やっと梅雨が明け、とてつもなく暑いですが、連日晴れの日が続くようになりました。これから満月期に向かっていくので、月もそこそこの時間まで出ています。平日でそこまで遅く起きているのも大変なので、気軽に月の撮影としました。


ASI294MM Proでの広角、高分解能の月撮影

やりたかったのは、ASI294MM Proのbin1モードでピクセルサイズ2.3um、8288×5644の高解像度でどこまで月の分解能が出るか確かめたかったことです。具体的な比較として今後も含めてやりたいことは
  1. ASI294MCとASI294MMのbin2での同ピクセルサイズでカラーかモノクロ化の直接比較->分解能は2倍違うはず。
  2. ASI294MCとASI294MMのbin1でのピクセルサイズ半分でカラーとモノクロの違いの比較->分解能は4倍違うはず。
  3. ノーフィルターとサイトロン製IRパスフィルターの640nm、720nm、800nmで違いがあるか?
です。
 
今回は初日ということで、とりあえずの条件出しです。
  1. 鏡筒はVISAC、赤道儀はCGEM II。揺れが効きそうだったので三脚の各足の下に手製の防振パッドを入れています。
  2. ASI294MM ProをBin1の常温で撮影。
  3. フィルターは640nm以上を通すように。
  4. 露光時間はとりあえず10ms、Gian120。
  5. 枚数は500枚のうち上位50%の250枚をAutoStakkert!3でスタック。
  6. あぶり出しはImPPG、仕上げにPhotoshop。
としました。

撮影は、1枚だと月全体が画面内にギリギリ入るか入らないかだったので、2枚としICEでモザイク合成しました。問題はファイルサイズ。SharpCapで500枚をser形式で保存すると1ファイルが50GBになります。処理もかなり時間がかかります。本当は上にあるように、きちんと条件を変えて色々撮影したかったのですが、今回はこのファイルサイズでめげてしまって、モザイク分2枚撮影しただけで諦めました。

あぶり出しはこれまでのようにRegistaxを使いたかったのですが、大きすぎる画像は処理できないようで、今回はImPPGを使いました。ところが、多分Registaxに比べた弱点だと思うのですが、処理を強くすると細かいノイズが出てしまいました。RegistaxのDenoiseに相当することができないようです。太陽だと気にならなかったのですが、のっぺりした面がある月ではそのノイズが目立ってしまいダメでした。なので弱く炙り出すに留めてます。他にはNik CollectionのOutput Sharpner、TopazのSharpen AIなどはわざとらしくなってしまったり、偽線が出てしまう可能性があるので使えませんでした。PixInsightが使えそうなのですが、今回は使う余裕がなかったので、今後の課題にしたいと思います。


結果

一応画像処理まで終えて、結果は、以下のようになりました。

21_56_42_lapl4_ap7882_IP.2tif_stitch
  • 月齢9.5日
  • 撮影日: 2021年7月19日21時56分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Vixen VC200L
  • フィルター: SIGHTRON IR640 
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ:  ZWO ASI294MM Pro(常温で使用)
  • ガイド: なし
  • 撮影: SharpCap、露光時間10ミリ秒x250/500枚  
  • 画像処理: AutoStakkert!3、ImPPG、Photoshop CCI

撮ったのはこの1枚(2枚合成)だけなので、その他パラメータとの比較はできませんが、かなり解像度も出ている感じです。そこそこ満足の結果です。

昨晩はここまで、次の日も仕事なのでここで就寝です。


少し比較してみた

せっかくなので、いくつか以前の結果と比較してみたいと思います。


リンク先ページの1枚目の写真と比較してみます。VISACではこれまで最も分解能が出ていたと思っているものです。鏡筒は同じ、ピクセルサイズも同じなので、カラーかモノクロかの違いになります。右がASI178MC、左が今回のASI294MM Proです。

VISAC_178MC


うーん、どうでしょう?クリックして拡大して比べてもらった方がわかると思いますが、同等か、下手したら右の178MCのほうが分解している気もします。

もう一つ比較してみましょう。


C8_01

右の178MCはピクセルサイズが問題になってきそうなくらい分解能を使い切った感じ。対する左の294MMはモノクロになった分ピクセルサイズに余裕が出たものの、細部はそれほど出ていない感じです。


まとめ

どうやら今回のASI294MMでの撮影は、過去のもっとよかったものに比べると、カメラの性能では優っているはずが、シンチレーションがそこまでよくなかったか、もしくはピントを合わせ切れていないかでしょうか。これはリベンジ案件ですね。余裕があったらもう少し続けてみます。

といっても、ここまで解像度が出て、月全体を丸々撮れているので、自分的には十分満足なのですが。

続けるにしてもファイルサイズが大きすぎるので、もう少し小さな面積で分解能比較はしたいと思います。あと、もしこれ以上高分解能を追求するならバローを入れた方がいいかもしれません。あとはシンチレーション の良い日を狙うのでしょうか。