2024/5/17(金)、富山駅にてゲリラ観望会と銘打った天体観測会を敢行しました。計画したのは所属する富山県天文学会のメンバー。通勤通学帰りの人が集まるので、かなりの人数になります。立ち寄ってもらった人は数百人に及ぶと思いますが、地方の富山での観望会でここまで多くの人に見てもらうのは珍しいです。
この日の月は上限を少し過ぎた月齢9日。少し明るいですが、そもそも駅前なのでかなり明るくて、むしろ月を見るのがメインになります。夕方の18時頃から準備が始まります。
私はいつもの電視観望で、FMA135とトラバースをカバンに入れて運びます。駅前は車が停めにくいので、少し離れた駐車場に車を止めそこから荷物を運ぶため、できるだけコンパクトにします。その代わりお客さんから見えやすいように、24インチのモニターとポータブルバッテリーを持っていきました。
PCはSURFACE 8ですが、Type-CのHDMIアダプターを介してなぜかモニターに表示することができず、ケーブルやアダプター、接続設定などを疑い時間を食ってしまいました。結局予備で持っていたSURFACE 9を繋ぐとすぐにモニターに表示されたので、8の方は何かおかしいのかもしれません。やはりこういった観望会には必ず予備機を持っていった方いいです。ちなみに使ったのはトラバースですが、一応車の中にはAZ-GTiを待機させていました。
セットしたのはこんな感じです。
明るいうちから月を導入しモニターに表示させると、さっそくお客さんが集まってきます。FMA135なので解像度は大したことはないですが、それでもPC上で拡大すると月の模様がはっきりと見え、多くのお客さんが「こんなに見えるんだ」と驚いてくれます。
今時のお客さんはスマホで撮影するのが普通です。
隣にOさんの機材も写っていますが、ASIAirを使った電視観望で、私と合わせてここは電視観望エリアになっていました。
春なので電視観望だと銀河中心になるはずなのですが、今回銀河はかなり厳しかったです。そもそも目的にしていた三つ子銀河が、月が近過ぎて明るくてほぼ見えず。むしろ北の空に向けてなんとか見えたのがM81と82です。
M51も試しましたが、2つの点くらいにしか見えなくて形までわかりませんでした。M13もまだ低空で、球状星団のツブツブ感もほぼなくて、春の電視観望の難しさを思い知らされました。
一方OさんはEVOSTAR72だったと思いますが、私のより口径が大きくて焦点距離も長いのでだいぶん有利で、M101をある程度長時間スタックして腕の形まで見せていました。そういえば前回の駅前ゲリラ観望会に参加した時は、まだ2019年でFS-60CBをメインに電視観望をしていて、季節的にも秋でM57やM27を見せていました。輝度がある星雲は街中でもよく見えますが、やはり駅前のような超光害地ではある程度の口径と焦点距離はあった方がいいと思いました。結局途中からは月を見せていました。なんだかんだ言っても月が一番ウケがいいです。
あともう一つの失敗は、モニター用に100V電源をとっていたA社のポータブルバッテリーがかなり早い段階(1時間も持たずに)で切れてしまったことです。もちろんフル充電してあったはずなのですが、表示が100%でもすごい勢いで無くなっていくみたいです。充電用のアダプターは持っていなかったのですが、Mac用のType-Cの充電器で試したら充電できたので、設備として用意されていた100V電源から充電しました。これもかなり短時間(30分くらい)で100%充電されたと表示されたのですが、あまり信用できません。実際、繋いだらすぐに70%くらいになり、その後30分程度で再びバッテリー切れになってしまいました。冬場の寒い時に誤動作することは認識していましたが、暖かくなってもあまりまともとはいえなさそうです。他のノーブランドバッテリーでこんなおかしなことは起きたことがないのですが、ブランドものだからといって必ずしもいいとは限らないということでしょうか。
望遠鏡は反射屈折合わせて10台くらいは出ていたでしょうか。
Nさんともう1人のC8が2台、Yさんの15cmの双眼鏡、NさんのFSR85、20cmニュートン、屈折が何台か、WさんのSeeStarなどです。あと面白かった機材は、コルキットの双眼でしょうか。2本の鏡筒が光軸方向少しずれて配置されていて、接眼部も斜めに配置されているタイプです。目幅も合わせることができて、意外なほどよく見えました。しかもフードがカーボン仕様で鏡筒にアルミ白を巻いていて、最初BORGなのかと思いました。
眼視も基本的には対象は月がほとんどだったのかと思います。倍率がそれぞれ違うので、お客さんはいろんな望遠鏡を覗いて楽しまれているようでした。
あと、アイピースにスマホを近づけて撮影する人が多かったのも印象深かったです。でも最近のスマホはすごいですね。望遠鏡とかなしで、スマホ単体でも月が撮影できるようです。しかも望遠鏡のアイピースに近づけて撮ったものよりも露光などもきちんと合っていて、かなり綺麗に写っています。私の手持ちのスマホはかなり昔のiPhoneでそんな芸当は全然無理なので、スマホの進化に改めてびっくりしました。
もう一つ特筆すべきは、日本人以外の方の多さでしょうか。印象的には半分とは言わないですが、かなりの数でした。先ほどのスマホだけで撮った月を見せてくれた方は中東系のような顔立ちの人でした。ほとんどが観光かと思いますが、中国や台湾などのアジア系の方が多く、ヨーロッパの方や、おそらく富山に住んでいると思われるロシアの方もいました。アメリカからという人は直積聞きませんでしたが、多分いたと思います。南米やアフリカ系の方は見なかったと思いますが、富山がそういった遠方からの観光客も呼べるようになればいいのかと思います。「今日は何か特別なことがあるのか?」と日本人にも海外の方にも何度か聞かれましたが、「いえ、普通の日ですが、金曜で次の日が休みなので皆さんに楽しんでもらおうと、富山のアマチュア天文家が集まったのです」と答えていました。こうイベントが観光で富山に来てくれた人のアクセントになってくれればと思います。
時刻も21時を過ぎるとお客さんの数も減ってきます。21時15分くらいに終了のアナウンスがされ、皆さん撤収作業に入ります。私も21時半頃には帰路につきました。
こういった企画は楽しくていいですね。特に富山のような地方の観望会ではなかなか人が集まらないので、今回のような駅前でやるというのは集客の面からも意味があると思います。元々のアイデアを出してくれて、今回も中心になって企画を進めてくれたSさん、どうもありがとうございました。
このゲリラ観望会、秋にもやろうと計画しています。次回の富山駅でのゲリラ観望会は9月13日の予定ですが、天候などにより日にちは変更されるかもしれません。なんたって「ゲリラ」ですから、神出鬼没なわけです(笑)。
この日の月は上限を少し過ぎた月齢9日。少し明るいですが、そもそも駅前なのでかなり明るくて、むしろ月を見るのがメインになります。夕方の18時頃から準備が始まります。
私はいつもの電視観望で、FMA135とトラバースをカバンに入れて運びます。駅前は車が停めにくいので、少し離れた駐車場に車を止めそこから荷物を運ぶため、できるだけコンパクトにします。その代わりお客さんから見えやすいように、24インチのモニターとポータブルバッテリーを持っていきました。
PCはSURFACE 8ですが、Type-CのHDMIアダプターを介してなぜかモニターに表示することができず、ケーブルやアダプター、接続設定などを疑い時間を食ってしまいました。結局予備で持っていたSURFACE 9を繋ぐとすぐにモニターに表示されたので、8の方は何かおかしいのかもしれません。やはりこういった観望会には必ず予備機を持っていった方いいです。ちなみに使ったのはトラバースですが、一応車の中にはAZ-GTiを待機させていました。
セットしたのはこんな感じです。
明るいうちから月を導入しモニターに表示させると、さっそくお客さんが集まってきます。FMA135なので解像度は大したことはないですが、それでもPC上で拡大すると月の模様がはっきりと見え、多くのお客さんが「こんなに見えるんだ」と驚いてくれます。
今時のお客さんはスマホで撮影するのが普通です。
隣にOさんの機材も写っていますが、ASIAirを使った電視観望で、私と合わせてここは電視観望エリアになっていました。
春なので電視観望だと銀河中心になるはずなのですが、今回銀河はかなり厳しかったです。そもそも目的にしていた三つ子銀河が、月が近過ぎて明るくてほぼ見えず。むしろ北の空に向けてなんとか見えたのがM81と82です。
M51も試しましたが、2つの点くらいにしか見えなくて形までわかりませんでした。M13もまだ低空で、球状星団のツブツブ感もほぼなくて、春の電視観望の難しさを思い知らされました。
一方OさんはEVOSTAR72だったと思いますが、私のより口径が大きくて焦点距離も長いのでだいぶん有利で、M101をある程度長時間スタックして腕の形まで見せていました。そういえば前回の駅前ゲリラ観望会に参加した時は、まだ2019年でFS-60CBをメインに電視観望をしていて、季節的にも秋でM57やM27を見せていました。輝度がある星雲は街中でもよく見えますが、やはり駅前のような超光害地ではある程度の口径と焦点距離はあった方がいいと思いました。結局途中からは月を見せていました。なんだかんだ言っても月が一番ウケがいいです。
あともう一つの失敗は、モニター用に100V電源をとっていたA社のポータブルバッテリーがかなり早い段階(1時間も持たずに)で切れてしまったことです。もちろんフル充電してあったはずなのですが、表示が100%でもすごい勢いで無くなっていくみたいです。充電用のアダプターは持っていなかったのですが、Mac用のType-Cの充電器で試したら充電できたので、設備として用意されていた100V電源から充電しました。これもかなり短時間(30分くらい)で100%充電されたと表示されたのですが、あまり信用できません。実際、繋いだらすぐに70%くらいになり、その後30分程度で再びバッテリー切れになってしまいました。冬場の寒い時に誤動作することは認識していましたが、暖かくなってもあまりまともとはいえなさそうです。他のノーブランドバッテリーでこんなおかしなことは起きたことがないのですが、ブランドものだからといって必ずしもいいとは限らないということでしょうか。
望遠鏡は反射屈折合わせて10台くらいは出ていたでしょうか。
Nさんともう1人のC8が2台、Yさんの15cmの双眼鏡、NさんのFSR85、20cmニュートン、屈折が何台か、WさんのSeeStarなどです。あと面白かった機材は、コルキットの双眼でしょうか。2本の鏡筒が光軸方向少しずれて配置されていて、接眼部も斜めに配置されているタイプです。目幅も合わせることができて、意外なほどよく見えました。しかもフードがカーボン仕様で鏡筒にアルミ白を巻いていて、最初BORGなのかと思いました。
眼視も基本的には対象は月がほとんどだったのかと思います。倍率がそれぞれ違うので、お客さんはいろんな望遠鏡を覗いて楽しまれているようでした。
あと、アイピースにスマホを近づけて撮影する人が多かったのも印象深かったです。でも最近のスマホはすごいですね。望遠鏡とかなしで、スマホ単体でも月が撮影できるようです。しかも望遠鏡のアイピースに近づけて撮ったものよりも露光などもきちんと合っていて、かなり綺麗に写っています。私の手持ちのスマホはかなり昔のiPhoneでそんな芸当は全然無理なので、スマホの進化に改めてびっくりしました。
もう一つ特筆すべきは、日本人以外の方の多さでしょうか。印象的には半分とは言わないですが、かなりの数でした。先ほどのスマホだけで撮った月を見せてくれた方は中東系のような顔立ちの人でした。ほとんどが観光かと思いますが、中国や台湾などのアジア系の方が多く、ヨーロッパの方や、おそらく富山に住んでいると思われるロシアの方もいました。アメリカからという人は直積聞きませんでしたが、多分いたと思います。南米やアフリカ系の方は見なかったと思いますが、富山がそういった遠方からの観光客も呼べるようになればいいのかと思います。「今日は何か特別なことがあるのか?」と日本人にも海外の方にも何度か聞かれましたが、「いえ、普通の日ですが、金曜で次の日が休みなので皆さんに楽しんでもらおうと、富山のアマチュア天文家が集まったのです」と答えていました。こうイベントが観光で富山に来てくれた人のアクセントになってくれればと思います。
時刻も21時を過ぎるとお客さんの数も減ってきます。21時15分くらいに終了のアナウンスがされ、皆さん撤収作業に入ります。私も21時半頃には帰路につきました。
こういった企画は楽しくていいですね。特に富山のような地方の観望会ではなかなか人が集まらないので、今回のような駅前でやるというのは集客の面からも意味があると思います。元々のアイデアを出してくれて、今回も中心になって企画を進めてくれたSさん、どうもありがとうございました。
このゲリラ観望会、秋にもやろうと計画しています。次回の富山駅でのゲリラ観望会は9月13日の予定ですが、天候などにより日にちは変更されるかもしれません。なんたって「ゲリラ」ですから、神出鬼没なわけです(笑)。