ほしぞloveログ

天体観測始めました。

2026年04月

今回はとうとうフェニックスのエタロンを利用して鏡筒部分の大口径化に挑戦します。まずはその第一歩です。

最初に、とても重要なことです:
太陽望遠鏡の改造は危険を伴います。失明や火事など、重大な事故を起こす可能性があります。もし試す場合は、くれぐれも安全には気をつけて、自己責任の範囲内で進めるようにしてください。この記事を見て試してみて何か起きたとしても、私は何の責任も取ることができません。

今回の挑戦で一つ重要なことは、フェニックス自身には直接には何の改造もしていないことです。フェニックスにレンズを取り付けていますが、そのレンズを外して再び単独で使用する分には完全に元の状態と変わりません。メーカー出荷時と同じ状態なので、安全の観点からも安心できます。

ただし、もともとフェニックスはエタロンと接眼部のBFやERFを取り外せる構造になっています。外した状態で太陽を見てしまう危険もあるので、太陽を見る際はエタロンがついていることと、太陽用の接眼部になっていることを、「指差し確認」するくらいのレベルで、必ず毎回確認するのがいいでしょう。


これまでの試み

これまで、口径20cmのC8と、PSTのエタロンを用いて、大口径望遠鏡でどこまで太陽のHα画像の分解能が出るかを試してきました

自分的には大成功で、PST単体からは考えられないような高分解の太陽のHα線周りの様子を観察することができました。でもPSTのエタロンにはやはり不満があって、
などの問題点がありました。C8でこれ以上を求めようとすると、次はいよいよエタロンをより高性能のものに交換することになりそうです。

それでももしかしたら、PSTエタロンのコントラストが悪いだけなら、ストレッチ時に輝度のオフセットを除くことでコントラストを改善することができるのではと、淡い期待を持っていました。最後にまだPSTエタロンを使い続けようとあがこうともしましたが、分光撮影の評価から、Hαの中心波長からズレると像自体が変わってしまうということがはっきりわかったので、とうとうフェニックスを購入して、エタロン交換の準備を着々と進めてきました。


概要設計

最初の計画では、フェニックスのエタロン部分を外して前後にレンズをつけて、その後距離を稼ぐための筒を適当に取り付けようとか思っていました。でも、色々考えていくと、エタロンが鏡筒前部にすでに確実に取り付けれらていて、その後ろのレンズ系と筒、BFとERFはすでにフェニックスとして完成してるんですよね。そのことに気づいてからは、別途大口径鏡筒の後ろにフェニックスをそのまま配置し、エタロンに平行光を入射させるためにフェニックス前にレンズを取り付ける方向を模索し始めました。世界でも同様の考えに達する人が何人かいたようで、それを見て、あーやっぱりこうなるのかと納得しました。

次に検討したことは、どうやってフェニックスと大口径鏡筒を接続するかと、エタロン前のレンズをどうやって取り付けるかでした。最初は接続アダプターのようなものを3Dプリンタで作ることを考えていて、3Dプリンタそのものは年末に発注し、正月には届いていました。でも、いざ鏡筒同士を接続する段階になって、強度的に大丈夫かどうか不安になってきました。仮に強度的に大丈夫だとしても、相当大きな部品を作ることになりそうですし、取り付け精度と、取り付けた後にぐらつかないかなどの安定性も不安です。

結局、鏡筒の接続は金属ベースにした方がいいことと、できるだけ特殊部品は作らずに一般に入手できるものがいいと考えるようになりました。結果として使ったのは、モノタローで手に入るアルミフレームです。強度的にも十分で、重量的にも重くなく、専用のはめ込みナットで強固に固定でき、しかも簡単に組み換えられるなど、汎用性も十分です。

アルミフレームは各種ありますが、金額ベースで決めて、一番安価なSUS社のものにしました。40x40mmの太さなので、撓みとかもほとんどなく強度的には十分でしょう。長さは無理に細かい長さにせず、当日出荷のキリのいい800mmにしました。端部につけるキャップとか、固定用ナットをM6とM4で、後からレールに傾けてはめ込むことができるナットもいくつか買っておきました。


組み立て

実際にアルミフレームを組み上げてみました。といっても、鏡筒を固定するための手持ちのアルカスイスタイプ互換のクランプを取り付けるだけです。赤道儀側はVixen規格のアリガタにしました。強度的に不足そうなら、Losmandy規格のプレートが一枚余っているので、そちらに載せ替えるかもしれません。

接続する鏡筒は手持ちの口径10cm 焦点距離1000mmの国際光器のMAZELLAN 102を使うことにしました。ここにアルカスイス互換のプレートを取り付けます。同じくフェニックスにもルカスイス互換のプレートを取り付けます。問題は、2本の鏡筒の外径が違うので、高さが合わないことです。そのため、フェニックス側に底上げのプレートを一枚追加しました。

実際にアルミフレームに鏡筒2つを載せてみて分かったのですが、意外に2本の鏡筒の中心を合わせるのが大変でした。高さ方向もそうですが、横方向の傾き調整がアルカスイスタイプ互換のクランプの取り付け時の遊びで決まってしまいます。その一方、水平方向に関してはアルミフレームがで水平面がきちんと出ているので、それほど問題にはならなさそうです。

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肝心のレンズですが、とりあえずテストということでテープで止めるだけにしました。うまくいったら3Dプリンタで取り付けアダプターを作ろうと思います。レンズはPSTと同じ焦点距離-200mmの凹レンズにしました。Amazonで売っている安いレンズで、これで問題ないかどうかはテストしてみないとわかりません。光量を落とすために、レンズの後ろにUV/IRカットフィルターを入れました。エタロンに入る熱をカットして保護するためです。

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実際に太陽を導入してみる

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準備ができたので、外に出て実際に太陽方向に向けて、どうなるかを試します。熱で溶けたり燃えたりしないように、最初は少しだけ光を入れて、光が当たっている場所に手を置いてそれぞれの機材が熱くなっていないかなどを確かめながら、少しづつ光量を増やしていきます。

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レンズは透過、UV/IRカットフィルターは反射、エタロンも共振する光以外は反射なので、基本的に吸収はないはずなので熱くなるようなことはないと思うのですが、念のために一つづつ確認しながら進めました。接眼部のところまで光が来ていて、かつ十分減光されているこをと確認し、カメラに光を入れます。

これでやっと、SharpCapでカメラの像を見ることができます。両鏡筒がピントが合う範囲にあるかどうかもわからないので、まずは2つの鏡筒をそれらしい位置にセットして画面を見てみます。まあ当たり前ですが、最初は全くピントは合わなくて、明るくなるので太陽が入っているのがわかる程度です。

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何箇所かMazallanの位置を移動してみて、それぞれの位置でフェニックスのフォーカサーを前後に目一杯動かして見ると、ある程度傾向がわかってきました。少なくともピントが出る範囲はありそうです。

ここで問題になってくるのが、フェニックスとMazellanの相対的な位置です。どうやって調整したかというと、まずフェニックス単体でピントの出る位置を探り、フォーカサーの位置を固定します。

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Mazellanからの光をフェニックスに入れた時に、その固定したフォーカサー位置でピントが出るように、SharpCapの画面を見ながら相対位置を調整します。最後の微調整はフォーカサーでしますが、相対位置はミリメートル単位くらいで合わせる必要があるようです。相対位置が少しずれて、それをフォーカサーで補正しようとすると、フォーカサー位置をかなり大きくずらす必要があります。

実際の撮影時の画面を見てみます。
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まず、視野が狭いです。カメラの端で像が暗くなってしまっています。

あと、ピントの山がものすごく見分けにくくて、ピントがきちんと合わないように思えます。でもまだ少し試しただけなので、光学的に何か問題があるのか、それともあまりにシーイングがひどくて合わせにくいのかの切り分けが、まだできていません。

ちなみに、下がフェニックス単体の撮影時の様子です。これでさえもボケボケなので、少なくともかなりシーイングが悪かったことはわかります。
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あと、連結した場合とフェニックス単体で比べた場合、エタロンのHα調整の回転つまみの最適位置がかなり変わりました。つまみで調整できる範囲内でしたが、両端に達するような勢いで、エタロンがかなり温められている可能性があります。PSTのエタロンと違い、中央に遮蔽があるタイプなので、エタロンを壊さないように少し気をつけた方がいいかもしれません。


撮影できた画像

撮影した画像を処理して見てみます。カメラはG3M678M、撮影は8ms露光で、ゲインは800 (=180(ZWOのゲイン) =18dB =8倍)、14時15分に500フレーム撮影して上位100フレームを使っています。処理はごく普通にAS!4でスタックして、ImPPGで細部出しをしました。

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昨日の記事でアップしたフェニックス単体の画像を拡大して同じような画角にしたものと比較してみます。左がMazellan+フェニックス、右がフェニックス単体です。

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これだけ見ると少なくとも右側の口径4cmのPhoenix単体よりは、左側の口径が10cmの方が分解能がでていて効果があったように見えるので、まずは成功と言えるでしょう。でもこれで大成功かというと、まだまだ程遠いです。

まず、ImPPGでの処理でわかったのですが、完全にオーバーサンプリングです。もしくは、シーイングが悪すぎるのでしょうか?Unsharp maskingのsigmaは通常0.5からせいぜい2なのですが、4とか5という大きな値でやっと模様が出てきました。処理するベースのピクセル数が大きいことを意味していて、カメラピクセルが生きるような細部の処理は意味がないことになります。ボケボケと言っていいのかもしれません。


焦点距離1000mmをくっつけた時の倍率

フェニックス単体で撮影した画像と、連結して撮影した画像を比べて見ると、倍率は2.9倍程度でした。焦点距離400mmが1000mmになったはずなので、2.5になるはずです。少し大きいですが、あからさまに変な倍率ではないでしょう。

と、最初思っていたのですが、多分これ間違いです。1000mmの対物レンズに、対物レンズから800mmの位置に-200mmのレンズを入れ、平行に光を飛ばして、再び200mmのレンズで焦点を結ぶ場合は、トータルの焦点距離が1000mmになるので、倍率は2.5倍になります。でも今回は200mmではなくフェニックスの対物の400mmレンズで焦点を結んでいるわけです。そうするとおそらく1000mm - 200mm + 400mmでトータル1200mmになり、1200/400=3倍程度になるはずです。実測は2.9倍なのでこちらに近いのですが、まだちょっと計算に自信がないです。


なぜボケボケなのか?

少なくとも大成功とは言えないので、その原因を探る必要があります。

まず、今回のはテストでワンショット撮って時間が尽きてしまったので、ボケが機材のせいなのか、シーイングのせいなのかさえ、まだ切り分けができていません。

機材が原因である可能性としては、エタロンの中央遮蔽です。PSTのエタロンは2枚の鏡のみで面内に邪魔なものはありませんが、フェニックスのエタロンは中央に遮蔽があり、入ってくる平行光の中央部分がブロックされてしまいます。ピントが出にくかったり、ボケボケになったのはこの中央遮蔽が原因かもしれません。

もし中央遮蔽が問題だとすると、今回は-200mmの凹レンズを対物レンズから800mmのところに入れる設計のために、エタロン上のビーム径は20mm程度になり、径があまり大きくならないということは、かなり深刻な問題でしょう。エタロンの有効径が40mmあるので、もう少し緩いレンズにしてビーム径を大きくしてもいいのかもしれません。

この観点から考えると、
  • 手持ちの口径8cmの焦点距離400mmの鏡筒で試すと、今の-200mm凹レンズでビーム径が40mmになるので、まずはこちらから試した方がよかったのかもしれません。
  • もしくは、焦点距離900mmのTSA-120だとビーム径が27mm程度になるので、これでもましかもしれません。
  • 一方C8だと、焦点位置の移動範囲は結構大きく、実行焦点距離も1900mmから2100mm程度になるのですが、それでもエタロン上のビーム径は20mmから大きくは変わらないはずです。凹レンズの焦点距離をもう少し負側に伸ばすか、もしくは大口径でも、もう少しF値の低い鏡筒を考えるべきかもしれません。
ただ、このこの検討はまだ仮説の域を出ていないので、実際に試してみて中央遮蔽の影響がどこまであるかきちんと検証すべきかと思います。


その他改善案

UV/IRフィルターはレンズ手前に入れた方がいい気がします。レンズまでは温められているので、熱レンズ効果などで焦点距離そのものがズレたり、不安定になってボケボケに可能性があることに後から気づきました。本当は、2インチのHαフィルターがあると、エタロン前に取り付けることができていいのですが、撮影用に使っているものしかないので、必要なら透過幅が広くてもいいので安価なものを手に入れようと思います。星まつりで探すことになるかもしれません。

まだまだたくさんやることはありますが、次回テストできそうなのは、ゴールデンウィークの最後の方です。前半は少し忙しいのと、天気も悪そうです。それまでに他にも改善案がないか、もう少し考えてみます。


まとめ

長年温めてきた、エタロンアップグレード計画がとうとう進み始めました。まだ今回はテスト段階で、大成功とは言えませんが、少なくとも4cmの分解能よりはよく見えたので手応えを感じています。

太陽は一歩間違えると大変危険なのですが、Phoenix自体が無改造というのもいいです。どこまで行けるかわかりませんが、口径20cmの性能を出し切れるところまで持っていけたらと思っています。

エタロンに目処がついたら、いつか30cmに挑戦したいのですが、これはまだまだ先になりそうです。



フェニックスで撮影した2026年4月26日14時25分の太陽です。記録記事になります。

午後の撮影で、シーイングはかなり悪かったと思います。この日は午前もシーイングが悪く、晴れてはいましたが、風も強くてあまり撮影向きの日ではありませんでした。午前は先の記事で書いた粒状斑を撮影していましたが、きちんと粒状斑が出た画像はなかったために全部没にしたくらいでした。午後は、フェニックスを口径10cmのアクロマート鏡筒に取り付けて大口径化するようなことを試していましたが、これは別途記事にしたいと思っています。

これと比較のために、フェニックス単体でも撮影したので、その太陽全景画像を記録がてら載せておこうと思います。いつもの、モノクロ、反転、カラー、カラー反転画像になります。

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  • 撮影日時: 2026年4月26日14時25分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒:  ACUTER OPTICS Phoenix (f400mm、F5)
  • 赤道儀: Celestron CGEM II
  • カメラ: Touptek G2M678M
  • 撮影: SharpCap Gain 200 (= 6dB)、露光時間4ms、800/1000 frames
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、PixInsight SolarTools

2016年のゴールデンウィークに星を初めて、その一年後から毎年まとめ記事を書いています。

いい機会なので、年間まとめ記事を一覧にまとめておきたいと思います。これだけでもすごい量ですが、全部ブログ記事を読むよりはマシで、何をやってきたか思い出すことができます。





2019年分のまとめから、年が明ける際に時期を移動しました。その後も、今のところ毎年のまとめ記事は続いています。









ちなみに、なぜブログを書くのかをまとめたことがあって、その時の記事を読むといまだにこのブログを続けているわけがわかるかと思います。よかったらお読みください。でもこの記事も2020年だから、もう6年も前のことなんですね。もっと後に書いたと思ってました。本当に月日の経つのは早いです。



4月25日(土)、朝から晴れていて時間が少しあったので、久しぶりに粒状斑を見てみることにしました。

前回粒状斑を見たのは2025年11月のことで、2021年からずっと挑戦していて、長年の苦労でやっと見えたと報告したのが以下の記事です、



撮影セットアップ

今回のセットアップも、カメラ以外は前回と同じになります。

TSA120に2インチのUV/IRカットフィルターと、眼視用の2インチのOIIIフィルターを取り付け、カメラに1.25インチのHβフィルターをつけています。1インチのアイピース口をつけて、そこにExplor Scienteticの5倍のバローを取り付けています。

カメラは前回はピクセルサイズが2.9μmのASI290MMを使いましたが、今回はピクセルサイズ2.0μmのG3M678Mを使ったので、分解能的に少し有利になるかもしれません。

ただしTSA120の口径は120mmなので、口径からくるレイリー限界がOIIIだと1.05秒角になります。焦点距離が4500mmの場合、ピクセルサイズ2.9μmだと、1ピクセルあたりの画角は0.13秒角、2μmだと、画角は0.091秒角と、いずれにせよ十分すぎるくらい細かいので、実際の改善はほぼないと思われるかもしれません。

でも、粒状斑の大きさが1000km程度で、視野角としては1秒角程度にしかならないので、そもそもがレイリー限界程度です。1秒角のものを、ASI290MMの0.15秒角程度の分解能で見るか、G3M678Mの0.1秒を切る分解能で見るかという違いです。言い換えると、粒状斑を一辺6ピクセルくらいで見るか、10ピクセルで見るかという違いになります。

レイリー限界を信じるなら、そもそも粒状斑は全然見えないのでしょうし、ピクセルサイズの違いで改善はないでしょう。レイリー限界を超える何かがあるなら、ピクセルサイズで多少の効果はあってもおかしくないかもしれません。果たして、どちらが正しいのでしょうか?


撮影時のシーイング

この日はそこそこ大きな黒点群が出ていて、G3M678Mの画角にちょうど合うくらいなので、そこを狙いました。ただ、時間的に午前の少し遅い時間帯なので、そこまでシーイングは期待できなさそうです。30秒程度ごとに1ショット、合計1時間程度で120ショットを撮影しました。

撮影を開始してからはそのまま放っておいて、朝昼ご飯を食べにいきます。この日は近所のガストでした。モーニングギリギリに入って、クーポンで少し安くなったトンん汁定食を食べました。

午後12時ころに帰ってきて、今度はもう少し小さな黒点を、ROIで縦横半分にして撮影しました。こちらも1時間程度で120ショット撮影しました。

撮影終了後、AutoStakkertt!4のバッチ処理で一気にスタックし、ImPPGで細部を出して比較しますが、どうやらこの日はシーイングは全然ダメだったようです。基本的には粒状斑が全く出て来ない画像がほとんどでした。午前中の画像は、粒状斑が画面の1部にある程度写っていたものが16枚、画面全体に粒状斑が写っていたものはわずか4枚でした。午後はもっとひどくて、粒状斑らしきものがある程度見えるのがわずか4枚で、全体が写っているものはそのうち1枚だけでした。

実は、前回の粒状斑の撮影後に、試しにC8でも同じような手法で120ショット撮影したのですが、全然うまくいかず、粒状斑の画像としては全滅でした。その後はC8という機材が悪いと思い込んでいたのですが、TSA120でもシーイングで写り方が全然違うので、もしかしたらC8のときはやはり撮影時間帯の間中シーイングが悪かった可能性も捨てきれなくなりました。口径の差は効くと思うので、いつかC8とTSA120で撮影して比較できればと思います。

ちなみに、次の日曜の午前にも同じTSA120のセットアップで粒状斑を120枚撮影しましたが、この日のシーイングはもっと酷くて、全面に粒状斑が映っているものは1枚もなく、全ボツでした。シーイングの影響はものすごく大きいです。


結果

さて、今回の撮影結果です。まずは土曜午前の分のG3M678Mのフル視野角で、巨大黒点群AR4420周りです。

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  • 撮影日: 2026年4月25日10時15分
  • 撮影場所: 富山県富山市自宅
  • 鏡筒: Takahashi TSA-120(f900mm、F7.5) + Explore Scientific x5バローレンズ
  • フィルター: UV/IR cut、Baader 7nm OIII、7nm Hβ
  • 赤道儀: Celestrn CGEM II
  • カメラ: ToupTek G3M678M
  • ガイド:  f120mmガイド鏡 + ASI290MM、PHD2 solar
  • 撮影: SharpCap Gain 100 (= 0 for ZWO camera = 0 dB = 1倍)、平均23fps、露光時間0.8ms (10時11分から11時15分まで、約30秒ごとに200フレームを120回撮影して、そのうちベストショットの20/200フレームをスタック)
  • Dark、Flat補正: 無し
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop CC

次が、午後の撮影で、少し離れた単独黒点のAR4421をROIで縦横半分のサイズにして撮影したものです。
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  • 撮影日: 2026年4月25日13時31分
  • 撮影: SharpCap Gain 100 (= 0 for ZWO camera = 0 dB = 1倍)、平均23fps、露光時間0.6ms (13時31分から14時36分まで、約30秒ごとに200フレームを120回撮影して、そのうちベストショットの20/200フレームをスタック)
  • Dark補正: 無し、Flat補正: Gain 100、露光時間0.6ms x 32枚
  • 画像処理: AutoStakkert!4、ImPPG、Photoshop CC

惜しむらくは、上の両画像とも画面内で分解能が出ているところと、分解能が出ていないところがシミのような形で分かれていることです。これは元の動画の1コマ1コマを見るとわかるのですが、シーイングがいいところと悪いところが画面内で分かれているからです。その中でもシーイングがいい時の画像を瞬間的に持ってきているのですが、画面内でいいところだけを選ぶという技術はまだないので、このように時間平均して悪いところが残ってしまうようです。

とにかくシーイングは全然良くなくて、それにもかかわらず、1時間にわずか1-2ショットだけですが、かろうじていい瞬間があるというのは、統計的に見ても非常に面白いと思います。


前回ベストと比較

前回のベストをいま一度比較のために下に掲載しておきます。
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シーイングは前回のほうがよかった印象にもかかわらず、今回の方が分解能が出ているので、やはりピクセルサイズの小さいカメラの効果はあったのかと思います。ただし、シーイングの良かったせいもあると思いますが、画面内の安定度は前回の方が上なのかと思います。


デジタル時代のレイリー限界の意味

こうやって見てみると、レイリー限界の意味がだんだん薄れてくる気がします。レイリー限界は、眼視時代に定義された、人間の目で2つの星を見分けることができる一つの目安です。具体的には、2つの星のエアリーディスクの重なりが大きくなると中心の間に明確な輝度の落ち込みがなくなるような状態で、 片方の星の明るい中心が、もう片方の星の最初の暗い輪に重なるのが限界になります。

レイリー限界は鏡筒の口径とターゲットの波長のみで決まって、今回のTSA120の場合はOIIIで1.05秒角となります。これが本当に限界だとしたら、そもそも1秒角程度の大きさでしかない粒状斑はほとんど何も見えないことになります。でも、実際にはよく見えてるんですよね。

今回は焦点距離を伸ばすことで、この1秒角程度の粒状斑を10ピクセルくらいを使って見ています。レイリー限界を信じるなら、より細かいピクセルを持ってきてもオーバーサンプリングになってしまい分解能は上がらないはずなのですが、目で見る場合と違いカメラで撮影した画像データでは、例えば少しの輝度差も、輝度のオフセットを除き、輝度さを画像処理で拡大などすることで、S/Nよく明るい部分と暗い部分が区別できるので、レイリー限界で考えるよりももっと分解能は上がってもおかしくありません。

今回の結果だけ見ると、粒状班の形や、更には粒状班の中の様子まで見えつつあります。レイリー限界だけで考えると勿体無くて、例えばこの結果からレイリー限界の10分の1くらいのサイズのピクセルで見ることには、十分に意味があるということが言えそうです。


まとめ

口径120mmで見る分解能としてはかなり限界に迫っているのかと思います。ここまで迫るためには、シーイングの極めていい瞬間を狙うことがかなり重要になります。1時間撮影して、シーイングが良くなるあるある時間帯のうちの、その中でも一番いい16ミリ秒ぶんを使ったということになります。確率で言うと、20/(200*120) = 0.083%です。いい分解能を得るのは、このくらいの確率を考えなければならないということもなんとなくわかってきました。

ただ、日としては悪いシーイングだったので、シーイングのいい日を狙うとまだ改善する余地があるのかと思います。あとは、やはりもう少し大きな口径で同様なことを試してみたいです。



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2019年5月に、名古屋のスターベースが閉店する直前に寄った際見つけた、レンズが白濁したジャンクのFC-76。作りは昔のタカハシを彷彿とさせるべく、無骨そのもの。例えば、レンズキャップは鋳造の金属製です。

この鏡筒、白濁なんて全く気にならくて、かなり使い勝手が良く、のちに大活躍しています。特に太陽分光ではサイズ的にもピッタリで、ジャンクで信じられないような値段で購入したにもかかわらず、すごい稼働率です。改めて、関連記事をまとめておきます。














春です。暖かくて天気がいいです。観望会の季節です。

前日金曜に引き続き、2026年4月25日の土曜も観望会に参加です。この日は富山市科学博物館で毎週行われている定例の観望会です。前日の駅前観望会終了後、Xで知り合いの4月から高1になったMちゃんから、科学博物館の観望会に行くとDMが来ていたので、2日連続になりますが私も参加することにしました。

冬の間はなかなか天気に恵まれなくてここしばらく参加していなかったので、久しぶりの参加になります。


準備は楽々

準備は前日のセットアップそのままの、FC-76とASI294MCをAZ-GTiに載せたものです。実は昨日の観望会用には念の為にC8とCGEM IIも持っていっていました。銀河がうまく見えなかったり、惑星に振ったりしたくなったときの予備の機材です。でも結局全く使うようなことにはならなかったので、C8とCGEM IIは車から下ろして少し身軽に出発します。

そうそう、出発前に一つだけやることがありました。前日の観望会で気付いた、CMOSカメラのホコリ取りです。保護ガラス面についているもので、淡い天体を炙り出すと黒い丸になってしまって、見栄えが悪いです。頑張って掃除するといくつかのホコリは除去できたのですが、保護ガラスの内側に入り込んでいるホコリもあるようです。しかも清掃中の画面をよく見ると、センサー面に直についていると思われる小さな黒い点がいくつかあります。保護ガラスは外したことがないはずですが、どうやって入り込んだのか不思議です。まあ時間もなかったので、取れないホコリは諦めました。

この日も18時くらいには科学博物館に到着しました。19時半から開始なので、ちょっと早いかと思いましたが、県天メンバーのKさんはすでに到着して準備を始めてました。Kさんは昨日も来ていたので、同じく2日連続です。徐々に日が落ちてくると、科学博物館の職員さんも機材を出し始めます。

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私ものんびりと準備を始めます。と言っても、前日とほとんど同じセットアップなので、迷うこともありません。


科学博物館の観望会には面白い子達が

この観望会のメインのターゲットは、星や宇宙に興味がある子供達です。せいぜい小学生までで、中学生以上は稀です。

そんな中、まだ準備をしている明るい最中に、今日の観望会に誘ってくれたMちゃんが到着しました。一人で来ていたようなので聞いてみると、朝からバスで一人で科学博物館に来ていて、さっき夕食を済ませて、今また帰って来たとのことです。理系志望と聞いていましたが、やはりこういった科学館系もかなり好きなようです。名古屋市科学館はまだいったことがないとのことなのでお勧めしておきました。あそこは1日中いても飽きません。そういえば、先月東京上野の国立科学館に行ったのですが、もちろん展示も素晴らしくて面白いのですが、個人的には名古屋市科学館の方が好きだったりします。でも、地元で子供の頃から通っていたからなのかもしれません。

富山市科学博物館の観望会は、基本は小学生やさらに小さな幼児がほとんどなので、当然親御さんが連れてくるのですが、ご両親も天文にある程度興味がある方が多いです。まあ当然と言えば当然で、よほど好きな子供に引っ張られて連れてくるか、もしくは親が元々興味があって子供に勧めるかで、前者は稀で、普通は後者が多いかと思います。でもそんな中、今日も強烈な子が一人いました。

まだ暗くなりきらない明るいの電視観望でオリオン大星雲を見せていた時のことです。
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「今見えているのがオリオン大星雲です。」と説明すると、すかさず小さな女の子が「M42!」というのです。聞いたらまだ小学2年生だそうです。話していると、他にもいろんなことを知っているみたいで、M3とか球状星団みたいなマイナーなのも知っています。SCOPETECHで月を見てもらうと、すぐに微動を覚えて、次はピント調整もマスター。最後は可変倍率のアイピースで月を拡大して、ピント合わせまで全部一回の説明で、いとも簡単にマスターしました。

結局この子がこの日の屈折望遠鏡担当で、私はほとんど触る必要もなく、ずっと月を見どころの位置に保ってくれていました。
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オリオン大星雲は沈んだところが結構大うけで、木々の間に見えるオリオン大星雲でなぜか盛り上がりました。
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木の隙間からわずかに見えるオリオン大星雲。

この熱心な女の子、電視観望で見る銀河も興味津々みたいです。M42を知っていたので「M51って知ってる?」と聞くと、どうやらわからないみたいで「子持ち銀河って言うんだよ」と穏やかに説明しながら「勝った」と大人気なく心の中で思ってしまいました(笑)。

M51の腕が見えてくる最中もずっと見てくれていて、本当に宇宙が大好きな様子でした。
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「一番好きな星座はいっかくじゅう座。」というので、「いかっくじゅう座にバラ星雲というのがあるんだよ。せっかくだから見てみようか!」と言って、まだギリギリ西の空に残っているバラ星雲を見てみました。さすがにかなりの低空で淡淡でしたが、しばらくライブスタックしていくと、輪郭だけはなんとなくわかって来ます。隣にPCで以前撮影したバラ星雲と並べて見ると、形がはっきりと認識できるので、淡いリアルタイムのものを見てもなんとなく形がわかって来ます。

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観望会もだんだん終わりが近くなり、バラ星雲も沈んでいきます。最後はM101: 回転花火銀河に挑戦です。この日は反省するところがあって、AZ-GTiの水平を全く取っていなかったのです。なので、導入のたびにちょっと離れたターゲットは、平気で数度以上ずれてしまいます。M101はかなり淡いので、画面内に入っているかどうかさえわかりません。プレートソルブを何度か試して、やっと多分これだと言うのが画面で確認できました。本当はこんな時は、プレートソルブをした後にアノテーションして天体の名前を表示してやればいいのです。

まぁ今回は一応苦労もしましたか、無事にM101を画面の真ん中に持ってきて、ライブスタックを開始しました。でもM101はM51回転銀河と違って、面積はあるものの輝度は低く、多少ライブスタックをしてもなかなか画面に出てきません。かなり待って何とか淡い広がりがあるのがわかってきて、その後観望会収終了まで放っておいたら、最後にはやっと腕の形がわかるようになってきました。その時の画像が以下になります。右がライブで左が以前撮影した参照画像です。

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でもその頃にはお客さんもほとんどいなくなってしまっていて、M101の腕が出た所まではあまり見てもらえなかったのが残念でした。

もう一つ反省点です。オリオン大星雲やバラ星雲を見るときは、光害フィルターとしてCBPをつけました。銀河を見る時は外します。それはそれでいいのですが、駅前の観望会の時と違ってさらに1.25インチのUV/IRカットフィルターを何の気なしに入れてしまいました。どうもこのUV/IRカットフィルターで光が少し蹴られてしまっていたみたいで、強度に炙り出すとリング状のカブリのようなものが目立ってしまいました。多少星像がマシになるかなと思って付けたたのですが、ほとんど改善がなかったので、ASI294MCのような大きめのセンサーサイズの場合は1.25インチのフィルターは注意してつける必要がありそうです。


後片付け

科学博物館の観望会は21時ぴったりに終了です。お客さんも子連れの方が多いので、21時ぴったりにはほぼ誰もいなくなっています。後片付けで車で3往復ほどし、その後は事務室に集合し、他のボランティアの方や科学博物館の職員さんと少しおしゃべりし、21時半過ぎには帰路に着きました。

今週末はずっと天気が良かったので、2日連続の観望会と2日連続の太陽撮影と、非常に充実していました。さすがに夜中は(月もある程度出ているので)寝ていました。

次の日曜も朝から太陽です。いろいろ面白いことやったのですが、ネタが多すぎてブログ書きが全然追いついていません。焦らずに今週平日にゆっくり記事にしていこうと思います。



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