ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 電視観望

今年も高岡市の「おとぎの森公園」で開催される観望会に参加しました。

昨年に続いて

といっても、この観望会は去年が初参加で、しかも去年は天気が悪く結局ほぼ何も見えないに等しい状況だったので、ブログの記事にもしていません。でもこの観望会って、すごい人数が来るんですよね。去年は星の何もないのに、もしかして見えるかもという期待で、私の周りだけで常時30人くらいいた気がします。ただ待ってもらうのも悪いので、天文に関するいろんな話や、いつもやってるクイズを出したりしてしました。高感度カメラで見る暗闇も子供達には大人気でした。

一方今年はというと、もしかしたら最悪雨かもと思っていた天気は、夕方には快晴に近くなり、多くの星が見えました。


街中での観望会

少し時間を戻します。

観望会会場のおとぎの森公園は、高岡市の街中にも近く、歩いて行ける距離に北陸新幹線の駅やイオンモールがあります。なので買い物がてらで、珍しく妻がついてきます。私もどうせどこかで夕食はとる必要があるので、早めの16時半頃にイオンモールに着いて、フードコートで妻と外食とすることにしました。その後は私も本屋とかに少し寄って、18時前には私だけイオンを出て観望会会場に向かいます。妻はそのままお買い物で、観望会が終わったらまたイオンに行き拾っていきます。観望会終わりが21時なので、それまでたっぷり余裕があり、お互いを気にせずに妻は買い物、私は観望会で、結構都合がいいのです。

実は去年も全く同じパターンでした。街中の観望会は明るいのですが、便利というメリットがあるので、それはそれでまた楽しいです。


機材設置

さて、夕方18時ぴったりくらいに会場に着くと、すでにもういくつかの望遠鏡が出ています。中には大きなドブソニアンも出ています。

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私も準備を始めます。この日の機材は先週の飛騨コスモス天文台で試した
  • メインの電視観望にFMA135+Uranus-C+トラバース
  • 広角電視観望にNIKKOR 35mm F1.4レンズ+ASI294MC+自由雲台
  • SCOPETECHの2穴ファイダーの屈折
になります。
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これらを、M1 MacのVMware上のArm WindowsでSharpCapを2つ立ち上げ、上記カメラ2台を同時接続し、1台の24インチモニターに繋げます。星座ビノをは5個出しましたが、使えたのは最初の頃と最後の頃の人が少ない時だけでした。人が多すぎると貸し出しは収拾がつかなくなってしまいます。


観望会開始

SCOPETECHの2穴ファイダーの屈折が月を見るのに大活躍でした。明るいうちから月が出ていたので、来てくれた人たちに望遠鏡を勝手に操作してもらいます。小学校の高学年ならすぐに月の導入や、低学年の子でもセンターに持ってこれるようになります。多くの方が家族で来ているので、お父さんお母さんにも触ってもらいます。今回、金沢星の会のNさんが来てくれていて、望遠鏡の操作の説明を随分と手伝っていただき、とても助かりました。どうもありがとうございました。

あえて赤道儀にせずに、簡単な二つ穴ファインダーの入門用機材にするのは、望遠鏡を自分で触ってもらいたいからです。できれば導入を自分でしてもらい、天体が入った時の喜びを感じてほしいこと、お客さん同士で操作方法の伝搬とかのコミュニケーションをとって欲しいことなどがあります。高価な機材ではないので、子供に使い倒してもらって全然大丈夫で、「壊れてもいいので思う存分使ってください」と言って安心して使ってもらうようにしています。

月は明るいうちから見えるですが、徐々に暗くなってくると星が見え始めます。一番星がベガ、二番星がアークトゥルスでしょうか。広角電視観望だと、この時点でこと座の形がはっきりとわかるので、今回は星座の話から入り、七夕の話、夏の大三角に進みました。でも流石に市街地に近いことと、上弦
の明るい月が出ていたこともあり、この場所では暗くなってからでも見える星の数を数えても20個くらいでしょうか。2等星の明るいものくらいまでしか見えません。ものすごく頑張って北斗七星が5個か6個くらいです。

もちろん広角電視観望だと、星座の形がわかるくらいの広い範囲と、数えきれないくらいの星の数が画面いっぱいに広がるので、色々楽しめます。今回は画面と実際の空を見比べて、はくちょう座の形と、さそり座の形を理解してもらいました。白鳥座は目では全く見えず、さそり座は3つの手の一つがかろうじて見えるくらいでした。


天の川がメインに

徐々に暗くなってくると、こんな街中でも広角電視観望だと天の川が見えてきます。天の川が見え始めるとモニターの周りに人だかりができ始めました。

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「天の川を見たことがある人?」と聞くと、今回は一人か二人だったでしょうか、富山といえど普段街中でほとんどの人は見たことがないようです。暗くなると天の川の形がわかるくらいに見えてくるので、みなさんびっくりしてました。

でも、子供達が夢中なのは天の川よりも人工衛星です。電視観望は感度が良いので、かなり暗い人工衛星もはっきりと見えてしまいます。ひどい時は1画面に7つの人工衛星が見えていました。子供達は人工衛星がすれ違うときにぶつからないかに興味津々で「ぶつかったら爆発するの?」とか心配しているようです。

時折とびきり明るい人工衛星が画面内に現れると、その方向の空を見上げてもらい目で人工衛星を探してもらいます。目のいい方はすぐに見つけられるようです。私は2個ほど実際の空で見つけましたが、星座ビノを使わないと見えなかったようなものも平気で簡単に見つける人がいて驚きました。


今回のトラブル

今回の一番の失敗はトラバースです。最初うまく繋がって導入まで進めていたのですが、すぐに繋がらなくなってしまいました。電池が切れたかと思い電池を変えても症状は同じで、全くつながりません。SSIDは時折見えたり、見えなかったりです。その代わりにSSIDで見えていたのは他のスマート望遠鏡のものがズラーっと。どうもトラバースの電波は弱いのか、他の機器に食われてしまうようです。

今回もMacで接続したのですが、大きな観望会でWiFiが混戦するような場合はWindows PCにしてBuletoothで繋いだ方が良さそうです。以前はトラバースのBluetooth接続はちょっと変則的な繋ぎ方でしたできなかったのですが、先日自宅でメンテナンスがてら色々試したときにちょっとだけBluetoothでの接続も試していて、現在ではなんの問題もなく接続できることがわかりました。SharpCapからASCOM経由で接続できるかはまだ不明ですが、ASCOMドライバーはSynScan Proと接続しているだけで、SynScan Proとトラバースの接続がBluetoothになろうがお構いないはずなので、うまくいくのかと思います。また機会があるときに試してみます。

結局、トラバースが使えるようになったのはスマート望遠鏡の数が減ってきた20時台の後半で、もう観望会が終了するちょっと前でした。M1 Mac上でのArm Windowsだと2台接続の時のカメラのコマ落ちの問題もあったので、バッテリーの持ちは惜しいのですが、やはり生のWindows PCににした方がいいのかもしれません。結局つながってから月とM27だけ最後に少数のお客さんに見せるにとどまりました。月の露光時間を増やして、影になって隠れているところを出すのが受けていました。

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終盤と片付け

すごくたくさんの人がいて、広角電視観望での天の川とか、星座とか、人工衛星の受けがすごく良くて、その説明をずっとしている状態だったので結構手一杯だったので、トラブルがあってもちょうどいいくらいだったのかもしれません。というか、予備という意味でも2系統用意することの重要さを実感しました。今回は多人数が対象で、画面を見ての説明が多かったので、クイズとかはあまり出すことができませんでしたが、多人数の時は多人数なりの面白さがあります。

そんな中でも、一人、小学5-6年生くらいでしょうか、男の子が屈折望遠鏡が面白いみたいで、観望会終了直前の頃には最後自分でアンタレスとか導入していました。この頃になると人も少なくなってきていて、星座ビノを再び貸し出して、その子も一緒にさそりの手とか見つけたりしていました。こんな子が一人でもいると、やっぱり触ってもらえる望遠鏡を出して良かったと思えます。

21時を過ぎた頃に観望会終了のアナウンスがありました。片付けは大したことはないので、21時半前には車を出し、妻を迎えに再びイオンモールに向かいました。自宅までは山側の道を通り30分強くらいでしょうか。外でまだまだ暑く汗をかいたので、シャワーだけ浴びて昨晩途中まで見ていた金曜ロードショーのサマーウォーズを見終えて、そのまま寝てしまいました。


まとめ

夏休みのこともあり、観望会シーズンです。来週もまた別の観望会があります。観望会で星を見せることも、趣味としての楽しさの一つでもあるので、今年も都合がつく限りいろいろ参加したいと思います。



最近ずっと太陽で少し疲れてきたので、たまには夜もと思い、少しメンテナンスも兼ねて電視観望関連のテストをしました。


メンテナンス

先月末の飛騨コスモス天文台での電視観望は散々な結果に終わりました。やはり普段から触っていないと、いざというときに使い物になりません。今回はちょっと反省して、きちんとメンテナンスすることにしました。


現在電視観望用としては3台のPCを運用しています。Windows SURFACEの7と8、M1 MacのVMware上で動くArm Windowsです。その中でメインはSURFACE 7で、予備がM1 Macだったりします。理由は仮想上でない普通のWindowsの方がなんだかんだ言って安定していることと、予備も含めてWindows PCを2台も持っていきたくないことです。SURFACE 7はSWAgTiなど撮影用にも使っていて環境を壊したくないので、いまだにWindows 10で、電視観望に用の環境も整っています。SURFACE 8はWindows 11で、太陽用に使っていたりでそこまで電視観望用の整備をしてませんでした。

今回いい機会なので、3台とも関連ソフトをアップデートをすることにします。想定ハードウェアはFMA135+Uranus-C+トラバースと、50mmレンズ+ASI294MC+自由雲台の広角電視観望の2種類です。そのための関連ソフトは最新のバージョン番号も書いておくと
となり、これらを3台のPCで全て最新版にアップデートしました。年単位でアップデートしていなかったものも結構あったので、いい機会となりました。

最新版にするにあたり設定も少し見直しました。特に以下の4点は、おまじないかもしれませんが、SharpCapとSynScan Proとの接続の不安定性の解決に効く可能性があります。
  • SynScan Proの「設定」「接続の設定」の「リードアウトタイム」をデフォルトの200msから1000msにしました。これで最初に接続に失敗することが少なくなります。
  • ファイヤーウォールでパブリックでの接続を許可しました。これは効果があるか不明ですが、プライベートだけだとダメだったことがあります。
  • SynScan Proの「設定」「観測値」の緯度、経度情報を自動ではなく手入力すること。
  • SharpCapのプレートソルブ設定の所の鏡筒の焦点距離をきちんと入力すること。
3台とも、ソフトアップデート後、上のような設定に気を付けてセットアップしましたが、どれもSharpCapとSynScan ProのWiFi接続も安定していて全く落ちることはなく、以前あったSharpCapのプレートソルブを3回実行すると必ずSynScan Proとの接続が落ちるという謎の現象も無くなりました。


ZWOカメラのArm Windows対応状況は1年たっても進展なし

広角電視観望ではできるだけ大きいセンサー面積が欲しいので、ASI294MCを使っています。手軽さ優先なので冷却は無しです。問題はM1 MacのArm版 Windowsです。カメラドライバーだけはArm版専用のものを必要とします。逆にカメラドライバー以外では今のところ大丈夫で、ASCOM用ドライバーなどカメラ以外の全てのドライバー、その他全てのアプリはArm用ではなく普通のWindowsのものがそのまま使えます。これは結構驚きでした。

カメラドライバーのインストールは以前かなり苦労しました。


その苦労もあり、PlayerOneのドライバーは安定して動いています。

問題はZWOカメラで、ドライバーをインストールはできて一応動くのですが、Windowsを再起動するたびに署名を無効にしなくてはならずに、そのためだけにWindowsをさらに2回再起動する必要があるなどかなり面倒です。しかもその署名無効方法があまり直感的でなく、覚えきるのが大変で、手順を間違えると深刻なことになる可能性もあり、毎回手順を確認しながら実行するようにしています。そのためやる気が大きく削がれてしまい、観望会においてM1 MacでASI294MCを稼働することはかなり稀な状況になってしまっています。

今回約1年以上たって状況が改善されていることも期待したのですが、調べた限りは状況は全く変わっていないようで、相駆らわず今も署名オフが必要なようです。これは結構残念でした。VMwarewを落とさないか、レジューム機能でWindowsを停止状態にしておけば復帰後もカメラドライバーが生きているので、観望会前は事前に一度認識させておくのがいいのかもしれません。


SynMatrixでのカメラの認識

M1 Macで電視観望を控えるもう一つの理由が、SynScan Appのプレートソルブ「SynMatrix AutoAlign」でUranus-Cが認識されないことでした。SURFACE 7ではきちんと認識されているのに、なぜかM1 MacのArm Windowsでは認識されていないのです。この問題、SynMatrixが必要になるときは結局SURFACE 7を使ってしまって、M1 Macのほうでは長らく解決せずという状態が続いていました。

今回は少し気合を入れて調べてみます。まず、SynMatrixでPlayerOneカメラを認識しているのがSURFACE 7のみ、しかもよく見てみるとZWOカメラもSURFACE 7のみでしか認識されていません。M1 Macだけでなく、今回SynScan ProをアップデートしてSynMatrixが使えるようになったSURFACE 8の方もカメラを全く認識していません。どうやらArm Windowsだからという問題ではないようで、Armが悪いというのは単なる思い込みだったようです。

結局この問題はかなり単純で、少し調べると、SynMatrixがリリースされた時のどこかのコメントに、カメラ用のASCOMドライバーが必要だという記述がありました。まずSURFACE 8に、ZWOカメラ用のASCMOMドライバーと、PlayerOne用のASCMOドライバーをインストールしたら、無事に両カメラとも認識され実際に画像を取り込むことができました。特に、PlayerOneの方はASCOM platformの6.5を必要とすると書いてあったので心配でしたが、7.0.2でも普通に動くようです。

さて問題のM1 Mac上のArm Windowsですが、こちらもZWOとPlayerOneの ASCMOドライバーをインストールしてみました。すると何の問題もなくSynMatrixで両カメラとも認識され、(ZWOの方は署名をオフにしてから)無事に画像を取得することができました。

これで3台ともSynScan Proでのプレートソルブ、SharpCapでのプレートソルブ、安定なSharpCapとSynScan Proの接続が実現され、今後の観望会での電視観望運用に目処をつけることができました。


フィルターなしの広角電視観望で見る天の川

広角電視観望で、カメラレンズとZWOカメラを接続するアダプターをAmazonで見つけた安物にしたところ、飛騨コスモス天文台の観望会でピントが出なかったという致命的な欠点がありました。その時は時間がなかったので結局諦めたのですが、あらためて見直してみました。

まず一番の原因が、QBPが入っていて、それが薄型のT2と1.25インチフィルターをつけるアダプターでカメラにねじ込んで取り付けてあったので、接続アダプターのねじ込みが足りなかったことが問題でした。薄型といっても厚さが数mmはあるので、影響があるみたいです。

まず、フィルターをねじ込みアダプターごと外して、接続アダプターを一番奥までねじ込んで試してみると、ギリギリですがなんとかピントが出ます。このテスト自宅でやっていたのですが、ここでちょっと驚きました。この状態で見る天の川があまりにはっきりしているのです。これまで天の川電視観望は何度もやってきましたが、いずれもCBPやQBPを入れた状態で試していました。これは同時に主に赤い星雲を見るためなのですが、天の川自身の見え方はかなり犠牲にしていたようです。

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ただし、当然ですが星雲の見え方はかなり犠牲になります。上の画像は天の川の一番濃いところらへんで、M8干潟星雲などが映り込んでいるのですが、どこにあるかわかりますでしょうか?

この写りだと星雲を見てもらうにはちょっと厳しいので、試しに何とか元々使っていたQBPを入れてなんとかピントが出ないか試してみることにしました。結局、カメラ側に取り付けるのではなく、接続アダプターとレンズの間の隙間に、ねじ込むことをせずにポンと置くだけのような形で入れ込みました。

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揺らすとちょっとカタカタ鳴りますが、T2アダプターが防波堤になってレンズを傷つけるとかもなさそうなので、実用上は問題ないでしょう。

QBPを通して見た天の川ですが、上と同じような画角で見るとこうなります。
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今度はM8、M20、M17、M16など星雲がはっきりとわかりますが、逆に天の川が随分と淡くなります。

見栄えがかなり違うので比較してみるのが面白いかと思います。なので、できるならフィルターの取り外しがすぐにできるといいのですが、これは今後の課題としたいと思います。


SharpCapの新機能

SharpCapのアップデートに伴い、ライブスタックで恒星の色合わせを実現する機能が追加されていました。調べたら6月30日のバージョン4.1.13447.0で搭載されたようなので、まだ出来立てホヤホヤみたいです。どの星の色かを特定するために、プレートソルブと合わせて働く機能のようです。
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それに合わせて、背景を自動で調整する機能も搭載されたようです。
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各色の上にある白いマーカーの左側をずらすことで、マニュアルでどれだけ引くか調整することもできるようです。

これまでも色バランスと輝度のストレッチなどを駆使して恒星の色を調整するとかはできることはできたのですが、今回はPixInsightのPCCみたいに、より客観的に、安定して色をそろえることができるようになったということかと思います。


まとめ

以上久しぶりの電視観望ネタでしたが、先月あったトラブルはメンテナンスでかなり状況は改善されたと思います。3台体制で、どれも機能に差がなく、同様の動作が期待できます。

今週末にまた飛騨コスモス天文台で観望会があることと、夏休みで8月にも何度か観望会の予定があるのでこれでちょっと安心です。さらに、今回試したノーフィルター天の川も含めて来てくれたお客さんに披露できればと思います。



2024年11月2日(土)、長野県の大鹿村で開催された「長野県は宇宙県」の第9回ミーティングに参加してきました。参加といってもゲスト参加で、昨年の小海で代表の方から講演をお願いされたからです。


長野県は宇宙県

「長野県は宇宙県」は、星がよく見える長野県をアピールするための集まりで、メンバーはアマチュア天文家を中心に、学芸員の方や研究者の方も参加されているようです。各メンバーはそれぞれローカルの天文同好会や各機関に所属している方が多く、長野全県から賛同する方が集まっていて、「長野県が宇宙県」そのものは、ローカルな地域の天文同好会というようなものではないようです。今回は年1回の全体ミーティングで、会の創立8年が過ぎ、9年目に入ったということで9回目ということです。メンバーの方は皆さんとても熱心で、ミーティングの途中も盛んに意見が交換されていました。基本的に星がかなり好きな人の集まりのようで、各自の思いを熱烈に語っている方も多かったです。

場所は大鹿村でしたが、私自身は大鹿村自体は今回で2度目で、昨年の観望会に参加させてもらいました。その時にお世話になったKさん、ドブ村長とあだ名のついている30cmのドブソニアアン持ちの村長、夜遅くまで話したギルモアさん初め観望会でお会いした方々、さらにはコロナ前に何度が訪れた木曽シュミットでお世話になった方々など、懐かしい方達との再会も嬉しかったです。


到着

講演自体は午後からだったのですが、少し早めにと思い朝6時過ぎに自宅を出ました。接近しつつあった台風自体はまた遠くて、その日のうちに温対低気圧に変わるとのことなので大丈夫だったのですが、大雨の予報が少し心配でした。途中の道で激しく降ったところはありましたが、特に危ないことなはく、結局高速は使わずに富山から安房峠経由で奈川渡ダムのところで南下して木祖を抜け、権平トンネルを通って伊那に出て、そのまま下道で大鹿村まで移動しました。10時半頃に着いたので、かなり順調だったと思います。

朝ごはんを食べ来なかったので、到着後すぐに大鹿村の道の駅で定番の鹿肉ステーキ定食を食べようとしたのですが、オープンは11時から。時間があるので、事前に場所だけ確認しておこうと、道の駅向かいにあるミーティング会場に足を伸ばしたら、何ともうすでに何か会合が何か始まっています。

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どうやら、午前中は別の「第14回長野県星空継続観察ミーティング」というのが開かれているらしく、早速受付だけ済ませて少しだけ覗いてみました。内容は長野各地で行われている、星空の明るさ観察の集計結果についてでした。こういったところに全県で力を入れることができているのも、「長野県は宇宙県」が音頭をとってやっているからだとわかりました。そもそも、ローカル天文同好会がいくつもあり、それらをまとめるような役割を担っているというので、やはり長野は教育県であり、天文も多分に漏れず盛んで、しかも県の面積の大きさもあってかかなり広い範囲で活動されているのが印象的でした。でもやっぱりお腹が空いていて、11時頃にこっそり抜け出して、鹿肉ステーキを食べにいってしまいました。

道の駅のレストランはすでにオープンしていて、どうやら1番乗りでした。鹿肉焼きに定食というのもあったのですが、ちょっと迷って結局食べ応えのありそうなステーキにしました。味付けは塩のみ。塩といっても大鹿村で作られた地元名物の塩です。今年に引き続き、臭みも全くなく、付け合わせの豆腐も合わせてとても美味しかったです。

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講演

お腹も膨れて、再び午前のミーティングに参加。もうまとめ近くになっていて、私は講演の準備で少し内職です。講演のお客さんは一般の方が多いかなと思っていたのですが、受付の方と少し話した限り宇宙県のメンバーが多く、かなり詳しい人の方が多いとのこと。詳しい人も面白いと思えるように、少し話の構成を変えました。そんなこんなで12時過ぎには午前のミーティングは終了し、昼ごはんの時間に。私はすでに食事は済ませているので、プロジェクターの表示のテストです。今回はZoomで参加されているメンバーもいるということで、プロジェクターに有線接続ではなく、Zoomに直参加しての画面共有で、Zoomで参加されているメンバーと、Zoom画面を表示している会場プロジェクターも同時に表示するようです。でもこの場合、プレゼンで使うMacから見ると複数モニター扱いにならないので、発表者ツールが使えなくなることに気づきました。その場で検索すると、フルスクリーンでZoomの画面共有で表示して、パワポの画面を右クリックして「発表者ツールを使用する」を選択すると、無事発表者ツールを使えるようになり事なきを得ました。ただし、自分の画面上で見ているマウスの位置と、Zoom上で見えているマウスの位置が違っていたようで、これは話がずいぶん進んでから気づいたので、今後注意が必要です。

Samとしての講演内容は電視観望に関してで、最近ものすごい勢いで普及しているスマート望遠鏡を少し紹介しました。スマート望遠鏡は全般の傾向として、どんどん小さく、軽くなってきています。特に前日の11月1日に詳しいスペックが公開されたSeestar S30について、口径わずか30mmでよく見えるはずだということを話しました。というのも、私の電視観望のメインは口径3cmのFMA135で非常によく見えていて、観望会でもすでにいつも多くのお客さんに楽しんでもらっているからです。その後、スマート望遠鏡と自分で組み上げるカスタム電視観望の比較を、スライドで例を見せながら解説しました。スマート望遠鏡も何種類かの口径や焦点距離がラインナップされてきました。従来の望遠鏡も一つでは全ての天体に対応できなくて何種類も使い分けるように、今後は天体に合わせてスマート望遠鏡も何種類も持つことになるのかもしれません。カスタム電視観望はむしろ機材を自由に入れ替えることは普通のことなので、スマート望遠鏡の次の段階として、カスタム電視観望に興味を持ってくれたら嬉しいです。

私の講演終了後は宇宙県のメンバーの発表が続きます。午前中にも議論されていた星の明るさ計測のことや、宇宙県としての観望会の対応について、発表だけでなく意見も非常に盛んに交換されていました。皆さんかなり星が好きで、天文環境やアピールの仕方など、真剣に考えていることが伝わってきました。
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座談会

残念だったのは、天気が悪くてミーティング後の電視観望実演と、楽しみだったバーベキューが中止と事前に決まってしまっていたことです。バーベキューの代わりに希望者を集めた座談会が企画されました。20人くらいはいましたでしょうか。みんなでお弁当を食べて、その後輪になって座って自己紹介と、長野県は宇宙県のもっと突っ込んだ議論がなされました。観望会を依頼され宇宙県としてどう対応しようとしているかが課題の一つでしたが、私も部外者ながら富山県天文学会の例を引き合いに、少し議論に参加させて頂きました。

外の空の様子見にいったメンバーによると、少し星が出始めているようです。我々も外に出て空を見上げると、一部ですが雲の切れ間からいくつか星が見えます。天気予報では、台風一過でしょうか、晴れていく予報のはずです。早速駐車場に戻り、車の後ろの空いているスペースにFMA135+Uranus-Cとトラバースで、いつもの電視観望をセットアップしました。口径3cmなので、DWARF3やSeestar S30に興味がある方には参考になったかもしれません。

とにかく興味を引いたのはその小ささで、折りたたみ机の脇に置いたのですが、あまりに目立たなくて本体が蹴飛ばされないように、目印の電球を置いておきます。どなたかが「三脚は使わないのですか?」と質問されたので、「三脚も小さいのでわかりにくいかもしれませんが、きちんと使ってますよ」と答えると、「なぜ大きな三脚を使わないのですか?」と次の質問が。その答えは「カバンからスッと出したいからです」と言って、普段背負っているリュックタイプのカバンを見せます。PCが入るくらいのごく普通の大きさなので、そこにすっぽり入れるためには、三脚も小さくする必要があります。別の方が、FMA135のすぐ脇に置いた電球や三脚の小ささも含めて「何もかも今までと違う...」と呟いていました。電球も普通なら問題になるところですが「蹴飛ばされない」という目的があることも一応理解していただけたようです。

残念ながら天気が回復せずに、どんどん悪化していったので、見せることができたのは最初の頃の雲越しのアンドロメダ銀河だけでした。それでもM101やM32、わずかですが腕の構造も確認はできたので、かろうじてカスタム電視観望がどんな感じが見せることだけはできました。その後は目では星は全く見えなくなってきて、PCの画面上でも運がいいと数個明るい星が見えるだけで、プレートソルブもままならなく、星雲などは全く見えないので、ここで撤収としました。それでも、周りにいる方と機材についてもいろいろ話をする時間は十分取れたので、ほんの少しの晴れ間だけでもあってよかったです。


宿泊

この時点で21時頃だったでしょうか、その後は希望者を募り、2次会で宿泊予定の宿に移ることになりました。地元の長野の方が多いので、その日のうちに帰る方も多く、ここでで半分くらいの方とはお別れとなりました。

この日の宿泊場所は、古民家を再生した1棟貸しの民宿「イナンクル」で、中はきれいにリフォームされていて、薪ストーブもあり、暖かくてとても雰囲気がいいです。最大10人まで泊まれるらしく、人数によって料金が決まるとのことで、少人数で利用することも可能だそうです。天文民に特筆すべきは、裏の少し上がったところにに駐車場としても利用できる、比較的広い広場があることです。視界もそこそこひらけていて、望遠鏡を展開するには十分です。合宿とかにも利用できそうなので、大鹿村の素晴らしい空の下で、仲間と撮影なども兼ねた宿泊施設としても利用できるのかと思います。

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2次会は10人ほどは集まったでしょうか。その中でも、4人の女性の方が大活躍してくれました。お酒やつまみだけでなく、焼肉なども出てきて、かなり豪華な2次会でした。みなさん本当に星好きの方ばかりで、話も盛り上がり、十二分に楽しむことができました。特に、昼間のミーティングのネットワーク機器のセットアップから私の講演の接続のお手伝い、宿の手配や食材の買い出しまで、O代表の実務的な補佐と言われているMさんには、今回何から何までお世話になり、本当に感謝しています。2日間どうもありがとうございました。

このMさん含め、塩尻3人娘と言っていいのでしょうか、いつも一緒に行動しているという女性お三方の星見に対するパワーに圧倒されました。実は昨年の大鹿村でもお会いしているのですが、そのときはそこまでお話しすることはできませんでした。今回夜遅くま色々聞かせていただいたのですが、かなりの頻度で星見スポットを行き来しているみたいです。長野県は面積が広く、数多くの有名星見スポットがあります。南北で天気も全然違い、しかもちょうど塩尻市は高速の分岐点にも近く、どこにいくにも便利とのことです。その日の天気を見て決めるとのことで、どこに行くにも1時間程度で移動でき、平日でもお構いなしに行動しているようです。3人のうちお二人は学校の先生のことで、かなり忙しと思うのですが...。

結局この日、宿泊までしたのは7人でしたが、女性4人は全員宿泊、塩尻3人娘グループは次の日もどこかに星を見にいくとのこと。私は体調がまだ戻りきっていないこともありますが、基本的に宿泊から帰った日は普通は休むようにしています。とにかく、3人組ですごいパワーですごく楽しそうでしたが、あまり無理をして事故などないよう、またいつかお会いした時に武勇伝をお聞かせ頂ければと思います。

結局午前1時半頃まで盛り上がっていたと思います。寝るのは畳の部屋で、二間あるので男女別にしました。次の日曜日は仕事がある方もいて、朝は早くから起きていて、私は6時半過ぎに起きたのですが一番遅かったです。朝食もホットドッグにフレンチトーストと、朝からかなり豪華です。朝食中も朝食後も、話が途切れることはありません。

午前9時前くらいでしょうか、片付けとその後に宿の周りを少し見て、解散となりました。とても楽しい時間を過ごすことができました。前日の講演を含めて、宇宙県のみなさんには本当にお世話になりました。どうもありがとうございました。

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絶景のHAKKO OOSHIKAへ

昨日の雨と打って変わって、この日は朝から一面の青空の快晴です。宿を後にし、一旦道の駅に寄ってから、次の目的地に向かいます。
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道の駅のテラスから見た大西山の昭和36年に起きた崩落面。
ここの下の公園の管理棟で座談会がおこなわれました。

次は、大鹿村を訪れた天文民に最近密かなブームになっている「HAKKO OOSHIKA」 です。1500メートルの眼下から見下ろす絶景とともにランチを食べることができるそうです。大鹿村の道の駅からも、距離だけは11kmとたいしたことはないのですが、途中の山道が過酷で、時間はGoogle mapで調べると40分かかると出ます。11時からオープンとのことですが、食事が出るまでに時間がかかると聞いたので、少し早めの9時半頃に大鹿村の中心部を出ます。

途中の山に入ってからは確かにかなり細い道で、車がすれ違える場所が限られています。行きはまだ朝早かったのでほとんど対向車はいなかったですが、早めに食べ終わるとこれから来る車が多そうなので、帰りが心配です。

実際にお店に到着したのは10時10分くらいだったので、本当に40分くらいかかりました。まだお店は当然空いていませんが、もうとにかくすごい絶景です。標高が高いせいか、山の向こうの雲海の上にある山とかも見えます。

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まだ11時のかなり前ですが、スタッフの方がテラス席の掃除を始めました。昨晩の雨がすごかったので、席は濡れたままです。一人なら予約なしでも大丈夫とのことなので、11時まで待つことに。10時50分くらいになると、お客さんが続々と車で到着するので、入り口のところで待つことにしました。11時開店で店内に案内してもらい、早速名物のサーモンクリームパスタをセットで、しかもパスタ大盛りで頼むことにしました。注文は席に取りに来てくれるのではなく、1階のレジのところに行って前金で払います。早めに入ることができたので1番で注文することができました。早めの注文がラッキーでした。「この日はパスタの在庫が入ってこなくて、申し訳ないのですがサーモンクリームパスタは提供できません」と、他のお客さんにそんな説明をしています。私も心配になったので、途中聞いてみたら私の分は「OK」とのこと。本当にラッキーでしたが、むしろ大盛りを頼んでしまって申し訳なかったのかもしれません。

最初は店内に案内されたのですが、外に出てみるとちょうどテラス席に日の光が当たり始めていて、しかも1500mという標高なのに、この日はほとんど風が無かったので、席を外に移動してもいいか聞いたら「ぜひ」とのことでした。

外のテラス席に座って、太陽がポカポカ暖かく、目の前の景色を見ているだけでもうかなり満足なのですが、出てきたパスタセットもかなり満足でした。サーモンクリームの名に負けないくらい、サーモンの身が塊でゴロゴロと入っています。付け合わせの野菜もパスタのアクセントになります。サラダと合わせて栄養たっぷりでしょう。大盛りにしたからでしょうか、量的にもかなり満足でお腹いっぱいになりました。本当はミニスイーツセットがオプションであって、その日はチーズケーキだったみたいでかなり食べたかったのですが、最近甘いものを控えているので我慢しました。でもさつまいもの甘煮の桃和え、葡萄と柿がデザートで付いていたので、もうそれで十分でした。食べ終えた後もドリンクのカフェオレと景色でしばらく楽しんでいました。山道は険しいですが、十分に来る価値のあるところで、ここでしか味わえないようなかなり贅沢な時間となりました。

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帰りにスタッフの方に「とてもおいしかったです」と声をかけて、HAKKO OOSHIKAを後にしました。心配だった帰り道は、5台くらいの車とすれ違いましたが、いずれも少し道幅が広いところで問題なくすれ違うことができました。

大鹿村から自宅までは下道だと4時間半ほど、でも山の上のHAKKO  OOSHIKAからだとさらに40分かかるので、5時間以上の運転になります。レストランを出たのが12時過ぎなので、順調に行っても夕方になりますです。あまり無理をせずに、ここで自宅に帰ることにしました。


帰り道

帰り道は152号線を通って伊那市の東側を北上して抜ける道を選んだのですが、途中面白そうなパワースポットらしきものがありました。少し覗いてみると、「ゼロ磁場」とか「ゼロ磁場の秘水」とかなかなかヤバそうなことが書いてあります。どうも、「分坑峠(ぶんぐいとうげ)」という名所らしくて、大鹿村から続いている中央構造線の上では、断層状の2つの地層がぶつかり合って磁場がゼロになるということらしいのです。

このことは152号線を北上して山道を抜けたあたりにある道の駅の「南アルプスむら長谷」にある観光案内所の詳しい説明を見て、やっとどんなものかわかってきました。ここの説明はまともで、きちんと中央構造線や、その断層の交じり具合が見える「露頭」について詳しく説明しています。その中に「ゼロ磁場や、身体をセンサーとして確認された(???)という気については科学的に証明されたものではないので、その事をここで取り上げて解説することは適切ではない」というような至極真っ当なことが書かれています。でも「観光スポットとして人が集まっているのを否定することはない」というようなも書いてあるので、エンターテインメントとして楽しんでいこうというものかと思います。分杭峠には自家用車で行っても停める駐車場のようなものがなく、この道の駅から出ているバスを利用することになるようで、通りがかりに見た分杭峠のバスの折り返し場には、この日もたくさんの人が居ました。

昔アメリカに住んでいた頃に、西海岸の1号線のロングドライブの途中で、わざわざサンタクルーズの山奥にある、強い磁場で重力が斜めになると言われている「Mystery Spot」という観光地に寄ったことがあります。そこのスタッフに「ただの目の錯覚だ」と食ってかかったのは若気の至りです。今回のゼロ磁場については憤慨などすることなく、暖かい目で楽しませていただきました。

実は、講演前の日も準備であまり寝てなかったので、2日連続で睡眠不足で、途中あまりに眠くなってしまい、権平トンネルの手前で仮眠をとりました。そのため自宅に着いたのは暗くなった18時過ぎでした。自宅についてから空を見上げると星が出ているので、頑張って撮影に行こうかとも一瞬思いましたが、流石に疲れていて早くにベッドに入ってすぐに眠ってしまいました。朝起きても快晴で、ちょっとだけ後悔しました。


まとめ

今回は「長野県は宇宙県」の年一回のミーティングに呼んでいただき、とても感謝しています。いろんな方とお話しすることができて、とてもいい機会になりました。宇宙県の取り組みは素晴らしいと思います。今後もますます長野県の天文情報を発信して、いずれ全国規模で活動が広まっていくことを期待しています。

福島の星まつりで見た「北軽井沢観測所」のアイピースを利用した縮小光学系、買ってしまいました。福島で見せてもらった秒単位で撮影した星雲星団。8倍の明るさになるとのことで、かなり反応速度の速い電視観望やS/Nのいい撮影が可能にになるはずですが、実際に使ってみてどうだったのでしょうか?


北軽井沢観測所

北軽井沢観測所のアイピースは、昔星まつりでジャンクで安く出ていたものを2本だけ持っています。紫がトレードカラーで、ラベンダーから撮ったと思いますが「Lavendura」という名前を冠しています。もともと個人の趣味が高じて販売までされているという、非常にこだわった高性能のアイピースです。視野はそこまで広くないですが、歪みがとても少ないのが特徴です。焦点距離が50mmや68mmという長いものまでラインナップがあり、この「長焦点アイピース」と「短焦点Cマウントレンズ」を使って縮小光学系を組みます。アイピースとレンズの焦点距離の比が縮小率、明るさで言うと倍率になります。

今回購入したセットは、63mmのアイピースと、アイピースの先につけてカメラを繋ぐ専用の金属の延長筒になります。
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Cマウントレンズは手持ちの8mmのものを使うことにしました。このセットアップで63mm/8mm = ~8倍の明るさになるとはずです。

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繋げてみると、アイピースが最後まで入り切らずに金属筒の途中で止まります。中に入りすぎないよう適した位置になるように、金属筒の中に加工がしてあるようです。アイピースは金属筒に付属のネジで固定しますが、アイピースの表面が傷つかないか心配です。ネジは先端が丸く加工されているもので、今のところ傷らしきものは見えていないです。カメラ側は内径が2インチになっていて、カメラの2インチのリングを利用してネジで固定します。

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鏡筒

鏡筒をどうするか考えていたのですが、まずはC8で試すことにしました。口径が大きいこと、F10と暗いので8で割ると1.25になる計算です。この縮小光学系のF値はカメラ前に取り付けるCマウントレンズのF値で制限されるとのことです。今回のレンズはF1.4なので、1.25はすでに明るすぎで、少し倍率を抑えてもいいくらいかもしれません。C8の2000mmの焦点距離は2000/8 =  250mm程度になるはずです。多少の倍率はアイピースとレンズ間の距離を変えることで変更できるとのことですが、どのくらい変わるかなど実際に試してみないとわかりません。

鏡筒に取り付けてみますが、かなり長く、そこそこ重いので、赤道儀に乗せる際に前後の重量バランスに注意する必要があります。今回もか鏡筒をなり前にして固定しました。
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CMOSカメラ

当然なのですが、いくら縮小してみるといえども視野がそこまで広がることはなく、例えばフルサイズのカメラをつけても周辺が全部見えるようになるわけではありません。どれくらいの視野まで見えるか分からないので、とりあえずそこそこの視野があるASI294MCを取り付け流ことにしました。周りが暗いならROIで必要なところをカットすればいいのかと思います。

視野だけで考えると、オリジナルのC8にフルサイズのカメラをつけた時の視野と、C8に今回の1/8の縮小光学系を取り付けた時に、例えばセンサーの一辺がフルサイズの1/8のカメラを使うとすると、結局は見える範囲は同じになり、単純に明るさが8倍になるというわけです。視野の増加はあまり期待せずに、明るさの増加を期待して、その代わりに狭い範囲を拡大してみるために分解能は犠牲になると思えばいいでしょうか。

C8で銀河の電視観望をしようとしたことがあるのですが、やはりかなり暗いです。ykwkさんなんかは長時間露光でかなり成果を出していますが、もう少し明るく見えたらというのが今回の狙いになります。視野がどこまで実用で見えるのかわからないのですが、焦点距離が250mmの鏡筒に1/1.2インチのUranus
-Cや1/1.8インチのNeptune-C IIくらいの面積まで見えるなら、網状星雲を全部入れるのは厳しいですが、北アメリカ星雲くらいの大きさのもはある程度全体像が見えるのかと思います。例え本当に中心しか見えないとしても、小さい天体が明るく見えるはずなので、かなり楽しみです。


視野について

まず、見える範囲は明るい円になるのですが、やはりかなり狭いです。見える円の直径が、マイクロフォーサーズのASI294MCで、長辺の3分の1以下くらいになります。

次に、周辺の星像が彗星の形のようにものすごい歪んでいるのですが、アイピースとカメラ間の距離を変えたりしましたが改善しません。結局これは、カメラにあえて取り付けたCマウントとCSマウントの変換リングアダプター問題であることがわかり、外すことでかなり点像に近くなりました。

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ASI294MCでみるとこれくらいの縁で見えます。
ASI294MCの最大解像度が4144x2822のはずなのですが、
勘違いして4144x2116で見てしまっています。

これでやっと星がまともに見えるようになったので、プレートソルブを試します。星が見えている面積が小さいためか、最初は全くうまくいきませんでした。そこで、明るい円が画面に広がるように、ROIを調整しました。元々4144×2822ありますが、1280x1024にすると円が画面いっぱい近くを占めるようになりました。それでも周辺は暗いままです。この状態でプレートソルブをかけますが、まだうまくいきません。焦点距離はすでに2000mmの8分の1の250mmにしてあります。ここで焦点距離を500mmに変更すると、プレートソルブがうまくいきました。後に400mmでもうまくいったので、8分の1まで小さくなっていないかもしれません。

上の画像にあるように、M27が入り込んでいて周りの星も位置がわかるので、Stellariumなどのプラネタリウムソフトと画面を比較して、星と星の間の距離から見積もって焦点距離を計算してみると、なんと256mmでほとんど設計通りでした。プレートソルブが250mmで動かなくてもっと長い焦点距離で動いたので、縮小率が出ていないかと心配してましたが、きちんと設計通りに出ているようです。ついでに明るい円の部分の視野径を見積もると、1.26度角となりました。元々C8とASI294MCで普通にみる場合は、32.83分角x22.35分角程度になります。60分角で1度角なので、視野は3倍近くにはなっているようです。8倍には当然ならないですが、少なくとも広がっていることはわかります。

そもそもこの明るい円ですが、鏡筒の視野で制限されているのか、カメラ前につけたCマウントレンズの視野で制限されているか、まだよくわかりません。カメラの仕様を見ると2/3インチまで対応だそうです。なので4/3インチのASI294MCでは半分くらいの視野になるはずです。見えている円はそれよりは小さいので、こう考えると鏡筒で制限されている可能性が高いです。今回いじらなかったところの一つが、レンズのピント調整リングです。レンズの焦点を無限遠に合わせたきり、変えませんでした。結局「アイピースで見えた像」を別レンズでマクロ的に見て焦点を合わせて、それをカメラに映していると考えると、レンズの焦点をもっと短く、数cmとかにしていいはずです。これでもう少し視野が広がるのかは、今一度試してみたいと思います。おそらく円周部でエッジがはっき見えるようになるかと思いますが、その分だけ見える範囲が広がるだけで、視野そのものは大きくは変わらないと思われます。


明るさについて

これ以降はROIを1280x1024にして、明るい円が画面にある程度広がった状態で見ることにします。

次の興味は肝心の明るさです。今回客観的な評価はできなかったのですが、焦点距離がほぼ設計通り1/8で出ているので、明るさも8倍程度出ていると思ってもそうおかしくはないでしょう。実際に明るいです。

ただ、電視観望で明るさをそこまで感じられるかというと、結局ライブスタックしてしまうと多少暗い鏡筒でもちょっと待てばノイズが減って綺麗になるので、そこまでありがたみは感じられないかもしれません。例えば下の画像は1.6秒露光で191枚、トータル5分程度です。流石に羽は見えていませんが、ラグビーボールの輪郭は余裕で見えています。
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ちなみにこの日は月齢12.5日ともう満月にかなり近く、しかも下の写真のように雲が常にあるような状態だったのでかなり厳しい環境でしたが、それでも上の画像くらいまでは簡単に写るので、やはりかなり明るい光学系というのは間違いないでしょう。
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ところで、なぜこんなに明るい光学系にこだわるかというと、理由は2つあります。
  1. 一つは最近の撮影経験から考えてです。私がよく撮影する自宅のような光害地では、背景光が明るくスカイノイズがひどいため、S/Nを上げるにはより多くの光子を必要とします。これは露光時間を伸ばしてもいいですし、明るい鏡筒を使っても同じことです。たとえ背景の明るい光害地においても、F値の低い明るい鏡筒はやはり正義なのです。
  2. もう一つは、リアルタイム電視観望をいつか実現したいとずっと思っているからです。元々HUQさんがやっていたα7Sを使った電視観望は、α7Sの8μm越えという巨大ピクセルサイズと、F値が1台の明るいレンズと、10万クラスの高ISOを活かして、リアルタイムで見えるものでした。当時はライブスタックもなかったですし、ミッドトーンストレッチで簡易画像処理をその場でやるというようなこともできなかったので、もう本当に力任せで多少ノイジーだったりもしました。それでも(ライブスタックとかではなく)リアルタイムで画角が動いていても星雲も一緒に動いて見えるというのは、インパクトがありました。現在の電視観望の主流が、ライブスタックでS/Nを稼ぐという方式になってしまっているので、本当の意味でのリアルタイム電視観望は新鮮に感じるはずです。


リアルタイム電視観望

2の意味で考えると、今回のテストにおいても、少し方向性を見せることができるかと思います。例えば下はM13:ヘルクレス座の球状星団の電視観望画像です。
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一見写りがイマイチな電視観望と思われるかもしれませんが、露光時間のところに注目してください。なんと250msです。これだと赤道儀コントローラーの方向ボタンにかなりリアルに反応して、画面が動くと星団そのものが動き、それでも星団だとはっきりわかります。導入時やプレートソルブ時に、星団がリアルタイムで入ってくるところは見ててちょっと感動しました。

続いて、露光時間400msのM27:亜鈴状星雲です。淡いですが、これもかなりリアルタイムに近い状態で反応し、画面が動いていてもきちんと星雲と認識できます。
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ただ、もう少しはっきり見えて欲しいと言うのも正直なところです。フィルターはとりあえず弱めのCBPの48mm径をアイピースの先端に取り付けて見ています。今回は満月に近い月と薄曇りでのテストだったので、空がマシならももっと良く見えるはずです。次回以降、もう少し良い環境で試してみたいと思います。

この日は、その後厚い雲に覆われてしまい、残念ながら撤収となってしまいました。


鏡筒とカメラの再考

最初とにかく口径の大きいものをと思っていましたが、あまり欲張らずに、まずはそもそも視野の広い鏡筒を選び、あまり縮小率を取らない方がいい気もしてきました。

例えば手持ちのTSA-120です。元々フルサイズでも十分撮影可能のなので、多少縮小しても大丈夫かと思います。縮小率ですが、現在68mmのアイピースと8mmのレンズを使っているので1/8程度になりますが、レンズを16mmにして、1/4程度にすると、元々のTSA-120のF値が7.5なので、1/4でF1.8程度になります。手持ちの16mmレンズのF値が1.8で制限されるようなので、ちょうどいいくらいです。TSA-120の焦点距離は900mmなので、こちらも1/4で225mmとなります。

もしくは、今回使ったC8に1/4の縮小光学系で、焦点距離500mmでF2.5にして、もう少し分解能を出す方向にしても良いのかもしれません。視野はまだ鏡筒制限なので実質変わりないか、もしくは次のレンズ制限になるかと思われます。

レンズは監視カメラ用の小さなCマウントのものなので、2/3インチまでのカメラに対応と明記されていて、視野角は限られています。手持ちだとNeptune-C IIが1/1.8インチ、ASI178MCが1/2インチ、あと惑星用カメラだと1/2インチを切ってきて1/3インチくらいまであるので、これらを使うのがいいかと思います。

ただし、カメラを固定流する金属筒の内径が2インチで、ZWOのカメラは2インチ外径の枠があるのでいいのですが、PlayerOneのカメラはそれに該当する枠がないので、取り付けは何か工夫をしなくてはいけません。T2と2インチの変換アダプターがあればいいのかと思います。

ちなみに、北軽さんはASI178MCを使っているそうです。ASI178はセンサー面積が小さい割に解像度が3096×2080と高いのが理由とのことです。ただ、ピクセルサイズが小さいので感度はどうしても低くなってしまいます。分解能と感度はトレードオフなので、慎重に選びたいと思います。


まとめ

条件の悪い日でのテストだったので、試している最中はもう少し見えてもいいのにと思っていたのですが、縮小率もきちんと出ていることがわかりましたし、視野もC8なら妥当だと思います。次回以降で明るさの数値的な評価をしたいと思いますが、それでも今回だけでも明るさの十分な威力を垣間見ることができました。もう少し機材パラメータの調整は必要かもしれませんが、どこまで見えるようになるのか引き続き試したいと思います。目標は系外銀河のリアルタイム電視観望です。


 

この日は久しぶりの観望会です。でも元々の天気予報では全くダメそうで、当日近くになって夜遅くから晴れると言う予報に変わりました。と言っても、Windyで見る限り上層の雲が広範囲に渡って広がっているようなので、あまり期待はできません。もし夜中に晴れてあわよくば撮影と思って、ε130Dを用意してはいきましたが、結局使えなかったです。


ドームの修理

観望会は別として、ドームが長らく故障てしていて使えないので修理をする必要があるのですが、冬だったり体調を悪くしたりで長らく行けていないので、天気のこととは別にとりあえず現地に行くことにしました。気温が心配でしたが、ドライブ中も現地についてからの作業中もずっと雨が降っていて、そこまで暑くなかったのがラッキーでした。

今回の修理ポイントをメモがわりに書いておきます。
  • 昨年交換したモーター周りの仮配線を、圧着スリーブできちんと接続しました。ただ、Amazonで安いものを買ったので、圧着がいまいちなようで、機会があったら再度交換した方がいいかもしれません。でも少なくとも仮止めよりは全然マシです。
  • もう一つは、電磁開閉器と呼ばれるスイッチで、リレーでスイッチが入れるものです。SC-03という型番で1bと呼ばれるNC(Normal Connected)タイプで、本来は奥下の2つの端子に電圧をかけることによりスイッチが開閉します。その際は左下2つの端子間に100Vがかかってリレースイッチが作動するのですが、どうもここに100Vが出てきません。
結局今回はこのSC-03のリレーの動作不良という判断で、交換することにしました。Amazonにも在庫があったので、次回来たときに交換します。


寂しい観望会

作業をしている最中に、スタッフのSさんが到着しました。その後まも無くしてかんたろうさんも到着です。ただ、空は所々青いところも見えますが、全面に薄い雲がかかっているような状態です。 Sさんによると、他のスタッフは今日は体調不良などで不参加とのことです。

雲越しでも多少なりとも星は見えるかと思い、35mmのF1.4のオールドNIKKORレンズとASI294MCで広域電視観望を試しました。雲もまだまだありましたが、最初にアークトゥルスが見え、次にベガが見え、そのうちに薄雲のところはたくさんの星が見えてきました。広域電視観望だとこと座の形もはっきりわかります。この頃には目で見ても夏の大三角が見えるくらいには雲が薄くなってきました。そこでいつものFMA135+Uranus C+トラバースでミニマム電視観望です。かんたろうさんも45cmのドブソニアンを出します。

ただ、この日は午後は雨で夕方暗くなる直前くらいからだんだん薄雲程度になってきたくらいで、こんな日はお客さんは少ないです。近くの人が多いので、その日の空を見てくるかどうか決めるのかと思います。残念なことに、結局お客さんはゼロでした。まあ、ドームの修理があったのでやることはあったのですが、少し寂しかったです。

その時に見たのがM57とM27、北アメリカ星雲と、網状星雲などです。M57と網状星雲はかんたろうさんのドブソニアンでも見比べることができました。他にもかんたろうさんがまばたき星雲を見せてくれました。なぜ「まばたき」なのかその時はわからなかったのですが、調べてみたらそらし目で見ることができるとか。次回もし見せてもらえたら試してみたいです。

今回見えたものです。薄雲越しなので、星が滲んでしまいますが、それでも十分形が認識できるくらいには見ることができます。

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曇ってましたが、雲さえなければ透明度は良かったようです。

見えなくなる直前に向けたアンタレス付近でM4も下のほうに綺麗に見えています。カラフルタウン狙いでしたが、青いところはもう少し上でした。カメラの向きを変えて縦向きにして入れようとしましたが、その時にはすでに曇っていました。
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熊 !?

そんなこんなで、徐々低空からにガスってきて、そのうちほぼ全面見えなくなってきました。感度のいい電視観望でもほぼ全く何も見えなくなったので、まったりモードで3人で話し始めていました。するとドブソニアンの向こうくらいから「ガーッ」という、少なくとも可愛い動物とは思えないような声が聞こえてきました。初めて聞いた声で、多分猪とかではなさそうです。流石に怖くなったのと、せっかくの新月期ですがもう星は全く見えていなかったので、すぐに片付け始めて退散の準備です。私は広域電視観望とミニマム電視観望だけだったので、10分もあれば余裕で片付きます。かんたろうさんも45cmと大きいのに、意外なほど片付けは早いです。私が片付けてから10分か15分後にはすっかり片付いてしまいました。

そこにいても怖いだけなので、3人ともそのまま退散です。時計を見たら22時10分くらいだったでしょうか。自宅に着いたらまだ家族も起きていて、謎の声の話をしたらビックリしていました。


エピローグ

次の日、Sさんから連絡があり、昼に同じ場所で熊が目撃されたそうです。クマはどうやら鳴くことはあまりないとのことなので、昨日の声は違うのかもしれませんが、それでも万が一だとかなり怖いです。退散で正解だったと思います。今思い出しても怖いです。

富山県には「クマっぷ」と言うのがあり、目撃件数や場所などがわかるのですが、今年は同時期の例年よりも多く目撃されているようです。飛騨の方まで山続きなので、そこまで比率は変わらないと考えると、少し注意した方がいいかと思いました。そういえば富山県天文学会の前会長が生前、観望会の時は必ず車のオーディオを大音量で鳴らしていました。特に一人や少人数の時には、それが正解な気がします。

最近VMwareのProが個人利用なら無料になるというニュースが流れてきました!


MacのCPUがまだIntelだったころは、Boot CampやParalles、VMware、VIirtualBoxと、仮想化ツールを使っていました。電視観望では別のWindows PCを持っていくのですが、再起動して立ち上げるBoot Campや、VMwareからBoot Camp領域にアクセスした仮想PC上で電視観望を敢行したこともあります。

でもM1 Macを使い出した当時からBoot Campは全く使えなくなり、仮想でもArm対応だけで、一般のソフトの対応はあまり進んでいないという状態でした。でも今回調べてみたら、どうやら特殊なソフトでない限り、一般のソフトは結構普通に動くということのようです。これは再びMacでSharpCapを使っての電視観望で使えないか、また試したくなってきました。私はお客さん相手の観望会の時は、トラブルがあることを考えてWindows PCを2台持っていくことにしています。MacでSharpCapが動くなら、少なくとも持っていくPCを1台減らすことができます。


VMware Fusion

VMware Fusionのインストール自身はいくつも記事が出ているので、ここではポイントだけ書いておきます。ちょっとクセがあり面倒です。以下のページがわかりやすかったです。


WMwareをダウンロードする際に、アカウントを別途作る必要があること、その際住所などを書かなければならないことがちょっと抵抗がありましたが、これはしかたないでしょう。元々VMwareを使っていたので、昔のアカウントがあるかと思っていたのですが、どうも残っていないようで、結局新たにアカウントを作り直しました。

Windows自身は指示に従ってVMware上でダウンロードするのが楽だと思います。私は上のページに辿り着く前にここを見てしまい、別途Windowsをマニュアルでダウンロードしました。


あと、VMware Toolsが上のページに書いてある方法そのままではうまくいきませんでした。VMware Toolsが入っているisoイメージをあらわにマウントしてやる必要があり、次のようにしました。
  1. Macの「アプリケーション」フォルダ内のVMware Fusion.appを右クリックして、「パッケージの内容を表示」でContents -> Library -> isoimages -> amd64を開き、その中にあるwindows.isoをデスクトップなどにコピーします。
  2. VMwareのメニューの「仮想マシン」から「CD/DVD(SATA)」 -> 「ディスクまたはイメージを選択」で先ほどのwindows.isoを選択
  3. 再びメニューの「仮想マシン」から「VMware Toolsのインストール」を選択して、出てくるダイアログで「Setup.exe」を実行することで、ビデオドライバーやネットワークなどがインストールされ、画面の解像度を変えることができたり、やっとネットワークに繋ぐことができるようになります。

ここまでくれば、もう普通のWindowsと同じです。CMOSカメラのドライバーをインストールしたり、SharpCapをインストールしたりしましょう。必要ならASCOMプラットホームやASCOMドライバーもインストールします。

さて、必要そうなドライバーやソフトのインストールまでは普通にできました。まずは実際にArm版のWindowsで各種ソフトが立ち上がるのでしょうか?ドキドキですが、SharpCapを立ち上げてみます。

おっ!普通に立ち上がるようです。とりあえずカメラが手元になかったので、仮想のテストカメラを選択してみますが、これは少なくとも普通に動くようです。Arm版でも普通に立ち上がるんですね。これだけでもすごいです。

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Arm Windowsですが、まずはSharpCapに付属の仮想のテストカメラで、問題なく動きました。


カメラの認識がちょっと大変

さあ、次はカメラを用意して実際に接続してみます。USB機器を接続した時に、Macに接続するか、Windowsに接続するか聞かれます。ここはもちろんWindowsです。「ピロン」と音が鳴って、接続されたことがわかります。

次にSharpCapを開いてカメラの接続を試みようと思いますが、ここで問題発覚です。カメラが全く認識されていません。

カメラは電視観望でいつも使っているPlayerOneのUranus-Cです。ここでPlayerOneのサイトに飛んで上部の「Service」の「Driver and Software」のところを見てみると、なんと(2024年6月4日現在)「Camera native driver on Windows11 on arm (Windows11 in Parallels on Apple silicon Mac)」とあるではありませんか!早速リンクをクリックしますが、出てきたページによるとドライバーインストールの前に注意があるみたいで、どうやらドライバーの署名を強制的にオフにしなくてはダメなようです。


ドライバー署名オフ

ドライバーの署名のオフ説明画面に沿って進めればいいのですが、英語なので一応日本語に相当する部分を書いておきます。
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下の4.のところの画面です。

  1. まずはWindowsの「設定」を開きます。今回入れたのがWindows11で普段はまだほとんどWindows10なので少し戸惑いますが、画面下部のタスクバーの中央のWindowsマークのスタートボタンを押すと出てくる、ピン留め済み一覧の中の、ギヤマークの「設定」を押します。ピン留め一覧に出てこない場合は右上にある「すべてのアプリ」を押して、「さ」行から「設定」を探して押してください。
  2. 最初に選択されている「システム」の中の、「回復」を押します。少し下の方にあるので気づきにくいかもしれません。その場合は少し下にスクロールさせてみてください。
  3. 「PCの起動をカスタマイズする」のところの「再起動」を押します。
  4. しばらく待って出てきた「トラブルシューティング」「詳細オプション」「スタートアップ設定」の順に進みます。ここで一度再起動します。
  5. さらにキーボードの数字の「7」を押すか、キーボードの「fnキー」を押してからそれを離すことなく「F7キー」を同時に押します。
  6. その後、再ログインするとやっとドライバーの署名がオフされた状態になります。
  7. 元のページの一番下にあったArm用のカメラドライバー(2024年6月4日現在でバージョン1.3.12.12)をダウンロードし、展開してインストールします。
  8. その際、「ドライバーソフトウェアの発行元を検証できません」とか出ますが、無視して、下の「このドライバーをインストールします」を選択します。
ちなみに、これらの署名オフの過程はドライバーをインストールする前にWindowsを再起動してしまった場合は、ドライバーの署名強制的にオフが解除されるので、また最初からやる必要があるそうです。


まだカメラが認識されない

ところがです、ドライバーインストール後すぐにSharpCapを立ち上げたのですが、まだ認識されませんでした。どうやら一筋縄ではいかないようです。PlayerOneのページにParalles用のドライバーとかと書いてあったので、もしかしたらVMwareでは動かないのかとあらぬ疑いを持ってしまいます。でも普通に考えたらArmで動くか動かないかがポイントで、それを動かす仮想のベースは関係ないはずです。

ここでZWOのカメラはどうなのか試してみました。まず普通にZWOのドライバーページからカメラドライバーをダウンロードしてインストールしましたが、これは予想通りで、カメラは全く認識されません。ZWOのページにはまだArm対応のドライバーは見当たりません。いろいろ検索してみると、ZWOのフォーラムの中に2021年ごろからArmに対する議論が活発になされていることがわかりました。2021年の初期の頃はRossetaを使ってMacOSの上で走らせたIntelベースのASIAirで動いたとかが議論の中心でしたが、途中2023年2月頃にArm用にドライバーをビルドできたとの報告がユーザー側から出てきます。その後いくつかビルド済みのドライバーがアップロードされていますが、PlayerOneの時と同様な署名オフ問題が存在してるようです。「しているようです」というのは、どうもこれらのドライバーはフォーラムにログインしなくてはダウンロードできないようで、唯一2024年4月24日の投稿にあったこのページがgoodleドライブ上にアップロードしてくれていて、ダウンロードすることができました。このドライバーは署名オフ問題を回避してあるらしいのですが、私は回避状態でインストールしてしまったので、確認は取れていません。

さて、このドライバーもPlayerOneのArm用ドライバーと同じように、普通にインストールはできたのですが、それでもやはりSharpCapで認識されません。どうもドライバーの問題というよりは、何かPlayerOneとZWOで同じような問題が起きているような感触です。ここで一旦諦めました。


ドライバーのマニュアル更新: PlayerOneの場合

冷静になってしばらく考えて、デバイスマネージャーで見たらどうかと気づきました。そういえばZWOのフォーラム上でもデバイスマネージャーのスクリーンショットが出ているのを思い出しました。やった手順を書いておきます。
  1. Windwos11のスタートボタンを右クリックして「デバイスマネージャー」を押して開きます。
  2. この状態でUranus-Cを繋ぐと「不明なデバイス」のところにでてきます。これはおかしいです。フォーラムの中のスクリーンショットによるとカメラは「イメージングデバイス」に振り分けられるはずです。
  3. 右クリックして「ドライバーの更新」を選び、「コンピュータを参照してドライバーを検索」を選びます。
  4. 次は「コンピュータ上の利用可能なドライバーの一覧から選択」を選びます。
  5. 次の画面の「互換性のあるハードウェアを表示」オプションは外してください。そうすると(上でPlayerOneのArmドライバーがインストールされている場合は)「PlayerOne」の選択肢が出てきて、それを選ぶとカメラの選択肢が出てきます。私の場合は手持ちがUranus-Cなので「POA Uranus-C Camera」を選びます。
  6. 「ドライバーをインストールしています」と出て順調に行くかと思いきや、ここでまた問題が発覚です。「デバイスのドライバーのインストール中に問題が発生しました」などと出ます。
  7. また失敗かと思いきや「閉じる」を押しますが、デバイスマネージャーを見ると今度はきちんと「イメージングデバイス」にUranus-Cが移動しています。
  8. もしかしてと思い、SharpCapを立ち上げてメニューの「カメラ」で確認すると、何とUranus-Cがきちんと出てきています。
  9. 実際にカメラを選択して接続完了後に画面を見ると、きちんとカメラで写した画像が出てきました。ROIを最大画角で見てもフレームレートは46fpsくらい出ていてます。スピード的には十分で、少なくとも電視観望レベルで問題になるようなことは全然なさそうです。
あ、SharpCapでカメラに接続時に1-2度フレームレートが0のままや、上がらないことがありました。USB接続の不良(2.0で繋がってしまったとか)もありますので、繋ぎ直すと解決することがあります。私はケーブル再接続で直り、その後は何度か繰り返しましたが全く問題なく安定に動いています。

というわけで、問題は接続したカメラにドライバーがきちんとあてられておらず、ドライバーを更新して手動であえて正しいドライバーを選択してやる必要があったということです。でもこのような問題は、いずれ時間と共に解決するはずなので、今だけの問題なのかと思います。


ドライバーのマニュアル更新: ZWOの場合

さて、PlayerOneのカメラは上のようにすればOKだったのですが、ZWOはさらにひとひねり必要でした。ドライバーがきちんと当たっていないのは同じなので、上の3までは同じです。4のところで今度は「コンピュータ上のドライバを参照します」を選び、ZWOのArmドライバーがインストールされたフォルダ、例えば私の環境では

C:\Program Files (x86)\ZWO Design\ZWO_USB_Cameras_driver\driver\arm64

を選択します。要するに、まだWindowsのシステム内にもドライバーがうまくインストールされていないみたいです。今のところはユーザーがビルドしたオフィシャルでも何でもないドライバーなので、ある程度は仕方ないですね。

これで上の6以降に合流し、同じように文句は出ますが、「イメージングデバイス」に移動しているはずです。これでSharpCap上で接続(今回試したのはASI294MC)して、画面にきちんと像が出てくることを確認できました。フルサイズで12fpsくらい出ているので、仮想OSで動かしていると考えると、こちらも十分な速度かと思います。


Window再起動後の問題

ところがところが、まだ問題が残っています。Windowsを再起動すると、どうも署名オフの効果が消えるみたいで、ZWOのカメラのみ、再接続するとデバイスマネージャー上のASI294MCが、イメージングデバイスには置かれているのですが、三角の警告マークが出てきて、プロパティを見ると「このデバイスに必要なドライバーのデジタル署名を検証できません。... (コード 52)」などと出てきます。この場合、署名オフのプロセスを再度実行しなくてはダメなようで、再起動のたびにこれを繰り返すのは少し面倒です。

一方、PlayerOneのカメラはそのような署名オフ問題は再度出てこないので、こちらはWindowsを再起動しても問題なく再度カメラを使えています。

というわけで、カメラのインストールは少し大変ですが、PlayerOneのカメラは問題なく使えますし、ZWOのカメラはインストールはもう少しだけ手を加えることと、あとはWindos再起動のたびに署名オフのプロセスを繰り返す必要なことが大変でしょうか。でもそこだけ我慢すれば一応使えるというのが今の所の結論です。


SynScan ProとASCOM関連

カメラの認識にかなり苦労したので、その後のSynScan Proとか、SharpCapからSynScanアプリを動かすASCOMドライバー関連がかなり心配になりました。

まずはSysScan Proです。ダウンロード、インストールして、ミニマム電視観望の定番のトラバースで試してみました。ポイントは、WindowsのネットワークアダプターがMacのものをそのまま仮想的に利用しているので、Windowsから見たら一般的なイーサーネットアダプタとなっているということです。Wi-Fiではなく、あえて言うなら仮想的なLANケーブルに繋がったインターネット接続でしょうか。なので、トラバースに繋ぐのはMac側になります。MacのWi-FiでSSIDを見てみると、トラバースらしきものが見つかると思います。まずはここで繋ぎ、次にWindowsに行きます。SynScan Proを立ち上げて、接続を試みます。最初うまく検出できなかったので「ダメか?」と思ったのですが、通常のWindows単体での接続より少し時間がかかるようです。30秒程度掛け何度か接続を試していると、トラバースを認識して接続に成功しました!ネットワークアダプタの違いがあるので厳しいかとも思っていたのですが、これはあっさりし過ぎなほど簡単につながりました。

次は難敵ASCOMです。ドライバーに当たる部分なのでArmに対してはいろいろ未知数です。と覚悟を決めて試してみました。まずはSynScanアプリ用のASCOMドライバーをSkyWatcherのページから落として、インストールします。

SharpCapのメニューの「ファイル」の「SharpCapの設定」から「ハードウェア」タブを選び、「マウント」の「ハードウェアの選択」のところで出てくる「SynScan App Driver」を選び、下の「OK」ボタンを押します。あとは、右パネルの「望遠鏡制御」のところにある「接続」チェックボックスを押し、チェックマークを入れます。おお、何の問題もなく接続するではありませんか!!念の為「レート」を最大にして矢印マークを押すと、トラバースがきちんと動きました。ASCOMもあっさりし過ぎなほどうまく行きました。

やっと電視観望に辿り着いた!

ここまでくれば、もう電視観望も試せます。すべての接続がうまく行ったあと、夜を待って実際の電視観望を少しだけ試してみました。
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このように、M1 Macbook ProでSharpCapを使って電視観望が普通にできています。

初期アラインメントと、途中何度かの導入の際はSharpCapからSharpSolveを使いプレートソルブをしていますが、これらも全く問題なく動きました。下のようにライブスタックも普通にできます。

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簡単にできるかと思っていたArm Windowsでの電視観望ですが、思ったより手こずりました。同様のことを試そうと思っている方は、事前の明るいうちに接続関連をすべてクリアしてから夜に臨んだほうがいいかと思います。私はWMwareだけは昼にインストールしておいたのですが、カメラの接続を夜になってから始めたので、まるまる一晩潰しました。昼間もいろんなトラブルで、2日ほど費やしています。

一旦うまくいけば、Windows PCと比べても、全く遜色なく、いやむしろMacbook Proで画面とか大きいので、さらに快適に電視観望が楽しめます。あと、ブログをまとめるときも、すべての保存画像がMacから直でアクセスできて、Windwow-Mac間も普通にコピペできるので、これまでのようにわざわざ別PCから画像を移動する必要もなく、こちらもむしろ快適だったりします。

ここまでくると、あと出来なさそうなのは太陽とかのミリ秒スケールの短時間露光撮影でしょうか?さすがにフレームレートがそこまで出ないことが予想できますが、面積の小さいカメラを使うので実際どうなのでしょうか?太陽撮影はASI290MMでZWOカメラなのでちょっと面倒かもしれませんが、時間があるときに試してみたいと思います。


まとめ

というわけで、M1 Macで個人利用が無料になったVMware fuisonを使い、Arm64版のWindows11を仮想OSで動かし、電視観望ができるか試しました。カメラ関連はドライバーのインストールとカメラの認識に多少手こずりましたが、少なくともPlayerOneのカメラでは問題なく、ZWOのカメラではWindows再起動時に毎回署名オフのプロセスを踏む必要はありますが、フレームレートも含めて十分なスピードで使うことができます。実際の電視観望も、SynScan Pro、ASCOMプラットフォーム、ASCOMドライバーも全く問題なく動き、ネットワークアダプターもMacでトラバースに繋ぐことさえ注意すれば、問題なく接続し、プレートソルブも含めて動かすことができることがわかりました。

MacユーザーでBoorCampが使えなくて困っていたユーザーは、今回無料になったVMwereを使うことでコストパフォーマンスよく、Windows PCを別途用意することなく、Mac上のArm Windows11で電視観望まですることができます。


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