前回記事の投稿から、結構間が経ってしまいました。天気が悪くてほとんど何も進まなくてネタ切れでした。
前回は福島星まつりでメニスカスの負レンズをお土産にもらい、それをC8+Phoenixに使ってみたという話を書きました。
今回はその続きで、エタロン前に置いたコリメートレンズをもう少しテストしてみたという内容です。
梅雨時で休日は全然晴れなかったので、たまたま晴れと予報が出た平日の7月10日、朝5時頃から起きて撮影してしまおうと頑張りました。
セッティングは前回記事の最終時と同じで、C8+Phoenixにお土産でもらった焦点距離-400mm程度のコリメートレンズを挟んでいます。前回はまだテスト撮影でワンショット撮っただけなので、シーイングの影響を避けるために長時間撮影し、いいシーイングと思われる状況下で分解能がどこまで出るか見るのが目的です。
いつものように、各ショット200フレームで、30秒ごとに1ショット、大体1時間分の撮影です。細部がどこまで出るか見たかったので、接眼部にVixenの安価な2倍バローをつけて、Apollo-M MINIで撮影しました。Hαの中心波長が出る範囲も限られているので、こうすることによって中心部近くを撮影でき、いい部分だけを分解能よく撮影できるようになります。
この日はパッとみる限りシーイングは悪くなかったように思えます。
結果だけを見ます。1時間程度が2セットで、その中でそれぞれ一番いいものをそれぞれ選びました。
分解能が出ているかどうかは、処理中の特にImPPGで指定するUnsharp maskingのσの値でだいたいわかってしまいます。この値が小さくても模様が出てくる時は上手く撮れていますが、大きな数字にしないと出てこない場合は、分解能が悪い時です。今回は全然ダメでかなり大きな値なので、構造を出している線が太くなってしまいます。
実際に処理を進めても、上の画像を見ている限り、20cmの解像度はおろか、TSA-120の解像度にも遠く及んでいません。
原因はシーイングが悪いか、レンズが合わないかです。でもこれらをハッキリ切り分けることは簡単ではないです。シーイングがいい時に分解能が出たならレンズが悪いのですが、シーイングは30秒ごとの撮影でもコロコロ変わる可能性があるので、ほぼ同時に別のシステムで撮影するなどしなくてはいけません。
できるだけ問題を切り分けるために、撮影した多数枚の画像を見渡して検討してみます。110枚+156枚の画像を見てみると、ほとんどのものがあまり写りは良くなくて、上はかろうじてましなものを選んでいる程度です。PCの画面を見ていて、大きく揺れているようなシーイングではなかったですが、細かいところが出ていない印象で、ほぼ全部の枚数がそのような状況でした。
どうもシーイングというよりはレンズが悪いような印象です。判別するのに毎回こんなふうに多数の枚数を撮っていると大変なので、今後は少し方針を変えます。でもその後も全然晴れないので、モヤモヤしっぱなしです。
7月の連休の最終日の20日、久しぶりに休日が快晴になったので、やっと続きを試すことができました。ここ1−2週間で一気に暑くなりました。昼間は暑くて体力がもたなさそうなので、朝6時起きで準備をして、涼しいうちに撮影します。
今回は、手持ちのいくつかの負レンズを交換して、まずはこのシステムでピントが出るものを洗い出します。前回のものを入れて手持ちは5枚あります。
5枚のうちピントが出るものが3枚ありました。ピントが出ないものは、焦点距離が-400mmよりもっと負側に長いみたいです。前回レンズはC8の主鏡移動で一番端までフォーカスつまみを回してやっとピントが出たくらいなので、C8だと合わないものがあってもおかしくありません。
ピントが合った3枚から、さらにピントの山が出やすいものを選ぶことにします。おそらくですが、山が出やすいものは収差も小さいとの推測からです。3枚のうち、2枚は福島のお土産で、もう1枚はアクロマートレンズを分解したものです。焦点距離は、見た目ではどれもそこまで変わらず、おそらく-400mm程度かと思われます。
結果だけ言うと、アクロマートレンズを分解したものは収差がひどくて使えそうにありません。残り2枚のレンズに比べて、ぱっと見で湾曲が小さいです。今回試した3枚については、湾曲の大きな負レンズほどピントの山が明瞭で、実際の像も良好でした。一般にレンズ形状と収差の関係は光束や配置にも依存するので単純には言えませんが、少なくとも今回のC8+Phoenixの配置ではこの傾向が見られました。
先日福島の星まつりでお土産にもらった負レンズ2枚の像はパッと見は共に悪くなく、さらに慎重に比べると前回試した1枚とは別の、残りのもう1枚の方が良さそうです。レンズの形状としても、いいと思われる方が湾曲が大きいです。今回はこちらを試すことにします。
新レンズでは、まずはカメラをG3M678Mにしました。広めかつ2μmの細かいピクセルサイズで分解能良く撮る目的です。今回は1分ごとに1ショット、30分間撮影しました。これまでの30秒でなく、1分ごとにしたのは、暑さでPCがヘタってしまって反応が遅くなり、1ショット撮影するのに17秒もかかってしまうためです。また、1時間にしなかったのは、すでに暑くなり始めていたからです。
結果を示します。
これは上の7月10日に撮ったものと比べるとかなりマシです。レンズを代えた甲斐があった可能性が高いです。ただ、20cmの口径が活かされているかというと、まだイマイチな気がします。TSA-120のベストと比べても、まだ届いていないです。
今回の撮影で分かったことは、今のC8+Phoenixのセットアップには問題があるようで、写した画像をまとめて見てみると、時間とともに像がボケていくことがわかりました。上の一番まともだったショットはこのセットの中で一番最初に撮ったもので、その後はどんどんダメになっていきました。
たまたまシーイングが悪くなっている時間帯に撮影したのか、それとも何か他に悪くなる原因があるのか?一つヒントは、撮影が終わってから見てみると、ピントが全然ズレてたということです。最初に合わせ損なうようなレベルではないくらいの大きなズレです。どうも、何か時間的に変化する何かのようです。
次に、2倍バローを付けて、カメラをApollo-M MINIに取り換えて、30秒ごとにもう45分ほど撮影しました。45分で途絶えたのは、9時を過ぎて気温を見たら既に33度を超えていたからです。自分自身も暑くて、PCも熱くて限界でした。
今回の2セット目と、上の1セット目との違いをまとめておきます。
結果を示します。
これはかなりいいです。20cmの口径が効き始めていると言っていいでしょう。
1セット目とは拡大率とカメラが違うのですが、1ピクセルあたりの視野角は1セット目とあまり変わらないので、ピクセルサイズだけ考えると、分解能が大きく改善する理由はありません。比較のために、同じ画角で1セット目と2セット目を並べてみます。
明らかに2セット目のApollo-M MINIの方がいいのが、よくわかります。
可能性としては、2セット目がたまたまシーイングが良かったこと、もしくはグローバルシャッターのおかげでしょうか?これまでもグローバルシャッターのほうがいい結果が出ていますが、たまたまの可能性も捨てきれず、いまだに結論は出ていません。ただ、時間帯としては後に撮ったので、シーイングは悪くなるはずです。それでもいい像が出ているというのは、やはりグローバルシャッターのおかげの可能性もあるかもしれませんが、まだ結論は保留しておきます。
ただし、(大気揺らぎという意味での) シーイングというか、鏡筒も含めた揺らぎという意味でのシンチレーション的には問題もあって、今回も1セット目と同じく45枚の画像のほとんどが悪くて、良かったのは最初の数枚だけでした。傾向も1セット目と同じく、時間と共にどんどん悪くなっています。撮影終了後の鏡筒を改めて調整してみると、明らかにピントがずれているのも同じでした。
どうやら今のセットアップでは、撮影中に何か徐々に悪くなる原因があるのは確実のようです。まあこれくらいの10分とかの時間スケールで変化する時は、大抵温度に関係する何かが原因の可能性が高いです。今後この問題を探っていくことになりそうです。
あと、まだレンズの収差が残っている可能性は否定できません。収差がひどいレンズをテストした時に改めて実感したのですが、ピントを合わせ込もうとしても、像がズレたようになり綺麗な像が出るピークが全然わかりません。今一番いいと思っている最後に使ったレンズも、まだこの傾向が少しあるような気がします。焦点距離は-200mmと大きく状況は変わりますが、今一度PSTのレンズに戻してみて、ピントの山がどれくらいか改めて確認するのも手かと思います。もしくは、アイリスを使って今のレンズ径を絞るテストもいいかもしれません。
今回はC8でそこそこうまく出たので、改めて反転やカラー化など画像処理をしたものも載せておきます。
少しずつC8でも像が出るようになってきました。でもまだ問題点は山積みで、今のままではじゃじゃ馬鏡筒のような感じです。もう少し安定に運用できるようにしたいですが、上手くいくのかどうか...。
前回は福島星まつりでメニスカスの負レンズをお土産にもらい、それをC8+Phoenixに使ってみたという話を書きました。
今回はその続きで、エタロン前に置いたコリメートレンズをもう少しテストしてみたという内容です。
平日のテスト
梅雨時で休日は全然晴れなかったので、たまたま晴れと予報が出た平日の7月10日、朝5時頃から起きて撮影してしまおうと頑張りました。
セッティングは前回記事の最終時と同じで、C8+Phoenixにお土産でもらった焦点距離-400mm程度のコリメートレンズを挟んでいます。前回はまだテスト撮影でワンショット撮っただけなので、シーイングの影響を避けるために長時間撮影し、いいシーイングと思われる状況下で分解能がどこまで出るか見るのが目的です。
いつものように、各ショット200フレームで、30秒ごとに1ショット、大体1時間分の撮影です。細部がどこまで出るか見たかったので、接眼部にVixenの安価な2倍バローをつけて、Apollo-M MINIで撮影しました。Hαの中心波長が出る範囲も限られているので、こうすることによって中心部近くを撮影でき、いい部分だけを分解能よく撮影できるようになります。
この日はパッとみる限りシーイングは悪くなかったように思えます。
結果だけを見ます。1時間程度が2セットで、その中でそれぞれ一番いいものをそれぞれ選びました。
110枚のうちのベスト。
156枚のうちのベストです。
分解能が出ているかどうかは、処理中の特にImPPGで指定するUnsharp maskingのσの値でだいたいわかってしまいます。この値が小さくても模様が出てくる時は上手く撮れていますが、大きな数字にしないと出てこない場合は、分解能が悪い時です。今回は全然ダメでかなり大きな値なので、構造を出している線が太くなってしまいます。
実際に処理を進めても、上の画像を見ている限り、20cmの解像度はおろか、TSA-120の解像度にも遠く及んでいません。
原因はシーイングが悪いか、レンズが合わないかです。でもこれらをハッキリ切り分けることは簡単ではないです。シーイングがいい時に分解能が出たならレンズが悪いのですが、シーイングは30秒ごとの撮影でもコロコロ変わる可能性があるので、ほぼ同時に別のシステムで撮影するなどしなくてはいけません。
できるだけ問題を切り分けるために、撮影した多数枚の画像を見渡して検討してみます。110枚+156枚の画像を見てみると、ほとんどのものがあまり写りは良くなくて、上はかろうじてましなものを選んでいる程度です。PCの画面を見ていて、大きく揺れているようなシーイングではなかったですが、細かいところが出ていない印象で、ほぼ全部の枚数がそのような状況でした。
どうもシーイングというよりはレンズが悪いような印象です。判別するのに毎回こんなふうに多数の枚数を撮っていると大変なので、今後は少し方針を変えます。でもその後も全然晴れないので、モヤモヤしっぱなしです。
別のレンズを試してみる
7月の連休の最終日の20日、久しぶりに休日が快晴になったので、やっと続きを試すことができました。ここ1−2週間で一気に暑くなりました。昼間は暑くて体力がもたなさそうなので、朝6時起きで準備をして、涼しいうちに撮影します。
今回は、手持ちのいくつかの負レンズを交換して、まずはこのシステムでピントが出るものを洗い出します。前回のものを入れて手持ちは5枚あります。
5枚のうちピントが出るものが3枚ありました。ピントが出ないものは、焦点距離が-400mmよりもっと負側に長いみたいです。前回レンズはC8の主鏡移動で一番端までフォーカスつまみを回してやっとピントが出たくらいなので、C8だと合わないものがあってもおかしくありません。
ピントが合った3枚から、さらにピントの山が出やすいものを選ぶことにします。おそらくですが、山が出やすいものは収差も小さいとの推測からです。3枚のうち、2枚は福島のお土産で、もう1枚はアクロマートレンズを分解したものです。焦点距離は、見た目ではどれもそこまで変わらず、おそらく-400mm程度かと思われます。
結果だけ言うと、アクロマートレンズを分解したものは収差がひどくて使えそうにありません。残り2枚のレンズに比べて、ぱっと見で湾曲が小さいです。今回試した3枚については、湾曲の大きな負レンズほどピントの山が明瞭で、実際の像も良好でした。一般にレンズ形状と収差の関係は光束や配置にも依存するので単純には言えませんが、少なくとも今回のC8+Phoenixの配置ではこの傾向が見られました。
先日福島の星まつりでお土産にもらった負レンズ2枚の像はパッと見は共に悪くなく、さらに慎重に比べると前回試した1枚とは別の、残りのもう1枚の方が良さそうです。レンズの形状としても、いいと思われる方が湾曲が大きいです。今回はこちらを試すことにします。
いいと思われるレンズで撮影1
新レンズでは、まずはカメラをG3M678Mにしました。広めかつ2μmの細かいピクセルサイズで分解能良く撮る目的です。今回は1分ごとに1ショット、30分間撮影しました。これまでの30秒でなく、1分ごとにしたのは、暑さでPCがヘタってしまって反応が遅くなり、1ショット撮影するのに17秒もかかってしまうためです。また、1時間にしなかったのは、すでに暑くなり始めていたからです。
結果を示します。
これは上の7月10日に撮ったものと比べるとかなりマシです。レンズを代えた甲斐があった可能性が高いです。ただ、20cmの口径が活かされているかというと、まだイマイチな気がします。TSA-120のベストと比べても、まだ届いていないです。
今回の撮影で分かったことは、今のC8+Phoenixのセットアップには問題があるようで、写した画像をまとめて見てみると、時間とともに像がボケていくことがわかりました。上の一番まともだったショットはこのセットの中で一番最初に撮ったもので、その後はどんどんダメになっていきました。
たまたまシーイングが悪くなっている時間帯に撮影したのか、それとも何か他に悪くなる原因があるのか?一つヒントは、撮影が終わってから見てみると、ピントが全然ズレてたということです。最初に合わせ損なうようなレベルではないくらいの大きなズレです。どうも、何か時間的に変化する何かのようです。
いいと思われるレンズで撮影2
次に、2倍バローを付けて、カメラをApollo-M MINIに取り換えて、30秒ごとにもう45分ほど撮影しました。45分で途絶えたのは、9時を過ぎて気温を見たら既に33度を超えていたからです。自分自身も暑くて、PCも熱くて限界でした。
今回の2セット目と、上の1セット目との違いをまとめておきます。
- ピクセルサイズは2セット目のApollo-M MINIが4.5μmと大きくなるが、2倍バローを付けているので、1セット目のG3M678Mと同等に近い分解能になる。
- センサーサイズもG3M678Mが1/1.8インチでApollo-M MINIが2/3インチで、そこまで大きく変わらないため、バローが付いている分だけ実際に見える面積は1/4程度になる。
- G3M678Mが一般的なローリングシャッターで、Apollo-M MINIが揺れに強いグローバルシャッター。
結果を示します。
これはかなりいいです。20cmの口径が効き始めていると言っていいでしょう。
1セット目とは拡大率とカメラが違うのですが、1ピクセルあたりの視野角は1セット目とあまり変わらないので、ピクセルサイズだけ考えると、分解能が大きく改善する理由はありません。比較のために、同じ画角で1セット目と2セット目を並べてみます。
左: 1セット目、右: 2セット目
明らかに2セット目のApollo-M MINIの方がいいのが、よくわかります。
可能性としては、2セット目がたまたまシーイングが良かったこと、もしくはグローバルシャッターのおかげでしょうか?これまでもグローバルシャッターのほうがいい結果が出ていますが、たまたまの可能性も捨てきれず、いまだに結論は出ていません。ただ、時間帯としては後に撮ったので、シーイングは悪くなるはずです。それでもいい像が出ているというのは、やはりグローバルシャッターのおかげの可能性もあるかもしれませんが、まだ結論は保留しておきます。
ただし、(大気揺らぎという意味での) シーイングというか、鏡筒も含めた揺らぎという意味でのシンチレーション的には問題もあって、今回も1セット目と同じく45枚の画像のほとんどが悪くて、良かったのは最初の数枚だけでした。傾向も1セット目と同じく、時間と共にどんどん悪くなっています。撮影終了後の鏡筒を改めて調整してみると、明らかにピントがずれているのも同じでした。
どうやら今のセットアップでは、撮影中に何か徐々に悪くなる原因があるのは確実のようです。まあこれくらいの10分とかの時間スケールで変化する時は、大抵温度に関係する何かが原因の可能性が高いです。今後この問題を探っていくことになりそうです。
あと、まだレンズの収差が残っている可能性は否定できません。収差がひどいレンズをテストした時に改めて実感したのですが、ピントを合わせ込もうとしても、像がズレたようになり綺麗な像が出るピークが全然わかりません。今一番いいと思っている最後に使ったレンズも、まだこの傾向が少しあるような気がします。焦点距離は-200mmと大きく状況は変わりますが、今一度PSTのレンズに戻してみて、ピントの山がどれくらいか改めて確認するのも手かと思います。もしくは、アイリスを使って今のレンズ径を絞るテストもいいかもしれません。
Gallery
今回はC8でそこそこうまく出たので、改めて反転やカラー化など画像処理をしたものも載せておきます。
- 撮影日時: 2026年7月20日9時11分
- 撮影場所: 富山県富山市自宅
- 鏡筒: Celestron C8 (f2000mm、F10) + ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5)
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- カメラ: PlayerOne Apollo-M MINI + Vixen x2 barlow
- 撮影: SharpCap Gain 300 (= 3倍)、露光時間5ms、200/200 frames
- 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop
まとめ
少しずつC8でも像が出るようになってきました。でもまだ問題点は山積みで、今のままではじゃじゃ馬鏡筒のような感じです。もう少し安定に運用できるようにしたいですが、上手くいくのかどうか...。









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