ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:観測・撮影 > 星団・星雲

Xで少し触れたのですが、馬頭星雲と燃える木星雲の色の違いについて調べてみました。


昔からの疑問

下の画像は以前撮影したものですが、馬頭星雲と燃える木星雲で明らかに色が違っています。カラー撮影なのですが、一応ワンショットナローバンドフィルターを使っています。フィルターは公称値で半値幅がOIII:16nm(±3nm)、Hα:12nm(±3nm)のDBPを使っています。決して狭い半値幅ではないですが、それでもHα周りは赤になるはずなのに、なぜ色に差が出るのでしょうか?

180.00s_drizzle_2x_SPCC_BXT_MS_SCNR_HT6_cut_s

この色の差は、長年ずっと疑問に思っていました。


正体は連続光

どちらも主に Hα(656.3 nm)で光る輝線星雲なのに色が違って見える理由は、「Hα 以外の成分」が大きく関係しているようです。

まず馬頭星雲ですが、馬の形そのものは暗黒星雲でB33と呼ばれていて黒く見えていて、その背景がIC434と呼ばれているHα線で輝く輝線星雲です。IC434はHα成分が支配的であるために、純粋な赤に近い色に見えます。

その一方、燃える木星雲はNGC2024と呼ばれていて、Hα(656.3 nm)に加えて、N II(654.8 / 658.3 nm)がかなり混ざっています。ナローバンドフィルターといえども半値幅が12nmと大きく、Hαと[N II]の波長の差は差は最大でも ±1.5〜2.0 nmと小さいので、どうしてもN II成分も拾ってしまいます。

ここで、HαとN IIはともにH II領域の一部であるということをまず理解しておく必要があります。

H II 領域とは「水素が電離して H⁺ と自由電子として存在しているガス」であり、定義としては「状態量」です。一方、Hα領域とは「Hα(656.3 nm)が強く観測される領域」であり、分光で見ることができる観測的な区分です。同様に、N II領域とは「N II(654.8 / 658.3 nm)が強く観測される領域」を指す観測的な呼び方です。これらはいずれも H II領域という物理的実体の内部構造を、異なる輝線で可視化しています。

燃える木星雲はHαに加えて、「N II成分が多く観測されて」います。

でもここで、HαとN IIは波長がかなり近いので色はほとんど同じであること、さらにHαの上下にN IIがあるので平均化され、ほとんど色に差がつかないのではという疑問がわきます。最初はN IIが波長的に広がりを持っているためにG/Bまで及んで色が変わるのかと思ったのですが、調べてみるとピークは2つに分かれているけれども基本的には単色光で、それぞれの波長の広がり具合はHαと同じと思っていいそうです。

ではなぜN IIが強いと色が変わるのでしょうか?

実は、波長の差は本質的ではなくて、N IIが強い領域では何が起こっているかということが問題になります。

重要なのは、H II領域では電離・再結合が活発になり、自由–自由放射や自由–束縛放射といった連続光に加えて、ダスト散乱光も増え、その成分がG、B側にも「連続的に分布していく」という点です。N IIの強度も、電子密度や電子温度に対してよく似た依存性を持つため、N IIはH II領域の物理状態を示す良い指標となるということです。結局、N IIが強いということは、H II領域の中でも電離・再結合が特に活発な物理条件にあることを意味し、「連続光が増える」という状態を表しています。その連続光がGとB成分にも入ってくるということが本質です。

また、燃える木星雲ではガスとダストの密度が非常に高く、GやBを含む反射星雲成分が混ざりやすいため、中心付近の明るい星(アルニタクなど)からの光が周囲の濃いダストで散乱されるという要素も大きいそうです。

そのため、燃える木星雲の色は純赤というよりは、赤に白が混ざり、サーモンピンクのように見えます。


G、B成分の測定

RGBの比はそれぞれ
  • 馬頭星雲 R(Hα) : G : B ≈ 1.00 : 0.02 : 0.02
  • 燃える木星雲 R(Hα) : G : B ≈ 1.00 : 0.10–0.20 : 0.08–0.15
程度になるそうで、これは分光器を使うことで測定できそうです。

SHG700はこれまで太陽にしか使ってきませんでしたが、夜の天体にもいよいよ分光器の出番を作ることができそうです。ただし、SHG700は波長分解能はいいのですが、一度に見える全体の波長域は狭いので、G/Bを同時に見ることができません。回折格子を回転させ波長をGやBにずらしてみてやることはできますが、いずれにせよ範囲は狭いので、GやBの一部しか比較できません。それでも「H II領域でのGやBへの広がりは連続的」なために、馬頭星雲の背景と燃える木星雲をR、G、Bの波長帯の一部を拾い上げて見ることで、全体の比の比較を十分に推測することができそうです。

その一方、SHG700の分解能を活用して、Hα線とN II線の比を図ることもできるはずです。この比と、上のHαとBおよびGとの比を比較することで、相関があるかなどを見ることができるのかと思います。

これらのことは1970–90年代の分光観測で示されてきたとのことですが、馬頭星雲と燃える木星雲の色の違いの理由を自分で測定して確かめてみることができそうで、かなり楽しそうです。


StellaVitaの続きの記事になります。前回は撮影前にしておくべき準備についてでしたが、今回は実際に撮影に撮影までしてみます。



前回記事の終了時の、赤道儀とカメラとガイドカメラが使えるようになった状態から始めることにします。カメラとガイドカメラのピントも取れているとします。

赤道儀は電源がオンになっていて、初期アラインメントはすんでいて、赤経が追尾を始めていると仮定します。鏡筒の向きはホームポジション付近になっていても構いません。その場合、赤道儀によるかと思いますが、極軸方向付近か、真東付近を向いているものかと思います。


テスト撮影とプレートソルブによる赤道儀の同期

まずは、カメラで撮影できるかどうか、試してみましょう。StellaVitaアプリの画面の左にある撮影用カメラのアイコンをクリックします。さらにもう一度同じボタンを押して、撮影モード選択の画面を出し、「シングルフレーム」を選びます。
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もし星が見えている方向に鏡筒が向いていないなら、自動導入やコントローラーで向きを変えて、星がある方向に鏡筒を向けてください。

右の真ん中の撮影開始ボタンを押して、まずは1枚撮影してみます。カメラの露光時間は短くしておいた方がいいでしょう。数秒でいいかと思います。右の撮影アイコン周りに円形のバーがぐるっと進む様子がわかると思います。最後までたどり着いたら撮影終了で、撮影した画面が映し出されます。

実際に星は見えていますでしょうか?もしここで星が見えていなければ、鏡筒にカバーが付いたままになっている、鏡筒のピントが大幅にずれているなどの原因がありますので、今一度チェックしてみてください。うまく撮影できると、下のように画面内に星が見えるはずです。
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撮影画面が見えたら、早速プレートソルブを試して、取得画像からいま鏡筒がどの方向を見ているかを特定してみましょう。画面の右アイコンの撮影ボタンの下の「地球のようなマーク」を押し、プレートソルブでの解析を開始します。試した限り、StellaVitaではかなり安定にプレートソルブができるようです。

解析が始まるので、10秒ほど待ちます。結果には今見ている方向が赤径と赤緯で表示されます。

ここで、赤道儀と「同期」するかどうかの選択肢がでてくるので、一旦赤道儀と同期しておくのがいいでしょう。これで近傍の天体導入なら、そこそこの精度でできるはずです。ただし、遠くの天体の導入と、撮影時の追尾はまだ精度がありません。これまでにまだ極軸調整をしていないからです。

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極軸調整

StellaVitaにはカメラを使った極軸合わせがサポートされているので、是非使ってみましょう。目で見て合わせる極軸望遠鏡に比べて一桁くらい精度が出るはずです。極軸を精度良く合わせることで、撮影時のガイドの負担が減り、星像の歪みが小さくなる可能性が高くなり、成功画像の歩留まりが上がるはずです。

StellaVitaでは極軸調整にメインの撮影カメラを使います。すでに上記のテスト撮影は終わっているとします。極軸調整にはメインカメラで星を写してその画像を解析する必要があるので、まだテスト撮影をしていない場合は、極軸調整の前に実際一度試してみてください。

極軸調整のため、赤経を15度と30度回して撮影するので、赤経が30度進んでも星が入るような方向にあらかじめ鏡筒を向けておきます。この状態で、左の赤道儀アイコンを押して赤道儀の調整画面に入り、下の真ん中らあたりの極軸調整ボタンを押します。

下のような説明が出ますが、1番と2番はすでにできているので薄字になっているはずです。3番も今回は実際にはできているでしょうから、実質4番からになります。この画面内の右真ん中の撮影開始ボタンを押してそのまま進めるだけです。
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1枚撮影した後に、自動的に鏡筒を赤径方向に+15度回転して一旦撮影、更に+30度回転して撮影と、メインの鏡筒のカメラで撮影が進みます。合計3枚撮影して、それらの画像解析から赤道儀の極軸がどの方向を向いているのかを計算します。うまく解析が完了すると、下の画像のように極軸がどれだけずれていうるかが円になって出てきます。赤道儀の極軸の向いている方向が、真の北極からどれくらいずれているかが、円の中の青い点で表されます。

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もしこの青い点が中央から上にずれているとしたら、赤道儀の下部についている物理的な上下方向の調整ネジを回して、赤道儀の極軸が下方向に進むようにします。その際、画面の縁の横の「更新」をオンにしておくと、リアルタイムに近い状態で常に今の方向を見ているかがわかります。横方向にずれている場合も、赤道儀下部についているネジを回して水平方向に調整してください。

青い点が中心に近くなってくると、円が拡大され、よりいい精度で見ることができるようになります。鏡筒の焦点距離にもよりますが、1秒角(下の画面の1'')程度に合わせれば十分過ぎるくらいでしょう。(補足1)
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撮影プラン

撮影に際しては、容量に余裕をもって撮影できるようにSDカードを用意しておくといいでしょう。SDカードは横の穴に差し込みます。

撮影は「プラン」モードを使いますが、その前にプランを立てる必要があります。左上のTodoリストアイコンを押し、「目標管理」の左下の「+」ボタンを押し目標を追加します。検索などして、撮影したい天体を選びます。今回はバラ星雲「NGC2239」をターゲットにしました。「撮影時にガイドを起動」をオンにするのを忘れないでください。ここがオンになっていないと撮影時ガイドが起動されないので、星像が流れてしまいます。
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その後、右下の「タスク管理」ボタンを押してタスクを追加します。「Light」をえらび、撮影枚数などを設定します。

タスク、目標が保存されたことを確認して、左のメインカメラボタンを2度押しして「プラン」撮影を選びます。右の撮影開始ボタンを押せば撮影が開始されます。ガイドはちょっと面倒なことがあるので、次に少し詳しく説明します。


ガイド

ガイドは「目標管理」のところで、あからさまに「オン」にしてやらないとガイドなしで撮影が開始されてしまいます。

ところが、ガイドをオンにしたはずなのに、ガイドが入らないことが2度ありました。判別方法としては、ガイドカメラの画面に切り替えた時に星が何も写っていなくて真っ暗のままの場合はガイドが開始されません。どうもガイドカメラがアプリ上では接続はされているにも関わらず、うまく動いていないことがあるようです。この場合、ガイドカメラをアプリ上で一旦接続をオフにして、もう一度オンにすると画面に星が写って、その後撮影開始後にキャリブレーションが始まりました。

キャリブレーションは思ったより長くかかりました。5分近くかかったでしょうか。途中、「時間がかかりすぎるのでガイドをオフにして撮影を開始しますか?」とかいうメッセージが出たのですが、「いいえ
」を選択して、キャリブレーションを続けました。これでさらに待つと、やっとキャリブレーションを完了させることができました。

ガイドカメラの設定を見ると「キャリブレーションのステップ」という項目があり、デフォルトでは「750」でした。でも単位がわからないので、とりあえずいじっていません。これをもっと大きくすると一度に進む距離が長くなり、時間が短縮されそうな気がしますが、今回は試せていません。(補足2)


撮影開始

キャリブレーションが終わるとガイドが開始されそのまま撮影が開始されます。ところが、キャリブレーション直後はターゲットのガイド星からずれているため、ガイドがターゲット星に合わせようとして方向を変えてしまいます。その過程中も撮影は続いているので、最初の1枚目はどうしても下の画像のように星像がずれていく画像が撮影されてしまうようです。これはソフト的に回避できる問題のはずなので、改善してほしいかと思います。

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撮影が可視視されてからガイドがターゲット星をセンターに移動してしまっています。

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結果として、1枚目だけはどうしても星像が流れた画像になってしまいます。

うまくいくと、ガイドも安定し、星像も丸くなります。その後はずっと安定した画像を撮影することができました。

その際のガイドカメラの画面です。ディザーの設定をしておけば、いつディザーされているかなどもわかります。
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撮影時のメインカメラの画像に、同時にガイド画面とヒストグラムを表示するとができます。ガイド画面では安定度を見ることができ、ヒストグラムでは「自動」にチェックが入っていればオートストレッチされた画像が表示されるので、ある程度の写り具合を見ることができます。
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実際にファイルとして保存されているかどうかは、左アイコンの下から二つ目のフォルダアイコンを押します。保存先は指定した場所になりますが、ファイルの移動などを考えるとSDカードが便利かと思います。撮影中もSDカードにはアクセスできますが、チェックはプレビューのみで、jpgフォーマットでローカルのタブレット端末にダウンロードされます。プレビューの段階ではユーザーはjpgの存在しかわかりませんが、きちんとfitsファイルもSDカード内に保存されています。アプリにフォーマットの指定はなさそうなので、RAWファイルはfits固定で、変更はできないみたいです。

RAW形式のfitsファイルは、ファイル容量が大きいので、撮影後SDカードを抜き出してから、PCなどにファイルを移動するのがいいでしょう。


フラット、フラットダーク画像の撮影

撮影後、StellaVitaを使って昼間にフラット画像とフラットダーク画像を撮影してみます。私は鏡筒を部屋の中の白い壁に向けてフラット画像を撮影しています。光源は太陽ですが、晴れ又は曇りの日の昼間に窓のカーテンを開けて、直射日光が当たらない壁に向かって鏡筒を向けます。鏡筒や鏡筒を置いてある机が影を作る場合があるので、ともに壁から少し離して設置します。

StellaVitaの電源投入後、アプリ接続して、今回はメインカメラのみをオンにします。ライト画像と同じように、左上のTodoリストアイコンを押し、「タスク管理」で作ったNGC2239の「目標管理」にタスクを追加します。ただし、ライト画像のタスクが残ったままだと撮影時にライト画像から再び撮影してしまうので、まずはライトの「Light」のタスクを消して、改めて「Flat」を選択して、ライト画像と同じゲインにして、露光時間を調整します。
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露光時間の調整は、メインカメラボタンを押してメインカメラの画面を出し、さらにもう一度メインカメラボタンを押して、シングルショット撮影を選んびます。ゲインはからなずライト撮影時と同じにしてください。明るさの調整は露光時間で行います。露光時間は右の上から2つ目のアイコンを押して調整します。その後、右真ん中のボタンを押して実際に撮影してみます。左の櫛形のアイコンを押してヒストグラムを出し、山が真ん中か少し左くらいにある状態になるように何度か露光時間を調整と撮影を繰り返します。今回は曇りの時の部屋の中で0.05秒でちょうどいいくらいの明るさになりました。
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再び左上のTodoリストアイコンを押して「タスク管理」->「目標管理」に入って、今調整した露光時間を入力します。これで準備は完了です。

メインカメラのアイコンを二度押して「プラン」モードに入り、右真ん中の撮影ボタンを押して撮影開始です。すぐに撮影が開始され、ダウンロードも始まりますが、ダウンロードができているかどうかに関わらず撮影枚数はどんどん進みます。露光時間の短い明るい撮影なので、全枚数の撮影もすぐに終わるはずです。撮影が完了してもダウンロードは続きますが、撮影ボタンがXマークになっていて、それを押すとダウンロードも途中で終了できます。

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短時間撮影なので、どんどん枚数が進むでしょう。

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撮影終了後は、ダウンロード中でもXボタンを押すことでダウンロードを中断できます。

フラットダークは全く同じ設定で暗くするだけです。まずカーテンを閉め切り部屋を暗くし、鏡筒にキャップを被せます。でも昼間の撮影なのでおそらくそれでは不十分で、鏡筒、フォーかサーブ、カメラ自身に光の漏れがあることが普通です。私はダークやフラットダークの撮影では、念の為に毛布などを全体に被せて光ができる限り入らないようにします。ただし、カメラの通風口を塞いでしまうと熱の逃げ場がなくなってカメラが故障する可能性があるので、そこだけは開けておきます。

アプリでは、タスク管理で作ったフラットのところを再選択して、タブのところで「Dark」に変更します。こうすることで後で画像処理ソフトがどの種類の画像かを分別する手がかりをつけます。こちらも撮影を開始し、完了したらこれで終了です。

他にダーク画像の撮影もありますが、私は手持ちのダーク画像があったので、ここでは撮影は割愛しました。ダーク撮影のポイントは、露光時間とゲインオフセットとカメラの温度をライト画像撮影時と全く同じにすること、フラットダークの撮影時のように毛布をかけるなどしてできる限り漏れ光を少なくすること、ライト画像と同程度の十分な枚数を撮影することでしょうか。ダーク画像は一度撮影してしまえば、ライト画像の設定を変えない限り使い回しできるので、時間のある時に必要な設定分だけ撮影しておくと楽になります。あと、バイアス画像を撮影する機能もありますが、ダーク画像をライト画像と同じ設定で撮影した場合は、バイアス画像は不要です。

以上が、夜のライト画像撮影後に、別途昼間など時間のある時に追加して撮影する画像になります。今回はライト以外の画像もStellaVitaで撮影しましたが、他のアプリを使って撮影してもそれらを画像処理で使うことはできます。

画像処理

結局、3分露光で48枚のfits画像が得られました。画像の保存フォルダ名に日付が入らないなど、ファイル名の細かな指定のようなことはできませんが、画像処理ソフトで読み出す際に普通に読み込めるので、贅沢を言わなければ特に問題ではないかと思います。

ダークファイルは以前NINAで撮ったものの使い回し、フラット画像とフラットダーク画像は今回StellaVitaで64枚づつ撮ったものを使って、画像を最後まで仕上げてみました。画像処理はPixInsightとPhotoshopを使いましたが、StellaVitaで撮影したfitsファイルは特に問題なくPixInsightで読み込んで処理することができました。

画像処理自体はStellaVitaとは独立なので、詳細は割愛しますが、結果だけ載せておきます。自宅でガイドを含めて2時間の安定な撮影程度は問題なくでき、天体画像として最後まで処理できたので、実用という点から考えた時、StellaVitaは十分な撮影プラットフォームとして使えると言えるでしょう。

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  • 撮影日: 2025年12月29日2時13分-4時43分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: William Optics RedCat51(f250mm、F4.9)
  • フィルター: サイトロン CBP
  • 赤道儀: Celestrn Advanced VX
  • カメラ: Player One Uranus-C Pro (-10℃)
  • ガイド:   f50mmガイド鏡 + ASI290MM、StellaVitaでガイド
  • 撮影: StellaVita、Gain 220、露光時間3分 x 48枚 = 144分 = 2時間24分
  • Dark: Gain 100,  露光時間180秒x30枚、Flat, Flatdark: Gain 220,  露光時間0.05秒x64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC


まとめ

今回はStellaVitaを使って、実際の星雲を撮影してみました。多少戸惑うところもありましたが、システムとしては必要十分な機能があり、無事にライト画像、フラット画像、フラットダーク画像を撮影でき、それらの画像を使っての処理も滞りなく進むことができました。

まだ日本での販売はあまり時間が経っていないこと、アップデートも毎週のように更新されているなど、今現在も非常にアクティブに進化している最中なのかと思います。まだこなれていないところもあるは事実ですが、今後のシェアの広がりとサポートに期待したいと思います。

次回の記事では、今回思った改善点などの要望をまとめたいと思います。


(補足1)
私は普段はSharpCapを使って極軸調整をします。SharpCapの場合、ガイドカメラ、メイン鏡筒のどちらでも使えるのですが、基本的には北方向の空を見ていないと使うことができません。StellaVitaは北方向の空が開けていなくても、十分な精度で極軸調整ができます。これはかなりの利点でしょう。その一方、リアルタイム画面の表示と更新速度にはSharpCapの方が一日の長があります。実際の星を写して、その星がどちらに動けばいいか矢印まで出るので、ここら辺はSharpCapの方が親切です。でも、StellaVitaは鏡筒を赤道儀の回転も自動でやってくれて、操作性もSharpCapには及ばないものの、十分わかりやすくストレスなくできます。

StellaVitaの極軸調整の「北方向を見なくていい」という圧倒的な利点(たとえ北方向が開けていても、北だけ曇っていることなどよくあることなので)を考えると、極軸調整に関してはStellaVitaに軍配をあげてもいいかと思います。これまでいくつもの極軸調整がありましたが、SharpCapを超えるものはありませんでした。今回、初めてまともに使えると思いました。StellaVitaが赤道儀の操作も自動でできることが前提なのですが、これはかなりすごいことです。


(補足2)
ガイド鏡をRedCat51に取り付ける際、固定リングのネジ穴を利用したのですが、これが斜めに面が切られているので、ガイド鏡も鏡筒の斜め上につけることになり、カメラの水平垂直が崩れました。そのため、キャリブレーション時にガイド星が斜めに動いていきました。これでもきちんとキャリブレーションできるので特に問題はないのですが、カメラだけガイド鏡に対して45度程度回転させて水平、垂直を合わせておけばよかったかもしれません。








今回サイトロンさんのご好意で、ToupTekのStellaVitaを使う機会を得ました。StellaVitaはPCレスで天体写真撮影を実現するオールインワンのコントローラーです。

同類の機器にASIAirがありますが、こちらはZWO社のCMOSカメラと一眼レフカメラを使うことができます。一方、StellaVitaはZWO社以外のCMOSカメラも広くサポートしているのが特徴です。一眼レフカメラは最近サポートが始まり使えるようになってきたようです。せっかくのStellaVitaなので、今回はPlayerOne社のCMOSカメラを使ってみることにします。

あと、ASIAirと比べて大きな違いが、操作が全て日本語化されていることです。私はASIAirは使ったことがないのですが、意外なことに英語のままということです。日本語化されているのは、特に初心者にとっては敷居を下げるという意味で、いいことなのかと思います。

StellaVitaが日本で正式に販売され始めたのはまだ昨年9月のことで、ユーザーのレビューなども少なく、初めて使う場合に情報が少なくて戸惑うこともあるかもしれません。このブログではStellaVitaを初めて使う際に戸惑いそうな点、実際に使ってみた上での感想などを中心に情報を書いていこうと思います。

特に、今回の記事では撮影前までの、準備段階を中心に取り上げます。ここに書いてあるほとんどのことは昼間の明るいうちにできることです。もしStallVitaを手に入れて試してみる場合は、夜になって慌ててセットアップするよりは、まずは事前に十分時間をかけて準備をするのをお勧めします。その際の参考になればと思います。


ネット上の情報

SteallVitaはまだユーザー数もあまり多くないと思われ、基本的にあまり情報がないのですが、いくつかマニュアルや解説ページを見つけたので、リストにしておきます。

マニュアル類:

シュミットでStellaVitaを購入すると、紙に印刷された「クイックガイド」が付属されてきます。このマニュアル自身は簡易的な説明なのですが、最後のページにさらに詳しいマニュアルへのリンクとアクセス方法が書かれています。サイトロン独自のマニュアルで、日本語で書かれていて、今の所StellaVitaの使い方について一番詳しく分かりやすく説明してあるかと思います。私はこのことに気づかずに、このマニュアルを読まずに今回の記事を書いてしまったので、一部重なる情報もあることにご了承ください。シュミットで購入された方は、是非とも忘れずにこのマニュアルにアクセスしてみてください。


機材の用意

天体写真撮影に必要な機材を用意します。今回、一例として用意した機器は
  • 鏡筒: RedCat51
  • 撮影用CMOSカメラ: Uranus-C Pro
  • ガイド鏡: f=50mmのCマウントレンズ
  • ガイド用CMOSカメラ: ASI290MM
  • 赤道儀: Advanced VX
となります。撮影用のメインカメラですが、せっかくのStellaVitaということなので、ZWOのカメラ以外を使ってみることにします。今回は手持ちのPlayer Oneの「Uranus-C PRO」を使うことにします。

他にもStellaVitaではオートフォーカサーやフィルターホイールなどをサポートしていますが、今回は使わないこととします。


機材の組み立て

用意した機材を組み立てます。鏡筒に撮影用CMOSカメラを取り付け、ガイド鏡にガイド用CMOSカメラを取り付け、さらにガイド鏡を鏡筒に載せるなどして組み合わせます。赤道儀を外にセットして、鏡筒を赤道儀に載せます。

StellaVita本体は鏡筒に載せてしまうのが楽なのかと思います。StellaVita本体には、35mm幅のファインダー台座用のアリガタが付いています。鏡筒に取り外し可能なファインダーが付いているなら、ファインダーを外してStallVita本体をつけてしまってもいいかもしれません。今回使ったRedCat51のように、ファインダーをつける場所がない場合は、StallVita本体に付いているファインダー台座を外して、出てきた1/4インチ用ネジ穴か、M4用のネジ穴を使うといいかと思います。私はここに、Amazonなどで安価に購入したアルカスイス互換のクイックリリースクランプを取り付け、鏡筒側の方にプレートを取り付けることでStellaVita本体と鏡筒を固定しました。

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私は手持ちのほとんどの鏡筒にアルカスイス互換の長めのプレートを持ち手の代わりにつけてあり、ファインダーやガイド鏡など、取り付ける側にクランプをつけるようにしています。こうすることで安価で、シンプルに、取っ手にもなりつつ、鏡筒のいろんな場所に、任意の組み合わせで取り付けられるようになり、応用範囲が広がります。

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本体組み立て

StellaVIta本体の組み立ては、
  1. W-Fi用のアンテナを取り付ける。
  2. 付属のWi-Fiドングルを4つあるUSB端子の左上に差し込む。
この2つだけです。

あとはStellaVIta本体に12Vの電源を接続し、本体スイッチを入れます。12V電源は、電力に余裕があるものを選んだ方がいいとのことです。私はノーブランドのポータブルバッテリーを選びましたが、10Aまで出るそうなので、十分でしょう。最低2Aは必要とのことです。

電源を入れると、30秒から1分くらいの間に何度がビープ音が鳴りますが、「数秒で3回のビープ音が聞こえます。最初の「ピッピッ」はホットスポットの起動を示し、2回目の「ピッピッ」で本体の起動完了、最後の短いビープ音でWi‑Fiへの接続準備完了を示します。」とのことです。ホットスポットの意味がここではまだわかりませんが、とりあえず最後の短いビープ音までなったので、起動完了でしょう。

冷却カメラなどを使っている場合は、ここでStellaVita本体のDC電源端子から付属の短いDC電源用のケーブルを使って接続しておくといいでしょう。


アプリ

本体はWi-FIで接続して操作します。操作のためのアプリはPC用はなく、基本的にタブレットになるようです。私はiPad使いなので、App Storeでstellavitaと検索するとアプリが見つかりました。早速インストールします。

タブレットとStellaVita本体を接続します。タブレットのWi-Fiの設定で、StellaVita_XXXXXXとかいうSSIDが見えると思うので、それを選びます。
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パスワードは本体裏の上の方に書いてあります。デフォルトは順番の数字で8桁です。その後、タブレット上でStellaVitaアプリを立ち上げると、左下に選択したSSIDが表示されて、接続が完了しているはずです。

立ち上げた後は、まずは設定です。左下の「ギヤ」の形をしたアイコンを押し、設定画面に移ります。
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カメラ設定

設定画面ではさらにアイコンがいくつか表示されます。上から赤道儀、メインカメラ、ガイドカメラ...と続いていますが、まずは「メインカメラ」アイコンを押し、撮影用のメインカメラの設定から始めてみます。

カメラを接続すると、通常は「接続可能なデバイス」にカメラ名が出てきます。サポートされているはずのカメラで名前が出てこない場合は、接続がうまくいっていない可能性があります。Uranus-C PROはType-C接続なので、最初StellaVita本体のType-C端子にケーブルをつないでも全然認識されずに困ってしまいました。このType-C端子はアップデートなどのみに使うとのことで、結局、Type-CをUSB-AにかえるアダプターでUSB-Aの方に繋いでStellaVitaに接続された、無事にカメラが認識されました。

カメラを選択した後は、その右のスイッチを右にして青い「オン」にします。これをやらないと何も設定できません。
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  • 「ゲイン」はUranus-C PROの場合、HGCモードになる220一択かと思います。他のカメラもHGCになるゲインを調べてその値に設定すればいいでしょう。「変換ゲイン」というところは特に何も変化もしないし、押すこともできないようです。その下の低ノイズモードも押すことができません。
  • 「露光」は画面では180sになってしまっていますが、今の段階では0.5sとかの短い時間でいいでしょう。これはピント合わせなどのテストが今後しばらく続くからです。実際の撮影時に数分とかの長い時間にすればいいと思います。
  • 「冷却」をオンにすると、下の「FAN」も自動的にオンになります。ただし、FANだけ独立にオフにできてしうので、冷却時の排熱ができなくて熱がこもって故障する可能性があります。くれぐれも、FANだけオフにすることはしない方がいいでしょう。
  • 「加熱」の意味がいまいちわかりません。このカメラはヒーターは持っていないので、冷却をやめたときにどれくらいの時間をかけるとかでしょうか?単位とかがないので、今の所不明です。
  • 上の画面はもう少し設定が残っています。右側をスクロースさせてみてください。ブラックレベルは最大が500でした。ADCのカウントだとしたら、私はいつもどのカメラでも40としているので、とりあえずここでは40としておきます。

カメラを使っての鏡筒のピント合わせ

CMOSカメラはすでに鏡筒に付けられていると仮定します。

今回オートフォーカサーは使っていないので、マニュアルでのピント合わせになります。ピントを合わせるには、まずはカメラに写っている画面を見ることから始めます。
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  1. 左のメインカメラのアイコンを押します。
  2. さらにもう一度メインカメラのアイコンを押すと、撮影モードを3種類の中から選ぶことができます。
  3. ピント合わせはビデオモードを選びます。
  4. 右の上に2つアイコンがあって、上からそれぞれゲインと露光の調整になります。でもこの調整、単位がないので今どれくらいの設定値なのか、よくわかりません。例えばゲインは0から850までありました。露光は0から5000です。露光の5000は5000秒かとも思ったのですが、5000にしても1秒間に5回くらいは画面を更新しているように見えます。0にしても1秒間に5回くらい更新しているように見えます。
  5. とりあえず、空を写して星が見えればいいのですが、最初は夜に遠くの地上の景色などを写して、画面に何か見えるようなゲインと露光時間を適当にいじってみて、何か見えたらまずはラフにピントを合わせて、その後空で同じことをした方がわかりやすいかと思います。
  6. 画面に星が写ったら、その星が最も小さくなるところを探してピントを合わせます。

もしこの時点で画面に何も映らないようなら、鏡筒先端にキャップがついていないかなどを確認し、鏡筒前にLEDライトなどの光源を持ってきて、カメラ画面に反応があるかなどをみるといいかと思います。

どうしても画面に何も映らないなら、別途PCなどで別のアプリ、例えばSharpCapなどを利用して、カメラがきちんと接続されて画像情報が送られる状態になっているかなどしてみるといいでしょう。もしPCで見えるならStellaVitaの問題ですが、PCでも見えない場合はStellaVita以外に問題がある可能性が高いです。例えば冷却カメラなのに冷却用のDC電源ケーブルが繋がれていなくて、一見カメラ本体は動いているように見えるのに、画面情報は送られない状態になっているなどです。


ガイドカメラの設定

ガイドカメラも設定してしまいましょう。左下の「設定」アイコンを押して、その右にあるアイコン群の3つ目の「ガイドカメラ」を選択します。ガイドカメラも、ハード的にうまく接続されていれば「接続可能なデバイス」にカメラ名が出てくるはずです。何も出なければ、まずはケーブルなどの接続を疑ってみてください。
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更新時間はガイドに使うカメラということを考えると、0.1秒程度が適切かと思います。それ以上長くしてしまうと、ガイドのレスポンスが遅くなってしまい、発振してしまう可能性が出てきます。その分、ゲインはある程度上げてください。具体的な確認は、ガイドカメラで写している画面を見ながらした方がいいでしょう。
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  1. 画面左の縦に並んでいるアイコン群の中から、上から3つ目にある、ガイドカメラアイコンを押します。
  2. ガイドカメラが見ている画像が出てきます。ここで、右アイコンの露光時間とゲインを調整して、画面に何か見える状態を作ります。
  3. その際、画面がデジタルのマダラ模様に支配されている時があります。私はStellaVita本体とガイドカメラの接続に短いUSB2ケーブルを使っているので、転送速度の問題かと思いました。でも結局は1秒程度の更新では転送速度は十分で、じゃあ何が問題だったかというと、明るさでした。この場合、カメラからの信号が明るすぎる可能性が高いので、ゲインを下げるか露光時間を短くするとマダラ模様が消えます。
  4. 何か見えてきたら、ガイド鏡のピントを合わせてみてください。

IMG_0082
ネットワークの状態によってはせいぜいこれくらい見えるだけです。
星が目でみてわかればいいでしょう。

うまくいくと星がきちんと点になって見えるはずですが、最初は星空を見ながらだとわかりにくいので、地面近くの遠くの景色を映して確かめた方が楽かもしれません。


赤道儀の設定

次に赤道儀を設定してみます。カメラの接続のように自動的に認識されないので、ちょっと癖があります。

まず、StellaVitaと赤道儀をケーブルやWi-Fiで接続します。今回私はCelestronのAdvanced-VXを使いました。(補足1) ケーブルの接続ができたら、赤道儀の電源を入れてください。電源投入後は赤道儀のコントローラーで、適当な初期アラインメントをします。ここは通常の天体撮影と同じです。ただし、Celestronの赤道儀は初期アラインメントを「クイックアラインメント」にしないとダメという情報があります。私はCelestronのAVXを使ったので、この指示に従いました。(補足2)

赤道儀の動作開始後、StellaVitaアプリの赤道儀設定画面の上部のすぐ横のボタンの「検索」をするのが手順らしいですが、上手く赤道儀が見つからないことや、違う種類の赤道儀として認識されることが多いです。その場合は「None」と出ているところを押して、出てくる「接続可能なデバイス」をさらに下にスクロールさせて、赤道儀のドライバを自分で選びます。問題はこのドライバーがわかりにくいことです。ここで選ぶべきドライバーは「Celestron Advanced-VX HC」です。紛らわしいことに「Celestron Advanced-VX Wired」というのがあります。最初、こちらを選んでいて、全然うまくいかないので相当迷ってしまいました。(補足3)
IMG_0117

赤道儀との接続がうまくいくと、やっと横のスイッチを右の「ON」にできます。その際、ボーレートには気をつけた方がいいかもしれません。赤道儀には決まった通信速度があり、StellaVitaではマニュアルで設定する必要がある場合があります。ボーレートはマニュアルなどには書いてあるかと思いますが、わからなければネットで、「ボーレート」もしくは英語で「Baudrate」と、赤道儀名で検索すれば出てくるかと思います。AVXは9600ボーでした。間違ったボーレートだと、接続できなかったり、誤動作をする可能性があります。
IMG_0118


撮影前の準備は以上になります。次回の記事で実際の撮影に際して書きたいと思います。でもその前に、少し独立した話として、ネットワーク関連とStellaVitaのアップデート、ステーションモードについて最後に書いておきたいと思います。特にステーションモードの解説は英語も含めてほとんど見当たらないので、自宅でStellaVitaを使用している方はかなり便利になるかと思います。


アップデート

設定の「その他」に行って、バージョンを確認すると、Appがv1.0.17、Coreがv1.1.51、SDKがv59.29397.20250831、INDIがv2.1.5と表示されます。このバージョンが古いのか新しいのかよくわからないのですが、とりあえずアップデートを試みます。

アップデートファイルを持っていれば、SDカードを使う方法もあるみたいのですが、肝心なアップデートファイルがネット上に見つかりません。もっと簡単な方法は、設定の「その他」から「無線ブリッジ」をオンにして自宅のWi-FIにつなぐことです。無線ブリッジをオンにするとアクセスできるSSIDが見えるはずですので、パスワードを入力するなどして接続してみてください。これで自宅のWi-Fiを通してインターネットにも繋がるので、直接アップデートができます。「更新を確認」ボタンを押すと、今回はv1.1.58が見つかったので、そのまま更新をしてみました。
IMG_0081b

自動的にダウンロード始まり、再起動してアップデートが完了しました。Coreがv1.1.58に代わり、SDKのバージョンもv59.29904.20251102に上がりました。その他AppとINDIのバージョンは変わらないようです。

ちなみに、本体にある謎のType-C端子ですが、これはStellaVita本体のファームウェアのアップグレードに使うとありますが、探した限り具体的な方法はどこにも情報が無いようです。ファームウェアというのが上記のCoreやSDKと同じものなのかもよくわかりません。今のところはこの端子は使用することできないようですが、将来に期待しましょう。


ステーションモード

上記のように無線ブリッジでStellaVita本体を自宅ネットに繋いでしまうと、さらに便利なことができるようになります。一般的にはステーションモードか言うやつです。

IMG_0106 2

  1. まず、タブレットのネットワークを自宅W-Fiに繋ぎ変えます。
  2. その状態で、StellaVitaアプリを立ち上げます。上の画面のように、左下のネットワークがStellaVita_XXXXXXだったのが自宅のものに変わっているはずですが、まだこの時点ではインジケーターが赤色で接続がうまくいっていないことがわかります。
  3. 当然StellaVita本体には接続できないのですが、設定の「その他」を見ると「IPアドレスで接続を試みる」というボタンが出ているので、これを押して、IPアドレスを入力し、「ネットワークに接続」を押します。問題はIPアドレスを確かめる方法がものすごくわかりにくいことです。
  4. 比較的簡単なのが、自宅LANのルーターの管理画面のDHCPの接続情報などを見て、StellaVItaのIPアドレスを特定し、入力します。これだけでもある程度のネットワークの知識を必要とします。さらに接続一覧まで辿り着いても、複数の機器が接続されているとどれがStellaVitaのものかわからないかもしれないので、その場合は一覧に出てくるIPアドレスを片っ端から入れていきます。(StellaVItaの付属のWi-FiドングルのMACアドレスがわかればもっと簡単に接続時のIPがわかるかと思います。PCにWi-Fiドングルを接続するなどして確かめることもできるかと思います。)
  5. 上手く接続されると左下のSSIDのところの赤いインジケーターが緑にかわります。
  6. あとは通常通りの操作になります。
  7. 一度接続が確定したら、ルーターのDHCPの接続情報でStellaVitaのMACアドレスを確認して、固定DHCPを割り当てるように設定しておくと便利です。これ以降は同じIPアドレスで接続することができるようになります。
IPアドレスの特定が一番大変かと思いますが、こうすることで自宅の庭撮りなどの場合は、家の中でヌクヌクしながら操作できるようになります。

私の場合一つ問題が見つかりました。自宅が広いので、複数のWi-Fiルーターを中継機として使っているのですが、StellaVita本体とタブレットが別々のW-Fiルーター機につながった場合、StellaVitaに接続されても読み込みを繰り返すような状態になってしまうようです。StellaVitaとタブレットが同じWi-Fiルーター機に接続するとそういった問題はなくなりました。


今回のまとめ

StellaVitaの撮影のための準備として、機材との接続と、カメラの画面を使ってのピントの合わせ方、ネットワーク関連の接続について解説しました。

星を見てのピント合わせ以外は全て明るい昼間のうちにできるはずです。ピント合わせも、明るいうちに遠くの景色を写して試しておいた方がいいと思います。夜になると撮影時間の制限もあるので、あせってなかなかうまくいかないかもしれません。事前できることをできるだけあらかじめ準備しておけば、実際の撮影時に余裕を持つことができるのかと思います。

次回は実際の撮影する際の解説をしたいと思います。お楽しみに。



(補足1)
Advanced VXとStellaVitaとの接続は、ハンドコントローラーのお尻の4pinモジュラー端子を使います。StellaVitaに機器を繋ぐ場合はUSB接続なので、USB-RS232C変換ケーブルなどを購入します。さらにRS232C端子とコントローラーは、赤道儀を買った時についてくる付属のRS232C-4pinモジュラー変換ケーブルで接続します。私はこのケーブルの存在を完全に忘れていて、過去に改めて買おうと思ったことがあるので注意が必要です。持っていないという方は箱の中を探してみてください。最初から付属しています。

(補足2)
Celeste on製赤道儀の「クイックアラインメント」とは、要するに初期アラインメントを何もしないというのと同義です。鏡筒の向きもホームポジションと同じです。これは全てのアラインメントをStellaVitaのプレートソルブに丸投げするということに他なりませんが、これで十分ということがわかりました。ただ、普通にワンスターアラインメントやスリースターアラインメントなどをしても、StellaVitaでそのまま使えることも確認しました。なので、あまり気にすることはないのですが、赤道儀での初期アラインメントを省くことができるのは、ユーザーにとっての負担を減らすことにつながるので、クイックアラインメントを選ぶというのは案外いい方法かと思います。さらに、この「赤道儀固有の初期アラインメントを省く」という簡単な方法は、実は他のSharpCapなどでも使える気がします。今度試してみます。

(補足3)
どうやって「Celestron Advanced-VX HC」にたどり着いたか書いておきます。トラブルシューティングの常套手段の一例と思ってください。
  1. まず、もっと簡単でユーザー数も多いと思われるAZ-GTiで試してみました。ユーザー数が多い機器は(StellaVitaに限らず一般的に)接続方法も確立されているはずですし、StellaVitaだとしてもバグが少ないはずです。
  2. 本来最も確実に動くはずのAZ-GTiの経緯台モードで試しましたが、その際、経緯台モード用のドライバーでは全く動作しなかったので、何かドライバーに問題があると判断しました。
  3. そこで試しにStellaVitaでAZ-GTiの赤道儀モード用のドライバーを使うことで、初めて反応があり、AZ-GTiを動かすことができました。要するに、正しいドライバーを選ばない限りうまく動かないということがここで初めてわかりました。
  4. Advanced-VXの接続は、別途SharpCapなどで動くことは確認できていたので、ハード的な接続は問題ないはずです。ということはドライバーがまだ何かおかしくて、あらためてAdvanced-VXのところを見てみると、「Wired」のほかに「HC」があることに気づきました。
  5. もしやと思って「HC」にしたらあっさり動いたというわけです。






以前、10月に夜の撮影のリハビリでサドル付近と魔女の横顔星雲を撮影しました。


露光時間不足だったので、サドル付近は撮り増ししたのですが、魔女の横顔星雲もその後、何度かに分けて撮り増しました。でも失敗も多くて時間がかかってしまったが、なんとか画像も溜まったので、再処理してみました。


不調で何度か撮影する羽目に

計3回取りまししたのですが、撮影時の失敗が多かったです。

10月29日はRとB画像は撮影できましたが、寝てしまった後も撮影を続けていて、その後ピントが全然合わなかったようで、GとA画像を丸々3時間20分ぶん捨てることになりました。不思議なのは、EAFの記録を見てもきちんと測定できていたことです。下の画像がその記録なのですが、中心が5924と出ているのに、なぜかセットされたのは6423(下の画像の左上の数値)となっていることです。

キャプチャ

ズレが 6423 - 5924 = 499 と、500に近いので、何か一回分大きく動かすボタンが押されてしまったような感じです。でももう寝てしまっていたので自分でミスるはずもなく、多分NINAの何かの不具合かと思っています。

その後11月22日に、前回撮り逃したGとAを撮り直しますが、その際も寝てしまった後に撮影したL画像のピントがずれてしまっていて、3時間ぶん丸々捨てることになりました。どうやら、オートフォーカスのところでオフセットを使用するように設定してしまったのが悪さをしているようです。そこをオフにしてからは、今のところ変なピントミスは出ていないですが、もう少し様子を見る必要があるでしょう。

さらに翌日の11月23日に、前日撮り逃したLを撮影しましたが、結構流れてしまう画像が多かったです。気づいてキャリブレーションをやり直したりしたのですが、その後雲が出てきてしまい、あまり枚数を稼ぐことができませんでした。しかも、後でわかるのですが、赤道儀の反転後はこれまで合っていたフラットが合わないということが判明しました。なので結局前半しか使えずに、トータルではこの日全部で6時間20分撮ったうちの、わずか50分ぶんしか使うことができませんでした。それでもRGBとLRGBでは微恒星や、星雲の細かい構造に差は出たので、Lを使うことにしました。


画像処理

画像処理の話に移ります。RGBは5分露光が前回処理した時の分も含めて、それぞれ12枚、13枚、13枚となりました。まだ枚数は多くないですが、撮り増しする前の4枚、3枚、4枚というとんでもない短さよりは遥かにマシです。Lも上に書いたように結局10枚と多くはないですが、それでも使わないよりは使った方が明らかに効果があったので、LRGB合成で進めることにしました。

LRGB合成は結構曲者で、なかなか色が出ないと困っている方も多いようですが、Lで分解能を出そうとすると合成直後は下の画像のように一見モノクロかと思うくらいになってしまいます。

Image51s

これでも色の情報としては残っているので、例えばCTのSaturationで彩度をかなりキツく出してやると色が出てきます。
Image51_CTs

ここらへんのことは以前M106を処理する時に検証したので、私も今回もそのページを参照しながら進めました。


逆に、LRGB合成直後に色が残るくらいにしてしまうと、Lが全然生きていなくて分解能が実質出ていないということもM104を処理した時に実感しています。


まとめると、RGBとLを使ってLRGB合成をするときは、Lの比率を十分に高くして、Lが生きて分解能が良くなるような状況で画像処理を進めること。その際、一見色が全く出ていないように見えますが、情報としては残っているので、その後彩度を十分に上げてやることが重要というわけです。

ただし、RGBのそれぞれの色のフラット化がうまくいっていない場合などは彩度を出していくと画面内で色のばらつきが出て、メチャクチャな色に見えてしまうことがあります。その場合ですが、今はMGCがあるので、それを使うのが効果的なのかと思います。

上の画像をさらに強度にストレッチしてみると、今回は一見下のような画像が出ました。赤と緑が馬渡に混ざったような模様が見えています。
Image51_CT_more_s

最初フラット化が全然うまくいっていないのかと思っていたのですが、例えば背景に赤い模様が出ているのは、下の画像のようにHαで撮影した時の構造と一致していることがわかったので、こちらは単に勘違いでした。
drizzle_integration_A_ABE1_crop_s

LRGB段階での背景の村のように見える模様は、その後、上の画像のように別途Hαで撮影した画像を合成していくので、まともに見えるようになってきます。


またしても迷光が

さらにLRGB画像の処理を進めていき、恒星を分離して背景だけを見てみると、なくなっていたはずのε130D特有のリング状の模様のズレが出てしまっていることがわかりました。

Image42_HT_NXT_more_s

「あれ?これ前回の時にフード無しで撮影して全然出なくなったのではなかったのか?」と思い返して、いろいろ調べてみました。

どうやら今回もRGB画像では全くズレは出ていなくて、L画像のみに出ていることがわかりました。もっと調べてみようとして、L画像の一番最初と一番最後のもので比較してみたら、最初はリングは出ていないのに、最後はリングがはっきりと出ていることがわかりました。何が違うんだろうと思ってよく見てみたら、赤道儀の反転で画像が反転していたのです。反転前の画像には一切リングは出ていないのに、反転後には全てにリングが出ています。どうも撮影時の光の入り具合でフラット画像が合うか合わないかが決まるようです。

今回は結局ずれのでていない前半の10枚だけをL画像として、反転後のL画像は捨ててしまいました。一つ試したいのは、フラット画像を撮影する時に、鏡筒を上下逆にして撮影したものを反転後の補正に使えばいいのかもしれません。フラット撮影は昼間の部屋で白い壁を写しているのですが、壁の明るさも一様ではなくて、どうしても窓に近い方が明るくなってしまいます。その輝度変化に対して、鏡筒の迷光の強弱が反転してしまい、過補正および補正不足になるところがリング状にでてしまっているように見えます。鏡筒反転フラット撮影でそれが消えるのではという期待です。いつか時間がある時に試してみようと思います。


LRGB画像にHαを合成

その後、Hα画像をPhotoshopのスクリーンで加えて仕上げます。MGCではHαの補正はあまりきちんとできないようなので、Hαの輝度バランスがどこまで正しいのかはちょっと微妙です。それでも、淡いところまでHαの構造が存在するので、できるだけ表現してみました。魔女の横顔星雲本体からHαが透けて見える様子もわかるかと思います。

「IC 2118: 魔女の横顔星雲」
Image51_CT_BXT_SPCC_MGC_AS_GHS_GHS_HT_SCNRg_SCNRr_NXT4_cut_ss
  • 撮影日: 2025年10月18日1時5分-2時8分、10月30日0時7分-1時46分、11月22日21時51分-23日1時55分、11月23日23時15分-24日3時41分、
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: ZWO製 R、G、B、L、Barrder製 Hα
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、R: 12枚、G: 13枚、B: 13枚、L: 10枚、A: 36枚の計85枚で総露光時間7時間0分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 R: 0.03秒、G: 0.03秒、B: 0.03秒、L: 0.01秒、A: 0.5秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

今回Hα画像をかなり強調して構造を出してみましたが、これはあくまでHα線でみた時に見える構造というだけで、暗い空でブロードで見る場合とは、構造も色もまた違ったものが出てくるのかと思います。


恒例のAnnotateです。たくさんの小さな銀河があることがわかります。
Image51_CT_BXT_SPCC_MGC_AS_GHS_GHS_HT_SCNRg_SCNRr_NXT4_cut_ss_an

特に中心部は形がわかる銀河がいくつもあって、面白いです。
Image51_galaxy


まとめ

無事に撮りましも終えて、やっと魔女の横顔星雲も霧がついた気がします。10月の撮影のRGB撮影でも赤い構造が少し見えていたので、ここをHαで見てみたらどれくらい模様があるのだろうというのが今回の鳥マシの動機でした。でも何度が撮影ミスがあったので、やはりまだ夜の撮影は完全復帰とは言い難い気がしています。

夜の撮影に関しては、新しい機材を試してみたいと思っています。私としてはちょっと珍しい機材です。まあ結果が出るまで時間がかかりそうなので、うまくいったらまた報告します。


前回の記事で、週末金曜にレモン彗星を撮影した話を書きましたが、雲が多くて時間をかけることができませんでした。その後スワン彗星に移るというてもあったのですが、レモンさんがうまくいかなかったのとお腹が空いたので、まだ19時過ぎでしたが、もう諦めて自宅に帰ってしまいました。それでも天気は良かったので、そのまま前週の短時間撮影の撮り増しをすることにしました。


撮り増し撮影開始

時間的には夕食を食べた後の20時過ぎくらいなので、まずはサドル付近です。前週の撮影は雲も多くて、使えたものはHαが5分が5枚、OIIIに至ってはわずか3枚で、時間的には合計40分と十分とは言い難い状況でした。

今回撮影したかったのは、まずはR、G、B画像です。恒星の色を出すことと、背景が赤一辺倒になるのを防ぐ目的です。R、G、Bをそれぞれ5分x6枚撮影し、その後足りなかったOIII画像を15枚、Hα画像を12枚としました。結局OIIIの途中で雲が出てしまい、Hαの追加は取れませんでしたが、Hαはかなり濃く出るのでおそらく問題ないでしょう。結局使えたのが、RGBは6x3枚全部、OIIIは11枚でした。前回の分と合わせて、RGBがそれぞれ6枚、Hαが5枚、OIIIが14枚になります。全て5分露光です。

晴れていたらその後魔女の横顔星雲も撮り増しする予定でしたが、雲で厳しそうなので、サドル付近が終了した時点で撤収としました。

枚数的にはもう少し増やしたかった気もしますが、ノイズ処理を丁寧にすることであまりノイズ感が出ないように仕上げることができたのかと思います。ノイズ処理は最近はNXTをメインで使っています。今年2月のアップデートでのカラーノイズの対応と、高い空間周波数と低い空間周波数を分けることで、ノイズをあまり不自然にならないようにできます。

今回の撮影もフードは取り付けませんでしたが、前回撮影したフラット画像を使うことで、今回も迷光は全く出ませんでした。フード無しのフラット補正でうまくいくというのは、再現性もありそうということがわかってきました。


画像処理

R、G、B画像にも構造は十分に見えています。これはHαやOIIIだけでは表現しきれない模様があることを意味しています。画像処理は、最初はR、G、B画像のみでRGB合成をして、MGCまでかけます。これで大まかにはおかしな勾配がないことがある程度保障されます。構造は複雑ですが、白に近い色が多くて、赤色や青色の単色に近い成分は思ったより少ないです。

これだけだとさびしいので、Hα画像とOIII画像でAOO合成をして、こちらもナローバンドで(擬似的ですが)MGCを適用します。ナローだとしても、大まかな勾配を無くしておきたいという目的です。

R、G、BとHαとOIIIをどうやって混ぜていくかですが、今回はPhotoshopでRGB画像にAOO画像をレイヤーの比較 (明) で合わせて、明るさを適度に調整しました。特にRGB画像のGはAOO画像の比較的暗いところに面白い構造を出してくれます。必ずしもこの構造が正しいとは限りませんし、そもそも正しい構造なんて誰も定義できないと思うので、好みで見栄えがいいようにしています。仕上がりとしては赤だけでない色彩豊かな、淡いところの構造も複雑な色で出ていると思いますが、どうでしょうか?

ASI6200MMはbin1だと解像度が高くなりすぎて1枚1枚のファイルサイズも大きくなるので、前回も今回も含めて通常はbin2で撮影しています。今回の画像処理では、分解能を出すために2倍のDrizzle処理をして、そこにBXTをかけています。

bin2だとピクセルサイズが7,52μmになり、より明るく撮影できるので信号的に有利になります。また、光害地での撮影では背景光のショットノイズが支配的で、読み出しノイズは効いてこないので、S/N的にもbin1で撮影するよりダイレクトに有利になります。

まとめると、分解能的にはbin2の方が不利なのですが、bin1だと暗くなるのでS/N的には不利になるのと、drizzleとBXTで明らかな分解能の向上が見られるので、トータルではbin2の2倍drizzle+BXTが、今の状況では効率的にはいいのかと思っています。


結果

結果ですが、全体像としては以下のようになります。430mmでフルサイズなので、かなりの広角になります。サドルと三日月星雲が十分入るくらいになります。解像度的にはdrizzle x2をしているのでbin1相当なのですが、そのままだと大きすぎてブログにアップすることもできませんので、全体像のみ解像度を縦横半分に落としてbin2相当にしています。

「サドル (Sadr) 付近」
Image25_SPCC_MGC_BXT_GHS_GHS_NXT_HT_more_back2_half_cut
  • 撮影日: 2025年10月17日21時43分-23時51分、10月24日20時30分-23時9分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D (f430mm、F3.3)
  • フィルター: Baader製 Hα 6.5nm、OIII 6.5nm
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、R: 6枚、G: 6枚、B: 6枚、Hα: 5枚、OIII: 14枚の計37枚で、総露光時間3時間5分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 R: 0.03秒、G: 0.03秒、B: 0.03秒、Hα: 0.5秒、OIII: 0.5秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

前回はAOO画像からの色付けだったので、かなり無理をして、特に無理に緑を出してたような処理になっていました。今回はRGB画像があるので、まずは恒星の色がきちんと出ます。背景にもRGBの効果は出ているようで、Hαの赤を生かしつつ、緑っぽいところ、青っぽいところなど、色彩豊かになっているのかと思います。

HαとOIIIをどう混ぜるかはまだ試行錯誤中です。これまではRGBのRをHαに、BをOIIIに置き換えていましたが、RGBとAOOを適度な比率で合成する方が、よりRGB画像が生きる気がします。HαやOIIIに存在せず、RGBだけに存在する構造もあるので、できるだけRGB画像を活かす方法を今後も考えていきたいと思います。


三日月星雲とsoap bubble nebula

この撮影での目的の一つが、三日月星雲の少し下にある惑星状星雲のsoap bubble nebulaを写すことです。Wikiによると、2007年にアマチュア天文家によって見つかったという、比較的新しい星雲になります。前回も狙いましたが、撮影時間が短いせいか、存在があるかどうかというくらいの見栄えでした。今回は十分見えるくらいには出ましたが、それでもまだ淡く、これは単独で長時間で個別に狙ってもいいのかもしれません。こちらはbin1相当画像からの切出し画像になります。

Image25_SPCC_MGC_BXT_GHS_GHS_NXT_HT_more_back2_cut_L

三日月星雲自身も面白くなりました。OIII画像の枚数を増やしたからかと思いますが、周りの青いベールがよく出ています。細部の出方も焦点距離430mmとは思えないレベルです。

Image25_SPCC_MGC_BXT_GHS_GHS_NXT_HT_more_back2_cut_SS

以前、SCA260で撮影したものと比較してみます。画角が少し合わないので、以前と今回の画像の重なる部分を、向きも合わせて並べてみます。左がε130D + drizzlex2 + BXT、右がSCA260になります。

comp1

クリックして拡大してみるとわかりますが、drizzleとBXTをつかったε130Dが、BXTのないSCA260にかなり迫る解像度になっています。微恒星に関してはε130Dの方が圧勝だったりします。口径で2倍、焦点距離で3倍の差を縮めているのは驚異的です。

じゃあ大口径は無駄かというと、そんなことは全くなくて、SCA260の画像にBXTをかけたものと比較すると歴然の差が出ます。左がε130D + drizzlex2 + BXT、右がSCA260 + BXTになります。

comp1

分解能はやはり口径の大きいSCA260が圧倒、微恒星もε130Dがかなり拮抗しますが、最微恒星を比べるとやはりSCA260の方が有利です。このように、ソフトの条件を揃えるとやはり口径なりの差になるようです。ただし、SCA260の画像に使っているBXTは初期の頃のバージョンであることと、drizzleは使っていないので、もしかしたらSCA260の方はまだ解像度の向上は可能かもしれません。

いずれにせよ、BXTの有り無しで、鏡筒の口径を倍にするくらいの機材の大幅アップグレードに相当する効果があるというのは、驚異的と言わざるを得ません。


アノテーション

アノテーションを今一度示してみます。(実は何日かの間、アノテーション作れなくてエラーが出ていました。どうもサーバー側のVizieRがダウンしていたようなのですが、こんなこともあるということでメモだけしておきます。)
Image01_Annotated

430mmという短焦点でフルサイズという、ある程度の広角撮影なので、かなりの数の天体が含まれていることがあります。これを見ながら、次の切り抜き画像を楽しみます。


広角画像からの切り抜き

以前、おとめ座銀河団の広角画像でやったように、この中から特定の天体を切り出して独立した画像としも、今回の撮影ではかなりの分解能で見えているので、十分見栄えがするのかと思います。いくつか選んでみます。


1. まずはある程度大きな領域です。

最初は三日月星雲をもう少し大きな領域で。

NGC6888

あえて、三日月星雲とサドルを外して。
large3

中央の複雑な構造を、縦構図で。
large2

左上の華やかなところをまとめて見てみます。
large1

どこも複雑な構造で面白く、これらを単独で見ても天体写真として十分通用しそうです。


2. 中規模構造です。

LBN206 LBN209 LBN212をまとめて。かなり淡い領域です。もう少し時間をかけたいところでしょうか。
LBN206_209_212

中央のLBN886、LBN881、LBN882、LBN883をまとめて。
LBN886_881_882_883

LDN880、LDN887ですが、明るい中にクワガタが2匹いるような構造が見えます。ここが分解能よく見えているのも楽しいです。
LDN880_887

左上のLBN251、LBN239です。
LBN251_239


3. もっと細かいところに注目してみましょう。

いくつか星団があります。まずはM29。メシエ天体ですね。
M29

こちらも星団のIC1311です。
IC1311

こちらはかなり小さな星団でNGC6910。
NGC6910

このNGC6910ですが、これくらいの小さい天体になるとアマチュアで単独で撮影される機会はグッと減るようで、むしろ研究対象としての天体になっているのが検索でわかります。例えば、磁場構造の解析がされたりしています。

どうでしょうか?どれも単独で撮影したと言ってしまっても、そこまで見劣りしないくらいにはなっているかと思います。今回は私としては全体的にあまり派手にはしていなくて、かなり地味目な処理になっています。特に小さな領域はどうしても淡く見えてしまうので、そのことも考えて、もう少し彩度などを上げてもいいのかもしれません。切り抜きも考えて、広域と細部を両立させる画像処理は結構難しそうです。今後の課題ですね。


まとめ

前回の撮影枚数は限られていたために、今回の撮り増しは、soap bubble nebulaや三日月星雲だけ見ても明らかに効果がありました。これだけ高解像度だと、広角だけではもったいなくて、拡大してやっと見えてくる箇所もあります。今回のような広角からの切り抜きも、せっかく撮影した画像の有効活用になるのかと思います。



ここしばらくずっと太陽に夢中だったのですが、さすがに太陽も少し飽きてきたので、約半年ぶりに夜の撮影を再開しました。


夜の撮影再開

2025年10月17日の金曜日、新月期で8時間も暗い時間があり、晴れていて、空を見たら透明度がかなり良かったので、さすがに何もしないのは気が引けてきました。太陽もやりたいことはかなりできてきています。もう少し試したいことも残っているのですが、太陽の撮影は休日に晴れてくれないとできません。平日に早く起きればいいのですが、仕事に影響がありそうで躊躇しています。

今年は秋でもあまり晴れの印象がありません。平日なら多少晴れるのと、夜の撮影は、開始さえすればあとは寝てしまえばいいので、平日でも可能です。というわけで、やっと夜の撮影の再開です。


機材と撮影準備

手持ちの撮影用機材は大きい順からSCA260、ε130D、RedCat51とあるのですが、再開に際しどれを使うか迷いました。結局、撮影を中断してから何もいじっていないε130Dにしました。SCA260はアップグレードでカメラを外してから、一旦取り付けはしたのですがまだきちんと動くか不明です。RedCat51はSWAgTiとの組み合わせなので楽なのですが、一時期カメラを外した際に埃が入ってしまったままです。ε130Dは確か今年初めの頃にカメラを90度回転させましたが、それ以外は問題ないはずです。あと、ε130Dを載せるCGEM IIは、太陽でもずっと使っていたというのもあります。

星を始めてから、これだけの期間夜の撮影しなかったことはなかったと思うので、ある意味いろんなことが新鮮です。撮影用のPCはこれまで使っていたStickPCなのですが、ソフトはいくつかアップデートしました。ただ、このPCは結構古くて非力で、NINAの3.0以降では重くて画像の転送速度が出ないことがわかっているので、新しいminiPCも用意することにしました。今回の撮影では設定不足で入れ替えとはいきませんでしたが、次回くらいには新PCで撮影くらいはできそうなところまでセットアップは進みました。

ガイド鏡は太陽撮影でも使ってしまっていて、蓋の穴をくり抜いてフィルムのNDフィルターをつけたりしていたので、カバーを外す時は注意が必要なのです。カバーをなくすのが嫌なのでテープで鏡筒に貼り付けておいたら、途中からの強風で飛んでいってしまい、翌朝10mくらい離れた溝の中に落ちているのを発見しました。

一つ忘れてしまったことがありました。撮影時にε130Dにフードをつけることが頭から完全に飛んでしまっていたのです。でもこのことは、後で示すように意外ないい結果につながりました。

撮影開始時に、NINAでEAFのオートフォーカスを走らせたのですが、曲線の形があまりにおかしいので調べてみたら、鏡筒接眼部の焦点調整のネジがしまっていて接眼部が前後にほとんど動かない状態になってました。なぜこうなっているのか全く記憶がないのですが、久しぶりだとこんな些細なことがトラブルになります。

それ以外は問題なく、むしろ思ったより順調に撮影を再開できた感じです。何も変えていなかった鏡筒を選んだのは正解で、かつそれでも多少のトラブルはあるものです。再開時はできるだけ冒険をしなというのが鉄則なのかと思います。また慣れてきたら、他の二つの鏡筒を試せばいいでしょう。

前半のターゲットは夏の天体の残りのサドル付近で、三日月星雲を入れてです。HαとOIIと構成と背景の色だしにRGBを狙いましたが、0時頃には西の空の低いところに沈んでしまい、結局時間切れでAOの撮影ができたのみでした。その後、冬の天体に移り、ターゲットを魔女の横顔星雲としました。RGBを撮影後Lも撮影できたらと思いましたが、途中から月が出てくるのでLは諦めて、その分RGBの枚数を稼ぐことにしました。

次の日は土曜で休みなので、ずっと起きていても良かったのですが、結局午前2時頃には寝てしまいました。撮影途中も気づいていたのですが、どうもこの日は快晴には程遠くて、ガイド用カメラには雲が流れる様子が見え、結構頻繁にガイド星を見失っていました。


画像処理

翌朝、撮影結果を見ましたが、雲の影響が大きくかなりの枚数を捨てなければダメそうです。結局使えたのが、サドル付近ではHαが5分x5枚、OIIが5分x3枚で、トータルわずか40分、魔女の横顔もRが5分4枚、Gが3枚、Bが4枚と、こちらもわずかトータル55分でした。これだけ短いともうテスト撮影レベルです。結果を期待せずに、様子見で画像処理を進めました。

まずRAW画像をそのまま見て思ったのが、特に魔女の横顔のほうですが、かなり淡いのでパッと炙り出してみるとε130D特有の迷光が大きく出てしまっているのがわかりました。下はRの1枚撮り画像にSTFの強度オートストレッチをかけたものです。

Image17_ABE

これはさすがに厳しいかと思いました。最初に処理した時はフラットが全然合わなかった(カメラの回転角が変わった)ので、今ブログを書いている日曜の昼間にフラットを全て取り直しました。いつものように、部屋の中の白い壁を撮影します。

ゲインのみ撮影時の100に合わせて、明るさは露光時間を変えて調整します。温度は下手に冷却すると結露とかして痛い目にあったことがあるので、常温のままです。フラットダークもフラット撮影時と温度を合わせるために必ず一緒に撮影するようにしています。撮影する時はLRGBAOSの全部を撮影するようにして、一度撮影したものを今後使い回します。カメラを外したり、動かしたりしない限り、フラット画像は使い回すことができると思っていいでしょう。

新たに撮影したフラット画像を使って処理したところ、なぜか迷光が全くわからなくなるレベルでうまく補正ができました。下はRをWPPで5枚スタックしてSTFの強度オートストレッチをかけたものです。WBPPでのフラット化で迷光は見事に消えています。

integration_ABE

この迷光には過去に散々悩まされていて、これまではここまでうまく補正できたことはありません。心当たりが一つあるとしたら、今回はフードをつけなかったことでしょうか。撮影場所はこれまでと一緒の自宅の庭。しかも位置までほとんど変わらないので、自宅や街灯の状況も同じだと思っていいでしょう。フィルターやカメラなども変えていないので、こちらも影響がないでしょう。まだ確定ではないですが、フードがフラット化にはむしろ悪影響を起こしていた可能性は否定できません。確定にはもう少し時間をかけたいと思います。

フラット化がここまでうまくいくと、その後の画像処理はかなり楽です。その一方、トータル露光時間がどちらのターゲットも1時間以下と短いので限界もあり、ノイズ処理などが重要になります。


魔女の横顔星雲

処理した順に結果を示します。まずは魔女の横顔星雲です。RGB画像で合成が楽なので、先に処理しました。RGBだとMGCがまともに使えるために、色合わせやフラット化が楽になります。露光時間が短いので多少ノイジーなのは仕方ありません。NXTなどを使いノイズ処理を丁寧にかけると、思ったより淡いところまで炙り出すことができました。

Image17_SPCC_MGC_HS_NXT_back_HT_SCNR2_cut_rotate
  • 撮影日: 2025年10月18日1時5分-2時8分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: ZWO製 R、G、B
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、R: 4枚、G: 3枚、B: 4枚の計11枚で総露光時間55分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 R: 0.03秒、G: 0.03秒、B: 0.03秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC

この露光時間で、しかも自宅での撮影でこの結果なら、もうあまり不満はありません。よく見ると、左右に横切る赤い構造が見えるので、Hαを別撮りして追加してもいいかもしれません。

追記: 後日、撮り増しと、Hαを新たに撮影しました。




過去画像との比較

以前魔女の横顔を撮影したのは2019年で、もう5年も前のことになります。その際の画像が以下です。

integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_mask_all2a_cut

その後、2020年に上の画像をDeNoiseで再処理したものが以下です。
integration_DBE_DBE1_PCC_AS_SNP_DN-denoise_cut

機材はFS-60CBとEOS6Dで、露光時間は1時間27分でした。もっと長く撮影したのかと思ってましたが、高々1時間半なので、5年の間に長時間撮影が普通になってしまったということでしょうか。その一方、今回の45分はもっと短いにも関わらず、より淡いところも細かい構造も圧倒的によく出ています。口径が大きくなったこと、カメラが高感度になったこと、画像処理ソフトが進化したことなどが原因かと思われます。

当時の記事を読み返していると、DeNoiseのインパクトが相当大きかったことがわかります。今はその役割をBXTとNXTが担っていると言っていいでしょうか。特にNXTは今年の2月のアップデートでカラーノイズに対応したので、かなり使える範囲が増え、DeNoiseやPhotoshopのカラーノイズ軽減に頼らなくても良くなったと言えます。


サドルから三日月星雲

サドル付近はHαが支配的なため、AOO撮影が簡単で面白いのですが、ナローバンド撮影ではMGCなどをきちんと使うことができないため、ちょっと面倒です。Hα画像のS/Nは1枚でもかなりよく、全体に迫力が出ます。下は1枚撮りにPIのABEの4次をかけて、STFで強度にオートストレッチした画像ですが、画面全体に複雑な構造が広がっています。

Image01_ABE

AOO合成そもそも2色しかないものを無理やり3色にするので、のっぺり画面になりがちなのです。下は3枚のOIII画像をスタックしたものですが、同じくPIのABEの4次をかけて、STFで強度にオートストレッチしたものです。今回はOIIIにも多少構造は含まれているようなので、多少は色の階調が出そうです。

integration_ABE

AOO合成をして処理したものが以下になります。
Image10_SPCC_MGC_NXT_BXT_GHSx3_HT_NXT_back_LHT_SCNR2
  • 撮影日: 2025年10月17日21時43分-23時51分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: TAKAHASHI製 ε130D(f430mm、F3.3)
  • フィルター: Baader製 Hα 6.5nm、OIII 6.5nm
  • 赤道儀: Celestron製 CGEM II
  • カメラ: ZWO製 ASI6200MM Pro (-10℃)
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
  • 撮影: NINA、bin2、Gain 100、露光時間5分、Hα: 5枚、OIII: 3枚の計8枚で総露光時間40分
  • Dark: Gain 100、露光時間5分、温度-10℃、117枚
  • Flat, Darkflat: Gain100、露光時間 Hα: 0.5秒、OIII: 0.5秒で全て64枚
  • 画像処理: PixInsight、Photoshop CC
Gに割当てたOIIと、Bに割当てたOIIで少し処理に差をつけることで、構造がよりはっきりとして多少面白い画像になります。本来はRGBで撮影した画像を使って色付けをしたいところですが、今回は曇りで露光時間がとれなかったので、できることといってもこれくらいになってしまいます。

この領域は三日月星雲を個別に個別に撮ったりはしていますが、広角で電視観望で見たりはしていますが、広角で撮影までするのは初めてです。

広角で撮ったのは、三日月星雲の少し下にバブル状の惑星星雲があるという話で、それを見たかったのですが、流石にこの露光時間では厳しかったようです。上の画像からその部分を切り出して、少しノイズを落とし、彩度をあげた画像を示します。

Image10_SPCC_MGC_NXT_BXT_GHSx3_HT_NXT_back_LHT_SCNR2_buble_cut

右下の半円の盛り上がっているところのてっぺんに少しだけその片鱗が見えます。もっと露光時間をかけて出すことができればと思います。それよりも、これだけ拡大してもあまり大きく破綻せずに、そこそこ見えてしまう方が驚きです。枚数を稼いでいないのでdrizzleとかもできていません。2倍のdrizzleをかけるとさらに解像度も増すのかと思います。ε130Dおそるべしです。

(追記): 後日、撮り増ししました。drizzleもやってみたのですが、分解能がすごいことになりました。




Annotation

恒例のAnnotationです。まずは魔女の横顔から。この領域もすごい数の銀河があります。

Image01_Annotated

続いてサドル付近です。こちらもSh2天体とかが含まれていて、かなり豪華な領域です。
Image01_Annotated


まとめ

やっと夜の撮影に復帰しました。仕事は忙しいし、たまの休みも雨が続いて太陽撮影は全然進まないしで、少しヤキモキしていましたが、久しぶりにストレス解消になりました。半年ぶりの撮影も画像処理も、太陽とはまた違って、懐かしかったです。

雲があったので、実際に使えた枚数は少なかったのですが、露光時間の割には十分細部まで出るのはかなり楽しいです。ε130Dの明るさと、ASI6200MMのbin2での明るい撮影が効いているのだと思います。自宅のような光害地でも十分なS/Nを稼げます。

平日でもいいので晴れが続いてくれるなら、もう少し同じ領域で撮り増しするかもしれません。









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