この日は馬頭星雲を撮影する前に、もう一つのテストをしました。電視でのShaprCap Pro 3.1β版の新機能ヒストグラムについてです。この間の志摩での電視観望会でなんとインストールしてあった3.1βが現場で期限切れに気づくという間抜けなことがあったので、新たにアップデートしてきちんと動くかどうか試したのですが、大きく変わっているところがありました。電視観望にも大きく関係しそうです。
これまであった「Display Controls」が無くなってしまっていて、その代わりにRGB別のヒストグラム「Display Histogram Stretch」というのが足されていました。ヒストグラム自身は元のバージョンでもライブスタック時に見て調整することはできていたのですが、今回のものはライブスタックとは別に個々の画面でも使えるものです。しかもこの新しいヒストグラムも、これまであったライブスタック時のヒストグラムもRGB化されてるので、ホワイトバランスなどが取りやすくなっています。
とりあえず、M42オリオン大星雲を写して見た画面を載せます。スタック画面で無く、1.6秒露出のワンショットなのでノイズは多いです。新しいヒストグラムが右下に見えていると思います。
まずスタックをしない時のこの「Display Histogram Stretch」ですが、Black Level、Middle Level、White Levelという3つの線を移動することによりレベルの応答を変えることができます。これはあくまで表示される画面の結果を変えるだけで、カメラの信号そのものを変更するようなものではないです。基本的にはブラックレベルとミドルレベルの線でヒストグラムのピークを挟むことによりより見やすい画面が得られるのですが、今回はヒストグラムのグラフの中にあるイナズマ状の「自動設定ボタン」を押すことによりこのような見やすい画面がほぼ自動で得られるようになっています。実際に上の画面はほとんど何も調整らしい調整はせず、ただこの自動調整ボタンを押したのみです。
次に、上の画面の様にライブスタックを始めるともう一つのヒストグラムが有効になります。下の方のライブスタックエリアにある「Histogram」タブをクリックすることでスタック時のヒストグラム機能にアクセスできます。でも結果として、スタック無しの個々の画面用、スタック時用と2つのヒストグラムが出てくるので、その関係に戸惑います。
色々試してわかったのですが、単純に言うとまずスタックのヒストグラムの設定が大元の設定になり、その結果がDisplay Histogram Stretchに受け渡され、そこでの設定と合わさったものが画面に表示されるということみたいです。
実際にやる場合は
とにかく電視に関して特筆すべきは、今回はイナズマ状の自動設定ボタンを押すことによりこのような見やすい画面がほぼ自動で得られるようになっていることでしょう。これまであった「Display Controls」のGammaやContrast、Brightnessでの調整もなかなか細かいことができたり、大きくいじることで見えにくかったものが見えてきたりもしたのですが、それと比べても自由度は減っている気はしますが今回の自動設定ボタンはかなり優秀です。自由度は減っても、同じようなことを圧倒的な短時間と、技術に全くよらずにできてしまうことは、電視観望会などで大きな威力を発揮するのかと思います。
馬頭星雲で比較して見ました。最初が以前のバージョンのDisplay Controlsで調整した場合です。
次が、新しいバージョンの自動設定ボタンで調整した場合です。
共にスタックしていますが、古いバージョンは6.4秒x26スタック、新しいバージョンは6.4秒x16スタックと、総露出時間が短くても新しいバージョンの方が明らかに綺麗に見えています。
ベータ版で次々に新しい機能が付いてくるので、まだまだ今後のShapCapの進化が本当に楽しみです。
これまであった「Display Controls」が無くなってしまっていて、その代わりにRGB別のヒストグラム「Display Histogram Stretch」というのが足されていました。ヒストグラム自身は元のバージョンでもライブスタック時に見て調整することはできていたのですが、今回のものはライブスタックとは別に個々の画面でも使えるものです。しかもこの新しいヒストグラムも、これまであったライブスタック時のヒストグラムもRGB化されてるので、ホワイトバランスなどが取りやすくなっています。
とりあえず、M42オリオン大星雲を写して見た画面を載せます。スタック画面で無く、1.6秒露出のワンショットなのでノイズは多いです。新しいヒストグラムが右下に見えていると思います。
まずスタックをしない時のこの「Display Histogram Stretch」ですが、Black Level、Middle Level、White Levelという3つの線を移動することによりレベルの応答を変えることができます。これはあくまで表示される画面の結果を変えるだけで、カメラの信号そのものを変更するようなものではないです。基本的にはブラックレベルとミドルレベルの線でヒストグラムのピークを挟むことによりより見やすい画面が得られるのですが、今回はヒストグラムのグラフの中にあるイナズマ状の「自動設定ボタン」を押すことによりこのような見やすい画面がほぼ自動で得られるようになっています。実際に上の画面はほとんど何も調整らしい調整はせず、ただこの自動調整ボタンを押したのみです。
次に、上の画面の様にライブスタックを始めるともう一つのヒストグラムが有効になります。下の方のライブスタックエリアにある「Histogram」タブをクリックすることでスタック時のヒストグラム機能にアクセスできます。でも結果として、スタック無しの個々の画面用、スタック時用と2つのヒストグラムが出てくるので、その関係に戸惑います。
色々試してわかったのですが、単純に言うとまずスタックのヒストグラムの設定が大元の設定になり、その結果がDisplay Histogram Stretchに受け渡され、そこでの設定と合わさったものが画面に表示されるということみたいです。
実際にやる場合は
- スタックなしの単独画面の時は右側のDisplay Histogram Stretchで自動設定ボタンを押す。電視の最適化に近いような画面に簡単にすることができる。
- スタックがある場合は右側のDisplay Histogram Stretchは自動設定ボタンの下のリセットボタンを押して応答をまっすぐにしておいてから、スタック用のヒストグラムで調整する。スタック用のヒストグラムも自動設定ボタンが同じように使えて、簡単に電視の最適化に近いようなことができる。
- スタック用ヒストグラムはさらにカラーバランスを変えることもできる。この結果もそのまま右側のDisplay Histogram Stretchに渡される。
- 問題は、スタック用ヒストグラムで調整したことは、スタック用ヒストグラムでは確認できないということです。スタック用ヒストグラムで調整して、右側のDisplay Histogram Stretchでその効果を確認するというやりかたが使いやすいようです。
とにかく電視に関して特筆すべきは、今回はイナズマ状の自動設定ボタンを押すことによりこのような見やすい画面がほぼ自動で得られるようになっていることでしょう。これまであった「Display Controls」のGammaやContrast、Brightnessでの調整もなかなか細かいことができたり、大きくいじることで見えにくかったものが見えてきたりもしたのですが、それと比べても自由度は減っている気はしますが今回の自動設定ボタンはかなり優秀です。自由度は減っても、同じようなことを圧倒的な短時間と、技術に全くよらずにできてしまうことは、電視観望会などで大きな威力を発揮するのかと思います。
馬頭星雲で比較して見ました。最初が以前のバージョンのDisplay Controlsで調整した場合です。
次が、新しいバージョンの自動設定ボタンで調整した場合です。
共にスタックしていますが、古いバージョンは6.4秒x26スタック、新しいバージョンは6.4秒x16スタックと、総露出時間が短くても新しいバージョンの方が明らかに綺麗に見えています。
ベータ版で次々に新しい機能が付いてくるので、まだまだ今後のShapCapの進化が本当に楽しみです。
コメント
コメント一覧 (2)
観望会的なところで使う場面が少なくないでしょうから、仰る通り、細かい調整がしづらい欠点より、扱いが簡単で素早く適切な設定が可能という利点の方が実地では勝りそうな気がします。
それにしても、比較的明るい対象とはいえ、ライブスタックでM42がここまで見えるのですね!自分も電視を実践したいのですが、望遠鏡を外に持ち出すと、どうしても写真撮影メインになりがちで(SharpCap、入れてはあるんですが)。写真撮影用と別に、PCをもう1台調達して持ち出すべきかもしれません(^^;
私も以前撮影をしている時に、たまたま一般の方が来て何も見せてあげることができなかって悔しい思いをしたことがあります。その反省で電視専用に安いiOptronのd=80mm, f=400mmの単焦点鏡筒を、さらに電視専用の自動導入にとNexstar架台を用意しました。特にNexterが軽くて初期アラインメントも楽なので、意外なほどに重宝しています。その時の経緯は以下に書いてあります。
http://hoshizolove.blog.jp/archives/24977432.html
M42ですが、PCの画面をiPhoneで撮っただけなので、実際の見え味もほとんど同じです。明るいので都会でも十分に見えると思います。これだけでもかなり楽しいですよ。