうまく合わせこんだら、実際もっときちんと写るのでしょうか?一度試してみたいです。

SHG700を購入した時点で、Hαを撮影するならかなりきれいに写るはずです。それはコリメーターレンズの位置をあらかじめきちんと調整してくれているからです。でも何らかの拍子でそこをずらしてしまい、その後調整すべきところをきちんと調整し直さなければ、写りは全く駄目になるということを今回示すことができたのかと思います。

今後、SHG700を手に入れる方が日本でもどんどん出てくると思います。調整方法はやはりちょっと複雑なので、だんだん調子が悪くなっていったなど、困る人も出てくることは容易に推測できます。正しく調整する方法を確立して、広く認識されることが大事なのかと思います。


調整過程の詳細

上の説明は単純な手順だけの話なので、調整の過程で何がどうやってあっていくのか、ちょっと考えてみたので、もう少し詳しく書いておきます。

調整すべき自由度は、以下のように5つもあります。
  1. 回折格子の回転角(波長の選択)
  2. カメラ位置
  3. カメラレンズ位置
  4. コリメーターレンズ位置
  5. 鏡筒の焦点

その内、1と2は自分で任意に位置を決めることができます。この2つの位置に合わせて、残り3つの自由度の位置を一意に決めてやる必要があります。

ところが、3のカメラレンズがカメラに像を結ぶ位置は、4のコリメーターレンズ位置に依存します。この2つの自由度がカップルしているのが、調整を難しくしている要因の一つです。

もう一つのポイントは、4までは太陽の直接光を必要としないので、4までの自由度と、5の鏡筒の焦点の自由度は独立です。5は鏡筒の焦点位置をスリット上に合わせるだけです。なので、鏡筒のフォーカス状態とスリットの位置だけで決まります。


コリメーターレンズの役割

では、4のコリメーターレンズ位置は何を調整しているのでしょうか?ここが最大のポイントです。

そもそも背景光は散乱光に近いものなので、鏡筒のピントに関係なく、入ってきた光に対してカメラレンズ位置だけを調整することで、カメラにフラウンホーファー線のピントを合わせることができます。コリメーターレンズがどんな位置にあろうと、カメラレンズでカメラにピントを合わせることができてしまいます。

でもこの適当な状態だと、スリット位置で焦点を結んでいない光に対してカメラにピントが合ってしまっているので、スリット位置を見る目安となるスリットの端の境界のエッジがボケて出てしまいます。これが、この日最初にミスった部分です。

コリメーターレンズを調整することで実現できる「スリット位置に焦点があった光」を、さらにカメラレンズを調整することでカメラにピントを合わせることが重要になります。こうすることで、スリット端の境界のエッジがはっきりと出て、かつフラウンホーファー線のピントが合った状態を画面で見ることができます。これが最初の調整で忘れていた部分で、正しい手順できちんと確認して像が実際に劇的に改善された要因です。

ここまでくると、あとは鏡筒の焦点をスリット位置に合わせることだけが残っています。実際に鏡筒のフォーカサーで合わせてやると、太陽の直接光の端の境界のピントもスリット上に合うために、カメラで見てもエッジがきちんと出たピントが合った状態に自動的になるというわけです。

今回は調整も上手くいきましたが、今後のことを考えると一つ疑問が出てきます。スリットの端が画面で見えているうちはいいのですが、もっと長いスリットを使ったり、センサー面積が小さいカメラを使ったなどで、スリットの端が見えない場合はどうなるのでしょうか?スリット長を長くする予定なので、こういったケースでもきちんとした調整法を確立する必要がありそうです。


お願い

何をどうやって合わせているかの仕組みはおそらく上に書いたようなことだと思います。でも素人の考えることなので、もしかしたら間違っているかもしれません。何か気づいた方はコメントにでも残してもらえると助かります。

特にSol'Exを持っている方に、上記方法を試していただいて、本当に像がきれいになるか見てもらえたらと思います。うまくいったら教えてください。


最近ずっと太陽で少し疲れてきたので、たまには夜もと思い、少しメンテナンスも兼ねて電視観望関連のテストをしました。


メンテナンス

先月末の飛騨コスモス天文台での電視観望は散々な結果に終わりました。やはり普段から触っていないと、いざというときに使い物になりません。今回はちょっと反省して、きちんとメンテナンスすることにしました。


現在電視観望用としては3台のPCを運用しています。Windows SURFACEの7と8、M1 MacのVMware上で動くArm Windowsです。その中でメインはSURFACE 7で、予備がM1 Macだったりします。理由は仮想上でない普通のWindowsの方がなんだかんだ言って安定していることと、予備も含めてWindows PCを2台も持っていきたくないことです。SURFACE 7はSWAgTiなど撮影用にも使っていて環境を壊したくないので、いまだにWindows 10で、電視観望に用の環境も整っています。SURFACE 8はWindows 11で、太陽用に使っていたりでそこまで電視観望用の整備をしてませんでした。

今回いい機会なので、3台とも関連ソフトをアップデートをすることにします。想定ハードウェアはFMA135+Uranus-C+トラバースと、50mmレンズ+ASI294MC+自由雲台の広角電視観望の2種類です。そのための関連ソフトは最新のバージョン番号も書いておくと
となり、これらを3台のPCで全て最新版にアップデートしました。年単位でアップデートしていなかったものも結構あったので、いい機会となりました。

最新版にするにあたり設定も少し見直しました。特に以下の4点は、おまじないかもしれませんが、SharpCapとSynScan Proとの接続の不安定性の解決に効く可能性があります。
  • SynScan Proの「設定」「接続の設定」の「リードアウトタイム」をデフォルトの200msから1000msにしました。これで最初に接続に失敗することが少なくなります。
  • ファイヤーウォールでパブリックでの接続を許可しました。これは効果があるか不明ですが、プライベートだけだとダメだったことがあります。
  • SynScan Proの「設定」「観測値」の緯度、経度情報を自動ではなく手入力すること。
  • SharpCapのプレートソルブ設定の所の鏡筒の焦点距離をきちんと入力すること。
3台とも、ソフトアップデート後、上のような設定に気を付けてセットアップしましたが、どれもSharpCapとSynScan ProのWiFi接続も安定していて全く落ちることはなく、以前あったSharpCapのプレートソルブを3回実行すると必ずSynScan Proとの接続が落ちるという謎の現象も無くなりました。


ZWOカメラのArm Windows対応状況は1年たっても進展なし

広角電視観望ではできるだけ大きいセンサー面積が欲しいので、ASI294MCを使っています。手軽さ優先なので冷却は無しです。問題はM1 MacのArm版 Windowsです。カメラドライバーだけはArm版専用のものを必要とします。逆にカメラドライバー以外では今のところ大丈夫で、ASCOM用ドライバーなどカメラ以外の全てのドライバー、その他全てのアプリはArm用ではなく普通のWindowsのものがそのまま使えます。これは結構驚きでした。

カメラドライバーのインストールは以前かなり苦労しました。


その苦労もあり、PlayerOneのドライバーは安定して動いています。

問題はZWOカメラで、ドライバーをインストールはできて一応動くのですが、Windowsを再起動するたびに署名を無効にしなくてはならずに、そのためだけにWindowsをさらに2回再起動する必要があるなどかなり面倒です。しかもその署名無効方法があまり直感的でなく、覚えきるのが大変で、手順を間違えると深刻なことになる可能性もあり、毎回手順を確認しながら実行するようにしています。そのためやる気が大きく削がれてしまい、観望会においてM1 MacでASI294MCを稼働することはかなり稀な状況になってしまっています。

今回約1年以上たって状況が改善されていることも期待したのですが、調べた限りは状況は全く変わっていないようで、相駆らわず今も署名オフが必要なようです。これは結構残念でした。VMwarewを落とさないか、レジューム機能でWindowsを停止状態にしておけば復帰後もカメラドライバーが生きているので、観望会前は事前に一度認識させておくのがいいのかもしれません。


SynMatrixでのカメラの認識

M1 Macで電視観望を控えるもう一つの理由が、SynScan Appのプレートソルブ「SynMatrix AutoAlign」でUranus-Cが認識されないことでした。SURFACE 7ではきちんと認識されているのに、なぜかM1 MacのArm Windowsでは認識されていないのです。この問題、SynMatrixが必要になるときは結局SURFACE 7を使ってしまって、M1 Macのほうでは長らく解決せずという状態が続いていました。

今回は少し気合を入れて調べてみます。まず、SynMatrixでPlayerOneカメラを認識しているのがSURFACE 7のみ、しかもよく見てみるとZWOカメラもSURFACE 7のみでしか認識されていません。M1 Macだけでなく、今回SynScan ProをアップデートしてSynMatrixが使えるようになったSURFACE 8の方もカメラを全く認識していません。どうやらArm Windowsだからという問題ではないようで、Armが悪いというのは単なる思い込みだったようです。

結局この問題はかなり単純で、少し調べると、SynMatrixがリリースされた時のどこかのコメントに、カメラ用のASCOMドライバーが必要だという記述がありました。まずSURFACE 8に、ZWOカメラ用のASCMOMドライバーと、PlayerOne用のASCMOドライバーをインストールしたら、無事に両カメラとも認識され実際に画像を取り込むことができました。特に、PlayerOneの方はASCOM platformの6.5を必要とすると書いてあったので心配でしたが、7.0.2でも普通に動くようです。

さて問題のM1 Mac上のArm Windowsですが、こちらもZWOとPlayerOneの ASCMOドライバーをインストールしてみました。すると何の問題もなくSynMatrixで両カメラとも認識され、(ZWOの方は署名をオフにしてから)無事に画像を取得することができました。

これで3台ともSynScan Proでのプレートソルブ、SharpCapでのプレートソルブ、安定なSharpCapとSynScan Proの接続が実現され、今後の観望会での電視観望運用に目処をつけることができました。


フィルターなしの広角電視観望で見る天の川

広角電視観望で、カメラレンズとZWOカメラを接続するアダプターをAmazonで見つけた安物にしたところ、飛騨コスモス天文台の観望会でピントが出なかったという致命的な欠点がありました。その時は時間がなかったので結局諦めたのですが、あらためて見直してみました。

まず一番の原因が、QBPが入っていて、それが薄型のT2と1.25インチフィルターをつけるアダプターでカメラにねじ込んで取り付けてあったので、接続アダプターのねじ込みが足りなかったことが問題でした。薄型といっても厚さが数mmはあるので、影響があるみたいです。

まず、フィルターをねじ込みアダプターごと外して、接続アダプターを一番奥までねじ込んで試してみると、ギリギリですがなんとかピントが出ます。このテスト自宅でやっていたのですが、ここでちょっと驚きました。この状態で見る天の川があまりにはっきりしているのです。これまで天の川電視観望は何度もやってきましたが、いずれもCBPやQBPを入れた状態で試していました。これは同時に主に赤い星雲を見るためなのですが、天の川自身の見え方はかなり犠牲にしていたようです。

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ただし、当然ですが星雲の見え方はかなり犠牲になります。上の画像は天の川の一番濃いところらへんで、M8干潟星雲などが映り込んでいるのですが、どこにあるかわかりますでしょうか?

この写りだと星雲を見てもらうにはちょっと厳しいので、試しに何とか元々使っていたQBPを入れてなんとかピントが出ないか試してみることにしました。結局、カメラ側に取り付けるのではなく、接続アダプターとレンズの間の隙間に、ねじ込むことをせずにポンと置くだけのような形で入れ込みました。

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揺らすとちょっとカタカタ鳴りますが、T2アダプターが防波堤になってレンズを傷つけるとかもなさそうなので、実用上は問題ないでしょう。

QBPを通して見た天の川ですが、上と同じような画角で見るとこうなります。
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今度はM8、M20、M17、M16など星雲がはっきりとわかりますが、逆に天の川が随分と淡くなります。

見栄えがかなり違うので比較してみるのが面白いかと思います。なので、できるならフィルターの取り外しがすぐにできるといいのですが、これは今後の課題としたいと思います。


SharpCapの新機能

SharpCapのアップデートに伴い、ライブスタックで恒星の色合わせを実現する機能が追加されていました。調べたら6月30日のバージョン4.1.13447.0で搭載されたようなので、まだ出来立てホヤホヤみたいです。どの星の色かを特定するために、プレートソルブと合わせて働く機能のようです。
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それに合わせて、背景を自動で調整する機能も搭載されたようです。
スクリーンショット 2025-07-25 220910_cut

各色の上にある白いマーカーの左側をずらすことで、マニュアルでどれだけ引くか調整することもできるようです。

これまでも色バランスと輝度のストレッチなどを駆使して恒星の色を調整するとかはできることはできたのですが、今回はPixInsightのPCCみたいに、より客観的に、安定して色をそろえることができるようになったということかと思います。


まとめ

以上久しぶりの電視観望ネタでしたが、先月あったトラブルはメンテナンスでかなり状況は改善されたと思います。3台体制で、どれも機能に差がなく、同様の動作が期待できます。

今週末にまた飛騨コスモス天文台で観望会があることと、夏休みで8月にも何度か観望会の予定があるのでこれでちょっと安心です。さらに、今回試したノーフィルター天の川も含めて来てくれたお客さんに披露できればと思います。



今回の記事は小ネタです。

以前赤道儀の子午線越えの反転時に、ケーブルが引っかかってUSBハブを
壊したことがありました。2022年4月のことです。


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さらにもう一度、2023年1月、ケーブルを引っ掛けてUSBのコネクタを壊してしまった記事を書きました。こちらは子午線反転時ではなく、ターゲットを切り替えた時でした。反転はしないからいいだろうと油断してたのですが、次の天体がかなり離れたところにあり、反転に近いような状態で導入されてしまったときでした。

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他にも、直接の反転ではないのですが、ターゲットは同じでもフィルター切り替えなどの時にNINAで中心合わせのオプションをオンにしておくと、反転を伴って再導入されることがあります。自動反転をオンにしていなくても、反転するのでこれも注意です。


さすがに反省

NINAで赤道儀の自動反転ができるようになってから1回、自動反転でなくても導入時に1回と、すでに過去に2回はやらかしていて、しかも自動反転以外でも壊す可能性があるとわかってきたわけです。極端なことを言うと、単純な導入時や、ターゲットやフィルターの切り替え時でも、もうその場で見るしかなくなってしまいます。でも平日とかの撮影で、寝てしまった後に毎回起きて外に出るのも大変で、しかたないので何らかの対策をしようと考えていました。

2023年5月にε130Dのセットアップの過程で機器の接続について解説した記事もありますが、この時はまだε130D反転対策はしていませんでした。 


でも実はその時には、既にSCA260にはコッソリ反転対策を施していました。用意したものは、
  1. 30cmくらいの短いUSB3.0ケーブル
  2. 二又の30cmくらいの短い12V用DC電源ケーブル
  3. USBの2メートル延長ケーブル
  4. 2メートルの延長用12V用DC電源ケーブル
  5. ケーブルタイ
です。

1はType Bのものでカメラに接続するケーブルです、USB2の短いものはよくありますが、USB3.0の短いものはほとんど種類がないみたいです。


2は二又ケーブルの一方をカメラ側に接続し、もう一方はEAFに接続しています。この手のケーブルは何種類かあるので、自分のシステムに合わせて適したものを選べばいいでしょう。ただし、普通の一本ケーブルの短いものはほとんどないようです。この場合は適当なパーツを買って、自分で好きな長さに切って、自作することになるようです。なので私はEAFに繋ぐこともあり、二又タイプを買ったというわけです。


ポイントは、下の写真のように1と2の一方をケーブルタイでカメラにかなりキツく固定してしまうことです。ケーブルタイの固定から手前側はケーブルがぷらぷら状態になっていて、引っ張られると抜ける方向に力がかかるようにします。カメラに挿したUSBケーブルだけだと、引っ張られた時に抜ける方向と直角に力がかかったりで、コネクタ破損の原因になります。

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カメラからケーブルがピロンと2本出た状態になるので、そこに下から長いケーブルで接続します。カメラに固定した1のUSBケーブルのもう一方の端はType Aなので、3のUSBケーブルはType  Aのオスとメスが両端についた延長タイプのケーブルを用意する必要があります。

ちょっと心配なのは、1と3のUSB  Type Aの接続が結構固くて、引っ張られた時にうまく抜けるかどうかです。手で引っ張るくらいの力ではなんとか抜くことができるのと、買い直すのもシャクなので、とりあえずこのまま運用してみることにしました。


反転対策の実際の効果

この対策をしたのはいつくらいのことだったでしょうか?先に最初にSCA260で対策したのは2023年の2月とか3月だったと思います。2023年1月に2度目のコネクタを壊して流石に反省してすぐに対策したと思います。その後、ε130Dにも同様の対策をしています。

さて、今回実際にケーブルの引っ掛けが発生したのはSCA260の方です。自宅でM104を撮影していた時です。自動反転オンにしたのですが、近い時間になったら見にいこうと思っていました。でも一旦仮眠を取ったらそのまま朝近くまで寝てしまって、目が覚めて画像をチェックしようと、ベッドの中からまだ眠い目を擦りながらリモートPCに繋ぐと、PHD2の警告で「カメラが認識されていません」とか出ています! 画像をチェックしてみると、ちょうど反転の時刻くらいから画像が保存されていません!!! これはまずいとすぐに飛び起きて、望遠鏡を見にいきました。

すでに周りは明るくなってきていて、そのまま状況が見えます。

ものの見事に、2本のケーブルはすっぽ抜けてくれていました。

焦っていて直後の写真を撮り忘れたのですが、ケーブルが首を巻くよう赤道儀のところで一回転していました。赤緯体がくるっと一回転したような状態です。M104で南の低い空なので、もしかしたら撮影時に赤緯体が180度近く回ったところにあって、反転時に赤緯体の反転方向の判断を間違えたのかもしれません。仮にそうだとしても、その判断が赤道儀での判断なのか、NINAでの判断なのか、再現性も含めて検証する必要があるのかと思います。赤緯体が一回転してケーブルが巻きつく可能性があり得ると思っておいて、ちょっと気をつけた方がいいかもしれません。

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まとめとその後

とにかく反転時の引っ掛けでケーブルが無事に抜けていて、最悪の事態を回避できたのは、まずはよかったです。引っ掛けた時は結構な力が赤道儀などにもかかったはずですが、その次の番も撮影がてらテストしましたが、特段おかしなところはなかったので、まずはこの反転時のケーブル引っ掛け対策は、成功と言えるかと思います。

あ、もちろんケーブルを引っ掛けないのが一番なのですが、子午線越えだけでないというトラップもあります。まだ気づいていないトラップもあるかもしれません。2年で3回やらかしていることになるので、確率的には1年に1回は今後も起きそうな気がします。こう考えると対策は絶対に必要ですね。カメラの端子部分を壊したらそれこそ大ごとです。

と、この記事をほぼ書き終えてから公開しようとする前に、ちょうど今日届いた天文ガイド6月号のリモート天文台の特集記事を見てたら、3人が3人ともカメラのところにケーブルタイで同じようにケーブルを固定していました。もしかしてこの手法は常識なのでしょうか?でも、改めてWebで検索とかしてもそれらしいものは全く出てきません。まあ、いざという時に助かるので、興味がある方は試してみてください。

ここ最近新鏡筒のセットアップでε130Dでの撮影体制を整えています。いい機会なので、普段どんなふうに、何に気をつけて機材を組んでいるか、メモがてら書いておこうと思います。


基本方針

まず第一の基本方針ですが、できる限り撮影時のトラブルを少なくするということです。具体的には
  • できるだけシンプルに、かつ堅固に組み上げる。
  • L字のものや、捕捉くびれている金具などを避け、できるだけ揺れないような構造を目指す。
  • ケーブルの本数は少なく。例えばST4ケーブルは使わない。
  • ケーブルはあまりガチガチに固定せず、引っ張ったら動くくらいに固定。
  • ケーブル長は余裕を持って、テンションをかけ過ぎない。
などでしょうか。

また、大変か楽かだったら、楽な方をとります。例えば、
  • リモート撮影が可能なように、ネットワークで接続できるようにする。
これは外に機材を出して、家や遠征では車の中からヌクヌクモニターしたり操作したりするためです。

StickPC

撮影用 PCにはStickPCを用いていて撮影はローカルで完結するようにしています。例えネットワークが落ちても撮影が中断されないようにしておくということです。また、
  • 自宅や車の中から赤道儀で自動導入して、Plate Solvingの結果を赤道儀に返して自動で微調整する
ことも重要です。楽をすることで他を見る余裕ができ、結果としてトラブルが少なくなります。ただし、赤道儀を大きく移動するときは、必ずその場に行って見るようにしています。万が一のケーブルの引っ掛けを防ぐためです。

最近は1台の赤道儀に専用に1台のStickPCを専用で使っています。カメラやEAFを変えた時など、設定が変わるのをできる限り防ぐためです。こういったことも撮影時の設定ミスを防ぐことにつながります。StickPCの取り付けは三脚のところにマジックテープを貼り、StickPC側にもマジックテープを貼り、簡単に取り外しできるようにしています。

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汎用接続ケーブル

接続する機器ですが、撮影用冷却CMOSカメラ、ガイド用CMOSカメラ、赤道儀、フィルターホイール、EAFがあります。ほとんどがUSB接続で、冷却カメラやEAFもZWOの旧型はDCの12Vが必要です。

ケーブル配線ですが、撮影用の汎用ケーブルを何本か作ってあります。どれも同じ設定で
  1. CMOSカメラ用に2メートル程度のUSB3.0ケーブル。
  2. セレストロンの赤道儀に接続するための1メートル程度のUSB Type B miniケーブル。
  3. 冷却カメラ用の3メートル程度の12VのDC電源用ケーブルです。
をスパイラルチューブで束ねています。

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上がカメラ側で、
真ん中左がStickPC、真ん中右が赤道儀のコントローラ、
下がDC12V電源に挿す側です。


今回は説明は省きますが、別途EOS 6Dでの撮影用に
  1. 2メートル程度のUSB Type B miniケーブル。
  2. セレストロンの赤道儀に接続するための1メートル程度のUSB Type B miniケーブル。
  3. 冷却カメラ用の2メートル程度の12VのDC電源用ケーブルです。
というものもスパイラルチューブでまとめて作ってあります。


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このケーブルは、撮影毎に取り付けて、片付けるときに取り外します。赤道儀の回転中にひっかけたりしないように、赤経体の回転部分に近いところで、あえてゆるゆるのバンドに一回通してあります。できるだけ回転部分を支点にケーブルが配線され、万が一のケーブルの引っ張りに、ゆるゆるバンドのところでケーブルが多少移動できることで、ケーブル切断やコネクタ破損を防ぐことを考えています。

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鏡筒周りでの機器の接続

スパイラルチューブケーブルの先の、鏡筒周りのその他の機器ですが、撮影用のCMOSカメラは冷却タイプで、USB2.0端子を2つもっているので、そこにさらにUSB(3.0)ハブを挿して、そのハブから接続しています。

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ガイド用CMOSカメラ、フィルターホイール、EAFなどです。さらに、DC12Vケーブルもカメラ付近で二又ケーブルを使い、冷却用とZWOの旧EAF用に分岐しています。これらのケーブルは(小判鮫状態で鏡筒下部前方につけてあるガイド鏡への接続を除き)できるだけ短いものを使い、撮影するしないに関わらずほぼ固定で、触らないようにします。触らない一番の理由は、とにかくカメラを取り外すとホコリがフィルターやセンサー面に混入する可能性があり、フラットの使い回しができなくなるからです。コリメータを使っての鏡筒の光軸調整以外、基本カメラは外しません。

StickPCを鏡筒側にうまく取り付けて、USBケーブルなどを短くする方法も考えましたが、USB3.0ケーブルがPCの電源ケーブルに変わるだけで、USB Type-B miniケーブルは下から上に這わすのか上から下に這わすのかの違いだけでいずれ必要。DC12Vケーブルもどうせ必要ということで、結局今の形になっています。もしASIAirのように、DC12VケーブルでPCに給電できるなら、事情は変わると思います。このStickPCの電源、Type-Cの形をしていますが全然規格ものでなくて、付属のACアダプターからの給電以外負荷がかかると不安定になるという事情もあるため、電源とStickPC間の距離を短くしています。

 


撮影用ソフト

撮影で使っているソフトを見てみましょう。

CGEM IIでの撮影は久しぶりなので、撮影時に使うソフトをそれぞれアップデートしました。これは自宅撮影の場合はいいですが、遠征時やその前にはアップデートしません。遠征先でのトラブルになると解決手段が限られますし、せっかくの撮影時間がもったいないからです。
  • SharpCapは極軸合わせ、初期プレートソルブなどの機材確認などに使います。今回4.1.10523.0にアップデートしました。
  • NINAはメインの撮影ソフトです。2.2.09001にアップデートしました。
  • NINAをアップデートしたらASCOMプラットフォームをアップデートするようにいわれました。6.6にアップデートします。
  • PHD2は最新版でした。
  • ZWOのカメラドライバーのアップデートはチェックし忘れでしたが、ASI2400MM Proは特に問題なく認識されました。
実際に撮影に使っているソフトはこれくらいでしょうか。他には、fitsファイルの簡易確認でZWOのASIStudioに入っているASIFitsViewerは撮影中もモニターがわりによく使ったりします。


バッテリー

バッテリーですが、第一方針として大きくなくて1万円くらいの汎用の安価なものをいくつも持つようにしています。バッテリーは寿命もあるので、予備を常に持つようにしていて、いざ使えなくなってもすぐに交換して撮影チャンスを逃さないようにするためです。

機種にはそこまでこだわりはなく、StickPC用にAC100V出力があり、DC12V出力ができるものであればとりあえずOKです。安価なものしか買っていないので、例え失敗してもあまりダメージがありません。バッテリーはある程度使わないと使い勝手がわからないので、尚更です。リン酸鉄リチウムイオンタイプは冬場でも安定して動くので重宝しています。

一つの赤道儀に、二つバッテリーを使うようにしています。大抵は一つで一晩持つのですが、途中で万が一撮影が止まるのを防ぐためです。


まとめ

今回はいい機会なので、普段どんなことを考えて機材を組んでいるか書いてみました。

参考になりましたでしょうか?これらの接続はあくまで一例で、機器、環境、方針などによって人それぞれベストな解は違ってきます。どんなケーブルを使えはいいか、どう接続したらうまくいくか、トラブルが回避できるか、長時間稼働できるか、メンテナンス性はどうかなど、色々考えながら組んでいくのもまた楽しいものです。


昨年秋くらいから動かなくなってしまった飛騨コスモス天文台のドーム。



交換部品も手に入って、雪も解けた春になってようやく修理することができました。


ドームのモーター交換

昨年9月にドームの回転ができなくなってしまい、色々分解してチェックするとどうもモーター自身が故障で動かないようで、交換用のモーターを探していました。

使われていたモーターはかなり古く、同型のものがもうな無くて、中古やオークションなどを探しても見つかりません。一旦同メーカーの互換性のある電力の少し大きなものをMONOTAROで選んで注文したのですが、結局それも入荷せずでキャンセル扱いに。互換性は必須で、モーターの下部にギヤボックスがあり、別メーカーのものや、同メーカーでも互換性がないものではネジ位置なども違ってしまい取り付けにかなり苦労しそうです。

半分諦めていたのですが冬近くでしょうか、ある時全く同型のものがMONOTAROで復活しているのに気づきました。半信半疑で注文してみると、ちょっと時間はかかりましたが無事に到着。でも季節は冬で、雪もあるためもう天文台に車で行くことは大変になっていました。

3月に名古屋に行く途中で寄った時にはまだ途中の道が雪に埋もれていました。
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春になり雪も解け、やっと天文台のところまで車で登って行けるようになりました。
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モーターの交換は、前回取り外す時に散々苦労してメカニズムを理解していたので、今回は楽なものです。黄色に見えるのがバネで、これで左のボックスを向こう側に押さえつけています。
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ボックスの中にはローラーが入っていて、これがボックスごとスプリングでドーム上部に押さえつけられていて、ローラーが回転するとドーム全体が回転することになります。
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モーターをボックスごと外します。右が外したモーターとギヤボックスおよびローラー、左が新しいモーターです。
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モーターとその下のギヤボックスを外すのにちょっと苦労しました。長いネジがギヤボックスの下まで通っていてナットで止めてあっただけなのですが、それに気づかずプラスドライバーだけで無理やり緩めようとしてうまくいかず、少しねじ山を舐めてしまいました。トラブルはそれくらいでしょうか。

まずは古いモーターにつながっていた配線を新しいモーターに繋ぎ直して、実際にドーム回転のスイッチを入れてモーターが回ることを確認しました。これでやはりモーターがダメになっていたことがわかりました。

新しいモータをギヤボックスにはめてネジで再び固定し、全体のボックスを元の位置に戻し、ローラーがドーム側にきちんと接触するようにスプリングにテンションをかけます。その状態でスイッチを入れるとドームがきちんと回転し始めました。スプリングが強すぎたせいか、数カ所で回りにくいところがあったので少しスプリングのテンションを緩め、再度全周360度スムーズに回転することを確認して、今回の作業は完了です。

あ、配線ボックスの中が暖かいのでしょうか?てんとう虫の死骸が大量にあったので、少し掃除しておきました。


撮影は...

せっかく飛騨コスモス天文台まで来たので、夜はそのまま撮影になだれ込もうと目論んでいました。昼間は天気が良かったのですが、修理作業が終わってのんびりしていると雲がどんどん出てきました。

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事前の予報では夜には雲もなくなるはずでしたが、その予報もどんどん悪くなっていき、夜中1時頃まで晴れないというものになっていました。しかも風がかなり強いです。迷ったのですが、さすがに撮影まではできないだろうと判断し、真っ暗になる前に帰路につきました。


神岡町のお祭り

富山への帰り道の途中、神岡町を通る時に今日はお祭りだと気づきました。昔何度か行ったことがありますが、調べたら5年ぶりの開催とのこと。小ぢんまりとした雰囲気のいいお祭りで、山間の小さな町のメインストリートを、獅子舞や神輿、巫女さんや天狗に模した男衆が、笛や太鼓を鳴らしながらゆっくり練り歩きます。絵本の中の世界をそのまま切り取ってきたような幻想的な風景です。

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一本入った道には、屋台も出ています。子供たちが射的を楽しんでいました。
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まとめ

ドームの修理は仕組みを良く理解できるいいチャンスです。いつかドームを作るときに役立つかもしれません。撮影ができなかったのは残念でしたが、そのおかげで神岡のお祭りに寄ることができました。

富山の自宅について空を見上げたら、一面雲に覆われていました。やはり撮影は無理そうで、早めに切り上げて正解だったのかと思います。


先日久しぶりの晴れで自宅庭撮りでまゆ星雲の撮影(画像処理は後日)をしました。SCA260での撮影でしたが、問題点がいくつか発覚し、メンテナンスすることにしました。

実は5月に撮影したM81とM82の画像処理がまだ残っているのですが、これが延び延びになっている理由の一つがL画像のフラットをとっていなかったことです。今回接眼部を外す前に、Lのフラットを含めて、RGBAOSの全フィルターのフラットを撮影時のゲインと同じ120で、それぞれ128枚撮影しておきました。これでやっとM81とM82の画像処理を進め出すことができました。


メンテナンスメニュー

今回のメンテナンスは
  1. 光軸がずれていたので、コリメーションアイピースを使い光軸調整。
  2. SIIフィルターをBaaderのものに変更。
  3. これまでLフィルターを入れてなかったので、とりあえず手持ちのUV/IRフィルターを入れてみる。
  4. フィルターホイールを開けてみたらBフィルターがかなり汚れているので清掃。
の3つです。4月にM104ソンブレロ銀河を2倍のPowerMATEをつけて撮影した時以来、久しぶりに接眼部を鏡筒から外します。フィルターホイールごと外し、そこにアメリカンサイズのアイピースアダプターを取り付け、コリメーションアイピースを取り付けます。でも本当は接眼部はできるだけ外したくないんです。PowerMATEををつけた時もセンサー面にホコリが大量についてしまい、掃除が大変でした。


1. 光軸ズレ補正

光軸は撮影時に結構ずれていたので、途中から許容範囲を超えたと判断して、恒星の内外像を見てそこそこ合わせた後に撮影を続行しましたが、改めてコリメーションアイピースを使い見てみると、副鏡、主教共に結構ずれてました。SCA260の光軸合わせは比較的素直で、マニュアルに書いてある通りにやれば撮影時に困らないくらいにすぐに合わせることができます。


2. SIIフィルター交換

SIIフィルターはM17を撮影した際に赤ハロが出た原因となっていたので、先日の星もとで手に入れたBaaderのSIIに交換しました。ただし、Baaderのナローバンドフィルターのアダプターの内径は微妙に大きくて、ASI294MM Proのフォーサーズサイズだと四隅が蹴られてしまうことがわかっています。そのため、アダプターを別の手持ちの内径が少しだけ大きいものに交換します。その後、フィルターホイールに取り付けます。これでHαとOIIIに合わせて3つともBaaderになりました。


3. Lフィルター装着

これまでフィルターホイールのL位置には何も入れていなかったのですが、もしかしたら赤外とかがハロになる可能性があると思い、UV/IRカットフィルターを入れた方がいいと思うようになりました。他と同じBaaderが良かったのですが、とりあえず手持ちのもので試してみます。ゴーストとか出るようならまた考えます。


ちょっと脱線、NINAのオートフォーカスについて

メーカーが違うので厚さの違いがあるかと思いますが、最近NINAのAF(オートフォーカス機能)がかなりうまく再現性よくピント合わせをしてくれるので、もう厚さの違いはほとんど気にならなくなりました。移動の際に必ず目標値を超えオーバーシュートし、さらに戻って目標値に行くので、オフセットを内外で繰り返すことになりうまくキャンセルするのがかなり効いているようです。

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それでも1発目の一番右の点から次の一つ左に行くときの線がうまくフィッティング曲線に乗りません。これを解決すればもう少し精度が上がるはずなのですが...。オフセットの調整は色々試しましたが、解決には至りませんでした。最初に右に動かしすぎで星像がボケすぎなのかとも思いましたが、左側はもっと外側に行ってもフィッティング曲線に乗っているので、どうもそうではないようです。


4. Bフィルターの汚れ

フィルターホイールの蓋を開けた時になぜかBフィルターだけ表面が曇った様な状態になっていました。フィルターを外してレンズクリーナーで丁寧にふくと、やっと曇りが取れましたが、なぜこんな状態になっていたのか不明です。少なくとも前回かなり汚れていたので掃除してから入れたはずです。

あれ?今思い出したのですが、そういえば前回もこんなふうにBフィルターだけ曇った様な状態でした。もしかしたら長時間で曇った様になる原因があるのでしょうか?次回開ける時に今一度気をつけて見てみたいと思います。


あー、やっぱりホコリが...

さてここまではカメラを外すこともなく、センサー面をつねにフィルターで覆った状態にして絶対に暴露せずに、かなり気をつけて作業をしました。

し・か・しです。その後テスト撮影をしてみると明らかにホコリがついていることがわかりました。画像はライブスタックして埃を見やすくしています。

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仕方ないので、再度カメラを外してブロアーで保護ガラス面を吹きます。これでかなり改善されました。
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それでもまだホコリが残っているので、いつものスワブで拭きます。
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左上にどうしても少し残っていますが、以前のフラットを見ても残っていて、しかも他のと比べても微妙に輪っかが小さいことがわかったので、
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これは裏面についている可能性が高くて、これまでも撮影には影響してないという判断で、これで清掃は完了としました。よく見ると、保護ガラスではなくセンサー面についていると思われるかなり小さなリングがありますが、ここでは相当炙り出してしかもスタックして見ているので、撮影時ではこれらもほとんど気にならないでしょう。


まとめ

それにしても相当気を使って作業をしていてもセンサー面に簡単にホコリが付いてしまうことがわかりました。フィルターの取り外しなどはしているので、ねじ込みの時の切り子が何らかの拍子についてしまうのかもしれません。いずれにせよ、ブロアーはその場でついた埃はかなり飛ばせるので、作業をした後には最低限ブロアーは必要そうです。



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