ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 星景・星野

少し前に網状星雲をDBP(Dual BP Filter)で撮影し、かなり青いところが出てきたことを記事にしました。



今回、星フェスの記事はちょっとお休みで、少し前に画像処理を済ませていたDBPで撮影したハートと胎児星雲のまとめです。DBPでの2例目になります。 


セットアップ

対象はハート星雲と胎児星雲。FS-60CBとフルサイズ一眼のEOS 6Dで二つぴったり入る画角になります。

機材のセットアップと言っても、実際には前回の網状星雲と全く同じです。それもそのはずで、網状星雲が西に沈んだその後、まだ高い位置にあるハートと胎児の両星雲をそのまま導入し直すだけです。なので今回の記事は書くことがあまりありません。

今回は7時間と長く撮影したので、ノイズも少なく画像処理がかなり楽でした。DBPがよく働いてくれて、Hαも一枚撮りで見てもかなり出ています。


画像処理と結果

画像処理は、まずはいつも通りPIでWBPPです。Cosmetic Corectionを外したのがいつもと違うところくらいでしょうか。でも大勢には影響がないはずです。フラット補正もうまく当たっているようで、背景もABEを1次でかけただけで、DBEもかけてません。PCCはさすがにちょっと変なけっかになりますが、恒星は擬似的に最もそうな結果にしてくれるのかと思います。その代わり星雲を含む背景はどこまであってるか分からないので、適当に補正します。基本赤が多いので、のっぺりならないように、特に青を、加えて緑も強調してやります。

結果ですが、以下のようになります。

「IC1805: ハート星雲とIC1848: 胎児星雲」
masterLight_Rsmall_ABE_crop_SCNR_ASx2_HT

  • 撮影日: 2021年10月30日1時15分-5時2分、10月31日0時57分-5時2分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi FS-60CB(f355mm) + マルチフラットナー(f370mm)
  • フィルター: サイトロン Dual BP Filter
  • 赤道儀: Celestron Advanced VX
  • カメラ: Canon EOS 6D (HKIR改造)
  • ガイド: f50mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: BackYard EOS、ISO1600、露光時間300秒x83枚 = 6時間55分、bias: ISO1600, 1/4000秒x100枚、dark: ISO1600, 300秒x76枚、flat: ISO1600, 1/100秒x128枚、flatdark: ISO1600, 1/100秒x128枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

7時間の露光のせいなのか、かなり淡いところまで出たのかと思います。胎児のオナラとプンプンもよく出てます。ハートの背景の淡いところもそこそこ出ています。富山は町が北にあるために北の空はいつも不利ですが、ハートと胎児はかなり北の空に近くなります。それでも光害をあまり気にせず撮影できるDBPは相当強力だと言わざるを得ません。

おまけのAnotationです。
masterLight_Rsmall_ABE_crop_SCNR_ASx2_HT_Annotated


星と自然のフェスタにて

実はこの画像、星と自然のフェスタの直前には仕上がっていて、Twitterではすでに公開していました。星フェスの準備とブログ書きなどで、結局記事にするのが今になってしまいました。

その小海の「星と自然のフェスタ」で何人かの人にDBPで撮ったと言って見せたのですが、かなり好評でした。と言っても、シュミットブースのところでDBPを買おうか迷っている人とかなのですが、後押ししてしまったのかもしれません。自己紹介用のネームプレートをつけていたので、何度か店員さんと間違われてしまったようで「これいくら?」とか聞かれてました。「いえいえい、私はただの客です」と答えるのですが、それくらい星フェスでのDBPの注目度は高かったです。


まとめ

今回はDBPで富山の北の空でも十分に結果が出ることを示すことができました。これまで北の空はほとんど諦めていたのですが、道が開けたような感じがします。今後もDBPに適した天体があればどんどん撮影していこうと思います。


2021年2月12日(金)の週末、とうとう念願の能登半島の真脇遺跡に行ってきました。

金曜夜に突然思い立って

そもそも真脇遺跡の存在を知ったのは「君は放課後インソムニア」という天文ネタのコミックです。

この日は夜に突然思いたったのですが、いくつか理由があります。ちょうど新月で撮影したいのですが、天気が微妙です。この時期実はまだSh2-240を撮影している歳ちゅでしたが、晴れなのに結構雲が多そう。特に前半がダメそうなのです。Sh2-240は0時すぎ頃に屋根の下に沈んでしまうので、この日の撮影は無理そうです。SCWで雲の予報を見ると、明け方の天の川が出ることには能登半島はほぼ快晴の様子です。もしかしたら今から出ればちょうど能登に着く頃には晴れているのではとの見込みで、それならいっそ真脇遺跡まで行ってみようとなったのです。


真脇遺跡に向けて出発

今回は星景写真ですなので、準備も楽です。さっと準備を済ませ、21時過ぎに出発。休憩も入れて約3時間の道のりです。しかも富山から能登空港までは元々有料道路だったものが無料になった道が大半で、運転しやすく、移動時間もかからず、しかも無料。途中コンビニなどで夜食を買いながら、のんびり行っても0時過ぎには到着しました。

初めての場所なのですが、真っ暗で誰もいません。どこまで車で入ったらいいのか?本当にこんな時間に遺跡まで寄って行っていいのか?こんな時間に誰かに聞けるわけもなく、とりあえず調べたら普通に近寄って行っていいみたいなので、カメラをセットしてみました。ここら辺でやっと目も慣れてきて気づくのですが、天頂は満点の星なのですが、地上近くは割合ライトも多く、思ったより明るいです。なので、ライトが遺跡でうまく隠れるような配置にすることにしました。明け方前の天の川が一番の狙いなので、天の川が一番濃い南東を中心にしました。でもこれちょっと判断ミスで、後で見返したら、この時期は天の川が上がってくる途中で意外に早く明るくなって染むので、もう少し中心を真東に寄せて、淡くても高くに上がる天の川を狙ったほうがいいと思いました。

とりあえず誰もいなさそうなので、タイムラプス映像を撮影することに。撮影中に気づいた限りで車が2台通っていっただけでした。撮影のその間、仮眠を取ろうとしたのですが、結局眠れたのは30分くらい。気になってなかなか眠れませんでしたが、明け方まで誰も来ませんでした。

撮影できた3時間半分のタイムラプス映像。一応その場で確認してみると、天の川もチラッと写ってます。でもやはりまだ2月は早すぎるかもしれません。ちょっと上がってきたところくらいで明るくなっていました。やっぱりタイムラプスで撮影する時はカメラは2台あった方がいいかもしれません。でも広角のレンズで明るいものをたいして持っていないので、もう少し考える必要があります。

明るくなった午前6時ごろ撤収。油断すると自宅に着くのが遅くなるので、どこにも寄り道せずに帰りました。帰宅したのは午前9時頃でしょうか、そのまますぐにベットに潜り込んで昼過ぎまで寝ていました。


撮影結果

その後の撮って出しと、PixInsightでJPEG画像をそのままBlinkで動画化したものはTwitterにその日のうちにアップしたのですが、その後の真面目な画像処理はずっとほったらかしていました。重い腰を上げてとりあえず進めます。

下は、明るくなり始める直前で、一番天の川が高く写っているものです。タイムラプス映像の中から選んで個別に画像処理してます。

IMG_1536_PS

  • 撮影日: 2021年2月13日5時39分
  • 撮影場所: 石川県能登町
  • カメラ:  Canon EOS 6D(HKIR改造)
  • レンズ: Samyang 14mm F2.8
  • 撮影: ISO6400、露光時間20秒 
  • 画像処理: Lightroom、Photosop、PixInsight、

タイムラプス映像

もう一つは午前2時30分から朝6時までの約3時間半のタイムラプス映像です。

こちらは楽をしてJPEG画像をPixInsightのBlinkでオートストレッチしました。LightroomでRAW画像から色々いじったのですが、途中どこかの街灯が消えたかついたかで、大きく背景の明るさが変わる境目がありました。それを何度も処理するのが大変すぎて、今回はオートストレッチである程度自動で明るさを揃えることで済ませました。

それでもDIGICエンジンは十分な表現力です。JPEG画像なのに、ほんとにオートストレッチするだけで十分でした。天の川の描写は甘くなりますが、滑らかさとか考えて今回は簡易的な方法をとりました。



撮影後のこと

後日談です。撮影中にTwitterに真脇遺跡に来ていることを投げていたら、「スピリッツネタ?」という投稿がありました。真脇遺跡でスピリッツというともう「君は放課後インソムニア」しかありません。でも私はコミックでまとめてしか読んでなかったので、間が開くのも嫌で、その時は「コミックで読みます」とか返事をしていました。

自宅に帰って、仮眠してから起きてみると仲のいいかんたろうさんから「今週のビッグスピリッツ見よ!」との指令が。「では今から買ってまいります!」とか返事をしてコンビニに何軒が行くが、もう売り切れでした。近くの本屋に行くと幸運なことにまだ残っていたので、その場では中身を見ずに自宅に帰ってから最初から読みました。

最近雑誌を買うことがほとんどなくなってしまったので、週刊の漫画雑誌を読むのは久しぶりでした。学生の頃は昔は立ち読み含めてほぼ全種類読んでいたのですが、久しぶりでちょっと新鮮でした。400円という値段にも驚きました。チラッと週刊少年ジャンプを見ると290円、子供の頃170円だった記憶があります。マガジンは昔と変わらずジャンプの10円プラスの300円、サンデーに至っては340円。今の雑誌は値段だけを見ても大変なのかと思います。ちょっと脱線しますが、最近読んでる単行本もスピリッツのものが結構多いと気付きました。「チ」とか「プラタナスの実」とかです。あと、アフロ田中がいつのまにか結婚してました。
さて、とうとう「君は放課後インソムニア」のページにたどり着きました。おお、なんとセンターカラーで真脇遺跡!チョーかっこいいです。しかも内容的にも盛り上がるところ。作者のオジロマコト先生が真脇遺跡をここに持ってきたかったわけがすごくわかる気がします。満天の星と太古からの遺跡の神秘的な雰囲気、他に誰もいない状況がいやが応にも気分が盛り上がります。連載と同じ、夏の真夜中に、真上に上天の川の季節に行きたかったです。

IMG_1879


まとめ

真脇遺跡、実際に行ってみてものすごくよかったです。夜中に見たからかもしれませんが、ホントにもうなんか地球の歴史だとか、時間の流れだとか、宇宙の大きさだとか、色々感じてしまいました。

もう少し経ってから、あと何回か行ってみたいと思います。人が多くなると思うので、タイムラプスは難しいかもしれませんが、天の川をもう少しいい位置で撮ってみたいです。石川は他にもキャンプで行った見附島とか、ボラ待ちやぐらとか、「君は放課後インソムニア」にも出てきた天の川スポットがあるので、通い甲斐があるというものです。

さてさて、この時の週末は金曜の夜から活動してましたが、満足して疲れ切って帰ってきてもまだ土曜の朝なので、休みが長く感じます。まるで3連休のような気分でした。私は自宅撮りや車で1時間程度までの近征が多く遠征はあまりしないので、久しぶりで楽しかったです。


以前撮影して画像処理に色々悩んでいた夏の星景写真です。今でも迷っていて、ずっと放置してしまっていたのですが、このままお蔵入りするのも惜しかったのと、少し時間があるので記事にすることにしました。

木曽シュミットを中心に天の川を撮影したものです。天体ドームと天の川はこの上なく相性ぴったりで、一度はきちんと撮影してみたいと思っていました。この日は一般公開の日で、透明度の高い夜で、クッリキと2本に見える綺麗な天の川に巡り会えました。個人的にはある意味フルサイズのカメラと、安いなりにも広角のレンズでちゃんと取り組んだ初の星景写真とも言えます。

流れ星が写り込んでいるのが2枚です。ペルセウス座流星群ちょっと前なので、流星もそこそこ見えるような時期でした。

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縦長の構図と、同日の北側の天の川で星野に近い構図になります。

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実は画像処理自体はずっと前に終わっていて、2ヶ月くらい経って改めて見ているのですが、黄色から黄緑、青を経ていくものはもう少しおとなしくしても良かったと今になって思います。処理している最中は正攻法はわざとらしくなるので嫌でしたが、撮って出し画像の印象が薄れている今となってはわざとらしさが気にならなくなり、正攻法もありかなとも思えます。でもまあ以前の処理のままで何もいじらずに載せておきます。もう少し経験と時間が必要でしょう。

あと、来年の天の川はソフトフィルターを使ってみたくなりました。

最後に、タイムラプス映像です。ドームがピョコピョコ動く様子が面白いです。



新月期に向かう週末の2018/10/3、晴れていて透明度もよさそうだったので、車で20分くらいの近場の撮影スポットに向かいました。5月にアンタレス付近を撮った場所です。今回は撮影モードなので珍しくNatsuもついてこなくて一人で出発です。

現場に到着して、まずは秋の天の川が綺麗だったので少しだけ撮影しました。EOS 6DとSAMYANG 14mm F2.8でのISO3200、30秒の一枚撮りです。今回はLightroomでのみの処理です。最近星景写真はPhotshopいらずです。一枚撮りなのでスタックとかしないですし、あまり強調処理もしないので、Lightroomで閉じてしまい、かなり楽です。

今回2構図撮影しました。一枚目は西側の沈んでいく天の川です。下の道路が入らない構図もとったのですが、車の光の軌跡が面白かったのでこちらを採用しました。山を抜けて、富山の街(右手側)に行くに従って明るくなっていくのがわかります。

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撮影地: 富山県富山市伏木, 2018年11月2日21時42分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC、Lightroomで画像処理 


次は逆の東側の天の川です。「昇り来るすばる」といったところでしょうか。すばる、アンドロメダ銀河、カリフォルニア星雲、左のほうにはハートと胎児星雲もうっすら写っています。結構な範囲で星座も写っているので、これまで試したことのないソフトフィルターでの明るい星の強調も試してみたくなってきました。 

20181102-IMG_2080_cut
撮影地: 富山県富山市伏木, 2018年11月2日21時46分
EOS 6D(HKIR改造, ISO3200, RAW), 露出30秒、固定撮影
SAMYANG 14mm, F2.8  IF ED UMC、Lightroomで画像処理 



少しノイズが多いので、ポタ赤で何枚か重ねるという手も試してみたくなりました。次の記事とかで書きますが、AZ-GTiの赤道儀モードは長焦点だと少し問題がありそうなので、ポタ赤がわりというがちょうどいいくらいかもしれません。

富山の街明かりで北の空は流石に厳しいのですが、自宅から車で20分でこれくらい撮れるので、まあ満足です。






お寺観望会のあと、思ったより天気が良かったのでと、夏休みでは貴重な新月期なので、前回の月食に引き続き、娘のNatsuの自由研究のお手伝いで、国道沿いの光街調査をしました。お手伝いといっても私は車を出すだけ。基本的には自分で全てやっているみたいです。やっていることは単純で、カメラを同じ設定にして決まった領域を、車で移動しながら撮影し続けるだけです。でもこれ、手伝うだけにしてはものすごく面白い結果になりそうです。

機材はNatsuの愛機EOS Kiss X7。三脚に乗せるだけです。設定は焦点距離18mmでF3.5、ISO3200で20秒露光。自宅を含む、明るい北の街側、暗い南の山側の計5カ所で、天の川近辺を撮影します。Natsuが頑張って解析していますが、駅からの距離と明るさ(今回はたて座とわし座の間のCの字の中の星がない部分をPSで測光)の関係をグラフにすると、物の見事に比例関係が出るようです。しかもこんなに明るさが変わるのかと、ある意味私も衝撃でした。まだ結果をまとめている最中のようなので、写真だけちょっと載せておきます。JPEG撮って出しをくっつけただけです。意外なほどの明るさの違いに、多分天文をやっている方でも驚くかもしれません。私はちょっと驚きました。

all

直線距離で20kmくらいの違い、車で走ったら30分くらいの距離の間にこれくらいの明るさが変わります。最初はカメラだとサチルくらい明るく天の川が全く見えないところから、撮影にはちょっと暗すぎるくらい、目で直接余裕で天の川が見えるレベルにまでなります。



実はこの一週間くらい前に、自宅庭で月明かりと天の川の見え方の関係を比べるために、30分おきに20時くらいから午前3時半くらいまでずっと南の空を同じ設定で撮り続けていたみたいです。私はすぐに寝てしまったのですが、最後は妻がうるさいと怒り出して撮影はストップさせられたらしいのです。この結果と比べていると、もっと面白いことがわかりました。

まず、この日の月の出が23時くらいなのですが、それまでは街の明かりが徐々に暗くなるのでしょう。画面の明るさも時間と共に徐々に暗くなります。その後、月が出るとおそらく月の明かりが支配的になり、時間が変わっても明るさは一定になります。その後、Cの字が徐々に西の方に行くと、西側にある街灯の明るさが支配的になるためでしょうか、時間と共にまた徐々に明るくなります。明るさの変化が3つの直線で説明できそうです。おそらく月が出ていない場合は2本の直線で説明できるのかと思います。

何故こんなことをわざわざ書いたかというと、今回場所を変えて測定するときに、一番最初に自宅を撮影しておいて、2時間くらいしてから自宅に戻って来たときに比較のために再度撮影しておいたのですが、その2枚に優位な差があり、後から取った方が明らかに暗かったからです。そこで、その前に撮影していた時間変化のデータを改めて見てみると、時間差で変わる明るさで、その2枚の明るさの差が説明できそうなのです。

今回の光害測定の結果が面白そうなので、出張帰宅後に無理やり付き合わされた皆既月食の観察はボツになりそうですが「あれは予備だからいい」とのことです。自由研究がまとまったらまた娘に昨年のようにレポートを書いてもらおうかと思います。

今年も娘に色々引っ張り出されましたが、自分で色々面白そうなことを考えているみたいです。お年玉で買ったカメラもちょっと贅沢かと思っていましたが、十分使いこなしています。少なくともX7の使い方は私よりもNatsuの方がボタンの位置とかはるかによく知っていて、たまに触らせてもらうときは私の方が大抵使い方を聞いています。

Natusの自由研究の方は見通しも立っているようなのですが、問題は小6のSukeです。此の期に及んでまだテーマが確定していません。今日半べそをかきながら「どうしたらいいかわからん」と悩んでいました。いったん決めた植物の成長をやめてSCRATCHをすると決めたのに、普段遊びまくっているSCRATCHではなかなか研究にならないというのが悩みみたいです。なのでとりあえずインゲンのタネだけ買って来て、育つ間にSCRATCHで自由研究をやっておいて、うまくインゲンが育って成長の差を見ることができたらそちらにすればと言って、やっと落ち着いたみたいです。でも明日は朝から北陸最大のプールに行きます。疲れ果ててまた何もできないでしょう。


先日の馬頭星雲と燃える木ですが、この間志摩で一緒だったAさんのFacebookでの投稿に刺激され、淡い上品な表現を目指したくなりました。それでも暗くなってしまうのを避けたいのもあり、今まで手をつけていなかった、星マスクに挑戦してみました。

先に出来上がった画像を示しておきます。前回の画像と比べてもかなり趣が変わったのと、恒星の飛びが抑えられているのがわかると思います。

HORSE_7c_20171128-00h09m_x34_kb_masked_PS_photo_ps



Steller Image8でのダーク減算、フラット補正、ホット/クールピクセル除去、コンポジット、レベル補正、デジタル現像までは同じなので、SI8からPhotoshopに受け渡したところから始まります。

まず、星マスクの作り方ですが、ホームページを漁るといくつか出て来ますが、どうやらよっちゃんさんが源流のようです。ここのページも合わせてみると理解しやすいかと思います。流れとしては
  1. 元画像から恒星以外の星雲を消し去って白黒反転させたマスクを作り
  2. そのマスクをアルファチャンネルに登録する
  3. マスクを加工しながら、適用範囲を調整する
  4. 元画像を白飛びを気にせず思う存分加工する
というような順序で実現するようです。

基本的には上記ページに従うのですが、私がやった過程も書いておきます。


マスク画像の作成1: 微恒星のマスク

  • まず、Photoshopで開いた元の画像を全選択してからコピーして、それをペーストして別のレイヤーを作ります。
  • ペーストして作ったレイヤーを「フィルタ」の「明るさの最小値」で2ピクセル程度に設定して適用します。ダスト&スクラッチでぼかしすのもいいようです。どこまで微恒星を残すかによるのですが、私の場合は後者の方がうまくいったようです。
  • そのレイヤーを「差の絶対値」として表示すると恒星のみが残ります。この際、大きな恒星は表示されないので、後で別にマスクを作ります。
  • これをグレースケールに変換します。その際下の画像と統合かと聞かれますが、統合しないと次のレベル補正がうまくいきません。
  • 一部星雲が残っているところはレベル補正で消します。
  • これを「階調反転」します。
  • さらに適用範囲を微調整するために、ガウスぼかしを0.5~1ピクセルくらいで適用します。
  • これをマスク画像1としますが、上の調整は適時行います。
IMG_3200



マスク画像の作成2: 大きな恒星のマスク
  • 再び元の画像開いて、これをコピーしてペースとして別のレイヤーを作ります。
  • 同様に「フィルタ」の「明るさの最小値」で恒星の大きさに合わせて5〜20ピクセル程度に設定して適用します。
  • その画像そのものをグレースケールに変換します。下の画像と統合かと聞かれます上と同様に統合します。
  • 一部星雲が残っているところはやはりレベル補正で消します。
  • これを「階調反転」します。
  • さらに適用範囲を微調整するために、「フィルタ」の「明るさの最小値」で恒星の大きさに合わせて5〜20ピクセル程度に設定して適用し、ガウスぼかしを10~40ピクセルくらいで適用します。
  • これをマスク画像2としますが、これも適用範囲を見ながら随時調整します。
IMG_3201


マスク画像の適用
  • マスク画像1と2を統合して、全選択してからコピーします。
IMG_3202

  • もとの画像を開き、「チャンネル」タブを選択し、一番下の「新規チャンネルを作成」というアイコンをクリックします。できたアルファチャンネルを選択して、そこに先ほどのマスク画像をペースとします。
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  • 一番下の「チャンネルを選択範囲として読み込む」アイコンをクリックするとマスク画像が適用状態になります。同じチャンネルタブのRGBを選択状態にすると、マスクが適用されたもと画像をいじることができます。
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  • あとは、普段なかなか思いっきりあげられない露光量や無理なレベル補正も思いのままです。
  • もし思ったっ通りにマスクが適用されていない場合には、アルファチャンネルを調整することで適用範囲を調整することができます。私の場合さらにレベル補正でもっと黒塗り部分を濃くすることでマスクの適用を強調したり、思ったより大きな恒星があったので、さらにガウスでぼかしたりしました。
いろいろやっていて思ったのですが、HDR用に3秒程度の撮影を毎回しているのですが、それをそのままマスクとして使っても楽なのではと思いました。

さて、できた画像が一番上に示したのものです。前回上部が赤カブリ、下部が少し緑カブリだったので、それも補正しました。ホワイトバランスもあまり崩れないようにしました。何よりピンクというよりは上品な桃色をめざしました。かなり印象が変わったのと、前回より時間をかけたので丁寧な仕上がりになっていると思います。自宅の庭でここら辺までできるのなら、自分的には結構満足です。こうなってくるといつでも撮影できる天体ドームが欲しくなってきます。天文趣味は本当にキリがないです。

星マスクは敷居が高く感じていたので、なかなか手が出せなかったのですが、やってみると思ったほど難しくは感じなかったです。むしろ明るい星の飛びに悩んでいたのですが、その効果は絶大なので、もっと早くにマスターしておけばよかったと思うテクニックです。






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