前回記事からの続きです。
2021年9月19日は、毎年京都るり渓で開かれてきた「星をもとめて」のオンライン開催の日です。前回2019年のリアル開催の時に講演を頼まれていて、今回「やってみようよ電視観望」というタイトルで話すことができました。
問題は資料作り。実はこれまで電視観望についての講演は4回ほど(2019年6月:CANP、2019年10月:小海「星と自然のフェスタ」、2021年1月:天リフ「日本全国天文ファンオンラインリレー」2021年3月: CP+2021サイトロンブース)やったことがあり、 ある程度のスライドのストックはあります。
なので講演一週間くらい前までに、まずは手持ちのスライドを組み合わせてある程度の並べ替えをしました。でも、ある程度話を繰り返すと同じような内容になってしまうんですよね。何度も聞いてくれる人はもしかしたらつまらなくなってしまうと思ってしまうのです。その一方、今回は初心者向けにということも頼まれていたので、どうしようかと迷っていたら、仕事の方で忙しいのも手伝ってあっという間に前々日の金曜夜になってしまい、この時になってやっと資料作りに専念できる時間を作り出せました。今回のトークの時間は40分とかなり長めです。なのでこれまで時間制限でなかなか話せなかった細かいことも話せそうです。
その金曜夜と、土曜夕方くらいまで、ほぼ丸一日スライド作りに全力を尽くした結果、(この時点である程度分かっていたのですが)いつのまにかかなりマニアック向けの凝ったスライドになっていました。しかも40分のトークにスライド50枚以上。1枚1枚の密度を考えたら、1枚1分では終わらなさそうな内容です。それでも前半は初心者向けなはずだと、自分自身に言い聞かせ、まだ本番まで1日近くあるのでここから不必要な部分を削っていけばいいと安易に考えていました。
土曜は少し早めに寝て、本番の日曜の朝、スライドを削る方向のはずが、わかりやすくしようとさらに途中のタイトルなどを追加。枚数は60枚ほどになっていました。午後になって13時頃、Zoomのテスト接続を試して山下さんと話したのが運の尽きでした。講演時間は18時30分から19時10分までの40分の予定なのですが「最後なので(時間的には)ゆるくでいいですよ」とのお言葉に、「うーん、削るのはまぁいいか」と思ってしまったのです。「もしかしたら晴れるから、中継の準備もしなければ」とか「トークが終わったら懇親会もあるから、夕食ははあらかじめとっておいた方がいいか」とか色々自分に言い訳しながら、スライドを削る時間を諦めて、最終練習と微調整くらいに留めておいてしまったのです。いや多分疲れてたのですね、せっかくの機会なので思いの丈を話してしまおうと思ってしまったのです。
さて、実際の本番18時30分。前のお二人は多少時間が延びたのですが、それでも10分程度と全然許容範囲内。なんだかやばい気がしてきました。まあどうにかなるかと、半分諦めもつけてトークをスタート。それでも前半はまだ初心者向けだとこの時は信じて話してました。
おそらく初心者が最初に迷うのがカメラ選び。ここはきちんと情報を入れておいた方がいいと思い、頑張って作ったスライドと共に丁寧に話します。本当は初心者にとっては、決めうちの一機種を「これが一番です。これだけ買っておけば間違いない!」とか言ってもらった方が多分いいんですよね。でも今回は真逆で、「できるだけ情報を見せていいものを選んでください」という方向にしてみました。もちろん推薦機種とかは示しましたよ。でもそれでもなんでこのカメラがいいのか、どうしても理解して欲しかったのです。
なのでお詫びではないですが、ややこしい話しなってしまった尻拭いとして、(まあ、配信ビデオの方を見ていただければいいのですが)スライドをここに載せておきます。
古くなってしまいましたが、以前のカメラ選びの記事と合わせてお読みください。なんとかカメラ選択の助けになればと思います。
後で天リフさんのTwitter投稿を見たら、
「過去のSamさんの講演の中で一番突っ込んだ詳しい解説かも。」とのコメントが...。さらに講演後の懇親会の中で星見屋さんから「いやーマニアックでしたよ。センサーの感度を考えて買う初心者なんていませんよ。」とのお話が...。やばい、どうやら前半ですでにやらかしてしまったことにかなり後になってやっと気づきました。
さてトークの方ですが、スライドが半分くらいのところですでに30分くらいの時間が過ぎていました。後半の応用編と電視観望の理論みたいなさらにややこしい話になります。もともとこちらは、これまでの過去のトークを聞いてくれた人が飽きないようにと用意していた話なので分かりにくい話も多いはずです。それぞれ所詮スライド1-2枚では細かい話はできないので、こちらも申し訳ないので説明相当のブログ記事へのリンクを示しておきます。
おまけです。スライドだけ用意したけど、時間が足りなくて諦めたものです。
YouTubeの配信の方が既にアップされているようです。聞き逃した方で、興味のある方は是非ご覧ください。
ここの1時間52分23秒くらいからです。
講演後は、そのままZoomでの懇親会へとなだれ込みました。名前を見ると知り合いの方も何人かいます。Revolution Imagerや3倍星座ビノなどで盛り上がったあっかさんとは、初めて実際に話すことができました。
あと、富山の方(最近引越しされてきたらしいです)も参加されていて、電視観望見てみたいとのこと。その後のやり取りで9月25日の地元の牛岳で観望会に参加することが決まりました。こうやって少しづつですが、天文の輪が広がっていくのは嬉しいものです。
今回はZoomのブレイクアウトルームが用意されていたので、いくつかの話題に応じて各部屋に別れることができます。メインルームでは人が多く、なかなか発言できない人も多いと思い、チャット欄に「何か今日のトークで聞きたいことがある方はどうぞ」とメッセージを残してブレイクアウトルームの一つに移りました。程なくして数人の方が入室されてきて、そこからずっと質問に答えたり、天文談義に花を咲かせていました。こういった知らない人同士が気楽にまったり話せるような時間は、オンラインと言っても星まつりと同じですね。とても幸せな時間です。
参加者の1人、最近星を初めて、今日のトークを聞いてQBPをポチってしまったというXRAさん。横浜の方と言うのでQBPの効果は相当あるかと思います。他にも懇親会で話題になっていたものを次々ポチしてました。ご家族の理解は大丈夫でしょうか(笑)? 他にも2019年の原村や星もとでお世話になったKaienさん、望遠鏡博物館に誘っていただいたTANKOさんの顔も。
どなたかが「このメンバーだとAZ-GTi全員持ってるのでは?」との質問にTANKOさんが「私持ってない」と即答。でも「え、でもeVscoop持ってるのでは?」とすかさずツッコミが入り、みんな大笑いとビックリ。クラウドファンディングでかなり安く手に入れたとのことですが、出資してから手元に届くまで3年待ったとか。
あと、この日の講演で小惑星の掩蔽で話をされた渡辺さんもブレイクアウトルームに来てくれてました。研究に近いことをされていて撮影とかとはまた違った楽しみ方をされているので、トークも含めて参考になる話が多かったです。
その場で気づけなかったのですが、チャット欄を見ると以前の星もとでお会いした、当時阪大の学生で娘が随分お世話になった方が、なんと高校で理科の先生になったとのことです。月日が経つのは早いです。特に学生さんはどんどん次の世界に移っていくので、羨ましい限りです。チャットの返事をしようと思ったら、既に退席した後で非常に残念でした。高校の頃自分で天文部を立ち上げたことのある経験を持っているとのことです。赴任先の高校で天文部がなかったらまた天文部を作ったりするのでしょうか。いや、天文部のある高校を希望したのかも。天文のことをきちんと伝えることができる、生徒想いのいい先生になってほしいです。
その後、何気なく外を見ると月が出てかなり晴れています。せっかくみなさん興味を持ってくれている方が集まってくれているので電視観望中継を試みます。
ここからは今日これまでの鬱憤を晴らすべく大盛り上がりです。最初は月でアラインメントを取ります。ちなみのこの日は満月前日。空には煌々と明るい月が輝いています。それでも今の機材は凄いですね。今回は口径わずか3cmのFMA135に新製品のアメリカンサイズのCBPを先端につけます。カメラはトークでもベストと紹介したASI294MC。これらを、これもトークで紹介したAZ-GTiに乗せます。
まず最初はM27。かなり拡大しています。というのも、135mmの焦点距離でフォーサーズサイズのカメラだと相当広角で見ているために、M27は非常に小さく映ります。
機材を自宅Wi-FIルーターから離れて置きすぎていたために、M27の後にネットワークトラブルがありましたが、少し家の方に移動して再びアラインメント。この後は順調でした。
実は私はあまり写真を撮っていなかったのですが、参加者のToyoharaさんがいくつか画像を残しておいてくれました。上と同じM27ですが、Zoomの先では下のように表示されていたようです。
中継先でもそこそこきちんと配信されているがわかります。
同じく、M57もToyoharaさんが残してくれていました。M27もかなり拡大しましたが、M57はもっとひどいです。小さすぎて恒星と見分けがつかず、映っていても探すのに苦労します。なので、まずはAZ-GTiでわかりやすいベガを再アラインメントし直し、その近くにあるM57を精度良く自動導入するというテクニックを紹介しました。これだと点にしか見えないM57も、画面の真ん中ら辺を拡大していくだけで形が見えてきます。
それでもM57は135mmだと分解能限界です。むしろFMA135の性能の良さで恒星の肥大を防ぐことができていて、なんとか見ることができています。
あと、PCの画像に残っていた北アメリカ星雲です。満月期でここまで見えれば十分でしょう。皆さん満足してくれたようです。観望会などでも使えそうだということを実感してもらえたかと思います。
他にもM31アンドロメダ銀河、網状星雲なんかをみました。M31は銀河なので、CBPは外した方がよかったかもしれません。網状星雲を見ている間に雲が出てきて、他の方向も探りましたが8割以上曇っていて、この日の懇親会は終了となりました。最後の方で山下さんが参加されてきて「もう他のブレイクアウトルームはとっくに解散していて、あとはここだけ」とのこと。皆さん、遅くまでご参加お疲れ様でした。私も非常に楽しい時間を過ごすことができました。
実は今回のブレイクアウトルーム、このブログでもおなじみの小6のMちゃんも始まりから夜遅くの最後まで参加してくれてました。ブレイクアウトルーム内では唯一の女性で、唯一の小学生(中学生、高校生もいなかったです。大学生はスタッフの方が途中参加してくれてたと思います。)です。でも0時近くなってこんなに遅くまで大丈なのか聞いてみたら「お母さんが切れそう」とのこと。お母様、夜遅くまで付き合わせてしまい、すみませんでした。でも後でお母さんからメッセージが届いて「見え始めたんだから仕方がないんだよ!すっごく面白かった!」と言っていたそうです。
講演の方は多少マニアックになってしまい、反省しています。でもこれまでにない長時間のトークだったので、話したいことをかなり入れることができて、自分としては思いの丈を果たせました。実際に電視観望を始めるときに当たる困難を、うまく解決することができるように話したつもりです。わかりにくいところは今回の記事のリンク先などと合わせて、配信を何度か聞いていただければと思います。
その後の懇親会はもちろん話してるのも楽しかったです。でもやはり電視観望に興味を持ってくれてる方が集まってくれてるので、中継ができてよかったです。
今回の「星もと」をきっかけに少しでも天文に興味を持つ人が増えてくれるなら、何よりです。
2021年9月19日は、毎年京都るり渓で開かれてきた「星をもとめて」のオンライン開催の日です。前回2019年のリアル開催の時に講演を頼まれていて、今回「やってみようよ電視観望」というタイトルで話すことができました。
スライド作り
問題は資料作り。実はこれまで電視観望についての講演は4回ほど(2019年6月:CANP、2019年10月:小海「星と自然のフェスタ」、2021年1月:天リフ「日本全国天文ファンオンラインリレー」2021年3月: CP+2021サイトロンブース)やったことがあり、 ある程度のスライドのストックはあります。
なので講演一週間くらい前までに、まずは手持ちのスライドを組み合わせてある程度の並べ替えをしました。でも、ある程度話を繰り返すと同じような内容になってしまうんですよね。何度も聞いてくれる人はもしかしたらつまらなくなってしまうと思ってしまうのです。その一方、今回は初心者向けにということも頼まれていたので、どうしようかと迷っていたら、仕事の方で忙しいのも手伝ってあっという間に前々日の金曜夜になってしまい、この時になってやっと資料作りに専念できる時間を作り出せました。今回のトークの時間は40分とかなり長めです。なのでこれまで時間制限でなかなか話せなかった細かいことも話せそうです。
その金曜夜と、土曜夕方くらいまで、ほぼ丸一日スライド作りに全力を尽くした結果、(この時点である程度分かっていたのですが)いつのまにかかなりマニアック向けの凝ったスライドになっていました。しかも40分のトークにスライド50枚以上。1枚1枚の密度を考えたら、1枚1分では終わらなさそうな内容です。それでも前半は初心者向けなはずだと、自分自身に言い聞かせ、まだ本番まで1日近くあるのでここから不必要な部分を削っていけばいいと安易に考えていました。
土曜は少し早めに寝て、本番の日曜の朝、スライドを削る方向のはずが、わかりやすくしようとさらに途中のタイトルなどを追加。枚数は60枚ほどになっていました。午後になって13時頃、Zoomのテスト接続を試して山下さんと話したのが運の尽きでした。講演時間は18時30分から19時10分までの40分の予定なのですが「最後なので(時間的には)ゆるくでいいですよ」とのお言葉に、「うーん、削るのはまぁいいか」と思ってしまったのです。「もしかしたら晴れるから、中継の準備もしなければ」とか「トークが終わったら懇親会もあるから、夕食ははあらかじめとっておいた方がいいか」とか色々自分に言い訳しながら、スライドを削る時間を諦めて、最終練習と微調整くらいに留めておいてしまったのです。いや多分疲れてたのですね、せっかくの機会なので思いの丈を話してしまおうと思ってしまったのです。
実際のトークの様子
さて、実際の本番18時30分。前のお二人は多少時間が延びたのですが、それでも10分程度と全然許容範囲内。なんだかやばい気がしてきました。まあどうにかなるかと、半分諦めもつけてトークをスタート。それでも前半はまだ初心者向けだとこの時は信じて話してました。
おそらく初心者が最初に迷うのがカメラ選び。ここはきちんと情報を入れておいた方がいいと思い、頑張って作ったスライドと共に丁寧に話します。本当は初心者にとっては、決めうちの一機種を「これが一番です。これだけ買っておけば間違いない!」とか言ってもらった方が多分いいんですよね。でも今回は真逆で、「できるだけ情報を見せていいものを選んでください」という方向にしてみました。もちろん推薦機種とかは示しましたよ。でもそれでもなんでこのカメラがいいのか、どうしても理解して欲しかったのです。
なのでお詫びではないですが、ややこしい話しなってしまった尻拭いとして、(まあ、配信ビデオの方を見ていただければいいのですが)スライドをここに載せておきます。
古くなってしまいましたが、以前のカメラ選びの記事と合わせてお読みください。なんとかカメラ選択の助けになればと思います。
後で天リフさんのTwitter投稿を見たら、
星をもとめて2021講演会。Samさんの「やってみようよ電視観望」。タイトルとは裏腹に?過去のSamさんの講演の中で一番突っ込んだ詳しい解説かも。https://t.co/h7YtxUnDJs https://t.co/fE4nHhFpci pic.twitter.com/py3ZtdQF7Z
— 天リフ編集部 (@tenmonReflexion) September 19, 2021
「過去のSamさんの講演の中で一番突っ込んだ詳しい解説かも。」とのコメントが...。さらに講演後の懇親会の中で星見屋さんから「いやーマニアックでしたよ。センサーの感度を考えて買う初心者なんていませんよ。」とのお話が...。やばい、どうやら前半ですでにやらかしてしまったことにかなり後になってやっと気づきました。
さてトークの方ですが、スライドが半分くらいのところですでに30分くらいの時間が過ぎていました。後半の応用編と電視観望の理論みたいなさらにややこしい話になります。もともとこちらは、これまでの過去のトークを聞いてくれた人が飽きないようにと用意していた話なので分かりにくい話も多いはずです。それぞれ所詮スライド1-2枚では細かい話はできないので、こちらも申し訳ないので説明相当のブログ記事へのリンクを示しておきます。
おまけです。スライドだけ用意したけど、時間が足りなくて諦めたものです。
配信ビデオ
YouTubeの配信の方が既にアップされているようです。聞き逃した方で、興味のある方は是非ご覧ください。
ここの1時間52分23秒くらいからです。
懇親会
講演後は、そのままZoomでの懇親会へとなだれ込みました。名前を見ると知り合いの方も何人かいます。Revolution Imagerや3倍星座ビノなどで盛り上がったあっかさんとは、初めて実際に話すことができました。
あと、富山の方(最近引越しされてきたらしいです)も参加されていて、電視観望見てみたいとのこと。その後のやり取りで9月25日の地元の牛岳で観望会に参加することが決まりました。こうやって少しづつですが、天文の輪が広がっていくのは嬉しいものです。
今回はZoomのブレイクアウトルームが用意されていたので、いくつかの話題に応じて各部屋に別れることができます。メインルームでは人が多く、なかなか発言できない人も多いと思い、チャット欄に「何か今日のトークで聞きたいことがある方はどうぞ」とメッセージを残してブレイクアウトルームの一つに移りました。程なくして数人の方が入室されてきて、そこからずっと質問に答えたり、天文談義に花を咲かせていました。こういった知らない人同士が気楽にまったり話せるような時間は、オンラインと言っても星まつりと同じですね。とても幸せな時間です。
参加者の1人、最近星を初めて、今日のトークを聞いてQBPをポチってしまったというXRAさん。横浜の方と言うのでQBPの効果は相当あるかと思います。他にも懇親会で話題になっていたものを次々ポチしてました。ご家族の理解は大丈夫でしょうか(笑)? 他にも2019年の原村や星もとでお世話になったKaienさん、望遠鏡博物館に誘っていただいたTANKOさんの顔も。
どなたかが「このメンバーだとAZ-GTi全員持ってるのでは?」との質問にTANKOさんが「私持ってない」と即答。でも「え、でもeVscoop持ってるのでは?」とすかさずツッコミが入り、みんな大笑いとビックリ。クラウドファンディングでかなり安く手に入れたとのことですが、出資してから手元に届くまで3年待ったとか。
あと、この日の講演で小惑星の掩蔽で話をされた渡辺さんもブレイクアウトルームに来てくれてました。研究に近いことをされていて撮影とかとはまた違った楽しみ方をされているので、トークも含めて参考になる話が多かったです。
その場で気づけなかったのですが、チャット欄を見ると以前の星もとでお会いした、当時阪大の学生で娘が随分お世話になった方が、なんと高校で理科の先生になったとのことです。月日が経つのは早いです。特に学生さんはどんどん次の世界に移っていくので、羨ましい限りです。チャットの返事をしようと思ったら、既に退席した後で非常に残念でした。高校の頃自分で天文部を立ち上げたことのある経験を持っているとのことです。赴任先の高校で天文部がなかったらまた天文部を作ったりするのでしょうか。いや、天文部のある高校を希望したのかも。天文のことをきちんと伝えることができる、生徒想いのいい先生になってほしいです。
ブレイクアウトルームですが、結構な人数が集まりました。
右のチャットのところに、理科の先生になったとメッセージが届いていました。
その後、何気なく外を見ると月が出てかなり晴れています。せっかくみなさん興味を持ってくれている方が集まってくれているので電視観望中継を試みます。
急遽電視観望中継
ここからは今日これまでの鬱憤を晴らすべく大盛り上がりです。最初は月でアラインメントを取ります。ちなみのこの日は満月前日。空には煌々と明るい月が輝いています。それでも今の機材は凄いですね。今回は口径わずか3cmのFMA135に新製品のアメリカンサイズのCBPを先端につけます。カメラはトークでもベストと紹介したASI294MC。これらを、これもトークで紹介したAZ-GTiに乗せます。
まず最初はM27。かなり拡大しています。というのも、135mmの焦点距離でフォーサーズサイズのカメラだと相当広角で見ているために、M27は非常に小さく映ります。
機材を自宅Wi-FIルーターから離れて置きすぎていたために、M27の後にネットワークトラブルがありましたが、少し家の方に移動して再びアラインメント。この後は順調でした。
実は私はあまり写真を撮っていなかったのですが、参加者のToyoharaさんがいくつか画像を残しておいてくれました。上と同じM27ですが、Zoomの先では下のように表示されていたようです。
中継先でもそこそこきちんと配信されているがわかります。
同じく、M57もToyoharaさんが残してくれていました。M27もかなり拡大しましたが、M57はもっとひどいです。小さすぎて恒星と見分けがつかず、映っていても探すのに苦労します。なので、まずはAZ-GTiでわかりやすいベガを再アラインメントし直し、その近くにあるM57を精度良く自動導入するというテクニックを紹介しました。これだと点にしか見えないM57も、画面の真ん中ら辺を拡大していくだけで形が見えてきます。
それでもM57は135mmだと分解能限界です。むしろFMA135の性能の良さで恒星の肥大を防ぐことができていて、なんとか見ることができています。
あと、PCの画像に残っていた北アメリカ星雲です。満月期でここまで見えれば十分でしょう。皆さん満足してくれたようです。観望会などでも使えそうだということを実感してもらえたかと思います。
他にもM31アンドロメダ銀河、網状星雲なんかをみました。M31は銀河なので、CBPは外した方がよかったかもしれません。網状星雲を見ている間に雲が出てきて、他の方向も探りましたが8割以上曇っていて、この日の懇親会は終了となりました。最後の方で山下さんが参加されてきて「もう他のブレイクアウトルームはとっくに解散していて、あとはここだけ」とのこと。皆さん、遅くまでご参加お疲れ様でした。私も非常に楽しい時間を過ごすことができました。
実は今回のブレイクアウトルーム、このブログでもおなじみの小6のMちゃんも始まりから夜遅くの最後まで参加してくれてました。ブレイクアウトルーム内では唯一の女性で、唯一の小学生(中学生、高校生もいなかったです。大学生はスタッフの方が途中参加してくれてたと思います。)です。でも0時近くなってこんなに遅くまで大丈なのか聞いてみたら「お母さんが切れそう」とのこと。お母様、夜遅くまで付き合わせてしまい、すみませんでした。でも後でお母さんからメッセージが届いて「見え始めたんだから仕方がないんだよ!すっごく面白かった!」と言っていたそうです。
まとめ
講演の方は多少マニアックになってしまい、反省しています。でもこれまでにない長時間のトークだったので、話したいことをかなり入れることができて、自分としては思いの丈を果たせました。実際に電視観望を始めるときに当たる困難を、うまく解決することができるように話したつもりです。わかりにくいところは今回の記事のリンク先などと合わせて、配信を何度か聞いていただければと思います。
その後の懇親会はもちろん話してるのも楽しかったです。でもやはり電視観望に興味を持ってくれてる方が集まってくれてるので、中継ができてよかったです。
今回の「星もと」をきっかけに少しでも天文に興味を持つ人が増えてくれるなら、何よりです。
コメント
コメント一覧 (10)
昨日は最近星狩り仲間になった友人がMacユーザーなのでMacユーザー用の電視観望情報がないか参加させていただいたはずなのに、気が付いたら自分が楽しんでしまいMacユーザー用情報(ASI Live)をメモる事もなく聴き入ってしまってました(笑
ブログ記事にまとめていただきやっと気付きました...。
地元が快晴だったので懇親会等にはお邪魔せず速攻退席してしまってすいません💦
いつも大変お世話になっているので、少しの時間でしたが直接お話しできて良かったです。ありがとうございました!
あっかさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
始めてお話しすることができました。
あっかさんとやりとりしたのいつからだろうと思って調べてみたら、2019年1月のコメントが初めてでした。でもその前からあっかさんのぶろぐみていたので、もう3年になります。
そうやって考えると、オンラインイベントになるとはじめて話すことができるわけです。逆に今回の星もとがリアル開催だと、たとえあっかさんがその場に来ていてもすれ違っていたかもしれません。なんかちょっと不思議ですね。
コロナが終息してからですが、いつかどこかでリアルに一緒に星を見たりしたいものです。
様々な視点による資料が満載で、思わず唸りました。
たしかに初心者の方には少し難しかったかもしれませんが、それを補って余りある充実した内容で素晴らしかったです。
講演後は晴れてしまった(笑)ため、色々とテスト撮影しないといけない事が山積みで、残念ながら懇親会には出席できませんでした。
またの機会に、お邪魔いたします♪
あぷらなーとさん、嬉しすぎるお言葉ありがとうございます。
いや、聞いていただいた皆さんに感謝ですね。
もし入門者の方でわかりにくい場合は、過去記事を参考(それでも長い記事ですが)にしていただければと思います。
もしくはコメントしていただければと。
リアル開催ならもしかしたらあぷらなーとさんに会えていたかと思うと残念です。
またいつか天体望遠鏡博物館と共にまた遊びに行きたいです。
カトーさんこんにちは。
オンラインの星まつりは近い遠い関係なく参加できるので、逆にメリットだったりもしますよね。特に実感したのが、前回のCP+の講演でした。パシフィコ横浜でリアル開催で講演だったら、絶対バーナードループのライブ中継なんて不可能でした。
富山にお越しの際は是非またご連絡ください。牛岳で観望会でもいいですね。
また終了後も延々と興味深い話を続けていただいてありがとうございました。講演が終わったらさぁっと人がいなくなってあとは白けて終わる、というのを危惧しておりましたのが杞憂に終わったのもSamさんとその話を聞き続けていた皆さんのおかげです。
私は他のブレイクアウトルームが長かったですが、そちらでも皆さん結構長く雑談を続けていたのは、あちらの懇親会場が盛会だ、という雰囲気が伝わっていたためです。
あぷらなーとさんやカトーさんはYouTube配信の方をお聞きになっておられたのでしょうか(ZOOM申込者の方にはお名前が見当たらなかったので)。ライブ配信も40名を越えるかたがおられたようでありがとうございました。
YAMASHITAさん、こちらこそお誘いいただきありがとうございました。とても楽しい時間を過ごすことができました。
今回のトークはお約束したにもかかわらず、かなりマニア向けになってしまい申し訳ありません。でも私にとっては電視観望の集大成のような形になりました。配信なので繰り返し見返すこともできるかと思います。難しいところは所詮講演ではさわりくらいの部分しか伝えられないので、これまでのブログ記事と合わせて、いろんな応用例のきっかけくらいになってもらえればと思います。
来年はぜひこそリアル開催でしょうか。また皆さんとお会いできることを楽しみにしています。
楽しかったですね。はじめてのWEB開催でしたが、いつものリアルでの星まつりと遜色ないぐらい楽しませていただきました。オンラインはオンラインの良さがありましたね。
講演含め電視観望のお話、とっても勉強になりました。CMOSの選び方も良かったと思いますよ?あとからYouTube配信でも復習できますし、センサーサイズや主要なCMOSの感度について、比較の仕方が分かるように感じました。あと画角についてなども「アンドロメダからM57まで」など経験に基づいたお話で勉強になりました。
私の方は普通の天体写真が軸足に活動していますが、電視観望面白いですね。モノクロCMOSに向けて貯金中なのですが、カラーCMOSに化けそうでとっても危険です。あぶないあぶない。
Karenさん、懇親会の参加もふくめて、どうもありがとうございます。
意外にオンラインがいいという声も聞くので、今回の星もとも含めていい機会だったのかもしれません。特に遠方の人にとってはリアル開催と違い、距離が関係なくなるので参加しやすいのかと思います。また、配信なのであとから繰り返し見ることができる点もいいのかと思います。それを考えると、多少詰め込み過ぎでしたが、ホントに電視観望を始めたい人にとっては後からじっくり見えるので良かったのかもしれません。
私としては電視観望がジワジワと広まってきているようなので、いい状況かと思っています。急激な広がりだと一過性のブームで終わってしまうかもしれませんが、ゆっくり確実に広まって、気づいたら眼視や撮影などと一緒のなくてはならない手法になっていたというのがベストかと思っています。しかもまだこの技術発展途上にあるのかと思います。あと5年経ったら、プレートソルブとかもっとどんよくにとりこんで遥かに進むのかと思います。まだまだ面白いですよ。