ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ: イベント

今年も無事にCP+を終えることができました。でも疲れてしまったのか、自宅に着く頃に熱が出てしまい、平日は何日かは休んでいてほぼ寝ていました。やっと今回の記事を書けるくらいに復帰して、週末はこの記事を書いています。


準備

今年のセミナーはCP+の最終日の日曜です。その前日の土曜には、昨年もお誘いいただいた星沼会の方を中心とした飲み会に参加するため、今回は土日での参加になります。その週の平日が結構忙しかったので、セミナーのスライドの準備は前週の3連休の23日までにはある程度終わらせておきました。その3連休は、ほぼ全ての空いている時間を準備に費やすことになりました。解析計算が多くてプログラミングがいくつかあったり、新しいことが多くて根拠を調べるのに時間を食ったりで、普段スライドを作る以上に時間がかかってしまいました。その分「今回はすごいトークになるぞ」という確信が出てきて、Xなどでそれとなくすごそうだということをアピールしてたつもりだったのですが、実際にはいまいち伝わらなかったみたいです。


2月28日(土)横浜へ

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さて、出発は2月28日(土)の朝、新幹線で富山駅から東京に向かいます。この日は早く着く必要はなかったので、各駅停車の「はくたか」で3時間近くかけてのんびり移動します。この3時間はかなり貴重で、ずっと新幹線の中でスライドの最後の微調整をして、気づいたらもう東京の手前の上野でした。東京からは東海道線で横浜まで30分くらいでしょうか。横浜でみなとみらい線に乗り換え、みなとみらい駅に向かいます。

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会場にはお昼ちょっと過ぎくらいに到着、一年振りのCP+会場です。
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手前の入場口から入り、今年は一番奥の方に陣取っているサイトロンブースにまずは向かいます。途中Askarブースでサイトロンの方と少し話して、そのままサイトロンブースに到着。
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スタッフの方に「今年もセミナーに呼んでいただきありがとうございました」とのお礼と、挨拶を一通りしてから、この日は時間的にも余裕があるので会場を一回りします。見て回るのはほとんど天文関連のブースで、多くの方がすでにレポートされていて、それをなぞるような感じでした。特にHIROPNさんの解説がすごいです。もうCP+の詳しいことは今回は他の方に譲るとして、この記事では主に自分のことについて書いておきます。


初日(土曜日)の様子

今年は天文系のセミナーが多くて、あらかじめ聞きたいものを考えておかないと、セミナーの時間が重なったり、セミナーだけで時間がいっぱいになってしまうくらいの充実度でした。サイトロンブースのセミナーの充実度は言うに及ばず、特に今年はVixenブースのセミナーは数が多く、それに合わせて展示スペースも拡大していて、去年にも増して元気な様子が伺えました。DWARFさんのところも星見屋さんが頑張っていて、丹羽さんを呼んでセミナーを多数開いていて人を集めていました。

惜しむらくはサイトロンさん以外はほとんど、本当にごく一部を除いてライブ配信や後日配信がないのが非常に残念です。サイトロンさんは以前のCP+の配信もきちんと残してくれていて、私にとっては後から参照できるとても有効な情報源となっています。ここら辺はまだサイトロンさんに一日の長があると言ったところでしょうか。

私のとっての初日の土曜は、サイトロンのフォトコンテストの裏側と、あぷらなーとさんのセミナーが目的でした。

最初に会場を回っている最中に、通りがかりのDWARFのところででちょうど丹羽さんの話を聞くことができました。丹羽さんは今回4回もセミナーがあり、しかも後から聞いたらどれも違うネタとのこと。これはかなり大変そうです。私はせいぜい一本に集中することしかできない気がします。
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14時40分からのフォトコンテストの裏側ですが、今年もコンテストに残らなかった写真の紹介でした。でももう少し枚数増やしていろんな例を見せてほしかったです。
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セミナー準備中のパネリストさんたち。

あぷらなーとさんのトークは相変わらず鉄板で、テレビショッピングを彷彿とさせる勢いでした。
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面白かったのは、あぷらなーとさんのトークのちょうど反対側のソニーブースでKAGAYAさんがトークをしてたことで、すごい数の人が集まっていました。どなたかが「あっちは一般の人、こっちはマニア」とか言ってました(笑)。この時に気になったのが大型モニターで、あぷらなーとさんの画像が結構輝度と彩度が飛びがちになってしまっていたことです。後からKAGAYAさんと話した時に聞いたのですが、ソニーのモニターのLEDがかなり諧調の高いものを使っているとのことで、コニカミノルタのプラネタリウムのLEDよりも良いかもしれないとのこと。「このモニターで話せたのが良かった」といっていました。天体写真を写す場合はモニターも選ぶ必要がありそうで、特に大きな面積を持つものは敷居が高そうです。今後、高諧調LEDの技術も浸透してくると思うので、将来に期待したいと思います。


スライド確認

この日のメイン作業の一つは、スライドの確認です。18時にその日のイベントは終了になるので、そこからサイトロンスタッフさんと共に、出していいスライドと出しちゃまずいスライドをチェックします。

この時点で、通しでスライドを見せたのである程度の反応は得ることができました。やはり予想した通りかなりすごい反応です。というのも、昨年で太陽の話はもうこれっきりだと思っていて、かなり式などを詰め込みました。一部の好事家にはウケたと思いますが、一般の方にはやはり難解だったかもしれません。今年は式を使わずに同じことを実測で示し、しかも撮影画像と動画がもう見た目にインパクトありまくりなので、一般の人でも十分にすごさがわかってもらえるはずです。実際、星が専門でないスタッフの方からも「すごいのがわかる」と言ってもらえたのは、かなり嬉しかったです。実は土曜も日曜も、会場で会う人会う人に「すごいのが撮れた」と自分から宣伝しまくっていました(笑)。

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スライドチェックを終えた後の人がいなくなった会場。
面白かったので写真に撮っておきました。


恒例の飲み会

スライドチェックが終わってからは、恒例の飲み会です。Aramisさんとあぷらなーとさんと天リフ編集長がその場にいたので、一緒に歩いてお店まで行くことになりました。サイトロンセミナーで話す3人が揃ったので、セミナーを頼まれた経緯や、送られてくる機材を使う時間がなかなかとれないこと、ネタが厳しいなど、ぶっちゃけ話ができて楽しかったです(笑)。

飲み会は星沼会の方達が仕切ってくれていて、特にぐらすのすちさんが幹事を引き受けてくれていてありがたかったです。この飲み会はだんだん同窓会のような雰囲気になってきていて、年1回顔を合わせて話せるのがとても楽しいです。「ほしぞloveログの記事が長すぎて昼休みの間に読みきれない」と苦情を言われたり(笑)、ノイズと分解能の話で盛り上がったり、普段ではなかなか会話にすらならないことを平気で話すことができます。同好の士とは本当にこのことです。

宴もたけなわですが、明日のこともあるのと、今日スライドチェックしたことを少し直したいので、横浜スタジアムの近くに撮ったホテルに向かうために、みなとみらい駅へ移動し電車に乗って最寄り駅までいきます。少し夜食を買って、ホテルの部屋で最後の画像処理とスライドの手直しです。動画の処理だったので少し時間がかかってしまいましたが、それでも0時前くらいには全て終えることができ、眠りにつきました。


3月1日最終日

2日目の朝、7時頃には目が覚めたので、ホテル泊についている朝ごはんを少し食べてからCP+会場まで移動します。このホテルのいいところは、CP+会場のパシフィコ横浜までのシャトルバスを出してくれることです。去年たまたま泊まったのですが、朝の移動がすごく便利だったので、今年もまた同じホテルにしてしまいました。CP+会場の1Fのキッチンカーが出てるところくらいまで行ってくれるので、歩く距離が短くなってかなりラクです。というのも、会場がかなり広くてしかも夢中になって何往復もするので、疲れてしまうんですよね。しかも今年はセミナーが午後遅くなので、それまでにできるだけ体力は残しておきたかったので、このバスの存在は結構ありがたかったです。

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バス移動の途中の景色。豪華客船「飛鳥II」(多分)と赤レンガ倉庫が見えます。

この日もセミナーと、前日見切れなかったブースと、毎年なぜかあまり見ない大手ブースをさらっと見ることで時間は過ぎていってしまいます。

セミナーは午前10時30分からのサイトロンのSJH-75UFの傳甫氏の話が以前も素晴らしかったので楽しみだったのですが、なんと電車が一部ストップでご本人が会場に来ていないとのこと。結局午後1時からに時間変更で、無事に聴くことができましたが、もう性能的には素晴らしいの一言です。重要なことは、設計でいくらいいものができて、実際にそれをモノとして作ること、さらに量産するということは全く別のことです。セミナーでは工場とのやりとりや調整の話にまで踏み込んでくれていて、しかもその後傳甫氏ご本人様にもさらに個別に話を聞くことができて、その方針にとても共感できました。望遠鏡設計では間違いなく日本でトップクラスの方ですが、やはり筋金入りの技術者は理論も実践も兼ね備えているということを感じることができました。出身が物理というのがまた興味深いです。

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お昼12時のセミナーは迷いました。VixenブースのそーなのかーさんとサイトロンブースのAramisさんです。結局最初そーなのかーさん、途中からAramisさんと移動することで、両方とも雰囲気だけつかもうという作戦です。最近の屈折はもうどれをとっても十分な性能に思えてしまいます。星像に関しては私くらいの目ではもう四隅まで十分です。しかもSDP65SSもNAKOH 60GTも十分現実的な値段、特にNAKOHは当日の値段発表だったのでしょうか、かなりビックリな価格です。このクラスは群雄割拠ですが、ユーザーとしては選択肢が増えるのはありがたいでしょう。

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でも、Aramisさんの話で途中から気になってしまったのは表示されているモニターのことです。昨日のあぷらなーとさんのトークの時も、スライドテストでも気になっていたのですが、どうもかなり強いシャープ処理をかけているみたいで、ノイズや格子模様があらわに見えてしまうのです。太陽は基本単色なのでサイドの方は私的にはそれほど問題ではありませんでしたが、シャープネスの方はその場で見ると少し印象が違うかもしれません。
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順番的にはAramisさんのセミナーが終わって、傳甫氏のセミナー、続いて成澤さんのセミナーでしたが、成澤さんのセミナーの間に、頭を冷やすために一旦外に出て座って少し休憩をとりました。成澤さんすみませんでした。少し寝てしまって、目を覚ましてからサイトロンブースに着いたのは、ちょうど成澤さんのトークが終わった後くらいで、まだ成澤さんが残っていた人と対応していた頃でした。ちょっと早めでしたが、私も準備を始め接続まで完了します。PixInsightでの動画もどきの表示をするので画面の大きさの設定を最終確認します。


いよいよセミナー本番

セミナーは日曜日の最終に近いということで、どれくらいの方が来てくれるか心配でした。「面白い話になる」と会場で宣伝はしておいたのですが、それがどこまで効くのか?

最初はそこまで人が多くなかったかと思います。でも、トークを終えて改めて見てみると、かなりの人数が目の前にいました。途中から面白かったのかわかりませんが、マイナーな太陽の話でこれだけ人が来てくれれば十分でしょう。

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40分のセミナーで結局45分くらい話してしまいました。最後にいくに従って盛り上がるような構成で、後半の皆さんの反応は話しながら見ていても明らかに「オぉー」という感じだったので、5分くらいの遅れは許していただければと思います。


本番後の反応

セミナー終了後は質問もいくつかありましたが、今回の話は面白かったと知っている方も知らない方からも、何度も声をかけられました。やはり黒点の3分周期振動は相当インパクトがあったようです。片付けをして、気づいたらすでに16時半はとうにすぎていました。最終日は17時でイベントも終了ということと、多分ですがかなり疲れてしまっていて、サイトロンのスタッフの方に挨拶をして、そのまま会場を後にしました。帰る途中で、DWARFブースで片付け中のだいこもんさんに会ったのですが、どなたか太陽トークを聞いてくれた方から話を聞いたみたいで「やばかったって聞きましたよ。後で配信みます。」と言ってもらい、その後Xで大きく宣伝していただきました。

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帰りの電車の中でXのセミナー時の反応を見ていたら、トークの途中から何人かの方が書き込んでいてくれて、いずれも「すごかった」とか「必見」とか「圧巻」とか、とてもありがたい言葉であふれていましした。一部感想を書いておきます。
  • じろーさん:「黒点振動、凄い…開いた口が塞がらない…」「黒点震度、初めて見ました。まだ興奮状態です…」
  • M87JETさん:「ヽ(´▽`)/ なんという強烈な動画でしょう!」
  • 銀狐さつきさん: 「太陽を撮影しない私が見ても驚愕の映像でした」
  • にゃーとんシュガーさん:「今回のSamさんのプレゼンで「よし!太陽チャレンジしてみよう」って方も出てきそう。」 
  • 智さん:「タイムラプス映像が凄くて、これだけでも来た甲斐があった」
  • mizunangさん:「さて、CP+に行こう。」「samさんのセミナーセッション聞きたくて」
  • yagiさん:「思わずヘリオスター100Haっていくらだったっけ?って確認に行ったら在庫切れでホッとしましたw」
  • moleculeさん:「他数枚の中からの精鋭画像の選択で、精細さが際立っていたと思います。」
  • Sunstar24225さん:「いろいろなご考察とその成果の素晴らしい映像、本当に感動いたしました。」
  • Hiroponさん:「「Samさんマジヤバクね?」というのが第一印象(笑) あそこまで精緻な太陽面を描写できるヘリオスター100Hαはもちろんすごいのだけど、その潜在能力を引き出すSamさんがやっぱりマジヤバイw 黒点の振動なんて初めて見た。」
  • mituさん:「予想の斜め上の黒点の周期振動でございました。初めてそういったものがあるんだという驚きで、帰りの電車で「うん、実際に現地に行ってよかったな」と思ってました。」
  • NEST:AQUAさん:「太陽でもこんなにシーイングの影響があるものなんだと気付かされた素晴らしい配信でした!」
と、大反響と言っていいかと思います。「数式がない」と苦情)が来ていたので(笑)、来年もし話せるなら今度は式だらけにするかもしれません(笑笑)。

帰りの移動の途中で頑張って返事をしていましたが、新幹線でどうも寒気がして、自宅に帰ってから熱を測ったら38度で、その後3日ほど寝込んでいたので、返事を返せなかった方もいたかもしれません。申し訳なかったです。

当日会場で聞いていただいた方、ライブもしくは後日配信を見てくれた方、Xなどで感想を書いてくれた方、本当にありがとうございました。今回のセミナーはかなり盛り上がり、大成功だったと思います。

サイトロンさんには機材の貸し出しから、撮影時にも色々気を使って連絡を取っていただいたり、当日の会場準備、セミナー本番のサポートと、さまざまな面でお世話になりました。ここで改めてお礼申し上げます。

セミナーは天リフさんの協力で同時ライブ配信されました。この配信は残っているのでよろしければまたご覧ください。太陽画像の細かい違いを見るのがポイントなのですが、この配信で十分に見比べることができますし、目玉の黒点振動も綺麗に見ることができます。


残念ながら、その場の雰囲気みたいなのは配信にはさすがに残っていませんでした。その時の「オォー」とかいうようなのは、やはり現場ならではなのかと思います。Xで「黒点振動の画像を見えただけでも会場に来た甲斐があった」というような投稿もあったので、もし次回機会があれば、ぜひ会場にお越しいただき雰囲気を共有できればと思います。


今後CP+の補足記事を書く

今年のトークのためにかなりの数の新しいことに挑戦しました。少なくともこれまでブログ記事で触れていないことが以下に示すくらいあります。
  1. ヘリオスター100Hαのエタロンの応答を、実測した。
  2. 白いモヤモヤが何か判明した。
  3. 大口径太陽望遠鏡で、シーイングの時間変化を評価してみた。
  4. シーイングを分類し、画像で見比べてみた。
  5. 黒点の3分間振動が見えた。振動が広がっていく様子もはっきり見えた。 :ヘリオスター
くらいでしょうか。去年のトークで、フェニックスの撮影画像はCP+本番で初出しして、その後ブログ記事にはしていなかったことがあり、配信を見なければわからないなど、少し反省点がありました。今年は、少なくとも新しいことについては詳細を含めてブログの記事にしておこうと思っています。


写真

最後に、記録がてら撮った写真です。天文関連以外が多いです。

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この碑文を見るたびにCP+に来たことを実感します。

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奥に写っているのが去年展示されていたもので、手前が今年。

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話題のMiru MOONです。
Vixenがこういうのを出すということに意義があるのかと思います。

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セレストロンが独立してブースを出していました。
技術の方に聞いたら、赤道儀もフルラインナップで販売しているそうです。
手持ちの赤道儀もとりあえずサポートはしてくれるとのこと。

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今年も新刊の第4巻を書って、恒例のシールをいただきました。

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学生の写真部やサークルがずーっと一列で並んでいました。

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こちらは高校生。

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ポストC8になり得るのか?

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太陽望遠鏡3種。ヘリオスターはCP+直前に送り返したものです。

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相変わらずここのアルミ板への印刷は綺麗です。数十年は平気で持つとか。

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アルカスイスって、もっと細いバージョンもあるんですね。

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こういった自分の写真集を出すのってもっと需要がありそうな気がします。
見せたもらった一番安価なものはパンフレットのようなものだったのですが、
背表紙をつけて本のようにできるなら、
ずっと写真を撮ってきた人にとっては記念の本にまとめたくなると思います。

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Docとの記念写真です。

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子供が楽しめるようなものも少しあります。


今年もCP+が近づいてきました。今回もサイトロンブースにおいて、太陽について話します。タイトルは

「昼間の天体観察
〜太陽専用望遠鏡を使ってみる〜」

としました。太陽観察をしている方、太陽に興味がある方、太陽望遠鏡のことを知りたい方、是非とも会場まで足を運んでいただければと思います。フェニックスとヘリオスター100Hαを使ったので、その比較を中心にお話しします。

CP+の情報については、公式サイトをご覧ください。


セミナー情報はここから検索できます。出展社で「サイトロンジャパン/LAOWA」を選択して「検索」ボタンを押して、最終日の3月1日を選んでください。

私のトークは

3月1日(日)の15時30分から

で、サイトロンのセミナーの中では一番最後になります。

サイトロンの特設ページからもリンクが張られています。リンク先の下の方にセミナー一覧が出ていますので、スクロールさせてみてください。
 

また、天リフさんの協力で今年もセミナーがライブ配信されます。おそらく後日見ることもできると思いますので、会場に来れなかった方は是非ともYoutubeでセミナーの内容をご覧ください。


さて、今年の内容ですが、少し期待して頂いていいかと思います。

Heliostar100Hαで撮影した高分解能の画像の一部を載せておきます。
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こんな画像をどうやって撮影するのか、これまでの経験から学んだ手法を解説します。

当日は上の画像が動く様子も見せます。多分これまであまり見たことがない映像になると思います。

さらには、昨年解説したエタロンの仕組みをさらに発展させ、実際にその特性を実測した結果もまとめて紹介します。

楽しみにしていてください。



2025年11月15日(土)、久しぶりに飛騨コスモス天文台の観望会に行きました。7月の観望会以来です。12月から4月は例年雪で立ち入りできないので、観望会は5月から11月まで毎月あり、全7回の予定でした。今年は雨が多くてそもそも中止になった回が多くて、結局今年開催できたのは6月、7月、11月と3回だけでした。最後くらいはいい天気になってほしいと願っていたのですが、今年の天気の悪さを全て払拭するくらいのベストな空でした。


この日は快晴

この日は朝から太陽撮影をずっとしていていろいろ立て込んでいました。観望会への出発予定時刻は15時半頃を考えていました。休日の昼間で41号線が多少混んでいると1時間半くらいはかかるので、夕方17時頃に到着の予定でした。実際には太陽撮影でどうしてもやっておきたいことが残ってしまい、出発は16時前くらいになってしまいましたが、道はそれほど混んでいなかったので、17時過ぎくらいには到着しました。到着時はもう全面快晴で、すごく澄んだ空だったので、かなり期待できました。昼間が晴れている時はお客さんも多いので、この日はたくさん来てくれるのではと、こちらも期待していました。

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雲一つ無い、全面晴れ渡っていた空でした。


機材準備完了

11月も後半なので、17時頃だともう暗くなるくらいの時間帯です。早速機材の準備を始めました。毎回45cmドブソニアンでいろいろ見せてくれるかんたろうさんが、この日は来れないとのことなので、特に土星を見る目的で20cmのC8をCGEM IIに載せることにしました。あわよくば、観望会後にε130Dに交換して撮影を続行しようという魂胆です。あとはいつものFMA135+Uranus-C+Traverseのミニマム電視観望と、子供達に触ってもらうためのSCOPETECHです。あと、一番星探しのために星座ビノもいくつか出してテーブルの上に用意しておきました。。

準備の最中にもどんどん暗くなってきます。西の空を見上げると天頂から少し西に行ったところに一番星でベガが見えます。本当は来てくれたお客さんたちと一番星探しをしたかったのですが、まだ早いせいか誰もきていないので、一人寂しく一番星を見つけてました。

時間的には余裕があったので、CGEMの極軸もSharpCapを使い正確に合わせて土星を導入しておきます。この日は2時間ほど放っておいたのですが、センターに入れた土星はほとんどずれることなくずっと位置を保ったままでした。観望会でもこれくらい精度良く極軸を合わせる余裕があると、その後がかなり楽になります。

もう十分暗いので、電視観望でも星雲が余裕で見えます。とりあえずM27を導入しておいたので、これでお客さんが来ても準備万端です。トラブルとしては、最初M1 MacのArm WindowsでUranus-Cを見ていたのですが、どうも転送速度が遅いのか、画面の更新に10秒とかの単位で余分に時間がかかってしまいます。以前はこんなことはなかったので、これは一度昼間にきちんとテストした方がいいかもしれません。仕方ないので、この日は持ってきていたSURFACE PCに繋ぎます。最近は別途24インチモニターを用意して、対面でお客さんに見てらもらいながら話せるようにしています。


誰も来なくて不安に...

もう準備は万全です。周りもすっかり暗くなってきました。時計を見ると18時半くらいです。それでもお客さんどころか、スタッフさんも誰も来ないので、だんだん不安になってきました。そんな時、駐車場の脇で「ガサッ」と音がしました。みなさんご存知の通り、今年はドングリなどが不作でクマが至る所で出没しています。この場所も昨年の観望会中に聞いたことのない動物の鳴き声がしてすぐに撤収し、次の日に同じ場所でクマが目撃されています。不安になったので一旦車の中に退散してエンジンをかけ、ラジオの音を大きくしました。

もしかしたら、私が聞いていないだけでクマとかで観望会が中止になったのではとの考えが頭をよぎりました。


やっと人が来てくれた

結局、スタッフの方に電話したら「今そちらに向かっている」とのこと。中止とかではなく、冬場で日が短くなってきたのに夏時間と同じ開始時間なので暗くなってしまっていただけでした。スタッフさんが到着して、まもなくお客さんも来始めたので、やっとホッとしました。

この日はわざわざ愛知からきてくれるお客さんもいるということで、最初に来てくれた方がその名古屋からの方でした。昔星が好きだったが、最近また見たくなって、スタッフの方のFacebookの案内を見て連絡を取ってきてくれたとのことでした。他にも、最近また星を見るのを始めて、昔買ったというミザールの屈折を持ってきて、アンドロメダ銀河を導入して見せてくれた方がいました。この方は「アンドロメダ星雲」と言っていたので、古くからの方に違いありません。あとで電視観望でアンドロメダ銀河を見ていただいたときは「今はここまで見えるのか」と、驚愕の声を上げていました。

この日のお客さんは5-6組だったでしょうか?20人近くいた気はしますが、あまり確認できていません。天気は良かったのですが、寒いのでお客さんもそこまで集まらなかったのではないかとのことです。それでもこの日に来てくれた方たちはラッキーだったと言えるでしょう。とにかく空がものすごくきれいです。はくちょう座からカシオペアにかけての冬の淡いはずの天の川がはっきり見えています。しかも、地平線の近くまで星がくっきり見えて、透明度が全面にわたって相当良かったのかと思います。

こんな日はまだ西の空に残っている、おり姫様とひこ星様の間を流れる天の川から、はくちょうが川に沿って飛んでいる様子、ぺガススとカシオペア、ぎょしゃ座とおうし座など、秋から冬の星座の解説もしやすいですし、スバルもはっきり見えます。星座ビノをいくつか出して、こと座の三角形や平行四辺形、それと合わせた電視観望でのM57の位置確認、スバルの星数えなど楽しんでもらいます。アンドロメダ銀河は肉眼でも見えた方もいたみたいですし、星座ビノで確認している方もいました。

C8で土星を入れておいていたのも皆さんに診てもらいましたが、輪っかはほぼ見えなくなっていて、ほとんど串状態でした。ドームでも土星を入れていて、そちらでも見てもらいました。ドームの方も以前一度極軸をきちんと合わせておいたので、今は全然ズレることはないとのことです。

途中アルビレオを見たいとリクエストが出て、もう西の低空の木にかかっているアルビレオをC8で入れようとしたのですが、なぜか視野に何も写っていません。あれっ?と思って鏡筒を見てみると、補正版が完全に結露していました。冷え込んでくるとフードかヒーターが必須ですが、まだ半分夏気分で全然用意でてませんでした。


懐かしいお客さん

今回は子供がほとんどいなかったので、SCOPETECHの出番があまりなかったのが残念でした。そんな中中学2年生という、多分唯一の子供が来ていました。久しぶりに来たということで聞いたら、最初に来たのは4年前で当時は小学4年生だったとのことです。その子のお母さまと話していて思い出しました。2022年の夏に惑星はなぜ「『惑う』星なのか?」とクイズを出したご家族です。次の回にきちんと考えて答えを聞くことができたので、私もはっきりと覚えています。その時にお勧めした「チ。」も全巻読んでくれたみたいで、放送されたアニメも家族で見ていたそうです。その後宇宙に興味が出て、将来はJAXAに行きたいとのこと。夢に向かって進んでほしいです。そして将来「きっかけは飛騨コスモス天文台の観望会だった」とか言ってくれたら、こんなうれしいことはないですね。


透明度の良い空

この日はとにかく透明度が良かったので、電視観望での画像も相当見栄えがしました。

まずは準備段階で導入しておいたM27です。
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星座ビノでこと座を見ながらM57の位置を示します。
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同じく星座ビノですばるを見てもらい、電視観望でも淡い青い部分を出してみます。
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北アメリカ星雲はかなりはっきり見えました。
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網状星雲は流石に少し淡いですが、青いOIII成分も見えています。
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オリオン大星雲を見たいというリクエストがありましたが、まだ低空で東にあるラグビー場のフェンス越しでした。こんな低空でフェンス越しでも見えるくらい、この日は地平線の近くまでかなりはっきり見えていました。
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オリオン大星雲を待つ間にアンドロメダ銀河です。腕の構造がはっきりとわかります。
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やっと昇ってきたオリオン大星雲です。ランニングマンの形も皆さん認識でたようです。
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調子に乗ってバラ星雲をみたら、こちらはまだフェンス越しでした。でもこんな状態でもバラの形は十分わかります。
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最後の方で馬頭星雲のリクエストがあり、こちらも最初はフェンス越しでしたが、下の画像はすでに昇ってきた後です。ホントはこの前に長時間スタックした画像があったのですが、保存できなかったです。少し雲も出始めていて、露光時間も短かったのでちょっとノイジーです。
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22時近くになると、薄い雲がかかるようになってきました。お客さんもまだ少し残っていて、徐々にまったり会話モードになりました。この時に、上に書いた以前来てくれたお客さんのことを認識できました。お客さんとゆっくり会話できるのも、制限時間を全く設定していないこの観望会の魅力です。22時半頃には片付け始め、今年最後の観望会なので「良いお年を」と挨拶し、23時には現地を後にしました。

0時過ぎ、自宅に着いて空を見ると晴れていて透明度も良さそうでした。でも午前2時過ぎには月が出てくるのでそこまで時間は取れないと思い、片付けもせずにそのまま寝てしまいました。朝の太陽から、時間いっぱいでほぼ一日中趣味に没頭していたことになるので、ちょっと疲れ気味だったのかもしれません。


電視観望画像を処理

今回は空が綺麗で現地で見ていた電視観望でさえもかなり良く見えていたので、上の画像のうちある程度の時間(と言っても全部10分以下)スタックできたものを画像処理してみました。共通項目は
  • FMA135 + Uranus-C + CBP +トラバース
  • 露光時間 6.4秒、gain 400
です。トラバースは経緯台なので、画面の方向は適当です。口径わずか3cmで、撮影機材としては非力です。1枚当たりの露光時間も、あとで個々に示すトータル露光時間も撮影とはいえないくらい短いです。それでも、なかなかどうして、結構綺麗に仕上がります。画像処理はPixInsightとPhotoshopですが、あまり時間をかけるわけでもなく、それぞれ10-20分くらいでパッと処理したものです。

まずはM27。60枚のライブスタックで、トータル露光時間は6分24秒です。流石にこの時間では蝶の羽の部分は出ませんが、メインの部分はしっかり写っていますし、ダイナミックレンジがない割には恒星の色もそこそこ出ています。かなり拡大してクロップしています。

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M57です。元画像で写っているM57はものすごく小さいのでピクセルのジャギーが見えるほど拡大しています。さすがに無理しすぎなので、PIのRescalで解像度を上げています。それでも十分M57と認識できるくらいにはなっているでしょうか。トータル6分37秒です。
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北アメリカ星雲です。トータル露光時間は2分27秒です。こんな短時間でも、処理によってはそこそこ見えてしまうのはすごいです。
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M45 スバルです。RAWファイルを保存し忘れていたのですが、現場でかなり綺麗に見えていたのでもったいなくて、上に出した8bitのPNGファイルからの無理やりの処理です。トータル露光時間も不明ですが、おそらく5分程度でしょうか。でも、やっぱりさすがに厳しいですね。
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M31 アンドロメダ銀河です。トータル露光7分35秒ですが、こんなに出てもいいのかというくらい細部まで出ています。CBPをつけっぱなしだったので少し不利になるはずですが、それを問題にしないくらいの透明度だったといえるのかもしれません。

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最後はM42 オリオン大星雲です。トータル露光時間5分1秒です。ランニングマンもはっきりです。周りの淡いところはこの露光時間だと流石に厳しいです。
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普段は電視観望はその場で見て記録するくらいであまり画像処理はしないのですが、この日は素晴らしい空でその場で見ていてもかなり綺麗だったので、がんばって鑑賞できる程度にしてみましたがどうでしょうか?メジャー天体に限られますが、短時間で何種類も見て、あとからそこそこ見えるようになるなら、お気楽撮影としても良いのかもしれません。

こんな、下手したら数分でこんなに出るのはおかしいと思われる方もいるのかもしれませんが、これにはもちろんトリックがあって、gainを400とかなり高くしているので、短時間露光で目立ちがちな読み出しノイズが十分低減されているからです。その代わりにダイナミックレンジが相当限られてしまって恒星がサチりがちなのですが、そこは画像処理であまり目立たないように誤魔化しているというわけです。


まとめ

今年度最後の飛騨コスモスの観望会でした。これまでに無いくらいの素晴らしい空で、お客さんとたくさんやり取りしながら楽しむことができました。懐かしいお客さんも来てくれて、しかも小さかった子が大きくなっていて、宇宙に興味を持つようになったと言ってくれて、なんかとても嬉しかったです。

全然短い露光時間でしたが、画像処理もしてみました。意外にいけるので、良い空なら電視観望での画像処理を今後もやってみようかと思います。

週末天体活動の記事もこれで4つ目です。後ひとつ、日曜の活動分が残ってしまいましたが、このブログを書いている今日は金曜日で、もう次の週末が来てしまいました。明日の土曜日は天気が悪そうなので、後もう一本、先週の分の記事を書こうと思います。



11月17日からの週末の5連続の記事です。







先週末は天文関連でいろんなことがありました。まとめて一つの記事にするのは大変そうなので、順に書いていきます。

2025年11月14日(金)、自宅にお客さんが来ました。仕事で富山にいらしたmoleculeさんです。moleculeさんは「moleculeの騎行」というブログで非常に面白い記事をたくさん書いている方で、一つ一つの記事の内容がとても濃く、独自の視点で書かれています。

元々「富山に金曜に行く機会があるので、何か観望会とかあれば一緒に参加してみたい」とのことでしたが、残念ながら金曜は私も仕事があり、特別な行事もなく、「次の日の土曜なら飛騨コスモスの観望会が...」といった状況でした。せっかく四国から富山までいらしているので飲み会でもと思ったのですが、もう新月期に入りつつあるので、もし天気がいいならいつもの庭撮り撮影でもと思い、自宅にお誘いしたというわけです。

当日夕方、富山駅近くのホテルでピックアップし、途中でいつも行く「天ぷら七福」でとりあえず食事です。ここは天ぷら定食を頼むと、その場で揚げる天ぷらを順番に持ってきてくれて、いくつかの定食では富山名物の白エビを大きなかき揚げにして付けてくれます。元々カレーうどんの専門店だったのですが、いつの頃からか天ぷら専門店になり、とんでもなくお値打ちな価格で天ぷらを提供してくれる店でした。コロナと米不足などで値段がかなり上がってしまいました。それでもまだ十分お値打ちで、やっとまともな値段付けをしたと思うくらいです。白エビが安価に食べられるので、富山にお客さんが来ると、よくここに連れてきます。あ、また食レポになってしまってますね。悪い癖です。話を天文に戻します。

食事後、車で10分くらいの自宅に移動します。本当は晴れていたら能登半島の方に行って低緯度オーロラという可能性もあったのですが、事前の天気予報でもダメそうで、実際に自宅で空を見上げたら星は見えるものの、雲が多く撮影できるレベルではなさそうです。

せっかくなので、いつも撮影している庭を見てもらいましたが、ブログの写真とかで雰囲気は知ってくれているみたいで、「あー、ここが...」等ような感想でした。自宅に入って、一旦は家族に会ってもらって、すぐに玄関に戻って機材見学です。

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よく使う機材は赤道儀も鏡筒も含めて、いつも玄関に出しっぱなしです。CGX-L、CGEM II、SCA260、ε130D、C8、SWAgTiなどがありますが、写真には映ってませんが玄関の手前の廊下に置きっぱなしになっている分光器付きのFC-76を持って、私の自室に移動します。

部屋に移ってからは天文談義です。内容はSHG700をネタに最近の太陽の話が多かったのですが、moliculeさんが分光の専門家なので、かなり色々なことが参考になりました。そんなmoleculeさんもSHG700の波長分解能にはとても驚いていました。回折格子の線密度、レンズ、望遠鏡の焦点距離や口径などによりますが、アマチュアの機材でうまく分解能が出るようなパラメータを組み合わせています。

元々moleculeさんとは「moleculeの騎行」で分光器を使って天体撮影用のフィルターの透過率の波長依存性を実測した記事の時に、私が何かコメントしたので繋がった縁だと記憶しています。調べてみたら、2023年3月にXのDMでやりとりした記録が残っていました。2年半以上前のことですね。その後、画像処理などで少し助言させて頂いた縁で、他のテーマでもいろいろお手伝いさせてもらうようになり、つい最近もとある試験を一緒受けることになりました。そんな方なので、光の色に関することはかなりの知識で、天リフでピックアップされた人間の目の反応に関する記事のことも話題に出て、そのまま星雲に色がついた時の話になり、そちらも盛り上がりました。

他にも「PixInsightのWBPPでうまくいかない処理がある」というのでスタック後の画像を見せてもらいました。オリオン大星雲のトラペジウムの明るい部分の横側に、太い横線状態で暗い部分が画面端まで繋がっています。スタック前の1枚画像を見ると、そこにも細い横線が結構移っています。細い線は直感的には読み出しノイズかと思って露光時間を聞いてみると、「1秒」というので、やはり読み出しノイズかと思いました。読み出しノイズは露光時間が短いほど目立ちます。ダークノイズやスカイノイズは露光時間が長くなると大きくなり、露光時間に関わらず同じ大きさで1枚あたりに毎回写り込む読み出しノイズは相対的に目立たなくなるからです。でもこの話はそこでは終わらずに、よく見ると読み出しノイズというよりは、トラペジウム周りの明るさの反動で「横線状に太く暗く輝度が落ち込んでいる」ように見えているようなのです。これは昔のCCDセンサーではよく目立っていた「スミア」と呼ばれる現象に似ています。でもスミアは横長画像では縦方向に出るのが普通で、しかも明るい線になるのが一般的かと思います。今回のように横方向でしかも暗いスミアっぽいものというのはこれまであまり聞いたことがないですし、仮にスミアだとしてもCMOSカメラでは見たことはなかったので、少し興味が出ました。すみあと原理が同じかどうか分かりませんが、ある条件ではこのような落ち込みが目立ってしまうということになります。これまで気づいていなくて変なノイズと思い込んでいたこともあるかもしれないので、ちょっと面白そうです。

同好の士との話はつきませんが、気づいたら22時頃になってしまいました。この日はとても楽しくて、有意義な話がたくさんできました。moleculeさんとはこれまでも星まつりで顔を合わせてはいますが、長い時間顔を突き合わせて話したことは初めてでした。今日はホテル泊とのことなので、あまり遅くはならないように車で送っていきました。送る時に庭に出て空を見上げると、雲はまだありましたが透明度は良さそうで、「この空なら四国の自宅の空よりもいいのでは」とのことでした。次の日の朝もそうでしたが、ここしばらく透明度の良い日が続いているようです。お土産にいただいた四国名産のお菓子がとてもおいしかったです。富山の、しかも駅から遠い自宅までわざわざ来て頂き、どうもありがとうございました。いつか四国に行った際には、是非ともmoleculeさんのところに立ち寄りたいと思います。



11月17日からの週末の5連続の記事です。






レモン彗星が見頃を迎えています。見えるのは夕方なのですが、平日は仕事があり、最近忙しいので時間的に厳しいです。


やっとチャンスが

そんな中の10月25日、週末の金曜日でたまたま早く帰れそうな時があり、朝から快晴なので期待していました。職場を17時すぎくらいに出たのはいいのですが、空を見るとかなり曇っています。「あー、これはまたダメか...」と思いながら帰りましたが、自宅に近づくにつれ雲がなくなってきます。

「なんとかなりそうか」と思い、自宅に着いてすぐにカメラを車に詰めて、いつもの自宅から5分くらいの川の堤防に行きます。だいぶ晴れてきているのに、西の低いところにはどうしても雲があります。とりあえず三脚に自動雲台をつけて、6Dに50mmのレンズをつけて何枚か写しますが、やはり彗星は確認できません。かんむり座の下というのを目印にしますが、どうしても雲が邪魔しています。

結局何十枚か写して、彗星が写っていたのはわずか3枚でした。その中のベストショットがこれです。クリックして拡大すると、真ん中の少し左くらいに尾っぽが見えます。ベストショットというより、彗星の全景が雲に隠れずに写っているのがこの1枚だけだったということです。
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拡大したものが以下になります。4秒露光の1枚撮りなので、炙り出してもせいぜいこれくらいでした。
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105mmのレンズも持っていったのですが、導入するまもなく撃沈でした。このブログを書いている土曜日も狙っていたのですが、雨でこちらも撃沈でした。


県天例会

土曜は諦めて、夕方からは富山県天文学会の例会に前回の9月に引き続き出席しました。10人くらいは集まっていたでしょうか?

何人かの方が活動の報告をして、私も半年ぶりに夜の撮影の再開をした話と、先月の例会の時に話した太陽分光の話の続きで、太陽望遠鏡のHαの透過曲線の測定の話をしました。特に、天体撮影用のHαフィルターの透過率の話は、皆さん普通に使っている人も多いので、興味を引いたようです。それよりも、夜の天体撮影でε130Dの話をして、その迷光の話は結構反響が大きかったようです。

その際、私は光害地でもある自宅での撮影なのですが「光害地のような明るい場所では、明るい鏡筒と暗い鏡筒どちらが有利か?」というクイズを出したのですが、ノイズのことを考える良いきっかけになるのかと思います。ブログを読んでいる皆さんはすぐに答えと理由はわかりますでしょうか?特に、撮影の場合と眼視の場合ではどうでしょうか?

さらに「光害地では冷却カメラに効果があるかどうか?」というクイズを出しました。これもすぐに答えは出ますでしょうか?

こんな話をしていると、「昔の『光年』(富山県天文学会の会報)には研究っぽい話がたくさん書いてあった」とかいう話になりました。我々のローカルグループの名前には「学会」と入っていますが、基本的には富山の星好きが集まったアマチュアのグループです。でも「『学会』の名に恥じないように活動していこう」とかで締めとなりました。活動としてはもう50年以上も地域の観望会を定常的に続けていて、会として継続的にとても頑張っているのかと思います。


科学博物館の観望会

例会のあとは、毎週科学博物館で行われている観望会に顔を出しました。と言っても、この日は天気が悪いので室内で学芸員さんによるお話です。ちょうど話が終わったくらいで辿り着いたのですが、ちょうどレモン彗星の話だったとか。

前回の例会の時に来ていた女の子とも再会することができました。神岡の道の駅にある「カミオカラボ」をお勧めしておいたのですが、お父さんに連れて行ってもらったみたいで、面白かったみたいでした。「また岐阜行きたーい」とかお母さんにねだっていました。このご家族、近くに住んでいるので観望会に毎週参加しているとのことです。この日はなんと科学博物館にサイエンスラボ、プラネタリウム、観望会と3回も来ているそうです。まだ小学1−2年生くらいでしょうか、将来も星好きでいてくれると嬉しいです。


今年の夏から秋にかけて、県天  (私の所属する富山県天文学会、ただし学会といってもアマチュア天文家が集まる地域のグループです) の行事の一環で、いくつか観望会がありました。高岡での観望会以降、観望会当日の天気があまり良くなかったこともあり、あまり記事にしてこなかったのですが、ここで一度まとめておこうと思います。


8月8日(金): とやまスターウォッチングat富岩運河環水公園

毎年恒例になっている、環水公園での観望会です。富山県の主催になります。県天はその中の協力団体として参加しています。下は昨年の様子です。


今年はというと、天気がかなりイマイチでした。暗くなりかけの最初の頃はまだ晴れていて、一番星見つけごっこや、月も見えていて、まだ明るいうちからM57を入れて見せたりしていましたが、程なくかなり曇りだして、あまり見えなくなりました。途中雲間から月が時々見えたりしたくらいで、あまり書くことがなく、記事化も見送っていました。

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それでもこの観望会は、環水公園という駅近くで、駐車場も無料で、比較的お客さん、特に子供が多く参加してくれます。富山は基本的に車生活なので、駐車場がないと子供連れではなかなか参加できないのかと思います。富山大学や富山県立大学の天文部などの学生が望遠鏡を出してくれるのも特徴です。地元で若い天文好きの人と交流できる数少ない機会なので、必ず話しかけるようにしています。毎年電視観望を見るのを楽しみにしてくれる学生もいます。もう少し天気が良ければと思ったのですが、これもまた観望会あるあるで、終了時間が来て片付け終わって空を見たら、広い範囲で晴れ渡ってていました。でも22時になると駐車場が閉鎖されて出られなくなってしまうので、21時半頃には退散となりました。また来年に期待したいと思います。


8月30日(土) 高岡での地域観望会

県天主催ではないのですが、県天メンバーの一人が主催となって、地域で開催した観望会になります。主催のメンバーから直接、お手伝いを頼まれたので、参加してきました。場所は高岡のちょっと山に入ったところです。山間部にいくつか集落が点在していて、主催の方もそこで生まれ育ったとのことです。お客さんは、集落の方、主催者の知り合いの方、子供も多く参加していました。子供達の多くは集落の子というわけではなくて、街の方でも宣伝したのでおそらく街の方から来ているとのことです。

この日は天気も良く、望遠鏡は大型のドブソニアンをはじめ、5−6台は出ていましたでしょうか。私はいつもの電視観望と、眼視でスコープテックを自由にいじってもらいました。街からそれほど離れてはいないのですが、天の川がうっすら見えているので、多くの人が集まる観望会としてかなり好条件なのかと思います。この観望会はこれまで継続して開催されてものかと思っていたのですが、なんと今回が初めてとのことでした。主催の方がこの地域で顔が利くらしく、いろいろなツテを辿って今回の開催にこぎつけたとのことです。県天の中では私の後に入った比較的新しい方なのですが、こうやって熱心に活動しているのを見ると私も刺激を受けます。

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参加者は老若男女、たくさん来てくれていた印象です。空がそこそこ暗いのでドブソニアンでも見栄えがしたはずで、皆さん楽しめたのではないかと思います。私も電視観望で天の川の形を見せたり、M13、M31アンドロメダ銀河、M27亜鈴状星雲、網状星雲などを見せることができました。

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途中土星が上がってきたので、各種望遠鏡で見比べることもできました。私の持ってきたスコープテックは口径も小さく、手動導入の経緯台のシンプルな構成ですが、二つ穴ファインダーを使って小さな子でも「自分で操作できる」という特徴があります。「自分で導入して見る」土星は、実際操作してくれた子にとってはまた格別なのではないかと思います。


9月20日(土) 県天例会と富山市科学博物館での観望会

県天の例会が、富山市科学博物館の会議室で夕方から開催されました。この形式の例会は今年度から始まったのですが、土曜日にしたのは理由があって、夜に科学博物館主催の観望会が毎週あり、例会終了後に、県天メンバーがそのままボランティアで観望会を手伝えるようにするためです。

例会は、出席した会員の近況報告が主です。私は最近ずっとやっている太陽分光について報告しました。「用事があるので途中で抜ける」と言っていたメンバーの一人が、学生の頃に銀河を分光で見ていたそうで抜け出る時間を遥かに越してしまって、急いで出て行きました。「面白すぎて抜けられなかった」とのことです。

例会終了後は観望会でしたが、外を見ると雷鳴が轟く雨でした。それでも毎回来るというお客さんが4-5組ほど来ていていました。こんな日は観望ではなく、室内で学芸員さんがその時期に相応しい話をしてくれます。この回は「秋分の日」についてでした。日の出と日の入りの違いや、それで昼間と夜の時間のバランスが崩れ、ぴったり12時間ごとにならないなど、普段あまり気づかない話をしてくれました。メインで来ている小学生くらいの子供には少し難しいのではと思いましたが、子供達はそれぞれ自分なりに反応していて、ワーワー騒ぎながらもきちんと話を聞いていました。やっぱりこういうことが好きな子は、こういうところで育つのだと、改めて思いました。

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県天としては、科学博物館の毎週の観望会にボランティアでの参加を長年続けています。今後も続けていくことになるかと思います。地域住民への貢献の一環としてとてもいい取り組みだと思います。私も時間のある時は今後も参加しようと思っています。


9月26日(金) 富山ブールバールプレミアムナイト

富山駅北口にブールバールという通りがあり、毎月月末にプレミアムナイトというイベントが行われています。イベントの主催者の方が県天メンバーと知り合いで、イベントに望遠鏡を出せないかと依頼があったそうです。今回初めて頼まれたということで、あまり参加者がいなくて特に電視観望を希望ということだったので参加してきました。

駅前の大通りで、とても明るく、周りのビルが高いこともあり視界もあまり広くないので、決していい場所ではありません。それでも土星も出始めてますし、夏なら天頂近くに電視観望で見やすい星雲などもあるので、天気さえ良ければ十分楽しめるはずです。でも、天気予報が冴えなかったこともあり、県天からは結局Sさん、Yさんと私の3人が参加しただけでした。実際最初から曇りで、途中雨もパラパラと降り、機材にカバーをかけて待っていたりという状況でした。

途中、時間を持て余しているので、せっかくのイベントということでたくさん出ているキッチンカーで適当に買い込んで夕食です。というのも、富山でこういったイベントに参加するという数少ないチャンスで、妻も仕事終わりに立ち寄ってくれました。わざわざ外飲みするためにバスで通勤して、帰りは私の車に乗っていくという寸法らしいです。同じテントで隣のテーブルに座った人たちと話したり、途中向かいのキッチンカーの店長さんが望遠鏡を見にきて、その間に来ていたお客さんに「おーい、ここだよー」と気づいて急いで駆けていくとか、イベント自体を楽しむこともできました。

空はほとんどだめで、途中雲の隙間から何度か星は見えたのですが、せいぜいそれくらいでした。東の空は比較的晴れて、イベントの終わりの方で土星が見え始めました。21時の終了の20分前くらいになってやっと天頂方向も晴れ、最後にM27亜鈴状星雲を入れて、少しだけ見てもらい、その日は終了となりました。
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10月3日(金) 富山駅前ゲリラ観望会

前週のブールバード観望会とは反対側の、富山駅の南口で開催れたゲリラ観望会です。「ゲリラ」の名のごとく、アナウンスなどは全くなし(笑)で、突如開催されます。

ターゲットは駅を利用する人たちで、特に星に興味があるわけではない一般の方たちです。金曜夜なので、サラリーマンや学生、観光で富山に来ている人などもいます。外国人が結構多いのも特徴です。南口は大きなバスターミナルがあり、富山で随一の人通りの多い場所です。駅前で当然明るい場所なので不利なのですが、多くの人に見てもらう目的で毎年開催していて、かなり好評なので昨年から春と秋の年2回開催しています。

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春のゲリラ観望会は桜が綺麗でした。

そういえば、今年の春のゲリラ観望会は天気が悪くてブログ記事にしていませんでした。曇りでほとんど何も見えなかったので、星に関してはほとんど記憶に残っていないのですが、その場でiPhoneでネットに繋ぎ、このブログから画像をダウンロードしてスライドを作り、それを24インチモニターで見せていた覚えがあります。
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スラドイドを流し始めてからはあまりやることがなくて、おなかも空いたので駅のセブンイレブンに行って最後ひとつ残っていた肉まんを買いました。観望会会場に戻っていざ食べようとしたら、会場で少し話していた小学生の女の子が私の肉まんを見て、お母さんに「わたしも肉まん食べたい!」と言い出しました。「え、でもこれ最後の一個だったよ」と何気なく言ったのですが、どうしても食べたかったらしく、よほど悔しかったのか、私は「肉まんの人」と認識されてしまったらしいです。

その子が今回の秋のゲリラ観望会にもきてくれていて、私自身ほとんど忘れていた「肉まん」のことを教えてくれました。食べ物の恨みは恐ろしいということです(笑)。

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実はその女の子は、今回ゲリラ観望会を企画した県天メンバーSさんの知り合いで、この子が通っているバイオリン教室の先生に、今回ゲリラ観望会会場でのバイオリンの生演奏をお願いして、演奏会と観望会のコラボと相成りました。天気はずっと曇りで、星も月も何も見えなかったのですが、この演奏会とのコラボは大成功で、多くの人が足を止めてくれました。

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この日は、何日か前の予報では一日中快晴、当日朝の予報でも北陸地方は晴れとなっていたのですが、実際は朝からずっと曇りで、雨こそ降りませんでしたが、観望会会場に着いても全面が雲で全く晴れそうな気配はありませんでした。Sさんから「天気がダメそうなので、前回のスライドを流してもらえませんか?」と頼まれました。私の方も一応天気が悪かった時用に24インチモニターを用意してスライドを見せればいいかと思っていましたが、Sさんから「プロジェクターがあるので、それに表示しましょう」という提案がありました。これは大成功で、小さなモニターよりも全然迫力があり、多くのお客さんに写真を見てもらうことができました。

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このスクリーンは裏からもみることができます。
両側からアピールできるのでかなりいいです。
ただし文字が裏返るので、文字は少なくしたほうがいいかもしれません。

19時からの生演奏が始まってからも、そのままスライドは流していて、大きなスクリーンでの天体画像は、素晴らしい演奏とバランスも取れていて、会場全体がいい雰囲気になっていたのかと思います。演奏ではかなりの曲数を弾いてくれて、その後一旦休憩をとり、2回目の講演までありました。演奏が始まると多くのお客さんが足を止めてくれます。演奏終了後も望遠鏡や天体画像に興味を持ってくれる人もいて、天気は全然ダメでしたが、人通りが多く明るい場所ではこんな形態も十分ぶんアリではないのかと思いました。

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そういった意味では天気に関わらず大成功だったのかと思います。でも、本来見えるはずの月や土星や星雲など、本当に見たかったと残念そうにしているかたもたくさんいて、次回こそは天気に期待したいです。


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