火星最接近前に一回と、最接近後結構経ってから撮影しましたが、全然記事を書いてなかったので一応まとめました。いまいち自分の中で盛り上がらない惑星ですが、このままいくとお蔵入りの記事になりそうなので公開しておきます。
今まで散々悩んできたMEADEの25cmシュミカセLX-200-25。少し惑星撮影でその性能の一端を引き出すことができたかもしれません。しかも火星星接近の前日の2020年10月5日、条件はバッチリです。
前回の10月2日の撮影で口径20cmのC8を使ってそこそこ出たので、今回はそれと比較して口径25cmの手持ちのMEADEが果たしていいのか悪いのか見るために、気合を入れて準備。ADCとScientific Explorerの5倍のバローを入れ、ASI224MCで見ます。
セッティングが終わり見始めたのが20時前頃でしょうか。でもPCの画面で見てもボロボロで、木星も土星も全然見えません。完全タコ踊り状態です。
それでも気を取り直し光軸調整を出来る限りやります。少なくとも内外像がいびつな形になるのを直しました。動画を撮ってなかったのでここで再現できませんが、光軸調整ができてない時の見分けはできそうです。
ただし、内外像もそうですし、ジャスピンでも一点に収束せず、ピンピン跳ねているような感じです。
相変わらずゆらゆら瞬いてますが、シンチレーション(大気の方)は悪くなさそうです。というのも、一時期10分ほど明らかに悪くなった時があって、それがなくなって元に戻ると、実は大気はあまり揺れてないのかな?と思うようになりました。
この時点では何が悪いのかの判断がつかず、少なくともC8で状態のいいときに見るレベルには遥かに追いつかないことは確かでした。一応木星、土星、火星とどれも高度はそこまで高くないですが、撮影だけしておきます。一旦家に入り少しだけ処理してみますが、淡い期待も見事に崩れ、とてもじゃないけど25cmにふさわしいとは思えない分解能の惑星が出てきました。
いろいろ悩んだ後の22時半頃、せっかくの最接近間際の火星撮影のチャンスだからせめてC8で撮っておこうと準備して外に持ち出しました。後の比較のために、MEADEで直近で1ショットだけ撮影しようと鏡筒カバーを外しPCの画面を見たら、何とこれまでに見たことがないような超高解像度。これは!と思い、C8そっちのけで撮影を始めました。
ここでやっと気づいたのです。惑星に詳しい方ならもうお気づきだと思います。要するにこれまで温度順応が全然うまくいってなかったのです。最初の撮影が鏡筒を外に出してから多分30分後くらい。その後迷人会の微動雲台を評価するための振動データの追試をして、家の中で先に撮った惑星の画像処理をして、次にMEADEで撮影に入ったのが3時間後くらいになります。温度順応するためにはこれくらい待たなくてはならないということを、やっと実感できえるレベルで理解できたということです。最初の頃にピンピン跳ねているのが、温度順応できてないのだと判別できそうです。
今まで温度順応をなめてたんだと思います。これからは少なくともこのレベルを基準にきちんと待つことにしようと、心に誓いました。もしくは、ファンをつけることも真剣に考えた方がいいかもしれません。
ここで5ショットくらい撮影しました。
1ショット目: 最初は5msで10000枚です。まだ十分明るく、もっと露光時間を縮められそうなので半分にします。
2ショット目: 次に2.5msで10000枚。まだピントが合っていなくて動画で見直しても上下にピコピコ跳ねるようにブレています。
それをRegistaxまで持ってきても、上下に二重に出てしまっています。
3ショット目: 2.5msで10000枚。やっとここらでピントが合い、これが一番出ました。
でも動画を見返してみると、まだ光軸調整に余地があるかも。この時の60%をRegistaxした直後の画像です。
1ショット目と比べると明らかに違いがわかるかと思います。これをPhotoshopで炙り出したものが以下になります。これは結構満足です。あ、今回もUV/IRフィルター入れ忘れてました。極が赤くなるのはIRのせいだとどこかで読みましたが、その通りなんですね。
4ショット目、5ショット目は、条件こそ同じですが、動画を見直して見ても大きく揺れている成分が多い気がします。いずれにせよ3ショット目に及ばず。下はまだマシだった5ショット目です。
スタックしても3ショット目に全然及びません。かといって、1ショット目みたいなジャンプにはなっていません。
6ショット目: なんか暗くなったと思ったら、補正版が曇ってました。
とまあ、2ショット目がダメなのはわかりますが、3ショット目とそれ以降でかなり差が出たのが印象的です。3ショット目と4ショット目の時間差はほぼ10分。改めて動画を見直してみると、明らかに3ショット目のシーイングだけいいです。
結論としては、少なくともシーイングが良くなればMEADEでの解像度はまだまだ出そうということです。これは大きな収穫でした。
次は最接近からかなり立って10月27日。かなり晴れていたので電視観望で遊んだ後に、火星の撮影をしてみました。あまり気合は入らず、Celestronの3倍バローに、ADCは(天頂に近かったので)サボって入れずです。あぶり出し後の結果だけ。まあ最接近近くの時には遠く及びません。動画を見ても、5日の3ショット目の最も揺れてなかった時よりは揺れています。UV/IRカットフィルター入れたので、初めて極が白くなっています。
参考に、10月2日に撮ったC8のRegistax直後の画像です。
明らかにコントラストがいいのと、なんかMEADEより解像度が出ている気がします。でも動画を見ると結構大きく揺れてるんですよね。細かい揺れがなかったから像が出たのか、まだ不思議です。
今回こそはMEADEできる子かと思ったのですが、やっとC8と同等くらいか、まだ劣るくらいかもしれません。
今回、温度順応がいかに大切かをよく理解できました。
でも火星のシーズンももうおしまいですね。また2年後でしょうか。でも今年も十分自己ベストを出せたので、とりあえず満足です。来年は今回の経験を生かして木星と土星を更新できたらと思います。
25cmのMEADE
今まで散々悩んできたMEADEの25cmシュミカセLX-200-25。少し惑星撮影でその性能の一端を引き出すことができたかもしれません。しかも火星星接近の前日の2020年10月5日、条件はバッチリです。
前回の10月2日の撮影で口径20cmのC8を使ってそこそこ出たので、今回はそれと比較して口径25cmの手持ちのMEADEが果たしていいのか悪いのか見るために、気合を入れて準備。ADCとScientific Explorerの5倍のバローを入れ、ASI224MCで見ます。
セッティングが終わり見始めたのが20時前頃でしょうか。でもPCの画面で見てもボロボロで、木星も土星も全然見えません。完全タコ踊り状態です。
それでも気を取り直し光軸調整を出来る限りやります。少なくとも内外像がいびつな形になるのを直しました。動画を撮ってなかったのでここで再現できませんが、光軸調整ができてない時の見分けはできそうです。
ただし、内外像もそうですし、ジャスピンでも一点に収束せず、ピンピン跳ねているような感じです。
相変わらずゆらゆら瞬いてますが、シンチレーション(大気の方)は悪くなさそうです。というのも、一時期10分ほど明らかに悪くなった時があって、それがなくなって元に戻ると、実は大気はあまり揺れてないのかな?と思うようになりました。
この時点では何が悪いのかの判断がつかず、少なくともC8で状態のいいときに見るレベルには遥かに追いつかないことは確かでした。一応木星、土星、火星とどれも高度はそこまで高くないですが、撮影だけしておきます。一旦家に入り少しだけ処理してみますが、淡い期待も見事に崩れ、とてもじゃないけど25cmにふさわしいとは思えない分解能の惑星が出てきました。
しばらく放っておいた後に
いろいろ悩んだ後の22時半頃、せっかくの最接近間際の火星撮影のチャンスだからせめてC8で撮っておこうと準備して外に持ち出しました。後の比較のために、MEADEで直近で1ショットだけ撮影しようと鏡筒カバーを外しPCの画面を見たら、何とこれまでに見たことがないような超高解像度。これは!と思い、C8そっちのけで撮影を始めました。
ここでやっと気づいたのです。惑星に詳しい方ならもうお気づきだと思います。要するにこれまで温度順応が全然うまくいってなかったのです。最初の撮影が鏡筒を外に出してから多分30分後くらい。その後迷人会の微動雲台を評価するための振動データの追試をして、家の中で先に撮った惑星の画像処理をして、次にMEADEで撮影に入ったのが3時間後くらいになります。温度順応するためにはこれくらい待たなくてはならないということを、やっと実感できえるレベルで理解できたということです。最初の頃にピンピン跳ねているのが、温度順応できてないのだと判別できそうです。
今まで温度順応をなめてたんだと思います。これからは少なくともこのレベルを基準にきちんと待つことにしようと、心に誓いました。もしくは、ファンをつけることも真剣に考えた方がいいかもしれません。
撮影結果
ここで5ショットくらい撮影しました。
1ショット目: 最初は5msで10000枚です。まだ十分明るく、もっと露光時間を縮められそうなので半分にします。
2ショット目: 次に2.5msで10000枚。まだピントが合っていなくて動画で見直しても上下にピコピコ跳ねるようにブレています。
それをRegistaxまで持ってきても、上下に二重に出てしまっています。
3ショット目: 2.5msで10000枚。やっとここらでピントが合い、これが一番出ました。
でも動画を見返してみると、まだ光軸調整に余地があるかも。この時の60%をRegistaxした直後の画像です。
1ショット目と比べると明らかに違いがわかるかと思います。これをPhotoshopで炙り出したものが以下になります。これは結構満足です。あ、今回もUV/IRフィルター入れ忘れてました。極が赤くなるのはIRのせいだとどこかで読みましたが、その通りなんですね。
4ショット目、5ショット目は、条件こそ同じですが、動画を見直して見ても大きく揺れている成分が多い気がします。いずれにせよ3ショット目に及ばず。下はまだマシだった5ショット目です。
スタックしても3ショット目に全然及びません。かといって、1ショット目みたいなジャンプにはなっていません。
6ショット目: なんか暗くなったと思ったら、補正版が曇ってました。
とまあ、2ショット目がダメなのはわかりますが、3ショット目とそれ以降でかなり差が出たのが印象的です。3ショット目と4ショット目の時間差はほぼ10分。改めて動画を見直してみると、明らかに3ショット目のシーイングだけいいです。
結論としては、少なくともシーイングが良くなればMEADEでの解像度はまだまだ出そうということです。これは大きな収穫でした。
最接近から20日くらい
次は最接近からかなり立って10月27日。かなり晴れていたので電視観望で遊んだ後に、火星の撮影をしてみました。あまり気合は入らず、Celestronの3倍バローに、ADCは(天頂に近かったので)サボって入れずです。あぶり出し後の結果だけ。まあ最接近近くの時には遠く及びません。動画を見ても、5日の3ショット目の最も揺れてなかった時よりは揺れています。UV/IRカットフィルター入れたので、初めて極が白くなっています。
参考に、10月2日に撮ったC8のRegistax直後の画像です。
明らかにコントラストがいいのと、なんかMEADEより解像度が出ている気がします。でも動画を見ると結構大きく揺れてるんですよね。細かい揺れがなかったから像が出たのか、まだ不思議です。
今回こそはMEADEできる子かと思ったのですが、やっとC8と同等くらいか、まだ劣るくらいかもしれません。
まとめ
今回、温度順応がいかに大切かをよく理解できました。
- ピンピン跳ねているのは温度順応できてない証拠で、まだ待つ必要がある。
- ピントがずれているとある方向にチョコチョコ飛び出るような像が見える。
- 温度順応が十分な時に、それでも揺れるのはシーイングに難があるから。
でも火星のシーズンももうおしまいですね。また2年後でしょうか。でも今年も十分自己ベストを出せたので、とりあえず満足です。来年は今回の経験を生かして木星と土星を更新できたらと思います。