ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:場所 > 立山

前回立山に登ったのが2019年の9月なので、2年近くぶりになります。前回は標高2000mの弥陀ヶ原に行きましたがが、あまりの天気の悪さで星が全く見えず、ブログの記事にもしていません。ブログの記事になっているのは2018年10月10日。この時も弥陀ヶ原です。突風と雲間の中少しだけ天の川を撮影したのを覚えています。

今回の行き先は弥陀ヶ原よりも少し上の標高2300mの天狗平。しかし、今回も天気が悪くてほとんど星の写真がありません。最近忙しくてブログ更新できていないので、日記がわりに気軽に書いておきたいと思います。


いざ立山へ

立山は規制が厳しく、マイカーで入山することは基本的にできません。一般の人が立山に登るのは大きく2通りの方法あります。一つは旅行会社が企画するツアーバスに乗って行く方法。富山県民はたいていはふもとの「立山あるぺん村」まで車できて、そこで観光バスに乗り込みます。富山駅から出ている観光バスも一部あるみたいです。勝手に連れて行ってくれるので簡単ですが、旅の楽しみは次の立山駅経由の方が楽しいかもしれません。

もう一つは地鉄(富山地方鉄道)で立山駅まで来て、そこからケーブルカーとバスで登る方法です。地鉄は富山駅から乗れるので、遠方から来る方はこちらの方が一般的かもしれません。

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立山駅です。

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ここ立山駅から美女平までケーブルカーに乗ります。

立山駅には「立山カルデラ砂防博物館」があります。かなりの部分が無料で見学できるので、時間があったら立ち寄るといいかもしれません。

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立山カルデラ砂防博物館入口。駅から徒歩1分くらいでしょうか。

美女平からはバスに乗り換えて、それぞれの目的地まで行きます。木々の間から称名滝が見えます。
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バスの最終地は標高2400mの室堂ですが、今回はその手前の標高2300m地点の天狗平にある立山高原ホテルが目的地です。

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この日泊まる宿「立山高原ホテル」です。

到着時には少し青空が見えていました。遠方に剣岳を見ることができました。

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中央奥に雲間から剣岳、通称「つるぎ」が見えています。
見えている建物は立山高原ホテルです。


散歩の途中に雷鳥をペアで見ることができました。つがいで見ることができたのは初めてです。

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もう雪の時の白い羽はかなり消えていて、夏に向けた茶色になってきています。赤いトサカがある方がオスだそうです。人を怖がる様子は全くなく、近づいて行っても逃げることはありません。これは雷鳥を驚かすようなことをしないからだそうです。立山に来ている人たちは、マナーが良いということの表れでしょうね。

夕方近くになると雲海が見えてきました。
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雄大な雲海の風景。小さく見える影が人です。


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眼下は雲海、太陽にはハロがかかっています。幻想的な景色でした。

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夕暮れの風景。山端に太陽が沈んでいきます。


立山高原ホテルでのスターウォッチング

今回泊まるホテルです。標高2300mとは思えないリゾートで、とても雰囲気のいいホテルです。奥が食堂になっています。

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夕食は豪華でとても美味しかったです。

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美味しそうな食事。実際とても美味しかったです。

夕食後、スターウォッチングがあります。スターウォッチングがあるのは大抵が週末です。開催日は限られていますので、興味がある方は宿泊日に開催されるかどうか、予めホテルの方にお問い合わせください。

この日は夕方こそ少しだけ青空が見えましたが、スターウォッチングが始まる19時半からはほとんど曇り。ごく稀に天頂付近のアークトゥルスが見えたりもしましたが、天の川が見えるようなレベルではありませんでした。そのため1時間くらいの星についてのお話をした後、お客さんと少しだけ外に出てみましたが、ほとんど星は見えず。用意しておいた超コンパクト電視観望機材もほとんど役目を果たすことはできず、ほとんどのお客さんはすぐに部屋に戻ってしまいました。

その中で一組だけ、お父様と二十歳くらいの息子さん二人の親子3人組がしばらく残っていてくれたので、少しだけ星の案内をしました。といっても夏の大三角と、北斗七星の尾っぽがかろうじて見えたくらいで、立山の星を満喫というには程遠かったです。その中で、彼らと富山市天文台について少しだけ話しました。

富山市天文台が今年3月に廃止になってしまったのですが、彼らも富山市民で子供の頃に何度も天文台に行っていたそうです。いろいろ思い出があるようで、今回廃止されたことを知ってとても残念そうでした。子供の頃に星を見たことは心に残っていて、その機会がなくなるのは寂しいというようなことを言っていました。こんな話を聞いてしまうと、やはり今回の天文台の廃止はとても残念で、子供たちの星に対する興味の受け皿という意味で、今後かなりの損失になるのではないかと思われます。今のところ代替施設ができているわけでもないので、地道に天文台の再開または代わりになる施設を市の方に求めていきたいと思います。


夜の撮影

天気が天気なので、スターウォッチングは早々に切り上げ、のんびりと温泉に入りあきらめモードだったのですが、温泉から出て部屋に戻る前に外に出てみると少しですが星が見えます。もしかしたらと思い、機材を持って撮影準備に取り掛かります。

ところが雲は晴れてくるどころか、時間と共にだんだん濃くなってきました。かろうじて撮れたのが夏の大三角方向にワンショット。少しだけ白鳥座付近に天の川らしきものが見えています。

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立山高原ホテルの上に夏の大三角が見えます。
雲越しに天の川の赤いところが一部見えています。

もう一つは南の方向。

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雲越しの南の空。さすがに天の川もほとんど見えません。
下に写っているブルドーザー、あだ名を聞いたのですがどうしても思い出せません。

右のさそり座の形がよく分かります。天の川の一番濃いところを見てるはずですが、雲越しでほとんどわかりません。

一方眼下を見ると、この時間帯には雲海もすっかり無くなり、富山の市街地の明かりがよく見えました。
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ブルーファイア現象 ?

今回の目玉は星ではなく、間違いなくこの写真でしょう。夜に地獄谷と呼ばれる方向を撮影したものです。
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真ん中に青白く光っている部分が見えるのが分かりますでしょうか?右に見える建物はこの日泊まった立山高原ホテルですが、これはずっと手前にあって、地獄谷はずっと上の室堂まで行って、そこから山を奥の方に下ってアクセスできる場所にあり、ここから見るとかなり遠くの下の方です。

今回は露光時間をかけての明るさですが、この光は実際に目で直接見ても周りからわずかに明るくなってるのが分かります。拡大してみます。

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闇夜に青白く輝く地獄谷。 

明らかに雲とは違う煙のようなものも確認できます。明るいところも均一な明るさではなく、広範囲にわたって強弱があるのが分かります。また、左の方にも暗いですが光が見えます。人工的な光だとこうはならないと思います。夜に地獄谷に行ったわけではないのでホントのところはわからないですが、やはり何か闇夜に光っているのかと思われます。

地元の富山県天文学会の方の意見では、こんなところに人工的な光はなく、おそらく硫黄のガスが燃えるブルーファイア現象なのだのことです。硫黄は低温で発火するとのことで、例えばジャワ島の火山が有名とのことです。

いつか夜にもっと地獄谷近くに行って撮影してみたいです。


プロのカメラマンの方と

実は今回、プロの写真家の方と一緒でした。ポートレートが専門ということですが、星を撮ってみたくなったとのことで今回友人にくっついてきたそうです。私はもっぱら天体写真のみで、普通で言う写真に関しては全くの素人なので、いろいろ聞きたかったことがありました。特に技術と感性に関してです。

夕食の時話す時間があったので、少しですがいろいろ興味深い話が聞けました。まず、技術に関しては昔ほど差がなくなっているとのことです。デジカメになって、どんどん高機能化してきて、昔必要だった技術、例えばフィルム巻きをいかに速くするかとかはもう今となってはもう必要なくなってしまった。こんなことがたくさんあるとのことです。だから逆にプロと言うからには、技術だけでない、その根拠が必要というような話を聞くことができました。

私が悩んでいるのは特に天の川を含む星景写真です。手順通りにやっていけばアマチュア天文家がいいと思うような写真にはなるのでしょうが、個人的にはそこまでいかずに、撮ったそのままの方が好みになることが多いです。例えば天の川を中央に持ってくるときは周辺減光がむしろ天の川を引き立たせてくれます。光害も私の好きな黄色から黄緑、青へのグラデーションを醸し出してくれたりします。

こんなことを聞いてみたら、やはり写真家としては写真に自分の考えを込めることが大切だとのアドバイスをいただけました。例えばポートレートでも、写真によってまるで別物のように結果が違ってくるそうです。

でも面白かったのはここからで、写真を見たときに良い悪いの基準はあるのか、例えばコンクールで良い悪いの評価は個人によるのかとかいう話になりました。そこで聞けたのは、やはり良い悪いを「言葉にする必要がある」ということでした。感覚、感情、思いなどはもちろん大事でしょうが、プロとしていいと評価する根拠みたいなのが必要だという意味なのかと思います。「もしかしたら将来AIが客観的な基準を示すような時代が来るかもしれませんね。」と無謀なことを聞いてみたのですが、笑いながら「そうかもしれません。」と少し神妙そうに答えてくれたのが印象深かったです。時間がそこまでなくて深いところまでは話せなかったですが、プロの方の意見はやはり大きいです。多分全く違う視線を持っているのかと思います。とてもいい経験になりました。


まとめ

今回のメインは星関連ではなくブルーファイアになってしまった感があります。ちなみにこの記事のタイトル「地獄谷の神秘の光ブルーファイア」は妻がつけたものです。私のオリジナルのタイトルはシンプルに「立山」でした。「そんなのだからいつもダメなんだ」と怒られました(笑)。

妻がいろいろアイデアを出してきました。ブルーファイア君とかゆるキャラを作って観光化すればいいとか、ブルーファイアソフトクリームを作ったらいいとか、市街地にテーマパークを作って3DのVRで見えるようにしたらいいとか、訳のわからないことを言っています。でも本当に実際の光を見てみたいようです。

確かに普通に立山に泊まる人も、夜に星を見ること位まではあってもわざわざ歩いて地獄谷が見えるところまでは行かないので、あまり知られていないというのも納得かもしれません。少なくともネットで立山の地獄谷でブルーファイア現象というのを検索しても何も出てきませんでした。でも裸眼でも光っているのが見えるので、地元の人は意外に普通に知っていることなのかもしれません。

でも結局妻は、あの画像は露光時間を延ばした故のものだということを理解してから、あまり興味を示さなくなりました。最後「期待して見に行ったらショボかった観光地の典型的なやつみたいだ」というようなひどいことを言っていました(笑)。淡い光ですが、目で見ても十分インパクトはあると思うので、きちんと説明しようとしたのですが、もう無駄でした。妻さえ説得できないようなら観光化は難しそうです(笑)。

そういえば、立山を旅行記のように書くのは初めてかもしれません。残念ながら星はあまり見えませんでしたが、コロナで昨年は立山に登れなかったので、本当に久しぶりに宿に泊まった気がします。ホテルの方から、やはりなかなかお客さんが戻ってきてくれなくて大変だとのことを聞きました。早く収束して観望会なども普通にできるようになって欲しいものです。


P.S.

最近、忙しいのでブログが全然更新できていませんでした。梅雨時で星が出ないのでネタがないということもありますが、実は余っている時間のほとんどを使って、来週6月27日28日に配信がある天リフの超会議拡大版「ガチ天2021」に使うトークの資料を作っていました。

今回は太陽について話すつもりです。まだプログラムは発表されていないようですが、太陽のHα生中継を考えているので、明るい早い時間帯になると思います。太陽について話すのは初めてなので、資料も一からで大変でしたが8割方完成しました。よろしければぜひ配信をご覧ください。

実は今日の午後から晴れる予定で、太陽撮影をしようと思っていたのですが、結局曇りで撮影できず。今書いてるブログ記事は写真を貼り付けるだけのシンプルなものにしようとしてたのに、意に反してどんどん長くなってしまいました。しかもTwitterでブルーファイアの写真だけ宣伝にでもと思って流したら、わずか4時間でいいねが既に200超え、リツイートも今見たら60超えです。こんなのは初めてでちょっとびっくりしてます。


10月の3連休、当初は3つのイベントが重なっていました。あまりに大変でどうしようかと思っていたですが、台風の予報のためにまず土曜日からの福島スターライトフェスティバルが中止というニュースが飛び込んできました。残念ですが、写真を見ると前回の台風の影響で舞台の上部が吹っ飛んでいるような状態みたいです。残念でしたが安全第一ですね。

続いて、同じく土曜日に富山県天で計画していた飛騨コスモス天文台の見学会も中止。もともとこれは立山のスターウォッチングのお手伝いが泊りがけであったので行けない予定だったのですが、普段お世話になっているのでとても残念でした。

結局、台風が結構北にそれてくれて天気予報が晴れになったために、最後に残った立山弥陀ヶ原でのスターウォッチングのお手伝いは予定通り行うとのこと。土曜日の昼過ぎからロープウェイとバスで弥陀ヶ原まで県天のOさんと一緒に登りました。バスで登っている間は曇りでしたが、昼間に周りを散策してみるとだんだん晴れてきました。山の上から見ると、能登半島の先の方が見えるくらい透明度は良かったので夜に期待していました。

それでも夕食前まで天気は良かったんです。夕食後も天気だけはよく、星は綺麗に見えていました。でもあまりに風が強くて、望遠鏡を出したらパタンと倒れそうな勢い、砂利の砂つぶが顔に当たって痛いくらいです。流石に観望会は中止になってしまい、室内でのスライドとお話だけとなってしまいました。お話は70人くらい集まりそれなりに盛り上がりました。お客さんも途中や解説が終わってから外に出る人もいましたが、やはり暴風クラスですぐに戻ってきます。それでもめげずに、片付けが終わって誰もいなくなってから、私一人でカメラの三脚を開ききって地べたにへばりつかせるようにして何枚か撮影しました。

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目で見たときはほとんどわからなかったのですが、撮影した画像をモニターで見ると雲がかかっていたのと、カメラも飛んできそうなあまりの風で心が折れて、ここで諦めてしまいまいました。上はともにSAMYANG 14mm F2.8を改造6DにつけてISO3200、30秒露光の撮影です。雲の向こうに天の川が見えているのがわかると思います。ところが意外や意外、この雲越しの天の川というのはこれはこれで結構雰囲気が出ていて気に入ってしまいました。

その後、時間はたっぷりあったので、お風呂に入って、一緒に対応したOさんと部屋で夜遅くまで話していました。Oさんも撮影に凝っている方で、撮影方法や機材のことなどいろいろ興味深い話を聞くことができました。AZ-GTiの赤道儀モードも試したみたいで、ホームセンターで買ってきたボルトと、Vixen
のウェイトをつけてうまくいっているとのことです。


最後に、昼間の散歩で撮った弥陀ヶ原エリアの写真を何枚か載せておきます。紅葉がとても綺麗でした。実は一眼レフカメラでは昼間の写真をほとんど撮ったことがないのですが、明るい写真の画像処理はなんか新鮮で楽しいですね。

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でもいまいち加減がわからずまだまだ適当です。

次の日に続きます。 

Facebookで県天のKさんから透明度が高いと「大気光」が映るという情報がありました。3年前に撮ったという映像を見せてもらったのですが、山から出る後光の様なものみたいです。そういえば、一枚のみの画像処理をしている途中、なんか緑のモヤモヤしたものが見えて邪魔だなと思っていたのですが、もしかしたらそれが大気光なのかもしれません。

私自身は大気光というものを知らなかったのですが、Wikipediaによると「大気光(たいきこう)とは、大気光学現象の一種で、地球などの惑星の大気が起こす弱い発光。英語では "airglow"と言い、通常夜間に観測されるので "nightglow" とも言う。大気光があるため、星明かりや太陽光の散乱が無かったとしても夜空は完全な暗黒にはならない。」とのことで、本当に待機自身が淡く光っているものと確認されているらしく、原因は
  • 日中の太陽光による光イオン化反応で生成されたイオンの再結合。
  • 上層大気に放射される宇宙線によるルミネセンス。
  • 酸素や窒素が、数百km上空で水酸化物イオンと反応することによる化学発光。
などがあるそうです。

とりあえず一枚のみの画像を見直して見ます。前回の記事で加工したものですが、

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ちょっとわかりにくいかもしれませんが、真ん中の下の方、山の際に放射状の虹色のモヤモヤが少し見える気がします。もう少しわかりやすくするために、218枚全てをPhotoshopのバッチ機能の様なものを利用して、画像処理をしてから動画にしてみました。それがこちらになります。



動画なのでモヤモヤがもう少し鮮明にわかるかと思います。それでも淡いですが、上から下へ虹色の縞が動いていくのが見えます。多少ノイジーなのと、白とびしてしまっているのはご容赦ください。Kさんの3年前の動画はもっとはっきりと映っていましたので、さらに透明度が高かったのかもしれません。それでもこういった新しい現象に出会えるのはとても嬉しいことです。



Appendix:

Photoshopのバッチ処理機能についてはこのページを参考にさせていただきました。なんとNik collectionもバッチ処理の一つとして扱うことができました。ただし、RAW現像は無理な様です。ステライメージのRAW現像が今回も緑飛びをしてしまったので、Photoshopなら連続でできるかなと期待していたのですが、それは無理の様です。Pixinsightがそろそろ本当に必要になってきました。



 

先の立山の室堂での写真動画の記事のおまけで、明るくなるまでの187枚の連続撮影を比較明合成しました。

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この記事は、今回の撮影の経緯です。

4月22日から泊まりで立山の室堂で撮影をしました。元々は県天の行事の一環で観望会のお手伝いをさせてもらったのですが、年度始めなので行き帰りに各所の機器のチェックや数の確認なども行い、フル日程の2日間でした。

天気予報では午後からずっと晴れと出ていたので楽しみだったのですが、実際にはあいにく朝から曇りで、午後を過ぎても曇りのままです。それでも機器を揃えて車で地鉄の立山駅へ。そこから立山の室堂に行くのにはいくつもの経路があるのですが、今回は一般的だと思われる立山駅から美女平までケーブルカーで、その後バスに乗り室堂まで向かいました。 バスの中もずっと曇りだったのですが、容堂の近くになってやっとごく一部から青空がのぞいていました。

容堂のバスターミナルに到着後、早速観望会の機器のチェックと準備でしたが、それよりも天気が心配です。時折青空が少し見えるのですが、空のほとんどは雲で覆われています。雪が少しぱらついていたので、機器を外に出すこともできないため準備も進まず、少し時間があったので周りを散策しました。まだ一面雪に覆われていて、しかも雪が硬いのでどこへでもいけます。写真の様に「みくりが池」も雪で覆われています。

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みくりが池の上を歩いて行くと人が何人か集まっているところがあり、そこに行くと雷鳥を見ることができました。つがいでいるのですが、全く人を怖がらないので、すぐ近くにまで寄ることができます。雷鳥は4000羽ほどいるらしく、この季節は少し歩けばほぼ100%見ることができるそうです。

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食事後、空はまだほとんど雲に覆われていたのですが、雪は止んでいたので機材だけ外に出しました。暗くなってきましたが、雲で星が全く見えないので極軸を取ることもできません。それでも時間が迫ってきたので案内のスライドの準備を始め、だいたい準備ができたところで、今一度外に出たのですが、ごく一部に星は見えているものの、まだかなり雲に覆われている状況は変わりません。星が出ていないとスライドでのお話だけになってしまいます。話を始めて、星が出てきたら外に案内しようということになり、とりあえずスライドを始めました。

北極星の見つけ方に始まり、春の大曲線や天の川の話をしているくらいのところで、星が出てきたとの連絡が入り、急遽話を切り上げ、外に出る案内だけをして屋上に出て見ると、まだ少し雲は残っているものの、空の上には星がいっぱい広がっていました。

先ほど話した北極星が雲の隙間からも見えています。おおぐま座から春の大曲線をお客さんと辿ると、だんだん目が慣れてきてあちこちから「わー!星がこんなにある」とか、「どんどん見えてくる」など歓声が上がり盛り上がってきます。この日はちょうどいいことに、こと座流星群の極大が午後9時で、ちょうど観望会と重なりました。流れ星が出るたびに盛り上がります。流れ星を初めて見た人もいたみたいで、あちこちから「もう3個見た!」とか、「まだ一個も見えてない」とか大騒ぎです。

ここまでは良かったのですが、問題は機材の方でした。電視観望で星雲星団を見てもらいたいと、FS-60Qとなんと思いAdvanced VXをバッテリー込みで自宅から手で運んできたのですが、そもそも極軸も合わせていなくて、しかもむちゃくちゃ寒いせいかネットワークも切れ気味で、全く導入までたどり着きませんでした。ここで思ったのは、お客さんがいるときはシンプルでいいので、確実に動く組み合わせを用意しておくことだと、すごく反省させられました。しかも、やはり私の星の知識はまだまだ付け焼き刃で、一緒に案内をされた県天のFさんの解説の足元にも及びません。やはりここら辺は経験がモノを言うようです。

こんな調子で反省すべきことはたくさんあるのですが、ラッキーなことに、こと座流星群のおかげでみなさん流れ星を探すのに夢中で、肉眼での観測の方が楽しいようで、手軽な双眼鏡さえ不人気なほどでした。木星を導入してあったので何人かの方は望遠鏡を覗いたのですが、やはり満天の星空と流れ星が迫力があり、結果的には皆さん満足された様で何よりでした。

ちなみに温度は夕方の準備の時でマイナス5度。観望会の最中はもっと寒くなっていたと思います。さすがに1時間もすると人も少なくなってきて、残りは本当に好きな人が話し込んでいた地、撮影などをしていました。私も寒くなってきたので、機材を片付け始め、23時頃から仮眠をとりました。

午前1時頃に一度起きて外に出ると、空は本当に雲ひとつなく晴れ渡り、はっきりとした天の川が大きく山の上にかかっていました。

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 「雪の立山にかかる天の川とこと座流星群」
撮影地: 富山県立山室堂, 2017年4月24日2時52分
キヤノンEOS 60D(新改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用
Photoshop CC+Nik collectionで画像処理


雪景色と天の川ですごく綺麗で神秘的でした。撮影をする余裕があるとあまり思っていなかったので、撮影用は大した機材を用意していなくて、しかたないので赤道儀の三脚にカメラを載せて、追尾はせずに固定撮影でず30秒露光で午前2時頃から2時間ほど撮影をしました。レリーズも自宅に置いてきていたので、急遽Magic Lanternを使ってのバブル撮影です。その間あまりに寒いので部屋で暖を取っていましたが、4時過ぎに薄明が始まる頃に再びカメラを見に行ったら電池も切れずにまだ撮影が続いていました。試しに何枚か見て見ると天の川が何の加工もせずにともすごく綺麗に、217枚連続して写っていました。無加工のままのが前々回の記事の写真で、上が加工したものです。加工は好みがすごく出ます。今回は冬の寒さを表現したくて少し青を強調しました。

かなり明るくなってきたので、午前4時半頃に機材を片付けてロビーに行って見ると、ご来光ツアーで人が集まっていて、天の川の写真を見せると「こんな綺麗なのが出ていたんだ」という様な声とともに、「ぜひ見たかった」とか「さすがに起きれなかった」という声が上がりました。集まっている人にできるだけ写真を見せ、特に流星が同時に写っている写真は皆さんすごく喜んでくれたみたいです。

その後少し寝たのですが、結局7時過ぎに起きて、食事と後片付け、それでも少し時間があったので「雪の大谷」を見に行きました。食事の時も、雪の大谷でも昨晩のお客さんが昨晩の観望会と天の川の写真の感想で声をかけてくれて、べつの写真を見せたり、雷鳥の話などで盛り上がりました。ちなみに雪の大谷の今年の高さはなんと19m。そして初めて明るいところで撮る一眼レフでの写真の楽しさが少しわかりました。その記念すべき何枚かです。

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最後に眼下の富山側に雲海が見渡せました。

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その後もう一軒機材のチェックを終え、無事にふもとの立山駅に帰り着きました。今回は撮影が思いの外うまくいったので、大満足です。


一枚撮りを少し加工したものを載せましたが、星景写真はまだまだ研究の余地がありそうです。流れをもう少し抑えたいですし、レンズの四隅の歪みも気になります。スタックとかした方がノイズが少なくなるでしょうし、その場合ずれていく景色をどう合成するかも課題です。


最後その4に続きます。

 

先ほど一枚だけアップしたのですが、撮影した227枚を使ってタイムラプス映像を作ってみました。無加工のjpg画像から作った動画です。動画の作成にはSirius Compを使ってみました。

こと座流星群もいくつか見えますし、人工衛星の軌跡も見えます。


立山に行った経緯は次の記事で書きます。

立山室堂で写した天の川です。こと座流星群の一つが流れました。

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2017/4/23 AM2:52 立山室堂にて。Canon EOS 60D + SIGMA 10-20mm F3.5 EX DC HSMを10mmで使用。ISO3200で30秒露光。227枚撮った内の一枚です。とりあえず無加工の撮って出しjpeg画像です。時間のあるときにもう少し加工してみようと思います。


その2に続きます。 

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