前回、昼間にMEADE 25cmシュミカセで遠くを見てみると、どうも地面の揺れが星像を乱している可能性が高いことがわかりました。その結果を踏まえて、防振をして夜に実際の星像を確認してみました。
まず、防振のシートとして百円ショップで耐震マットと、それをはさみこむコルク板を用意しました。
こんな風に挟み込みます。これを三脚の足の下に置きます。
ただしこれは結局失敗に終わりました。使い終わった後にはこんな風になってしまいます。
コルク板だと、さすがにウェイトも合わせて50kgくらいになるものを3点だけでは支えきれないようです。後日改良バージョンで、三脚の脚が当たる上のコルク板を厚さ5mmのゴム板に取り替えてみました。
この時の手で揺すってみた時の揺れ具合が以下の動画になります。
一秒間に4回くらい揺すると一番よく揺れるので、共振周波数が4Hzくらいということがわかります。かなり軟らかいのと、揺れを止めるとすぐに減衰することから、そこそこの防振性能はありそうです。
この状態でM57を見てみました。さらにいくつかわかったことがあります。どうも光軸があっているところと、あっていないところの差が激しいことがわかりました。この原因は、BSアンテナでの光軸調整をきちんと画角の真ん中で行わずに、そのまま見えた位置、すなわち真ん中からずれた位置で行なっていたからです。これは全部の画角を見ながら、焦点をずらしてやると内外像が同心円になっているところと片側に寄っているところがあることで、すぐにわかりました。これを副鏡を調節することでうまく画面中央が同心円になるように光軸を合わせてやります。
それでも4隅にいくほど偏っていって同心円になっていないことがわかります。これはコマ収差からくるものと考えられます。このLX200-25は短焦点バージョンで、Fが6.3しかありません。コマ収差はFの2乗で効いてくるので、例えばF10のC8と比べると、(10/6.3)^2=2.5 倍程度コマ収差が大きくなります。これを緩和するために、コマコレクター を入れるのですが、MEADE用のものはもう入手が難しいため、手持ちのF6.0まで対応するバーダーのMPCC Mark IIIを使っています。F値が少しメーカー値から外れるので対応外なのですが、それでも下記の様にかなりマシになります。
それでも左端がまだ偏っています。何度かやったのですが、どうしても毎回左端のみ偏ってしまいます。もしかしたら主鏡の方が傾いているのかもしれません。と、MEADE25cmについてやっとここら辺までわかってきという状況だというところでしょうか。とりあえずトリミングして中央部を使う分にはそこまで問題ではなさそうなので、今回はそのまま撮影を続けます。
さて、実際の撮影ですが、ターゲットは惑星状星雲のM57。かなり小さい星雲で、白色矮星の中心星が見えるかなど、分解能を見るにはもってこいです。星像肥大を防ぐラッキーイメージの手法を生かすべく、露光時間は5秒に抑えました。合計306枚撮影し、AutoStakkert!3で上位60%、合計15分18秒分をスタックしています。ただ、SharpCapでfitsフォーマットで出力するとモノクロのままなので、事前にPixInsightでDebayer処理をしてカラー化しています。スタック後Registaxで細部を出し、その後PixInsightでDynamicBackgroundExtraction、PhotometricColorCalibration処理をした後、ある程度のストレレッチをした段階画像が以下になります。
この時点でもかなりの分解能が出ているのがわかります。ただ、やはり四隅はコマ収差の影響が見えてしまっています。その後PhotoshopCCに渡してもう少しあぶり出した後、中心部をトリミングしたものが以下になります。
まだコマ収差の影響が見えてしまっていますが、ボテっと感がかなり改善され、分解能的にはそれほど悪くないレベルになってきました。シンチレーションの違いもあるので直接の比較はなかなか難しいのですが、それでも明らかに分解能は改善されていてこれまでで一番細かく見えているので、防振の効果はあったと言っていいのかと思います。
まだ15分程度の短時間のテストですが、今後トタール時間を延ばし、冷却もしてみた場合にどれくらい出せるのか、楽しみになってきました。
防振
まず、防振のシートとして百円ショップで耐震マットと、それをはさみこむコルク板を用意しました。
こんな風に挟み込みます。これを三脚の足の下に置きます。
ただしこれは結局失敗に終わりました。使い終わった後にはこんな風になってしまいます。
コルク板だと、さすがにウェイトも合わせて50kgくらいになるものを3点だけでは支えきれないようです。後日改良バージョンで、三脚の脚が当たる上のコルク板を厚さ5mmのゴム板に取り替えてみました。
この時の手で揺すってみた時の揺れ具合が以下の動画になります。
一秒間に4回くらい揺すると一番よく揺れるので、共振周波数が4Hzくらいということがわかります。かなり軟らかいのと、揺れを止めるとすぐに減衰することから、そこそこの防振性能はありそうです。
この状態でM57を見てみました。さらにいくつかわかったことがあります。どうも光軸があっているところと、あっていないところの差が激しいことがわかりました。この原因は、BSアンテナでの光軸調整をきちんと画角の真ん中で行わずに、そのまま見えた位置、すなわち真ん中からずれた位置で行なっていたからです。これは全部の画角を見ながら、焦点をずらしてやると内外像が同心円になっているところと片側に寄っているところがあることで、すぐにわかりました。これを副鏡を調節することでうまく画面中央が同心円になるように光軸を合わせてやります。
それでも4隅にいくほど偏っていって同心円になっていないことがわかります。これはコマ収差からくるものと考えられます。このLX200-25は短焦点バージョンで、Fが6.3しかありません。コマ収差はFの2乗で効いてくるので、例えばF10のC8と比べると、(10/6.3)^2=2.5 倍程度コマ収差が大きくなります。これを緩和するために、コマコレクター を入れるのですが、MEADE用のものはもう入手が難しいため、手持ちのF6.0まで対応するバーダーのMPCC Mark IIIを使っています。F値が少しメーカー値から外れるので対応外なのですが、それでも下記の様にかなりマシになります。
それでも左端がまだ偏っています。何度かやったのですが、どうしても毎回左端のみ偏ってしまいます。もしかしたら主鏡の方が傾いているのかもしれません。と、MEADE25cmについてやっとここら辺までわかってきという状況だというところでしょうか。とりあえずトリミングして中央部を使う分にはそこまで問題ではなさそうなので、今回はそのまま撮影を続けます。
さて、実際の撮影ですが、ターゲットは惑星状星雲のM57。かなり小さい星雲で、白色矮星の中心星が見えるかなど、分解能を見るにはもってこいです。星像肥大を防ぐラッキーイメージの手法を生かすべく、露光時間は5秒に抑えました。合計306枚撮影し、AutoStakkert!3で上位60%、合計15分18秒分をスタックしています。ただ、SharpCapでfitsフォーマットで出力するとモノクロのままなので、事前にPixInsightでDebayer処理をしてカラー化しています。スタック後Registaxで細部を出し、その後PixInsightでDynamicBackgroundExtraction、PhotometricColorCalibration処理をした後、ある程度のストレレッチをした段階画像が以下になります。
この時点でもかなりの分解能が出ているのがわかります。ただ、やはり四隅はコマ収差の影響が見えてしまっています。その後PhotoshopCCに渡してもう少しあぶり出した後、中心部をトリミングしたものが以下になります。
富山県富山市下大久保 2019/5/22 23:33
LX200-25 + CGEM II + ASI294MC(非冷却)
f=1600mm, F6.3, gain 420/570, 5sec x 306枚のうち上位60%を使用、総露出時間15分18秒
AutoStakkert!3, PixInsight , PhotoshopCCで画像処理後中心部をトリミング
まだコマ収差の影響が見えてしまっていますが、ボテっと感がかなり改善され、分解能的にはそれほど悪くないレベルになってきました。シンチレーションの違いもあるので直接の比較はなかなか難しいのですが、それでも明らかに分解能は改善されていてこれまでで一番細かく見えているので、防振の効果はあったと言っていいのかと思います。
まだ15分程度の短時間のテストですが、今後トタール時間を延ばし、冷却もしてみた場合にどれくらい出せるのか、楽しみになってきました。









コメント
コメント一覧 (8)
長焦点や重い鏡筒には意外な弱点があるんですね。自分は駐車スペースでよく撮影しますので、車はすぐ目の前を通ることもあります。でも、軽い屈折なので、多分共振しないか、星像に影響が見られません。
大きい鏡筒が欲しいと思う時もありますが、色々と問題があるならと、気絶しないよう頑張っています。
長焦点はやはりそんなに簡単ではないみたいです。
先人の方達は色々苦労されて撮影されているのかと実感しました。
本当に真面目にやろうとしたらまだまだ手持ちの器材では十分とは言い難いです。
私もいつか気絶してしまいそうです。
振動がましになってきたとのことでなによりです。
これを読んで、自分の機材や条件は恵まれていたんだなと改めて気づきました。
M27を撮ったときのシンチレーションの具合はいかがでしたでしょうか。
F6.3ならM27は1~2秒露出で行けるんじゃないかと思います。もしシーイングばっちりではなかったら、もう少し各露出時間を短くするのも一つの手かなという気がしました。
YAMASHITAさんこんばんは。
この日はシンチレーションはまずまずだったと思います。実はその前にも同じような条件で何日か撮影しているのですが、シンチレーションで分解能が出ない日もありました。防振の効果が効いてきたので、これまであまり気にならなかったシンチレーションが余計に気になったような感じです。
M57は輝度が高いので1秒くらいでもなんとかなりそうな気がします。撮影時暗く見えても綺麗にあぶりだすことができます。隣のIC1296まで写そうとすると露光時間をかけたくなってしまいますが、ここら辺が難しいところでしょうか。
地面振動でもシンチレーションでも、とにかく性能を制限している原因を叩くのが一番効果的かと思います。でもその原因を特定するのが結構大変なんですよね。
淡い部分も出すのは、少し面倒ですが、露出時間の異なるものを撮って合成するのがいいかなと。。
原因追究の姿勢は、さすが科学者だなと・・・思います。
なるほど、多段露光と言う意味ですか。ラッキーイメージングではあまり考えてませんでした。星像と背景をうまく合わせられると結構迫力あるものになりそうですね。
あ、あくまで天文好きなアマチュアという設定で、一応秘密ということでお願いします(笑)。
ニワトリ時には振動を感じたことがなかったのですが、一度チェックしてみないといけませんねぇ。
防振の効果は確かにあるみたいです。やっとシーイングに制限されてきていると言っていいのかもしれません。でも闇雲に防振がいいというのではなく、やはり揺れを制限しているものを見極めて、それを叩くのが正しい方向なのかと思います。