ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2026年05月

ここまでで、TSA-120 + Phoenixである程度の形になってきたので、一度きちんと撮影してみようと思います。


撮影のための撮影をしてみる

記事の(その6)で、TSA-120 + Phoenixでのある程度の撮影結果をタイムラプス動画や静止画で示しましたが、これらはあくまで大口径化のテストをしている最中に撮影したものです。毎回何か設定を変えてから撮影しているので、朝イチでは撮影できず、正午近くや、午後になることもあり、シーイングの悪化など撮影条件的にはあまり良くはありませんでした。今回は朝早くからいいシーイングを狙って、撮影を目的として撮影をしてみようと思います。

2026年5月25日、平日ですがこの日は休暇で朝6時くらいから起きて準備していました。でも朝イチは曇りで、結局晴れてきたのは8時過ぎです。それでもこの日のシーイングは素晴らしく、朝からの1本目だけでなく、結局2時間くらい撮影を続けて昼近くまでなってしまった2本目も、まだ十分に悪くないシーイングでした。


一本目

一本目の撮影は常時シーイングが良くて、ボケた画像の数がかなり少なかったです。このレベルのシーイングになると、かなり口径リミットに近いと思われるので、多くの画像ではシーイングにあまり左右されずに分解能は口径で頭打ちになっています。それでも一番良さそうなものをとりあえず1枚選びました。まずは静止画として画像処理します。

黒点AR4446、4444、4447を含む、見栄えのいいところを選んで、モノクロ、反転、カラー、反転カラーとしてみます。カメラの回転角を合わせるのをわすれてしまっていて、方角が少しずれてしまい、右斜め上くらいが北側になってしまっています。

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  • 撮影日時: 2026年5月25日8時46分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120 (f900mm、F7.5) + ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: PlayerOne Apollo-M MINI
  • 撮影: SharpCap Gain 200 (= 20dB)、露光時間5ms、200/200 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、PixInsight SolarTools、Photoshop

分解能に関しては、少なくとも真ん中らへんは十分満足しています。ただし、周辺部は少し落ちるので多少クロップしています。プロミネンスがあると縁の曲率からどれくらいのエリアを見ているかわかるために、結構ぼけていますが今回はあえて残しました。

更に動画です。8時56分から9時59分まで、約30秒おきの113枚を7.5秒のタイムラプス動画にしています。この動画がすごいのは、シーイングが平均的にかなり良かったので、これまでのような途中の霞んで見えるような画像がほとんどないことです。朝から撮影した甲斐があったというものです。


YouTubeは画質が悪くなることがあるので、その場合は下のAstroBinを見ていただければと思います。


面白いのは、ほとんど動いていない所と、パタパタと激しく動いているところが、かなりはっきり分かれていることです。この動いているところと動いていないところは、何が違うのでしょうか?背景にある物理がとても面白そうです。パタパタは、30秒間隔の撮影だとまだ粗すぎるのかもしれません。トータル10分くらいで、もっと短時間でもいいので、短い時間間隔で撮ってみると何かまた見えるのかもしれません。


二本目

二本目は1本目よりは多少シーイングは落ちるものの、それでも悪くはないです。同様にベスト画像を選びます。
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  • 撮影日時: 2026年5月25日11時31分
  • 撮影: SharpCap Gain 200 (= 20dB)、露光時間2.5ms、200/200 frames

タイムラプス動画が結構面白いです。10時3分から11時33分まで、約30秒おきの159枚を10秒のタイムラプス動画にしています。2本目にどこを写すか迷っていた時に、たまたま伸びているジェットのようなものが見えたので、急いで撮影を始めました。ジェットがこれから伸びていくか、もうジェットの終わりで縮んでいくのかわからなかったのですが、少し経ってから見たら縮んでいたので、「あー、ダメだったか」と思い、一旦やめようかと思ったのですが、面倒なのでこのまま放っておいて朝昼ごはんを食べに行ってしまいました。その後帰宅して改めて処理してみると、どうやら縮んでいただけではなくて、かなり面白い動きをしていました。見てもらった方が早いでしょう。




どうでしょうか?右下のジェットらしきものが何度も出たり引っ込んだりで、激しく動いているのがわかります。


今更ながらIrfanViewについて

そうそう、AutoStakkertから出力された大量の枚数のTIFFファイルは、画像の大きさがバラバラで、例えばPixInsightのBlinkで全部を一度に読み取ることができなかったりします。これまでIrfanViewを使って大きさが同じになるように一括でクロップしていたのですが、今更ながらにIrfanViewはTIFFであっても8bitでしか出力できないことに気づきました。

太陽画像は処理のかなり最初の方の段階からある程度炙り出された状態なので、実際の弊害はそこまでないのですが、暗いプロミネンス部分を炙り出す時は8bitだと流石に影響が大きいでしょう。FIJIを使う方法もありますが、あまりに大袈裟なので、結局自分でpythonで組んだものを使うことにしました。モノクロでもカラーでも、16bitでも8bitでも、入力画像と同じフォーマットで、最小の大きさの画像に全てサイズを合わせて出力するようにしています。IrfanViewと同じように、クロップする起点を左上、右上、左下、右下、中央から選べるようにしています。GUI化してWindowsの実行ファイルにしているので、扱いはシンプルで使いやすくてかなり便利です。元々はpythonですが、軽くて、IrfanViewより速かったりします。


まとめ

とりあえず今回で、フェニックスの大口径化のTSA-120版は完了とします。まだ周辺の分解能の課題が残っていますが、これは視野の広いカメラでは、今の手持ちの機材だとどうしようもない気がしてきました。でもまあ、口径リミット近くまで出たと思うと、自分的にはかなり満足です。

次ですが、すでにこんなことをやっています。

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こちらはさらに前途多難です。


これまでフェニックスの大口径化で見たコリメートレンズの収差が、一体どれくらいのものなのか、少し検討しておきたいと思います。


セットアップ

接続する鏡筒で試したのは3種類で

  A. 口径10cm、焦点距離1000mm、F10
  B. 口径8cm、焦点距離400mm、 F5
  C. 口径12cm、焦点距離900mm、 F7.5

となります。

試したコリメートレンズは2種類で、いずれも焦点距離は-200mmです。
  1. アマゾンで購入した凹凹単レンズ、焦点距離は-200mm、直径50mm
  2. PSTのエタロン前部についていたレンズで、焦点距離は-200mmと言われている、有効直径は実測で23mm
焦点距離-200mmのコリメートレンズでエタロンに入れる平行光を作ると考えると、各鏡筒の焦点距離から200mmを引いたところにコリメートレンズを置くべきで、その場合のコリメートレンズ位置でのビームの直径は
  • Aでは20mm
  • Bでは40mm
  • Cでは12cm x 200mm / 900mm = 26.7mm
となります。


レンズ径の影響

まず簡単なところで、ビーム径を考えます。基本的には径が大きくなればなるほど急速に収差の影響が大きくなります。今回考えるべきはHα単色なので、色収差は関係なしとします。収差の影響は
  • 一番関係のある球面収差はレンズ径の3乗に比例
  • 波面収差(収差全体)ではレンズ径の4乗に比例
なのですが、ここでは主に球面収差を考えるとして、今回は径の3乗に比例と考えることにします。径はレンズ径と書きましたが、ビーム径がレンズ径よりも小さければ、ビーム径で収差が決まります。

例えばレンズ径を全て使うとしたら、レンズ1とレンズ2で比較すると、(50mm / 26mm)^3 = 7.1倍もAmazonで買ったレンズの方が収差が大きいです。

Amazonで見つけた直径50mmの単レンズの代わりに、有効直径23mmのPSTのレンズを使ったので
  • B-1: 一番収差が大きかったBの鏡筒に1のレンズをつけたB-1の場合、ビーム径が主要因になり、直径40mmになります。この時の収差を1とします。
  • B-2: レンズをPSTのものに変えた、B-2ではレンズ直径23mmで決まり、(23mm /40mm)^3 = 0.19倍なので、これだけで収差は約5分の1になります。
  • A-1: 時系列的に一番最初に試したA-1では、(20mm / 40mm)^3 = 0.125倍なので8分の1になります。
  • A-2: PSTレンズに変えたA-2では20mm制限は変わらないので、(20mm /40mm)^3 = 0.125倍で同じ8分の1になります。
  • C-1: TSA-120にアマゾンレンズのC-1では、(27mm /40mm)^3 = 0.31倍なので約3分の1になります。
  • C-2: TSA-120にPSTレンズのC-2では、(23mm / 40mm)^3 = 0.19倍なので約5分の1になります。


どれくらい改善したらいいのか?

径を小さくするだけでも、改善があることはわかります。でも、一体どれくらい改善したら、どれくらい見え方が変わるのかがわからないと、どこまで改善したらいいかの見当がつきません。ざっくりでもいいので、何か目安にならないか考えてみました。

収差の絶対値は結局よくわからないので、相対的な差で収差が何分の1くらいになれば、見え方はどう改善されるかというのがわかればいいのかと思います。また、収差と実際に見る像との「関係」が何かの方法でわかれば、今後収差を何分の1くらいに改善したらいいかなどがわかるのかと思います。

収差は、波長λに対してどれくらいの大きさかを目安にすると、わかりやすそうです。かなりざっくりですが、
  • 0.5λ かなりボケる
  • 0.25λ ピントは合うが眠い
  • 0.15λ 使えるが細部が甘い
  • 0.07λ かなりシャープ
  • 0.03λ ほぼ理想に近い
というのが波長を基準に、どれくらいの収差がある時に、見え味がどうなるかという関係と言えるとのことです。波長の絶対値はもしかしたら間違っているかもしれないのですが、ここで重要なのは、収差が相対的に10倍強も変わると、理想的なところから相当悪いところまで、見方が全然変わるということです。

  • 例えば、収差が大きいと思われるA-1は、見た目がもうボケボケで、ほぼ何も見えないような壊滅状態でした。
スクリーンショット 2026-05-05 100244
口径8cm+アマゾンレンズで、最もピントを合わせた時です。ボケボケです。

  • これが、PSTのレンズ径の23mmで絞られた場合には、径だけの改善でも収差は5分の1になっているはずなので、かなりよく見えるようになってもおかしくないと思います。実際に劇的に改善したのが (その2) での結果でした。
スクリーンショット 2026-05-05 111938

  • その後、口径10cmに変えたときには、ビーム径が20mmに絞られるので、収差は最初から比べて8分の1になり、すぐ上の5分の1からもう少し改善されたはずです。
スクリーンショット 2026-05-05 115822

  • この後、PSTレンズのまま口径120mmのTSA-120に変えてビーム径は約27mmになったので、結局レンズ径の23mmで決まり、径による収差は1/8から1/5になり少し悪化したはずです。結果的には口径8cmにPSTレンズを使った時と同じ程度になっているはずです。でもこの状態で撮影すると、TSA-120 + PSTレンズでもう口径限界と思われるくらいまで分解能が出ました。なので、もう直径20mmとか23mmのレベルでは、径による収差の違いはほとんど効いていなくて、十分収差は抑えられていると言っていいでしょう。
  • もしこのときにTSA-120のままPSTレンズを50mmレンズに戻したとしても、ビーム径は26mmにしかならないので、収差は1.5倍強程度しか悪化しなかったと思われます。このことについては、その後5月16日に確かめていて、下の画像のようになりました。径の違いだけで収差が1.5倍程度増加しているはずですが、レンズの種類自体も変わっていてその分の収差の違いが含まれていることに注意です。
スクリーンショット 2026-05-16 134535_Amazonlens_best


アイリスでビーム径を絞る

上の最後の2つの比較で出た違いをもう少し探るために、ビーム径を絞るためのアイリスを発注しました。上の状態でアイリスを挿入し、ビーム径を順次絞っていきます。もし上の悪化がビーム系だけからきているのなら、アイリスでビーム径を23mm程度に絞れば、2枚上と同程度まで改善されるはずです。結果はというと、改善はほとんど見られませんでした。

一応確認のために、さらにアイリスで絞っていきます。もし収差がビーム径リミットなら像は改善されていくはずですが、むしろどんどん悪化していき、見た目でかなりボケるようになってきました。これはエタロンにある中央遮蔽が効いてくるものと思われます。エタロンの中央遮蔽は1cm程度なので、アイリスで絞った径が直径1cmに近くなると、かなり暗くなって像はボケボケになってしまいます。

ちょっと脱線ですが、中央遮蔽は当然光を遮ってしまい、像が暗くなります。今回の場合、PSTのレンズ径が23mmなので、エタロンの直径を10mmとすると、(10mm / 23mm)^2 = 0.189と面積で2割ほど塞いでいることになります。まあ、このくらいならば影響はあまりなさそうなので、とりあえず問題ないのかもしれません。

レンズの種類による収差の違い

ここまでの結果から、少なくともアマゾンレンズとPSTレンズでビームを同じ径にしても、アマゾンレンズの方が収差が大きいように見えるので、ビーム径だけでは説明できない何か違いがあることがわかりました。比較したレンズは同じ単レンズですが、そもそも種類が違うので、これを検討してみます。

今回比較した2つのレンズは同じ単レンズですが、
  1. 凹凹の焦点距離-200mmの単レンズ
  2. 凹凸の焦点距離-200mmの「メニスカス」の単レンズ
になります。最初PSTレンズを見たときは単なる単レンズだと思っていて気づかなかったのですが、改めてPSTレンズをよく見てみると、対物側が凸で接眼側が凹のメニスカスレンズだということに気づきました。

メニスカスレンズの方が収差が半分から最大で5分の1程度になるそうです。ここでは典型的に3分の1程度になると考えます。収差が10分の1になると、ボケボケから理想的になるということから、3分の1という量は明らかに無視できない改善幅になります。これが、ビーム径では説明できなかった改善分です。

ここまででざっくりですが、収差の原因の切り分けがある程度できてきたのかと思います。


どんなコリメートレンズがいいのか?

せっかくなので、どのようなコリメートレンズを使えばいいのかを、少しだけ検討しておきます。

  • 例えば、焦点距離-100mmのレンズを使えば、接続する鏡筒の対物レンズ側へ近づける距離が短くなり、楽になります。
ここで重要なのは、コリメートレンズの焦点距離でどれくらい収差が変わるかです。基本的には、焦点距離が短くなるほど、焦点距離の3乗で収差が悪化すると考えることができます。今の-200mmのレンズを-100mmにした場合は、(200mm / 100mm)^3 = 8倍も悪くなります。10倍程度の違いで理想状態とボケボケで変わるとしたら、これは全く無視できない大きな違いになります。

  • では逆に焦点距離-400mmのレンズを使った場合はどうでしょうか?
収差は(200mm/400mm)^3 = 0.125倍で、8分の1になります。これはかなりいいことがわかりますが、「接続鏡筒の焦点位置から400mmも対物レンズ側にコリメートレンズを近づける」というのは結構大変で、鏡筒を切るとか、鏡筒に穴を開けるとか、筒は使わずに対物レンズだけ使い支持棒などで対物レンズとコリメートレンズを固定するなどの、かなり特殊な工夫が必要になります。

こう考えると、PSTが-200mmのメニスカスのコリメートレンズを選んだというのは、かなり考えた結果だということがよくわかります。これまでのTSA-120mmで分解能が十分出たという結果から、-200mmならば焦点距離的には十分収差が抑えられているということがわかるので、それ以上無理に焦点距離を負側に伸ばすことをしなくていいこともわかります。

問題は、-200mm程度の負の焦点距離のメニスカスレンズが簡単に手に入らないことです。負側の焦点距離のメニスカスレンズは、あるにはあるのですが種類がほとんどなく、特に長焦点はほとんど見つかりません。

一つの方法は、望遠鏡用のアクロマートレンズを分解して使うことです。望遠鏡用のアクロマートレンズは負の焦点距離のメニスカスレンズと両凸レンズを組み合わせて作ってあり、うまく探すと適した焦点距離のメニスカスレンズが見つかる可能性があります。

試しに手持ちの使っていないアクロマートレンズを分解して、ちょうど-200mmに合うようなものがないか探してみました。凹レンズの焦点距離を見ただけでどう判断すればいいのか、あまり経験がないのでわからないのですが、見つかったものはいずれも-200mmのPSTレンズよりはキツめに(像がより小さく)見えたので、-100mmとかもっと焦点距離が短いものかと思われます。実際にフェニックスの手前に置いて太陽を見てみましたが、いずれも調整の範囲内でピントが出るものは見つかりませんでした。

何か他にいいアイデアはないかというと、もし-200mmのアクロマートレンズが手に入れば、色収差だけでなく球面収差もある程度小さいと思われるので、おそらく代用できるでしょう。でもなかなか既製品では見つからないのと、特注を受け付けてくれるところもありますが、それだとどうしても高価になってしまいます。

もう一つのアイデアは、負の焦点距離のレンズと正の焦点距離のレンズを組み合わせて、合成焦点距離が-200mmになるようにすることです。例えば、
  1. -200mmの単レンズ1枚の場合
  2. -400mm単レンズ2枚で、ピッタリレンズをくっつけて、合成焦点距離−200mmにした場合
を比較してみます。2の2枚レンズの場合、まず焦点距離分で(200mm/400mm)^3 = 0.125倍だけ収差が改善され、これが2枚重なるので収差は0.25倍で、トータルで4分の1の収差になります。これは凹凹レンズからメニスカスレンズに変えた時と同じくらいの改善率になります。

いずれにせよ、いいコリメートレンズを見つけることが、フェニックス大口径化のキーとなると言っていいでしょう。


レンズ間距離の調整

さらにTSA-120で確かめたとき、フェニックス(に付けてあるコリメートレンズ)をTSA-120により近づけたときに、収差が良くなって見えたのですが、これを少し考えてみます。

  1. TSA-120の焦点距離900mmの対物レンズに直径23mmのPSTコリメートレンズが近づくということは、対物レンズに当たるビーム径がどんどん大きくなっていくということです。
  2. レンズ間距離がデフォルトの700mmから690mm、680mmと短くすると、ビーム径は26mm、27mm、28mmとざっくり1mmづつ大きくなっていきます。
  3. レンズ径の制限で23mmに絞られるのは変わらないのですが、26mmが23mmに絞られるのと、28mmが23mmに絞られるのとでは、後者の方が有利になります。
  4. それが3乗で効くので、(26/23)^3=1.445、(27/23)^3=1.618、(28/23)^3=1.804と1:0.893:0.801と2割も収差が改善されます。
実際2cmくらい動かしたので、この2割で目で見てわかるレベルで改善されたというのは、あながちおかしくなさそうな結果です。 少なくとも、定性的には動かす方向と改善の方向は合っていると思われます。

大口径化の(その4)の記事で、銀命堂さんがシミュレーションしてくれて、レンズ間距離が720mm付近でHαが飛び抜けて有利になるところがあるとのことです。このシミュレーションが上と同じようなことを意味しているのか、今のところ不明ですが、もしかしたらこの有利なところをたまたま見ていた結果なのかもしれません。


残った課題

収差については、ある程度のことはわかってきたことと、とりあえずPSTレンズで十分分解能が出るまで行けるということもわかってきたので、大体は解決かと思っています。

今悩んでいるのが、広い範囲で見るとリング状のボケが存在していることです。すでにC8で見ていた時より広い範囲で見えていて、分解能も20cmと12cmの口径差ほど出ていないように見えるので、まあいいと言えばいいのですが、できれば改善したいと思っています。このリング状のボケが、収差からきているのか、エタロンの波長ズレなどからきているのか、何か周辺を遮っているようなものが影響しているのか、まだ切り分けができていないです。切り分けのアイデアは多少あるので、もう少しだけ検証できればと思っています。


まとめ

120mmでは手持ちのものである程度やれることはやったかと思います。多少の課題は残っていますが、これでもう実用とするか、ここから更に大口径化の道を発展させていくのか迷っています。後者はゴールがまだまだ先になるのと、相当大変になることが予想できるので、もしやるならもう少し根本的に方法を考える必要がありそうです。

こういった改造はとても楽しいですが、太陽望遠鏡は危険なことも多分にあるので、安全には十分に気をつけ、あくまで自己責任で楽しむようにしてください。






ここ数週間で撮影した画像を、いくつか鑑賞用に画像処理しておきます。


これまでの撮影

TSA-120 + Phoenixが稼働し始めてから何本かテストがてら撮影していますが、ここまでの記事はあくまでテスト比較で、画像処理もできるだけシンプルに、という方針で進めてきています。でもせっかく撮影したものなので、鑑賞目的で少しまとめておきます。

これまで、
  • 5月10日: 1. 黒点AR4432 (シーイング良)、2. 黒点AR4436 (シーイング良)
  • 5月16日: 3. 黒点AR4436 (シーイング最良)
  • 5月17日: 4. 黒点AR4436 (シーイング普通)、5. プロミネンス (シーイング駄目)
の5つ、それぞれ30秒に1ショット、各ショット200フレームで合計120ショット前後、合計約1時間ほど撮影しました。最後のプロミネンスはもうシーイングがボロボロだったのですが、それ以外の4つをタイムラプスにまとめてみました。大きなイベントとかではないのであまり見栄えはしませんが、TSA-120 + Phoenixでこれくらいの動画にはできるというところを示す意味合いが強いです。最後のプロミネンスは、ひどいシーイングの中で一番まともだったものを1枚ピックアップして、それを仕上げてみます。


タイムラプス映像

以下の動画ですが、とりあえずYouTubeに上げたものを貼っていますが、なかなか厳しいです。とりあえずYouTubeに飛んでもらって、解像度を上げてみてもらうのがまだマシかもしれません。

5月10日: AR4432
まずは、今回の連番記事 (その4) で見せた黒点画像のタイムラプスです。あまり動きはないですが、右の黒点あたりを見ていると激しく噴き上げているのがわかります。


5月10日: AR4436
同じ日の2ショット目で、東端に出始めた少し小さい黒点です。

プロミネンスが激しく動いています。黒点の上部にも小さなフレアのような吹き上げがあるのがわかります。

5月16日: AR4436
次は、(その5)で見せた5月16日のもので、上の動画のものが太陽の自転で真ん中過ぎまで進んできたものです。シーイングがかなり良かったので、多分これが一番見応えがあるのかと思います。

これはAstroBinにもアップロードしたので、そちらで見た方がいいかもしれません。


下のダークフィラメントが激しく動いています。他にもよく見るとたくさん動きがあって、この動画は1時間見ていても飽きませんでした。激しく動くところと、ピタッと止まっているところがあるのも面白いです。

この動画だと、以前ヘリオスター100Hαで撮ったような黒点周りの3分周期振動も見えていますね。黒点振動は、どうもシーイングがいい時が長く続かないとあまりはっきり見えないようです。ヘリオスターで撮影したときはたまたま晴れた日だったのですが、かなりラッキーだったのかもしれません。

面白いのは、この3分周期が他の場所も何か相関がありそうなことです。細かい模様もかなりの場所はあまり動かずピタッと止まっているのですが、一部モジャモジャ動いている場所があります。これが、シーイングなどのブレで動いて見えるのか、本当に太陽表面が動いているのか、もう少し精度が欲しいところですが、シーイングで一部だけずっと動き続けるというのはちょっと考えにくいので、やはり何か動いている可能性が高そうです。もしかしたら、今後面白い展開になるのかもしれません。

もう一つ面白いのが、ダークフィラメントを通して見る表面で、特に上の真ん中が顕著ですが、周りがボケボケになっているところです。最初エタロンの精度が一部出ていないのかとも思ったのですが、それにしては局所的すぎます。おそらくですが、ダークフィラメントは表面に吹き出しているので、太陽表面の大気相当のものに密度揺らぎみたいなのが起きていて、ユラユラして見えているのかと思います。

5月17日: AR4436 
タイムラプスの最後は、上の画像の次の日、5月17日(日)に撮影したもので、同じ黒点AR4436です。あまりシーイングが良くないので、途中結構ぼけてしまっています。

4つを見比べても、やはりシーイングがいい時間が長く続かないと、ハッキリしたタイムラプス動画にならないのがわかります。これは相当朝早くに撮るのが重要になりそうです。せっかくの休日で多少寝坊したいのもありますが、頑張って朝活しますか。もしかしたら、夏場は早くから日が昇るので、平日の仕事前の撮影でもいいのかもしれません。もし平日の朝の撮影も考えるとすると、方角が東と決まっているので、もうベランダに置きっぱなしで、撮影後はカバーをかけるだけでもいいかもしれません。


プロミネンス

次にプロミネンスも撮影したのですが、こちらは動画にすることは出来ないシーイングレベルだったので、120ショットのうち一枚だけたまたまよく撮れたものを静止画で画像処理しました。カラーにもしてみました。ちなみに、反転画像はダークフィラメントがプロミネンスに繋がっていく境界のところでうまくつながらなくて諦めました。もうちょっと処理方法を探る必要があるかもしれません。

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まとめ

テスト撮影続きでしたが、せっかく長時間撮影したものなのでタイムラプス映像にしてみました。でも難しいですね。シーイングが持続する時間を探す必要がありそうです。

TSA-120 + Phoenixの合成焦点距離は2000mmになっていて、これはすでにC8+PSTで撮影した時と同じです。TSA-120は口径ではC8に劣りますが、中央遮蔽のない屈折らしいクッキリとした見え味があり、実写上の分解能にはほとんど差がないように思えます。しかも、まだ視野の端にボケているところは存在しますが、すでにC8で見ていた視野内で比べると、以前はあった視野内での見え方の違いなどもなく、安定して全体が一様に見えるので、ある意味これまでの結果を超えたと言ってしまってもいいでしょう。PSTからフェニックスエタロンへ変更した甲斐があったというものです。

その一方、ヘリオスター100Hαで撮った画像を改めて見直すと、はるかに広視野で均一な画像を叩き出しています。焦点距離と視野と分解能をかなりバランスよく設定していることがわかります。

確かにフェニックスよりも値段ははるかに上ですが、これだけの苦労をしていてもまだ追いつけないところが多分にあることを考えると、もし懐に余裕があるのなら素直にヘリオスターに走った方がいいのかと思います。フェニックスに分があるとすれば、さらに大口径に行ける可能性を持っているということでしょうか。でもここからは更に茨の道になりそうです。集光力が高まり危険性も増えますし、フェニックスの400mm対物レンズだと合成焦点距離が長くなりすぎるでしょう。もう少し根本的にやり方を考える必要があるかもしれません。




フェニックスの大口径の記事のまとめです。

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フェニックス+TSA120の組み合わせは変えずに、確認の意味でいくつか検証できることをしてみました。今回の記事はその中の一つで、カメラのシャッターについてです。


ニュートンリングが出てしまう

大口径化記事の(その4) の先々週末の撮影では、下の画像のようにクロップ前は左下が切れていることから分かるように、TSA120の光軸に対してフェニックスの光軸、特に高さ方向の光軸がかなりずれていました。
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2026年5月16日土曜日の朝から、いろいろと改善をしました。

まず、フェニックスの方が高さ的に低い位置にあったので、フェニックスの下部に一枚板を挟んで、高さを揃えてやりました。

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アルミフレームとフェニックスの間に、一枚板を追加

実際には少し高くなりすぎたのですが、前回よりはかなりマシで、少なくとも画面で見て左右方向のずれはほぼ無くなりました。上の画面の上下のズレは、フェニックスの方向を左右 (水平) に変えることで、ある程度の調整はできます。

これらの調整をすることで、画面で見ても、左右も上下もほぼずれはなくすことができたので、一旦はこれで良しとしました。ところが、光軸が合ってくると今度はニュートンリングが目立つようになってくることに気づきました。
スクリーンショット 2026-05-16 090237

とりあえずの解決策として、Apollo-M MINIの前にチルターを挿入してやりカメラを傾けてやると、一旦はニュートンリングは消えました。

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スクリーンショット 2026-05-16 090453


残る問題は、周辺のリング状の分解能が出ていないところ(原因は収差か、波長ずれか特定できていません)をどうするかです。前回の撮影では、シーイングがいい時は中心部では一本の線が1ピクセルに迫りつつあり、アンダーサンプル気味になっている可能性があるので、解像度を増やすために、2倍のバローレンズを入れてみました。すると、ニュートンリングが再びかなり目立ってきます。F値が大きくなるほど、ニュートンリングが目立つようになるんですよね。

すでにカメラは傾けていて、これでもニュートンリングが出てしまうということで、一旦はバローレンズはあきらめ、Apollo-M MINIよりある程度画角が狭く、ピクセルサイズが2.9μmと小さくなるASI290MMに交換しました。ASI290MMは比較的ニュートンリングが目立つカメラということがこれまでの経験でわかっていて、実際には同じ角度のチルターが入っていても、(Apollo-M MINIでは消すことができていた) ニュートンリングが再び目立ちます。なかなかうまくいきません。


ローリングシャッターのG3M678M

改善策として、これまでの経験でニュートンリングが比較的出にくいとわかっているG3M678Mにしてみました。このカメラだと、ピクセルサイズが2.0μmと小さくなり、4.5μmのApollo-M MINI + 2倍バローより分解能はよくなるので、この場合バローは必要ないです。視野が大きくなりすぎるのは、ROIでいらないところをカットしてしまえばいいかと思い、2400x1500に制限してみました。バローを外したこの時点で、ニュートンリングは確認することができないくらいに見えなくなっていました。下の画像を見るとわかりますが、視野的には、分解能が出ている範囲をほぼ全面でカバーできているので、かなりいいでしょう。

これでいつものように30秒ごとに1ショット200フレームで、全部で120ショット、トータル1時間撮影してみました。1ファイルのサイズも1.4GB程度なので、まあ現実的な範囲です。もう昼にかかったので、そこまでシーイングがいいわけではありません。全120ファイルを画像処理してみると、シーイングの時間変動もよくわかり、その中で一番いいと思われるベスト画像を選びました。

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一番の関心は、グローバルシャッターの有無で写りが変わるかです。パッと見は上の画像もそんなに悪いようには見えません。でも、先週末にグローバルシャッターのApollo-M MINIで撮れたような、滑らかな刷毛で細かく描いたような線は残念ながら出ていません。

収差に関しては先週よりもう少しフェニックスをTSA-120側に近づけたので、おそらく改善の方向のはずです。先週と今週の違いが、グローバルシャッターの有無によるものなのか、シーイングがたまたま先週の方が良かったのか、画像の比較から単純にこれらを判断するのは相当大変です。

ローリングシャッターでピクセルサイズが小さいG3M678Mの方が分解能よく撮れるか、もしくはApollo-M MINIと同等ならば、ローリングシャッターの影響は大きくないか、少なくとも無視できると言えるはずです。でも今のところそうはなっていなくて、グローバルシャッターが有利だという仮説を否定することはできません。


グローバルシャッター再び

もう少し比較検証を増やします。次の日の5月17日の日曜、再びカメラをApollo-M MINIに戻して、更に2倍バローを入れて撮影してみました。

前日に出たニュートンリングの影響を少なくするために、チルターの角度を調節する押し引きネジをより長いものに変更して、更に角度をつけることでニュートンリングはほとんど見えなくすることができました。チルターの角度が大きすぎるために隙間がかなり広がっていて漏れ光があるので、パーマセルテープで遮光しています。

この状態で、これまでのように30秒ごとに200フレーム、合計120ショット撮影し、ベストのものを選びます。

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この画像も十分な写りで、そこまで不満はありません。でも同じグローバルシャッターでも、前週に撮ったみたいな、フワッとするような感じまでは出ていないと思います。


比較

土曜のG3M678Mで撮った画像と、日曜のApollo-M MINIで撮った画像を並べて比較してみるとどうでしょうか?
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左が土曜のG3M678M、右が日曜のApollo-M MINIです。大きな画角で見ているとほとんど分かりませんでしたが、拡大して見てみると、どうやらApollo-Mの方が良さそうです。

シーイングに関しては、土日の全ファイルを見ていると、土曜のG3M678Mの時の方が平均的には良かったです。その上で、ベスト同士の比較では日曜のApollo-Mの方がいいという結果なら、グローバルシャッターの効果が出ていると言っていいのかもしれません。

そうは言っても、思ったより顕著な差ではないとも思います。ピクセルサイズと視野角から考えるとG3M678Mの方が有利で、値段差を考えたらG3M678Mの方が圧倒的にコストパフォーマンスがいいです。

でも、今回の結果のように、シーイングの差をひっくり返す可能性がグローバルシャッターにあるのなら、Apollo-Mに舵を切らざるを得ません。


まとめ

今回の段階では、グローバルシャッターの方が良さそうという結果ですが、まだ結論を出し切るには至っていないと思います。原理的にはもちろんグローバルシャッターのほうが有利でしょう。でもそれは、撮影時のシャッター速度と、対象天体が画面上でどのくらいの速度で移動しているかに依存するはずです。いまの太陽撮影の状況でこのグローバルシャッターが活きているかというと、シーイングの時間ごとの変化量が今回比較したベスト2枚の差よりもはるかに大きく、今の比較方法で結論づけるほどの判断をするのはまだ難しそうです。

全く同一の鏡筒で、同時に2つのカメラで撮影し、シーイングが全く同じになる状態で比較するしかない気がします。ある程度拡大して比べる必要があるので、焦点距離と口径も必要で、太陽だと同じ機材を揃えるのは難しそうです。月の方がまだ比較しやすいかもしれません。

この件、いつかきちんと比較して結論づけたいです。


2026年5月16日(土)、この日は所属する富山県天文学会 (県天) の観望会で、牛岳に集合です。主な目的は会員同士の交流です。


ずっと牛岳に行っていなかった

前回牛岳に行ったのは、いつのことかもう忘れてしまっているくらいで、本当に久しぶりの牛岳です。牛岳は、2016年に星を始めてから最初に行った地元のメジャーな星見場所で、基本のような場所だったはずです。

このブログで記録を調べてみると、最後に牛岳に行ったのは、2022年のゴールデンウィークでした。コロナが少し落ち着いてきたところでしたが、まだその後もコロナが続いたこと、その後体調を壊したこともあったのでしょう。実は去年も同じ時期の5月24日に牛岳で観望会が計画されていたのですが、記録を見たら雨で中止になっていました。それにしても2022年以来、4年ぶりとは信じられないくらい月日が早く経ってしまっていることにびっくりです。


準備と到着、そして火事

この土曜日は朝から太陽撮影で、次の日の日曜も晴れそうで朝から太陽撮影の予定なので、夜の星の方は相変わらずあまり気合いが入りません。一応機材は持っていきますが、前半はまだ夏の星座には早くて銀河がメインになるのに、撮影用に持っていったのはε130DとRedCat51で、短焦点鏡筒だけです。もしかしての時の電視観望のFMA135は車に積みっぱなしにしています。まあ、夜中からの後半に短時間撮影できたらラッキーというくらいでしょうか。

牛岳の山頂に近いスキー場のリフトの降り口の駐車場に到着したのは、18時半くらいでした。すでにSさんが到着していて、もう機材まで設置済みでした。

展望台もあるこの駐車場は、県天メンバーだけでなく、他の一般の人もたくさん来ます。展望台まで登ってしまえば南側の天の川がよくみえるのですが、機材が設置できる駐車場では南側が建物で塞がれていて、南の低空撮影は難しいです。かといって、北は街明かりで明るいので、天頂近くなどある程度高度がある天体を狙うのが手です。

もし南の低空を狙うなら、50mくらい下に下がったところがいいのですが、そこだと今回の目的の交流は難しいです。まあ撮影するなら夜中に移動すればいいかと思い、この駐車場では機材を出すのも躊躇していました。

到着後けっこうすぐに気づいたのですが、まだ明るいうちから北の眼下の遠くに大きな火の手が上がっています。火事です! 双眼鏡でも見てみますが、かなり遠くなのでイマイチ状況がわかりません。そうか、望遠鏡があると思い、RedCat51とカメラで見てみました。どうやら高岡の中心あたりで、高岡駅のもう少し北側でした。

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駅の大きさと比べても、燃えている範囲がかなり広いのがわかります。メンバーに高岡に住んでいるという人からの写真なども届き始め、どうやらお寺が燃えているとのこと。火は全然消える様子もなく、暗くなって目では火が小さくなったようには見えても、画面ではずっと赤い火が見えていて、画面で火の手が見えなくなったのは21時近くのことでした。無事に鎮火できてよかったと思っていたのですが、あとでニュースで見たら、出火が18時45分で、実際の鎮火はそれから8時間40分も経ってからだそうです。


まったりモードで、一組のお客さんが

その後も、他のメンバーの機材を見ながら話していたくらいで、私自身は特に何をするでもなく、ものすごくまったりしていました。

肝心の天気はというと、低空はガスっていてほぼ全滅で、北極星の下に星が何も見えないとか、ちょっと変わった状況でした。それでも天頂付近はよく晴れていて、撮影しようと思えば十分でき、三つ子銀河とかは狙い目だったと思います。でも持ってきている機材が機材で、短焦点なので結局RedCat51を出しっぱなしにして、ほったらかしでした。

途中、学生のカップルが来て、メンバーのSさんのμ210で木星を見てもらっていたのですが、なんか微妙に詳しくて反応がいいので、もしかしてと思って聞いてみました。なんでも昼間は科学博物館に行ってプラネタリウムで星の解説を聞き、夜は星を見にきたそうで、今どきの若い子にしては珍しいくらいの感心のデートコースです。さらに聞いてみると、男の子の方は天文を研究している地元の富山大の院生で、銀河が専門のようです。研究だけでなく結構実際の星にも興味がありそうだったので、県天メンバーも集まってきて、星や星座のことをいろいろ話していました。

もうそのころにはベガはかなり上の方まで昇っていたので、星座ビノでこと座の形を見てもらい、Sさんがμ210ですぐにM57を入れてくれたので、見てもらいました。

さらにμ210でM13も見てもらったのですが、Y会長が「昔は裸眼でM13を見ていた」と言うので、M13を星座ビノで探してもらいました。星座アプリで「ヘルクレス座の中心の四角形の上の2つの星の、真ん中から少し左より」と位置を確認しながら探したのですが、星座ビノだけだとちょっと厳しそうでした。そこで、四角形の上の2つの星の位置を改めて確認してもらい、双眼鏡を渡しました。最初は倍率が上がったので、その2つの星の特定にてこずってましたが、やがて二人とも2つの星と四角形の位置がわかり、無事にM13も双眼鏡で見ることができていました。双眼鏡で見ることができると、改めて星座ビノで見てもわかるようになるはずで、無事に二人とも星座ビノでも認識できているようでした。

二人ともかなり反応が良かったので、私も少しやる気が出てきて、せっかくなのでCGEM IIにセットしてあったRedCat51を取っ払って、代わりに全然サイズがあっていないFMA135を載せて、電視観望でM57とM27と北アメリカ星雲を見ました。

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二人とも、すごく喜んでいました。

21時台の早い時間から来ていたこのカップル、天の川が見たかったらしいのですが、「天の川が見えるのは23時頃ですよ」と言うと、「あと2時間もあるのかぁ」と残念がっていたのですが、こんな風にいろいろ見てもらっていたら、いつの間にか天の川も昇り始める時間になっていました。南が見える展望台の方に一緒に行くと、低空はまだ少しガスってましたが、うっすらと天の川の存在もわかりました。女の子の方は天の川を見たことがなかったらしくて、さらに流れ星もこの日生まれて初めて見たとのことで、とても喜んでいました。


結局そのまま帰ることに

気づくともう0時前になっています。残ってるメンバーもだんだん少なくなってきました。撮影をするか少し迷ったのですが、そこまでの空ではないせいか、皆さんももう帰るそうです。一人だとクマも怖いので、私も片付けることにし、0時過ぎに牛岳を後にしました。少し車で下ったところで改めて外に出て東から南の空を見ると、天の川がかなり濃くなってきていました。そういえば今年初の天の川だったことにこの時気づきました。

自宅には1時頃に着いて、結局寝たのは4時前くらいでした。朝は結局8時頃になってしまいましたが、この日も太陽撮影でした。太陽のことは、また別の記事で書こうかと思います。


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