せっかくの素晴らしい画像なのに回転角がずれてる!?
Masa@MasaAstroPhotoさんの超長時間露光の北アメリカ画像を開いたときに、何度かカメラの回転角を合わせた形跡がありました。
スタックされた画像を解析してみると、約9.5度南北からズレていることがわかりました。Annotationで赤経、赤緯の線を入れるとはっきりしますね。
私は「天体写真は必ず北を上にしなければならない」とか言う暗黙のルールは特にこだわる必要がないと思っていて、例えどの方向が上でも、さらに東西南北以外の任意の角度が上でも全然構わないと思っています。ただし、今回のように露光ごとに角度が変わっているのは、場所によって露光時間が変わってしまい、均等な画像処理がしにくくなり、出来上がり精度も変わってくるので、もったいないと思います。
今回もあえて10度位ずらしたというなら全然問題ないのですが、途中でずれているところを見るときちんと合わせきれなくてずれてしまったのではないかと推測します。もし本当にそうだとしたら、ここまで丁寧に撮影した画像から言ったらちょっとした悲劇です。
なので今回の記事では、カメラの回転角を簡単に合わせる方法を記しておきたいと思います。
カメラ回転角を合わせる方法
私がこれまで処理した画像はよくAnnotationで赤経赤緯度の線を入れるのですが、画像処理の時に回転で合わせているのではなく、撮影時に合わせてしまっています。ほとんど1度以下くらいの精度であっていると思います。これくらいの精度では簡単に合わせることができます。
といっても新しい方法ではなく、やっている人は普通にやっていると思います。私はFacebookでSさんの書き込みから学びました。
カメラの回転角を合わせるのはいろんな方法があると思います。カメラに水準器を貼り付けているのも一つの方法ですね。鏡筒のスパイダーがきちんと縦横に向いているのなら、それが縦横に向くように合わせるのも一つの方法ですが、これは屈折だと使えないですね。
今回示す方法は至って簡単です。
- 赤道儀、鏡筒をセットし、カメラを取り付けその映像を見える状態にする。
- 赤道儀を適当に動かして目立つ星を導入して、画面に映す。
- 赤緯を一方向に動かして、その時の星の動きをPCの画面などで見る。
- この時、星がぴったり水平、もしくはぴったり垂直に動くならカメラの回転角は合っています。SharpCapなら同心円のレチクルを画面上に出しておくと縦横の線が出るのでわかりやすいでしょう。
- もし赤緯をモーターなどで動かして、星がこの線に沿って動かないなら、カメラの回転角を調整してください。
- SharpCapで縦横の線を出し、
- ターゲットの星がその交点に来るように赤道儀で導入して、
- そこから赤緯を一方向に星が画面の端に来るまで動かし、
- カメラの回転角を動かしてその星が十字線の上に来るように
この方法はCMOSカメラとPCを前提としていますが、一眼レフカメラでもライブビュー画像を見ることができるなら十分可能です。私はEOS 6DをBackYardEOSでPC上にライブビューを映して合わせたりして同様の方法で調整しています。
星を使わなくても、昼間でも調整できる!
基本はこれだけなのですが、ここからはちょっとオリジナルなアイデアです。といっても同じような考えを思いついた方もたくさんいらっしゃると思いますが。
この方法をよく考えると色々応用が効きます。例えば目印にするのは星にこだわる必要はないのです。要するに、赤緯の動きに対してカメラで映した画像が斜めに動かないようにすればいいので、星以外、例えば何か目立つライトとかでもいいのです。
もっと言うと、わざわざ夜を待って合わせる必要もありません。明るいうちに何か遠くの目立つものにピントを合わせて、それが赤緯モーターの動きに合わせて、垂直か水平に動けばいいので、なんと昼間のうちにカメラ回転角が調整できてしまうのです。
以前Twitterでこの方法に言及したときに一番敏感に反応してくれたのがあぷらなーとさんでした。みなさんご存知の通り、何本もの鏡筒を同時に赤道儀に載せて撮影しているあのあぷらなーとさんです。「複数鏡筒のカメラの回転角を、昼間のうちに正確に合わせることができるのでかなり時間を短縮できる」というようなことをおっしゃっていたかと思います。
まとめ
私は毎回このような方法でカメラの回転角を合わせています。極軸を合わせたついでとかでしょうか。短時間でできて、画像処理で角度を合わせ直す必要がないくらいの精度で合わせることができるので、かなり便利です。
新しい方法というわけではないですが、これまで知らなかった方はぜひ一度試してみて頂けたらと思います。



コメント
コメント一覧 (20)
回転角の合わせもそうですが、昼間のうちに極軸をあわせる良い方法はないか考える時があります。
この間の明るい中の月出帯食や日食のライブの際機器を野外に持ち出す必要があって、googlemapで方位、現地の緯度で角度を合わせていますが、時折調整が必要となります。
その内、北極星の視認を必要としない完全に電子的なデバイスが出るかとは思いますが今現在もう少し何とかならないでしょうかね~?
と、ここまで書いてきて ある程度長い時間のライブなら位置の調整をコントローラーではなく赤道義の極軸調整微動ねじで対象を真ん中に持ってくるように動かすと極軸の精度が少しづつ上がるんじゃないでしょうか?
昼間の極軸ですが、私は赤道儀の水平を合わせた後、初期アラインメントで太陽を導入し、コントローラでなく赤道儀の微動ねじで合わせるようにしていますが、水平の精度と、最初の赤道儀のホームポジションからのずれの精度で決まってしまい、長時間だと流れてしまいます。
太陽を使ってドリフト法であわせるとかでしょうか。
赤道儀もその内、極微動軸ネジにモーターが付き自動で極軸合わせもやれるようになるんだろうなと想像してました。
まだそんな製品は出ていませんがZWOかioptronかskywatcherあたりが造りそうです。日本のメーカーがそんな想像に出てこないのが悲しいです。
赤道儀の微動ネジにモーターをつけるのは、もういつ出てもおかしくないですよね。プレートソルブが完全実用になった現在では、今ある技術で自動極軸調整はできてしまいます。
例えばですが、モーター部をASCOM化して、SharpCapの作者とコンタクトを取って、極軸調整機能の誤差信号をモーター部にフィードバックしてもらうルーチンを書いてもらうように依頼すれば、そんなに時間をかけずに商品化まで持っていける気がします。
ZWOの新赤道儀はこんなのが出てくるのではないかと予測していたのですが、見事に外れました。
お前誰だ?と思われるでしょうが、せろおです。
訳あって天文から離れていましたが、1年以上ぶりに戻ってきました。
カメラや天文機材を大量に処分してしまい、AZ-GTiも手放してしまったため、
新たに小型の自動導入赤道儀を探していたところ、
Polaris電動三脚ヘッドなるものを見つけました。
すでにご存じかもしれませんが、自動で極軸を合わせてくれる製品のようです。
正確には赤道儀なのかよくわからず、なんとなく写野回転しそうな気がするのと、
何mmまで追尾できるのかがわからないため手を出すか悩んでいます。
クラウドファンディングの締め切りが迫ってきていますが、
タイムラプス撮影しないし、10万円も出す価値があるのか、購入を悩んでいます。
せろおさん、お久しぶりです。もちろん覚えていますよ!
人生たまには休むことも必要かと思います。でも復帰されるとのことで何よりです。
「Polaris電動三脚ヘッド」調べてみましたが、経緯台なのでなんとなくAZ-GTiに近いですね。SharpCapでやるような写野回転を含んだ補正を内部でやるみたいです。かなりコンパクトな機器なので、面白いのかと思います。
色々始めたらまた引き続きコメントください。
Samさん、返信有難う御座います。
自分でも調べてみましたが、やはり写野回転補正を内部でやるようですね。
おかげさまで購入熱が下がりました。
しかし今度はZWO AM5熱に冒されています(笑)
SXPを買い戻すなら、こちらもありなのかな、と。
カメラ関係はZ5とSラインの単焦点レンズを揃えたので打ち止めです(多分)。
CMOSカメラは辛うじてZWO 385MCが残っているのでAsiAirだけ買い戻します。
あとは400mm程度の撮影鏡筒と小型の自動導入赤道儀探しです。
せろおさんこんにちは
移動用赤道儀としてCRUX-170HDを使ってますが、TSA-120+ASI2600ぐらいの重量ですとウエイトが必要ないので三脚をつけたまま片手で持って行けますのですごく楽です。
情報ありがとうございます。
CRUX-170HDをお使いなんですね。
TSA-120がウェイト無しでいけますか!
カタログスペック的にはAM5と近いので、
うちのED115Sもウェイト無しでいけそうです。
EQ8ですとメインで使われている3本の望遠鏡を全て載せておく事ができますね。
今、メインで撮影用に使っている(あてがわれている)赤道儀はRainbowastro のRST-400です。
いろんな鏡筒を取っ替え引っ替え撮影してますが私物のTSA-120が一番安定していていい写真が撮れます。もちろん眼視も。
TSA120はやはり名機だと思います。重くなく温度順応も早く、眼視でも最高くらす。シリウスBもこれで見えなければ今のところ諦めてます。
SCA260がどこまで迫れるのか、口径の威力を示すことができるのか、もう少し検証が必要ですがとにかく晴れません。富山の冬の間はあきらめモードです。
一瞬だけ見られる自動導入時の動きを見ると三軸全てを使っていることから、第三軸は赤経軸にはあたらず、
また、説明文の内容から察するに、極軸を合わせて追尾と言うよりは、
三軸を使って追尾してあとでズレを修正して合成するように思えます。
だったら経緯台モードでもいいような気はしますが・・・
考えてみたのですが、第三軸は星野写真の構図の調整に必要ですね。
となると写野回転は確実で、長焦点の長時間露光は不可能。
ポタ赤の代わりにはならなさそうです。
もっともそういうコンセプトの商品ではないですが。
しかし変な物好きとしては気になります。
試したい病が・・・
AZ-GTiみたいに、オフィシャルでなくてもいいので赤道儀モードとかあればもっと色々応用できそうな気がします。でもまあやっぱりそう言うコンセプトというよりは、気楽に星を撮れるということみたいですね。
ケニ屋さんこんばんは。本年もよろしくお願いいたします。
観測ならば条件を揃えるために北が上というのはわかりやすくていいのかと思います。
アマチュアの趣味の場合は自由でいいのかと思います。北に揃えてもいいでしょうし、好きな方向にしてもいいかと思います。彗星は確かに方向を揃えたほうが比較しやすくていいですね。
個人的には必要な場合は条件を書き記した方がいいと思いますが、趣味の範囲ではそこら辺も自由かと思います。
今まで、ASIAIRのSkyAtlasを用いて撮影・調整を繰り返しておりました。(プレートソルブで角度を表示してくれる)
もっと簡単に、回転角を合わせる方法がないか調べている最中に、勉強の記事にたどり着きました。
一点、教えて頂きたいのですが、赤緯方向に動かすのは理由が有るのでしょうか?
(赤経、赤緯どちらでも問題無さそうな気がしました。)
よろしくお願いいたします。
はい、例として赤緯方向で記事を書いているだけで、赤経でも同じことができます。
ありがとうございます。
安心しました!