「 ほしぞloveログ」では毎年1月末か2月頭くらいに前年のまとめをしています。本当は年末に書いてしまうのがいいのですが、年末年始はたいてい忙しいので、少し余裕ができる1月末になってしまうというわけです。2024年のまとめ記事はここにあります。


2024年に体調を崩してしまいましたが、2025年はかなり回復して、天文活動もある程度自由にできるようになりました。にも関わらず夜の撮影は1年のうちの半年くらいは休眠状態になってしまいました。理由は、このブログを読んでいる方は知っているかと思いますが、太陽に夢中になりすぎたからです。2025年は太陽に捧げた一年と言ってしまってもいいかもしれません。


太陽

まずは一番盛り上がった太陽を、独立してまとめます。太陽画像については2025年のGalleryの後半にまとめてあります。


そもそも、一昨年の2024年は太陽の最活動期にもかかわらず、自分の中で全然盛り上がっていませんでした。C8で分解能よく取れることもわかってきていたし、これ以上を望むならさらなる大口径と、高性能のエタロンを必要としたからです。どうも私はやはり天文屋というよりは物理屋で、面白い天体現象よりは、機材の性能向上の方が興味があるようです。

そんな折に、2024年の末にCP+の依頼がありました。ネタをどうするか迷ったのですが、Hα太陽望遠鏡の心臓部のエタロンの話を以前から考えていたので、いい機会だということで、少しマニア向けになるのですがCP+で話すことにしました。ちょうどフェニックスが発売された時で、運良く評価用にお借りすることができました。フェニックスは入門機ながらも高性能、以前より気軽に手に入れることができる太陽望遠鏡で、タイミング的にも良かったのかと思います。せっかく太陽望遠鏡が広まるなら「難しいと言って仕組みを理解しないよりは、絶対に仕組みを理解して使った方がいい」という思いからでした。

でもこのCP+での講演で、ミイラ取りがミイラになってしまいました。自分自身の太陽熱が燃え上がってしまったのです。CP+用に評価したフェニックスは返却してしまったので、その後はPSTエタロンの最適化を、C8や口径8cmの安価な鏡筒を使って評価しています。

その際、PSTエタロンの性能をきちんと知りたくて、分光器に走ってしまいました。2025年の後半はほぼ太陽分光だったと言っても過言ではありません。分光はこれまでとは全く違った手法を手に入れたようなもので、これまで疑問だったこと、できなかったことが一気に進みました。CaKなどのHα以外の波長をはじめて見ることができたのに興奮し、更には波長分解能が一般的な太陽望遠鏡のエタロンに比べて全然いいので、分解能を活かした様々な検証ができます。エタロンの撮影画像を分光器を使って再現したのは、PSTエタロンが客観的にどのくらいの像を結ぶことができるのかのとてもいい指標になりました。

その甲斐もあって、フェニックスエタロンの性能がPSTよりも圧倒的にいいという確証を持てたので、CP+で借りて以降、とうとうフェニックスの購入を決意するに至りました。

もう一つの大きな進展は粒状斑です。2021年からずっとC8を使い挑戦してきたのですが全然うまくいかなくて、2025年末にTSA-120と使うことで、はじめてそこそこ満足いく結果となりました。原因はNDフィルターが暗すぎたことかと思ってますが、C8に問題があった可能性もまだ捨てきれなくて、今後も撮影を続けて試していきたいと思います。


8cm+PSTで太陽全景が取れるようになってくらいから、分光の時もそうなのですが、太陽撮影をする際はその日の記録として、全景の様子をできるだけその日のうちにXに投稿することと、その後あまり日をおかずにブログに書いておくことにしました。北陸は天気が悪いので、かなり飛び飛びで日が空いてしましますが、それでも撮り溜めた画像を一気に見比べてみると、いろいろ発見があったりします。特に、画像処理の安定度が需要ということがよくわかります。できるだけその日特別の処理を入れないように、処理ソフトデフォルトの設定で処理することが長期にわたっては必要だと実感しています。

太陽関連の記事をまとめたページを作りました。開発関連、観察関連と分けました。これでも各ページのリンク数が多すぎるので、もう少し細分化するかもしれません。





2026年の目標:
とにかく太陽はまだまだやりたいことだらけです。2026年ですが、
  • エタロンの透過特性をより精度良く測定する。
  • フェニックスエタロンを使い大口径化を目指す。
とが大きな目標になるかと思います。前者は少なくともフェニックスと、今借りているヘリオスター100Hαを測定します。精度もあげることができればと思います。後者はすでに3Dプリンタを購入し、計画を進めています。

分光でも2025年に何度チャレンジしてもうまくいかなかったことがあって、それは
  • 太陽「周辺」のコロナを分光で見る
ことです。これはブログ記事にできるレベルでもなかったので、書いてこなかったのですが、太陽「表面」でのコロナはHe-D3からの類推で、ある程度の形を見ることができました。


そもそも分光そのものも2025年に突然始めましたし、分光に関してはまだまだ今の段階では考えられないような面白いことが詰まっているみたいなので、こちらも引き続き継続していくのかと思います。太陽ではないですが、夜の天体を分光で見るというのも面白いことがたくさんありそうで、こちらも目標の一つと言えるかもしれません。


撮影

太陽が盛り上がる一方、夜の天体撮影はかなり寂しいものでした。実際の画像は2025年のGalleryの前半にまとめてあります。

前半は、2024年の画像処理の残りと、年明けから太陽に夢中になる4月くらいまでのわずか数枚です。





その後、半年くらいブランクがあり、10月くらいに久しぶりに撮影を再開しました。




こうやってみると、ε130DとRedCat51+SWAgTiだけですね。主力のSCA260が一つもないです。SWAgTiの方は特に進展はありませんが、安定しているので前半にいくつか撮影していて、ブログ記事にしたものと、まだ未処理のものが残っています。いずれにせよ簡単に撮影できるので、天気さえ良ければ気軽に出して撮影をしていきたいと思います。

途中、彗星を撮影しに行っていますが、天気が悪く、ごくわずか見えたくらいです。


SWAgTiもそうなのですが、画像フォルダを漁ってみると、実はSCA260やε130Dの未処理の画像がいくつもあります。夜の撮影がまだ続いているのに、太陽に夢中になってしまって放っておいたものです。しかも、撮影したかどうかさえも全く記憶にないものまでありました。興味が移ってしまうと、これまで興味があったことも含めて、他に何もやらなくなってしまうのは悪い癖ですね。せっかく撮ったもので可哀想なので、時間のある時に再度処理を進めたいと思います。


2026年の目標:
とまあ、2025年は夜の撮影は全然でしたが、2026年もまだ太陽がしばらく続きそうです。でもこれだと勘も鈍るので、少なくとも細々とは続けたいと思っています。特に、SC260をほとんど使っていないので、大口径で撮影したいものが溜まっています。

2024年の反省で、SCA260とフルサイズのカメラで撮影することとかも目標に入れていたので、できればSCA260やε130Dをカメラを入れ替えて活用できればと思っています。その一方、SCA-260は赤道儀のCGX-Lと合わせてとにかく重いので、なかなか気合が入らず、結局どこまでやる気になるかの問題になりそうです。


機材

新規機材に関しては、主に太陽関連ばかりです。

G3M678M:
まずカメラですが、初めてToupTek社のものを使ってみました。G3M678Mという、ピクセルサイズが2μmと小さいのに、センサーサイズが1/1.8インチと比較的大きく、太陽の全景撮影に向いています。



でもこのカメラの真骨頂は分光撮影で発揮されます。分光撮影に使う細長いROIでの動画撮影では、ROIサイズにもよりますが、フレームレートが実測で500fpsくらい出ます。フレームレートの遅いカメラを使って分光撮影すると、このカメラがいかに優れているかを実感できます。


SHG700:
G3M678Mは全景撮影でも活躍したのですが、そもそもが分光器で使うために購入したカメラです。分光器のSHG700が多分2025年に買った(金額とか物理的な大きさという意味ではなくて)最大の機材でしょうでしょう。4月に発注して、待ちに待って、6月に到着してからは、一連の分光記事がずっと続くことになります。


何をやったかは独立したまとめページを作るくらいの分量になりました。


個々のページが、ほぼ毎回新しいことを試していて、いかに楽しかったかがまとめページを見ているだけで思い出せます。


Phoenix:
太陽のところですでに書いたのですが、2025年に買った最後の大型機材も太陽で、まあ大型と言っても太陽望遠鏡としては入門機のPhoenixになります。



これは今後、安全には十分気をつけながら、物理的に大型にしていこうかと思っています。2026年の正月明けにはそのための3Dプリンタも購入しています。フェニックスエタロンを接続するアダプターを自作するためです。まだあまり使えていないので、今後レポートしていくことになると思います。


2026年の目標:
機材の目標は何ですかね?夜の撮影の方はあまり時間をかけていなくて持て余し気味なくらいで、今の機材でそこそこ満足しています。焦点距離600mmとか800mmで大口径で、カメラもセットで揃えたいというのは以前からありますが、これも今の鏡筒とカメラを入れ替えて組み合わせればなんとかなる気がします。

太陽の方はというと、2026年明けてから少し使わせてもらっているヘリオスター100Hαはかなりいいですが、金額の方もかなりいいところにいっています。軍資金にあまり余裕があるわけではないので、工夫で迫ることができればと思っています。この工夫するというのが2026年の目標でしょうか。


画像処理

夜の天体画像の処理についてはそこまで大きな進歩はなかった気がします。基本的に自宅での撮影なのですが、よほど暗いものを除くと自宅レベルの光害地ならある程度出せるようになってきています。課題はフラットでしょうか。

MGC:
PixInsightは順調にアップデートしていますが、MGCに関してはリリースは2024年ですが、2025年3月の記事で少し検証しています。


ただし、モンキー星雲の処理にMGCを使い、トラブったのは大きな反省点で、たとえ自分で検証したパラメーターでも鵜呑みはダメで、臨機応変に柔軟に対応することがいかに大切か思い知らされました。


上の勾玉星雲の再処理の最後のところに少し書いていますが、MGCで使うMARSデータベースのアップデートも嬉しいニュースでした。


でも、その後あまり音沙汰がないので、また充実してくれればと期待しています。


フラット処理:
ε130Dのフラット処理ですが、ずっとうまくいってなかったのが、フードなしでうまくいくことを発見しました。


でもその後、再びリング状の模様が出てしまい、これが赤道儀の子午線反転のせいであることがわかりました。

フードがない状態で、子午線反転前は綺麗にフラット補正できるのに、子午線反転後は合わなくなるのです。これは部屋で撮影したフラット画像との光の当たり具合が関係しているものと思われます。まだ結論は出ていないので、今後も検証していこうと思います。

とにかく、最近の画像処理の技術は一昔前とは比べ物にならないくらいに高度になってきているのを実感します。上の魔女の横顔星雲や、サドル付近のように、自宅のような光害地撮影でも、短時間でまあ見えるくらいになってしまいます。ノイズ処理でうまく誤魔化せるからなのですが、NXTがバージョンアップでカラーノイズに対応したこと、高周波数と低周波数で処理を分離できるようになったことが大きいです。これまでノイズ処理は臨機応変にいろんなソフトを使ってきましたが、最近はNXT一つでほとんど事足りるようになってきました。

高分解能カメラで、Bin2撮影、Drizzle x2、BXTで分解能は相当出ますし、NXTでノイズはかなり対応できます。ストレッチは長らくいろんな方法がありましたが、最近ではGHSか、2026年に入ってバラ星雲で試したMSAが決めうちでしょうか。背景処理に関してはデータベースさえサポートされている場所ならMGCが相当強力です。とまあ、ソフトでの画像処理が充実してきているのですが、逆にいうと、ツールさえきちんと使えば誰がやっても差がなくなってしまい、ツールを使っていない場合とは逆にどんどん差が開いてしまうという、あまり面白くない状況になってきているとも言えます。画像処理で差がなくなるといっても、撮影に関しては機材や撮影場所など個人で差が出るはずで、画像処理以前のところで差が存在するのは楽しいこと露だと思います。個人的には、リニア処理とストレッチまでは、撮影した画像に対して定量的にベストと思われる処理方法を取るべきで、そこから個性やセンスを出していけばいいのかと思っています。


太陽:
太陽関連は、画像処理と技術が密接に絡んでいます。特に画像処理に特化した話題としては、PixInsightのSolar Toolboxがかなり使えることがわかったので、紹介記事を書きました。


他に、serファイルで撮影したフレームの評価に関してです。明るさに惑わされてAS!4が評価を間違える可能性があるのは確かめられましたが、それ以外は結局はっきりした結論は出ませんでした。JUN1WATAさんがLaplacianを使ったコードを書いていてうまくいっているようなので、自分でコードを書いた方がよりうまく判別する方法を編み出せるかもしれません。


タイプラプス画像の処理方法についても書いています。



2026年の目標:
うーん、目標はあまりはっきりしてません。あえて言うなら、最近ナロー撮影では出なくて、ブロードでしかでしか出ない領域があることを意識しています。でもこれは光害地では不利なので、遠征にシフトするか、でもなかなか難しいので、自宅でRGBのS/Nをあげる工夫を何か考えるとかでしょうか。画像処理というよりは、どちらかというと撮影の方の課題かもしれません。

太陽の画像処理も機材に大きく依存するので、あまり処理に特化した目標というのは今はありません。ちょっとずれますが、3Dプリンタでうまく出力することでしょうか。3次元だけど、一応仕上がりに関わる「(画像)処理」かなと。


観望会など

富山県天文学会関連の観望会と飛騨コスモス天文台の観望会は、コンスタントにあります。と言っても
夏の間がメインで、飛騨コスモスの方は天気が悪い日が多かったので、あまり数はありません。電視観望の記録とブログの記事で数えたら、星まつりを除いて7回でした。








自宅観望という意味で、近くに越してきた友人の中二のお嬢さんが、太陽を見にきてくれました。最近は一人で観察していることが多いので、こうやって人が来てくれると嬉しいものです。



あと、遠く四国から星友のmoleculeさんが、富山の自宅に来てくれました。moleculeさんとは分光関連で盛り上がっていて、今後もいろいろ一緒にやることになりそうです。



星まつり、写真展、講演など

星まつりのようなイベントは、2025年前半が体調が戻っていなかったこともあり、そこまで参加していません。記事にまでした「CP+」「星もと」と、記事にしていない「胎内」「小海」くらいです。福島は都合がつかなくて行くことができませんでした。記事にしていないのは、短時間の滞在で、自分の中であまり盛り上がっていなかったのかもしれません。小海は2024年は行けなかったのですが、2025年で最後になってしまうとのことなので、とりあえず参加できたのは良かったのかもしれません。原村も小海もなくなってしまい、星まつり自体が徐々に少なくなっていくのかもしれませんが、少し寂しいです。



写真展が2つありました。射水市博物館と、ブログの記事にはしていませんが富山市科学博物館にも写真が飾られました。


セミナーは2025年はCP+のみで、太陽の話をしました。かなり凝った話をしたので、ちょっと心配だったのですが、2026年も呼んで頂きまた太陽の話をすることになりました。



技術的な話

夜の天体撮影については、大きな進展はないです。観望会で電視観望をやったらメンテナンス不足でうまくいかなかったので、その後自宅でメンテナンスし、その際に光害地での天の川はフィルターなしの方がよく見えるという記事を書きましたが、本当にこれくらいです。



太陽関連:
その一方、太陽の方の技術的な話はものすごくたくさんあります。というか、太陽関連の一つ一つの記事がなんらかの技術的な進展を含んでいるような様相です。いい機会なので、一度まとめて振り返っておくことにします。

最近では太陽においても、タイムラプス撮影や、良いシーイングを選ぶ場合など、数時間オーダーの長時間に渡って位置を保つ必要が出てきました。特に太陽撮影は昼間なので、北極星を使った極軸調整ができないのが大変です。昼間のガイドの決定打は長らくなかったのですが、PHD2のとあるバージョンが太陽に対応したので、これが決定打となりました。その後、SharpCapを使った有料版へと発展しましたが、私はいまだに無料版のPHD2の太陽バージョンを使っています。


エタロンの話はCP+でしたのですが、さすがに細かすぎてサラッと流しただけなので、ブログ記事で補足しました。エタロンの特性はちょっと面倒なのですが、太陽のHα撮影を本格的にしようとするなら、理解しておいて損はないと思います。


こちらはPSTのBFの径を広げる話です。C8とかで拡大してHα撮影する場合、像の有効径がBFの5mmという小径で制限されてしまっているので、少しだけでもとドリルで穴を広げたちょっと無茶な話です。


PSTはF10で使うとされていますが、実はF値で決まる話ではないという話です。エタロンの手前に入っているレンズ径が制限で、それを満たすのに口径が40mmならたまたまF10になったということです。


SharpCapでの太陽のライブスタックのパラメータなどを説明しています。


カメラの比較ですが、オーバーサンプリングでピクセルサイズがあまり効いてこないはずだとしても、やはりピクセルサイズが小さい方が有利という話です。


太陽Hα撮影の際に、シーイングを選ぶという話ですが、多分この記事が今年1番の成果ではないでしょうか。


「シーイングのいいときに撮影すればいい」という話は探せばすぐに出てくるのですが、では具体的に「いつ」「どれくらいのスパン」で撮影すると「どういう結果」になるとかいう話になるとほとんど見つかりません。それを実際に長時間試してみて、分解能のばらつきがどれくらいになるのかというのを見てみました。1時間も撮影すれば、統計的にシーイングのいい時はある一定の率で存在して、シーイングのばらつきもある程度正規分布に従うことがわかりました。またいいシーイングの持続時間はせいぜい1分ほどで、10秒くらいで変わっても全然おかしくないということもわかってきました。この結果を得てから、1時間ほど連続で撮影すると、今のC8とPSTで撮影する分にはほぼ機器の性能を使い切るくらいのシーイングのチャンスがあり、十分精細で満足な画像が得られることがわかってきました。なので、今の機器としてはこれ以上の開発は一旦ストップで、新しいエタロンを手に入れること、それを大口径かすることが次の目標となり、フェニックスを手に入れることになりました。

フェニックスエタロンの調整範囲は、外気温に大きく依存するようです。もしエタロンの調整角をいっぱいまで回してもまだHα線中心まで来ない場合に、マニュアルで調整する方法を書いています。私だけでなく、他の方からも同様のケースを聞いているので、もし困った場合はこの方法が役に立つお思います。でもあくまで自己責任な方法なので、不安な方は販売店へ尋ねるようにしてください。



分光関連:
分光に関しては新しいことだらけです。フラウンホーファー線や、基本的な撮影方法説明から始まります。



これまであまり説明がなかった、コリメートレンズの調整を含む、全体の調整の仕方を書いていたりしています。


分光撮影は普通の放っておけばいい撮影と違い、一回一回の撮影が結構面倒です。SharpCapのスクリプトを使い、連続で撮影する方法を解説しています。


撮影も面倒ですが、画像は撮影した動画から専用のソフトなどで処理しないと、全体像がでてきません。「JSol'Ex」が比較的便利で、基本の使い方を解説しています。


上でも説明しているように、JSol'Exは標準の機能で太陽表面のドップラーシフトを可視化することができますが、さらに特定の場所のドップラーシフトを波長を変えてアニメ化するようなこともできます。
 

JSol'Exは基本機能だけでなく「ImageMath」というスクリプトを書くことにより、かなり高度な処理まですることができます。そのImageMathを使って、上のドップラーシフトを全景で見ることを試してみました。


全景を連続で40分ほど撮影しタイムラプス化してみると、たまたまJetが写っていたので、そのドップラーシフトを可視化してみました。


さらに応用で、Grainと呼ばれる、Hαから見て長波長側だけに現れるスポット的な模様を見てみました。ここら辺からJSol'Exの機能を超えて、pythonなどで独自コードを書く必要が出てきました。


SHG700は分光器なので、もちろんHα以外の波長でも撮影ができます。CaKが有名ですが、他にも任意の多波長での撮影が可能になります。



多波長撮影の中でも、He-D3線は面白いです。普通はHα線やCaK線などのように、太陽の吸収線の暗いところを狙って撮影するのですが、He-D3は吸収線かつ輝線なので、明るすぎて普通の撮影方法ではうまく構造が見えません。撮影した画像から、近くの連続光の画像をを引いてやって、初めて出てくる像になります。


He-D3線を50枚とか重ねてノイズを低減し、その模様の微妙な変化を捉えると、太陽表面のコロナ活動を見ることができます。これはヘリウムがコロナ活動であるX線、UV線で励起されるために、似たような小僧になるからです。アマチュア天文レベルで、日食以外でコロナを見ることができるなんて、すごい時代になりました。



分光器の発展:
分光機器としての機能向上も検討しています。SHG700標準の7mmスリットを10mmのものに交換し、それに伴いFC-76の代わりにTSA-120を使うことを検討しています。


TSA-120を使うと、G3M678Mではセンサー面積が足りず、より大きなセンサーのASI294MM Proを使ったのですが、その際ROIを裏技で最適化した方法です。


上記のようにカメラを交換して撮影したのですが、分解能は意外なことにFC-76+ASI294MM Proが一番良かったという、ちょっと不自然な結果です。これが本当なのか、もしくは何か間違っているのか、今後も検討していきます。



エタロンの透過特性の実測;
他にも、PSTエタロンの透過性能を直接測ることもでき、定量的にも性能が評価できるようになってきています。フェニックスの方も今後測定して比較していきたいと思っています。




2026年の目標:
こうやって改めて見てみても、技術的な話も太陽関連が圧倒していることがわかります。Hα撮影も、分光撮影も、技術的にはかなりいいところもまできているので、2026年はむしろこれらの技術をコンスタントに使っていくことかと思います。太陽活動期もせいぜいあと1年で、それ以降は機器に関わらず面白い画像を撮影すること自体が難しくなっていくでしょう。

あと、2025年は全然進まなかったカメラセンサーのノイズ解析を、撮影した天体画像を評価するような形でもう少し進めたいと思います。


観光など

2025年もゴールデンウィークに実家の名古屋に帰って、科学館に行っています。毎年なんらかの違いがあって楽しいです。


また、定例の観望会がある飛騨コスモス天文台の近くの神岡町の話も少しまとめています。


こうやってみると、体調が悪くなったのが顕著に出ていて、コロナはもう終息しているのに、あまり外に出なくなっているのがわかります。でもこれにはもう一つ理由があって、休日の天気のいい日は太陽に時間を費やしたかったからです。かといって雨とか雪の日はあまり出かける気にもならずに、結局長期の旅行は予定が立てれず、寸前の天気の予報で週末どうするかを決めています。ちょっとこれは反省ですね。でもあと2026年の1年くらいは太陽に集中したいです。ちょうど太陽の活動期も終わりに近づいていくので、あと1年くらいかと思っています。


ブログとX

2025年1月1日から12月31日までの「ほしぞloveログ」の記事の本数ですが、81本でした。2024年が73本なので、微増といったところでしょうか。相変わらず一本一本が長いですが、ほとんどが太陽関連の記事で、しかも途中からほぼ分光関連になっています。太陽関連の記事だけで60本、うち分光関連は30本でした。これだけ見てもいかに太陽に夢中だったかがわかります。秋くらいからは少し夜の撮影も復活してきていますが、まだ太陽が面白いのでしばらく太陽熱は続きそうです。あ、毎年記事を短くするのを目標にするとか言っていますが、今年も全く達成できませんでした(笑)。

一方、Xのほうは、画像処理が終わった時に投稿するのと、ブログの更新のアナウンスが主な使い道です。あまり発言しないし、あまりいいねも押さないので、フォロワーの方にはレスポンスが悪いと思われているかもしれません。平日昼間はよほど何かないとあまりXは見ないようにしています。夜に発言とかしても、結局次の日の夜に返事を返すとかになってしまうので、追いつけなくなってしまいます。一方、休日は気まぐれにくだらないことを書くこともあるので、適当にスルーしていただければと。

おもしろいのは、画像をアップした時の方が、ブログ記事のアナウンスよりも圧倒的にいいねの数が多いことです。画像の反応がすぐにわかるのはいいのですが、ブログ本体へのコメントが少なくなってしまっています。Xの投稿は時間に埋もれていてしまうので、個人的には技術的な記事も多いブログ記事に関しては、ブログのコメント欄に残したいというのがあります。でもブログのコメントは「残ってしまう」ので逆に敷居が高いのかもしれません。


まとめのまとめ

こうやって1年を振り返ってみると、夜の天体に関してはさておき、太陽に関してはとても充実していました。Hα関連は手持ちの機材では、シーイングを探ることなどを含めて、ある程度はやれることはだいたいやってしまって、そこで得られる画像はかなり満足のいくのになっています。これでやっと機材を次の段階に心置き無く移していくことができます。分光も新しいことだらけでしたが、太陽に関してはかなりのことを試すことができました。それでも分光の応用はまだまだ全然広そうなので、もう少し今の機材で試すことになりそうです。

その一方、講演や雑誌記事などがほとんどありませんでした。電視観望関連の講演や記事が多かったのですが、スマート望遠鏡が普及したので電視観望の役割もある程度終わりなのかなと思います。今回のまとめでは電視観望の項目もなくしています。CP+の講演は太陽の話だったので、こちらはもう少し発展すると思いますが、それでも太陽活動が停滞するまでの話かと思います。逆にいうと、自分のやりたいことに時間を割いた一年だったと言うこともできるかと思います。趣味に避ける時間は限られているので、やはり好き勝手やるのは気楽で一番いいです。あえていうなら、今後はもう少しセンサーの評価など、定量的な話を充実させていきたいと思っています。アマチュア天文は撮影でも眼視でもいまだに感覚的な話や現象論的な話が多いので、根拠となる理論や、客観的なアプローチが必要かと思っています。