MetaGuideというガイドソフトを試してみました。特徴は、ホームページによると、低遅延でのガイドが可能とのことなので、早い揺れを殺すためのガイドに期待ができそうです。歴史的にはPHDと並び古くからあるソフトらしいのですが、しばらくアップデートされていなくて、先月久しぶりにアップデートされたとのことです。ただ、あまり日本ではメジャーではないみたいで、使っている人はいるみたいですが、使用記などは日本語ではほとんど見つかりませんでした。
インストール自身は簡単です。ただし、3月にアップデートされた最新のβバージョン5.2.18をインストールしたい場合は、まず5.2.6をダウンロードし、一旦インストールして、さらに最新の5.2.18をダウンロードし、解凍した中身で先にインストールした5.2.6の中のファイルを置き換えます。その後、管理者権限でコマンドラインを開き、5.2.6をインストールしたディレクトリに行き
regsvr32 GuideFilter.ax
と打ち込んで、レジストリをアップデートする必要があるとのことです。
その後立ち上げるのですが、接続されているカメラがあると立ち上げ直後からカメラの映像が画面の中に映し出されます。私はカメラにZWO社のASI224MCを使っていますが、まったく認識されませんでした。ASI224MCは画素数が少なく感度が相当いいカメラで、転送がフルサイズでも64fps、サイズを制限すると256.4fpsにも達する相当早いカメラで、低遅延ガイドにはもってこいかと思っていました。色々試したのですが、どうにもこうにもうまくいきません。作者のドキュメントにASI120についての記述はあったのですが、Googleなどで検索してASI224でMetaGuideを動かしているという記事を見つけはできませんでした。MetaGuideのためだけにASI120を本気で買おうかと思ったのですが、一晩たって再度色々海外のブログなどをあさっていたら、Directshow対応のWDM (Windows Driver Model)で動かせばいいという記事が載っていました。WDMドライバーはZWOのダウンロードページの一番下の方にあるとの情報もいっしょにあったので、早速WDMドライバー2.0.1.9をダウンロードして試してみました。メインのドライバーとは別に結構ひっそりと置いてあるので、気づかない人も多いのかと思います。WDMインストール後は何の問題もなくカメラが認識されました。
赤道儀を適当な天体に向けて実際のガイドを試してみます。ターゲットの星は、カメラからの映像の中で一番明るい点が自動で選択されます。「VidProps」というボタンを押して、カメラのゲインや露光時間などを調整します。うまく星が選択されたら、LockStarというチェックボックスがあるので、チェックしておくといかもしれません。それでも星がなくなると勝手に他のところに移ったりするので、完全なロックではないようです。
ガイドのためにはどうやらターゲットの星をセンターに持ってくる必要があります。Centerボタンを押すと勝手にセンターに持ってきてくれるのですが、ターゲットの位置が変わってしまうので困りものです。センターに持ってくるとキャリブレーションが可能になります。この際赤道儀に信号を返す必要があるのですが、ここで一つ問題が起きました。ASI224MCからST4互換のケーブルで赤道儀のAdvanced VXにつないでいるのですが、どうもAdvanced VXが認識されません。同様のセットアップでPHD2ではきちんと赤道儀に接続できるので、ハードウェアの問題ではなく、ソフトウェアの問題だということはわかりました。一つの可能性は上記のWDMで動かしていることです。どうしても解決しなかったので、仕方なくASCOM経由でAdvanced VXと接続することできちんと反応して、なんとかCalibrationに進むことができました。その代わりにUSBケーブルがCMOSカメラ、EOS 60D、ASCOMと3本になるので、USBポートが2つしかないStick PCでは、USBハブが必須となり、しかもCMOSカメラはUSB3.0でその他は2.0なのでハブで混在させるとUSB3.0が使えなくなるので、3.0はStick PCに直結、2.0はハブというようにせざるを得ません。さらに問題が起きます。BackYard EOSでEOS 60Dと接続しているのですが、これもハブがあると接続できないと文句を言われてしまいました。ハブかケーブルを一度総ざらい検証する必要があります。
気を取り直して、とりあえずEOS 60Dへの接続を外して、ASI224MCとASCOMだけで動かすことで、Calibrationも無事に終わって、やっとガイドを始めました。パラメータは結構たくさんあるのでまだまだ触っても効果のほどがいまいちわからないところも多いですが、その中で2つ大きく制御に関わるパラメータがあったので紹介して起きます。
一つは「Setup」ボタンを押した後に出てくる「Frame Rate fps」です。デフォルトは10ですが、これを上げてやるとカメラから読み取る速度が上がります。ただし実効的なfpsがメイン画面に出るのですが、せいぜい20fps止まりなので、むやみやたらに上げても意味がないようです。
もう一つはメイン画面の「NFrames」です。一フレームごとの星の位置は、シンチレーションの影響なので揺らぐので、その揺らぎをそのまま返すと本来静かな赤道儀が余計に揺らされることになります。NFramesはその画像を何回スタックするかを決める数なのですが、デフォルトが10でほぼそのまま使えますが、どうやらこれがMetaGuideの肝だと感じました。要するに普通の制御でいうセンサー部分の精度を上げようという試みです。その代わりにフィードバックの速度を犠牲にしているのですが、それでも実際の制御帯域は赤道儀のモーターの反応速度で制限されてしまうので、その制限にかかるまでは得をするということです。PHD2などで長時間露光しても同じようなことが得られますが、こちらは制御帯域をそのまま縮めるので、そのぶんMetaGuideの方が優位です。
実際のエラー信号のRMSを見てみると、3秒角以下になることもしょっちゅうで、上の写真ではそれぞれの自由度で1.8秒程度、合わせて2.7秒程度です。今使っているASI224MCに50mmの焦点距離のレンズだと1ピクセルあたり15秒角程度となるので、0.2ピクセル以下の精度となり相当なものです。PHDで0.2ピクセル以下にするのは結構大変です。ただし、PHD2に比べて表示がわかりにくいので、読み取ることができる情報量が少ない印象です。
PHD2と比べると色々こなれていない部分も目につきますが、とりあえずパッとやってPHD2を超える精度が出るのは、やはり単純にすごいと思いました。パラメータをいじることでもう少し改善できそうです。まだまだ使っていない機能もあるので、もう少し使い続けてみたいと思います。
インストール自身は簡単です。ただし、3月にアップデートされた最新のβバージョン5.2.18をインストールしたい場合は、まず5.2.6をダウンロードし、一旦インストールして、さらに最新の5.2.18をダウンロードし、解凍した中身で先にインストールした5.2.6の中のファイルを置き換えます。その後、管理者権限でコマンドラインを開き、5.2.6をインストールしたディレクトリに行き
regsvr32 GuideFilter.ax
と打ち込んで、レジストリをアップデートする必要があるとのことです。
その後立ち上げるのですが、接続されているカメラがあると立ち上げ直後からカメラの映像が画面の中に映し出されます。私はカメラにZWO社のASI224MCを使っていますが、まったく認識されませんでした。ASI224MCは画素数が少なく感度が相当いいカメラで、転送がフルサイズでも64fps、サイズを制限すると256.4fpsにも達する相当早いカメラで、低遅延ガイドにはもってこいかと思っていました。色々試したのですが、どうにもこうにもうまくいきません。作者のドキュメントにASI120についての記述はあったのですが、Googleなどで検索してASI224でMetaGuideを動かしているという記事を見つけはできませんでした。MetaGuideのためだけにASI120を本気で買おうかと思ったのですが、一晩たって再度色々海外のブログなどをあさっていたら、Directshow対応のWDM (Windows Driver Model)で動かせばいいという記事が載っていました。WDMドライバーはZWOのダウンロードページの一番下の方にあるとの情報もいっしょにあったので、早速WDMドライバー2.0.1.9をダウンロードして試してみました。メインのドライバーとは別に結構ひっそりと置いてあるので、気づかない人も多いのかと思います。WDMインストール後は何の問題もなくカメラが認識されました。
赤道儀を適当な天体に向けて実際のガイドを試してみます。ターゲットの星は、カメラからの映像の中で一番明るい点が自動で選択されます。「VidProps」というボタンを押して、カメラのゲインや露光時間などを調整します。うまく星が選択されたら、LockStarというチェックボックスがあるので、チェックしておくといかもしれません。それでも星がなくなると勝手に他のところに移ったりするので、完全なロックではないようです。
ガイドのためにはどうやらターゲットの星をセンターに持ってくる必要があります。Centerボタンを押すと勝手にセンターに持ってきてくれるのですが、ターゲットの位置が変わってしまうので困りものです。センターに持ってくるとキャリブレーションが可能になります。この際赤道儀に信号を返す必要があるのですが、ここで一つ問題が起きました。ASI224MCからST4互換のケーブルで赤道儀のAdvanced VXにつないでいるのですが、どうもAdvanced VXが認識されません。同様のセットアップでPHD2ではきちんと赤道儀に接続できるので、ハードウェアの問題ではなく、ソフトウェアの問題だということはわかりました。一つの可能性は上記のWDMで動かしていることです。どうしても解決しなかったので、仕方なくASCOM経由でAdvanced VXと接続することできちんと反応して、なんとかCalibrationに進むことができました。その代わりにUSBケーブルがCMOSカメラ、EOS 60D、ASCOMと3本になるので、USBポートが2つしかないStick PCでは、USBハブが必須となり、しかもCMOSカメラはUSB3.0でその他は2.0なのでハブで混在させるとUSB3.0が使えなくなるので、3.0はStick PCに直結、2.0はハブというようにせざるを得ません。さらに問題が起きます。BackYard EOSでEOS 60Dと接続しているのですが、これもハブがあると接続できないと文句を言われてしまいました。ハブかケーブルを一度総ざらい検証する必要があります。
気を取り直して、とりあえずEOS 60Dへの接続を外して、ASI224MCとASCOMだけで動かすことで、Calibrationも無事に終わって、やっとガイドを始めました。パラメータは結構たくさんあるのでまだまだ触っても効果のほどがいまいちわからないところも多いですが、その中で2つ大きく制御に関わるパラメータがあったので紹介して起きます。
一つは「Setup」ボタンを押した後に出てくる「Frame Rate fps」です。デフォルトは10ですが、これを上げてやるとカメラから読み取る速度が上がります。ただし実効的なfpsがメイン画面に出るのですが、せいぜい20fps止まりなので、むやみやたらに上げても意味がないようです。
もう一つはメイン画面の「NFrames」です。一フレームごとの星の位置は、シンチレーションの影響なので揺らぐので、その揺らぎをそのまま返すと本来静かな赤道儀が余計に揺らされることになります。NFramesはその画像を何回スタックするかを決める数なのですが、デフォルトが10でほぼそのまま使えますが、どうやらこれがMetaGuideの肝だと感じました。要するに普通の制御でいうセンサー部分の精度を上げようという試みです。その代わりにフィードバックの速度を犠牲にしているのですが、それでも実際の制御帯域は赤道儀のモーターの反応速度で制限されてしまうので、その制限にかかるまでは得をするということです。PHD2などで長時間露光しても同じようなことが得られますが、こちらは制御帯域をそのまま縮めるので、そのぶんMetaGuideの方が優位です。
実際のエラー信号のRMSを見てみると、3秒角以下になることもしょっちゅうで、上の写真ではそれぞれの自由度で1.8秒程度、合わせて2.7秒程度です。今使っているASI224MCに50mmの焦点距離のレンズだと1ピクセルあたり15秒角程度となるので、0.2ピクセル以下の精度となり相当なものです。PHDで0.2ピクセル以下にするのは結構大変です。ただし、PHD2に比べて表示がわかりにくいので、読み取ることができる情報量が少ない印象です。
PHD2と比べると色々こなれていない部分も目につきますが、とりあえずパッとやってPHD2を超える精度が出るのは、やはり単純にすごいと思いました。パラメータをいじることでもう少し改善できそうです。まだまだ使っていない機能もあるので、もう少し使い続けてみたいと思います。