ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:場所 > 楡原

今週は週末に近づくにつれ、どんどん晴れてきました。透明度も良さそうです。少し月が沈むのが遅いですが、久しぶりの気合の入った撮影です。


久しぶりに気合を入れて準備

木曜の夜、仕事が終わってから少し撮影しようと準備したらすぐに曇って仕方なく撤収。しばらくして寝る直前に空を見たら快晴で、すごい透明度でした。でも次の日仕事もあるので、泣く泣く諦めることに。

金曜の夜も晴れてそうです。この日も昼間の立山を見る限り透明度はまだ良さそう。せっかく透明度がいいので、たまには暗いところに行こうと、機材を準備して車に荷物を積み込みました。と言っても、前回田んぼに映る天の川を撮ったところ。通勤途中を一本外れて山の上に向ったくらいで、自宅からも20分くらいの近距離です。

ターゲットはアンタレス付近です。焦点距離の短いカメラレンズにするか、FS-60CB+レデューサーにするか迷いました。2年前に同じ場所を撮影した時にはまだレデューサーも持っていなくて、フラットナーも旧タイプのもので撮影していました。まずは少し視野を広げた状態で撮ってみようと、FS-60CB+レデューサーを選びました。うまくいったら、いつかもう少し短い焦点距離のカメラレンズで少し広い視野で撮ってみようと思います。

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TSA-120用に用意したガイド鏡もつけたら、結構禍々しい機器になってしまいました。

このレデューサーをつけると、短いアダプターを外さないとピントが出ません。短いアダプターのところを鏡筒リングで固定していたので、それができなくなり、カメラ回転アダプターを内側に入れ込みその外につけたレデューサーを鏡筒アダプターで固定しなくてはいけません。暗いところでこれをやると難しいので、明るいうちにカメラの角度も含めて変更、調整しておくことがコツです。

月がしばらく明るいので出発までに少し仮眠をとります。22時頃、空を見ると少し雲がありますが、昨日のように途中から晴れることも十分あるのでとりあえず出発です。


自宅外での撮影でトラブル続出

現場に到着しましたが、月のある西方向は晴れ。でも肝心の東から南にかけて厚くはないですが雲がかかっています。少し迷いましたが、とりあえず設置を始めます。運良く設置途中からどんどん晴れてきて、全面快晴になりました。

ところが撮影準備の間、いくつかトラブルがあり撮影開始時間が結構ギリギリになってしまいました。
  1. 最近撮影用PCで活躍しているSurfaceでSharpCapのPolar Alignで極軸を取ります。N.I.N.Aで一眼レフカメラでまだ撮影したことがなかったので、今回挑戦しようと接続までしましたが、温度情報が読み取れなさそうなことに気づき諦めました。
  2. 仕方ないのでBackYard EOSに移ろうとしたら、SurfaceにはBackYard EOSがインストールされていないことに現場で気づき、急遽Stick PCに変更。
  3. Stick PCに交換し、BackYard EOSを立ち上げても、なぜかカメラを認識せず。BackYard EOSを再起動したり、PCを再起動したりで、気づいたのはUSBケーブルがまだSurfaceにつながったままだったこと。これだけで20分くらいロスしました。
  4. そのころにはアンタレスが南中を超え始めていたので、赤道儀を反転させたのですが、その後StickPCがネットワークに繋がらなくなりました。StickPCはモニターがないので、ネットワークに繋がってないと画面を見ることもできないのです。外に出た時はELECOMの小型ルーターを持っていっているのですが、とりあえず原因がわからず、PCを再起動してだめ、ルーターを再起動してやっとつながりました。これで10分くらいのロス。
結局トラブルだけで40分位のロスがあり、やっと撮影を始めたのが月が沈んだ30分くらい後の午前1時少し前でした。

でもその後は順調そのもの。以前この領域の長時間撮影で縞ノイズに悩まされたので、今回はPHD2でガイドしながら、BackYard EOSと組み合わせてディザー撮影をします。FS-60CBに0.72倍のレデューサーをつけるので、焦点距離は255mmでF4.3程度になりかなり明るくなります。なので、ISO800で露光時間180秒としました。

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風が多少強かったですが、CGEM IIに軽い鏡筒を載せているだけなので、多少ガイド信号は揺れますがこの短い焦点距離では問題にならないでしょう。一枚撮りでもすでに色が出ていますし、暗黒帯の暗い部分も見えています。期待できそうです。

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薄明までの2時間少し、意外にもちょっと寒いので基本的に車の中で待機です。その間にTwitterに投稿したり、ちょくちょく外に出て久しぶりの濃い天の川を満喫したりと、少し眠気もありましたが、すぐに時間が経ってしまいました。結局撮影できたのは1時間半分くらい。ディザーがそれぞれ1分くらいかかるので、少しもったいなかったです。途中、マニュアルで数枚に1回だけディザーするようにしました。

あ、そうえいば撮影中、なんでも名前解決の問題か何かでずっと天リフ接続できなくなっていて寂しかったです。普段いかに天リフを見ているか実感できました。

薄明開始の午前3時頃、実際に少し明るくなってきたのがわかり、ダウンロードされた画面を見ても背景の明るさが変わってきたので、ここで撤収としました。夏至の近くだと薄明までいてもまだ時間が早いので、寝る時間があるのがいいですね。片付け後すぐに車を走らせ、午前4時頃には自宅に到着し、そのまま寝てしまいました。

次の日、フラットとダークを撮影して画像処理です。フラットは昼間の自然光を利用して100枚ほど撮影しました。ダークは冷蔵庫と冷凍庫を利用して温度を調節しながら撮影。89枚撮影して、適当な温度に入った34枚を使いました。


画像処理

画像処理はいつものPixInsightで、今回はWeightedBatchPreprocessingを使ってみました。出始めの時に少し使いましたが、あまり変化がわからずその後はBatchPreprocessingでした。NiwaさんのブログでWeightedBatchPreprocessingについて詳しく解説されていたので、久しぶりに使ってみました。と言っても比較とかまではしていないのでただ使っただけです。

撮影したライトフレームは35枚で、全て使うことができました。あとは新たに撮影したフラット、ダークフレーム、使い回しのバイアスを使います。後はいつものStarNet++で分離してPhotoshopで処理です。今回は細部を残したかったのでDeNoise AIは無しです。

「アンタレス付近」
masterLight_EXPTIME_181_5_DBE_PCC_DBE_AS_all_PS8_cut

  • 撮影日: 2020年5月30日0時47分-3時11分
  • 撮影場所: 富山県富山市小糸
  • 鏡筒: FS-60CB+0.72倍専用レデューサー(合計焦点距離255mm)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO800, RAW)
  • ガイド: PHD2 + f=120mmガイド鏡 + ASI178MCによるディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、露光時間180秒x35枚 = 1時間45分  
  • 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC

透明度など条件が良かったこともあり、1時間半程度の露光時間でしたが、色もそこそこ出てるのでまあ満足です。暗黒帯もきれいに出ています。今回、思うところがあり、少し派手目にしてみましたがどうでしょうか?

反省点を挙げるなら、青と黄色はいいのですが、まだ赤の諧調が乏しいです。特に下の方の広い赤の領域はもう少し時間をかけたいところでしょうか。

Annotationです。少し文字を大きくして見やすくしてみました。あと今回気付いたのですが、文字の大きさとか変えて再度レンダリングすると、前の文字が残ってしまうようです。その場合、一度ImageSolveからやり直すとリセットされて、前の文字は出てこなくなります。

masterLight_EXPTIME_181_5_DBE_PCC_DBE_AS_all_PS8_cut_Annotated



ちなみに、2年前のものがこれです。

light_BINNING_1_integration_DBE_ABE_color_cut

この日も透明度は悪くない日でした。露光時間が51分で少し短いですが、あとの違いはレデューサーだけです。あ、ディーザーもやってなかったですね。やはり2年の間に色々と進化していると思います。この次の週に3時間撮影したのですが、

light_BINNING_1_integration_DBE_min_color_stretch_ps_cut

縞ノイズが酷くてあまりうまくいかなくて、その後、昨年は天気がよくなかったりとかで、なかなかチャンスがありませんでした。2年越しでディザーもできて縞ノイズも克服できて、やっとそこそこ満足です。


まとめ

自宅外での星雲撮影は久しぶりでした。特にこれだけカラフルな領域はフィルターがなかなか使えないので、やはり暗いところはいいです。天気も良く、透明度が良くて、月もなくて、次の日休みでとなると、年間でも何日もあるかどうか。まだやっと自粛ムードが解けたくらいで、遠征とまでは行きませんが、近征でもこれだけ色が出れば悪くない環境です。まあ、田舎暮らしの数少ないいいところでしょうか。


新月期に向かう週末の2018/10/3、晴れていて透明度もよさそうだったので、車で20分くらいの近場の撮影スポットに向かいました。5月にアンタレス付近を撮った場所です。今回は撮影モードなので珍しくNatsuもついてこなくて一人で出発です。

現場に到着して、まずは秋の天の川が綺麗だったので少しだけ撮影しました。EOS 6DとSAMYANG 14mm F2.8でのISO3200、30秒の一枚撮りです。今回はLightroomでのみの処理です。最近星景写真はPhotshopいらずです。一枚撮りなのでスタックとかしないですし、あまり強調処理もしないので、Lightroomで閉じてしまい、かなり楽です。

今回2構図撮影しました。一枚目は西側の沈んでいく天の川です。下の道路が入らない構図もとったのですが、車の光の軌跡が面白かったのでこちらを採用しました。山を抜けて、富山の街(右手側)に行くに従って明るくなっていくのがわかります。

20181102-IMG_2077-3_cut
撮影地: 富山県富山市伏木, 2018年11月2日21時42分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC、Lightroomで画像処理 


次は逆の東側の天の川です。「昇り来るすばる」といったところでしょうか。すばる、アンドロメダ銀河、カリフォルニア星雲、左のほうにはハートと胎児星雲もうっすら写っています。結構な範囲で星座も写っているので、これまで試したことのないソフトフィルターでの明るい星の強調も試してみたくなってきました。 

20181102-IMG_2080_cut
撮影地: 富山県富山市伏木, 2018年11月2日21時46分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC、Lightroomで画像処理 



少しノイズが多いので、ポタ赤で何枚か重ねるという手も試してみたくなりました。次の記事とかで書きますが、AZ-GTiの赤道儀モードは長焦点だと少し問題がありそうなので、ポタ赤がわりというがちょうどいいくらいかもしれません。

富山の街明かりで北の空は流石に厳しいのですが、自宅から車で20分でこれくらい撮れるので、まあ満足です。






県天の行事で天体写真展があるというので、初めての経験なのですが応募しようと思って準備を進めています。

といっても、写真をまじめにやり始めたのは去年の11月のことで、しかも結構ゆっくりと進めているので、応募できるような写真の数がありません。かろうじて見せることができそうなのが、以前数河高原でとったすごくメジャーなM31とM45だけです。メジャーな天体は他の人と重なる可能性が高いので、ベテランの方は遠慮してくださいというお達しも流れていたりするのですが、初心者なので許していただいているような状況です。しかもM45はかなり白飛びしてしまっているので、簡易的に先日試したHDR法を応用して、少し白飛びを抑えました。といっても短い露光時間の別ファイルをとっておいたわけではないので、レベル補正で明るくする前の元の画像に近いものを使いました。

New5_histgram_digital_ps_SI_print


まだ全然完全ではないですが、以前がかなりひどかったので、多少はましというところでしょうか。

さらに、展示のためには印刷して額に入れる必要があるのですが、この期に及んでプリンターを持っていないことにいまさらながら気づきました。ところがこのプリンタというのが結構曲者だということが調べていてわかってきました。天体写真の印刷は普通のプリンタだと相当厳しいらしいのです。基本的に黒がバックで、その諧調を表すために一番いいプリンタだと、黒だけでなんと6色を使い、計12色のインクを使うというのです。安いプリンタだと、インクの種類が少ないため淡い諧調の違いを出すことができずに、思った色が出ないというのです。あと、インクが顔料系か、染料系かで大きく変わるらしく、顔料系は色の安定性がよく光沢は控えめ、染料系は光沢は素晴らしいが色が時間とともに変わるとのことです。しかも、プリンタ自身も結構高価ですが、インク代も相当かかるとのことです。雑誌に写真を投稿したりする際にはプリントしてから送るので、そこまで見込んで無理をしてそろえるか、安いプリンタでとりあえず試すか、いろいろ迷っています。

そんな中、業者に印刷してもらう方法もあることがわかりましたが、こちらもまた厄介なようです。基本的に業者は風景や人物などの印刷を想定しているので、天体写真を印刷しようとすると、よほど好きな人が対応してくれない限り、とにかく思った色が出ないというのです。そんな中、たまたま富山にもあるカメラのキタムラの印刷結果がいいという情報がありましたので、一度試してみようと思っています。4つ切りワイドとかいうサイズで、A4より少し大きいくらいらしいのですが、2枚印刷すると1200円程度のようです。4つ切りワイドサイズより大きいサイズだと印刷に何日かかかるみたいですが、4つ切りワイドまではその場で、10分程度でできるようなので、明日にでも店舗に行ってみようかと思っています。(追記: 結局キタムラの印刷でそこそこ満足な結果でした。)これでだめならプリンタを用意するつもりです。

ついでに、額も用意しました。写真展が終わってからも自宅で飾ることができるように、黒地の木枠で4つ切りワイド用の安価なものをAmazonで頼みました。

まだ写真展までは日にちがあるので、もう少し撮影をしています。昨晩、日付も変わって2016/1/7の0時半頃から娘と一緒に、久しぶりに楡原に行ってきました。月が沈む夜中の1時ころに到着して、もう少し分子星雲を炙り出したかったM42のリベンジと、何かもう一枚くらいと思っていましたが、スティックPCのトラブルなどで、撮影を開始したのが2時半くらいからでした。結局オリオン座が沈むまでの1時間くらいをM42、その後バラ星雲を1時間くらい撮影し、5時ころ退散しました。いつものFS-60QにEOS 60Dでiso3200、5分露光です。それそれ10枚撮りました。

赤道儀と鏡筒の接続ですが、現在は赤道儀のアリミゾ、アルカスイスクランプ、鏡筒と固定しているのですが、今回、一番弱かったアルカスイスクランプを倍の幅のものに変更しました。途中風が吹いていたのですが、星像がぶれているものはありませんでしたので、多少強くなったのかと思います。

撮って出し画像を載せておきます。

LIGHT_300s_3200iso_+6c_60D_20170107-02h31m16s929ms

C49_LIGHT_300s_3200iso_+8c_60D_20170107-04h25m10s869ms

いま300秒用のダークライブラリーを構築しているので、画像処理はまた後日やるのですが、もしかしたらどうもピントが合っていない気がしています。Backyard EOSのピント合わせ機能で合わせているのですが、FS-60Qの回転つまみだと、合わせこもうとしても粗すぎる気がしているので、早く以前買ってきた減速装置を付けたいと思っています(追記:  後日ピントがあったバラ星雲。上の画像と比較すると今回のピンボケがとてもよくわかります。)。もう一つの可能性が、ガイド鏡の精度がCCD一ピクセル当たり15秒と甘いので、赤道儀を揺らしてしまっている可能性があります。取り付けているレンズの焦点距離を長くするか、複数のガイド星を使い精度を上げるかですが、電子ファインダーとしても使っているので、次はDEF Guiderを使って複数ガイド星を試みようかと思っています。

もしかしたら今晩も楡原に行くかもしれません(追記: 結局曇りで行きませんでした)。





初遠征に続き、5月7日の土曜日、二度目の遠征です。今回は家族4人で、前回も行った楡原へ再び行ってみました。

実は最初ホタルイカ獲りに行こうと、海の方まで行ったのですが、ホタルイカは影も形もなく、ベテランっぽい人もほとんど空振りのようでした。ついでに見ようとした星も、南側は明るすぎて、北側は暗いのですが、それでも海岸での光害が酷すぎるのかほとんど何も見えない状態で、早々に諦めて、そうだ山へ行こうと思い立ち、あまり気の進まなさそうな妻と下の子を無理やり誘って楡原へと向かいました。

海から約1時間くらいでしょうか、やはり山の中は見え方が全然違います。満天の星空と天の川を見ながら、望遠鏡をセットアップしました。しかも今回は新兵器のEOS X7があります。あいにくカメラを望遠鏡に取り付けるアダプターをまだ持っていないので、望遠鏡での撮影はできないのですが、それでもいつものように眼視で木星などを見ました。やっと赤道儀の自動導入も少し使いこなせるようになってきました。

実は今回は望遠鏡よりもカメラでの撮影が楽しくて、望遠鏡そっちのけでカメラでいろいろ試しながら撮り続けていました。星景、星野撮影なのですが、星景撮影の方が景色が入って臨場感が出るので楽しいです。カメラのセッティングについてはここにまとめておきました。

とりあえず撮れた写真の中で加工まで持っていったものを載せてみます。未加工のもの一枚と、4枚をスタックしたものです。

IMG_0121
  • 2016/5/8, 01:49, Canon EOS X7, 18mm, F3.5, ISO1600, 30sec, rawフォーマットからJPGにしてリサイズのみしたもの


stacked3a
  • 上記設定で、30秒ごとに連続4枚をDeepSkyStackerでスタック、CanonのDPP4やらGIMP2.9やらで色々試行錯誤して加工したもの

まだ見せることのできるレベルに達していないのは重々承知です。とにかく色を出してみたいという試みです。練習がてらスタックしましたが、意味はまだほとんどないと思います。これも練習と思ってなのですが、一応ダーク減算とかもしていますが、ほとんど結果に影響はありませんでした。いずれせよ、どんな加工ソフトがあるのかと、ソフトの操作に慣れるのが目的です。

それでも初めて綺麗に色がついた天の川の写真を自分で撮ったと思うと、嬉しくなってきます。


ついでにもう一枚。こちらは一枚のみからです。

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  • 2016/5/8 02:19, Canon EOS X7, 18mm, F3.5, ISO6400, 30sec

結局この日は午前3時頃までいました。でも、結局星を見ていたのは私と娘だけで、寒いのが嫌なのか妻と下の子は車の中でずっと寝ていました。

 

望遠鏡を持って自宅以外での撮影をしてみようと思い、いろいろ遠征の場所を考えました。5月2日、明るいうちに下見をしたのですが、近くの楡原の山の中なら、夜になれば十分に暗く、道の途中の視界が開けている場所なら撮影ができそうでした。

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その日の夜、娘のNatsuと一緒に早速下見をした場所に向かいました。幹線道路から500mくらい入ったところで、高度は400mくらいです。自宅からは車で20分くらいでしょうか。結構気楽に行くことができそうです。

実際に夜に行ってみると、北側は視界が開けているのですが、街の明かりが北側になるのであまりいい状態ではないことがわかりました。南側は山の木が多少遮るのですが、それでも空は真っ暗で、自宅で見た天の川よりもはるかにはっきり見えます。

新しい望遠鏡にウキウキしながらセットアップを頑張りましたが、やはり自動導入には至らず、半マニュアルでの導入でした。それでもやっと赤道儀に電源を入れて動かすことはできましたが、結局アラインメントで上手くいかずに断念しました。今日は何とかモーターでの動かし方がわかったくらいで、昨日に引き続き木星を今回はモーターであわせることで見て終わりにしましたが、それでもすでに赤道儀で追っているのだと思いますが、昨日と違い視野からすぐに消えることはなく、木星をある程度の時間楽しむことができました。この日に初めて土星の輪を見ることができました。生まれて初めての、自分の目で見る土星の輪でした。

子供のころ、多分ケンコーのだと思いますが、口径5-6cmくらいの屈折望遠鏡と経緯台、三脚のセットを親がなぜか突然買ってきました。その時はまずは月を見てクレーターの綺麗さには驚きました。何度か恒星を見てふーんと思い、やっとの事で木星を見て、木星の縞が見えたような気がして喜んだのですが、同時にかなりボケていたので、こんなもんなのかと子供心に少し残念だったのを思い出しました。今思えば縞と思っていたのは単なる収差だったのだと思います。土星は場所もわからずに全く見るに至りませんでした。確か小学校の4-5年生だったと思います。結局望遠鏡はそれくらいで終わってしまい、とうとう星に興味を持つことができずに大人になってしまったのですが、それから30年くらい経ってやっと土星の輪を自分の目で見ることができたのです。かなり感動的でした。

結局、この日は23時頃までいたでしょうか。山の中はトイレがないのと、クマなどの危険があることもこの時になってやっと気づいて、帰路につきました。いい場所を見つけるのはやはりなかなか大変です。

それでもとりあえずやっと暗いところに行って望遠鏡を覗くことができ、それはそれで満足できたのですが、それよりも天の川がとても綺麗だったので、やはり一眼レフのカメラを持ちたくなりました。


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