ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: 見学、訪問

関東方面に行く機会があったので、青梅にあるマイコン博物館に行ってきました。


マイコン少年時代

今回の記事は天文とは全然関係ありません。過去の別の趣味の話、と言っても少年時代の趣味になります。このブログでも何回か書いているかと思いますが、子供の頃の私はマイコン少年でした。きっかっけは小1の頃から愛読していた「コロコロコミック」の姉妹誌で、小3の頃に創刊になった「別冊コロコロコミック」に載っていたマイコン特集です。当時「ゲームセンターあらし」という連載をしていたすがやみつる先生がマイコン好きで、特集を組んでいたのかと思います。別コロには同じすがやみつる先生の「マイコン電児ラン」というマンガも連載されていました。確か小4の10月か11月くらいだったと思いますが、特集記事に小さなBASICのプログラムが載っていて、それを近所にあったジャスコの電気屋さんで、わけもわからず打ち込んだのが最初だったと記憶しています。何度かのエラーのあと、うまく動いたのですが、命令してその通りに動くということに感動したことと、逆に命令通りにしか動かないということを実感しました。初めて触ったマイコンなので機種は覚えていませんが、形から言ったらSHARPのMZ系だったのではないかと思います。

当時は電気屋さんがかなり解放されていて、何台もあるマイコンを自由に触ることができました。売り込みの意味もあったのかと思いますが、データレコーダーも置いてあり、そこで自分で打ったプログラムをカセットテープに保存して、そこに集まったマイコン仲間と交換とかもできました。私がよく通っていたのは当時の名古屋にあったカトー無線と栄電社です。性格上昔からそうだったのですが、この時もやっぱり夢中になりすぎました。一番酷かったのは小5の夏休みでした。午前が水泳部で、泳いだ後に疲れているはずなのにそんなことは全く気にせず、夏休みのほぼ毎日電気屋さんに通うという偉業を成し遂げました。これを見かねた親が、さすがにそこまで好きなら仕方ないと言って買ってくれたのが、当時まだ出たばかりのPC-6001 mkIIでした。専用モニターとデータレコーダーのフルセットでした。その後のコンピューター遍歴は中1で中古のFM-NEW7、中3で親が買ったはずのPC-9801VM21を結局占有したところくらいまででしょうか。高校時代はコンピュータから少し離れて、その後大学に入るときにDOS/V機を手に入れてからまたハマるのですが、ここら辺の話はまたいつかできればと思います。とにかく、今回のマイコン博物館の訪問はその子供の頃の記憶を辿るような経験で、最初に買ったPC-6001 mkIIが中心の記事になります。


マイコン博物館

マイコン博物館を見学するためには、あらかじめ予約が必要になります。このページの下の方に記入して申し込みます。


しばらくすると、予約が完了したとのメールが来るので、それで予約確定ということになります。予約完了メールの内容はとても親切で、電車もしくは車での行き方が詳しく書かれているので、迷うことはないでしょう。入館料は1000円、「動体展示」と言って今でも動く機種に触る場合は3000円とのことです。


青梅駅に降り立つ

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事前の用事が長引いてしまい、青梅駅に降り立ったのはもう午後4時に差し掛かる頃でした。青梅は学生の頃に旅行で駅に降りた覚えがあるので、もう30年ぶりくらいです。改札は一つしかないので、出口に迷うことはありません。その旨も予約完了メールに書いてあります。改札を出て、右手に見えるセブンイレブンの脇の道を進みます。
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道なりに100mほど進むと左手にコインパーキングが見えてきます。車で来た際はここを利用するといいとのことです。
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コインパーキングの中に入っていき、そのまま通り抜けた先のビルにマイコン博物館があります。
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ここはビルの裏口にあたり、写真にも写っている通用口から入りますが、鍵がかかっている場合は「マイコン博物館」と書いてあるベルを鳴らすと、まもなくスタッフの方が出迎えてくれます。
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いよいよ中へ

到着が予約時間より少し遅くなってしまって申しわけなかった旨をお伝えして、中に案内されました。このビルの1階から3階がマイコン博物館と併設する「夢の図書館」なのですが、現在はマイコン博物館のみオープンしていて、夢の図書館はリニューアル中とのことです。マイコン博物館は2Fになります。荷物はロッカーに入れるといいのですが、ロッカーが早速凝っていて、それぞれにCPUの名前がテプラでつけれらています。
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私は最初それに気づかずに適当な「TLCS-12A」とうところに入れてしまいましたが、後から聞いたら東芝が開発したCPUだそうです。混んでいるときにはどこに入れるかで取り合いになるとか。


金個室の中は

博物館の中の機器は年代順に並べられているそうです。

もともとこの博物館は銀行だった場所に作ったとのことで、当時の金庫部屋がのこっています。最初に案内されたのはその金庫部屋で、マイコンになる前の時代の機器が集められた小部屋でした。初期の計算機につながったのは、タイプライターを開発していた会社だそうです。
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写真の棚の中段に見えるのが、ルパン三世が使っている銃で有名な、ワルサー社の回転式計算機で、タイプライターも作っているとのことです。ワルサーP38のモデルガンも置いてあります。上段に見えるのがコルト社のタイプライターです。コルト社もピストルを作っていて、戦後日本の警察でも採用されていて、インターポールの銭形警部がこの銃を持っているのはおかしくないとのことです。いずれもアメリカの会社で、タイプライターと銃が結びつくのが少し不思議ですが、初期の計算機は軍事と密接に関連しているので、繋がりが深いのかもしれません。

マイコン前の計算機の時代では、下の写真のようにキーボードにsinやcosなどの関数などを割り当てていたようで、こういったものを見ると、タイプライターと初期計算機との関係がすこしわかるかもしれません。
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そもそも、コンピュータのことを今でも時々計算機と言いますが、昔のホビーマイコンを見ていてもそうですし、そのさらに前の時代では本当に計算機という言葉が似合います。例えば、博物館の中に弾道軌道の計算表が分厚い本になって置いてあったのですが、これらの計算を担うと考えたら、やはり計算機という意味合いなんですよね。ホビー方面にも進化したのは、計算だけにとどまらない応用ができるくらいに進化したということなのでしょう。

この部屋は小さいですが、ブログでは紹介しきれないくらい面白いものがたくさんあります。この時代のことを知っている人はもうかなり少ないと思うので、是非とも実物を見て、できるなら解説付きで案内してもらえるといいのかと思います。私が行った時は見学者は私一人だったので、親切に解説していただきました。


メインの部屋へ

メインの大部屋に移ります。この部屋では列ごとに年代順になっているとのことで、最初の列は1970年台です。私はまだ生まれていないか、小学生の低学年くらいまでで、ほとんどのものは実機を見たこともなければ、型番を聞いてもあまりわからないものが多いです。その中でも、最初に展示してあるものはここに来る人なら誰でも知っているはずの、Apple Iです。と言ってもここにあるのは復刻版だそうで、そのためきちんと可動する!とのことです。ちなみに今調べてみたら、オリジナルのApple Iの可動品は世界で10台程とのことで、eBayで150万ドル(今のレートだと2億円以上)で出品されたこともあるそうで、さすがにオリジナルを手に入れるのは難しいですね。
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他にもALTAIR社の8080など、フロントパネルでスイッチをパチパチするタイプのものがありましたが、実は私はこのタイプをどうやって使っていたか知らなくて、その場でビットごとにスイッチを入れて記憶していくと説明を受けました。
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1970年台後半には、Apple IIも置いてあります。この時代のもう一つの目玉はTK-80関連でしょうか。これも私は直接は触ったことがないですが、ホビーマイコン直前の大ヒット商品として有名ですね。ここではTK-85がフルセットで置いてありましたが、実は私は85の方はほとんど知りません。80のバージョンアップ製品のようです。
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1970年台の一番最後にはPC-8001が申し訳程度に置いてありました。発売が1979年なので確かにこの列にあるのは正しいのですが、あまりに雑な扱いです。
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と思って、次の1980年台の列に行ったら、純正フロッピードライブとデータレコーダーと共に、もっとしっかりしたセットが数台置いてありあました。確かに、PC-8001がメインで活躍したのは1980年に入ってからですよね。
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2台目に買ったFM-NEW7

ここからは私にとって馴染み深いマイコンがたくさん出てきます。まずはFM-7です。列に並んでいたわけではないですが、途中のベットテーブルの上に置いてあり、目についたので写真を撮っています。
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私は中1の結構最初の方に2台目のマイコンとして、中古のFM-NEW7を買っています。まだ土曜日が学校も休みになっていない時代のある土曜日のことだったと思いますが、中1の当時まだ大学を卒業したばかりの新任の若い女の担任の先生に「今日新しいコンピュータを買いに行くんだ」と言って、嬉しそうにはしゃいでいる場面をはっきり覚えています。FM-NEW7はFM-7の廉価版で、機能はほぼFM-7と同等です。今調べたら発売開始が1984年5月とあるので、1年ちょっと経った中古を購入したことになります。当時は雑誌が唯一の情報源で、広告欄を食い入るように見て、お年玉とかを貯めた貴重なお小遣いなので少しでも安いところを探し、結局コムロードというお店で買ったと記憶しています。対抗馬としてPC8801がかなり魅力的でしたが、価格的には全然自分で買えるようなものではなく、200ラインでしたが、6809の魅力もありFM系に決めました。それまで使っていたZ80系とは違いますが処理的にも早く、たとえPC8801は買えなくても、PC8001にするよりはFM7系だろうと当時考えていました。スタッフの方によると、FM-NEW7もこのマイコン博物館のどこかにあるはずだとのことでしたが、残念ながらメインの展示の中には見つかりませんでした。

年代的に少し前後しますが、FM-8もありました。8とついているので7の後に出たかと思われがちですが、発売は1981年5月と、FM-7の1982年11月よりも1年半ほど早いです。私はFM-8自身にはさわったことがなかったですが、FM-8の優れた設計はFM-7に引き継がれ、テンキーの真ん中を押さないとキャラの移動が止まらないという欠点も含めて、富士通の当時の思想に共感したものです。
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東芝パソピア

もう一つ私の今の人生に大きく関わった機種を紹介しておきます。東芝のパソピアです。7の方ではなく、ただのパソピアです。というのも、まだ自分でコンピュータを手に入れる前、多分小4の冬くらいから小5の初めくらいだと思うのですが、自転車で15分くらいの親戚の家に入り浸っていました。母の姉の旦那に当たるのですが、親戚の中でも数少ない理系のおじさんで、当時のナショナルに勤めていていて、それでいてなぜか東芝のパソピアを自宅に持っていました。パソピアは後のパソピア7のようなホビーパソコンというよりはもう少し仕事向けでした。それでもジョイスティックを買ってあったりして、子供だった私やいとこにパックマンのようなゲームやオセロなどをさせてくれた覚えがあります。いとこは女の子二人の姉妹だったので、当然コンピュータに興味なんか持つわけもなく、その分興味を持った私がかわいかったのでしょうか、使っていない時はいつでも使っていいよということで、暇さえあればそれこそ平日でも押しかけていました。最初のBASICの基礎はここで学んだはずです。returnの綴りを口で呟きながら自転車で自宅まで帰ったことをいまだに覚えています。この時の時間を忘れてコンピューターに触れる経験はとてもありがたくて、叔父にはいまだに感謝しています。マイコン博物館に展示されていたものは当時のままの特徴のある赤と緑のキーボードで、とても懐かしかったです。そういえば、当時ROMカートリッジもたくさんあったので、かなりお金をかけていたと思われます。
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80年台まだまだ続きます

1980年台と言っても、よく知っている機種はもちろんたくさんあるのですが、あまり知らない機種も結構ありました。多少なりとも知っているものはPC6001、PC-8001、PC-8801、初代PC9801、FM-7と8、パソピア、松下のJR-100、シャープのMZ-80系、1200、2000(多少触ったことあり)、日立のベーシックマスターレベル3、Jr.(名前だけで触ったことなし)、三菱のMULTI16 (ホントに名前だけ)などです。そうそうIBM PCも置いてありました。オリジナルを見るのは初めてだと思います。
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あまり知らないものとしては、撮った写真に型番が写っているものだけでも、Commodore 8096-SK、Apple III(Apple IIまでしか記憶になかったです)、KYOCERAのM203 mark III (検索しても出てきませんでした)、BUBCOM80(富士通で製作され、FM-8にちょっと似ているZ80を使ったバブルメモリが使える機種らしいです)、Osbone Executive、Bondwell Portable Computer Model 12などです。多分ホビーの範疇ではないので、小中学生だった私にはほとんど知らない世界でした。

1980年台を繋ぐ間のところには、Commodore 64、CASIOのFP-1100やここで展示用のFM-7があり、さらにはシャープの初代X1もあります。最上段はぴゅう太ですね。友達がもっていて、カタカナベーシックは当時も多分今でもインパクト大だと思います。
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1980年台の2列目になるともっと馴染みが深くなります。目玉はLisaでしょうか。Lisaを知らない方もいるかもしれませんが、これは今のMacの大元のようなもので、1983年当初でGUI操作を実現していました。このマイコン博物館で改めて知ったことは、キーボードがきちんと日本仕様になっていたこと、下の段にはLisaの裏蓋が開けられているものがあり、中身まで覗けることです。
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他にもMZ−700、SONYのSMC-70、Apple IIe、NECのハンドヘルドコンピュータPC-8201、同じNECでPC-8001mkII、PC-6001mkII、NECブランドの京セラの名器PC-100、パソピア7、IBM系列ではXTとAT、さらには互換機のCompaqの初代機Portableも置いてありました。富士通はFM-11、SHARPはX1 turboまで進んでいて、MZでは全く記憶のない6500とかもありました。PC-9801はMまで進んでいます。


思い出のPC-6001mkII

さて、この日のメインのPC-6001mkIIです。これは初めて手に入れたコンピューターで、小学生ながらにかなりしゃぶり尽くしました。最初の頃はゲームをしたりプログラムを打ち込んだりでしたが、小6の時に「PC-Techknow テクニカル ノウハウ集」という専門誌に近いような本を買ってから状況が大きく変わりました。当時の値段は覚えていませんが今調べたら2500円でした。小学生が普通に買える値段の本ではなく、多分当時の栄電社に置いてあったと思うのですが、中身を見てどうしても欲しくなり、おじいちゃんにねだった覚えがあります。中身は技術的な情報が満載で、例えば打ち込んだBASICは中間言語という形に置き換えられて保存されているとか、listコマンドで見えないリストはなぜなのかとか、当時の私の拙い知識で理解できる範囲だけでも、後の理系人生を決定するほどの大きな勉強となりました。最近PC-TechknowのPC8801版は手に入れたのですが、PC6001版はいまでも手に入れられていません。

そんな話をスタッフの方と話していたら、なんとPC-6001mkIIの電源を入れてくれることに。モニターケーブルも探してきてくれて、モニターとの接続がRFではなくてデジタル信号だったことも思い出しました。デジタルだと、PC6001時代のRF出力の色ズレを利用してカラフルになるゲームが、mkIIだとうまく色がつかないんですよね。

ドキドキしながらPC-6001mkIIの電源を入れると、見事に立ち上がりました。文字に少し赤のズレがありましたが、記憶では真っ白だったはずなので、流石に経年劣化でしょう。垂直水平動機があったのを思い出しましたが、調整では直らなかったです。
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せっかくなので5つ目のN60m BASICを立ち上げます。ご存知の方も多いかと思いますが、このmkIIは「しゃべり」ます。talkコマンドを思い出しつつ試しますが、どうも声が出ません。裏のつまみで音量が調節できたはずなので回してみたり、playコマンドも試したのですが音が鳴らないので、どうやらスピーカーが壊れているみたいです。耳を近づけて注意深く聞いてもノイズ音も何もしなかったので、スピーカーに電流が入っていないような感じでした。簡単なBASICは動かせましたが、昔みたいにサクサクはいかないです。考えたら最後に触ってからもう30年近く経っています。私のPC-6001mkIIはキーボードが接触不良で徐々に使えなくなってきてお蔵入りさせてしまいました。博物館のものはキーボードもストレスなく打てます。スピーカーも直せば使えるかと思います。こんな状態で残っているのがとにかく感動でした。

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マニュアルも当時のままで残っていたので、中を見てみました。そういえば昔のマニュアルは、技術情報まで詳しく書いてあったことを、改めて思い出しました。しかも、例えば音の出し方とかもきちんと周波数ベースで書いてあったりして、小学生の当時理解できなかった部分も今見るとさすがにわかります。これは結構感動でした。
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今この時代のマイコンを触るんだったら、完全分解とかになるかもしれません。多分この規模だからそんな気になるんだと思います。キーボードの下に本体が入っているというのも、今から見るとずいぶんコンパクトな感じがします。個人で全部を把握できるくらいの規模のコンピューターがホビーベースで存在したのは、1975年から1985年くらいの、せいぜい10年程度の間だと思います。それ以降は徐々に複雑になっていき、メモリ空間を全部把握するとかも困難になってきます。ある時期のみに現れた、非常にいい教材だったのではないでしょうか。

惜しむらくはもう少しだけ早く生まれていれば、もっと楽しめたはずなのにと今でも思います。そういえば当時は年上の人たちとばかりつるんでいました。P6仲間だった1個上のヤマケンやゴッちんやクッさんやドラ、FM7仲間だった4つくらい年上のS兄ちゃん、みんなどうしてるかなあ?などなど、もういろんなことを思い出してしまいました。またいつか時間のある時にマイコン博物館を訪れて、今度はFM7も含めてじっくり触りたいです。


その後の年代

まだここから1990年代とかもあるのですが、これ以降は私の中ではかなり新しい部類になってきます。iMacは色違いでたくさんあります。注目はNeXTSTEPでしょうか。大学院時代に少しだけ触ったことがあって、カラーだった記憶があるのですが、ノーマルではモノクロだったそうです。
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1階と3階も見せてもらえることに

青梅駅で18時には電車に乗りたかったので、滞在は2時間弱と短かったですが、とても充実していました。帰るときに、3階の倉庫と、1階の夢の図書館の現状も見せていただきました。3階には飛行機などのラジコン模型もあり、さらに拡充していくみたいですが、それ以上にまだまだ未整理のコンピューターが箱に入って山ほどありました。

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聞いたらスタッフは3-4人程とのことなので、一つ一つチェックするのが大変だそうです。動かせるように修理などもしているとのことで、できれば私も手伝いたいくらいです。夢の図書館の方もリニューアルにはまだかかりそうとのことで、以前使っていたロッカータイプの書庫から全て雑誌などを出して、段ボール箱の中に詰め替えたものが山積みになっていました。

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ちょっとだけ天文

そうそう、せっかくなので天文関連話を。今回のことをブログの記事にしていいか聞いた際に、今の趣味は天文だという話になりました。すると、館長さんがなんと昔6インチの望遠鏡を自作したことがあるとのこと。観望会という言葉も出ていて、以前は天文少年だったみたいです。その流れで「天リフさんも以前来てくれましたよ」と聞いてさらにびっくりです。そういえば天リフの特集で夢の図書館来たという記事を見たことを思い出しました。天文ガイドのINTERACTIVEがキッカケで夢の図書館を訪れたという内容で、その後私もINTERACTIVEを全巻お借りすることができたので、記憶の隅に引っかかっていました。


是非とも訪問してみてください

今回は私の小さい頃の思い出という視点からマイコン博物館の訪問記を記事にしましたが、ここに来れば誰もが自分自身の当時の思い出に存分に浸ることができるでしょう。マイコンという分野はアメリカを端にしていますが、間違いなく当時の日本独自の文化というものが存在したと思います。その文化の一端に、実際の機器通して触れることができる貴重な場所です。写真もたくさん撮りましたが、とてもじゃないですがここだでは紹介しきれません。是非とも現地に行って自分の目でご確認ください。


2024年4月22日、前日の金曜夜から実家の名古屋に来ていて、土曜のこの日は結構時間があります。というわけで、名古屋観光に出かけることにしました。といっても、観光名所を検索してもさすが地元なのでほとんど知っているところばかりです。まあ、いつものコースになりました。


地下鉄で

まずは自宅を車で出て、名城公園に向かいます。公園周りの道は土日は駐車可能になるので、ここに車を止めて地下鉄に乗るのですが、この日は少し出遅れて、9時半頃には駐車可能な道はほぼ車で一杯でした。駅からかなり遠くしか空いていなくて、歩いて10分以上かけて地下鉄の駅に向かいます。

土日は地下鉄と市バスが乗り放題の券が割安で買えるので、観光にはとても便利です。平日も使える地下鉄のみ乗り放題より安いのですが、その平日の高い方も同時に売っているので、買うときには注意が必要です。

地下鉄で上前津に向かいます。
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定番の大須商店街をぷらぷら歩きます。招き猫が出迎えてくれます。
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マイコン少年だった私は、小学生の頃からこの大須界隈によく来ていました。上前津から矢場町あたりにマイコンショップが何軒もあり、北区からわざわざ自転車を走らせ名城公園の坂を駆け上がり、一時期毎週の如く通っていました。招き猫があるあたりも昔は安いショップがあり、もう店名も忘れてしまいましたが、ビルだけは残っていて地形が当時を思い出させてくれます。大学生になって秋葉原に行くまでは、ここ大須一体が私にとっては一大電気街でした。宣伝で流れていた「♫ラジオセンターアメ横ビル、カモン!」というフレーズはいまだに覚えています。


思い出のコンパル

今日大須に来た目的の一つは、コンパルに行くこと。コンパルはまだ小さい子供の頃に家族に連れられて行った、名古屋ローカルのファミレスの走りみたいなものです。今調べたら1947年に大須で開業だそうです。ウチは近くの浄心店に行っていたのですが、そこはもうなくなってしまっています。昔はレストランだったイメージですが、今はサンドイッチがメインで、あとは飲み物くらいのようです。実家に帰って母にコンパルがサンドイッチがメインだったと話したら「えっ?なんで?」とかいう反応だったので、多分私の記憶違いでは無いと思います。浄心店は洋食とかがあったのかもしれません。

さて今回頼んだのは名物のエビフライサンドとアイスコーヒーです。アイスコーヒーはちょっと変わっていて、氷の入ったグラスに濃いめの熱いコーヒーを自分で注ぐものです。今でこそコンビニやファミレスの飲み放題でこのタイプはありますが、喫茶店でこの形式はあまりなさそうです。どうやら砂糖を入れるときに溶けるように熱いまま出すというのが目的みたいです。
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エビフライサンドを食べていると、他のお客さんがモーニングを頼んでいました。しまった、飲み物プラス150円でハムチーズサンドが食べられたのでした。メニューの裏面に書いてあったので気づかなかったです。名古屋はチェーン店でもモーニングがあるのを忘れてました。でもエビフライサンドは名物と書いてあるし、美味しかったし、まあよしとします。


カモン赤門

店内は結構混んでいたので長居もせずに出て、そのまま大須商店街を歩きます。アメ横ビルを少しのぞき、まんだらけはまだ空いていなくて、第2アメ横ビル方面に向かいます。途中に変わった形の信号機があります。
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なんでもUFO型とよばれているらしいのですが、第2アメ横ビルに通うようになって気づいたので、相当昔からあるはずです。第2アメ横ビルができたのが1984年ということで、オープン当日のことを朧げに覚えています。少なくともそれ以前からある信号機で、調べたら1975年に設置だそうです。いまでは名古屋はこの1台で、あとは仙台に何台か残っているだけだそうです。

この信号があるのは大須の赤門通というところなのですが、通りを歩いているとテーマソングの「カモン!A・KAMON!!」が聞こえてきます。ローカルアイドルグループなのでしょうか、2015年のことみたいです。この歌の中にも出てくるのですが「アメ横あるけど、東京じゃない赤門!」とかなり東京を意識しています。東京のアメ横はアメヤ横丁というのは昔から聞いています。そういえばアメ横ビルの名前の由来は昔から気になっていたので調べてみたら「上野のアメ横のごった返している雰囲気にしたくて名付けた」というような話が見つかりました。なんと!本当に東京から名前を取っていたようです。

第2アメ横ビルでは、まだ回路部品を扱うパーツ屋さんが何軒か残っていました。
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昔は第1アメ横ビルも第2アメ横ビルも、こういったパーツ屋さんがたくさんありましたが、もうかなり数が少なくなっています。頑張って欲しいです。名古屋は大須以外にも何軒かパーツ屋さんが点在しているようです。


プラネタリウム

そのまま歩いて北上して、次の目的地の科学館に到着です。
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まだプラネタリウムの席は空いていて、すぐ次回の12時40分の回のチケットを取ることができました。あまり展示を見る時間もなく、すぐにプラネタリウム内に入場です。
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投影中はスマホの電源を切りますが、投影前はシャッターチャンスです。
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投影機本体にも「Carl Zeiss」の文字が!

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コントロールパネルもかっこいいです。

名古屋市科学館のプラネタリウムは、基本生解説です。その日の空の夕方の月が残っているところを映し出して始まりました。この日は上弦の月を過ぎたくらいで、月が出ている時と月を無くした場合で夕方の星の見え方が変わる様子を見せてくれました。

その直後の「それでは、このまま夜を迎えましょう」という解説員の方の台詞が妙に身に染みました。本当の夜空を見ながらの夕方では時間がかかるので、こんなセリフにはならないはずです。ドラマとか映画であるかもしれませんが、時間の経過を感じさせてくれるものではありません。このセリフとともに夜を迎えることができるのは、プラネタリウムならではで、本当に「このまま夜を迎える」ことを体感できるのです。

プラネタリウムのいいとことは、明るい街灯りがあるところの星空から一転暗いところの星空になり、星で一杯になるところです。子供の頃からこの演出にいつもワクワクしながら見ていて、今もその切り替わる瞬間が大好きです。逆に本物の星空ではこんなことはできないので、プラネタリウムならではなのかと思います。さて、今回のテーマはおとめ座。途中おとめ座銀河団が出てきます。あ、撮影したところだ!と思いながら見ていました。夢のような時間はあっという間に終わり、朝を迎えます。


科学館の天文展示スペース

プラネタリウムの後、天文スペースの見学です。一番好きな望遠鏡の光路を見せる展示の写真を載せておきます。
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あと、漏斗状の形の曲面上を小さな鉄球がぐるぐる回って、最後は中心に落ちる装置です。ここでは「惑星の動きと万有引力」と書かれていますが、なんていう名前なのでしょう?これも小さい頃から好きな大好きな装置で、いつまで見てても飽きることがありません。ニュートンの力学では質量を持ったもの同士が互いに引き合うというように説明されるのですが、この装置はアインシュタインの相対性理論で大質量の恒星が周りの場を歪ませ、惑星がその縁を回るというイメージを説明するのに使われたりもするようです。

前回科学館に行ったのは2022年3月のことで、約2年ぶりになります。


いくつか新しい装置もあるようです。詳しい方に少し解説していただきながらが聞いたので、より理解が深まります。せっかくなので、ここで紹介したいと思います。

まずは分光観測。実際に天体観測で使われていた分光器で、赤とか青とか白の恒星を再現しその分光スペクトルを見ることができます。恒星の光を再現する光源を探すのが大変だったようで、赤がわかりやすいですが、光源としては青が難しかったそうです。
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次はデジタル式のプラネタリウムの走りで、1983年の昔からこんな方式が実現されていたとのことです。PCの画面を巨大な魚眼レンズで投影します。それを操るPCやグラフィックボードも見ものです。真ん中上部に見えるPCは1983年だと流石に豪華すぎで、1990年台のものだということです。
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ここの隣の装置では、複数台のプロジェクターをどうやって継ぎ目なく天球型のスクリーンに投影するかの解説がされています。以前はプロジェクターの投影時にプラネタリウム投影器の影が映ってしまっていて影を無くすために投影器ごと下に下げていたそうなのですが、パノラマの投影システムでは向きを少しずらして斜めに投影することで、光学式の投影機が出ていても影が映らないようになっているとのことです。最近では市販のプロジェクターに魚眼レンズを使って星を投影することも、小型ドームで行われているようです。

続いては、小牧隕石。これはすでに前回来た時もあったようですが、あまり気にしていませんでした。小牧市のとある民家の屋根に落ちた隕石ですが、屋根に当たって跳ね返れり、カーポートの屋根に向かったとのことですが、セキスイハイムの屋根が頑丈だったために、突き抜けずに怪我などなかったとのこと。セキスイハイムはこのことを「隕石に負けない屋根」とかいってもっと宣伝してもいいのかと思います。

その隕石の屋根とカーポートにあたり地面に行くまでの軌跡が、64分の1のジオラマで再現されています。64分の1のミニカーがまずありきで、それに合わせて家のモデルをメーカーに作ってもらったので、かなり正確なものだそうです。ちなみにその民家の提供で、隕石が当たった実際の屋根まで展示されています。
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隕石の破片を偏光版で見ると、キラキラといろんな色が見え、とても綺麗です。
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展示スペースの天井を見上げると、以前からあったTMTのリングの横に、天球儀を模したオランダアイジンガープラネタリウムのレプリカがあります。残念ながらこの天球儀は動かないのですが、オリジナルのオランダのものはきちんと動くとのこと。いつか行ってみたいです。ここに展示されている腕時計、クォーツのレプリカなのですが、自動巻きの本物は一回で6本のみ作られる相当に貴重なものだそうです。

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最後はつい先日、見事3度目の越夜からの復活を見せてくれてSLIMです。月面に着陸した際に撮影した、小型ロボットと写真を再現してあります。こんな最新のイベントも展示として反映してあるので、何度行っても楽しめます。
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もちろん、天文関連以外の展示もものすごい充実度です。子供と一緒に家族で行っても、家族全員で楽しめることでしょう。理科が好きな子だったら、ここに一日中いても飽きないと思います。


再び地下鉄で

さて科学館を後にして、まだ時間が少しあったので次にどこに行くか考えます。選択肢は
  1. 望遠鏡ショップのスコーピオ
  2. 則竹イオンにあるコニカミノルタのLEDプラネタリウム
  3. 少し趣向を変えて名古屋城
の3択です。実家に帰るのは年末や年始、お盆などが多く、意外に名古屋城には行けていません。前回行ったのは上の子がまだ小さかったころなので、15年くらい前でしょうか?科学館の入場チケットでコニカミノルタプラネタリウムが200円引きになるというのが少し惜しかったですが、今回は名古屋城にしました。科学館から矢場町まで行き、地下鉄に乗ります。駅に入るところでフェスのようなものがあり、美味しそうな出店がたくさん出ていました。
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残念ながらチケット制で、10枚で4000円とかだったので、流石に一人では使いきれず、泣く泣く諦め地下鉄に。

名古屋城へは間違えて名城公園駅で降りる人が後を立たず、市役所駅で「名古屋城へはここでお降りください」というアナウンスが流れていたのですが、なんと市役所駅自身が「名古屋城」駅に変わっているではありませんか!調べたら1年ちょっと前に名前が変更になったとのことです。ぜんぜん知りませんでした。
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いいよ名古屋城

駅を降りて、金シャチ横丁を横目にお城の入場口に向かいます。
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名古屋らしい名前のハンバーガー。
ENGLISH OKと見て、この店に決める外国人に意味が伝わるのか?

名古屋城は相変わらずの迫力です。
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今は天守閣には登れないようです。その代わりと言ってはなんですが、今回のメインは「本丸御殿」。何年か前にテレビで見た記憶があるのですが、1615年の尾張藩主の住居と藩の政庁を現代に再建したものです。
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中はもう、これでもかというくらい豪華で、現代の名工の総力を上げたものだと容易に想像できます。
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ここで上げた写真はごく一部ですが、御殿の中をほぼ全て見学することができ、かなり見応えがあります。全部公開されたのは2018年からだそうです。なかなか来る機会がなかったのですが、これは一度は見る価値があると思いました。

少しおやつで、場内で名古屋名物の味噌串カツを食べました。
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場内で食べるところもたくさんあるようです。

天守閣は入れませんでしたが、本丸御殿でかなり満足できたので、ここで場外に出ます。入ったところとは別の出入り口で、ここにもまた別の金シャチ横丁があります。

ここから歩いて名古屋城駅まで歩こうと思ったのですが、駅は少し戻る方向で、地下鉄に1区だけ乗るもの無駄に思えて、結局名城公園駅のほうに向かい、さらに車まで歩いたので、名古屋城周りだけでもかなりの距離を歩きました。この日は結局5km以上は余裕で歩いたと思います。普段運動不足の私にとっては結構な距離で、最後は膝が痛くなってきました。


なぜか名古屋飯

そのまま実家に帰り、夜の自宅への運転に備えて少し仮眠し、夕食は母とブロンコビリーでステーキでした。

ブロンコビリーは全国チェーンで、そういえば富山にもあるので(2024/4/25:富山にはないです。びっくりドンキーと勘違いしてました。)名古屋飯とは関係ないなと思っていました。ところが、ブロンコビリーの1号店は名古屋で、しかも実家と同じ北区だそうです。今はその店舗はないそうですが、場所を調べたら高校に行くときに毎日自転車で通っていた道沿いにあった店で、ある意味名古屋飯です。

結局この日はコンパルから始まり、味噌串カツもそうですが、全て名古屋飯だったというわけです。


帰宅と、週末

実家に帰った後、ほぼその足でそのまま富山に向かい、自宅に着いたのは23時半頃でした。

実は昨日金曜の夜は岐阜羽島のハートピア安八で天文関連の集まりがあり、次の日の日曜は富山県天文学会の集まりがあり、この週末はある意味天文ざんまいでした。名古屋のプラネタリウム以外の観光もかなり楽しかったです。



久しぶりの新鏡筒、タカハシのε130です!!!

今回は短焦点で明るい高性能鏡筒。なんでこの鏡筒なのか?これからどう使うのか?ブログ記事にしておきます。


動機

大元の動機は、自宅庭撮りでどこまで淡い大きな天体が出るかという試みでした。広角はこれまで焦点距離の短いFS-60CBとフルサイズのEOS 6D一択でした。例えば約2年前に、Sh2-240をこのセットアップで挑戦しています。



でも赤を無理矢理出した感じで、しかも青がほとんど出ずにかなり不満が残りました。実はその後、北空のダイオウイカSh2-129にFS-60CBで10時間挑戦したのですが、結果はカスリもしなかったので、ブログ記事にすることもなくお蔵入りになりました。フルサイズのカメラは手持ちではカラーの6Dしかないため、フィルターもせいぜいワンショットナローと限られてしまい、モノクロカメラと個別のナローバンドフィルターにはおそらく全く敵いません。

約1年半前にSCA260を買ってからは大口径がとても楽しくて、過去1年半はほとんどSCA260一本での撮影でした。多くは自宅庭撮りで、M81の背景など極々淡い所以外はかなり満足しています。でもそろそろ他の焦点距離も撮りたくなってきて、まだ挑戦しきれていない自宅広角ナローバンドを試したくなってきたというわけです。


機材が思ったより大変

このように考えた結果、機材に対する課題を並べてみます。
  • 広角
  • 明るい
  • モノクロ
  • フルサイズ
  • ナローバンド
くらいでしょうか。でもこれ、一見簡単そうで実は物凄く大変です。鏡筒もそうですが、フィルターも2インチサイズが必要ですし、大きなセンサーのモノクロカメラも必要です。

今回、まずは鏡筒です。今年の目標でも書いたのですが、短焦点で明るい鏡筒として
  1. タカハシ ε130: 13cm f430mm F3.3 27万円
  2. Celestron RASA8: 20cm f400mm F2.0 35万円
  3. SHARPSTAR 15028HNT: 15cm f420mm F2.8 カーボン鏡筒 33万円
の3つを候補として考えていました。

いずれも FS-60CBに比べて口径で2倍以上、面積でも約4倍以上なので、露光時間も4分の1以下で済みます。FS-60CBで10時間くらいなら撮る気にはなりますが、40時間となると流石に躊躇します。これが口径12cmで同じ焦点距離なら、40時間が10時間で済むのでと実用的な時間となり得るのです。

ただしε130は納品まで1年半くらいかかるらしいこと。RASA8はF値が2台でナローバンドだと大変そうだという話があるのと、やはりじゃじゃ馬として名高いことがあります。15028HNTは入手しやすそうで、口径13cmの13028HNTでもいいのかと思います。スポットダイアグラムの緑の分離が少し気になります。といってもε130とそこまで変わるわけではないので十分な気もします。

でもこうやって具体的な鏡筒名まで書くことで、事が進み始めました。CP+のサイトロンブースでブラックパンダさんにお会いした際に、ブログで読んでくれたのか、もしかしたら年末の周参見での天リフさんの中継(39分ごろに出演しています)を見てくれたのか、私がε130を欲しがっているというのを気にしてくれていて、シュミットで展示のε130を譲ってくれるというのです。納期の問題さえ無ければε130が第一候補だったので、すぐにこの話に飛びついてしまいました。その後しばらくしてから、見積もりと現状の写真を送って頂きましたが、値段的にも納得です。そのまま折り返して発注でもよかったのですが、ちょうど3月末に関東に行く機会があったので、実際にシュミット店頭で見せて頂くことになりました。


シュミットにて

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シュミットではε130とSHARPSTAR 15028HNTを並べて比較が始まります。シュミットスタッフさんを交えての熱い議論です。おそらく撮影しようとするとユーザーも多いε130の方が楽はなずで、その一方15028HNTを手に入れて自分なりに仕上げていくというのもそれはそれで楽しそうだというのも思っていました。

まず確認したことが、展示品を売ってもらうのは本当に大丈夫かということです。でも店長さんが「欲しい人に使ってもらうのが一番なので」と言って下さったので、少し安心しました。あと、シュミットとしては当然SHARPSTARの方をお薦めしたいはずです。それでもきちんと客観的に議論して頂けました。とてもありがたかったです。

色々話は出ましたが、今回の議論の最大のポイントは、フルサイズと四隅の星像。もっと広角で撮りたいために、モザイク撮影も考えていることを伝えたのですが、これが決め手になりました。もちろん決して15028HNTの星像も悪いわけではありません。それでもスポットダイアグラムを見てもε130と差はあることはおそらく事実で、APS-Cまでならほとんど差はないが、フルサイズだと差が出るのではという話になりました。

他の比較項目は付属品です。15028HNTには鏡筒バンドにアリガタ、フォーカサーには減速機が標準装備、ケースまで付いてきます。一方ε130はほぼ鏡筒そのものだけで、一緒に展示してあった鏡筒バンドやプレートは別会計です。口径は13cmと15cmですが、私もあまり気にしてなかったのでほとんど議論にはなりませんでした。金額的にはほとんど同じ。ただし付属品と口径を考えると15028HNTの方がトータルでは安くなりそうです。

迷いましたが、今回の目的では四隅のフルサイズの星像を最優先し、更に普通だと納期がかかるε130が手に入るということで、当初の話の通りε130に決定としました。ブラックパンダさん初め、サイトロンのスタッフの皆さん、店舗での議論も含めて色々お気遣い頂き本当にありがとうございました。

ついでに、CP+の展示品で出ていたAskerの幅広サイズのドブテールバー(アリガタ)がまだ残っているということで、それも購入することに。ε130の鏡筒バンドは直接付きませんが、他の鏡筒についているものと入れ替えで使えそうです。早速カードで支払いを済ませ(この時点ではまだ妻には今回の事は言ってません、カード明細が来るまでには話しておかないと修羅場になります)、その後少しだけ店内を見て、まだ少し時間があったので次はスターベースに移動です。


スターベースにて

既に買い物は終わったというのに、何でスターベースに行ったのかです。実はスタッフのS君がプライベートでCP+の会場に来ていて、そこでε130について相談していたので、シュミットの展示品を手に入れた事を報告しに行きたかったのです。タカハシ製品をスターベースで購入することができなくてちょっと申し訳なかったのですが、それでも新規鏡筒購入を一緒に喜んでくれました。

その日のスターベースはお客さんが結構いて、スタッフの方たちは皆忙しそうでした。そんな中、S君が若手のスタッフのM君を紹介してくれました。なんとM君、私の大学の後輩で更に学科まで同じです。大学の天文サークルに所属していて、その中で数少ないマニア組として頑張っているとのこと。天文サークルなんて当時あったかなと思いましたが、妻が大学の学祭でプラネタリウムを作ってた所を見た覚えがあると言うので、おそらく当時もあったのでしょう。学生時代は全く星に興味がなかったので私の方はほとんど記憶がありません。4月から院に進むとかで、そういえば三基光学の店長も同じ大学院だったことを話して盛り上がりました。その後、忙しいにもかかわらずFC100の双眼を覗かせてくれました。またスタベに行く楽しみが増えました。

あと思いがけなかったことが、私の顔を見てSamと知っている方が二人もいて、それぞれ「Samさんでしょうか?」と別々に声をかけられたことです。講演の動画とかで顔が出てしまっているので、天文ショップではもう悪いこととか出来ないですね(笑)。しかもそのうちの一人は、CP+の展示品のSCA260のバージョン2を手に入れられたとかで、同じSCA260仲間です。そういえばシュミットにいるときにCP+の展示品の話になり、FRA300 Proは某Hさんがすぐに購入されたことが皆さん周知のこととなっていて、「SCA260もすぐに売れてしまった」とか話していました。なんとそのSCA260を買った方だったとは。

他にも店長さんとずっと話されていたお客さんがいて、少し聞き耳を立ててみると電視観望で中継のようなことをやってみたいようです。先に声をかけてくれた二人の方とも電視観望について少し話しましたが、スターベースでも電視観望に興味を持ってくれている人が普通に来ているのだなと実感できて、なんか嬉しかったです。その後、電視観望関連で少し用事があったのでスターベースを後にしたのですが、この話はまたいつか。


自宅にて

さてさて、自宅で待つこと数日、とうとうサイトロンから荷物が届きました!

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中身はというと、
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念願の黄色い鏡筒のε130です。ヤッター!!!

実際の撮影までは必要なものがあるのでもう少し時間がかかるかと思いますが、焦らずに進めていこうかと思います。あ、でもその前に電視観望でファーストライトをするかもしれません。

ちなみに、東京から自宅に帰ってすぐに妻には望遠鏡を買ったことを告白しました。こういったことは早ければ早いほどいいのです。今回は事後報告でしたが、何とか事なきを得ました。



過去記事

もし今回の記事が面白かったらですが、よかったら過去の新鏡筒購入時の記事もいかがでしょうか?






3月末、茨城県石岡市にある「カフェぽうざ」に行ってきました。おそらく日本では唯一の、食事やコーヒーを楽しみながら、電視観望を実演してくれるカフェです。



事の発端は、半年ほど前に天リフ超会議の電視スペシャルで基調講演で話した際に、YouTube 経由でとても丁寧なコメントを頂いたことです。天リフ編集長がこんなコメントがありましたと、わざわざ知らせてくれました。内容はというと、細かいことはYouTubeのコメント欄を直接読んで頂いた方がいいと思いますが、大雑把には

....この夏からカフェ店内で電子観望を楽しんでもらう「星空カフェ」を開くまでになりました。食事や飲み物メニューとならんで写真付きの星空メニューをテーブル上に用意し、星を注文してもらうサービスです。
....様々なノウハウを公開してくださったSamさんをはじめ天リフチャンネルのオーナーさんや多くの方々のおかげと感謝しています。

とのことです。このコメントには返信することもできたので、私の方も「いつか立ち寄らせて下さい」と返事をさせて頂きました。今回関東の方に行く用事があり、やっとその約束が実現したというわけです。

カフェは住宅街の中にあり、青い壁と煙突が目印になっています。駅から離れているために車で来ることになるかと思いますが、店の前が駐車スペースになっています。

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カフェは現在は週1回の営業で、基本は日曜のランチから夕方くらいまでとのこと。電視観望の実演では夜の営業があり、今のところ2ヶ月に1回程度の頻度だそうです。お客さんは主に、地元の方と遠方から車で来る方が多く、星空実演の日は予約ですぐに埋まってしまうそうです。

玄関を入ります。
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中はとてもおしゃれな空間になっていて、暖炉もあります。
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反対側を見ると早速、目の前には望遠鏡が!
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「カフェぽうざ」のマスターですが、電視観望を始めたというので初心者の方と思っていたら、子供の頃から星が好きで、高校のころは天文部、銀塩で撮影もされていた大ベテランの方でした。震災で天文から遠ざかってしまったのですが、少し前にカフェを始められて、天文復帰された際にちょうどいいというので、カフェで電視観望を始めたとのことです。

復帰直後は浦島状態で、断念した時の天体写真撮影を念頭に再開したとのことですが、CMOSカメラが凄いことになっていて、天文の世界全体が大きく進化していてびっくりしたそうです。ASI385MCからはじめて、電視観望が面白いと本格的にASI294MC Proを購入し、今はこちらをε160に取りつけてメインに使っているそうです。

カフェのオペレーションをしながらの電視観望操作なので、オートフォーカスのEAFは必須。星雲と銀河でフィルターを切り分けるためにもホイールでの自動切り替えも必須。カフェの中にいながら外に置いた機器をいじるので、これらの機器を使い全てリモート操作だそうです。一人で簡単に操作するためASIAirを使っていて、安定動作させるために接続はカフェの中から庭先まであえて有線LANにするなど、かなり独自に工夫されています。お客さんが居ながらの操作なので、実際には相当大変かと思います。最初の頃はトラブル続きで、やっとこの形で安定になってきたそうです。

晴れていればその日、その場で見えている天体を、上の写真にも少し写っている大きなスクリーンに映し出すそうです。晴れていればいいのですが、天気が悪い時に備えてこんな星空メニューを作ってあります。
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電視観望で見えない時はこのメニューに載っている天体を、料理を注文するかのように選んでもらい、スクリーンに映し出すそうなのです。その映し出す写真は事前に撮っておくことになるので、その準備が大変で今のところは2ヶ月に1度程度の開催にしているそうです。電視観望での星空実演は昨年夏からで、まだ1年に満たないくらい、一回りしたら写真のストックもできてメニュー作りも楽になるので、もう少し回数を増やせるかもとのことでした。

立ち寄ったのは平日で営業日ではなかったのですが、ランチで出しているというメニューをご馳走になりました。
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鶏肉は麹に漬け込んだものということで、柔らかくてとてもおいしかったです。

パスタはペペロンチーノで、ニンニクを焦がさないように作った本格的なもので、地ビールとよく合い絶品でした。
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マスターはコーヒーにもかなりこだわっているとのことです。この日出して頂いたのはエチオピア産の豆を使ったもの。カップも好みのものを選ばせてもらえました。
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奥様が焼いた手作りケーキと合わせて、とても美味しくいただけました。

食事が終わる頃には日も沈み、星空観望の時間になります。マスターも私も電視観望の準備です。
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私はすぐ隣でいつものFMA135とUranus-Cです。
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この日は少し雲があり、上弦を過ぎた月も出ていて明るかったので大したものは見えませんでしたが、それでも雲間からオリオン大星雲、バラ星雲、しし座の三つ子銀河など、いくつか見ることができました。
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実際の電視観望もよかったのですが、それよりもマスターと色々お話しできたことがとても楽しかったです。お互いの星歴や機材のこと、カフェで電視観望に行き着くまでの話、家族のこと、かなり話し込んでしまいました。

実はマスターが機材を準備している間、奥様ともかなりお話しさせて頂いたのですが、マスターはとても寡黙な人であまり感情を出さないタイプだったそうです。でも私の印象だととても気さくに話してくれるので「え?、今日はお会いした時からずっと話してくれてますよ」と言ったら、カフェで星の解説をし出したらとても饒舌に話すのでビックリしたと言うのです。しかも今日私がくると聞いてからここ何日かずっと嬉しそうで、もう社会人になっている娘さんたちにも喜んで話していたとのこと。わざわざ遠くから来てくれた訪問客へのお世辞なのかもしれませんが、私もとても嬉しくなりました。

雲が出てきて電視観望も終わりにしたあと、日本酒をご馳走になりました。石岡市の地酒とのことですが「渡舟」というお酒でとにかくフルーティー。物凄く上品なジュースのようで、アルコールにあまり強くない私ですが、全く抵抗なく飲むことができます。なんでも地元茨城の酒米を使っていて、天候などの影響を受けやすく昭和初期に一度絶てしまった品種を、研究所に残っていた種籾から復活させたということです。まるで「夏子の酒」の中で復活させた酒米と同じような話です。

このお酒を飲みながらもずっとマスターと話していたのですが、そもそも地元での星仲間もほとんどいないとのことで、星のことで話す相手がこれまであまりいなかったそうです。同じ趣味で話すのは、それはもう楽しくないはずはないですよね。星まつりもまだ参加したことがないというので、いつか星まつりで、奥様とも一緒にお会いできたらと約束しました。

夜もかなりふけてしまい、ありがたいことに石岡駅まで送っていただきました。新しい星仲間とのとても楽しかった時間、この趣味を続けていればこれからも必ず関わり続けることができるはずです。星まつりでの再開を近い、この日はお別れとなりました。

帰り際にマスター手作りのガラス板にエッチングしてLEDをはめ込んだという「ぽうざ」の看板が青く綺麗にかがやいていました。

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もし近場で電視観望に興味がある方は、ぜひとも「カフェぽうざ」を訪れてみてください。とても楽しい時間になるはずです。

その際は「開催日が限られてもいますので、あらかじめご予約して下さい」とのことです。

予約はこのページからできるようです。


久しぶりに関東に行く機会があり、天文ショップ巡りをしてきました。コロナもだいぶん落ち着いてきたこともあり、ショップも曜日を選べば空いています。


スターベース

最初は秋葉原のスターベースです。今年3月1日に行った時はコロナで店舗が閉まっているの気づかず、店の前で立ち尽くしていました。店の中に入ったのは調べてみる限り2020年の1月にTSA120を購入した時以来2年8ヶ月ぶりかと思います。いつもお世話になっている店員のS君とも久しぶりに会うことができました。

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久しぶりに店内に入って第一の印象は「随分変わっている」です。店員さんも言っていましたが、展示鏡筒の数が減ったとのことです。ウェブ販売を見ていてもある程度わかっていましたが、納品まで半年とか1年以上とか、受注停止中のものも沢山あります。部材がなかなか入手しにくいのかと思いますが、早めにまた元の状態に戻ってもらえればと思います。

その際、スターベースで相談したいことがあったので少し話し込みました。自宅からのイカ釣り狙いで口径が大きくて短焦点のf値の低い鏡筒を探していているのですが、残念ながらイプシロンは納期1年半以上とか。ヤフオクとかで鏡筒自身は出るのですが補正レンズが曇っているものが多く、やはり新規の補正レンズはもう出る予定は無いそうです。あとはRASAかなあとか話していたのですが、短焦点でのナローバンドは難しいという話があると、面白い情報を紹介してもらいました。ここになるのですが、ものすごくざっくり言うと、f2クラスの明るい鏡筒では、例えば一般的な7nmのナローバンドフィルターだと、口径100mm以上の鏡筒も口径100mmの鏡筒と同じくらいの性能しか出ないというものです。リンク先に、詳しく条件などをまとめたドキュメントへのリンクがあります。特にRASAについてはより影響があると書かれていて、もしこれが正しいとするとRASAはなかなか難しいということになります。じゃじゃ馬のと言われる理由の一端なのかもしれません。

せっかく店舗に来たので、掘り出し物を狙います。中古で入荷したばかりの2インチのフィルターホイール、Vixen規格のアリガタの部材2本、ジャンクのキャップを30個くらいと、いくつか欲しかった物を手に入れることができました。しかも送料無料の金額に達していたので、自宅に送ってもらうことにしました。まだ他のショップも回る予定だったので、重い荷物を持たずにすんでとても助かりました。

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  • キャップはいろんな種類を選びました。ジャンクで買った機材だとキャップが付いていないこともよくあるのですが、これくらい種類があれば合うサイズもあるのではと思います。
  • 2インチのフィルターホイールは色々考えるところもあり、今後フィルターも手に入れていきたいと思います。長期でじっくり取り掛かるきっかけの機材です。
  • 細かいものでマルチフラットナーの長さ調節用に調整リングを一つ買いました。これはタカハシが作った物では無いのですが、使えるとのことです。
  • あと、カタログを何冊か頂きました。周りで欲しい人がいれば配って下さいとのことです。


トキワ荘ミュージアム

次に回る予定は中野にあるシュミットなのですが、その前に同じ落合南長崎駅が最寄りのトキワ荘ミュージアムに立ち寄りました。私はドラえもんの初の長編映画「のび太の恐竜」をコロコロコミックの連載で読んでいた世代で、その頃からの藤子ファンです。マンガ道やハムサラダくん(こちらは知らない人も多いか?)も当然読んでいて、当時のトキワ荘の様子を見ることができるというのはとても感慨深いです。

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この日は開館2周年記念で漫少の特集展示がありました。

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常設展示でも記念展示でも、これまで知らなかったことが沢山ありました。今は藤子不二雄の出身である富山に住んでいるんだなあと改めて思いました。

シュミットへ歩いて移動する途中で、まんが道に出てくる「松葉」の前を通りました。シュミットの帰りに食べようと思いましたが、時間が無く今回はあきらめました。また機会はあると思うので「ンマーイ」をやってみたいと思います。
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シュミット

トキワ荘ミュージアムからは駅の反対側になるのですが、シュミットまで歩いて移動します。店舗自体は3月のCP+の収録の時に訪れていますが、その時は撮影のために入らせて頂いただけで、ショップとして空いていたわけではありません。なのでショップとしては2019年か2020年以来となるはずです。

突然来訪したにもかかわらず、店長さんやブラックパンダさんとお話することができました。実は多くのスタッフの方とは志賀高原でお会いしているので全然久しぶりという気はしないのですが、ブラックパンダさんは志賀高原ではお会いできなかったのでCP+以来になります。

ブラックパンダさんは、このほしぞloveログのVesperaの紹介ページも見て頂いていて、紹介のお礼を言っていただきました。こちらのわがままでお借りしたにも関わらず、とてもありがたいです。そのかいわのなかで、Vesperaの12月発売を目指していること、アプリも日本語化を目指していることを聞けました。期待したいと思います。ただ、本国フランスでの元の値段が上がってしまったことと円安で、当初よりも高くなってしまうらしいので、そこが少し残念だというお話でした。

そのブラックパンダさんから一つプレゼントを頂きました。なんとNEWTONY用のヘリコイドを作ったというのです。NEWTONYをお持ちの方はご存知かと思いますが、アイピースの固定が結構グラグラで、私は揺れないように輪ゴムを巻いたりして回避していました。この問題を回避するためにヘリコイドを作ったので、使ってみてくださいとのことです。ただし、フィルターがうまく付くかわからないとのこと。一度天気がいいときに試してみて、またレポートしたいと思います。

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あと、せっかくのリアル店舗なので、ショップも見ていきました。すると志賀高原の露天風呂で一緒になったスタッフさんが面白い物を見せてくれました。FMA180で拡大撮影をして惑星を見えるようにするシステムです。FMA135でもそうなのですが、電視観望で惑星を見ても焦点距離が短すぎてほとんど点で、あまりに見応えがありません。それを20mm程度のアイピースとNorthernCrossの拡大撮影アダプターを巧妙に使うことで、実質的に焦点距離を伸ばす方法です。

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ガラスの下の機材がややこしいですが無視してもらって、ガラスの上に乗っている機材で構成されています。ピントは少し甘くなるそうですが、まだ改良の余地があるとのこと。手持ちのFMA135でも同様のことができそうなので、同じNorthernCrossの拡大撮影アダプターを買うことにしました。

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電視観望で鏡筒を取り替えることなく簡単にとりつけることができるなら、実践投入もアリかと考えています。

今回は、昨年の小海や志賀高原で一緒に電視観望のデモをした、仲の良いWさんがお休みで会えなかったのは残念でしたが、また来月の小海で会えるかと思います。


品川にあるニコンミュージアムへ

さて、次の目的地は品川駅にある「ニコンミュージアム」です。駅から歩いて10分くらいでしょうか、大きなビルの中の1フロアーにあります。

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ここはニコンの本社にあたり、写真手前は会社の方の受付。そのすぐ奥がミュージアムで一般の人でも自由に入ることができます。

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歴代のカメラを展示してある棚は圧巻です。
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歴代レンズの陳列もあります。
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私も持っているNIKKOR時代のレンズも展示してありました。
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望遠鏡も一部飾ってあります。下の写真は20cmの屈折望遠鏡。なんと徳島の高校で使われていたらしいです。羨ましい限りです。
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この日は企画展で「光学ガラスの軌跡」というのをやっていました。過去には望遠鏡を展示する企画展もあったようです。

帰りにアンケートに答えると、マグカップかボールペンが貰えます。わたしはマグカップを選びました。

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ニコンファンの方だけでなく、天体マニアも十分に楽しめる内容です。近くに寄った際は是非とも一度言ってみることをお勧めします。


再び秋葉原のKYOEIへ

再び秋葉原に移動し、遅めの昼食をヨドバシカメラの上のレストラン階でとりました。ビックリしたのは店舗数が半分くらいになっていて、空いた場所はイートインスペースになっていたことです。こういったのをみるとコロナの影響はやはりかなり大きかったと実感します。

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そういえば、キタムラに寄るのを忘れてしまいました。KYOEIが17時閉店で時間があまりなかったので、間に合うように到着することをずっと考えていたからだと思います。夕方になる手前くらいにKYOEIさんに着きました。

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こちらもまだ店舗営業を再開して1ヶ月も経っていないとのこと。コロナでずっと通販の方がメインになっていたからでしょうか、残念ながら掘り出し物の類はあまりありませんでした。いつもお世話になっているMさんと少し話しました。Mさんとはこの間の星もとでお会いしたばかりなので、全然久しぶりという気がしません。それでもKYOEIの店舗は記録を見てみると2019年6月に行って以来になります。何と約3年3ヶ月ぶりです!記録に書いてないだけで、コロナ前にもしかしたら立ち寄ってるかもしれないですが、それでも3年位になるわけです。こんなに長いこと行ってなかったんですね。コロナでどれだけの時間が過ぎていったのか少し実感してしまいました。

その後、秋葉原から上野に向かい、17時20分の新幹線に乗り、富山まで帰りました。


まとめ

久しぶりに都内で少し時間を過ごし、やっとリアルの天文ショップに立ち寄ることができました。印象に残ったのは、少なからずコロナの影響で長らくお客さんが店舗に寄れなかった状況からやっと復帰しようとしている様子でした。これは天文ショップに限らず、このブログに書いた店、寄ったけど書かなかった店、電車なども含めた公共の場所でもそのような雰囲気を感じました。

コロナ中はネット販売が盛んになるなど、コロナが終わっても全部の状況が完全に戻ることはないのかもしれません。それでも天文ショップにはコロナ前の活気を取り戻していただいて、また気軽に立ち寄って実物を見ながら相談できる場所になってほしいと思います。でももうすでにこの考え方自体が、古いのでしょうか?


名古屋市科学館から満天NAGOYAへ



名古屋市科学館で2回のプラネタリムを堪能した後、常設展示に後ろ髪を引かれつつも時間も勿体無いので移動します。最寄りえきは矢場町ですが、時間稼ぎで栄まで歩き、そのまま地下鉄東山戦に乗り、名古屋駅の次の亀島駅まで移動しました。

その頃家族はというと、バンクシー展を見てからすでにイオン近くに来ていて、あらかじめ調べてあったラーメン屋に行っているとのことです。私は時間的にはきびしかったので、イオンの中で食べればいいやと、とにかく移動します。

亀島駅からイオンモールに行くのは苦労しました。広すぎてGoogleマップを見てもどちらから回っていけば入り口側に行くかわからなかったのです。結局裏の駐車場入り口側に回ってしまいましたが、店内に入ることはできました。その中からさらにプラネタリウムに行くのに人に聞きながら、3階にあるということがわかり、やっとのことで辿り着きました。

プラネタリウム近くに行くと何故か息子が椅子に座って休憩しています。「プラネタリウム一緒に見るか?」と聞いてみると、開口一番「ラーメン美味しかった!これまで食べた中で一番美味しかった」とのこと。食べることができない私にとってはそんなことはどうでもよく、「プラネタリウム見る?」と再び聞くと、珍しく「うん」とのこと。

一番早いプログラムは高校生が主人公のアニメ。次の回がポケモン、その次が宇宙ステーションから見た映像がメインのものでした。そこまでは待てなかったので、結局一番早い15時からのチケットを2枚取ります。高校生がどう星に絡むのか楽しみです。

開演まで30分くらい時間があったので、急いで昼食を取ります。すると、通りがけのフラダンスショップには妻の姿が。ちょっと前にフラダンスを趣味で始めたので、都会のフラダンスショップに一度来てみたかったとのことです。声をかけたのですが、趣味なので自分と同じで説明が長くなりそうだったので、何とかふっ切ってフードコートに。早く出てきそうなカルビ丼を頼んで、急いでお腹にかきこみます。気づくとすでに入場開始の14時50分、エントランスへ移動です。


いよいよドームの中へ

エントランスで客層を見てみると、友達同士の若い女性がかなり多く、他はカップルのみです。我々のように男複数というのは全くいません。しかもアニメといっても子供向けではないので家族連れの姿も全くなく、すでに浮いているかもしれません。

すぐに案内があり、中に入ります。

中ではすでにプログラム前のデモ映像が流れています。指定された席に座って上を見上げてしばらく見ていましたが、この時点でもう完全に圧倒されました。壁から天井全体に一面に直接配置された高輝度LEDでこれまでのプラネタリウムでは表現できなかった映像を次々と映し出します。オーロラが出たり、メテオストライクみたいな映像がありましたが、感動したのはたまに流れる極々普通の空の風景。例えば雲が流れる星空、普通のプラネタリウムでは絶対にありえない映像です。昼間の青空が綺麗に表現できるのもLEDのコントラストのおかげかと思います。夕方の星が出始める黄昏時の雰囲気も十分に出ています。これはすごい!

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技術的なところを見るために、席を立って壁際のLEDの写真を撮ってみました。LEDのピッチは数mm位でしょうか、間近で見たら一つ一つのLEDが認識できますが、少し離れたところではもう個々のLEDは全くわからなくなります。LEDはおそらく数10cm x 数10cm程度のシート単位になっていて、よく見ると境目がわかりますが、これも将来は解決されていくでしょう。これだけの数のLEDをムラなく表示させるのはかなりの技術なのかと思います。

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男二人組で、しかも壁際に行って写真を撮ったりしているので、ちょっと変な人と思われたかもしれません。プログラムが始まる前に写真を撮ること自体は問題ないみたいで、他のお客さんも空の写真をたくさんとっていました。でもこの極々普通の空の風景、これがどれだけ普通のことではないのか、できるならこの場で見ている人全員に理解して欲しいです。エンターテインメントはこういった最先端の技術を贅沢に消費していくのですが、それでお客さんが入り、星好きな人が増えてくれるとすごく嬉しいです。満天NAGOYAを見た方は、是非とも名古屋市科学館をはじめ全国にあるプラネタリウムにも訪れてくれればいいなあと思います。

さて、実際のプログムラムについてはネタバレになるので詳しくは書きませんが、普通のプラネタリウムレベルの正確な空を何度も映し出してくれます。ここら辺はさすがコニカミノルタです。不思議な感覚だったのは、主人公が見ている方向によって座っている観客の空の方角が一瞬で変わること。南向きの空、西向きの空、あともう一方向と三方向がセットされていました。普通の投影型のプラネタリウムでは方角が変わることは絶対にありません。おそらく今後見ている方向がさらに増えていったり、リアルタイムで方向が変化していくような映像も用意されるのではと思います。一つだけネタバレ、最後の方に出てきた街中の夜明けの空は、まるで本当に外に出ているような、ものすごくリアリティーのある風景でした。

振り返ってみると、やはりものすごいです。これまでもプラネタリウムの印象を完全に覆します。将来的にはこの形式がかなり増えるのではないかと思います。今後はもっと他の状況も再現してくれるのかと期待します。例えば皆既月食、さらには皆既日食も再現できるのではと思えるくらいです。雲越しの月とか、冬の満月の静けさとか、そんな雰囲気まで再現してくれたらと思います。あ、一つどうしても表現できないものを思いつきました。さすがに雨は再現できないと思います。

その一方、星空に関しては普通の投影型プラネタリウムも負けてはいません。満天NAGOYAのようなLEDを壁面に埋めるタイプでは、暗い空と星のコントラストは出ますが、星雲、銀河など、細かい表現は限界があるはずです。今回失敗したのは双眼鏡や星座ビノの類を持っていくのを忘れてしまったことです。最近の高性能プラネタリウム映像を双眼鏡で見ると、例えばアンドロメダ銀河などもきちんと見ることができます。LEDタイプのプラネタリウムで双眼鏡などの倍率を上げた時の映像は果たしてどうなるのでしょうか?ここら辺の追求はまだこれからの課題なのかもしれません。もしかしたらLEDと投影のハイブリッドとかも出てくるのかも。

満天NAGOYAは、LED埋め込み方式を採用した日本で初のプラネタリウムです。そして本日3月24日、横浜にも2つ目の同じ方式のプラネタリウムがオープンしました。名古屋の方でまだ見てない方はもちろん、関東の方もぜひ見に行ってください。天文ファンでこれまでのプラネタリウムに詳しいなら、全く新しいプラネタリウムの表現を思う存分楽しめるかと思います。


その後、SCOPIOと三基光学館へ

さてさてその後ですが、地下鉄東山線をさらに乗って天文ショップSCOPIOに顔を出しました。店長さんと満天NAOGYAの凄さを確認しあいました。

店内に来年中学に上がるという男の子と、その子のお父さんとお母さんがいました。お母さんの方から話しかけてくれて、どんな望遠鏡がいいのか聞かれました。ちょうど店長さんからCelestronのStarSense Exprolorerの説明を受けていたので、これいいですよと勧めておきました。子供が中学入学祝いでどうしても望遠鏡が欲しいので、子供にせかされて遠くから来たとのことです。その子とも少し話して、本当に興味がありそうだったので本を勧めておきました。店の中でも熱心に読んでいたので、結局この日は本だけ買っていましたが、すぐに望遠鏡も買うことになるのかと思います。こういった子を育てていける、リアル店舗がある都市部はちょっと羨ましいです。

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その後、実家への帰り途中に地下鉄を栄で降りてトップカメラを覗きました。特に何も買わなかったですが、科学館から数えて4箇所も天文関連で周り、大満足の一日でした。

次の日は朝早くから妻の実家の神奈川県の相模原に移動です。昼頃には着いて少し時間があったので、相模原市の田名にある三基光学館に立ち寄りました。秋葉原から移転してきたのですが、妻の実家から2キロくらいで無理すれば歩いてもいけるような距離にあったりします。

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でも残念ながらこの日はお休みなようでした。店長さん、ずっと体調を悪くしていたようですが、最近のブログで元気になってきたとの書き込みがあったので、お会いしたかったのですが。

時間が余ったので、子供と一緒に同じく田名にある淡水の水族館「相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら」に行きました。ここはタナゴ専用水槽や、タガメやゲンゴロウ、ミズカマキリなどの珍しい水生昆虫もいて、意外なほど楽しめます。

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この日の宿泊は「相模川自然の村清流の里」です。妻の実家の常宿だそうです。安くて食事も豪華で、久しぶりの宿泊での料理を堪能できました。でも運転疲れか体調を崩してしまい、夜も天気が悪かったので、電視観望セットも持っていたのですが結局披露もできず。

次の月曜日には、南大沢に向かいアウトレットモールへ。こんな人が集まるイベントは本当にひさしぶりです。ついでに近くにある学部時代のサークルの部室を覗いたりしました。昼過ぎには高速に乗り、富山に戻ります。

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3連休で富山から名古屋、相模原、富山実家巡りという、久しぶりの家族大旅行でした。私は天文関連で十分楽しめましたが、家族もそれぞれ楽しんだようです。何が一番良かったかと聞いたら「ラーメン!」とのこと。なんだかなぁ...。



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