この記事は、2021年11月6日に行われた飛騨コスモス天文台での観望会の記事の続きのお話で、観望会後の眼視体験のお話です。




観望会終了後の眼視大会

もう22時半くらいにはなっていたでしょうか?観望会も終わりつつあり、一時は40人ほどもいたお客さんも少なくなってきて、残ったメンバーで眼視大会が始まりました。今回もかんたろうさんがOrionのニュートンの25cmでいろいろ見せてくれました。この時残っていたのは、スタッフの方数人と、いつものMちゃん親子です。

実は今回かんたろうさんから、私の手持ちのTSA-120で眼視をしてみたいというリクエストをもらっていたので、私の方も準備します。かんたろうさんは前回と同じように秋冬天体のフルコースだったようですが、私はシンプルにリゲルとM42とシリウスくらいでした。TSA-120で久しぶりにまじめに眼視をして見比べてみて、改めてものすごく驚きました。

OrionとTSAの比較で、一番驚いたのがリゲルです。かんたろうさんのも光軸をきちんと合わせてあるので、かなり見えるはずで、前回9月末の同じ飛騨コスモスでの観望会後の眼視大会でもリゲルBは分離できていました。今回私の方はTSA-120にBarder Hyperionの5mmを使った時点で分離できました。ところがかんたろうさんが合わせていても、今回Orionでは分離できないようなのです。

改めてOrionを覗かせてもらいました。スパイダーとかで不利なのはわかります。それ以上に、リゲルがツンツンしているのです。周りにシャカシャカとスパイクのようなものが出ているのです。名誉のために言っておきますが、この日のシンチレーションは全く良くなくて、昇り始めたシリウスなんかは普通に目で見てもチカチカ瞬いています。多少高度があるリゲルでもまだままだ揺らいでいます。Orionもかなり光軸を合わせてあるのですが、シンチレーションに太刀打ちできないと言う表現が正しいでしょうか。

追記: その後、高度が上がったらOrionでもリゲルBが見えたと、かんたろうさんからコメントがありました。なので低高度でシンチレーションが悪かったのが原因かと思われます。

そして改めてTSA-120と見てみると「像が止まっている」と言う表現が正しいでしょうか、やはりリゲルBも分離できています。もちろん完全に止まっているかと言うと、そうでもなくて、ディフラクションリングは揺らいでいるのがわかります。TSA-120を覗いた時にかんたろうさんがしみじみ言った一言が「これがジフラクションリングですかー!」でした。ディフラクションリングをはっきり見たのは初めてとのことで、反射と屈折の違いでしょうか、まだ見え方に差があるのは事実なようです。

この違いは、かんたろうさんや私だけでなく、例えばMちゃんもはっきりわかったようです。TSA-120の方を除いた時に「きれーい」とため息混じりのようなうっとりしたような呟きを、私は聞き逃しませんでした。

その後、TSA-120でシリウスを見たのですが、やはりシンチレーションの悪さは如何ともしがたく、シリウスBは撃沈で見ることはできませんでした。

その後、TSA-120でM42を見ましたが、周りのもやもやや、倍率を下げると見える弓形の大星雲など、もうかなりの迫力です。これがすごくシャープなトラペジウムと一緒に見えています。写真とか電視観望とは全く違った、静寂の世界に見えてくるかすかな形が、大迫力に迫ってくるような感じです。

トラペジウムもこれだけシャープなので、E星、F星は見えないかずっと頑張っていましたが、まだどうしてもみることができませんでした。シンチレーションの良い日を狙って、再度挑戦したいと思っています。

最後に見たのはクリムゾンスターです。かんたろうさんはマニュアルでの導入でOrionでは結局導入できず。私の方はCGEM IIで簡単自動導入なので、その後を託されました。TSA-120だとなかなか暗いのですが、それでも視野の真ん中から少しずれたところくらいに、一つだけ本当に深紅の星が見えました。前回かんたろうさんに見せてもらっていたのですが、改めて自分の鏡筒でみると感無量です。ホントに一つだけ真っ赤っかなのです。

今回は自分の鏡筒でいろいろ見たというのもあった、ちょっと眼視の面白さがわかってきた気がしました。

その後、0時半頃でしょうか、雲がどうしても晴れないので撤収。撤収が終わることにはMちゃん親子も帰っていきました。お母さんが「どうせ3分で寝るから」と言っていましたが、帰りは楽しい夢をみるのかと思います。

その後、かんたろうさんと30分くらい話していましたが、天文あるあるでしょうか、徐々に雲がなくなってきて、1時過ぎくらいにはすっかり快晴。かんたろうさんはすでにここで2泊しているので、さすがに疲れているようです。私も軟弱なのでここから再度セットアップする気にはならずに、帰宅することにしました。

土曜日はこれでおしまいなのですが、眼視はこれで終わらなかったのです。


SCA260での眼視

次の日曜の夜、この日も快晴です。SCA260を出して、それとは別に撮影でFS-60CBにDBPをつけて6DでSh2-129のイカ釣り作戦です。撮影のほうはまだトータル時間が全然足りないので、あと何日か続ける予定です。仕上がったらまた記事にします。

その一方、SCA260はバッテリーが不足していたのであまり大したことはできなかったのですが、0時を過ぎてから突然これでリゲル見てみたらどうなるのか?と思い立ってしまいました。次の日仕事にも関わらずここから眼視のための作業開始です。

接眼部をアイピースが取り付けれるように、適当に手持ちのアダプターを見繕って取り付けます。SCA260の最小ネジ径はM48。M48からM42(T2)への変換は、ASI294MC Proに付属されていたアダプターを使います。そこにいくつか予備で買っていたT2からアメリカンサイズのアイピースの変換アダプターを取り付けます。これで準備完了、アイピースを取り付けるだけなら何の問題もないでしょう。

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ちなみにこの日の自宅でのシンチレーションは昨日の飛騨コスモスよりも悪かったと思います。シリウスの瞬きはかなり酷く、リゲルの瞬きが昨日のシリウスの瞬きくらいでした。

SCA260でリゲルを覗いてびっくりしたのは、昨日のかんたろうさんのOrionよりも遥かに酷くツンツンしています。リゲルBも全く見えません。シンチレーションが悪いせいなのか、SCA260の光軸が出ていないのか、それともSA260は眼視に向いていないのか?

そもそも、SCA260でアイピースでみようとすると、少し目をアイピースから離すだけで副鏡の黒い部分が大きく見えてきます。これはやはり撮影用と考えて良いのでしょうか?

少しSCA260を援護すると、M33を撮影した画像があるのですが、恒星の分離具合をみると(例えSCA260が重くて揺れが大きいと思われても)、TSA-120で撮影したM33よりも遥かに分離しているのです。まだSCA260で撮影した方が画像処理前なので、そのせいの可能性もありますが、撮影してみるとSCA260がTSA-120に負けているとは到底思えません。

撮影と眼視とは全然違うものなのか?それともTSA-120が眼視に向いているという評価はやはり圧倒的に正しいのか?まだまだ疑問はつきませんが、これはかなりの面白案件です。


まとめ

眼視面白い!

というか、私のことなので多分眼視のメカニズムがまだよくわからないところが面白いのかと思います。これから何がどう見え、どう改善していくのか、興味がつきません。

あと、眼視なのでブログに載せる写真が少なくて困ることに気づきました。