ほしぞloveログ

天体観測始めました。

カテゴリ:カメラ > ASI224MC

連休ですが、富山は相変わらず天気はよくありません。こんな時はたまっていた課題を片付けます。


CMOSセンサーを顕微鏡で見るとどうなる?


事の発端は、小海の星と自然のフェスタでスタベのアルバイトのK君がASI294のセンサー面を実体顕微鏡で見てみたいと言った事です。ASI294は電視観望用に持っていますが、うちにはたまたま実体顕微鏡もあります。下の子Sukeの自由研究のために2017年の原村星まつりで買ったものです。これならなんとかなりそうです。

ところがシベットさんからコメントで実体顕微鏡では倍率が低すぎるのではという指摘がありました。なぜかうちには倍率の高い生物顕微鏡もあります。これも同じく下のSukeの自由研究のために2016年の原村星まつりで購入しています。というわけで、必要なものはそろっているので実際に見ることにしました。果たして何が見えるのか?

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まずは実体顕微鏡

手持ちの実体顕微鏡は対物レンズが4倍、接眼レンズが10倍で、40倍のものです。ここにASI294を置いてやればいいのですが、カメラ本体が大きすぎでレンズに近づき過ぎてしまいピントが出ません。仕方ないので、今回はもっと奥行きの短いASI224MCで試すことにします。K君、ごめんなさい。

ASI224MCのセンサーサイズは4.8×3.6mm、解像度は1304×976で一素子のサイズは3.75×3.75ミクロンとのことです。

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センサーは思ったより小さく、周りに金色の線がたくさんつながっています。これを40倍の実体顕微鏡で見てみました。とりあえずiPhoneのカメラで撮ってみます。

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よく見えていますが、センサー面はのっぺりしているだけでやはり全然倍率が足りないことがわかります。

でも実体顕微鏡は簡単には倍率を変えることができません。いろいろ考えて、手持ちのアイピースを利用することにしてみました。接眼レンズを片方外します。31.7mmのアメリカンサイズは径が大き過ぎたので、昔の1インチタイプのものを使いました。手持ちは20mmと12.5mmと9mmの3つ。

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最初に20mmのもので見てみます。1インチサイズだと今度は径が小さすぎるので、とりあえず固定せずに穴に入れるだけです。

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もともとついていた10倍のレンズより少しだけ大きく見えます。

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10倍レンズは焦点距離25mmとか30mmくらいなのかと思います。この時点で50倍とか60倍相当かと思います。当然これだけだとまだ倍率は不十分なので、さらに倍率を上げるために12.5mmレンズを取り付けます。

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これも穴に入れただけで固定していませんが、まあとりあえずそこそこ安定して見えるものです。像はというと、

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接続線は大きく見えてきましたが、センサー面はほとんど変化なしです。最後9mmを試します。

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ここでiPadのLEDで光を当てたこともあり、基板のパターンが見えてきました。しかもピントを調整してセンサーの端をよく見ると目盛りのようなものが見えます。

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小さな目盛り10個につき大きな目盛りがあり、大きな目盛りを数えると長辺で14個、短辺で10個程度あります。センサーサイズが4.8×3.6mmなので、大きな目盛り2個で1mmはないくらいということがわかります。上2枚の写真のセンサーの枠の太さは同じなので、遡っていくと全体サイズまで直接比較することができると思います。

これで倍率は手持ちの1インチアイピースでは限界です。最終倍率は120倍程度かと思われますが、それでもセンサー面の構造は全く見えてきません。やはりもっと倍率の高い生物顕微鏡が必要なようです。


生物顕微鏡なら見えるか?

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さて、生物顕微鏡に移ったのですが、ここで問題が発生しました。ASI224MCでも奥行きがあり過ぎて、ステージを一番下に下げても対物レンズの間に入らないのです。

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最初はセンサーがついている基板を外そうかと思いました。

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ですが、基板の右側についているコネクタをうまく外すことがどうしてもできなくて、泣く泣く諦めることにしました。ちなみに左上についている赤い検品シールは触るとすぐに崩れるタイプで、ネジを緩めるとシールが簡単にとれてしまいます。改造したかどうかのチェックを兼ねている様です。なのでこのカメラはもうメーカーのサポートは受けることができないと思っておいたほうがよさそうです。もし個人で分解する際は気をつけてください。

結局今回は仕方ないので、下の写真の様に顕微鏡のステージを取り外すことにしました。

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ステージに置くことができないので、CMOSカメラを手で持ちながら見ることになります。バランスが悪いのですが、何度か撮影すればいい位置とピントで写ることもあり、何とかなりそうです。

倍率は対物レンズが4倍、10倍、100倍。接眼レンズが10倍と15倍のものがあります。

とりあえず対物4倍と接眼15倍で目で見てみます。明かりがもっと欲しかったので、先日中身を取り替えたパワータンクの強力LEDで照らすことにしました。この状態で目で見てみると、手でカメラを押さえながらですが、何とか見ることができます。

ここで秘密兵器登場。今回の撮影のために、SVBONYの顕微鏡の差込口に挿すことができるアダプターを買っておきました。

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これはT2ネジが切ってあるので直接ZWOのASIカメラに取り付けることができます。

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これを生物顕微鏡の接眼レンズの代わりに取り付け、直焦点撮影をします。

最初はASI294MC Proを撮影用のカメラとして使いました。まずは最低倍率の4倍の対物レンズで撮影します。撮影はMacのASICAPを使いました。

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すでに先ほどより大きく写り、遥かに精細に写っています。だんだん楽しくなってきました。

対物レンズの倍率を4倍のものから10倍のものに上げます。

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おお!とうとうセンサー面の構造が見えてきました。

もっと倍率をあげたいのですが、100倍の対物レンズはセンサー面に相当近づけなければならなく、保護カバーを外さなければピントが合わなさそうです。さらに、かなり暗くなることがわかっているのであまりやりたくありません。いろいろ考えて、ASI294MCよりも一素子のサイズが小さくて分解能の高いASI178MCを使ってみることにしました。その結果がこちらです。

もうセンサー面の構造もはっきりと見えます。

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でも構造は見えますが、RGBフィルターとかの影響がわかりません。目盛りがついているところから少し中に進むと紫のエリアがなくなる境目があるのですが、わかるのはこれくらいです。この頃になるとカメラの固定方法の工夫でかなりピントも合わせやすくなってきました。下はピントや撮影カメラのゲインを相当合わせ込んだ場合です。

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かなりはっきり見えて、センサー10素子で目盛りが一つ進むこともわかります。なので目盛りはセンサーの数を表していたんですね。でも、これでも全部同じ素子のように見えてしまっています。

どうやっても進展がないので、ここでかなり悩みました。最後にとった方法が、わざとカメラを回転させて素子を45度傾けてみること。理由ははっきりとわかりませんが、これでやっとうまく見ることができました。最終結果です。

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見事にRGGBフィルターの配列を見ることができます。これを見て改めて思うのですが、これだけの微細構造を作る技術は見事なものです。これが民生レベルで安価に購入できるというのはなんと幸せな世の中なのでしょう。

最後に、その時の撮影風景です。

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考察

とりあえずセンサー面の構造とRGGBフィルターの存在を確認することができました。対物レンズの倍率を上げ、十分な灯りを用意することができれば、もっと微細な構造を見ることができるかもしれません。

RGGBフィルターがかかっている部分と、かかっていない部分の境目もはっきりとわかります。RGGBフィルターは全面にかかっているわけではなく、センサーの端の方はフィルターはないことがわかります。


問題はここから何を引き出すかです。K君と話した時、サッポロポテト現象を解明したというようなことを言っていた気がします。サッポロポテト現象はあぷらなーとさんも困っているようです



サッポロポテト現象は各素子についているマイクロレンズ効果が原因のようですが、はっきりとした解決策はあまりないようです。今回はやっとCMOSセンサーの素子の構造が見えたくらいなので、まだゴールまでは程遠いと思います。

今回の結果をどう活かすのかが今後の課題でしょう。


まとめ

こんなふうに工夫でどんどん見えてくるような実験は超面白くて大好きです。

とりあえず今回分かったことは、
  • 実体顕微鏡ではCMOSセンサーの構造を見るには倍率が低すぎる。
  • 生物顕微鏡を使うことでCMOSセンサー面の構造、RGBフィルターの様子を見ることができる。
  • センサー1素子そのものを十分な解像度で見るには至らなかったが、まだ拡大率を上げる手は残されているので、1素子をもう少しはっきり見ることもできるかもしれない。

課題としては
  • センサーを置く架台をしっかりしたほうがいい。
  • センサー面についている保護ガラスを外して、高倍率で撮影してみる。
  • 動画撮影でスタックするとさらに解像度が上がるかもしれない。
  • ASI294MCのセンサー面を見てみる。
ことくらいでしょうか。あー、今回も面白かった。


K君、遅くなってすみませんでした。やっとなんか見えるくらいにはなってきました。

K君、次は何を見てみたいですか?


現在使っているCMOSカメラはZWO社のASI224MCですが、さすがに一つだと足りない時が多くなるようになってきました。

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現在機能としては「惑星撮影」「電視観望」「電子ファインダー」「極軸調整」「オートガイドカメラ」と一台で5役を兼ねているので、確かに数が足りないというのも致し方ありません。特に、電視観望と電視ファインダーでは必要な焦点距離が違うため一つでは同時に使えない、撮影時にはガイドにCMOSカメラを使うと電視ファインダーとして使えなくなるなど、二つ持っておくといいことがあるケースが増えてきました。


まず現在手持ちのCMOSカメラに関わらず、目的別に必要な機能をあげてみると
  • 惑星撮影: フレームレート、感度
  • 電視観望: 感度、長時間露光
  • 電子ファインダー: 
  • 極軸調整: 
  • オートガイド: 感度、解像度
といったところになりますでしょうか。電子ファインダーと極軸調整はそれほど高い要求がありません。また、惑星撮影と電視観望は露光時間に関してはある意味逆の機能を必要としていますが、両方とも高感度を必要としているところは共通です。


ASI224MCはフレームレートと感度は得意ですが、逆にセンサー面積は小さく、解像度は良くないです。ASI224MCと比較して、2台目のCMOSカメラを考えたときに、目的別に新たに期待したい機能は
  • 惑星撮影: 裏面照射、解像度
  • 電視: 解像度、センサーの面積
  • 電子ファインダー: 
  • 極軸調整: 感度、
  • オートガイド: 解像度 
センサーの面積は実はすごく欲しい項目の一つです。SONYのα7Sと比べて電視でどうしてもできないことの一つが、広角で焦点距離の長いレンズを使って画面に溢れ出んばかりの恒星を写すことです。

逆にいらないもの、かえって邪魔になっている機能としては
  • 惑星撮影: 長時間露光
  • 電視観望: フレームレート
  • 電子ファインダー: フレームレート
  • 極軸調整: フレームレート
  • オートガイド: 
 フレームレートを欠点とて挙げたのはUSB3という意味で、ケーブルが太いことと、Wi-Fiの2.4GHzにノイズを与えることです。


以上の点を考えて、次のCMOSカメラの候補を考えると

  1. ASI178MC: 解像度が高い。面積が1/1.8インチと広い。14bitADC。裏面照射。
  2. ASI174MC: 面積が1/1.2インチとかなり広いが、解像度は多少良くなるくらいでこれまでとあまり変わらない。グローバルシャッターというのが特徴。
  3. ASI185MC: 面積が1/1.8インチと広い。解像度は多少良くなるが、これまでとあまり変わらない。
  4. ASI290MC: 惑星撮影のため。裏面照射。解像度は多少良くなるがこれまでとあまり変わらない。面積は1/3インチだったのが1/2.8インチとほとんど変わらない。
  5. ASI290MM: 惑星撮影のためさらなる感度向上。裏面照射。ただしモノクロのため撮影の手間はかかる。電視観望はモノクロのため色付きではできない。


感度の点からSONYセンサーに限定しました。また、QHYCCD社のQHYシリーズもあるのですが、マウントやレンズアクセサリなどの使い回しも考えて、ZWO社に限定しました。

これだけ見ると、惑星撮影重視ならASI290でカラーかモノクロかは最終画像を撮るか手間を取るかで考えればいい、電視重視ならASI178MCになりそうな感じです。ところが、実はなんだかんだ言って一番重要な感度をもう少し考えてみます。ここにSONYが提唱する新たなSNR1sという指標があるのですが、一言でいうとどこまで暗い光でものが見えるかという非常にわかりやすい値になっています。

このページを信用すると、なんとASI224で使われているIMX224センサーが0.13ルクスで圧倒的に暗い光まで見えます。意外にも次にいいのがASI185に使われているIMX185で0.20ルクスで、どちらも裏面照射ではありません。次がやっと裏面照射のASI290のIMX290で0.23ルクス。ASI178用のIMX178は裏面照射ですが、0.46ルクスでASI224の3倍から4倍です。これは単純に言うと露光時間が3倍から4倍かかることを示しています。いま電視でだいたい10秒くらいで露光していますが、これはすでにリアルタイム性を損ねるくらいすでに長い時間です。これが3倍とかの30秒になると、おそらく待つのに耐えられないでしょう。それならば面積を多少なりとも広くすることだけを考えて、ASI290よりも感度がいいASI185MCが候補に上がってきます。ただし、ASI178MCの14bit ADCが意外に電視でも淡いところの階調の見え具合に効いてくるかもしれません。ここら辺は賭けですね。

値段的にはASI174MCが7-8万円と多少高いくらいで、他の機種は4-5万円と大差ないです。

うーん、迷います。またしばらく考えます。でも、迷って色々考えてる時が一番楽しいんですよね。


星雲星団撮影まで考えると、ビット数、冷却、解像度などが欲しくなりますが、値段が跳ね上がるので今回は考えないことにしました。今の所はカメラで十分かと思っていますが、そのうちに撮影目的で欲しくなるのかもしれません。

前回の記事で苦労して二軸の微動回転台を製作したのですが、HUQさんのコメントで心変わりをして、早速ホームセンターで適当な直角が出ているプレートを買ってきました。穴もいい具合に空いていたので、ドリルでその穴を少しだけ広げ、1/4インチのネジを使ってそのプレートとアルカスイスクランプを平行に気をつけながら固定、さらに同じく1/4インチのネジでCCDとも固定しました。CCDの方は取り外ししやすいように、つまみ付きのネジにしました。

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夜に試してみたのですが、使い勝手は調整機構が下手に入っているよりはるかに楽です。SharpCap上のCCDの画像とBackyard EOS上の60Dの画像をシリウスで見比べると、水平方向はほぼ誤差なし、垂直方向は少し (SharpCapで赤いサークルを表示した時の一番小さい円の分くらい) だけずれていました。多少ずれていても、ずれの量がわかっていればその位置にカメラの中心が来ることがわかるので、実用上はこれでもう十分です。

何より光学ファインダーのための調整などにかける時間を省くことができるのがいいです。

結局、自作の微動調整台はお蔵入りになりそうです。



 

10月2日、やっと晴れました。日曜の夜で明日は仕事なのですが、久しぶりの全天に近い星空なので、自宅の庭で少し見てみました。

前回の記事に引き続き、電視観望の検証の続きです。まずやったことはRevolution Imager (以下RI) とASI224MCの比較です。特に星雲に色がつくかという観点で比較しました。

最初はC20、北アメリカ星雲です。CSマウントの8mmでの比較です。

ASI224MC: 1秒露光、Gain450 (45dB)、8回スタック、

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色は付いていて、メキシコ半島の形もなんとかわかります。

続いてRI: 64FLD, 36dB

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全然色がつきませんでした。形は多少わかります。でもこれはまだ設定不足だったことが後に判明し、次のM57で評価はいい方向へと覆されました。でも、その前にASI224MCで16mmで写したものを載せておきます。

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なぜかというと、同じF1.2でも明らかに16mmレンズよりも8mmのほうが明るいからです。写真を見てもらうと分かりますが、かなり無理をして色を出しています。このときの設定が1.5秒露光、Gain 480(48dB)、9回スタックです。スタックの回数はノイズが落ちるだけなのでそれほど差はないのですが、これで8mmのときとだいたい同じくらいの明るさだと思うと、1sec/1.5sec x (45-48)dB = 1/(1.5 x 1.4) ~ 1/2.1 で約半分くらいの明るさです。確かに8mmのほうが値段も高いし、作りもしっかりしてるのですが、同じF1.2でも大分違うなあというのが感想です。メキシコ半島の形はよりはっきりわかります。

次はBKP200にカメラを取り付けての電視です。まずは以前も撮影したM57です。ASI224MC: 1秒露光、Gain600 (60dB)、8回スタック、

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綺麗に色がでています。電視観望としては十分でしょう。

次はRI:  64FLD, 36dBです。最初の設定は画面を見ればわかりますが、

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真ん中にうっすら見えています。先の北アメリカ星雲と同じ設定です。ここの「画面調整」をいじったものが

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になります。これならば電視観望としては十分合格圏でしょう。先の北アメリカ星雲も、もっとマシに見えるはずですが、今回は試すことができませんでした。次回以降リベンジしてみます。


続いて、これも以前撮ったM27、亜鈴状星雲です。ASI224MC: 2秒露光、Gain550 (55dB)、8回スタック、

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続いて、RI:  256FLD, 44.8dB

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「画質調整」のところはいじっていないのですが、露光とゲインは最大です。ここら辺がRIの限界な気がします。ASI224の方はまだ余裕がありそうです。


だいたいここまででASI224とRIとの比較はできたので、これ以降ASI224のみですが、その前に少しまとめてみます。やはりASI224のほうがソフト上でいろいろ調整でき、解像度もいいので、性能としては上ですが、RIの方も値段からいったらとても充実したセットで、入門者も扱えることを考えると、なかなか見えなかった星雲の色が楽しめるという観点からは、すごくお得なセットだと思います。日本でも是非販売されれば、天体観測の裾野が広がることにかなり貢献するのではないでしょうか。自分の目で星雲に色が付いているのをみるなんて、私自身少し前まで本当に憧れでした。あと、もう少し試したいことは、入門用の6cmクラスの口径と合わせてみることです。また後日、子供と一緒に試してみたいと思います。


続いてこと座の球状星団M56です。ASI224MC: 1秒露光、Gain600 (60dB)、16回スタック、

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十分綺麗に見えています。球状星団は比較的このシステムに向いている気がします。


だんだん厳しくなってきます。C27、白鳥座の三日月星雲です。ASI224MC: 4秒露光、Gain450 (45dB)、22回スタック、

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ずいぶん無理をして色を出していますが、かろうじて形が見えています。

さらにC33、白鳥座の網状星雲。ASI224MC: 5秒露光、Gain450 (45dB)、11回スタック、

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こちらも相当無理がありますが、形は一応多少見えています。

最後は同じく網状星雲の西側のC34です。ASI224MC: 10秒露光、Gain400 (40dB)、8回スタック、


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ほとんど形もわかりません。ここら辺が限界でしょう。

やはり輝度の低い星雲はあまり得意ではないようです。撮影するときは分のオーダーで露光するので、まあ当たり前といえば当たり前なのですが、それでも自宅の庭での撮影なので、もっと暗いところに行けばもう少しマシなのかもしれません。一度天気がいい日に、いつもの牛岳に行って試してみようと思います。


あと、今回焦点距離800mmのBKP200で試したのですが、もう少し広角でみたいこともあり、実は0.5倍のレデューサーも試しました。しかしながら、結局どうやっても合焦しませんでした。(追記: 後日解決しました。)

ASI224もRIのCCDも同じように1.25インチに変換するアダプターの先につけたのですが、センサー面から多分5cmくらいのオーダーで離れているところにレデューサーが位置していると思います。フォーカサーではあわしきれなかったので、フォーカサーのアダプターを外して、かなり大きな範囲で前後させたのですが、全く合焦する気配がありませんでした。何か間違っているのか、ちょっと不本意なので、C8か6cmの屈折で試してみようと思います。







近頃ずっと天気が悪く、ほとんど星が見えていません。今週少しの晴れ間に試したことを書くことにします。結構まとまりの無い記事です。

今やりたいと思っていることは
  1. ASI224Revolution Imagerとの比較。(追記: 2016/10/2に試しました。)
  2. CSマウントレンズでどのようなものを見ると面白いか。(この記事内で試しています。)
  3. CanonレンズをASI224に付けた時に、どのようなものを見ると面白いか。(この記事内で試しています。)
  4. 0.5倍のレデューサーを手に入れた(Revolition Imagerに付いてきた)ので、BKP200に取り付け焦点距離400mmにした時に、どのようなものを見ると面白いか
  5. 入門用の口径60mm程度の屈折望遠鏡に同じく入門用のRevolution Imagerを取り付けた時どう見えるか。(追記: 2016/10/17に試しました。)
などたくさんあるのですが、星がなかなか見えないので一向に進みません。とりあえず、1番目をM45(プレアデス星団)で比較してみました。ASI224とRevolution Imagerともに、焦点距離16mmのCSマウントレンズをつけています。まずはASI224をSharpCapで500msでスタック無しで撮った画面をiPhoneで撮影したもの。

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雲間ですが、綺麗に見えています。続いて、Revolustion Imagerの7インチモニターをiPhoneでそのまま撮影したもの。

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こちらは露光時間は128FLDで、ゲインは36dBに合わせて、3回のスタックを繰り返している画面です。これで数秒ごとの画面更新になります。

ASI224の方が解像度が高いので、当然細かく見えるのですが、電視観望の目的の一つの「みんなで天体を共有する」という観点で考えると、印象としてはどちらも同様に楽しめるのではないかというのが、一番の感想です。色つき天体はまだ比較できていないので、次回以降試したいと思います。

あと、2番、3番を少し試しました。

現在CSマウントのレンズが
  • 4mm F1.2
  • 6-15mm F1.4
  • 8mm F1.2
  • 16mm F1.2
と揃っており、EOS-T2ADJでCANONレンズをASI224に取り付けることができるので、EOS X7についてきた
  • 18-55mm F3.5-5.6
  • 55-250mm F4-5.6
を使うことができます。

まずはM31(アンドロメダ星雲)を16mmで見てみました。500m secの8回スタックです。

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形は十分に見えていると思いますが、実質4秒かかっているので、リアルタイム性は少し薄れるかもしれません。

続いてM42(オリオン大星雲)をEOS付属のレンズで200mm程度で見てみました。

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18-55mmの短い焦点距離のレンズではやはり拡大率が足りずに、また暗くなってしまうので、長い焦点距離のレンズの方が見やすかったです。F値が大きいのですが、それでも色がついて見えるのは特筆すべきだと思います。問題は、私自身が望遠鏡などの眼視でオリオン大星雲を見たことが無いので、眼視との比較がまだできていないという、間抜けな所でしょう。

あと、三脚にCCDを乗せただけで合わせこんんでいるので、追いかけることもできなくて、ゆっくりですが時間と供にだんだんずれていきます。

SharpCapのすごいところが、このずれていく星に対するLive Stack機能で、「Align Frames」というオプションをオン(デフォルトでオンみたいです)にすると、星がずれていっても(回転しても)画像上でうまく追いかけていってスタックしてくれるとことです。逆に惜しいところが、スタックする回数を指定できないので、「Clear」ボタンを押すまではずっとスタックし続けてしまうところでしょうか。そのため、多少リアルタイム性が失われてしまいます。Revolution Imagerでは指定回数まででスタックを止めて、そのまま更新し続けてくれるので、スタック機能を比べた際のリアルタイム性はRevolution Imagerの方が上かと思います。


いろいろやっていて、やっと焦点距離と画角の関係が感覚的にわかってきました。式自体は単純で、

画角[rad] = 2 atan( (センサーサイズ[mm]/2) / 焦点距離[mm] )

と表されますが、今使っているASI224MCが1/3インチ型というやつで横4.8mm、縦3.6mmなので、例えば焦点距離2.4mmのレンズを使うと、横の画角がちょうど90度となります。大まかに言うと20mmクラスの焦点距離で10度のオーダー、200mmクラスで1度のオーダーとなります。メシエ天体のかなりのものは40分(0.65度位)でほとんどのものが大体画角にうまく収まるようなので、200mmから400mmくらいの焦点距離を中心に探ればいいということになります。逆に天の川など数十度の広範囲を見たいときには4mmとか8mmのレンズを使えばいいということになります。

ということで、最初の方のやりたいことの4番目の、0.5倍のレデューサーを焦点距離800mmのBKP200に付け、焦点距離400mmにしてメシエ天体を見て、見えるものに当たりをつけたいというわけです。


でもなかなか天気がそれを許してくれません。オリオン大星雲を撮れた9月30日午前3時頃くらいだけがチャンスだったのですが、それも朝5時の薄明で時間切れでした。今週もずっとダメそうなのですが、来週末は少し晴れるみたいです。


やっと帰国したのですが、アメリカに行く前に発注しておいた、主にASI224MCに取り付けるためのレンズ系が届いていました。もちろん電視観望(いい造語なので早速使わせて頂いています)用です。もともとASI224には焦点距離2.1mm、F値不明の魚眼レンズが付いていて、それで見た自宅の空のことも少しこのページの最後の方にレポートしてあるのですが、あまりに広角なのと、F値が分からないのでどれくらい明るいものかわからなかったので、他にも色々試してみたいと思っていました。

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左から
6-15mm F1.4 CSマウントレンズ
8mm F1.2 CSマウントレンズ (HUQさんに勧めてもらったものです)
16mm F1.2 CSマウントレンズ
C-T2: ASIカメラ用のTマウントからCSマウントに変換しCSレンズをつけるためのアダプター
EOS-T2ADJ: CANONレンズをASIに取り付けるマウント

その中で、ASI用CSマウント変換アダプターは最初からASI224に付属しているものと同じものでした。最初から2.1mmの魚眼レンズがついているのでわかりにくいのですが、レンズ部を取り外すと同じものになります。後から気づいたので、時すでに遅しです。

ちなみに、EOS-T2ADJを見つけるまでは、CANONレンズをどうしてもASI224につけてみたいと思い、CANONレンズのカメラ側にかぶせるキャップを改造してこんなもの

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をかなり気合いを入れて作ったのですが、これは完全に失敗でした。後から考えれば当たり前なのですが、筒が長すぎて焦点が全く取れません。しかも娘に断らずに、勝手にカバーに穴を開けてしまって使い物にならなくしてしまったので、後から怒られてしまいました。結局、もっと短い筒が必要でさらに改造しようとしたら、上記EOS-T2ADJを見つけたというわけです。こちらはさすが商品というだけあって、レンズまでの長さをねじ込み式の構造で任意の長さに変えることができるので、非常に便利です。

これらのレンズ径を、明るいうちに試しに全部取り付けてみたのですが、CANONレンズも含めてどれも焦点を取ることができました。ASI224に最初から付いてきたレンズはF値が書いていないのですが、少なくとも上記レンズは付属のものよりも明るいです。


この日は曇っていたので、ほとんど何もできなかったのですが、じゃあこの曇りの中どれくらい見ることができるか試してみました。時間帯にもよりますが、月は目で見て雲に覆われているが、明るくなっている場所はわかりる程度、もしくは丸い形がほんのりわかるくらいです。写真で撮ってみると大体これくらいです。

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中央が月で、下のは電灯です。iPhoneでとったのですが、見た目の印象より少し暗く出てしまっています。とりあえず一番最初に撮影した時で、最悪な時間帯でこれくらい、これ以降時間によってはもう少し見えるときもあるくらいですが、雲が切れる場所は目で見る限りほぼ無しといったところです。


このような状況下で、ASI224にとりあえず6-15mm F1.4 CSマウントレンズをつけて、6mmの広角側で見てみました。使ったソフトはOCTで聞いてきたSharpCap2.9です。

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驚いたことにこんな状況下でも、もちろん見る場所によりますが、雲の少し薄いところを狙うと明るい星ならば余裕で見ることができます。もちろん目では雲だけで、まったく星など見えはしません。ただ、胎内で見せていただいた時ほどの印象はないです。もちろん天候もあの時より悪いので、直接の比較はできないと思いますが、ここら辺は機器の差なのでしょうか。まあ、今日はお試しレベルのテストなので、雲がないときにどれくらい見せてくれるかが楽しみです。その後、他のレンズを試したりもしましたが、曇りの状況下ではあからさまな違いを見るには至りませんでした。

あと、OTCでSharpCapは動画を撮っている最中に何枚かの画像をスタックできるのでいいと聞いたのですが、明らかにダークノイズが減るので、確かにより鮮明に星をあぶりだすことができました。ただし今日は雲だらけなので、雲も平均化されてしまい全体に明るくのっぺりした印象になってしまいました。これは暗いところではダークノイズだけ減らせるので強力な武器になるでしょう。でも実はそれよりも単純に、BrightnessだとかContrastなど見た目の調整がFireCaptureよりも充実していることがよかったです。電視観望にはSharpCapはお勧めです。

さて、OTC手に入れててきたREVOLUTION IMAGERですが、明るいうちに少しだけ試したのですが、電池があまり充電されていなくて、しかも充電の仕方を間違えていて(よく見ると書いていますが充電中は電池側のスイッチは0ではなく1側にしておかなければいけない)充電できていなかったので、また次の機会に試したいと思います。




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