趣味として星を始めたのは2016年のゴールデンウィークのことです。今年2026年のゴールデンウィークで丸々10年経ったことになります。月日の経つのは本当に早いものです。
これまで年間のまとめはしてきました。ここに10年分の年間のまとめをまとめたページがあります。
こちらを見ると何をやってきたかがある程度わかるのですが、これでも内容的には多すぎるので、今回から数回の記事で、この10年間の天文生活を俯瞰して書いておきたいと思います。
2008年にアメリカから帰国して、富山の暮らしを始めました。趣味として広い庭を利用してラジコンカーに走ったのですが、今ではいつくらいから始めたのかも忘れてしまいました。そろそろ何か他のことをしたいと思っていたのが2016年でした。ラジコン趣味の時の反省は、
2016年4月末、実家の名古屋にあったスコーピオで、「最初はポルタがいいよ」という店長の言葉を全然無視して、赤道儀と20cm反射鏡筒を買って始めたのですが、この天文という趣味はかなり自分の性格に合っていました。
これまで年間のまとめはしてきました。ここに10年分の年間のまとめをまとめたページがあります。
こちらを見ると何をやってきたかがある程度わかるのですが、これでも内容的には多すぎるので、今回から数回の記事で、この10年間の天文生活を俯瞰して書いておきたいと思います。
天文趣味のはじまり
2008年にアメリカから帰国して、富山の暮らしを始めました。趣味として広い庭を利用してラジコンカーに走ったのですが、今ではいつくらいから始めたのかも忘れてしまいました。そろそろ何か他のことをしたいと思っていたのが2016年でした。ラジコン趣味の時の反省は、
- 何も記録を残していなかったので昔のことは記憶が薄れてしまうこと
- メーカー縛りが激しくもっと自由な趣味にしたかったこと
- 技術的な根拠を求めようとしても、趣味全体としてあまりその方向には行かないこと
- 基本的にドンくさいので、レースみたいなタイムアタックではなく、もっと落ち着いて考えることができることをやってみたかった
2016年4月末、実家の名古屋にあったスコーピオで、「最初はポルタがいいよ」という店長の言葉を全然無視して、赤道儀と20cm反射鏡筒を買って始めたのですが、この天文という趣味はかなり自分の性格に合っていました。
- 見えないものが見えるという探究心をくすぐること
- 宇宙というキリがないものを扱うこと
- 突き詰めていくと技術がベースになっていること
- 自分で考えた技術改善で、効果が目で見てわかり実感できること
などです。特に、最後の「自分で考えたこと」を「自分で確かめることができる」ような、ちょうどいい規模感が心地よく、10年経った今でも飽きることもなく、まだまだ続けることができそうです。
10年間で何をやってきたかを、まずはテーマ別に振り返っていこうと思います。
私にとって電視観望はこの10年間のライフワークだったと言ってもいいでしょう。2016年の、それこそ星を始めてすぐの胎内の星まつりで、一眼レフカメラの出力をHDMIでカラーで星雲を見せていたことに刺激を受け、自宅に帰ってすぐに惑星撮影用に持っていたASI224MCをBKP200に取り付けて試してみました。意外にも簡単にM57やM27が色付きで見えたのにかなり衝撃を受けました。
その後、大きな口径もあまり必要なく、焦点距離はむしろ短い方がいいということに気づき、同じ年の2016年10月にはすでに口径6cmのFS-60CBをメインに移して、その後電視観望の基本的な技術をずっと公開してきました。電視観望は、星まつりでのデモでは天文マニアに注目を集め、
10年間で何をやってきたかを、まずはテーマ別に振り返っていこうと思います。
電視観望
私にとって電視観望はこの10年間のライフワークだったと言ってもいいでしょう。2016年の、それこそ星を始めてすぐの胎内の星まつりで、一眼レフカメラの出力をHDMIでカラーで星雲を見せていたことに刺激を受け、自宅に帰ってすぐに惑星撮影用に持っていたASI224MCをBKP200に取り付けて試してみました。意外にも簡単にM57やM27が色付きで見えたのにかなり衝撃を受けました。
その後、大きな口径もあまり必要なく、焦点距離はむしろ短い方がいいということに気づき、同じ年の2016年10月にはすでに口径6cmのFS-60CBをメインに移して、その後電視観望の基本的な技術をずっと公開してきました。電視観望は、星まつりでのデモでは天文マニアに注目を集め、
観望会では観望方法の一つになっていきました。
その後何度か講演などにも呼ばれ解説してきました。特に、最初の小海での講演は短時間でしたが、重要なコンセプトはほとんど詰め込んでいます。
内容は今読んでもあまり遜色ないかと思います。
その後も、
2021年には今も常用形態のFMA135を使った口径わずか30mmのミニマム電視観望体制に移行しています。今のスマート望遠鏡のSeestarS S30やDWARF3も口径30mmや口径35mmで焦点距離も似通っているので、行き着く先はまあ同じなのでしょう。Seestar S30やDWARF 3の発売開始が2024年の夏以降なので、かなり以前からその状態に辿り着いていたということになります。もっと言うと、eVscpeが2018年頃の発売で、その頃はまだ100mmという大口径を売りにしていました。ほしぞloveログでは2016年以降はすでに小口径の60mmに舵を切っていて、その後Seestar S50が2023年9月にやっと50mmで小口径に舵を切って、その後もスマート望遠鏡全体の小口径化が進んでいったので、この方向性は当初からかなり正しかったと言えそうです。
カメラは最初こそASI224MCでしたが、2017年にASI294MCが出てからは一気に世界が変わりました。フォーサーズという大センサーサイズを利用して、より広範囲で見えるようになったのです。これまでのASI224MCが1/3インチサイズだったので、一辺で4倍、面積にするとざっくり16倍の範囲が見えるようになったのです。これまで見えにくかった大型の天体、アンドロメダ銀河や、オリオン大星雲、バラ星雲などが一度に捉えられるようになりました。その後、焦点距離はさらに短くてもいい方がさらに広範囲も見えることがわかりFMA135に移した際に、カメラも無理をせずに少し面積の小さいUranus-Cに落ち着きました。スマート望遠鏡では、最近発売開始のSeestar S30 Proが、Uranus-Cと同じIMX585センサーを使いようやく面積を増やそうとしています。カメラセンサーがコストに一番効くはずなので時間がかかったことも理解できますが、ほしぞloveログで常用しているセンサーと同じところに行き着いたということは、やはりこの方向がある意味最適解に近いということになるのかと思います。
電視観望は、観望会にある意味革命を起こしたといっていいのかと思います。観望会は安全を考慮して、明るい街中で行われることの方が多いのですが、一般の人にも星雲や星団、銀河など、暗いところに行って大口径の望遠鏡を使ってしか見えないようなものまで、モニター上にはなりますが、リアルタイムで見せることができるのです。一般の人が驚くだけでなく、天文マニアにとってもかなりインパクトは大きかったようで、その後各地の観望会で電視観望が普通に試されるようになっていきました。ここら辺はこのほしぞloveログが貢献できたところかと思っています。
その後、スマート望遠鏡が出てきて、さらに多くの人が気軽に電視観望相当のことができるようになりましたが、実は現在のスマート望遠鏡のメインの使い方は、私が考えていた電視観望の使い方とは違うように感じています。電視観望は原則はあくまで観望会のためと思っていて、撮影のようなことも何度か試してブログ記事にもしていますが、やはりあくまで観望会でその場で見ることがメインです。一方、スマート望遠鏡はその場でのリアルタイム観望というよりは、天体写真撮影が簡単にできるというのがメインの気がしています。まあ、機器構成はかなり近いものがあり、大きく違うところはソフト部分で、スマート望遠鏡のハードソフトあわせての一体型設計で体験できる簡単さというのが、撮影を簡単にするというところに大きく貢献しているのかと思います。私は撮影は別機材にしてしまうので、スマート望遠鏡や電視観望機器に対して、撮影での要求はほぼないので、ここら辺がメインの使用方法の違いにもつながっているのかもしれません。
このブログは電視観望がメインのように扱われてしまうことも多々あったのですが、実際にはDSO(Deep Sky Object、星雲・星団・銀河のこと) 天体写真撮影もかなりの数をこなしています。
初のオートガイドをつかた本格的な長時間撮影は、星を始めた年の2016年11月のことで、FS-60Q+EOS 60Dでアンドロメダ銀河とスバルを撮影しました。その後カメラはフルサイズの天体改造6Dになりましたが、撮影用のカメラといえばしばらくの間は一眼レフカメラオンリーでした。その後、電視観望目的で買ったASI294MCが感度がいいので撮影に使ったりもしましたが、Proでない常温モデルなので、撮影に本格的に使用するには至りませんでした。
その後、冷却カメラのASI294MC Proを手に入れたのは2019年1月でしたが、評価ばかりしていて、実際の撮影に冷却機能を使ったのはかなり後で、2020年3月のことでした。結局、撮影にCOMSカメラを使いはじめることができたのは、やっとこの頃のことになります。でもこれには理由があって、当時CMOSカメラのディザー撮影に対応していたソフトがほとんどなかったのです。その一方、6Dの場合はBackYardEOSというソフトがディザーまで安定にできていたので、なかなかCOMSカメラに環境を移すことができなかったというのが正直なところでしょうか。私はAPTでやっとまともなCMOSカメラの撮影を始めることができました。APTは課金までしたのですが、そのすぐ2ヶ月後の2020年5月にはNINAに移ってしまい、そこでやっとCMOSカメラで安定した撮影環境が構築できたといっていいでしょう。今となってはなかなか考えられないですが、当時はまだCMOSカメラの撮影に模索していたのです。まだわずか6年前のことですね。
その後何度か講演などにも呼ばれ解説してきました。特に、最初の小海での講演は短時間でしたが、重要なコンセプトはほとんど詰め込んでいます。
内容は今読んでもあまり遜色ないかと思います。
その後も、
- CP+(2021、2022、2023、2024)
- 星をもとめて2021
- 天リフ(2021、2022)
- 天文普及教育研究会(2022年オンライン、2022年全国国大会)
- 志賀高原天空フェス(2022、2023)
- 初回に続いて小海(2022、2023)
- 星なかまの集い2024
- 長野県はミーティング宇宙県2024
- 全国プラネタリウム研修会2024
2021年には今も常用形態のFMA135を使った口径わずか30mmのミニマム電視観望体制に移行しています。今のスマート望遠鏡のSeestarS S30やDWARF3も口径30mmや口径35mmで焦点距離も似通っているので、行き着く先はまあ同じなのでしょう。Seestar S30やDWARF 3の発売開始が2024年の夏以降なので、かなり以前からその状態に辿り着いていたということになります。もっと言うと、eVscpeが2018年頃の発売で、その頃はまだ100mmという大口径を売りにしていました。ほしぞloveログでは2016年以降はすでに小口径の60mmに舵を切っていて、その後Seestar S50が2023年9月にやっと50mmで小口径に舵を切って、その後もスマート望遠鏡全体の小口径化が進んでいったので、この方向性は当初からかなり正しかったと言えそうです。
カメラは最初こそASI224MCでしたが、2017年にASI294MCが出てからは一気に世界が変わりました。フォーサーズという大センサーサイズを利用して、より広範囲で見えるようになったのです。これまでのASI224MCが1/3インチサイズだったので、一辺で4倍、面積にするとざっくり16倍の範囲が見えるようになったのです。これまで見えにくかった大型の天体、アンドロメダ銀河や、オリオン大星雲、バラ星雲などが一度に捉えられるようになりました。その後、焦点距離はさらに短くてもいい方がさらに広範囲も見えることがわかりFMA135に移した際に、カメラも無理をせずに少し面積の小さいUranus-Cに落ち着きました。スマート望遠鏡では、最近発売開始のSeestar S30 Proが、Uranus-Cと同じIMX585センサーを使いようやく面積を増やそうとしています。カメラセンサーがコストに一番効くはずなので時間がかかったことも理解できますが、ほしぞloveログで常用しているセンサーと同じところに行き着いたということは、やはりこの方向がある意味最適解に近いということになるのかと思います。
電視観望は、観望会にある意味革命を起こしたといっていいのかと思います。観望会は安全を考慮して、明るい街中で行われることの方が多いのですが、一般の人にも星雲や星団、銀河など、暗いところに行って大口径の望遠鏡を使ってしか見えないようなものまで、モニター上にはなりますが、リアルタイムで見せることができるのです。一般の人が驚くだけでなく、天文マニアにとってもかなりインパクトは大きかったようで、その後各地の観望会で電視観望が普通に試されるようになっていきました。ここら辺はこのほしぞloveログが貢献できたところかと思っています。
その後、スマート望遠鏡が出てきて、さらに多くの人が気軽に電視観望相当のことができるようになりましたが、実は現在のスマート望遠鏡のメインの使い方は、私が考えていた電視観望の使い方とは違うように感じています。電視観望は原則はあくまで観望会のためと思っていて、撮影のようなことも何度か試してブログ記事にもしていますが、やはりあくまで観望会でその場で見ることがメインです。一方、スマート望遠鏡はその場でのリアルタイム観望というよりは、天体写真撮影が簡単にできるというのがメインの気がしています。まあ、機器構成はかなり近いものがあり、大きく違うところはソフト部分で、スマート望遠鏡のハードソフトあわせての一体型設計で体験できる簡単さというのが、撮影を簡単にするというところに大きく貢献しているのかと思います。私は撮影は別機材にしてしまうので、スマート望遠鏡や電視観望機器に対して、撮影での要求はほぼないので、ここら辺がメインの使用方法の違いにもつながっているのかもしれません。
DSO撮影
このブログは電視観望がメインのように扱われてしまうことも多々あったのですが、実際にはDSO(Deep Sky Object、星雲・星団・銀河のこと) 天体写真撮影もかなりの数をこなしています。
初のオートガイドをつかた本格的な長時間撮影は、星を始めた年の2016年11月のことで、FS-60Q+EOS 60Dでアンドロメダ銀河とスバルを撮影しました。その後カメラはフルサイズの天体改造6Dになりましたが、撮影用のカメラといえばしばらくの間は一眼レフカメラオンリーでした。その後、電視観望目的で買ったASI294MCが感度がいいので撮影に使ったりもしましたが、Proでない常温モデルなので、撮影に本格的に使用するには至りませんでした。
その後、冷却カメラのASI294MC Proを手に入れたのは2019年1月でしたが、評価ばかりしていて、実際の撮影に冷却機能を使ったのはかなり後で、2020年3月のことでした。結局、撮影にCOMSカメラを使いはじめることができたのは、やっとこの頃のことになります。でもこれには理由があって、当時CMOSカメラのディザー撮影に対応していたソフトがほとんどなかったのです。その一方、6Dの場合はBackYardEOSというソフトがディザーまで安定にできていたので、なかなかCOMSカメラに環境を移すことができなかったというのが正直なところでしょうか。私はAPTでやっとまともなCMOSカメラの撮影を始めることができました。APTは課金までしたのですが、そのすぐ2ヶ月後の2020年5月にはNINAに移ってしまい、そこでやっとCMOSカメラで安定した撮影環境が構築できたといっていいでしょう。今となってはなかなか考えられないですが、当時はまだCMOSカメラの撮影に模索していたのです。まだわずか6年前のことですね。
この当時でもまだしばらくの間はカラーカメラだけで、モノクロカメラを手に入れてナローバンド撮影を始めたのはそこから1年半くらい経った2021年10月のことです。RGB撮影を始めたのは2021年11月、LRGB撮影はそこから1年後のことで2022年10月です。こうやって見ると思ったより最近で、この理由はひとえに財政的なことによります。要するにカメラと、フィルターホイールと、フィルターをRGBとナローバンド全部揃えるのが大変だったというわけです。
せっかく揃えたナローバンドですが、HOOはまだいいのですが、SHOはハッブルパレットなど、色使いがいまだにあまり好きになれずに、作例はごくわずかしかありません。LRGBやRGBにHαやOIIIを混ぜる方が多いでしょうか。その後、フルサイズのASI6200MMを手に入れて、こちらを2インチフィルターのセットでε130Dに、ASI294MMの方はSCA260に取り付けて2023年5月ころから稼働しています。
撮影用の機材はどんどん高価になり、どんどん大型化していきます。その一方で、お手軽撮影の方向にもいくつか走っています。電視観望でライブスタックを利用して撮影するのも一つですし、SWAgTiと名付けたSWATとAZ-GTiをくっつくて、SWATの追尾精度とAZ-GTiの多機能性を活かし、ガイドなしで3分間露光を実現したりしています。
ガイドは無いけれどもディザーは有りという少し変則的な撮影方法ですが、ガイド教を使わなくて良かったり、鏡筒にRedCat51を使いカメラにUranus-C Proを使って周辺減光がほとんどないようなセットアップで撮影しているので、フラット補正もダーク補正もせずに、画像処理も楽になるようにして撮影したりしています。明るい天体はいいのですが、やはりある程度淡い天体はこのような簡易撮影では厳しいので、ε130DやSCA260などの光景が大きくかつF値が小さい鏡筒で撮影しています。
太陽
太陽を始めたのは2018年2月と、今思うと意外に初期のころで、星を初めてから2年も経たないころです。その前の年の2019年の福島の星まつりで太陽を見せてもらって興味を持ったのと、富山の冬が全然晴れないことに郷を煮やして、せめて昼間でも何か楽しめないかと考え、たまたま出ていた中古のジャンクのPSTを手に入れました。暗くて見えにくいという理由でジャンクになっていたのですが、例によって手に入れてわずか2日後には分解していて、その後BF (ブロッキングフィルター) を清掃したら、十分使えるようになりました。
でも口径4cmで撮影できる像は限られていて、なんとかして分解能を上げたくなり、PST modとよばれている大口径化を目指しました。PSTを手にいれてわずか20日後のことでした。最初は口径8cmで分解能が上がることを確認し、4月にはすぐに10cmに移行しました。順調に分解能も上がり、2018年6月、次にC8で口径20cmを目指しましたが、ここで赤色のフィルターを熱で割ってしまうという事故があり、それ以降は大口径化はしばらくの間お蔵入りになっていました。
大口径に動きがあったのは、事故から2年半近く経った2020年11月のことで、吸収型のフィルターを使わずに、反射型のフィルターにすればいいと思いついたときです。UV/IRカットフィルターを入れて熱をある程度入射側に逃してやることで、エタロンなどを損傷することなくC8をPSTを接続することができ、これまでとは比べ物にならない分解能を実現することができました。
これらの成果は天リフさん主催の2021年6月の『天リフ超会議「ガチ天2021」』において「太陽Hα分解能への挑戦」というタイトルで話させていただきました。他にも太陽関連の講演として2025年と2026年のCP+で話させてもらっています。2025年は主にフェニックスについて、2026年は主にヘリオスター100Hαについて話しましたが、ヘリオスターでは3分周期の黒点振動というのが撮影でき、大きなインパクトがありました。
C8やヘリオスターなどある程度口径が大きくなると、分解能はもう口径リミットではなく、シーイングリミットになることが多く、いいシーイングを探す方法を模索しました。2025年4月にC8で、2026年2月にヘリオスターで試し、1時間で100枚オーダーで撮影すると、そのうち数枚レベルでものすごくいいシーイングをキャッチできることがわかってきました。
太陽で大きな機転があったのは、2025年4月にSHG700を使った分光撮影に手を出したことでした。
数年前にSol'Exが流行った時代があったのですが、その時は解像度を出すのが難しそうだったので見送りました。SHG700は重要な調整自由度にマイクロメーターを使うなど、Sol’Exの弱_点を克服して、分解能を出しやすく改良しています。分光撮影は波長を分けて見ることになり、その波長の中にはもちろんHαを含めることもでき、波長を広げることでさらに多くの太陽の様々な側面を見ることができます。Hα周りの短波長側も超波長側も同時に見ることができるので、うまく処理するとドップラーシフトを見ることもできます。このドップラーシフトは太陽が自転していることとも関係していたり、これまでと普通に単に望遠鏡で見る撮影方法とは違い、見えるものが全く違ってくるので、かなり面白いです。鏡筒は最初FC-76で始めましたが、その後さらに口径の大きいTSA-120に拡張することを模索しています。
その後、再びHα望遠鏡に戻って今に至るのですが、PSTエタロンはもうかなり昔に設計されたものなので、半値幅が大きいというのと、面内精度がイマイチという不満がありました。CP+で使わせてもらったフェニックスがかなり良かったので、結局自分で購入してしまい、最近はこのフェニックスのエタロンを使って、PSTエタロンと同じような大口径化することを考えています。こちらも20cmまで持っていきたいのですが、ちょっと大変そうだということもわかってきました。
惑星
このブログでは惑星についてはあまり取り扱っていませんが、鏡筒と赤道儀を手に入れてすぐの2016年5月、一番最初の本格的な撮影は惑星でした。20cmニュートンのBKP200では直焦点撮影で点のようにしか写りませんでした。
初めて撮った土星です。え、何も写っていない?
画面をクリックして拡大してみてください。
画面をクリックして拡大してみてください。
その後、拡大撮影を試みたのですが、全然綺麗に撮れません。焦点距離が足りないと理解して、2ヶ月後の2016年7月には中古のC8に手を出しました。C8も同じ20cmですが、こちらも最初は全然と言っていいほど見えませんでした。中古で安く手に入れたものだったので、半分壊すようなつもりでほぼ全バラ状態にして、どこをどういじればよく見えるようになるかを学ぶことができました。
こうやって振り返ると、わからなかったら分解してでも突き詰めるというのは、最初の頃から今に至るまであまり変わっていない気がします。それに加えて、C8と同じく7月にCMOSカメラのASI224MCに手を出したのが、一つの大きな転換点でした。一眼レフカメラで撮影した惑星は、どうやっても細かい模様が出なかったのです。あとで、一眼レフカメラの動画は圧縮されているとわかって、CMOSカメラのRAWで動画を撮ることがいかに重要かを実感することができました。こうやってとうとう、圧倒的に高画質な土星が撮れたのです。これが沼にはまった瞬間だったのだと思います。
こうやって振り返ると、わからなかったら分解してでも突き詰めるというのは、最初の頃から今に至るまであまり変わっていない気がします。それに加えて、C8と同じく7月にCMOSカメラのASI224MCに手を出したのが、一つの大きな転換点でした。一眼レフカメラで撮影した惑星は、どうやっても細かい模様が出なかったのです。あとで、一眼レフカメラの動画は圧縮されているとわかって、CMOSカメラのRAWで動画を撮ることがいかに重要かを実感することができました。こうやってとうとう、圧倒的に高画質な土星が撮れたのです。これが沼にはまった瞬間だったのだと思います。
全体を見てみると
上記の4分野の他にも、もちろんいろいろやっています。星景や月や彗星は定期的にブログ記事になっていますし、読み返すと眼視ネタもたまにあったりします。でもいずれも数が多いわけではないので、まとめようとするとちょっとネタ不足です。
機材関連はたくさんネタがあるので、これは別にまとめようと思っていますし、画像処理とかのソフト的な話もたくさんあります。でもこのブログのテーマでもあるように、単にやったと言うだけでなく、なぜこうなったかとか、どうしたらいいのかというのが、記事としては面白かったのではないでしょうか。
あ、ついでにこのブログの方針みたいなことも少しまとめておきましょう。元々は日記のようなものでしたが、機材とかの細かいことを書いていると、やはり読んでくれる人が増えてくることがわかってきました。そして意外にも、自分で得たの経験が他の人の参考にもなるのだと気付いてからは、読者のことにも気を使って記事を書くようになりました。自分だけのことだと大抵独りよがりになってしまうので、多少長くなってもやっていることが伝わるように、わかりやすく詳細に記事を書こうというのをずっと心掛けてきました。根本のところは、見えないものが見えてくるのが楽しいので、なにか自分で改造などして、その成果を撮影などで確認するというのがパターンになっています。
自分で考えてやることが基本なので、自分にとっても新しいことが多いです。当然他の人にとっては初めてのことのように映ると思うので、できるだけわかりやすい文章にすることがとても大切だと思っています。進歩が好きなので、逆にいうと同じことをやるのは結構苦痛だったりします。なので、なんの進化もなく同じ天体を写すとかはこれまでもほとんどないのかと思います。太陽は刻一刻と姿を変えるのですが、それでも記録的に義務みたいに撮るのはあまり気乗りしなかったりもします。じっくり観察するという天文向きの性格ではないのは自覚しています。やはりどちらというと物理屋っぽい考えなのかと思います。
進化すること自体が面白いので、手法には全然こだわっていません。電視観望もあくまで一手法として面白かっただけで、これが全然別の、あまりやってこなかった例えば眼視や双眼鏡に夢中になっていた可能性もあります。太陽はその典型的な例でしょう。ここまで夢中になるとは思っていませんでした。面白くなると集中してしまうのも悪い癖で、今は本当に太陽がメインで、夜の撮影はかなり怠けてしまっています。太陽が一段落したら、また別のテーマを見つけるかもしれないですし、もしかしたら天文趣味以外に道を見つけることもあるかと思います。要するに自分がいいと思ったことをやればいいと思っているので、他人のやることに口を出すこともあまりしたくありません。
あ、あまりブログ記事になっていないことがありました。人に教えることです。特に画像処理とかでしょうか。いくつかは記事にもなっていますが、記事になっていない(していない)ことの方がはるかに多いです。画像処理はオンラインでできるので、休日前の明るい月の時は、結構知り合った人と夜に画像処理でいろいろやっていたりします。個人的な付き合いなので、記事にしないことが多いです。
あと、こちらはまだ記事にも随所に出てきますが、子供たちにいろいろ教えることも大好きです。記事にしていないローカルな教育っぽいこともたくさんやっています。子供だけではないですね、自分が理解したことを伝えるのも好きなので、講演や直接人と話す機会をできるだけ設けて話すようにしてきました。全国に星友がたくさんできたのも、ブログにこまめに記事を書いて、それをネタに話してきたからかと思います。
一言でいうと、かなり幸せな10年間でした。
宇宙というあまりに広い道の場所を探索しているので、富山のような田舎でも全くつまらないこともなく、充実した趣味生活を送れているのかと思います。
振り返り (その1) のまとめ
春頃からのんびりとこの記事を書き始めたのですが、いつもの悪い癖で膨大になりすぎてしまい、連番でいくつかの記事に分けることにしました。今回の記事は、やってきたことのテーマ別の話です。
でも書いていて、何のために書いているのかちょっと自問自答していました。本来は自分の振り返りなのですが、自分自身だと過去ブログを読んでいれば大体把握できる気もします。じゃあ、このブログを読んでいる人向けにまとめがてら見てもらうためかというと、まあそんな気もしています。でももしそうなら、もう少し10年を見渡しての新規のことを書けばいいと思うのですが、振り返ってまとめるだけで精一杯で、あまりうまくいきませんでした。
それでも一区切りでまとめておく価値は、たぶん将来見たらあったと思うと期待することにして、懲りずにもう少し書いていこうと思います。
次回はこのブログで提案してきたことを中心にまとめるつもりです。今の所3回分の記事で収めるつもりですが、どうなることやら。さすがに10年は長いです。






































