前回の三裂星雲はCBPも使いましたが、フィルターなしの画像が一番多くQBPも使っていましたので、CBPでの作例とはまだ言えませんでした。今回からが純粋なCBPだけでの撮影となります。
今回のターゲットは網状星雲です。やはりCBPなので、青色近辺を含む星雲を選びました。
網状星雲はむかーし、フィルターなどまだ全然使ってなかった頃テストで撮っただけで、全然あぶり出なかったので、リベンジという意味もあります。撮影日は平日なので、仕事もあるため庭撮りになります。光害地での検証と言えると思います。その代わり自宅なので、一晩中放っておいて撮影できるというメリットがあります。
網状星雲全体を入れたいので、焦点距離の短いFS-60CBにマルチフラットナーをつけて、EOS 6Dで撮ります。?(クエスチョンマーク)の形の下のところまで入れたかったので最初縦長にしようと思ったのですが、縦だと幅がギリギリなのと、西網状、東網状と言いたかったのであえて横構図にしました。
午後7時頃から準備を始めたのですが、久しぶりのFS-60CBということもあり、少し戸惑ってしまって撮影を始めたのは21時半過ぎです。というのも、今回始めて新StickPCで長時間撮影を試みました。カメラがEOS 6Dなので、撮影ソフトはこれまで通りBackYard EOSを使いました。将来的には6DでもNINAを使ってもいいかもしれませんが、これはまた別の日に試したいと思います。いくつか設定不足のところがあり時間がかかってしまいましたが、トラブルというよりは、画像保存フォルダの場所とか、ファイル名が上手くつかなかったとか、細かいことです。撮影自身は、Stick PCに関してはほとんど何もトラブルなく、一晩中、朝まで問題なく撮影を続けることができました。
撮影時間は21時半過ぎから午前4時前まで、約6時間。失敗はなかったので全部使うことができました。ディザーもあるので実質露光時間は5時間ぴったりでした。
率直な感想ですが、淡いところまでかなり綺麗に出ました。庭撮りでしたが、ここまで出れば私的にはかなり満足です。
以下、細かい感想です。まずはよかった点:
もう少し検討したい点:
まあ、庭撮りでここまでは望みすぎなのかもしれません。
おまけのAnotationです。
今回は庭撮りで光害地での検証に当たるのですが、CBPやっぱりいいです。元々彗星用途ですが、星雲用途にも十分期待に答えてくれると思います。CBPの目的の一つであった青も淡いところまで出てくれたので、私的にはかなり満足です。
網状星雲はCBPのテストとしては格好の材料だったようです。でもさすがに上を見るとキリがなくて、網状星雲はまだ全部の顔を見せてくれません。これがCBPのせいなのか、それとももっと暗い空を求めなければならないのか、はたまた露光時間が足りないのか、これからも挑戦のしがいがあります。
次はCBPを赤のみの星雲で試して、QBPと色がどれくらい変わるのか試してみたいと思います。
CBPを使っての庭撮り
今回のターゲットは網状星雲です。やはりCBPなので、青色近辺を含む星雲を選びました。
網状星雲はむかーし、フィルターなどまだ全然使ってなかった頃テストで撮っただけで、全然あぶり出なかったので、リベンジという意味もあります。撮影日は平日なので、仕事もあるため庭撮りになります。光害地での検証と言えると思います。その代わり自宅なので、一晩中放っておいて撮影できるというメリットがあります。
網状星雲全体を入れたいので、焦点距離の短いFS-60CBにマルチフラットナーをつけて、EOS 6Dで撮ります。?(クエスチョンマーク)の形の下のところまで入れたかったので最初縦長にしようと思ったのですが、縦だと幅がギリギリなのと、西網状、東網状と言いたかったのであえて横構図にしました。
午後7時頃から準備を始めたのですが、久しぶりのFS-60CBということもあり、少し戸惑ってしまって撮影を始めたのは21時半過ぎです。というのも、今回始めて新StickPCで長時間撮影を試みました。カメラがEOS 6Dなので、撮影ソフトはこれまで通りBackYard EOSを使いました。将来的には6DでもNINAを使ってもいいかもしれませんが、これはまた別の日に試したいと思います。いくつか設定不足のところがあり時間がかかってしまいましたが、トラブルというよりは、画像保存フォルダの場所とか、ファイル名が上手くつかなかったとか、細かいことです。撮影自身は、Stick PCに関してはほとんど何もトラブルなく、一晩中、朝まで問題なく撮影を続けることができました。
撮影時間は21時半過ぎから午前4時前まで、約6時間。失敗はなかったので全部使うことができました。ディザーもあるので実質露光時間は5時間ぴったりでした。
- 撮影日: 2020年8月18日21時47分-8月19日3時52分
- 撮影場所: 富山県富山市自宅
- 鏡筒:Takahashi FS-60CB + マルチフラットナー
- フィルター: SIGHTRON CBPフィルター
- 赤道儀: Celestron CGEM II
- カメラ: Canon EOS 6D(HKIR改造, ISO1600, RAW)
- ガイド: f120mmガイド鏡 + ASI290MCM、PHD2によるディザリング
- 撮影: BackYard EOS、露光時間300秒x60枚 = 5時間0分
- 画像処理: PixInsight、StarNet++、Photoshop CC
以下、細かい感想です。まずはよかった点:
- 青い部分がかなりはっきり出た。
- 赤もQBPの時より補正があまり必要なかった。
- 青だけでなく、緑の淡い部分も残っているようです。
- 全体的にカラーバランスはQBPよりははるかにとりやすいと思います。
- 光害に関しては、月は出ていませんでしたが、住宅地なので前回の三裂星雲よりはるかに状況は悪いです。それでもこれだけ出せるので、QBPほどではないにしても相当迫る実力だと思います。
- とくにゴーストなど問題になるようなところも見受けられませんでした。
- ハロのようなものもほとんどなく、星像はかなりシャープに出ていると思います。
もう少し検討したい点:
- 網状星雲の中央に赤と青の淡い線が走るはずなのですが、さすがにそこまでは出ませんでした。もっと明るい鏡筒か、真に暗い空、さらなる(10時間クラス?)の露光時間が必要なようです。
- 右側に暗黒帯が大きく広がっているはずですが、試しに極度に強調しても全く出ませんでした。黄色っぽい色になるはずで、この波長帯は苦手なのかもしれません。
- 下の写真のように、恒星だけを強調して見てみると右側が大きなエリアで減光しているのは確認できたのですが、背景がついてこれていないようです。
まあ、庭撮りでここまでは望みすぎなのかもしれません。
おまけのAnotationです。
まとめ
今回は庭撮りで光害地での検証に当たるのですが、CBPやっぱりいいです。元々彗星用途ですが、星雲用途にも十分期待に答えてくれると思います。CBPの目的の一つであった青も淡いところまで出てくれたので、私的にはかなり満足です。
網状星雲はCBPのテストとしては格好の材料だったようです。でもさすがに上を見るとキリがなくて、網状星雲はまだ全部の顔を見せてくれません。これがCBPのせいなのか、それとももっと暗い空を求めなければならないのか、はたまた露光時間が足りないのか、これからも挑戦のしがいがあります。
次はCBPを赤のみの星雲で試して、QBPと色がどれくらい変わるのか試してみたいと思います。
コメント
コメント一覧 (8)
天文初心者です。質問があってコメントさせていただきました。よろしくお願いします。
自分は現在、双眼鏡を使った星空観望を行なっています。望遠鏡は使ったことがありません。
おとめ座銀河団を観測したり、撮影したり、電視観望したりしたいと思っていますが、どんな望遠鏡を買ったら良いのか、調べてもよく分かりません。
おとめ座銀河団小さな銀河をいくつかまとめて観測とか撮影するのと、
ひとつひとつの銀河を拡大して観測や撮影をすることは、
望遠鏡ひとつで行うことは出来ないのでしょうか?
焦点距離の長い短いで見られる範囲が違ってくるみたいな理解でいましたが、それとも接眼レンズの倍率によって見られる範囲は(口径の大きい望遠鏡なら)どうとでもなるのでしょうか?
また、cmosカメラのセンサーの大きさ?によっても見られる範囲がだいぶ違うようですが、その辺と口径との関係性なども、調べてもいまいち分かりません。
自分の理想としては、おとめ座銀河団のような銀河団の全体像…というか何個かの銀河がまとめて視野に入るいわゆる『引き』構図での観測や撮影、それとひとつひとつの銀河をなるべく大きく綺麗に拡大しての観測や撮影 の、両方をやりたいと思っています。
そのためにはどのような機材を揃えたら良いのでしょうか。
また、この組み合わせだと自分にとってはかなり高額になり、一気に揃えることが出来ないので、より安価で銀河団を観望、撮影出来る組み合わせなどはあるのでしょうか?
長々と質問してしまって申し訳ありません。基本的なことを質問してしまっているようでまことに恐縮ですが、教えていただければありがたいですm(_ _)m
j fukadaさん、はじめまして。
わかる範囲で一つづついきますね。
>おとめ座銀河団小さな銀河をいくつかまとめて観測とか撮影するのと、
>ひとつひとつの銀河を拡大して観測や撮影をすることは、
>望遠鏡ひとつで行うことは出来ないのでしょうか?
大きさがかなり違うので、なかなか難しいかもしれません。まとめての方はまだ簡単ですが、一つ一つを拡大してと言うのはなかなか敷居が高いと思います。
観測という観点からは、銀河を拡大する場合NexStar 8SE SCTは悪い選択肢ではありません。ただし、これだと後で書きますが撮影はできません。
>焦点距離の長い短いで見られる範囲が違ってくるみたいな理解でいましたが、それとも接
>眼レンズの倍率によって見られる範囲は(口径の大きい望遠鏡なら)どうとでもなるので
>しょうか?
鏡筒の焦点距離がまず一つの指標になります。最初はなんだかんだ言って焦点距離600mm前後の鏡筒を手にすることになると思います。それにアイピースの焦点距離で割ったものが倍率になります。なので倍率は調整できます。ですが普通に最初に手に入れるアイピースは焦点距離20mm、10mm、6.3mmとかくらいかと思います。それだと倍率30倍、60倍、100倍とかです。40mmとか、2.5mmとかのアイピースも存在しますが、だんだん一般的でなくなるので、最初は候補に入らないでしょう。ぱっと考えると、アイピースで倍率を調整できる事はできますが、その範囲は限られると言うことです。
>また、cmosカメラのセンサーの大きさ?によっても見られる範囲がだいぶ違うようです
>が、その辺と口径との関係性なども、調べてもいまいち分かりません。
直焦点撮影という形になるのですが、この場合は画角は鏡筒の焦点距離と、センサーサーズで一意に決まります。例えばこのページで計算できます。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1378259716
>自分の理想としては、おとめ座銀河団のような銀河団の全体像…というか何個かの銀河が
>まとめて視野に入るいわゆる『引き』構図での観測や撮影、それとひとつひとつの銀河を
>なるべく大きく綺麗に拡大しての観測や撮影 の、両方をやりたいと思っています。
>そのためにはどのような機材を揃えたら良いのでしょうか。
ASI224MCに乙女座銀河団のマルカリアンの鎖を全部入れると200mmくらいの焦点距離の鏡筒になります。その中の銀河の一つを2000mmくらいの焦点距離の鏡筒で撮影すると、画面一杯に広がります。
なので、ASI224MCは引き構図を撮るにはセンサー面積が小さすぎます。ASI294MCだと600mmくらいの一般的な鏡筒でちょうど引き構図が収まりよく撮影できます。
NexStar 8SE SCTですが、先にも書きましたが、そもそも経緯台なので撮影には向きません。視野が回転していってしまいます。また鏡筒はC8なので口径20cmで焦点距離2000mmになりますが、最初からこの長さの焦点距離はお勧めできません。おそらく焦点距離が長すて導入さえできなくて使いこなせないと思います。
電視観望というなら、最初は焦点距離400mm程度の、撮影まで目指すならアポクロマートの小口径の鏡筒と、ASI294MC Proをお勧めします。鏡筒の具体的な名前を挙げると、FS-60CB, Red Cat 51, VIXEN FL55SSなどです。以前ブログで書いたEVOSTAR 72EDなんかも安くてお勧めです。
http://hoshizolove.blog.jp/archives/39849563.html
いずれにせよ、銀河の拡大撮影は最初はおそらく手に負えないと思います。短焦点の屈折で試して、十分経験を積んでから改めて長焦点鏡筒を狙うといいと思います。中古で良ければC8はヤフオクで安価に出る時があります。なので、最初からC8が乗っかるクラスの赤道儀を最低限選んでおけばいいのかと思います。
銀河の拡大を諦めるともっと色々手はあって、ASI224MCで電視観望で格安というなら例えば、
http://hoshizolove.blog.jp/archives/38996229.html
のような手はあります。これなら気軽に試せると思います。
おはようございます。
なるほど〜。やはり引きと拡大の両方を満たす望遠鏡は厳しいのですね…。
色々詳しく教えて頂いてありがとうございます。
リンク先なども参照してみましたが、流し読みではまだ消化しきれない部分もあり、じっくり腰を据えて検討していきたいと思います。
NexStar 8SE SCTは、自動導入、追尾の機能、またウェッジというオプション部品を付け加えることによる赤道儀化の機能もあるようなので、まだ諦めずに候補に入れておきます(笑)
なぜにセレストロンにこだわるのかといえばここなんです。自動導入経緯台による、設置の簡便さと、天体の導入のし易さ。赤道儀は眼視観望などの時には大げさで面倒くさいかなぁ と。
しかも6Cや8Cの筒のタイプに付いてる架台は大きいので、色んな望遠鏡が乗せられますし。
とはいえ、8C筒のタイプは高いので、6Cにランクを落とすか…それにレデューサーをつければそこそこ引き構図になるような気もしますし…。
なんだかなにも分からない初心者のくせにって感じですみません。なにか間違っていたらバシバシご指摘御指南いただければと思いますm(_ _)m
カメラは教えて頂いたものを使いたいと思います( ´艸`) だいぶお高くてビックリしましたが、ここは手抜きしたくない装備ですもんね。
予算的にASI294MC Proにできるなら、話はかなりシンプルになります。電視観望ではこれがベストですし、もちろん撮影にも十分耐えうるカメラです。冷却しなくても撮影はできるのでProでなくてもいいのですが、もし予算が許すならProにしておいた方が、後でノイズが気になり出した時に後悔しないと思います。
最初、眼視と電視観望までにして、撮影のことまで考えずに、「設置の簡便さ、扱いやすさ、価格」で考えてみると、今は自動導入の経緯台のAZ-GTiがほぼ一択です。積載荷重5kgまでですが、C8を載せている強者もいます。C6なら余裕です。最初これで小型屈折で色々遊ぶのが一番コストパフォーマンスがいいのかと思います。
AZ-GTiは眼視、電視観望には十分な精度があります。撮影まで考えると赤道儀化とガイドが必要になるので敷居が上がりますが、その頃には十分経験を積んでいることになると思います。
多分ですが、もしこの趣味を続けると、鏡筒の数も赤道儀の数も自然と増えていきます。最初安いのを買って面白かったら徐々に機器をグレードアップしていくがお勧めです。その一方、最初から高級機で揃えてしまうというのも一つの手です。でもその場合でもNexStar 8SE SCTは私だったら候補に入れません。NexStarで撮影をやっている人を少なくとも私は見たことがありません。あと、Vixexのオンラインストアで29万と以前よりかなり高いですもの。
http://hoshizolove.blog.jp/archives/9592015.html
http://hoshizolove.blog.jp/archives/23414147.html
j fukudaさんはTwitterとかやってませんか?もしSam@ほしぞloveログにDM送ってくれたら、購入した時の値段とかも含めてもう少しお伝えできます。
そうですかーNexStarで撮影してる人ってマイナーなんですね。。。(笑) でもそりゃそうですよねー。なんでわざわざ高い費用かけて経緯台を赤道儀化なんて面倒な事をするのかって普通は思いますよね。最初から赤道儀にすればいいじゃないって話ですし。
カッコいいオレンジ色の筒がNexStarシリーズにしかついて来ないから執着してるってのもあるかもしれません(゚゚) ←レトロ好き
それと確かにビクセンのストアお高いですよね。よそのストアでは209,100円で販売してて、その差額 実に81,300円じゃないですか。なんかもう、差額で色々 充実しちゃうレベル(苦笑)
アフターケアとか保証とかシッカリしてるんでしょうけど、さすがにふっかけ過ぎじゃないですかねえ。。。
ツイッターはアカウントどうなっているのやらです。昔、登録したんですけど、フェイスブックとあまりにも世界観が違くて、よく分からなくて放ったらかしになりました。
『リツイートって何?(゚゚;;)』ってレベルです(笑) また分からない事が出てきましたらこちらのブログで質問させて下さいm(_ _)m