3年半以上前に購入したドスパラのStick PC。撮影やリモートPCとしてずいぶん活躍してくれました。最近は非力でトラブルも多くなってきて余り使ってなかったのですが、ここにきてやっと買い替えとなりました。
梅雨でずっと雨で、いまいち気合いが入らないです。ブログもなかなか書く気になりません。昨日やっと少し晴れてくれたので、Stick PCのテストも兼ねて電視観望をしてみました。
私がStick PCに手を出したのは2017年です。ここからの連番記事を見ていただければわかると思いますが、その非力さから設定にはかなり苦労しました。その甲斐もあって寒い冬にもお部屋でぬくぬく状態でリモートで撮影をすることができたので、かなり重宝していました。しかしその後、特にSharpCapのアップデートともに計算量が増え、途中で止まるなどのトラブルが頻発してきたために、徐々に使用を控えるようになってしまいました。これまで使った経験から、少しStick PCについてまとめます。
Stick PCの長所
Stick PCの欠点
手持ちのStick PCの問題点
Twitterでのnabeさん情報で、新しいStick PCを買ってずいぶん快適になったとのこと。しかもたまたまAmazonのタイムセールで安く出てるのを知りました。メモリが4GBのままだったので、ここだけは8GB欲しかったですが、Celeronのn4120 (AmazonではN4100ともN4120とも表記、実際に来たものは箱にはN4120と表記、でもN4100の偽装の疑いあり、Winodows上ではN4120 1.10GHzと出ている) でストレージは64GBで、性能的には相当の改善です。
20台のセールで私が見た時には既に残り4台だったので、早速ポチりました。もしかしたら天文マニアで買い占めてるかもとの噂です。
何日かして到着。早速セットアップです。
電源はType Cで供給です。Type C端子がついたACアダプターも付いています。出力は5V、3Aとなっています。モニター端子はHDMIとMINI DPがついていて、それぞれ接続用のケーブルもついています。USB3.0が2つ、Micro SDを一枚挿すことができます。
WindowsはHomeが入っていると思い込んでいて、手持ちのProライセンスがあったのでアップデートしてしまいましたが、そもそも入っていたのはHomeでなくProだったようです。リモートデスクトップの使用だけならアップデートの必要がありませんでした。でもProがはいっているだけでもお得です。
一つだけ気になったことがありました。どうも電源を選ぶようです。付属のACアダプターはもちろんいいのですが、USB端子からの給電だと最初動いてもWindows起動直前で止まってしまうことが何度かありました。
一度も問題なかった電源
一度でもダメだった電源
ところが、一度ダメだったものも改めて試したりすると、全部きちんと立ち上がるんですよね。イマイチ再現性がありません。
Amazonのレビューに書かれていましたが、「このStick PCのTypeCコネクタはホスト機能がないようで、情報のやり取りをしていない。なので1.5A以上流電流を流せないため、使用することができない。」というような意見です。ところが、少なくとも2度目以降、一番非力と思われるMac本体のType Cから(Mac本体にACアダプター接続なし)でもきちんと起動しているので、上のコメントが間違っているか、もしくは1.5Aまで流れていないかのどちらかです。
使っていて思ったのは、このStick PCものすごい省電力です。バッテリーの持ち時間からの判断ですが、以前のドスパラのStick PCよりバッテリー長く持ちます。Macbook Proに繋いでも、Stick PCを接続する場合と接続しない場合でも、体感的にはMac本体のバッテリーの持ち時間にほとんど違いを感じられません。
USBの電力チェッカーがあれば良かったのですが、持っていないので私も推測と手持ちの電源での検証しかできていません。
安価なバッテリーでも大丈夫そうなのですが、遠征に行く時だけは一番確実なLess is moreを使うことにするかもしれません。
さて、一通りの天文関連のソフトをインストールします。最初からあるストレージ領域も64GBとかなり余裕があるので、いくつかのアプリは直接Cドライブにインストールしました。追加で128GBのmicro SDを挿しているので、Plate solveのデータなどのGBクラスのものは追加のストレージの方にインストールしました。インストールしたのは
一つだけ、FireCaptureはまだインストールしていません。理由は取り込み速度が出ないからではないかと思っているからです。FireCaptureは惑星と太陽用途のみ。両方とも取り込み速度が重要なので、そのばあいは相当早いノートPCを使うので、おそらくこのStick PCで使うことはないだろうと思うからです。
その後、実際に稼働テストをしてみました。この時のバッテリーは一度もトラブっていないLess is moreでした。
とりあえずやったことは、SharpCapでの電視観望。結果だけ言うと、超快適。サクサク動きます。以前のStick PCのモッサリ感から比べたら雲泥の差です。一つだけ注意は、Stick PC本体裏面のファンを塞ぐと熱で止まってしまうようです。警告が書いてあるのですが、一度たまたまファン側を地面に置いてしまい塞がれていて止まってしまいました。
リモートデスクトップもHomeの時の苦労はなんだったんだと思うくらいスムーズです。まあProなので当たり前ですが。
まだ使い始めたばかりなので、またいろいろ試して報告します。
梅雨でずっと雨で、いまいち気合いが入らないです。ブログもなかなか書く気になりません。昨日やっと少し晴れてくれたので、Stick PCのテストも兼ねて電視観望をしてみました。
手持ちのStick PC
私がStick PCに手を出したのは2017年です。ここからの連番記事を見ていただければわかると思いますが、その非力さから設定にはかなり苦労しました。その甲斐もあって寒い冬にもお部屋でぬくぬく状態でリモートで撮影をすることができたので、かなり重宝していました。しかしその後、特にSharpCapのアップデートともに計算量が増え、途中で止まるなどのトラブルが頻発してきたために、徐々に使用を控えるようになってしまいました。これまで使った経験から、少しStick PCについてまとめます。
Stick PCの長所
- コンパクトで軽量。
- 外部バッテリーで駆動するので、大きなバッテリーを使えば相当な長時間駆動が可能。バッテリーがないので、へたることがない。外部のバッテリーはへたれば交換すればいいだけ。
- 基本リモート接続なので、リモートデスクトップさえできればどのPCからでも操作できる。特に寒い冬は自宅の部屋や車の中で状況を確認できる。
Stick PCの欠点
- モニターがないので、トラブルがあると外部モニターに繋がなければならない。遠征時の使用では念のため小型のモニターとキーボードマウスを持っていく必要がある。
- 基本的にCPUパワーやメモリがあまりないので、重い操作はあまりできない。
手持ちのStick PCの問題点
- Windows 10 home editionなのでリモートデスクトップの実現に相当苦労をする。
- メモリが4GBで、撮影に支障がない最低レベルだが、もう少し欲しい。
- CPUがAtom x5-Z8550でちょと非力。
- 付属の記憶領域が32GBで既にWindowsシステムでほとんど消費されていて、Proにさえアップデートするのがはばかられる。->リモートデスクトップを必ず別途用意する必要がある。
- Carte du CielとPHD2、BackYard EOSでのディザー撮影は可能。SharpCapでの撮影も可能だが、転送レートが遅くとりこぼしや落ちることがある。Stellariumは遅すぎて実用的でない。
- SharpCapのあるバージョンのころから、Polar Alignで止まるようになってしまった。ビニングして画素数を減らしたり、ROIで画素数を減らすと動くこともあるが、めんどう。そのためPolar Alignだけ別のノートPCでやってから撮影時にはStick PCに繋ぎ直すとかしていた。
新しいStick PCが結構よさそう
Twitterでのnabeさん情報で、新しいStick PCを買ってずいぶん快適になったとのこと。しかもたまたまAmazonのタイムセールで安く出てるのを知りました。メモリが4GBのままだったので、ここだけは8GB欲しかったですが、Celeronのn4120 (AmazonではN4100ともN4120とも表記、実際に来たものは箱にはN4120と表記、でもN4100の偽装の疑いあり、Winodows上ではN4120 1.10GHzと出ている) でストレージは64GBで、性能的には相当の改善です。
20台のセールで私が見た時には既に残り4台だったので、早速ポチりました。もしかしたら天文マニアで買い占めてるかもとの噂です。
セットアップと電源トラブル
何日かして到着。早速セットアップです。
電源はType Cで供給です。Type C端子がついたACアダプターも付いています。出力は5V、3Aとなっています。モニター端子はHDMIとMINI DPがついていて、それぞれ接続用のケーブルもついています。USB3.0が2つ、Micro SDを一枚挿すことができます。
WindowsはHomeが入っていると思い込んでいて、手持ちのProライセンスがあったのでアップデートしてしまいましたが、そもそも入っていたのはHomeでなくProだったようです。リモートデスクトップの使用だけならアップデートの必要がありませんでした。でもProがはいっているだけでもお得です。
一つだけ気になったことがありました。どうも電源を選ぶようです。付属のACアダプターはもちろんいいのですが、USB端子からの給電だと最初動いてもWindows起動直前で止まってしまうことが何度かありました。
一度も問題なかった電源
- 付属のACアダプター
- Macbook Pro用のACアダプター
- Macbook Pro用と思って買ったLess is moreの「100W IN/OUT」端子
一度でもダメだった電源
- Macbook Pro本体からのType C接続での給電
- Macbook Pro用と思って買ったLess is moreの「60W OUT」端子
- Anker PowerCore 13000
- Anker PowerCore 26800
ところが、一度ダメだったものも改めて試したりすると、全部きちんと立ち上がるんですよね。イマイチ再現性がありません。
Amazonのレビューに書かれていましたが、「このStick PCのTypeCコネクタはホスト機能がないようで、情報のやり取りをしていない。なので1.5A以上流電流を流せないため、使用することができない。」というような意見です。ところが、少なくとも2度目以降、一番非力と思われるMac本体のType Cから(Mac本体にACアダプター接続なし)でもきちんと起動しているので、上のコメントが間違っているか、もしくは1.5Aまで流れていないかのどちらかです。
使っていて思ったのは、このStick PCものすごい省電力です。バッテリーの持ち時間からの判断ですが、以前のドスパラのStick PCよりバッテリー長く持ちます。Macbook Proに繋いでも、Stick PCを接続する場合と接続しない場合でも、体感的にはMac本体のバッテリーの持ち時間にほとんど違いを感じられません。
USBの電力チェッカーがあれば良かったのですが、持っていないので私も推測と手持ちの電源での検証しかできていません。
安価なバッテリーでも大丈夫そうなのですが、遠征に行く時だけは一番確実なLess is moreを使うことにするかもしれません。
撮影用天文関連ソフトのインストール
さて、一通りの天文関連のソフトをインストールします。最初からあるストレージ領域も64GBとかなり余裕があるので、いくつかのアプリは直接Cドライブにインストールしました。追加で128GBのmicro SDを挿しているので、Plate solveのデータなどのGBクラスのものは追加のストレージの方にインストールしました。インストールしたのは
- ASCOM platform、ASCOM用にCelestron driverとSynScanドライバー
- ZWO カメラドライバー
- Stellarium
- SharpCap
- ASIStudio
- PHD2
- NINA
- All Sky Plate Solver
- PlateSolve2
- ASTAP
- EOS Utility
- BackYard EOS
- Zoom
一つだけ、FireCaptureはまだインストールしていません。理由は取り込み速度が出ないからではないかと思っているからです。FireCaptureは惑星と太陽用途のみ。両方とも取り込み速度が重要なので、そのばあいは相当早いノートPCを使うので、おそらくこのStick PCで使うことはないだろうと思うからです。
簡単な稼働テスト
その後、実際に稼働テストをしてみました。この時のバッテリーは一度もトラブっていないLess is moreでした。
とりあえずやったことは、SharpCapでの電視観望。結果だけ言うと、超快適。サクサク動きます。以前のStick PCのモッサリ感から比べたら雲泥の差です。一つだけ注意は、Stick PC本体裏面のファンを塞ぐと熱で止まってしまうようです。警告が書いてあるのですが、一度たまたまファン側を地面に置いてしまい塞がれていて止まってしまいました。
リモートデスクトップもHomeの時の苦労はなんだったんだと思うくらいスムーズです。まあProなので当たり前ですが。
まだ使い始めたばかりなので、またいろいろ試して報告します。
コメント
コメント一覧 (6)
はじめまして。当方もS41を使ったリモートデスクトップ撮影環境を検討しており、コメントさせていただきました。
当方の環境ではLess is moreのMighty100を用いても動作が安定しません。usb-cの出力を強制的に5V3Aを取り出せる設定にしてみましたが、それでもダメでした。
色々検討しましたが、バッテリからS41までの間にどのようなケーブルを使うかにも影響されるようです。
現時点ではケーブル抵抗による電圧降下の影響を疑っています。進捗がありましたら改めてコメントさせていただきたく思います。
たりあばさん、はじめまして。
Less is more もまだマシな方なのですが、計算量が多くなるとやはり不安定なようです。具体的にはSharpCapの極軸計算などです。最初にネットワークが不安定になるのですが、これも電力不足でWi-Fiの方に電力が回らなくなるのが原因のようです。これがさらに続くと、StickPC自体が止まってしまい、再起動が必要になります。
撮影中に何度が上記のことが起こったので、最近はAC出力がある大型リチウムイオンバッテリーに、StickPC付属のACアダプターをつなげて使っています。
http://hoshizolove.blog.jp/archives/42392773.html
これにしてから全く安定になりました。DCで安定に駆動する方法を見つけたいですが、今のところはまだ目処が立っていません。
何かいい方法があればまたご報告ください。
早速のコメントありがとうございます。
その後、ケーブルを取り換えたりバッテリの出力電圧を色々いじってみましたが、結局よい結果は得られませんでした。
付属のACアダプタは無負荷時に5.17V程度の電圧となっており、S41動作中に4.9~5.1V程度に電圧が変動していました。
Lessismoreの出力電圧は5.00Vであったため、間に昇圧回路を噛ませて5.17VをS41に供給してみましたがダメでした。
S41において電源供給の条件がなぜシビアなのか理由がわかりません。
残念ですが、当面バッテリ駆動はあきらめざるを得ない状態です。
単純に電流が供給し切れないからだと思うんですが、供給電力の仕様だけ考えると大丈夫なはずなんですよね。突入電流が足りないのですかね。Stick PCかバッテリーの仕様がどちらか正しくないのでしょう。
ACアダプターに繋いで落ちたことはないので、その時の電流をモニターすると何かわかるかもしれません。
あと、Stick PC側の電源回路見て安定化とかでしょうか?パスコンとか十分でないかもです。
もう少し調べました。
S41の電源は全然Type Cの規格ではないですね。単に、ACアダプターから出ている5.17V(実測)を16pin or 21pinに直結してるだけのようです。なので、一般のType Cでは供給できないはずです。
結論を言うと、付属AC以外では市販品バッテリーは基本対応しない。自作で5Vだけを直接入れるケーブル(信号は接続しない)を作ると可能かもしれないというところでしょうか。もちろん自己責任です。それでもバッテリーのほうに変な電柱抑制回路とか入っていると難しいかもしれません。
御指摘どおり、S41のtype-cは多分Vcc,Gndのみの直結だと思います。
安定化電源を入手して+5V供給して実験しようとも思いますが、まだ手をつけていません。
進捗ありましたらご報告したいと思います。