ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:イベント > 講演会

今年も無事にCP+を終えることができました。でも疲れてしまったのか、自宅に着く頃に熱が出てしまい、平日は何日かは休んでいてほぼ寝ていました。やっと今回の記事を書けるくらいに復帰して、週末はこの記事を書いています。


準備

今年のセミナーはCP+の最終日の日曜です。その前日の土曜には、昨年もお誘いいただいた星沼会の方を中心とした飲み会に参加するため、今回は土日での参加になります。その週の平日が結構忙しかったので、セミナーのスライドの準備は前週の3連休の23日までにはある程度終わらせておきました。その3連休は、ほぼ全ての空いている時間を準備に費やすことになりました。解析計算が多くてプログラミングがいくつかあったり、新しいことが多くて根拠を調べるのに時間を食ったりで、普段スライドを作る以上に時間がかかってしまいました。その分「今回はすごいトークになるぞ」という確信が出てきて、Xなどでそれとなくすごそうだということをアピールしてたつもりだったのですが、実際にはいまいち伝わらなかったみたいです。


2月28日(土)横浜へ

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さて、出発は2月28日(土)の朝、新幹線で富山駅から東京に向かいます。この日は早く着く必要はなかったので、各駅停車の「はくたか」で3時間近くかけてのんびり移動します。この3時間はかなり貴重で、ずっと新幹線の中でスライドの最後の微調整をして、気づいたらもう東京の手前の上野でした。東京からは東海道線で横浜まで30分くらいでしょうか。横浜でみなとみらい線に乗り換え、みなとみらい駅に向かいます。

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会場にはお昼ちょっと過ぎくらいに到着、一年振りのCP+会場です。
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手前の入場口から入り、今年は一番奥の方に陣取っているサイトロンブースにまずは向かいます。途中Askarブースでサイトロンの方と少し話して、そのままサイトロンブースに到着。
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スタッフの方に「今年もセミナーに呼んでいただきありがとうございました」とのお礼と、挨拶を一通りしてから、この日は時間的にも余裕があるので会場を一回りします。見て回るのはほとんど天文関連のブースで、多くの方がすでにレポートされていて、それをなぞるような感じでした。特にHIROPNさんの解説がすごいです。もうCP+の詳しいことは今回は他の方に譲るとして、この記事では主に自分のことについて書いておきます。


初日(土曜日)の様子

今年は天文系のセミナーが多くて、あらかじめ聞きたいものを考えておかないと、セミナーの時間が重なったり、セミナーだけで時間がいっぱいになってしまうくらいの充実度でした。サイトロンブースのセミナーの充実度は言うに及ばず、特に今年はVixenブースのセミナーは数が多く、それに合わせて展示スペースも拡大していて、去年にも増して元気な様子が伺えました。DWARFさんのところも星見屋さんが頑張っていて、丹羽さんを呼んでセミナーを多数開いていて人を集めていました。

惜しむらくはサイトロンさん以外はほとんど、本当にごく一部を除いてライブ配信や後日配信がないのが非常に残念です。サイトロンさんは以前のCP+の配信もきちんと残してくれていて、私にとっては後から参照できるとても有効な情報源となっています。ここら辺はまだサイトロンさんに一日の長があると言ったところでしょうか。

私のとっての初日の土曜は、サイトロンのフォトコンテストの裏側と、あぷらなーとさんのセミナーが目的でした。

最初に会場を回っている最中に、通りがかりのDWARFのところででちょうど丹羽さんの話を聞くことができました。丹羽さんは今回4回もセミナーがあり、しかも後から聞いたらどれも違うネタとのこと。これはかなり大変そうです。私はせいぜい一本に集中することしかできない気がします。
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14時40分からのフォトコンテストの裏側ですが、今年もコンテストに残らなかった写真の紹介でした。でももう少し枚数増やしていろんな例を見せてほしかったです。
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セミナー準備中のパネリストさんたち。

あぷらなーとさんのトークは相変わらず鉄板で、テレビショッピングを彷彿とさせる勢いでした。
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面白かったのは、あぷらなーとさんのトークのちょうど反対側のソニーブースでKAGAYAさんがトークをしてたことで、すごい数の人が集まっていました。どなたかが「あっちは一般の人、こっちはマニア」とか言ってました(笑)。この時に気になったのが大型モニターで、あぷらなーとさんの画像が結構輝度と彩度が飛びがちになってしまっていたことです。後からKAGAYAさんと話した時に聞いたのですが、ソニーのモニターのLEDがかなり諧調の高いものを使っているとのことで、コニカミノルタのプラネタリウムのLEDよりも良いかもしれないとのこと。「このモニターで話せたのが良かった」といっていました。天体写真を写す場合はモニターも選ぶ必要がありそうで、特に大きな面積を持つものは敷居が高そうです。今後、高諧調LEDの技術も浸透してくると思うので、将来に期待したいと思います。


スライド確認

この日のメイン作業の一つは、スライドの確認です。18時にその日のイベントは終了になるので、そこからサイトロンスタッフさんと共に、出していいスライドと出しちゃまずいスライドをチェックします。

この時点で、通しでスライドを見せたのである程度の反応は得ることができました。やはり予想した通りかなりすごい反応です。というのも、昨年で太陽の話はもうこれっきりだと思っていて、かなり式などを詰め込みました。一部の好事家にはウケたと思いますが、一般の方にはやはり難解だったかもしれません。今年は式を使わずに同じことを実測で示し、しかも撮影画像と動画がもう見た目にインパクトありまくりなので、一般の人でも十分にすごさがわかってもらえるはずです。実際、星が専門でないスタッフの方からも「すごいのがわかる」と言ってもらえたのは、かなり嬉しかったです。実は土曜も日曜も、会場で会う人会う人に「すごいのが撮れた」と自分から宣伝しまくっていました(笑)。

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スライドチェックを終えた後の人がいなくなった会場。
面白かったので写真に撮っておきました。


恒例の飲み会

スライドチェックが終わってからは、恒例の飲み会です。Aramisさんとあぷらなーとさんと天リフ編集長がその場にいたので、一緒に歩いてお店まで行くことになりました。サイトロンセミナーで話す3人が揃ったので、セミナーを頼まれた経緯や、送られてくる機材を使う時間がなかなかとれないこと、ネタが厳しいなど、ぶっちゃけ話ができて楽しかったです(笑)。

飲み会は星沼会の方達が仕切ってくれていて、特にぐらすのすちさんが幹事を引き受けてくれていてありがたかったです。この飲み会はだんだん同窓会のような雰囲気になってきていて、年1回顔を合わせて話せるのがとても楽しいです。「ほしぞloveログの記事が長すぎて昼休みの間に読みきれない」と苦情を言われたり(笑)、ノイズと分解能の話で盛り上がったり、普段ではなかなか会話にすらならないことを平気で話すことができます。同好の士とは本当にこのことです。

宴もたけなわですが、明日のこともあるのと、今日スライドチェックしたことを少し直したいので、横浜スタジアムの近くに撮ったホテルに向かうために、みなとみらい駅へ移動し電車に乗って最寄り駅までいきます。少し夜食を買って、ホテルの部屋で最後の画像処理とスライドの手直しです。動画の処理だったので少し時間がかかってしまいましたが、それでも0時前くらいには全て終えることができ、眠りにつきました。


3月1日最終日

2日目の朝、7時頃には目が覚めたので、ホテル泊についている朝ごはんを少し食べてからCP+会場まで移動します。このホテルのいいところは、CP+会場のパシフィコ横浜までのシャトルバスを出してくれることです。去年たまたま泊まったのですが、朝の移動がすごく便利だったので、今年もまた同じホテルにしてしまいました。CP+会場の1Fのキッチンカーが出てるところくらいまで行ってくれるので、歩く距離が短くなってかなりラクです。というのも、会場がかなり広くてしかも夢中になって何往復もするので、疲れてしまうんですよね。しかも今年はセミナーが午後遅くなので、それまでにできるだけ体力は残しておきたかったので、このバスの存在は結構ありがたかったです。

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バス移動の途中の景色。豪華客船「飛鳥II」(多分)と赤レンガ倉庫が見えます。

この日もセミナーと、前日見切れなかったブースと、毎年なぜかあまり見ない大手ブースをさらっと見ることで時間は過ぎていってしまいます。

セミナーは午前10時30分からのサイトロンのSJH-75UFの傳甫氏の話が以前も素晴らしかったので楽しみだったのですが、なんと電車が一部ストップでご本人が会場に来ていないとのこと。結局午後1時からに時間変更で、無事に聴くことができましたが、もう性能的には素晴らしいの一言です。重要なことは、設計でいくらいいものができて、実際にそれをモノとして作ること、さらに量産するということは全く別のことです。セミナーでは工場とのやりとりや調整の話にまで踏み込んでくれていて、しかもその後傳甫氏ご本人様にもさらに個別に話を聞くことができて、その方針にとても共感できました。望遠鏡設計では間違いなく日本でトップクラスの方ですが、やはり筋金入りの技術者は理論も実践も兼ね備えているということを感じることができました。出身が物理というのがまた興味深いです。

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お昼12時のセミナーは迷いました。VixenブースのそーなのかーさんとサイトロンブースのAramisさんです。結局最初そーなのかーさん、途中からAramisさんと移動することで、両方とも雰囲気だけつかもうという作戦です。最近の屈折はもうどれをとっても十分な性能に思えてしまいます。星像に関しては私くらいの目ではもう四隅まで十分です。しかもSDP65SSもNAKOH 60GTも十分現実的な値段、特にNAKOHは当日の値段発表だったのでしょうか、かなりビックリな価格です。このクラスは群雄割拠ですが、ユーザーとしては選択肢が増えるのはありがたいでしょう。

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でも、Aramisさんの話で途中から気になってしまったのは表示されているモニターのことです。昨日のあぷらなーとさんのトークの時も、スライドテストでも気になっていたのですが、どうもかなり強いシャープ処理をかけているみたいで、ノイズや格子模様があらわに見えてしまうのです。太陽は基本単色なのでサイドの方は私的にはそれほど問題ではありませんでしたが、シャープネスの方はその場で見ると少し印象が違うかもしれません。
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順番的にはAramisさんのセミナーが終わって、傳甫氏のセミナー、続いて成澤さんのセミナーでしたが、成澤さんのセミナーの間に、頭を冷やすために一旦外に出て座って少し休憩をとりました。成澤さんすみませんでした。少し寝てしまって、目を覚ましてからサイトロンブースに着いたのは、ちょうど成澤さんのトークが終わった後くらいで、まだ成澤さんが残っていた人と対応していた頃でした。ちょっと早めでしたが、私も準備を始め接続まで完了します。PixInsightでの動画もどきの表示をするので画面の大きさの設定を最終確認します。


いよいよセミナー本番

セミナーは日曜日の最終に近いということで、どれくらいの方が来てくれるか心配でした。「面白い話になる」と会場で宣伝はしておいたのですが、それがどこまで効くのか?

最初はそこまで人が多くなかったかと思います。でも、トークを終えて改めて見てみると、かなりの人数が目の前にいました。途中から面白かったのかわかりませんが、マイナーな太陽の話でこれだけ人が来てくれれば十分でしょう。

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40分のセミナーで結局45分くらい話してしまいました。最後にいくに従って盛り上がるような構成で、後半の皆さんの反応は話しながら見ていても明らかに「オぉー」という感じだったので、5分くらいの遅れは許していただければと思います。


本番後の反応

セミナー終了後は質問もいくつかありましたが、今回の話は面白かったと知っている方も知らない方からも、何度も声をかけられました。やはり黒点の3分周期振動は相当インパクトがあったようです。片付けをして、気づいたらすでに16時半はとうにすぎていました。最終日は17時でイベントも終了ということと、多分ですがかなり疲れてしまっていて、サイトロンのスタッフの方に挨拶をして、そのまま会場を後にしました。帰る途中で、DWARFブースで片付け中のだいこもんさんに会ったのですが、どなたか太陽トークを聞いてくれた方から話を聞いたみたいで「やばかったって聞きましたよ。後で配信みます。」と言ってもらい、その後Xで大きく宣伝していただきました。

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帰りの電車の中でXのセミナー時の反応を見ていたら、トークの途中から何人かの方が書き込んでいてくれて、いずれも「すごかった」とか「必見」とか「圧巻」とか、とてもありがたい言葉であふれていましした。一部感想を書いておきます。
  • じろーさん:「黒点振動、凄い…開いた口が塞がらない…」「黒点震度、初めて見ました。まだ興奮状態です…」
  • M87JETさん:「ヽ(´▽`)/ なんという強烈な動画でしょう!」
  • 銀狐さつきさん: 「太陽を撮影しない私が見ても驚愕の映像でした」
  • にゃーとんシュガーさん:「今回のSamさんのプレゼンで「よし!太陽チャレンジしてみよう」って方も出てきそう。」 
  • 智さん:「タイムラプス映像が凄くて、これだけでも来た甲斐があった」
  • mizunangさん:「さて、CP+に行こう。」「samさんのセミナーセッション聞きたくて」
  • yagiさん:「思わずヘリオスター100Haっていくらだったっけ?って確認に行ったら在庫切れでホッとしましたw」
  • moleculeさん:「他数枚の中からの精鋭画像の選択で、精細さが際立っていたと思います。」
  • Sunstar24225さん:「いろいろなご考察とその成果の素晴らしい映像、本当に感動いたしました。」
  • Hiroponさん:「「Samさんマジヤバクね?」というのが第一印象(笑) あそこまで精緻な太陽面を描写できるヘリオスター100Hαはもちろんすごいのだけど、その潜在能力を引き出すSamさんがやっぱりマジヤバイw 黒点の振動なんて初めて見た。」
  • mituさん:「予想の斜め上の黒点の周期振動でございました。初めてそういったものがあるんだという驚きで、帰りの電車で「うん、実際に現地に行ってよかったな」と思ってました。」
  • NEST:AQUAさん:「太陽でもこんなにシーイングの影響があるものなんだと気付かされた素晴らしい配信でした!」
と、大反響と言っていいかと思います。「数式がない」と苦情)が来ていたので(笑)、来年もし話せるなら今度は式だらけにするかもしれません(笑笑)。

帰りの移動の途中で頑張って返事をしていましたが、新幹線でどうも寒気がして、自宅に帰ってから熱を測ったら38度で、その後3日ほど寝込んでいたので、返事を返せなかった方もいたかもしれません。申し訳なかったです。

当日会場で聞いていただいた方、ライブもしくは後日配信を見てくれた方、Xなどで感想を書いてくれた方、本当にありがとうございました。今回のセミナーはかなり盛り上がり、大成功だったと思います。

サイトロンさんには機材の貸し出しから、撮影時にも色々気を使って連絡を取っていただいたり、当日の会場準備、セミナー本番のサポートと、さまざまな面でお世話になりました。ここで改めてお礼申し上げます。

セミナーは天リフさんの協力で同時ライブ配信されました。この配信は残っているのでよろしければまたご覧ください。太陽画像の細かい違いを見るのがポイントなのですが、この配信で十分に見比べることができますし、目玉の黒点振動も綺麗に見ることができます。


残念ながら、その場の雰囲気みたいなのは配信にはさすがに残っていませんでした。その時の「オォー」とかいうようなのは、やはり現場ならではなのかと思います。Xで「黒点振動の画像を見えただけでも会場に来た甲斐があった」というような投稿もあったので、もし次回機会があれば、ぜひ会場にお越しいただき雰囲気を共有できればと思います。


今後CP+の補足記事を書く

今年のトークのためにかなりの数の新しいことに挑戦しました。少なくともこれまでブログ記事で触れていないことが以下に示すくらいあります。
  1. ヘリオスター100Hαのエタロンの応答を、実測した。
  2. 白いモヤモヤが何か判明した。
  3. 大口径太陽望遠鏡で、シーイングの時間変化を評価してみた。
  4. シーイングを分類し、画像で見比べてみた。
  5. 黒点の3分間振動が見えた。振動が広がっていく様子もはっきり見えた。 :ヘリオスター
くらいでしょうか。去年のトークで、フェニックスの撮影画像はCP+本番で初出しして、その後ブログ記事にはしていなかったことがあり、配信を見なければわからないなど、少し反省点がありました。今年は、少なくとも新しいことについては詳細を含めてブログの記事にしておこうと思っています。


写真

最後に、記録がてら撮った写真です。天文関連以外が多いです。

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この碑文を見るたびにCP+に来たことを実感します。

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奥に写っているのが去年展示されていたもので、手前が今年。

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話題のMiru MOONです。
Vixenがこういうのを出すということに意義があるのかと思います。

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セレストロンが独立してブースを出していました。
技術の方に聞いたら、赤道儀もフルラインナップで販売しているそうです。
手持ちの赤道儀もとりあえずサポートはしてくれるとのこと。

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今年も新刊の第4巻を書って、恒例のシールをいただきました。

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学生の写真部やサークルがずーっと一列で並んでいました。

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こちらは高校生。

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ポストC8になり得るのか?

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太陽望遠鏡3種。ヘリオスターはCP+直前に送り返したものです。

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相変わらずここのアルミ板への印刷は綺麗です。数十年は平気で持つとか。

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アルカスイスって、もっと細いバージョンもあるんですね。

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こういった自分の写真集を出すのってもっと需要がありそうな気がします。
見せたもらった一番安価なものはパンフレットのようなものだったのですが、
背表紙をつけて本のようにできるなら、
ずっと写真を撮ってきた人にとっては記念の本にまとめたくなると思います。

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Docとの記念写真です。

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子供が楽しめるようなものも少しあります。


今年もCP+が近づいてきました。今回もサイトロンブースにおいて、太陽について話します。タイトルは

「昼間の天体観察
〜太陽専用望遠鏡を使ってみる〜」

としました。太陽観察をしている方、太陽に興味がある方、太陽望遠鏡のことを知りたい方、是非とも会場まで足を運んでいただければと思います。フェニックスとヘリオスター100Hαを使ったので、その比較を中心にお話しします。

CP+の情報については、公式サイトをご覧ください。


セミナー情報はここから検索できます。出展社で「サイトロンジャパン/LAOWA」を選択して「検索」ボタンを押して、最終日の3月1日を選んでください。

私のトークは

3月1日(日)の15時30分から

で、サイトロンのセミナーの中では一番最後になります。

サイトロンの特設ページからもリンクが張られています。リンク先の下の方にセミナー一覧が出ていますので、スクロールさせてみてください。
 

また、天リフさんの協力で今年もセミナーがライブ配信されます。おそらく後日見ることもできると思いますので、会場に来れなかった方は是非ともYoutubeでセミナーの内容をご覧ください。


さて、今年の内容ですが、少し期待して頂いていいかと思います。

Heliostar100Hαで撮影した高分解能の画像の一部を載せておきます。
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こんな画像をどうやって撮影するのか、これまでの経験から学んだ手法を解説します。

当日は上の画像が動く様子も見せます。多分これまであまり見たことがない映像になると思います。

さらには、昨年解説したエタロンの仕組みをさらに発展させ、実際にその特性を実測した結果もまとめて紹介します。

楽しみにしていてください。




CP+2025のサイトロンブースでのセミナーですが、太陽Hα望遠鏡についての話で話で、特に心臓部のエタロンについてはかなり凝った内容になっていたかと思います。すでにアーカイブ配信で当日の様子が視聴可能になっていますが、少しわかりにくいところもありますので、今回補足として記事を書いておこうと思います。


トークの構成

まずは実用上役に立つように、配信に対しての補足記事を書きます。配信はここにアップロードされています。

トークの構成は、
  1. 0:30~ イントロ
  2. 2:40~ Hα太陽望遠鏡「フェニックス」の紹介
  3. 5:05~ 太陽観察について
  4. 9:36~ 太陽Hα撮影について
  5. 13:21~ 太陽Hαの画像処理について
  6. 21:08~ エタロンの解説
  7. 38:35~ フェニックのエタロンの評価
  8. 41:27~ 最近のSharpCapを使ったライブスタックとリアルタイム画像処理
  9. 43:40~ SharpCapを使ったタイムラプス撮影
  10. 45:28~ カメラと分解能
  11. 48:18~ まとめ
  12. 49:35~ 質問
 などとなっています。


エタロンの式についての補足

最初の補足は、一番難しいと思われるエタロンの式についてです。スライドの27ページからで、配信では31分10秒くらいからになります。式の上に書いてある図なのですが、実はこれ、本番直前に図をわかりやすくしようとして書き換えていて、それが仇になりました。その時の自分の様子を改めて配信で見てもわかりますが、エタロンの式を書いてあるページに来て「えっ??」と話が止まってしまいました。式に書いてある変数を表す文字が図の名からすっぽり抜けてしまっているのです。

というわけで、図が入っている26-28ページを再掲載します。

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本来はここで少し式の解説をする予定でした。実際、図を追っていけば左の式は特に難しいことはなく、\(E_\rm{b} \), \( E_ \rm{c} \), \( E_ \rm{d}\)は一つの光を一つ前の光で表しているだけです。難しいのはEaだけで、入ってくる\(E_ \rm{in}\)と\(E_ \rm{d}\)が折り返す2つの光で書かれています。式を解くのは、\(E_ \rm{c}\) 、\(E_ \rm{b}\)と代入していって、\(E_ \rm{d}\)を\(E_ \rm{a}\)で表し、最後の\(E_ \rm{d}\)を最初の式に入れるだけで、多分中学生くらいで解ける連立方程式です。

すると真ん中に書いてある式になるので、あとは\(E_ \rm{a}\)について解くだけで、\(E_ \rm{a}\)は右の式のようになります。\(E_ \rm{a}\)が出れば\(E_ \rm{b}\)も同じなので、\(E_ \rm{out}\)も簡単に出ます。

ここで注目して欲しいのは、右の式はどれも分母に\((1-r_1 r_2)\)を持っていることです。このように自己繰り返しするような系では、一般的に分母に似たような式が出てきてきます。\(r_1\)も\(r_2\)も1に近い数値が入るので、分母は0に近い数になります。ということは、0に近い数で割ることになるので、エタロン内部では光は増幅されます。これは光が折り返していることと同義です。

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1ページ目では意識していませんでしたが、これらの式は光の「振幅」を表しています。振幅を2乗すると「強度」になります。なので、\(r_1\) , \(r_2\)は光の振幅に対する鏡の反射率、\(t_1\) , \(t_2\)は光の振幅に対する鏡の透過率です。そのため強度で考えた\(r_1^2+ t_1^2=1\)や\(r_2^2+ t_2^2=1\)は成り立ちますが、振幅のままの\(r_1+ t_1=1\)や\(r_2+ t_2=1\)は成り立たちません。

ここでは同じ鏡を2枚用意する場合を考えて、\(r_1\) と\(r_2\)をともに\(r\)、\(t_1\)と\(t_2\)をともに\(t\)としてしまうと、\(r^2+ t^2=1\)が成り立ちます。そうすると\(E_ \rm{out}\)の分母は\(1-r^2\)となって、それは\(t^2\)となるので、分子の\(t^2\)と打ち消し合って\(E_ \rm{out}= \)\( E_ \rm{in}\)となります。すなわち、2枚の鏡を同じものとした場合には、エタロンで共振した光はすべて接眼側に抜けるということを意味します。波長Hαの光(と共振する櫛状の波長)だけは「全て」透過し、他はエタロンで反射してしまうということです。

一般的にファブリーペロー共振器は2枚の鏡で違う反射率、透過率のものを使うことが多いのですが、太陽望遠鏡のように必要な光をもれなく使うという観点からいくと、この「全て」通り抜けるという条件、同じ鏡を2枚使うということは重要になります。製造工程からも同じものなので有利なはずです。

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ここまでは光がちょうど折り返す場合のみを考えていましたが、その条件だとどれくらいの幅で光を通すかという一番知りたい情報がまだ出てきません。そのため、ここではちょうど折り返す場合以外のことも見るために、光に位相の情報を加えて考えます。ここでは対象波長がFSR(櫛と櫛の間の幅) Δλの何倍変化するかを\(x\) とおいて\(2\pi\)をかけてやるので、位相となります。その前に2をかけているのは、光は往復するので、半波長がの整数倍になればいいというところからきています。

ここで出てきた\(E_ \rm{out}\)の式を2乗すると、かなり複雑になるので今回のトークでは示しませんでしたが、
\[|E_ \text{out}|^2=\frac{T^2}{(1-R)^2}\frac{1}{1+ \frac{4R}{(1-R)^2}\sin^2(\Phi/2)}\]
となります。ここで\(t^2\)を\(T\)、\(r^2\)を\(R\)としています。この式をプロットしたのが、次の29ページのグラフになるというわけです。

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今回はこのグラフからフェニックスのエタロンには強度反射率15%、強度透過率85%程度の鏡が2枚使われていることがわかります。

でも実はこんなグラフを書かなくても、もっと簡単に反射率と透過率を求める方法があります。まず、下に示すP24に書いていたように、今回メーカーからFSRが1.07nmという情報を得ることができました。
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また、透過幅が0.6Å以下ということもわかっています。ここで、元々あるFSR \(\Delta\lambda\)がどれくらい狭められ透過波長幅 \(\lambda_\rm{FWHM}\)になったのかの比「フィネス」を考えます。透過波長幅の添え字のFWHMはFull Width Half Maximumで「半値全幅」を表し、最大値の半分の値になるところの幅という意味です。フィネスは日本語では「鋭さ」という意味で、ファブリペロー共振器の性能を表すパラメータの一つです。今回は1.07/0.06=19となり、これをフェニックスのエタロンの「フィネス」と考えます。フィネスはファブリペロー共振器の性能を表す重要な指標の一つです。

フィネスは、今回証明は省きますが、
\[\frac{\Delta\lambda} {\lambda _\rm{FWHM}} =\frac{\pi \sqrt{r_1 r_2}}{1-r_1 r_2}= \frac{\pi r}{1-R}\]
と書くことができます。2つ上の図の中の薄い色の字で書いてありますが、これが19となるので、\(r\)は1に近いと考えて、\(R\)について解くと強度反射率が0.85となり、また\(R+T=1\)の関係から強度透過率が0.15となることがわかります。

さらに、フィネスと折り返し回数は比例関係にあり、その係数は\(2/\pi\)になります。すなわち、フィネスを1.5で割ったものが大体の折り返し回数になるわけです。今回は19/15~12回程度でしょうか。ただしこれは片道なので、往復だと6往復すると考えることができます。

さらにさらに、フィネスが
\[\frac{\pi r}{1-R}\]
と書けて、折り返し回数(片道)はその\(2/\pi\)なので、往復の回数はさらにこれを半分にすると結局、
\[\frac{r}{1-R}\]
と書くことができます。ここでも\(R+T=1\)の関係があるのと、\(r\)は1に近いと考えると、結局は折り返し回数は
\[=\frac{r}{T} \sim\frac{1}{T}\]
と簡単になり、強度透過率の逆数となります。言い換えると、折り返し回数か強度透過率のどちらかを知っていれば、どちらかはすぐに求めることができるというわけです。

というわけで、FSRと透過幅、鏡の反射率と透過率、フィネスと折り返し回数は密接な関係にあることが理解できたと思います。と、こんな話をトークの中でしようと考えていたのですが、図の中に文字を入れるのを忘れてしまい、頭が真っ白になって説明を全部すっ飛ばすことになってしまいました。でも上の説明をトークの中でしようとすると完全に時間オーバーになったと思うので、ちょっと悔しいですが結果的には良かったのかもしれません。今回この記事では、トークで話そうと思っていたことよりもさらに詳しく書いてあるので、興味がある方は上の話を丁寧に追ってみてください。かなり面白いと思います。

ここまでのややこしい説明をかなり簡単に、概念的に説明したのが、25ページになります。

透過率があるために一回反射するごとに透過率分だけ光が逃げていくというものです。この場合の透過率は強度透過率ですね。例えば透過率10%なら、一回反射するごとに10%光が逃げていき、10回くらい繰り返したら光は0になりので折り返し回数は10回、例えば透過率1%なら、一回反射するごとに1%光が逃げていき、100回くらい繰り返したら光は0になるので折り返し回数は100回というものです。これはかなりオリジナルな説明で、こんなふうに簡単に説明しているところはあまりないと思います。私が知っている限り、大型のファブリペロー共振機を使っている研究者が同じような説明をしているようです(笑)。

実際には前の鏡と後ろの鏡で逃げていくこと、光が0になるためには倍くらい折り返さなければダメだということもあるので、折り返し回数はこの簡易説明の通りにはなりませんが、オーダー的には間違っていないのでこれでいいでしょう。これに対する答えとしては、両側に同じ強度透過率\(T\)の鏡に挟まれたエタロンだとして、折り返し回数は往復で約\(1/T\)回となることを、すぐ上の最後で示したわけです。


SharpCapの進化

次の補足ですが、反響がかなり大きかったSharpCapでのリアルタイムでの太陽スタックと細部出しの画像処理についてです。配信動画の41分27秒、71ページからになります。実際の操作は動画の方を見ていただいた方が動きがわかるのでいいのかと思います。

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まず、保存動画の再生ですが、serファイルも選択できるので本来読み込めるはずのかと思いますが、私の環境ではダメでした。なのでSerPlayerというソフトで、全コマtiffファイルに変換して、それを読み込むことにしました。もしかしたらただのバグかもしれないので、そのうちにser形式も直接読めるようになるかと期待しています。

SharpCapでのリアルタイム処理はすごいですね。惑星のリアルタイム処理機能が搭載されたのが2023年の11月、次の月の12月には太陽と月に対応しています。今では位置合わせとライブスタック、細部出し、擬似カラー化、プロミネンスなどの周辺部の強調などが実現されています。

セミナーではあまり話せなかったのですが、位置合わせも何通りかあり、かなり強力です。基本的にライブスタックは位置合わせ前提なので、ライブスタック開始と同時に画面内でのソフト的な太陽の位置合わせが実行されます。これもシングルポイントやマルチポイントなどオプションが選べるので、試してみてください。私の環境ではシングルでもマルチでもあまり差はなく、両方ともうまく動きました。でも雲が多少でも邪魔し出すと位置合わせがずれてしまうようで、この状況もシングルもマルチでもあまり違いはありませんでした。あと、雲が出だすとプロミネンス強調が突然、見かけ上オフになったりすることがありました。なので、よく晴れている時以外は多少動作が変になることがあるようです。

タイムラプスする時には、長時間で位置合わせが必要になります。ライブスタックでの位置合わせ以外にも、もう少し大きな枠での位置合わせがあり、例えば「ツール」の中で「フィーチャートラッキング」というのが選べます。これは特徴的な形を見て架台に信号を出してハード的に追っかけるのですが、太陽の全景が画面内に入っていると結構うまくいきます。ただ、たまに間違えてどんどんずれていくことがあるので、長時間だとそこまで信用できません。もう一つ、同じく「ツール」から「太陽/月フレーミングアシスタント」という位置合わせがあります。これは昼間に赤道儀の極軸や、自動追尾経緯台でも精度が出ない場合の補正のような感じなのですが、ずれていく画像を手で追っかけて、その情報を元に補正をかけるようです。でもいまいち私も仕組みを理解していません。何もしないよりは、この太陽/月フレーミングアシスタントを使った方が長い時間追えるのですが、ライブスタックと相性が悪く、こちらもいまいち信頼が持てません。

一番良かったのはオートガイドで有名なPHD2の太陽版です。トークの中でちらっと話しましたが、1年くらい前に話題になったもので、こちらはかなり確実に太陽を追ってくれます。

まだベータ版扱いのようで見つかりにくいのですが、ここからダウンロードできます。


今回は詳しい説明は省きますが、興味がある方は一度試してみるといいかと思います。ちなみに、フェニックスのように太陽の全景が見えている場合は、メインのカメラをPHD2で同時に使うことでカメラを1台で済ませることもできました。ただし、ゲインや露光時間の設定を互いに取り合うので、SharpCapで合わせてPHD2はそのまま設定はいじらずなどの工夫が必要です。基本的には別途ガイド鏡に太陽フィルターをつけ、別途カメラを用意するのが真っ当です。


エタロン回転角

エタロンの回転角に関しては少し自信がなくなってきました。手元にあった時に確かめた範囲では、エタロンは60度動きました。でもトークが終わってから改めて会場でHeriostarとフェニックスのエタロンを触っていたら30度しか回らないように見えました。

使っていたフェニックスはすでにサイトロンにお返ししてあり、CP+会場で当日展示されると聞いていました。でも会場のフェニックスを見る限り、私が使っていたエタロンとは思えないような黒いペンのようなマーカー跡がいくつもありました。これを見る限り私が使っていたものとは違うようです。私が使っていた60度回るのと、会場で見た30度回る、少なくとも二つのバージョンがあるのでしょうか?

いずれにせよ、トークの中でHαの中心波長から0.5Å離れたと推測したところまで、4枚の間の画像を撮影して示したという事実は変わりません。ただし、もし私の勘違いで実際に使っていたものが30度しか回転しないとしたら、プレゼンの中で太陽画像と共に示した回転角は全て半分になります。いずれにせよ、60度もしくは30度を「15段階で撮影した」ということは同じです。


質問について

最後の補足は質問に関してです。最も壊れやすいところはどこかとの質問があったのですが、ERFと答えました。その際、壊れても別の部品で代用は効くと答えたのですが、これはまずかったと反省しています。

そもそも眼視の太陽望遠鏡は大原則、何か壊れたら代理店またはメーカーに問い合わせるべきです。メーカー純正以外の部品では気づかない、もしくは見えない非可視光域での漏れ光がないはと限りません。眼視の場合は最悪失明の危険があるので、メーカー純正以外の部品は使うべきではないと思います。

そうはいっても、天文という分野が機器の工夫で進化してきたことを考えると、自己責任において他のメーカの部品を使うという自由はあるかと思いますが、太陽は本当に危険なので、自己責任といえどもくれぐれも安全に気をつけて頂きたいです。少なくとも使う部品の仕様がわかないなら、カメラでの撮影ならまだしも、失明の危険がある眼視用には使うべきではないというのが大原則だと思います。


今回のトークの話が来た時

元々、今回の話を持ちかけられたのが、昨年の11月くらいだったでしょうか。でもその時点では何をネタにするかは決まってませんでした。いくつかアイデアは出ていましたが、他の講演者とネタが被る可能性もあるので、なかなか決まりません。

11月末くらいでサイトロンのスタッフさんから太陽はどうでしょうかというアイデアが出ました。サイトロンとしてはフェニックスが結構売れているので、そこを後押ししたいような意図があったのかと思います。私の方はというと、なかなか理解され難いHαフィルター、すなわちファブリペローエタロンの理解が深まるのではという目論見が出てきました。そもそもサイトロンのスタッフさんも「透過波長幅がどうやって決まるか知らない」と言うので、「是非ともわかりやすい解説を聞いてみたい」とのことでした。

ところがフェニックスが届いたのが年末の12月30日くらい。北陸の冬の天気は全く期待できなくて、結局最初に撮影ができたのは年が明けてしばらく経った1月18日でした。太陽撮影は昼間なので、休日に晴れてくれないと撮影できなくて、もう全然進みません。結局撮影できたのはわずか4日間で、いずれも快晴というわけではなく、雲もそこそこあった日でした。長時間の撮影は全くできず、最長で連続して撮れたのがトークの中でも見せたタイムラプスの30分でした。少なくともあともう一日撮影日があれば、もう少しまともなタイムラプスになったかもしれません。

撮影を進める中で、サイトロンスタッフの方に最近のSharpCapの進化を見せたらどうかと提案しました。SharpCapの惑星と太陽のライブスタックとリアルタイムの細部出しの機能はもう1年以上前に搭載されていて、実際かなりすごいのですが、惑星でも太陽でもこの機能を使っている人はそこまで多くないようです。せっかくなので太陽撮影がここまで簡単になっているということをまとめてもいいのではないかということになり、トーク最後の方に追加したのですが、「こんな機能があると初めて知った」など、ここも反響が多かったところでした。


今回の太陽セミナーの意義

ところで、今回のセミナーでどこまで話すかかなり迷いました。いろいろ考えて出した結論は、エタロンの説明をできるだけしようということです。

私が星を初めて1年くらい経った2017年に、福島のスターライトフェスティバルで何種類かの太陽望遠鏡を同時に見せてもらいました。その時だったか、その前だったか覚えていないのですが、Hα太陽望遠鏡の原理が光共振器であるファブリペローエタロンだと太陽望遠鏡を持っている方から聞きました。ファブリペロー共振器に関しては比較的馴染みが深かったので、私にとってはある意味「何だ、そんな利用の仕方をしているのか!」とある意味驚きでした。ところが、アマチュア天文家の、それもかなり太陽に詳しいというような方と話しても、実はエタロンの原理そのものについてはほとんど知られていないようなのです。少なくとも当時も、また今現在調べてみても、太陽望遠鏡のことを日本語で原理を書いてあるようなホームページなどはほぼ皆無です。代理店やメーカーのページを見ても、ごくごく定性的な話はしているところも見つかるのですが、数値的に説明してあるところはやはり皆無です。

そもそもとんでもなく高価なHα太陽望遠鏡に辿り着くような人は、アマチュア天文家の中でもある意味行き着いたような人が多いです。そんな興味があるであろう人たちが、原理を理解できないような状況というのはあまり好ましくはないのではと、ずっと思っていました。ほしぞloveログの中で機を見て何度か説明はしているのですが、まとまっていないのでブログ記事だけではなかなか伝わりにくいようです。

なので今回は非常にいい機会と捉えました。CP+のサイトロンの講演は、多くのアマチュア天文家の方に注目してもらえます。しかも動画配信が残るので、あとで繰り返して見ることもできます。当然、講演内で複雑なエタロンについて全ての説明をするのは無理なので、今回は「エタロンというきちんと理屈があるものが働くことで、Hα線が見えるようになる」ということを広く知ってもらうのを目標にしました。しかもそれを定性的なお話だけではなく、きちんと定量的にも根拠があることを示して、実際にHα線が数値として見えるということ理解してもらうことも目標としました。その場で式や数値を全部を追ってもらうのではなく、後の配信もあることを前提にして、興味がある人が後からでいいので、より深い理解を得られるような話にしようと決意しました。


まとめ

事前の難しすぎるのではという心配をよそに、セミナーの後はかなりの反響がありました。そもそも太陽に行き着く人はある程度嗜んだ人が多いので、興味が尽きないのかと思います。セミナー直後も、その後の会場で会う方からも多くの質問がありました。SNSなどでも質問や面白かったというコメントをいくつもいただきました。

フェニックスで見る太陽の楽しさは、太陽未経験の人にも伝わったようで、早速フェニックス欲しくなったという話を直に何人かの方からか聞きました。太陽Hα望遠鏡としては入門用の値段設定で、かつ聞いている限りフェニックスの性能にばらつきが少ないというのは、これまでの太陽望遠鏡からは明らかな進化だと思います。技術向上で、いいエタロンが実現できているからかと思います。太陽活動期の真っ最中なので、今は始めるのに本当にチャンスかと思います。

あと、反省点として話すときはマスクを取れば良かったと思いました。

今回のセミナーで、太陽に興味を持ってくれる方がでて、太陽Hαで見る人が増えてくれると嬉しい限りです。

また、今回のトークやこの補正記事でここがわからないとか、ここをもっと解説してくれなどというリクエストがある方は、コメントに書き込んでください。答えられる範囲で答えたいと思います。

CP+開催がもう来週となりました。

今年もCP+のサイトロンブースでセミナーをします。

CP+の情報については、公式サイトをご覧ください。


セミナー情報はここから検索できます。出展社で「サイトロンジャパン/LAOWA」を選択して「検索」ボタンを押してください。サイトロンブースで行われるセミナー一覧が出てきます。

私のトークは

3月1日(土)の13時30分から

になります。CP+のウェブサイトの説明では「WEB配信」となっていますが、実際には横浜アリーナ会場のサイトロンブースで「対面」で行われます。WEB配信もされる予定ですが、もしよろしければ是非とも会場までお越しください。

今回は太陽について話そうと思います。タイトルは

Hα望遠鏡「フェニックス」
で見る太陽の面白さ

としました。

太陽の楽しさを知ってもらうために、水素の輝線スペクトルであるHα線で太陽を見るとどうなるかを紹介します。太陽観察や、カメラを使った撮影方法の基本から、撮影した画像をどう処理すれば細かい構造が見えてくるのかまで、一通り解説します。最近の撮影ソフトは進化が凄まじく、以前よりも相当簡単に太陽の構造が楽しめるようになっています。

その中でも、特に今回は太陽望遠鏡の中でも最もわかりにくいと言われる、Hαフィルターの「エタロン」と呼ばれる部分について、他にはあまり解説されていないようなわかりやすい方法で説明しようと思います。なぜ狭い波長範囲のみ透過することができるのか、ACUER OPTICS社のフェニックスを例に、パラメータに実際の数値を入れて評価することで、実感としてエタロンフィルターがどう働くかを理解して頂ければと思っています。

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先週末、久しぶりに晴れたのでフェニックスでテスト撮影した時の様子です。

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準備中のスライドの1ページ。太陽画像はフェニックスで撮影したものです。

今回のサイトロンのセミナーは土曜と日曜に渡り、私以外にもあぷらなーとさんや丹羽さんといった、みなさんお馴染みのアマチュア天文家も登壇する予定です。また会場内のサイトロンブースは、毎年天文ファンが多く集まり、情報交換の場のようにもなっています。いい機会ですので、関東近郊の方はもちろん、遠方の方も是非とも会場に足を運んで頂ければと思います。私は土曜のお昼前くらいから夜まで、日曜は朝から夕方前くらいまでCP+会場内にいる予定ですので、もし顔を見かけたら是非ともお声掛けください。

それでは、当日皆様にお会いできることを、
楽しみにしています!



最近大きなことがいくつか重なり、なかなかブログが更新できていません。その大きなことの一つが、2024/12/16-18日に開かれた全国プラネタリウム研修会という集まりの中で、今年はたまたま地元の富山市科学博物館で開催ということで、電視観望の講演をさせて頂いたことです。とりあえず無事に終えて今はホッとしてブログを書いているのですが、でも今回のブログで書きたいことは、電視観望講演のことよりも、全国から集まってきているプラネタリウム関係者のことです。

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私がこの研修会に参加したのは二日目の12月17日だけなのですが、全国からプラネタリウムの関係者が100人程集まり、三日間の研修をフルで行うものです。プラネタリウム解説を始めた新人に近い方が約半分と、かなり若い人が多い印象でした。そもそも、プラネタリウムの解説や技術の向上を目指す研修で、一般の人には基本的に公開されないものなので、あまり詳しくは書きませんが、みなさん本当に真剣に研修に取り組んでいて、こういったプラネタリウム業界全体でのサポートと自己研鑽があって、全国的に高いレベルのプラネタリウム解説が保たれているのだと理解できました。

講演は二日目の午後からで、2部制になっています。第1部は今年2月に富山市科学博物館で行われた一般向けの特別イベントのダイジェスト版で、ある大型天文施設のドーム映像をプラネタリウムに映し出すというテスト的な試みで、臨場感あふれるものでした。第2部が電視観望講演についてです。最初は最近かなり数が出ていると思われるスマート望遠鏡の解説で、次に電視観望の技術などについて、その中で今回の参加者の所属施設に大型望遠鏡があるならぜひともCMOSカメラをつけてみてくださいという内容です。観望会などで電視観望をどう見せればいいか、プラネタリウムに表示しても面白いというような話もしました。技術的な話も多かったので、後日スライドを関係者に配布してもらうことにしました。講演の最中にスライドをスマホやデジカメで撮影している方も多く、予めお伝えしておけばよかったです。

講演が終わってから時間があったので、少し研修の様子を見学させてもらうことができました。研修は3グループに分かれていて、その中でも面白かったのがプラネタリウム解説員として新人さんが集まるグループの研修でした。ちょうど覗いたのが悩み相談室のような時間帯で、解説で不安なことやうまくいかないことなどを話していました。例えば、天文とは全然別分野の動物園から転職してきてプラネタリウムの解説をどう学べばいいのかとか、笑いを取れるネタを知りたいとか、プロの解説員と成長していく皆さんが、それぞれ真剣に悩んでいました。その相談の答えの中に一つ面白い話があって、解説の最後に「ありがとうございました」と言わないようにしているらしいのです。「ありがとうございました」と言ってしまうと拍手が起こるらしく「解説者はあくまで解説者、お客さんから感謝される立場ではない」ということで、こんな発言にもやはり解説のプロとしての矜持が感じられました。

今回は公共施設の学芸員さんが多いのですが、でもそれだけではなく民間のプラネタリウムの解説員さんも参加されているようです。例えば以前訪れた大阪の星カフェSPICAの店長さんも来ていて、ブログ記事を書いた私のことも覚えてくれていました。

今回の参加者層とよく似た集まりに、実は以前参加したことがあります。2022年島根で行われたJAPOS (日本公開天文台協会)の全国大会で、今回と同じように電視観望について講演させて頂いた時です。この時実感したことは、我々アマチュア天文家も観望会などで一般の人に関わることはあるのですが、公共天文台で働く方達は我々なんかよりも、はるかにはるかに一般の方達に天文で関わることが多いということでした。そして学芸員の方達はアマチュアと研究者の間のような存在であるということも少し思いました。というより、その時までは一般の人、アマチュア天文家、研究者という3つの層は認識していたのですが、私自身が学芸員という伝えるプロの、しかも非常に重要な役割を果たしている層の存在をあまり認識できていなかったのです。今回参加させて頂くことも、普段あまり話すことができない層の方達がたくさん集まるので、とても楽しみだったのです。

今回は2年前の島根の時に加えて、もう一つ気づかされたことがあります。夕方から行われたパネルディスカッションというのがあったのですが、その時に最後に出てきたある若い女性の方からの質問にとても考えさせられました。質問は「どうして私たちは宇宙のことについて話さなければならないのでしょうか?」というようなことでしたが、そもそもこの質問の捉え方自体、人によっても立場によっても違うのかと思います。「宇宙のこと」に重きを置くのか、「話さなければ」に重きを置くのかで、答えも変わってくると思います。後から聞いたらこの方は今年入ったばかりの本当に新人の方で、真剣に悩んで考えているようです。

この質問に関して考えることがさらに続きます。この日の行事が終わってから、駅前で飲み会になったのですが、私はできるだけ若い方と話したいと思っていて、そうしたらちょうど悩み相談で動物園からプラネタリウム解説員になったという女性の方の隣の席になりました。当然の如く「なんで動物園からプラネタリウムに?」と尋ねてみたのですが「動物園は命の大切さを伝えてきたが、それだけでなく子供達に何かをもっと伝えたい」というような答えだったと思います。私がいたテーブルは他も若い方が多く「プラネタリアンが狭き門」とかの話題もありましたが、いずれも「話す」ということに関連した話題が中心でした。

パネルディスカッションでの質問と、この飲み会での話題ではたと気づいたのは「あ、この人達は話すこと、伝えることのプロなんだ」ということです。もちろん天文施設関連の方達なので宇宙や星のことが好きな人が多いです。でも、必ずしもそうでもない人もいて、いずれにしても「人に伝えること、解説すること」を生業としているということです。アマチュア天文家は基本的には星が大好きで最優先な人ばかりです。私は普段そういう人達とばかり付き合っているので、この日話したことは普段とは違った観点から考えることができ、とても興味深く、私自身とても勉強になりました。天文人口の裾野を広げたいと常々思っているのですが、今回参加したことは今後の自分の考えに少なからず影響すると思います。その意味でもとても有意義でしたし、何より皆さんとの交流がとても楽しかったです。

飲み会が終わって23時頃に店を出ると、一部別の参加者と合流しました。なんと3つの研修グループのうちの一つのグループの方達で、今の今まで研修していたとのことです。明日が最終日で、研修の課題で盛り上がって全然時間が足りなかったとのことです。すごい研修会で、本当に頭が下がる思いでした。

今回は目的が研修ということなので、それぞれの施設の中でも比較的新人に近い方達が来ているとのことですが、業界の中でこれだけの人数の若い方がいるということ自体、ちょっと羨ましかったです。初参加の方も多く、お互いのことはあまり知っているわけではなく、今回の研修で初顔合わせの人がほとんどとのことです。このような研修と地元に帰ってからの実務での研鑽で、プロの解説員として育っていくのでしょう。皆さんの今後の活躍がとても楽しみで、機会があれば全国の各地のプラネタリウムをまた回ってみたいと思います。


2024年11月2日(土)、長野県の大鹿村で開催された「長野県は宇宙県」の第9回ミーティングに参加してきました。参加といってもゲスト参加で、昨年の小海で代表の方から講演をお願いされたからです。


長野県は宇宙県

「長野県は宇宙県」は、星がよく見える長野県をアピールするための集まりで、メンバーはアマチュア天文家を中心に、学芸員の方や研究者の方も参加されているようです。各メンバーはそれぞれローカルの天文同好会や各機関に所属している方が多く、長野全県から賛同する方が集まっていて、「長野県が宇宙県」そのものは、ローカルな地域の天文同好会というようなものではないようです。今回は年1回の全体ミーティングで、会の創立8年が過ぎ、9年目に入ったということで9回目ということです。メンバーの方は皆さんとても熱心で、ミーティングの途中も盛んに意見が交換されていました。基本的に星がかなり好きな人の集まりのようで、各自の思いを熱烈に語っている方も多かったです。

場所は大鹿村でしたが、私自身は大鹿村自体は今回で2度目で、昨年の観望会に参加させてもらいました。その時にお世話になったKさん、ドブ村長とあだ名のついている30cmのドブソニアアン持ちの村長、夜遅くまで話したギルモアさん初め観望会でお会いした方々、さらにはコロナ前に何度が訪れた木曽シュミットでお世話になった方々など、懐かしい方達との再会も嬉しかったです。


到着

講演自体は午後からだったのですが、少し早めにと思い朝6時過ぎに自宅を出ました。接近しつつあった台風自体はまた遠くて、その日のうちに温対低気圧に変わるとのことなので大丈夫だったのですが、大雨の予報が少し心配でした。途中の道で激しく降ったところはありましたが、特に危ないことなはく、結局高速は使わずに富山から安房峠経由で奈川渡ダムのところで南下して木祖を抜け、権平トンネルを通って伊那に出て、そのまま下道で大鹿村まで移動しました。10時半頃に着いたので、かなり順調だったと思います。

朝ごはんを食べ来なかったので、到着後すぐに大鹿村の道の駅で定番の鹿肉ステーキ定食を食べようとしたのですが、オープンは11時から。時間があるので、事前に場所だけ確認しておこうと、道の駅向かいにあるミーティング会場に足を伸ばしたら、何ともうすでに何か会合が何か始まっています。

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どうやら、午前中は別の「第14回長野県星空継続観察ミーティング」というのが開かれているらしく、早速受付だけ済ませて少しだけ覗いてみました。内容は長野各地で行われている、星空の明るさ観察の集計結果についてでした。こういったところに全県で力を入れることができているのも、「長野県は宇宙県」が音頭をとってやっているからだとわかりました。そもそも、ローカル天文同好会がいくつもあり、それらをまとめるような役割を担っているというので、やはり長野は教育県であり、天文も多分に漏れず盛んで、しかも県の面積の大きさもあってかかなり広い範囲で活動されているのが印象的でした。でもやっぱりお腹が空いていて、11時頃にこっそり抜け出して、鹿肉ステーキを食べにいってしまいました。

道の駅のレストランはすでにオープンしていて、どうやら1番乗りでした。鹿肉焼きに定食というのもあったのですが、ちょっと迷って結局食べ応えのありそうなステーキにしました。味付けは塩のみ。塩といっても大鹿村で作られた地元名物の塩です。今年に引き続き、臭みも全くなく、付け合わせの豆腐も合わせてとても美味しかったです。

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講演

お腹も膨れて、再び午前のミーティングに参加。もうまとめ近くになっていて、私は講演の準備で少し内職です。講演のお客さんは一般の方が多いかなと思っていたのですが、受付の方と少し話した限り宇宙県のメンバーが多く、かなり詳しい人の方が多いとのこと。詳しい人も面白いと思えるように、少し話の構成を変えました。そんなこんなで12時過ぎには午前のミーティングは終了し、昼ごはんの時間に。私はすでに食事は済ませているので、プロジェクターの表示のテストです。今回はZoomで参加されているメンバーもいるということで、プロジェクターに有線接続ではなく、Zoomに直参加しての画面共有で、Zoomで参加されているメンバーと、Zoom画面を表示している会場プロジェクターも同時に表示するようです。でもこの場合、プレゼンで使うMacから見ると複数モニター扱いにならないので、発表者ツールが使えなくなることに気づきました。その場で検索すると、フルスクリーンでZoomの画面共有で表示して、パワポの画面を右クリックして「発表者ツールを使用する」を選択すると、無事発表者ツールを使えるようになり事なきを得ました。ただし、自分の画面上で見ているマウスの位置と、Zoom上で見えているマウスの位置が違っていたようで、これは話がずいぶん進んでから気づいたので、今後注意が必要です。

Samとしての講演内容は電視観望に関してで、最近ものすごい勢いで普及しているスマート望遠鏡を少し紹介しました。スマート望遠鏡は全般の傾向として、どんどん小さく、軽くなってきています。特に前日の11月1日に詳しいスペックが公開されたSeestar S30について、口径わずか30mmでよく見えるはずだということを話しました。というのも、私の電視観望のメインは口径3cmのFMA135で非常によく見えていて、観望会でもすでにいつも多くのお客さんに楽しんでもらっているからです。その後、スマート望遠鏡と自分で組み上げるカスタム電視観望の比較を、スライドで例を見せながら解説しました。スマート望遠鏡も何種類かの口径や焦点距離がラインナップされてきました。従来の望遠鏡も一つでは全ての天体に対応できなくて何種類も使い分けるように、今後は天体に合わせてスマート望遠鏡も何種類も持つことになるのかもしれません。カスタム電視観望はむしろ機材を自由に入れ替えることは普通のことなので、スマート望遠鏡の次の段階として、カスタム電視観望に興味を持ってくれたら嬉しいです。

私の講演終了後は宇宙県のメンバーの発表が続きます。午前中にも議論されていた星の明るさ計測のことや、宇宙県としての観望会の対応について、発表だけでなく意見も非常に盛んに交換されていました。皆さんかなり星が好きで、天文環境やアピールの仕方など、真剣に考えていることが伝わってきました。
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座談会

残念だったのは、天気が悪くてミーティング後の電視観望実演と、楽しみだったバーベキューが中止と事前に決まってしまっていたことです。バーベキューの代わりに希望者を集めた座談会が企画されました。20人くらいはいましたでしょうか。みんなでお弁当を食べて、その後輪になって座って自己紹介と、長野県は宇宙県のもっと突っ込んだ議論がなされました。観望会を依頼され宇宙県としてどう対応しようとしているかが課題の一つでしたが、私も部外者ながら富山県天文学会の例を引き合いに、少し議論に参加させて頂きました。

外の空の様子見にいったメンバーによると、少し星が出始めているようです。我々も外に出て空を見上げると、一部ですが雲の切れ間からいくつか星が見えます。天気予報では、台風一過でしょうか、晴れていく予報のはずです。早速駐車場に戻り、車の後ろの空いているスペースにFMA135+Uranus-Cとトラバースで、いつもの電視観望をセットアップしました。口径3cmなので、DWARF3やSeestar S30に興味がある方には参考になったかもしれません。

とにかく興味を引いたのはその小ささで、折りたたみ机の脇に置いたのですが、あまりに目立たなくて本体が蹴飛ばされないように、目印の電球を置いておきます。どなたかが「三脚は使わないのですか?」と質問されたので、「三脚も小さいのでわかりにくいかもしれませんが、きちんと使ってますよ」と答えると、「なぜ大きな三脚を使わないのですか?」と次の質問が。その答えは「カバンからスッと出したいからです」と言って、普段背負っているリュックタイプのカバンを見せます。PCが入るくらいのごく普通の大きさなので、そこにすっぽり入れるためには、三脚も小さくする必要があります。別の方が、FMA135のすぐ脇に置いた電球や三脚の小ささも含めて「何もかも今までと違う...」と呟いていました。電球も普通なら問題になるところですが「蹴飛ばされない」という目的があることも一応理解していただけたようです。

残念ながら天気が回復せずに、どんどん悪化していったので、見せることができたのは最初の頃の雲越しのアンドロメダ銀河だけでした。それでもM101やM32、わずかですが腕の構造も確認はできたので、かろうじてカスタム電視観望がどんな感じが見せることだけはできました。その後は目では星は全く見えなくなってきて、PCの画面上でも運がいいと数個明るい星が見えるだけで、プレートソルブもままならなく、星雲などは全く見えないので、ここで撤収としました。それでも、周りにいる方と機材についてもいろいろ話をする時間は十分取れたので、ほんの少しの晴れ間だけでもあってよかったです。


宿泊

この時点で21時頃だったでしょうか、その後は希望者を募り、2次会で宿泊予定の宿に移ることになりました。地元の長野の方が多いので、その日のうちに帰る方も多く、ここでで半分くらいの方とはお別れとなりました。

この日の宿泊場所は、古民家を再生した1棟貸しの民宿「イナンクル」で、中はきれいにリフォームされていて、薪ストーブもあり、暖かくてとても雰囲気がいいです。最大10人まで泊まれるらしく、人数によって料金が決まるとのことで、少人数で利用することも可能だそうです。天文民に特筆すべきは、裏の少し上がったところにに駐車場としても利用できる、比較的広い広場があることです。視界もそこそこひらけていて、望遠鏡を展開するには十分です。合宿とかにも利用できそうなので、大鹿村の素晴らしい空の下で、仲間と撮影なども兼ねた宿泊施設としても利用できるのかと思います。

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2次会は10人ほどは集まったでしょうか。その中でも、4人の女性の方が大活躍してくれました。お酒やつまみだけでなく、焼肉なども出てきて、かなり豪華な2次会でした。みなさん本当に星好きの方ばかりで、話も盛り上がり、十二分に楽しむことができました。特に、昼間のミーティングのネットワーク機器のセットアップから私の講演の接続のお手伝い、宿の手配や食材の買い出しまで、O代表の実務的な補佐と言われているMさんには、今回何から何までお世話になり、本当に感謝しています。2日間どうもありがとうございました。

このMさん含め、塩尻3人娘と言っていいのでしょうか、いつも一緒に行動しているという女性お三方の星見に対するパワーに圧倒されました。実は昨年の大鹿村でもお会いしているのですが、そのときはそこまでお話しすることはできませんでした。今回夜遅くま色々聞かせていただいたのですが、かなりの頻度で星見スポットを行き来しているみたいです。長野県は面積が広く、数多くの有名星見スポットがあります。南北で天気も全然違い、しかもちょうど塩尻市は高速の分岐点にも近く、どこにいくにも便利とのことです。その日の天気を見て決めるとのことで、どこに行くにも1時間程度で移動でき、平日でもお構いなしに行動しているようです。3人のうちお二人は学校の先生のことで、かなり忙しと思うのですが...。

結局この日、宿泊までしたのは7人でしたが、女性4人は全員宿泊、塩尻3人娘グループは次の日もどこかに星を見にいくとのこと。私は体調がまだ戻りきっていないこともありますが、基本的に宿泊から帰った日は普通は休むようにしています。とにかく、3人組ですごいパワーですごく楽しそうでしたが、あまり無理をして事故などないよう、またいつかお会いした時に武勇伝をお聞かせ頂ければと思います。

結局午前1時半頃まで盛り上がっていたと思います。寝るのは畳の部屋で、二間あるので男女別にしました。次の日曜日は仕事がある方もいて、朝は早くから起きていて、私は6時半過ぎに起きたのですが一番遅かったです。朝食もホットドッグにフレンチトーストと、朝からかなり豪華です。朝食中も朝食後も、話が途切れることはありません。

午前9時前くらいでしょうか、片付けとその後に宿の周りを少し見て、解散となりました。とても楽しい時間を過ごすことができました。前日の講演を含めて、宇宙県のみなさんには本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

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絶景のHAKKO OOSHIKAへ

昨日の雨と打って変わって、この日は朝から一面の青空の快晴です。宿を後にし、一旦道の駅に寄ってから、次の目的地に向かいます。
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道の駅のテラスから見た大西山の昭和36年に起きた崩落面。
ここの下の公園の管理棟で座談会がおこなわれました。

次は、大鹿村を訪れた天文民に最近密かなブームになっている「HAKKO OOSHIKA」 です。1500メートルの眼下から見下ろす絶景とともにランチを食べることができるそうです。大鹿村の道の駅からも、距離だけは11kmとたいしたことはないのですが、途中の山道が過酷で、時間はGoogle mapで調べると40分かかると出ます。11時からオープンとのことですが、食事が出るまでに時間がかかると聞いたので、少し早めの9時半頃に大鹿村の中心部を出ます。

途中の山に入ってからは確かにかなり細い道で、車がすれ違える場所が限られています。行きはまだ朝早かったのでほとんど対向車はいなかったですが、早めに食べ終わるとこれから来る車が多そうなので、帰りが心配です。

実際にお店に到着したのは10時10分くらいだったので、本当に40分くらいかかりました。まだお店は当然空いていませんが、もうとにかくすごい絶景です。標高が高いせいか、山の向こうの雲海の上にある山とかも見えます。

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まだ11時のかなり前ですが、スタッフの方がテラス席の掃除を始めました。昨晩の雨がすごかったので、席は濡れたままです。一人なら予約なしでも大丈夫とのことなので、11時まで待つことに。10時50分くらいになると、お客さんが続々と車で到着するので、入り口のところで待つことにしました。11時開店で店内に案内してもらい、早速名物のサーモンクリームパスタをセットで、しかもパスタ大盛りで頼むことにしました。注文は席に取りに来てくれるのではなく、1階のレジのところに行って前金で払います。早めに入ることができたので1番で注文することができました。早めの注文がラッキーでした。「この日はパスタの在庫が入ってこなくて、申し訳ないのですがサーモンクリームパスタは提供できません」と、他のお客さんにそんな説明をしています。私も心配になったので、途中聞いてみたら私の分は「OK」とのこと。本当にラッキーでしたが、むしろ大盛りを頼んでしまって申し訳なかったのかもしれません。

最初は店内に案内されたのですが、外に出てみるとちょうどテラス席に日の光が当たり始めていて、しかも1500mという標高なのに、この日はほとんど風が無かったので、席を外に移動してもいいか聞いたら「ぜひ」とのことでした。

外のテラス席に座って、太陽がポカポカ暖かく、目の前の景色を見ているだけでもうかなり満足なのですが、出てきたパスタセットもかなり満足でした。サーモンクリームの名に負けないくらい、サーモンの身が塊でゴロゴロと入っています。付け合わせの野菜もパスタのアクセントになります。サラダと合わせて栄養たっぷりでしょう。大盛りにしたからでしょうか、量的にもかなり満足でお腹いっぱいになりました。本当はミニスイーツセットがオプションであって、その日はチーズケーキだったみたいでかなり食べたかったのですが、最近甘いものを控えているので我慢しました。でもさつまいもの甘煮の桃和え、葡萄と柿がデザートで付いていたので、もうそれで十分でした。食べ終えた後もドリンクのカフェオレと景色でしばらく楽しんでいました。山道は険しいですが、十分に来る価値のあるところで、ここでしか味わえないようなかなり贅沢な時間となりました。

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帰りにスタッフの方に「とてもおいしかったです」と声をかけて、HAKKO OOSHIKAを後にしました。心配だった帰り道は、5台くらいの車とすれ違いましたが、いずれも少し道幅が広いところで問題なくすれ違うことができました。

大鹿村から自宅までは下道だと4時間半ほど、でも山の上のHAKKO  OOSHIKAからだとさらに40分かかるので、5時間以上の運転になります。レストランを出たのが12時過ぎなので、順調に行っても夕方になりますです。あまり無理をせずに、ここで自宅に帰ることにしました。


帰り道

帰り道は152号線を通って伊那市の東側を北上して抜ける道を選んだのですが、途中面白そうなパワースポットらしきものがありました。少し覗いてみると、「ゼロ磁場」とか「ゼロ磁場の秘水」とかなかなかヤバそうなことが書いてあります。どうも、「分坑峠(ぶんぐいとうげ)」という名所らしくて、大鹿村から続いている中央構造線の上では、断層状の2つの地層がぶつかり合って磁場がゼロになるということらしいのです。

このことは152号線を北上して山道を抜けたあたりにある道の駅の「南アルプスむら長谷」にある観光案内所の詳しい説明を見て、やっとどんなものかわかってきました。ここの説明はまともで、きちんと中央構造線や、その断層の交じり具合が見える「露頭」について詳しく説明しています。その中に「ゼロ磁場や、身体をセンサーとして確認された(???)という気については科学的に証明されたものではないので、その事をここで取り上げて解説することは適切ではない」というような至極真っ当なことが書かれています。でも「観光スポットとして人が集まっているのを否定することはない」というようなも書いてあるので、エンターテインメントとして楽しんでいこうというものかと思います。分杭峠には自家用車で行っても停める駐車場のようなものがなく、この道の駅から出ているバスを利用することになるようで、通りがかりに見た分杭峠のバスの折り返し場には、この日もたくさんの人が居ました。

昔アメリカに住んでいた頃に、西海岸の1号線のロングドライブの途中で、わざわざサンタクルーズの山奥にある、強い磁場で重力が斜めになると言われている「Mystery Spot」という観光地に寄ったことがあります。そこのスタッフに「ただの目の錯覚だ」と食ってかかったのは若気の至りです。今回のゼロ磁場については憤慨などすることなく、暖かい目で楽しませていただきました。

実は、講演前の日も準備であまり寝てなかったので、2日連続で睡眠不足で、途中あまりに眠くなってしまい、権平トンネルの手前で仮眠をとりました。そのため自宅に着いたのは暗くなった18時過ぎでした。自宅についてから空を見上げると星が出ているので、頑張って撮影に行こうかとも一瞬思いましたが、流石に疲れていて早くにベッドに入ってすぐに眠ってしまいました。朝起きても快晴で、ちょっとだけ後悔しました。


まとめ

今回は「長野県は宇宙県」の年一回のミーティングに呼んでいただき、とても感謝しています。いろんな方とお話しすることができて、とてもいい機会になりました。宇宙県の取り組みは素晴らしいと思います。今後もますます長野県の天文情報を発信して、いずれ全国規模で活動が広まっていくことを期待しています。

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