ブログのコメントで赤道儀のセッティングについて議論があったので、少しまとめておきます。
目的
赤道儀の設定で何が重要かを考えてみる。
具体的には極軸を取るだけでいいのか、赤道儀の水平を取るのは必要なのかを考えます。
検討すべき状況
自分が地表のある経度、ある緯度、ある高度にいるとします。その位置において赤道儀を設置することを考えます。
考えるべき自由度の確認
極軸の向きで2自由度、赤経の初期位置の不定性で1自由度、同じく、赤緯の初期位置の不定性で1自由度の、計4自由度が考えられます。
さて、検討を始めます。
極軸をきちんと合わせた状態ではどうなるか?
赤道儀の極軸調整だけして、水平とかは全然とれていない場合は何ができて何ができないのでしょうか?実はマニュアルで天体を導入して、あとは自動追尾するだけなら、これで十分です。赤道儀の水平が出ていようが出ていまいが、関係ありません。赤経、赤緯のクランプを緩めるなり、微動であわせるなりしして、マニュアルでターゲットの天体さえ導入さえすれば、あとは自動で追尾していきます。
自動追尾で時間とともに天体がずれていくのは別の問題で
自動導入は?
極軸をとるだけでは自動導入まで考えると不十分でしょう。では水平を取ればいいのか?他に気をつけることはないのか?
実際の導入手順
上記のことより、実際の赤道儀のセッティングのしかたは例えば以下のような手順が考えられるでしょう。ここではコメントにあったAdvanced VXを例にとって考えます。
実は最初に書いてませんでしたが、鏡筒を赤緯体に取り付ける時にきちんと鏡筒が赤緯軸に対して垂直な面内に存在するという仮定もしています。この仮定が破られている状況とは、例えば極軸がきちんとあっていて、赤緯が0度を向いているのに、鏡筒の頭が下がっていて全然極軸方向を向いていないなどです。アリガタやアリミゾの精度が悪かったり、アリガタに対して斜めに鏡筒を取り付けてしまったときに起こります。上記設定手順を試して、それでも初期アラインメントの一発目に目標天体が入らない時は、鏡筒の取付時のずれを見直してみるといいかもしれません。
というわけで、本当は最初に説明した極軸2自由度、赤経、赤緯の不定性2自由度、さらに赤緯体に対する鏡筒の向きの2自由度の計6自由度があって(厳密にいうと、赤緯の不定性と鏡筒の向きのYaw方向は同じ自由度なので計5つ)、極軸を合わせることで2自由度減り、残り4(厳密には3)自由度を求める必要があります。初期アラインメントの一度の導入で2自由度決まるので、2スターアラインメントで一応4自由度が求まるはずです。3スター以上だと、極軸のズレまでわかると思うのですが、そのアルゴリズムはどうやっているのかあまり想像できません。結構大変そうです。
また、1スターアラインメントだと、原理的に自由度が足りないので、どこかが合っていると仮定せざるを得ません。なので、簡易アラインメントと考えるべきでしょう。でも上記方法で赤道儀を設置すると、1スターアラインメントでも十分実用的になります。
最近のアルゴリズムは相当優秀なので、一発目に導入したいという要求を外してしまえば、2スターアラインメント以上を使えば、多少赤緯体が天頂からずれていても大丈夫ですし、水平もこだわる必要はないですし、矢印も多少ずれていても構いません。下手をすると多少極軸がずれてしまっていても補正しながら追尾することも可能かもしれません。
もっと言うと、赤道儀下部の極軸合わせのPitchとYawの押しネジのところにモーターをつけて、最近はやりのPlate Solvingなんかまで駆使したら、本当にポンと置いて全自動で極軸を取って、アランメント完了まで全自動でできそうな気がします。経緯台など、簡易的なものではすでに実現されつつありますが、元気のある中国メーカーとかが、撮影に耐えられるくらいの安定したレベルのものを赤道儀で作ってくれませんかね?
毎度長々と書いてしまってすみません。とりあえずパッと考えたことを書いただけなので間違ったことを言っているかもしれません。何かおかしなところがあったらコメントなどで指摘していただけると嬉しいです。 ->かんたろうさんのコメントとその後の議論で、初出の記事からいくつか訂正しました。
目的
赤道儀の設定で何が重要かを考えてみる。
具体的には極軸を取るだけでいいのか、赤道儀の水平を取るのは必要なのかを考えます。
検討すべき状況
自分が地表のある経度、ある緯度、ある高度にいるとします。その位置において赤道儀を設置することを考えます。
考えるべき自由度の確認
極軸の向きで2自由度、赤経の初期位置の不定性で1自由度、同じく、赤緯の初期位置の不定性で1自由度の、計4自由度が考えられます。
さて、検討を始めます。
極軸をきちんと合わせた状態ではどうなるか?
赤道儀の極軸調整だけして、水平とかは全然とれていない場合は何ができて何ができないのでしょうか?実はマニュアルで天体を導入して、あとは自動追尾するだけなら、これで十分です。赤道儀の水平が出ていようが出ていまいが、関係ありません。赤経、赤緯のクランプを緩めるなり、微動であわせるなりしして、マニュアルでターゲットの天体さえ導入さえすれば、あとは自動で追尾していきます。
自動追尾で時間とともに天体がずれていくのは別の問題で
- 極軸あわせの精度が悪い
- モーターの回転精度が日周変化とあっていないなど
- ピリオディックモーションもこの範疇
自動導入は?
極軸をとるだけでは自動導入まで考えると不十分でしょう。では水平を取ればいいのか?他に気をつけることはないのか?
- まず初期アラインメントのことを考えてみます。簡単のために、赤道儀の極軸調整は理想的に取れていて、赤経軸は正しく極軸に一致していると仮定します。
- 各メーカーの初期アライメントの詳しいアルゴリズムはよくわかりませんが、普通にプログラミングのことを考えると、何かを仮定しなければいけません。ぱっと考えて、最初はまず鏡筒がきちんと極軸を向いているということを仮定するでしょう。
- これをもう少し分解すると、初期アラインメントアルゴリズムは(極軸は理想的にあっているとするので) A. 赤緯の初期位置(クランプを緩めて赤緯の回転体の矢印を二つを合わせて、きちんと北向き(極軸方向)にとるということ)はあっていると仮定する(かんたろうさんとの議論で今回の記事をここから何箇所か訂正しました)
でしょうしかもしれませんし、さらにB. 赤経の初期位置(クランプを緩めて赤経の回転体の矢印を二つを合わせて、きちんと地面に対し垂直に向けるということ)もあっていると仮定するでしょうかもしれません。さらに、C. 赤道儀は水平に設置されていることも仮定するでしょうかもしれません。 - でもBとCは自由度としては同じことを言っていて、例え水平がずれていても、(極軸は理想的と仮定しているので)赤経の矢印合わせのところで少しずらして補正してやれば同じことです。なので、本質的には自由度はAとBCを合わせた2つになります。セレストロンの実際のアルゴリズムは赤緯体が天頂方向を向いていることだけを仮定しています。なので、赤緯体が天頂を向いていれさえすれば、必ずしも水平が取れている必要はありません。ただし、その場合赤経の矢印もずれることになります。
でもこのことは、実際の初期アラインメント時には正しくないです。たとえ赤緯体がきちんと真上を向くように赤経を合わせてあっても、初期アラインメントプログラムは「水平が取れている状態できちんと赤経の0度が真上を向いているのか、水平がずれていて赤経の0度も真上から少しずれているのに赤緯体が真上を向いているか」を知る手段がないからです。なので普通にプログラムを組むことを考えた場合、赤経が0度が上を向いていて、かつ水平も取れている状態を仮定するでしょう。- なので、一発目の導入をきちんと視野に入れたい場合には、赤緯体を天頂に向けるか、水平を取って赤経、赤緯はきちんと矢印を合わせたほうがいいというわけです。
実際の導入手順
上記のことより、実際の赤道儀のセッティングのしかたは例えば以下のような手順が考えられるでしょう。ここではコメントにあったAdvanced VXを例にとって考えます。
- 初期アラインメントで一発目からある程度天体を導入したい場合は、赤緯体を天頂方向に向ける必要があります。インデックスマークを使う場合は水平を出す必要があります(赤緯体を天頂に向ける方法が他にあるなら、水平にこだわる必要はありません)。手持ちのAdvanced VXには水準器がついていないので、ホームセンターで小さな全方向の水準器を買ってきて、上の写真のようにエポキシ接着剤で三脚に取り付けました。
- 最初に水準器を取り付ける時の水平は、三脚と赤道儀の間に板を挟み、そこに水準器を乗せて足の長さを調整して水平を出し、その足の長さを保ったまま、水準器を三脚の上に移動し、水準器が水平を示すように接着剤でつけました。ここまでが事前準備です。
- ここからが、毎回の設置時の話です。初期アラインメントの前に、極軸合わせですが、さらにその前に、毎回必ず三脚の水準器で水平を出します。
- 水平を出しておけば、赤道儀を設置する場所の緯度が大きく変わらない限り、北極星の高さはほとんど狂わないので、赤道儀の下の横の2本のネジでYawだけを調整して北極星を視野中心に入れます。私の場合、鏡筒(600mmとか)につけたASI294MCをSharpCapで見た画面のだいたい真ん中くらいに北極星が入るようにします。
- この状態でSharpCapの極軸調整で1分角程度まで合わせこみます。
- その後、赤道儀の電源を入れ、赤経と赤緯の矢印マークをできるだけきちんとモーターで合わせてから初期アラインメントを始めます。
- 基本的に水平出しと、極軸合わせこみでほとんど一発目で、鏡筒につけたカメラのSharpCapの画面の中に入ってきます。
- ASI224MCの時はセンサー面積が小さく流石に600mmだと一発で入らない時もあったので、50mmのレンズにASI224をつけて電子ファイダーで一発目の導入を補助していましたが、それでも二発目は十分に600mm+ASI224で入ってきます。
実は最初に書いてませんでしたが、鏡筒を赤緯体に取り付ける時にきちんと鏡筒が赤緯軸に対して垂直な面内に存在するという仮定もしています。この仮定が破られている状況とは、例えば極軸がきちんとあっていて、赤緯が0度を向いているのに、鏡筒の頭が下がっていて全然極軸方向を向いていないなどです。アリガタやアリミゾの精度が悪かったり、アリガタに対して斜めに鏡筒を取り付けてしまったときに起こります。上記設定手順を試して、それでも初期アラインメントの一発目に目標天体が入らない時は、鏡筒の取付時のずれを見直してみるといいかもしれません。
というわけで、本当は最初に説明した極軸2自由度、赤経、赤緯の不定性2自由度、さらに赤緯体に対する鏡筒の向きの2自由度の計6自由度があって(厳密にいうと、赤緯の不定性と鏡筒の向きのYaw方向は同じ自由度なので計5つ)、極軸を合わせることで2自由度減り、残り4(厳密には3)自由度を求める必要があります。初期アラインメントの一度の導入で2自由度決まるので、2スターアラインメントで一応4自由度が求まるはずです。3スター以上だと、極軸のズレまでわかると思うのですが、そのアルゴリズムはどうやっているのかあまり想像できません。結構大変そうです。
また、1スターアラインメントだと、原理的に自由度が足りないので、どこかが合っていると仮定せざるを得ません。なので、簡易アラインメントと考えるべきでしょう。でも上記方法で赤道儀を設置すると、1スターアラインメントでも十分実用的になります。
最近のアルゴリズムは相当優秀なので、一発目に導入したいという要求を外してしまえば、2スターアラインメント以上を使えば、多少赤緯体が天頂からずれていても大丈夫ですし、水平もこだわる必要はないですし、矢印も多少ずれていても構いません。下手をすると多少極軸がずれてしまっていても補正しながら追尾することも可能かもしれません。
もっと言うと、赤道儀下部の極軸合わせのPitchとYawの押しネジのところにモーターをつけて、最近はやりのPlate Solvingなんかまで駆使したら、本当にポンと置いて全自動で極軸を取って、アランメント完了まで全自動でできそうな気がします。経緯台など、簡易的なものではすでに実現されつつありますが、元気のある中国メーカーとかが、撮影に耐えられるくらいの安定したレベルのものを赤道儀で作ってくれませんかね?
毎度長々と書いてしまってすみません。とりあえずパッと考えたことを書いただけなので間違ったことを言っているかもしれません。何かおかしなところがあったらコメントなどで指摘していただけると嬉しいです。 ->かんたろうさんのコメントとその後の議論で、初出の記事からいくつか訂正しました。
コメント
コメント一覧 (21)
極軸さえ合わせておけがいいのは自動追尾だけですよね。
導入まで任せるとすれば、いろいろと条件をきちんと揃えてあげる必要がありました。納得です。
さて、傾斜地でのセッティングが余儀なくされる我が家では、三脚の長さの調節だけだと大変なので、アジャスターがあると便利なので、物色中です。
行きつけのお店にはタカハシの在庫があるとのことですが、財布にダメージが大きいので、ビクセンのを頼もうかと思っています。
う〜ん、物が増えてく一方で、玄関のスペースとともに、家内の天文に対する理解の心も狭くなっていく一方です。
自分も、極軸さえ合っていれば自動導入はできるはず、
と思い、水平出しをいつもザックリしかやっていませんでした。
どおりで導入精度が悪いわけです(早く気づけ)。
今後は、水平出しにも気を付けます。
今夜はAVXのテストの予定ですが、水準器どこに行ったかなぁ・・・
脚だけで水平出しするのは大変で、一時期アジャスターを使っていましたが、持っていくのが面倒になり、今は使っていません。
三脚自体に、突っ張り棒のような長さ調節機構を付ければよさそうですが、見たことがありません。
ガタや歪みの原因になるからですかね。
>>2
せろおさん、りっくんさん、こんばんは。
私もタカハシのアジャスターの小さい方を持っています。AZ-GTiを赤道儀モードで使うときみたいに、極軸出しの微動ネジが付いていない場合は、アジャスターのあるなしで精度が大きく変わりますが、水平出しの時に使ったことはまだありません。水平は基本的に足の長さ調整だけでやっています。斜めの場所でも同じです。水準器の精度が大したことないので、泡が真ん中に来るくらいまでは足の長さ調整でできると思います。
記事の最後にに少し追加で書いたのですが、極軸合わせのネジのところにモーターをつけて、Plate Solvingとかの今の技術を駆使したら全自動で極軸調整と自動アラインメントもできてしまうと思います。多分未来の赤道儀は多分そうなっているんでしょうね。
水平出しの手間、悩ましいですね。三脚にラックアンドピニオンだと、強度や固定の観点からダメですね。
取り敢えず、庭先観望に設置場所を決めて、その場所で明るいうちに水平を出しておいて、微調整で対応しようかな。
あ、Samさん、今日UCトレードに行きました。タカハシのアジャスターを準備してくれてましたが、値段が張るので、我慢しました。明日からタカハシは値上げです。また、タカハシのアジャスターは遠のきます。
アジャスターの自作はどうでしょうか?「三脚 アジャスター 自作」で検索すると結構出てきます。画像タブを選んでで、写真で見てカッコ良さそうなのを選んで作り方とみるといいのかと思います。基本的に三脚からの押さえつけで安定する方向のものなので、手軽に作れて精度も出るのかと思います。
ユーシートレードに行けるところにお住まいなんですね。
なんて羨ましい・・・
送料無料で中古品が買えるなんて!
AVXですが、三脚無しの本体のみを中古で買いました。
VixenのGPコピーだからVixenの三脚が使えるだろう思っていたら、間違った認識で撮影場所で三脚に載らず・・・
一旦帰宅し、手持ちのCelestronの三脚に載せてみる。
が、これも合わない!!!
なんで前もって合わせておかない?自分?
行き当たりばったりの現場合わせ主義ダメですね。
諦めて、SWAT200を持ってウィルタネン彗星だけ撮りに行ってきました。
AVXのデビューはまだまだ先になりそうです。
今朝、早起きして頑張ってみました。昨日のうちに、三脚の設置場所を決めて、水平を出しておきました。
ぜひ、ウィルタネン彗星を納めたくて、それまでにはAVXをマスターしたいと思っています。
さて、今朝ですが、Samさんの記事にあった手順でアライメントをはじめましたが、ツースターアライメントで
シリウス
カペラ
を指示されて導入しましたが、ファインダーにも入らないところを指します。もちろん、モーターできちんとアライメントを進めていきます。
う〜ん、ダメだなあという感じです。
そのあと、M42を自動導入させますが、いまいち。そして、M42で設定?キャリブレーション?させてみてから、リゲルを自動導入してみると、いい感じで導入しました。
3つ目の基準星を設定するかすればいいのかな?という今の所の次なる手段です。
と、いうもののまだまだ、気づいていない何かがうまく行ってないように思います。
おはようございます。
何か根本的におかしいですね。一旦工場出荷時にリセットして、赤道儀の緯度、経度設定とかからやり直してみてはどうでしょうか?おかしな時はリセットで直ったことがあります。
早速今晩やってみます。
が、この晴天、夜までもつか?
もしそれでもダメなら、今度はハードを疑います。例えば、モーターが回っている最中にカックンとか動きが一瞬止まるなることないですか?ウェイトのバランスが悪くて回転しにくいとか、回転接触面に金属の切子が入っていたりとか、冬でグリスが固まった時とか、とにかく回転が滑らかでない時に起こって、少なくともAVXでは私のものと、友人のKさんのもので起きたのを知っています。そうなると自動導入もへったくれもなく、目的の天体のところまでいかないのですが、エンコーダーが入っているために一度失敗しても現在位置を見失うことはないので、再度導入したりすると一応目的のところまで持って行ってしまうので、しばらくは気にすることなく使えてしまいます。解決策は、何度も手で赤経、赤緯を回転させて馴染ませるのがいいみたいですが、私は分解してヤスリで磨き上げたり(決してオススメはしません)しました。
上のトラブルは結構とんでもない方向を向くので、昼間でもいいので一度自初期アラインメントしてみて、本当にとんでもない方向を向くのか、それとも設置誤差の範囲なのかを見るのがいいかと思います。あと昼間にできることとして、極軸望遠鏡で覗いた位置と、鏡筒を設置して、咳系、赤緯の矢印をきちんと合わせた状態で覗いた位置に、どれくらい差があるのか見てみるのもいいかと思います。ここでズレがあると、一発目の導入ではいくらやってもそのズレ以下にはなりません。ファインダーでも入らないとのことなので、極望とファインダーと比べるのもいいかもしれません。
自動導入で思ったのは、前提として、鏡筒が赤道儀に正しく取り付けられていると仮定した場合、必ずしも架台の水平をとる必要はないかと思います。
水平を取る必要があるのはホームポジションの合わせマークを使用する場合ですよね。
私なら鏡筒に直角に水平器をつけます(アリガタの上とか)。
赤緯を90度にセットし赤経軸を回転させて水平器で水平を取れば赤経は子午線にありますよね。
極軸があっていればこの状態で正確なホームポジションにいるはずです。
かんたろうさんこんばんは。
初期アラインメントに原理的には水平は必要ないというのは正しいと思います。初期アラインメントの途中で教え込んでいるようなものですよね。
「赤緯を90度にセットし赤経軸を回転させて水平器で水平を取れば赤経は子午線にある」というのは納得です。確かにこの方法いいですね、思いつきませんでした。これをホームポジションというのもいいのかと思います。
でもこれで、もし赤道儀の底面が水平にとれていないと、初期アラインメントの一発目にターゲットは視野に入ってきませんよね。なぜななら、人間は赤経は子午線にあると知っていても、初期アラインメントプログラムは赤経が子午線にあると知る手段がないからです。これで正しいと思うのですがどうでしょうか?何か私のほうが勘違いしていますでしょうか?
これで正しいとすると、一発目に視野に入れたい場合は、やはり水平を出しておく必要があると思います。さらに副作用で、極軸合わせも毎回北極星の高さが同じところに入ってきて便利なので、私は水平に合わせてしまうのが好みです。
私、実はtemmaは触ったことがないのですが、temmaのホームポジションは水平なのですか。ということは赤緯体が横を向いているような状態?ということですか。あまり想像がつかないので今度実際に誰かに触らせてもらってみます。
項目5で赤経の0度が、、、とありますが赤道儀に必要な情報はいま子午線の赤経がどこなのかです。いわゆる地方恒星時ですね。これは現在位置と時刻がわかれば計算できるので赤緯90度でかつ赤経軸が子午線上にあれば望遠鏡の向きが確定します。
シンタ系はホームが極+子午線ですが、個人的にはテンマのようにホームポジションが水平の方式が楽な気がします。
初期アライメントでは、シンタ系であれば赤経軸は子午線上にあるという前提で動きます。つまり子午線にあるよと教える必要がないです。
なので前提にあわせて赤緯軸を鉛直にしてあげる必要があるわけです。これで極軸があっていればホームポジションの座標が確定します。
電源投入時に緯度経度と時刻を合わせる必要があるのは地方恒星時を計算するためです。パソコンで接続していると自動同期するので意識されないかもしれません。
これが間違ってるとあらぬ方向に向いてしまいます。
架台にもよると思いますが、私が使っているEM200だと極軸望遠鏡側に水準器があるので架台の水平出しは必要ない構造です。もちろん水平出しをすることで極軸合わせが楽になるメリットはありますよね。
ビクセンのGP系は逆に架台の水平が極軸合わせ上必須です。
先の投稿でも述べましたが合わせマークを使用するなら架台の水平は必須ですね。水平だからこそ合わせマークにより赤緯軸が鉛直になるわけですから。
つまり目的は水平を出すことでなく赤緯軸を鉛直にすることですよね。合わせマークに依らず、水準器等で赤緯軸の鉛直を出すなら架台の水平は必要なくなります。
と考えておりますが、いかがでしょう。
特に私の場合足が直脚なので水平にはこだわらない質です。というかこだわれません(笑)。
議論が白熱していて、だんだん限界を超えそうです。
水平出ししていない架台で、極軸を正確に合わせてあるとすると、何があっていて、何があっていないのでしょうか。
ファインダー(あるいは鏡筒)で北極星が見えているとすれば、赤緯軸はAVXでいうホームポジションということになります。したがって後は赤緯軸でのホームポジション(鉛直方向)が正しければ、それで自動導入が可能ということにならないでしょうか。あるいは、もし鉛直方向が正しくないとしても、赤緯方向は移動させる必要がなくて、赤経軸のみを指導させればよいように思います。
でも、もっと複雑なんでしょうね。
続きます
さて、昨晩から今朝、星が見えたので、チャレンジしてみました。
本来なら、さっさと工場出荷状態に戻し、そこからセッティングをやり直せば,検証できたかもしれませんが、星を見ているとついつい観望、撮影に気持ちが行ってしまいます。ウィルタネン彗星を頑張って探してみましたが、正直、どれが彗星なのか判断できませんでした。朝になって考えてみれば、FC76の600mm直焦点のAPS-Cだと、実質900mmということになって、これでは感で導入しようというには無理があります。
さらに続きます
今朝になって、雲が全面をおおうまでの間に昨日やり損なった工場出荷状態に戻し設定をやり直してみました。ただ、検証するまでには至らなかったのですが、シリウスとカペラが基準星になったのですが、あさっての方向を向くことはなくなりました。ファインダー内に入るようにはなりました。でも、これで十分という感じではないように思います。
あとはメカニカルなトラブルを抱えていることも考えられますが、こればっかりは自分の手に負えません。Samさんのようにこれをばらす勇気はありません。
朝5時を回り、片付けするときに、ホームポジションに戻したとき、きちんと赤緯軸と赤経軸はもとのホームポジションに戻りました。これって、メカニカルなトラブルは抱えていないという証拠になりますか?
わかりにくくなってて、すいません。
りっくんさんこんばんは。連続コメントですね。
とりあえず工場出荷リセットで改善されたようなのでまずはOKでしょうか。あと、時間はきちんと設定していますか?私はiPhoneでNTPソフトを落としきてその時刻に合わせています。でもボタンを押したりするのにタイムラグがあったりするので10秒くらいの制度でしょうか。これが分単位で狂うと初期アラインメント時にもズレが出てくると思います。
メカニカルトラブルは私の場合は見ててすぐにわかるくらいカクッと動きがおかしくなっていたので、そんなことがなければ心配することはないと思います。
ホームポジションに関しては議論が発散気味なので、私も時間のある時にかんたろうさんが言っていた方法で子午線に向けて、水平を出した場合とあえて出さない場合で今一度試してみようと思います。予想と違うとそれはそれでまた面白いものです。
なかなかうまいこと伝わらずすみません。
まずは実験でしょうか。
結果をまた教えて下さい。
かんたろうさん、
私ビクセンの自動導入も触ったことがないので、まだまだ全然経験不足です。やはり何事も経験ですね。とりあえず手持ちの機材でまたいろいろ試します。