M33に引き続き、SCA260の2作例目となります。ちょうこくしつ座のNGC253です。前回同様、かなりの分解能が期待できます。
SCA260最初の天体は、これまでの物と比較しやすい様に、直近でTSA-120で撮影したM33としました。M33を撮影した次の日の11月3日も晴れていたので、SCA260で引き続き連夜の撮影です。
次の天体はこれまで撮ったことのないもの、かつSCA260の実力を見ることができるように、もう一度銀河にしてみたいと思います。色々悩んで、銀河としては大型な部類のちょうこくしつ座の「NGC253」に決めました。大きな銀河なのですが、自宅から見ると南天時でも高度28度とかなり低いところを通り、撮影する時間が限らるため、なかなか難しい天体です。しかも自宅の南側に電線があるので、でできるだけ電線からははなれてかなり自宅寄りに赤道儀を設置します。自宅屋根がギリギリ入るか入らないかの位置で、できるだけ撮影時間を稼ぎます。さらに後半の南西方向には高い木があり、なかなか厳しいです。
今回の狙いは3点
まず1の揺れについてです。試しに露光3分で何枚かだけ撮影したましたが、やはり揺れすぎで全ての画像で星像が丸にならずに早々と諦めます。露光1分にするとそこそこ星像が丸になります。これは前回のM33の時と同様で再現性ありです。逆にいうと、今の設定では1分露光くらいで頭打ちということが確認できてしまったようなものなので、何らかの改善策が必要になります。
ゲインに関してはM33の時の200から今回は120に変えています。ダイナミックレンジが少し得になるはずです。今後露光時間を伸ばして明るくなる時のための練習も兼ねています。ライトフレームの撮影は11月3日、その後11月7日の休日にbias、dark、flat、flatdarkを撮影しています。各補正フレームはM33用のゲイン200と、NGC253用のゲイン120で撮っておいたので、それらを使います。M33とNGC253の撮影で接眼部の回転装置は触っていないので、視野がずれるようなことはないはずなので多分大丈夫なはずです。
2.のLRGB撮影ですが、RGBフィルターはBaaderのもの、L画像はフィルター無しでやってます。電動タイプのフィルターホイールを使っていますが、RGBとLではピント位置が違うので、マニュアルでピントを合わせ直しています。同じ厚さのLフィルターを手に入れればピント合わせなしで済むので購入を考えた方がいいかもしれません。目安はLが120分、RGBがそれぞれ30分程度です。撮影順序はL→B→R→G→Lです。
画像処理ではPixIsightのWBPPでLRGBを一度にまとめて処理できるかどうが試してみました。ファイル名なのか、fitsファイルのタグの中なのかわかりませんが、うまくライトフレームもフラットフレームもLRGBをうまく区別してくれました。
フラットフレームは部屋の白い壁を写しましたが、Lが0.5秒、RGBが暗いので1秒で撮影しています。でもflat darkの時間を1秒で一種類しか取らなかったので、RGBにフラットダークを割り当てることがうまくいきませんでした。darkの時間をあらわに外して指定することで一見通りそうに見えたのですが、実際にWBPPを走らせると途中で止まってしまいます。そのため結局RGBにはflat darkを使わず、代わりにMasterのみ補正して処理することになってしまいました。M33の時にはLRGBをそれぞれ独立WBPPにかけたました。この時もflat darkの時間を一種類しか取らなかったのですが、個別処理の時はdarkの時間をあらわに外して指定することで普通に通ったので、まだ個別処理と一括処理の整合性が取れていないようです。
もう一つの大きな問題点が青のムラです。M33の時にも同様な青のムラが現れたので、どうも再現性ありです。M33の時には青のライトフレームに雲が入ったのではと思っていたのですが、フラット画像を見てみると白い壁を写したはずのフラット画像にもムラがあります。RとGにはそこまであらわなムラは確認できません。
ちょっとフラットに関して色々疑問が出てきたので、まずはそれを確認するためにフラット画像をマニュアルでそれぞれストレッチして特徴がわかりやすいようにしてみてみました。
L画像: ゴミがひどいですが、フィルターなしなのでこのゴミがどこから来ているのか不明です。そしてそのゴミのリングを見ると対象ではないです。光軸がまだずれているかもしれません。またよく見ると縦横の格子状の島があります。これはなんでしょうか?
R画像: Lのゴミに加えて、さらにRフィルターについていると思われるゴミがあります。格子状の模様も同じく確認できます。周辺減光に関してはなぜかLよりもマシかもしれません。これも理由不明です。
G画像: 周辺の急激な落ち込みがひどいです。Gフィルターについていると思われるゴミもあります。縦横の縞もあまり目立たないですが存在します。
B画像: 周辺の落ち込みもありますが、何よりムラムラです。縦横の縞もよく見るとやはり存在します。
まとめると
いずれにせよフラット撮影をもう少し検討します。
前回のM33同様、最初にRGBを合成し、その後LRGBを合成しています。そこからPhotoshopに渡しますが、実は画像処理は、青のムラと縦横縞でかなり苦労しました。炙り出すと縦横縞も見えてきてしまいました。今回は仕上げであまり目立たないようにしています。
結果です。
仕上げた画像を見る限り、分解能はかなり満足です。ただし揺れている画像は省いているのですが、枚数を稼ぎたいのである程度妥協しています。風の吹き具合だと思うのですが、LRGBのそれぞれで径が違って出てしまいます。なので、まだ改善する余地があるはずです。
いつものおまけのAnnotationです。
SCA260の2作例目としてちょうこくしつ座のNGC253を選びました。分解能に関してはかなり満足する結果となりましたが、まだ赤道儀の揺れが存在することと、フラット撮影に問題があります。2回目の撮影なので慣れてきましたが、いろいろと問題も認識できてたと言ったところでしょうか。
このSCA260の性能はすごいと思います。決して安くはない鏡筒ですが、この性能を考えたら十分すぎるくらい納得の値段です。まだ性能を引き出し切れていないところにもどかしさを感じますが、徐々に手応えを感じてきています。銀河だけでなく、例えばフルサイズの一眼でカラー撮影など、まだまだいろいろ試してみたいです。
次は何にしよう?
SCA260最初の天体は、これまでの物と比較しやすい様に、直近でTSA-120で撮影したM33としました。M33を撮影した次の日の11月3日も晴れていたので、SCA260で引き続き連夜の撮影です。
次の天体はこれまで撮ったことのないもの、かつSCA260の実力を見ることができるように、もう一度銀河にしてみたいと思います。色々悩んで、銀河としては大型な部類のちょうこくしつ座の「NGC253」に決めました。大きな銀河なのですが、自宅から見ると南天時でも高度28度とかなり低いところを通り、撮影する時間が限らるため、なかなか難しい天体です。しかも自宅の南側に電線があるので、でできるだけ電線からははなれてかなり自宅寄りに赤道儀を設置します。自宅屋根がギリギリ入るか入らないかの位置で、できるだけ撮影時間を稼ぎます。さらに後半の南西方向には高い木があり、なかなか厳しいです。
今回の狙いは3点
- 重いSCA260と耐荷重ギリギリのCGEM IIでの揺れの影響がどれくらいなのか見ること
- LRGB撮影と画像処理の手法確立
- 分解能がどれくらい出るのか確認
撮影
まず1の揺れについてです。試しに露光3分で何枚かだけ撮影したましたが、やはり揺れすぎで全ての画像で星像が丸にならずに早々と諦めます。露光1分にするとそこそこ星像が丸になります。これは前回のM33の時と同様で再現性ありです。逆にいうと、今の設定では1分露光くらいで頭打ちということが確認できてしまったようなものなので、何らかの改善策が必要になります。
ゲインに関してはM33の時の200から今回は120に変えています。ダイナミックレンジが少し得になるはずです。今後露光時間を伸ばして明るくなる時のための練習も兼ねています。ライトフレームの撮影は11月3日、その後11月7日の休日にbias、dark、flat、flatdarkを撮影しています。各補正フレームはM33用のゲイン200と、NGC253用のゲイン120で撮っておいたので、それらを使います。M33とNGC253の撮影で接眼部の回転装置は触っていないので、視野がずれるようなことはないはずなので多分大丈夫なはずです。
2.のLRGB撮影ですが、RGBフィルターはBaaderのもの、L画像はフィルター無しでやってます。電動タイプのフィルターホイールを使っていますが、RGBとLではピント位置が違うので、マニュアルでピントを合わせ直しています。同じ厚さのLフィルターを手に入れればピント合わせなしで済むので購入を考えた方がいいかもしれません。目安はLが120分、RGBがそれぞれ30分程度です。撮影順序はL→B→R→G→Lです。
画像処理
画像処理ではPixIsightのWBPPでLRGBを一度にまとめて処理できるかどうが試してみました。ファイル名なのか、fitsファイルのタグの中なのかわかりませんが、うまくライトフレームもフラットフレームもLRGBをうまく区別してくれました。
フラットフレームは部屋の白い壁を写しましたが、Lが0.5秒、RGBが暗いので1秒で撮影しています。でもflat darkの時間を1秒で一種類しか取らなかったので、RGBにフラットダークを割り当てることがうまくいきませんでした。darkの時間をあらわに外して指定することで一見通りそうに見えたのですが、実際にWBPPを走らせると途中で止まってしまいます。そのため結局RGBにはflat darkを使わず、代わりにMasterのみ補正して処理することになってしまいました。M33の時にはLRGBをそれぞれ独立WBPPにかけたました。この時もflat darkの時間を一種類しか取らなかったのですが、個別処理の時はdarkの時間をあらわに外して指定することで普通に通ったので、まだ個別処理と一括処理の整合性が取れていないようです。
もう一つの大きな問題点が青のムラです。M33の時にも同様な青のムラが現れたので、どうも再現性ありです。M33の時には青のライトフレームに雲が入ったのではと思っていたのですが、フラット画像を見てみると白い壁を写したはずのフラット画像にもムラがあります。RとGにはそこまであらわなムラは確認できません。
フラット画像の謎
ちょっとフラットに関して色々疑問が出てきたので、まずはそれを確認するためにフラット画像をマニュアルでそれぞれストレッチして特徴がわかりやすいようにしてみてみました。
L画像: ゴミがひどいですが、フィルターなしなのでこのゴミがどこから来ているのか不明です。そしてそのゴミのリングを見ると対象ではないです。光軸がまだずれているかもしれません。またよく見ると縦横の格子状の島があります。これはなんでしょうか?
R画像: Lのゴミに加えて、さらにRフィルターについていると思われるゴミがあります。格子状の模様も同じく確認できます。周辺減光に関してはなぜかLよりもマシかもしれません。これも理由不明です。
G画像: 周辺の急激な落ち込みがひどいです。Gフィルターについていると思われるゴミもあります。縦横の縞もあまり目立たないですが存在します。
B画像: 周辺の落ち込みもありますが、何よりムラムラです。縦横の縞もよく見るとやはり存在します。
まとめると
- ゴミが多いこと
- 格子状の模様が全てに存在していそうなこと
- 周辺減光の様子がLRGBで結構違うこと
- 青のみに大きな構造のムラがあること
いずれにせよフラット撮影をもう少し検討します。
結果
前回のM33同様、最初にRGBを合成し、その後LRGBを合成しています。そこからPhotoshopに渡しますが、実は画像処理は、青のムラと縦横縞でかなり苦労しました。炙り出すと縦横縞も見えてきてしまいました。今回は仕上げであまり目立たないようにしています。
結果です。
「ちょうこくしつ座: NGC253」
- 撮影日: L: 2021年11月3日19時53分-21時38分、11月4日0時25分-1時5分、R: 2021年11月3日22時21分-22時54分、G: 2021年11月3日22時55分-23時28分、B: 2021年11月3日21時47分-22時20分
- 撮影場所: 富山県富山市自宅
- 鏡筒: SHARP STAR製 SCA260(f1300mm)
- フィルター: Baader RGB、Lはフィルターなし
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- カメラ: ZWO ASI294MM Pro (-10℃)
- ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI120MM mini、PHD2によるマルチスターガイドでディザリング
- 撮影: NINA、Gain 120、露光時間1分、L:103枚、R:25枚、G:25枚、B:29枚で総露光時間3時間2分dark: Gain 120、露光時間1分、L:64枚、flat: Gain 120、露光時間0.5秒(L)、1秒(RGB)、LRGB各:128枚、flatdarkはLRGB共通: Gain 120、露光時間0.5秒、128枚
- 画像処理: PixInsight、Photoshop CC
仕上げた画像を見る限り、分解能はかなり満足です。ただし揺れている画像は省いているのですが、枚数を稼ぎたいのである程度妥協しています。風の吹き具合だと思うのですが、LRGBのそれぞれで径が違って出てしまいます。なので、まだ改善する余地があるはずです。
いつものおまけのAnnotationです。
まとめ
SCA260の2作例目としてちょうこくしつ座のNGC253を選びました。分解能に関してはかなり満足する結果となりましたが、まだ赤道儀の揺れが存在することと、フラット撮影に問題があります。2回目の撮影なので慣れてきましたが、いろいろと問題も認識できてたと言ったところでしょうか。
このSCA260の性能はすごいと思います。決して安くはない鏡筒ですが、この性能を考えたら十分すぎるくらい納得の値段です。まだ性能を引き出し切れていないところにもどかしさを感じますが、徐々に手応えを感じてきています。銀河だけでなく、例えばフルサイズの一眼でカラー撮影など、まだまだいろいろ試してみたいです。







コメント
コメント一覧 (2)
C8も光軸調整をきちんとするとかなりの星像になります。惑星などは相当細部が出るのでいい結果を出している人も多いのかと思います。
その一方、星雲や銀河だとシュミカセ特有でキリッとしたシャープさがなかなか難しいのと、広い範囲を撮ると四隅はどうしてもコマなど出てしまいます。せめて四隅がもう少し改善されるといいのですが。そういう意味ではHD800は一つの解なのかと思います。
でもそもそもNGC253は低空なので光害やシーイングの影響を受けやすくて難しいのかと思います。